September 19, 2008

9月5日の先発デビューのNYY戦で、7イニング2/3を1安打1失点、あわやノーノーといえるキレのあるピッチングをみせたモローだったが、この日のLAA戦先発は城島の慢心に足をすくわれる形になって、イライラしつつマウンドを去った。あのノビノビと自由に投げる能力を発揮していた新人を、メジャーの野球にあわないダメ捕手の型にはめて、何が楽しいのだろう?

4月にディッキーが、城島と初めてバッテリーを組んだ時期のコメントを思い出す。

あれも、くしくも同じLAA戦だ。ディッキーは城島のサインに疑問を持ったまま投げて、試合を決める2塁打を打たれて後悔の念にかられ、こう言ったものだ。
「ハンターに速球を投げたことは、ちょっとどころじゃなく、後悔の念にかられてるよ。ハンターにはいくつか良いナックルを投げてて、彼はナックルに手を焼いてたのにね。そのあと、彼に出し抜けの速球をくらわそうとしたんだけど、それは間違った決断だったね。(サインに)クビを振ればよかった」

きっと9月は、今年の5月と同じような負け続けの月になるだろう。理由ははっきりしている。城島が湿ったバットと正捕手のマスクで自作自演のひとりよがりのゲームを続けて、投手たちを自滅させていくからだ。

BOX SCORE
GAMEDAY
モローのスタッツ

まずは3回裏。
1塁ランナーのマシューズが二盗を試みた。城島は何を思ったのか、サイドスローのような形で投げ、送球エラーとなって、マシューズはサードへ。1死2、3塁になって、アンダーソンにタイムリーを打たれる形で、エンゼルスに先取点を献上してしまう。
この、サイドスローで投げた、という点については、日頃はあまりプレーヤーのエラーについては触れない公式サイトの記事も、明確に「サイドスローで投げた」と書いており、誰もがクビを傾げる投げ方だった。

次は5回の裏。
ノーアウト1塁で打席。単純なキャッチャーフライを足がもつれて転び、落球。このあと2死1、2塁のピンチとなるが、モローが踏ん張ってことなきを得た。

だが、モローのズレはじめたリズムはもう戻ることはなかった。これで次の登板にさしつかえないわけもない。公式サイトですら、こう伝えている。

http://seattle.mariners.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080912&content_id=3460491&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=sea
Morrow started out fine, throwing 21 strikes in his first 30 pitches, and retiring the first five batters he faced. But he began losing command of his fastball in the third inning, and struggled a little more with command of his fastball and curveball in the fourth and fifth innings.
モローのスタートはよかった。最初の30球で21のストライクを投げ、最初に対戦した5人のバッターを退けていた。だが、3回になって速球が乱れ始め、4回、5回と、速球とカーブ、両方のコントロールに苦しむようになった。


この馬鹿捕手、もう何シーズンも、何ヶ月も繰り返してきた同じ過ちを、またもや繰り返そうとしているのだ。何度繰り返えすと気がすむのだろう。
モローやディッキーに限らず、初対面の投手にはいつもこれだ。投手に気持ちよく投げさせる、ということを知らない。そのクセ、自分の流儀だけはなんとしてでも押し付けようとする。まるでド田舎の教師のように。
そして、チーム先発デビューであれほどのキレをみせたカタナは、全てなまくらに変えてしまう。刃物の研ぎ方を知らないクセに、いきがって砥石を手にする馬鹿である。そして若い才能も、ベテランの経験も、すべての才能は子供の彫刻刀のように朽ちてしまう。


試合中、モローが城島のサインにクビを振る場面が何度も見られた。モローはクビを振った後、マウンドから城島を睨みつけるシーンもあった。だが、頑固で馬鹿なこの捕手は、同じサインを出し続け、ついには、試合中なのにマウンドでモローと城島が口論さえ始める始末。ピッチングコーチが、気持ちのキレたモローに、気持ちを切れさすなと諭すが、後の祭り。

投手に嫌われ続ける捕手は、こうして投手の気持ちを把握しないまま、チームに居座り続ける。城島は2009シーズンの芽も摘み取りたいらしい。

September 12, 2008

セイバーメトリクス(数理統計的野球解析学)の発達にともなって、客観的データに基づくコンピュータ・モデルで選手の活躍を予想することが当たり前となってきている。予想モデルは数々あるようだが、中でも評判が高いといわれるのが、野球シンクタンク「ベースボール・プロスペクタス」が開発した「PECOTA(Player Empirical Comparison and Optimization Test Algorithm)」である。

PECOTAは、城島とクレメントに関して、すでに次のような予測を出している。

城島の今後についての予測部分に注目してもらいたい。この予測は2008年の打率を織り込んだものではなく、あくまで2008年春の予測だ。それでも、城島の今後についてPECOTAは、「全く右下がりになるだけの、超悲観的な予測」を出していたのである。

つまり、PECOTA的にいうなら、城島はデータ予測上、「2008年春の時点ですでに、今後の上がり目がまったく期待できないプレーヤー」だったのである。

そして2008シーズン、城島はPECOTAの予測どおり、攻守ともに大きく成績を下げた。こんな選手との3年契約が「コネ以外」で結べるとしたら、ほかに何があるだろう。教えてもらいたいものだ。


城島に関するPECOTAの予測
http://www.baseballprospectus.com/pecota/johjike01.php
http://www.baseballprospectus.com/pecota/johjike01.php#forecast
PECOTA/城島

クレメントに関するPECOTAの予測
http://www.baseballprospectus.com/pecota/clemeje01.php
http://www.baseballprospectus.com/pecota/clemeje01.php#forecast
PECOTA/クレメント



続いて2008年版のSI.comのスカウティングレポートに触れてみる。

2008年の春のレポートで、要改善点のトップに指摘されているのは、またしても2007年同様、先発投手などの投手力ではない。「打撃」である。
2008年版で指摘されたのは、直接にはDHビドロの得点力の無さ」であり、そして帰結的に指摘されているのが「パワーヒッター不足」である。そして対策として挙げられた案が、グリフィーと城島のトレード、PECOTAでの予測に基づくクレメントの正捕手昇格、である。


この2007年にビドロはたしかに打率は.314打った。だが、DHとして、打撃の中身は満足できるものではないと、SI.comは断定する。グリフィーとはまた、懐古趣味が過ぎると思うが、要は、ビドロや城島のようなタイプの、見かけ倒しのパワーではなく、ちゃんとした打者を補充して、得点力を向上すべき、と言っているのである。

恥ずかしげもなくDHには適応しなくていいと公言する城島とそのオタなどは、.314も打率があれば十分だろうといいかねないが、.314の打率があってさえ、ダメなものはダメなのだ。
城島のDH起用など、そもそも意味がないことくらい、チームもファンも、そろそろわからないとダメだろう。そもそも.210しか打率がない城島のどこに「DHとしてどうのこうの」と発言する権利があるのか。最初からそんなものはないのである。

CONSIDER THIS 2008
(2008シーズンの要改善点。訳はおおざっぱなもの)
http://sportsillustrated.cnn.com/baseball/mlb/specials/spring_training/2008/previews/mariners.html
問題はDH。ビドロは昨シーズン.314打ったが、6HR、59打点に終わった。解決法のひとつは、レッズのトレードの目玉、グリフィー・ジュニアをもってくること。レッズは外野手が余っていて、捕手が欲しい。シアトルの正捕手なら、24歳のクレメントで務まる。PECOTAは彼のOPSを、城島の.704より高い.733とはじき出している。より重要なことは、グリフィーがクラブで最も優秀なパワーヒッターになれることだ。

The big issue is designated hitter, where Vidro is expected to bat; though he hit .314 last year, Vidro contributed only six home runs and 59 RBIs in 548 at bats. One solution? Bring back the Kid. Make catcher Kenji Johjima, who is 31 and in the last year of his contract, the centerpiece of a trade for Reds rightfielder Ken Griffey Jr. Cincinnati would get a much needed catcher while loosening its outfield logjam (and clearing room for Jay Bruce). Seattle's starting catcher could then be 24-year-old Jeff Clement, for whom PECOTA projects a .733 OPS -- better than Johjima's .704. More important, Griffey would become the best power hitter on the club.


わざわざSI.comに言われなくとも、試合を数多く見ている日本のファンなら、経験的にビドロはじめ、シアトルの打者の得点力に欠陥があることはわかっている。
そのひとつが「いくらチャンスを作っても、点に結びつかない」という長年の欠陥で、この得点力の低さは、出塁率と同様、いまだに解決などされていない。というか、出塁率さえ改善できないのに、得点力もへったくれもないのだが。

例えば「ビドロは、イチローと相性が悪い」などという言い方が2007年にはよくあった。これは「イチローがヒットを打つと2番ビドロが打たない、イチローが凡退するとビドロはヒットを打つ」というちぐはぐさを指す。打順でいえば、2番に置けばランナーズ・オンで打てない、5,6番に置けば得点圏で打てないといった、走者を進め点に変える効率的な攻撃ができないという問題である。
この話はビドロだけでなく、2007城島にもぴったり当てはまる。ペナントの行方を争っていた2007年7月までの城島のランナーズオン打率、得点圏打率は.210から.220程度と破滅的な数字だったし、ホームランも試合を左右するようなものはほとんどない。(2008年は打率そのものが.210なわけで、これはもう、話にならない)

加えて、ビドロは併殺打が多すぎる。この点も、城島にぴったり重なる。アリーグ3位となった城島の併殺打の多さには呆れかえるが、城島に次ぐ併殺打の多いバッターがこのビドロであった。

またビドロにはバントという選択肢がない。そのため、1塁にイチローがいる場合、エンドランという選択肢が数多くとられたが、このことはイチローの盗塁機会を数多く無駄にし、連続盗塁記録を途切れさせる遠因にもなったと、イチローファンの不評を買った。
このバント技術の無さという点も、城島にぴったり重なる。ビドロも城島も、打てないから何か他のことをさせるということができない、融通の効かないバッターなのである。


2007年春のスカウティングで指摘されていた出塁率の低さは、城島はじめシアトルのダメ打者たちの基本的な特徴だったが、同じように、2008年春に指摘されたビドロのバッティングの中身の薄さも、ビドロだけの特徴ではない。城島の打撃も全く同じ傾向を示す。

ビドロの打撃に問題がある以上、打者としての傾向がそっくりの城島にも全く同じ問題があてはまる。2007年の城島の打率も、ビドロ同様、中身はまったく薄っぺらだから、当然のことだ。

(この記事、(3)に続く)



SI.comは、米国で最も有名なスポーツ雑誌で、今はタイム・ワーナー傘下にあるSports illustratedのオンライン版。CNNSI.comという名称だったが、2003年に名称を変更した。

SI.comは毎年MLBのスプリング・トレーニングの後、各チームのスカウティング・レポートを発表している。
スカウティングもいろいろなレベルのものがあり、これは公表できるものだけに、実戦のためのスカウティングというより、スポーツファン向けのチーム概況というべきレベルだが、このサイトの予想の確かさには定評があるようだ。
(ただ前年データに影響されやすいという難点はある。例えばシアトルの予想順位でいうなら、最下位だった2006年の翌2007年の順位を最下位と予測(→実際には2位)。そして2位だった2007年の翌2008年の順位を2位と予測(実際には最下位)など。ただ、前年までのデータからの予測というサイトの性格上、ありがちな話で、予測誤差としてアタマに入れて読みこなせばすむ。)

2008シーズンの始まる前、このSI.comはシアトルというチームをどう見ていたのか。

レポートのCONSIDER THISという項目に、そのシーズンに改善すべき点が具体的かつ端的に要約されて挙げられているので、2007年、2008年の部分を見てみる。まず、まわりくどくデータをいじるより、結論を先に言っておこう。

シアトルというと、いつも先発投手の力不足がプライオリティが高いように思われがちだ。だが、SI.comのレポートで2年続けて指摘されていたのは、先発投手の力量の無さなどではなく、「打撃」である。
SI.comが2年続けて指摘した問題点は、専門家でなくとも、誰もが理解できる的確でシンプルなものだったが、この指摘に関するかぎり、シアトルの側はというと、この2シーズン、懸案となり続けていたチームの問題点を何も解消しないまま先送りし続けてシーズンに突入し、誤った選手起用、城島契約延長問題を含めた誤った大きな投資を繰り返し、チームはチームとして崩壊した。


まず2007年版からみていく。
要改善点として指摘されているのは「四球の少なさに起因するチーム全体の出塁率の低さ」。そして出塁率を改善すべき選手として、ベタンコート、ロペス、ベルトレ、ブルサード、城島、5人の個人名が上がっている。

この5人、実際の2007シーズン後に四球と出塁率がどう変化を遂げたか。つまりSI.comの考える最重要課題は解決されたのだろうか。まずは見てもらおう。

四球数と出塁率  2006年  →  2007年 
ベタンコート(17四球 .310)→(15四球 .308)
ロペス   (26四球 .319)→(20四球 .284)
ベルトレ  (47四球 .328)→(38四球 .319)
ブルサード (26四球 .331)→(17四球 .330)
城島    (20四球 .331)→(15四球 .322)
注:ブルサードは2006年432打席、2007年240打席

立派なものだ。なんと、バックアッパーになって打席数の激減したブルサードは容赦するとして、誰ひとりとして数値が改善されていない。SI.comに指摘された問題点は全く改善されなかったのだ。

このことから、2007シーズンが、シアトルのフリースインガーたちにとってどういうシーズンだったかがわかる。
簡単にいえば、城島をはじめ、彼らはマグレの2位というチーム順位をいいことに、というか、それを自分たちが努力しないで済ます格好の隠れ蓑にして、自分の野球技術を必死で改善する努力を怠ったままスタメンに居座った。言い方を変えれば、彼らはイチローやイバニェスの数値にオンブし、チームに安住したのである。
そしてチームの側も、2007年春のSI.comのスカウティングレポートが指摘し、ファンの誰もがとっくに気づいていた、こうしたフリースインガーたちの怠慢な出塁率を放置したまま、2008シーズンに突入する。

シアトルの出塁率の悪さはかねてから一般のファンですらわかっていることだけに、なんだそんなことかと、思うかもしれない。だが、問題は改善点としてのプライオリティ、優先順位だ。
SI.comは、2007シーズンに向けた要改善点のトップに出塁率改善を挙げたが、シアトルの内部はおそらく違う意見だっただろう。
オーナーからGM、フリースインガーご贔屓のライターから馬鹿な城島オタにいたるまで、「なに、ホームランさえかっとばしとけば、点はとれるさ。バットを馬鹿みたいに振り回したって勝ててるじゃないか。それでいい」とでも考えて、この問題の重みを甘く見てきた。
それがチームの「打てもしない大砲主義」に表れていた。城島オタは「今シーズンこそは30ホーマー」だのと、馬鹿げたことを毎日のように掲示板に書いていたものだ。

実際には、2006年の最下位というチーム順位と、2007のスプリングトレーニングの結果を受けて、2007年には十分にチームを改善しておくべきだっただろう。
だが、2007年の2位という出会い頭の事故、マグレ当たりのホームランのような順位が全てを誤魔化して、出塁率改善はないまま2007年は終わり、セクソンも、城島も、誰も彼もが大砲のフリをした旧式な火縄銃のまま、2008年シーズンは始まった。

その結果、深い致命傷を負ってチームはチームとして死亡したことを、シアトルマリナーズの歴史にしっかりと書きこんでおくべきである。

(この記事、(2)に続く)

CONSIDER THIS 2007
(=2007シーズンの要改善点。訳はおおざっぱなもの)
http://sportsillustrated.cnn.com/baseball/mlb/specials/spring_training/2007/previews/mariners.html
アリーグ西地区のダークホースになりたければ、チーム全体で出塁率アップに取り組むべき。昨シーズンのOBP.325はリーグ13位で、これはアリーグワーストの404四球(うち49は敬遠)による。イチローのように打率.320も打てるなら文句はいわない(=四球数の少なさも度外視できるという意味)だが、そんな打率が残せるのはイチローだけだ。ベタンコート(17四球 OBP.310)やロペス(26四球 .319)のようなシアトルの若手はもっとボールを選ぶべきだし、ベルトレ(47四球 .328)、ブルサード(26四球 .331)、城島(20四球 .331)のようなベテランも出塁率を改善すべき。

For the Mariners to have any hope of being an AL West dark horse, they have to make a teamwide commitment to reaching base. Their .325 on-base percentage last season ranked 13th in the league, thanks mostly to drawing an AL-worst 404 walks (49 of which were intentional). You can get away with fewer bases on balls if you're Ichiro Suzuki and hit .320, but there's only one Ichiro. Young Seattle players such as Yuniesky Betancourt , 17 walks in 558 at bats, .310 OBP) and Jose Lopez (26 walks in 603, .319 OBP) have to be more selective, while even veterans such as Adrian Beltre (47 walks in 620 at bats, .328 OBP), Ben Broussard (26 in 506, .331 OBP) and Kenji Johjima (20 in 423, .331 OBP) can improve. (後略)



September 09, 2008

うまい料理を食い、いい音楽を聴いて、楽しく海でも眺めながら毎日を過ごしたいものだ。だが残念なことに、スポーツというやつは、やみつきになるクセに、嫌な面もみせつけられる。最近週末になると、このブログの更新が止まることが多いのには理由がある。誰かさんのあまりの感性の悪さに悪寒がするからだ。


http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/?a=16531
「ヤンキースなんかは、全部勝ちに来てたでしょうからね。
×××・×××××にやられたらきついでしょうね」

城島がこの言葉(あえて伏せる)を使うのは、これが初めてではないのはわかっている。前回は故意にスルーしておいた。理由はある。この言葉のもつ、無責任さ。気持ちの悪い語感。自虐的な気配。陰湿さ。なにもかもが気持ち悪いからだ。こんなものがスポーツ?そんなわけがない。
自分のブログに載せるだけでも、汚らわしい。伏字で結構だ。2度目の発言なのでしかたなく記事にしておくが、伏字でさえ非常に気分が悪い。

よく懲りないものだ。つくづく思う。こういう言葉をギャラもらってまで使う感性の無さ。
こういう感覚的なことの是非は、そもそも真正面から説明するものではない。音楽のわからないひとに言葉では説明できないものだ。九鬼周造や坂口安吾だって、さすがに説明はできないだろう。
この悪質さ、何かいいたとえ話で説明できないだろうか?ちょっと考えようとも思ったが、それすら馬鹿馬鹿しくなった。あんまり気持ちが悪いので、たとえ話もやめる。自分の脳を無駄に消費することもない。

結果も出さないクセに、デリカシーやモラルもない。そんな男がスプリングキャンプのときに、番記者に何を食事に食わせたのかは知らないが、あれこれチームリーダー気分の発言をしていたのだから、虫酸が走るとはこのことだ。


さて、このまったく和製英語にしか見えないタチの悪い造語は、日本人では、城島一人が使っているのではない。使っているのは、正確には2人いる。Major.jpなどでライター業を営む、Nとかいうライターと、城島、この2人である。
なにかと辛辣な記事、批判的な記事ばかりを書くアメリカのライター陣でも、こんな言葉を使って記事を書くのはトリビューンのLarry LaRueくらいだろう。

以前、このNという人物のことを書いたことは一度だけある。そのときも、わざとイニシャルで書いておいた。匿名でブログを書く立場を自認して自重する、ということもある。だが、別に実名あげて批判するほど中身のある話を書いている相手ではない、という理由のほうが大きい。

実をいうと、この記事、あまりにも虫酸が走るので、最初Nのことは実名で書いていた。だが、今あらためてイニシャルに書き換えているところである。書き直していて、名前を載せる価値すらないことに気づいたからだ。


以下の記事が8月26日の記事で、例の言葉は記事タイトルに使われている。(日時は現地時間。このブログではすべて現地時間表記)ギャラをもらっている立場でこんな質の悪い言葉を堂々と書けるのは、日本ではこのライターだけである。
この男、これまでの記事の流れからして、シアトル番というより、ほぼ城島番なのだろう。城島とこの記者だけで同じ言葉遣いで仲良しごっことは、癒着というか、呆れてモノがいえない。
よく某巨大掲示板で某日本人選手と番記者の記事の癒着ぶりが問題視されることがあるが、城島とこの記者さんとの関係も大差ない。
デンバーで行われたワールドシリーズについて「ロッキーズは、ここで豪華な食事を用意すれば、メディアの印象もぐっと良くなる。記者なんて、その程度のことで、好意的にも、好戦的にもなるのだから。」と正直なことを書いたのは、このNなのである。
ノーマン・メイラーからポールギャリコ、三島由紀夫から寺山修司、山際淳司氏にいたるまで、スポーツライターにも色々なタイプの名人がいたが、こんな恥ずかしい文章、人前に出したりはしない。


「×××・×××××」、プレーオフ狙うツインズ下す
http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/?a=16202
マリナーズのラインナップには、開幕をマイナーで迎えた選手が4人も並んだ。そんな半ば3Aのような「×××・×××××」に打たれて負けたら、ベーカーとしては情けない限りだろうが、先制の2点は、やはりシーズン途中に昇格してきたジェフ・クレメントに適時打を許したものだった。



September 08, 2008

フィアベントがラヘアとのコンビで3回に1塁ランナーのAロッドを誘い出したトリックについて、タイムズがさっそく記事にしたので紹介しておく。「このプレーは何年もかけてラヘアとの間で研究してきた」と、当のフィアベントが発言して、バックドア・ピックと、すでにネーミングまであったことを話している。

やれやれだ。

何がやれやれかって?このピックオフプレーについての、日本メディアであるMajor.jpの記事だ。まるで息を吐くように嘘をつく。嘘をつくなよ、城島。そしてそれを鵜呑みにして記事にする現地の日本人記者。ほんとうに、やれやれ、だ。ネットで現地メディアが読める時代で、ほんとうによかった。
なんでも自分の手柄にしてしゃべらないと気がすまない、というのは、専門書を読めばわかるが、ある種のではなく、立派に心の病気である。どうりで投手がついてこないわけだ。

ちなみに、バックドアはもちろん「裏口」という意味だが、いろいろ英語表現に出てくる。ネットセキュリティの話題ででてくるバックドアは、パソコンへのハッキングを裏口からするテクニックのことだ。だから、バックドアという言葉には、「こっそり」という副詞的な意味あいが既に含まれている。

Making A-Rod look bad
http://blog.seattletimes.nwsource.com/mariners/2008/09/07/making_arod_look_bad.html
The low point for A-Rod came in the third inning when first baseman Bryan LaHair sneaked in behind him, and Ryan Feierabend fired over a pickoff throw to catch Rodriguez off base. Rodriguez got in a rundown, and eventually Derek Jeter, the runner on second, had to commit to third, and thrown out to end the threat.

It was a nifty play, one that Feierabend and LaHair have perfected over the years in the minor leagues. Feierabend called it a "backdoor pick" and said the key is not an inattentive runner, but an inattentive first-base coach.

"If you have a coach at first base not paying attention and more worried about the hitter, you're going to catch a lot of guys at first base,'' Feierabend said.



これが、嘘つきメディアのMajor.jpにかかると、こんな大本営発表の提灯記事、ニセ報道になる。腹をかかえて笑うというより、こんな嘘を書いてよく正気でいられるものだ、と、びっくりする。Aロッドを歩かせただけで、「城島、狙い通りのけん制 サインプレーでピンチを脱す」と、くるのだから、笑える。

城島、狙い通りのけん制 サインプレーでピンチを脱す
http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/?a=16533
マリナーズがサインプレーでピンチを脱した。5回2死一、二塁で一塁走者のA・ロドリゲスをけん制のわなにはめた。いったん一塁手がベースから離れA・ロドリゲスのリードを誘い、一塁手が再びベースに戻って逆を突く作戦。挟殺の間に三塁を狙った二塁走者のジーターを、三塁でタッチアウトに。

一番のヤマ場だったと認めたこの場面でのサインプレーについて、城島は「Aロッドとは勝負したくなかった。そこまで考えた上で(四球で一、二塁に)したプレーだった」と得意げに説明した。(シアトル共同)



やれやれという感じ。それしかない。来シーズンの彼の活躍に期待する。関連記事がいろいろと出ているようだ。あとでまとめる。
今年の楽しみは、あとはイチローの200安打だけになりつつあり、すでに興味は来シーズンに移っている。

Knee surgery to end Clement's season
http://seattle.mariners.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20080906&content_id=3427766&vkey=news_sea&fext=.jsp&c_id=sea

The regular season has come to a screeching halt for catcher Jeff Clement, who will have surgery on his left knee on Tuesday, the Mariners announced on Saturday night.

Mariners medical director Dr. Edward Khalfayan will perform the arthroscopic procedure to repair lateral meniscus and medial meniscus tears. Normal rehabilitation from this type of surgery is three to four weeks, which is all that remains in the regular season.

Clement, the Mariners' first-round Draft selection in 2005, batted .325 in August, scored seven runs and drove in 12 runs. Overall, he batted .227 with 10 doubles, five home runs and 23 RBIs in 66 Major League games.




よくメジャーでは、選手やチームのシーズンデータをAS(オールスター)の前と後で分けるものだが、今シーズンのシアトルでは「マクラーレン解任前」「マクラーレン解任後」のデータがないとお話にならないだろう。理由はハッキリしている。マクラーレン解任後にチームを大きくいじったためだ。

試しにマクラーレン解任の6月中旬の前と後での勝率データを作り始めてみたのだが、これがなかなか面倒くさく、時間がかなりかかった。もしかすると、眠い目で電卓をたたいたせいで、以下の数値にはわずかな誤差のある部分があるかもしれない。大義に間違いはないので、細部のミスはご容赦願いたい。
またマクラーレン解任に前後した投手陣のERAの変化なども計算してみたいものだが、手間がかかりそうで、いつかはやりたいとは思うが、時間がないため、こちらも当面はご容赦いただきたい。


まずは、チーム全体の勝率の推移。マクラーレン解任後に、だいたい1割、勝率が改善したことがわかる。

チーム全体
マクラーレン解任前 71試合 25勝46敗 勝率.352
3・4月 28試合 13勝15敗 勝率 .464
5月  28試合 8勝20敗 勝率 .286
6月  15試合 4勝11敗 勝率 .267
マクラーレン解任後 65試合 28勝37敗 勝率.446
6月  11試合 6勝5敗 勝率.545
7月  26試合 10勝16敗 勝率 .385
8月  28試合 12勝16敗 勝率 .429


次に、城島が捕手、あるいはDHとして先発出場した場合の、チームの勝率、および各月の打率について示す。このダメ選手が先発したなら、チームは勝率4割を越えることはできないのが判明する。4割以下の勝率というのは、いわゆるシーズン100敗する勝率、ということだ。
マクラーレン解任前も後も、城島のパフォーマンス、チームへの貢献度には、実はたいした差がない、つまり城島の大きな努力の跡がどこにもないことがわかる。
マクラーレン解任に関わりなく、打率は2割とまったく進歩せず、なんの反省もない発言の数々。努力もない。3年の契約延長期間に入れば、サラリーが上がるだけに、コストパフォーマンスはますます低下するだろう。

城島先発試合(捕手およびDH)
マクラーレン解任前 54試合 20勝34敗 勝率.370
3・4月 22試合先発 打率 .182 9勝13敗 勝率 .409
5月  21試合先発 打率.277  7勝14敗 勝率 .333
6月  11試合先発 打率 .205 4勝7敗  勝率 .367
マクラーレン解任後 33試合 12勝21敗 勝率.364
6月  4試合先発 打率 .312 2勝2敗 勝率 .500
7月  15試合先発 打率 .130 5勝10敗 勝率 .333
8月  14試合先発 打率 .200 5勝9敗  勝率 .357

シーズン 87試合先発 32勝55敗 勝率.368


最後に、城島が先発してないゲームのデータをあげておく。(城島が試合途中で代打出場した試合はこちらに含める)チームの勝率は2割もアップしている。「城島はずし」がいかにチームにとって有効かがわかる。
マクラーレン解任後のチーム状況にとって大きな変化をもたらした何かがあるとしたら、こちらであることは明白である。6月、7月、8月と、一貫して勝率が5割前後にキープされている。これまでこのブログで掲載した数多くの記事からもわかるとおり、今シーズンに限っては、この「非城島ゲーム」の5割という勝率に貢献している捕手は、2007シーズンに非常に勝率のよかったが、2008シーズンの勝率がよくないバークではなく、クレメントの先発ゲームなのはいうまでもない。
セプテンバー・コールアップ以降、クレメントは「怪我」を理由に先発マスクからはずれているが、少なくとも、このデータからは、チームへのクレメントの貢献度の高さは明らかである。彼の怪我が、無理矢理に城島の先発機会をつくろうとするオーナー筋からの意味不明な圧力からくる「無理矢理なクレメントはずし」「ニセの怪我」でないかぎり、怪我が治りしだいクレメントを先発マスクに復帰させるべきだ。

城島の非先発試合
マクラーレン解任前 17試合 5勝12敗 勝率.294
3・4月 6試合 4勝2敗 勝率.667
5月  7試合 1勝6敗 勝率.143
6月  4試合 0勝4敗 勝率,000
マクラーレン解任後 32試合 16勝16敗 勝率.500
6月  7試合 4勝3敗 勝率.571
7月  11試合 5勝6敗 勝率.455
8月  14試合 7勝7敗 勝率.500

49試合 21勝28敗 勝率.429



September 05, 2008

今年初めてのロブ・ジョンソンの先発試合。0-1で負けたが、ヘルナンデスが好投し、彼自身、ご機嫌はいいようだ。まるで「顔見世興行」のように使われた若い選手たちだが、評価については、メディアとライターによって評価が違っている。例によって日本のファンは、公式サイトでお互いを誉めあうような、いわゆる「タテマエ」記事を鵜呑みにして、これからはロブ・ジョンソンだ、とか騒いでいるようだが、英語ではgoodという表現はたいした誉め言葉にならないことくらい、貧弱な中学英語でさえも教えているのだ。しっかりしてもらいたい。
監督リグルマンも、タコマのメディアも、シアトルはすでに若い選手をテストしはじめて定着と強化をはかっているところであって、むしろ、そのテストを続行したいのだが、なにせセプテンバー・コールアップという制度がいやおうなくある、テストの対象選手を大きく広げなければならないことを、ちょっと苦々しく思っている、という空気を読みとってもらいたい。
セプテンバー・コールアップ組の選手には、今シーズンのオフ、いろいろとトレードの画策があるかもしれないと予測しておく。


これはリグルマンが残した、セプテンバー・コールアップという制度自体について、その制度の意味を疑うかにみえる、微妙なコメント。現地シアトルの来シーズンに向けた空気を読むために、このコメントは重要と考える。実際には、リグルマン自身は、コールアップ制度を批判したいというより、就任して以来せっかく試行してきた6月中旬以降の新しいロスターを大事にしたい、との考えがベースにあることを主張しておきたいから発言しているのは明らか。
http://www.thenewstribune.com/sports/mariners/story/468548.html
“Do any other sports do something like this? Don’t misunderstand – I like that the kids come up, but on a nightly basis in September, eveybody’s roster should be 25 players,” Riggleman said. “We play baseball for five months with one set of rules, then change them in the last month when races are decided.”
「こんなの、ほかのスポーツでやってるかい?誤解しないでくれよ。メジャーにやってくる新人君たちは好きさ。でも9月は基本的にナイター続きだからね、25人のプレーヤーでやるべきだよ」と、リグルマン 「5カ月もひとつのセットで野球やってきて、ペナントレースが決まる最後の月にそれを変えるって、どうなのよ?」


このリグルマンのコメントに呼応するかのような記事は、ロブ・ジョンソンにやけに好意的なシアトルタイムズではなくて、タコマの情報に詳しいニュース・トリビューンが書いているのが面白い。マイナーの選手に同情的な立場をとるとみられるメディアがむしろ「トレード」という言葉を使うのだから、わりと説得力がある。リグルマンは「チョウチョになれ」と言っているが、なにも「シアトルで」チョウチョになれとは言っていないのが、微妙な言い回しなのだ。
http://blogs.thenewstribune.com/mariners/2008/09/03/if_the_kids_are_here_they_ll_play
"we want to let them get the butterflies out with that first game action."(中略)
(リグルマン)「メジャー初体験のゲームで、タコマの新人君たちが無事にチョウチョになれることを願ってるよ。」
The Mariners have already made heavy use of rookies like Wladimir Balenien, Jeff Clement Bryan LaHair, and given starts to pitchers Ryan Rowland-Smith, Ryan Feierabend and - on Friday - Brandon Morrow.
マリナーズは既にバレンティン、クレメント、ラヘアといったルーキーのヘビーローテーションに入っているし、ローランドスミス、フィアベント、そして金曜にはモローと、新人ピッチャーたちもスタートを切っている。
Now, the team gets to hold a month-long audition that also showcases young players they may want to trade in the off-season.
さあ、チーム主催による1ヶ月もの、長いオーディションの始まりだ。それはオフシーズンにトレードを希望するかもしれない若いプレーヤーの見本市でもある。


ここからは、公式サイトのコメント。上記の2つに比べれば、選手評価という面ではどれだけ中身がかったるいかわかるというシロモノだが、別の角度から見ると興味深いコメントでもある。
http://seattle.mariners.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080903&content_id=3412475&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=sea

1●ヘルナンデスのロブ・ジョンソンについてのコメント
on the same pageという表現は「共通の見解をもつ」という意味。人気のテレビドラマシリーズ「24」などでもよく使われている英語的表現。「24」では「了解した」という意味で、copyという単語を使ったりして、独特のスピード感をセリフに持たせている。
このコメントが価値があるのは、ヘルナンデスがキャッチャーに求めている「立場」というものがよくわかること。彼は捕手に「一方通行的なリード」などというものを求めてなどいない。同じ立ち位置にいてくれれば、それでグッジョブ、と言っているのである。
"He did a great job," Hernandez said. "(中略)We were on the same page all day on which pitch to call. Yeah, he's a very good catcher."

2●ロブ・ジョンソンのヘルナンデスについてのコメント
ムービング・ファストボールは、いうまでもなく、いまのメジャー、そして五輪、WBCのような国際試合でも主流になっている球種のひとつで、ロブ・ジョンソンもその威力に驚いている。このタマへの対応が、今の日本の野球で遅れていることが、城島の不振や、五輪での情けない成績につながっていることは、こんど別の記事で書く予定。また、公式サイトのライターが、ロブ・ジョンソンを「receiver レシーバー」という単語を使って呼んでいることにも注意。
"He was on with all four of his pitches," the rookie receiver said. "You need to be on top of your game to catch him. All of his pitches move quite a bit, and his breaking ball is really sharp."

3●リグルマンのロブ・ジョンソンについてのコメント
depth chartは、ひとつのポジションの選手の間の優先出場順位のことで、スポーツの記事では非常によく出てくる言葉。depthと、1単語だけで表現されることも覚えておく必要がある。順位の高い順に、スターター (starter)、バックアップ (backup)、3番手 (third-string) となるが、捕手の場合なら、正捕手、控え捕手、3番手となる。
ここでも、リグルマンが、ジョンソンのことをキャッチャーとは言わずに、receiverレシーバーと、表現している。サッカーの場合で、前線の選手を単にフォワードと言わず、プレースタイルによって、ストライカーとか、ポストとか、シャドウとか、言い分けたりするが、地元紙にしてもリグルマンにしても、打撃の弱いロブ・ジョンソンを「receiverレシーバー」と表現することの意味は、なんとなくでも、わかっておくべきだろう。
Riggleman dished out some praise for the catcher ranked at the top of the organizational depth chart on defense.
"He did what we heard he could do," the manager said. "He's a good receiver back there. He handled a tough guy like Felix and made it look easy."



長くなったが、最後にロブ・ジョンソンに、いやに好意的なシアトル・タイムズの記事。途中のカッコにくくられた部分の、城島に対する皮肉は、シアトルでの城島の立場がもうまったくゼロに等しい、針のムシロであることを示す。http://blog.seattletimes.nwsource.com/mariners/2008/09/02/september_callups_should_they.html
Johnson is another one that I'd like to see. There are still a lot of questions about Jeff Clement's defense. I think it makes a lot of sense to try him at first base or DH, considering the catching depth in the organization. Maybe Johnson could hold down the catching position for a year until Adam Moore is ready. (Yeah, I know Kenji Johjima is still around, too. I'm not smart enough to figure out an answer to that dilemma. Hey, it wasn't me that signed him to a three-year extension. A three-year extension!! Yes, folks, his new contract hasn't even started yet. Could he be the first player released before his contract extension even begins?). So, anyway, it would be nice to give Johnson some action, too. But Clement needs his at-bats.


参考
http://nhkradio-everyday.seesaa.net/ NHKラジオ/英語復習帳
このサイトは身近で使いやすく、気にいっている。



ちょうど1年とちょっと前、シアトルは首位追撃にすでに息切れして、2位は確定しつつあり、ワイルドカード争いでもすっかり敗れ去りつつあったと記憶する。つまり、ポストシーズンに出られない2位という、なんとも中途半端な成績で終わったわけである。


2007年の6月、そして7月中ほどのメジャー30球団の正捕手全員のCERA(捕手防御率)のデータを持っているのだが、7月中ごろのCERA最下位争いはこんな感じで、5点台の3人の捕手の所属チームは、全チームが地区最下位だった。
2007年7月17日
ナバーロ   TB 5.59 地区最下位
レアード   TEX 5.24 地区最下位
シュナイダー WSN 5.12 地区最下位
ルイス    PHI 4.92(手元に記録がなくチーム順位不明)
城島     SEA 4.82 地区2位

次に、これがシーズン終了時の、この5人の捕手の、CERAと打率である。勘の悪い人を除けば、不思議なことに気がつかれることだろう。
2007年シーズン終了時
ナバーロ   TB 5.50 .227 地区最下位
城島     SEA 5.03 .287 地区2位
シュナイダー WSN 4.79 .235 地区4位
レアード   TEX 4.78 .224 地区最下位
ルイス    PHI 4.62 .259 地区優勝

コールアップを前後して城島を除く全員がCERAが改善し、城島ひとりだけ数値が悪くなって、メジャー最低クラスの5点台という酷い数値でシーズンを終えている。
これは、ひとつにはシーズン終盤にシアトルというチームがいかに息切れしたか、ということの証でもあるし、また、シアトルの2位という順位の内容が、かろうじて死守した2位であって、首位に肉薄した2位ではないということでもある。城島がこの2007シーズン終盤にいい仕事をしたなどと、お世辞にも言えない。8月以降は打率2割を切る7月の酷い打撃をなんとか帳尻あわせしてシーズンを終えることに夢中だったに過ぎない。

そしてこの「普通なら最下位に沈むはずのCERA5点台などという正捕手がいるのに、2位を死守してしまったこと」は、シアトルの2007シーズンの評価について、ものすごく多くの人とメディアが「誤解」する大きな原因になった。つまり、多くの人が「投手さえ補強すれば、来年は、優勝できないにしても、ポストシーズンを戦えるのではないか?」と誤解したのである。

もう一度言わないとわからない人もいるだろうから、もう一度書く。
「正捕手のCERA5点台というのは、(異様に運と打撃がよくない限り)チームが地区最下位に沈むのが普通のレベルの数値」なのである。

最下位に沈んでいてもおかしくなかったシアトルは、チームもファンも、2位という順位に目がくらんで、そういうごく普通の感覚が欠けて慢心しまい、城島ごときに3年24Mもの契約を与えてしまう原因のひとつになった。実は、城島という捕手は、単に「チームがたまたま2位になってしまった年に捕手だった、運のいいだけのヘボ捕手」に過ぎなかったのである。



さて、今年、去年の、あの酷いCERAを記録した5人はどうなったか?かいつまんで、データを挙げてみる。数字は順に、CERA、打率である。城島、レアードを除いて、CERAが改善し、チームは優勝戦線を戦っている。また打撃は城島・ルイスを除き、改善がみられた。もっと詳しく、長打率などを調べると、ナバーロ、レアードあたりの今年の打撃の改善ぶりは、もっとわかってもらえるはずだ。
2007年にわかった改善点を、しっかりと改善し、チーム力アップに努めたチームは2008シーズンの首位戦線に加わって、新たな球団の歴史を作りつつある。一方で、セクソン、城島をクビにするなどして改善すべき欠陥を看過したまま2008シーズンに入ったシアトルは、5月にはすでに首位争いから脱落して、いまやメジャー最下位チームに低迷したのである。

2008年9月4日現在
ナバーロ TB 3.78 .295 地区首位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=5902&context=fielding
打率、CERAともに大きく改善。チームは激戦の東地区で初の首位を走る記念すべきシーズン。

レアード TEX 5.02 .284 地区2位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=5465&context=fielding
打撃上昇。CERAは悪化しているものの、レアード含めたチーム打撃のすさまじさで2位上昇。

シュナイダー NYM 3.89 .259 地区首位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=4388&context=fielding
ワシントンから、ロデューカを放出したメッツに移籍。打撃はやや持ち直した。CERAは大きな改善。チームの首位争いに貢献中。

ルイス PHI 3.90 .221 地区2位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=28447&context=fielding打撃はあいかわらずの不振だが、CERAは大きく改善。チームは首位争い。



城島 SEA 4.58 .209 地区最下位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=6458&context=fielding
打撃不振は極限まで達している。シーズン後半にCERAは多少改善されたものの、アリーグ首位打者が.320あたりで決まりそうな今年としては、まるでほめられる数値ではない。チームは極度の不振。



September 02, 2008

8月までのシーズントータル、そして8月単月、解雇された井口よりずっと酷い城島の壊滅的な打撃データは別の記事でフォローするとして、テキサス戦初戦で城島を除いて先発全員安打していた7回1アウト1、2塁の打席での、城島の怪我について書く。

登山ではないけれども、この城島の怪我については、あまりにも人為的な要因が重なったもので、偶然起きた怪我ではない。起きるべくして起きた事故であって、自業自得とでもいうようなものだ。


第一の問題は、この日の捕手起用の問題
そもそも、相手投手の左右にあわせて自軍の捕手を変える必要など、どこにもない。来季にむけてチームを再建していくためには将来性のあるクレメントを恒常的に起用すべきだ。また、ほかに試したい若手捕手がいるなら、そちらを試してもいい。
クレメントが左投手を打てないから、相手先発が左の日には城島を使う、というのは、まったく説明になっていない。城島が左投手を打ちこなしているわけでもなんでもないし、相手投手が左だろうと右だろうと、打撃成績はすべてクレメントが城島を上回っている。
また、何度も書いてきたことだが、シルバという投手はなにかと球の浮きやすい、打たれやすい投手で、今年の捕手との相性を見る限り、選択すべきなのはクレメントだ。長期契約のシルバを使えるようにするにはチームの今後を向上させる上で大きな意味をもつのだから、シルバと相性のいい捕手を起用することは一つの処方箋だろう。


第二の問題は、城島のDH起用
このダメ捕手はアリーグで一定の打数に達した中で最低の打者である。DHでの成績も壊滅的にダメだ。そのクセ、本人みずから「DHに慣れる必要などない」と言い切った。
こんなクビになって当たり前の選手を、なおもDHで起用するなど、もってのほかだ。ようやくクビにするふんぎりのついたセクソンではないけれど、結果がダメと出ている選手起用やチーム戦術をいつまでも、いつまでも続けるのは、チーム再建という方針に反するどころか、これはファンに対する、いわゆる商法でいう「背任行為」である。

三つ目の問題は、城島に代打を出さなかったことだ
先発は左のハリソンだったが、この7回の時点ではすでにノックアウトされ、投手は右のメンドーサに代わっている。この7回の満塁で、城島の前の6番で右打者バレンティンに打席が回ったが、左のリードが代打に送られ、リードは見事に2点タイムリーを放ってみせて期待に応えた。
いわゆる「左右病」という言葉があるが、もし右投手には左打者というパターンを徹底したい、というのがバレンティンに代打を出した理由なら、右打者の城島にも代打クレメントを送るのが当然だ。右投手かつDHと、城島の打てないパターンが見事に揃っているのだから。
それなのに、城島だけは打てもしないのに「特別扱い」して、左の代打を送らないのである。

この試合で、城島が「特別扱いされている」ことがよくわかった。日本のライターの一部が、シアトルで城島がものすごく冷遇されているように書いている人がいるが、あれは単なる擁護、マスメディア対策にすぎない。どこを見て書いているのか。なんとまぁ、モノを見るのないことだ。

四つ目の問題は、城島が1塁にスライディングしたことだ
イチローファンの間ではよく知られていることだが、イチローはけして一塁にはスライディングしない。なぜなら、走り抜けたほうが早く一塁に到達できるからである。これはイチローがしているから真似なければならない、とか、そういう問題ではない。少しでもセーフになりたいなら、スライディングなどしてみせる必要などない。スタンドプレーなどいらない、ということだ。

そして五つ目の大きな問題は、城島の焦りである。
この日、城島はいきなり1死1塁で併殺打を打っている。そのあとも、2度続けて2死1塁のシチュエーションで打席が回って凡退している。もし、この第2、第3打席が2死でなく、無死か1死だったら、3連続併殺打を打っていただろう、そういう酷い打撃内容だった。
試合後半、チームは面白いように打ち出して、いつものことだが、城島だけが一人、蚊帳の外に取り残された。だからこそ、このヘボ打者は一塁にスライディングしたのである。
それは、あきらかに焦りからくるレベルの低すぎるプレーだ。

そして最後に、これは6つ目の問題というより、補足だが、怪我をした城島への対応
捕手が手をスパイクで踏まれたのだ。病院に直行させるべきであって、すぐに代走を出すべきだ。だが実際には、城島が2塁に進塁してから代走が出されている。これでは遅すぎる。
なぜ代走を送るのが遅れるか、といえば、ここまで書いてきたように、城島には代打を送らない、送れない、なにかそういうおかしなチカラが、事態の全てを歪め、対応の全てを遅らせているからとしかいいようがない。


一塁でのクロスプレーでスライディングしたのでは、当然のことだがスパイクされる危険を含む。危険をかえりみずといえば聞こえはいいが、実際にはただの焦りからくるスタンドプレーにすぎない。

この怪我でこのシーズン、城島の顔をゲームで見ないですむことを望む。



September 01, 2008

この日、ウオッシュバーンはもしかすると、クレメントを捕手に今シーズン一番の出来だったかもしれない。シアトルの苦手のクリーブランド、しかもアウェイで8三振を奪い、3安打に抑え込んだのだから。公式サイトも、このところのクレメントの成長ぶりに目を細める記事を出している。
Mariners' Clement learning on the job

ところが、だ。
9回裏にリグルマンが例によって「リードした9回裏にバッテリーごと選手交代」というわけのわからないシステムを発動したために同点に追いつかれて、ウオッシュバーンの勝ちはまたしても消えうせてしまった。
ゲームには最終的に勝つには勝ったが、最後の打席で四球のイチローを1塁に置いて、前の打席でバントさせているリードにヒッティングさせてランナーが入れ替わってしまい、イチローの得点にならなかったことなど、終盤の采配は明らかにちょっと混乱していた。
SCORE

試合後のウオッシュバーンは「ちょっとフラストレーションがあるね」と切り出して、次のようなことを言っている。もちろん彼は、先発投手が好投してリードしたままマウンドを降りたのに、その後の失点で勝ちが消えてしまうというゲームの多さについて嘆いているのだ。
Mariners need extras to outlast Tribe
http://mlb.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080830&content_id=3391300&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=sea
"If it's just once or twice it happens throughout the year, you can deal with it because it's a part of the game, but I think that's seven now where I've left the game with the lead."
「年に一度か二度なら、それもゲームというものの一部だと理由をつけてすませられるだろ。でもね、僕は、リードしたままマウンドを降りたゲームで、これで7度目なんだよ?」


今年のゲームから先発投手の勝ちが消えたゲームをできるだけピックアップしてみた。意外にたくさんあることに気づくだろう。
これらのゲームにはびっくりするほど、ほんとうに共通点が多い。
「アウェイ・ゲーム」
「ローの失点」
「城島がマスクをかぶっていた」
「捕手を途中で交代した」


ウオッシュバーンのイライラもわかる気がする。
今日の試合もリードした9回裏にクレメントからバークに捕手を変える必要など、なかっただろう。


4月6日 BAL オリオール・パーク
http://mlb.yahoo.co.jp/score/?gid=2008040705
捕手バーク。先発ヘルナンデス、8回自責点0
2点リードの9回裏オフラハティ、ローが3失点、サヨナラ負け。

5月2日 CLE プログレッシブ・フィールド
http://mlb.yahoo.co.jp/score/?gid=2008050207
捕手クレメント→城島。先発バティスタ、7回自責点1
1点差で負けていた9回表に同点に追いついて延長。この時点では捕手城島
10回表に1点先行したが10回裏に追いつかれ、11回裏にローがサヨナラ負け。

5月25日 NYY ヤンキース・スタジアム
http://mlb.yahoo.co.jp/score/?gid=2008052602捕手城島。先発ウオッシュバーン、6回自責点2
3点リードの8回裏、グリーン、ローズ、プッツの継投で4失点。
そのまま逆転負け。

6月15日 WAS セーフコ
http://mlb.yahoo.co.jp/score/?gid=2008061613
捕手城島。先発ウオッシュバーン、6回0/3自責点2
1点リードの7回表、ウオッシュバーンの出したランナーを
ローが帰してしまい同点。8回にはローが追加点をとられ、逆転負け。

7月10日 OAK マカフィー・コロシアム
http://mlb.yahoo.co.jp/score/?gid=2008071106捕手城島→バーク。先発ディッキー、7回0/3自責点0
2点リードの9回裏モローが同点に追いつかれ、11回裏ヒメネスがサヨナラ負け

7月13日 KC カウフマン・スタジアム
http://mlb.yahoo.co.jp/score/?gid=2008071311
捕手城島。先発ウオッシュバーン、6回自責点1
1点リードの9回裏、モローがサヨナラ負け。

7月25日 TOR ロジャース・センター
http://mlb.yahoo.co.jp/score/?gid=2008072608
捕手城島。先発バティスタ、5回1/3自責点2
3対3の同点で延長、10回表に1点入れリードするが、10回裏にローがサヨナラ負け

8月31日 CLE プログレッシブ・フィールド
http://mlb.yahoo.co.jp/score/?gid=2008083102
捕手クレメント→9回裏バーク。
先発ウオッシュバーン、6回2/3自責点0
2点リードの9回裏、プッツ、バークのバッテリーが同点HR打たれ、延長。
10回表2点入れ、10回裏に反撃を1点に抑えて、勝ったが、
ウオッシュバーンの勝ちは消える。



August 31, 2008

「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」 および、3人捕手制について、公式サイトさえ記事を書かなくてはしょうがない時期にいたったようだ。公式サイトは、現地の生っぽいファンの声を直接代弁しているというより、あれやこれや、たくさんある声の「中庸あたり」をいくのが普通ではある。
だが、以前「城島問題」についても記事にした公式サイトに、相手チームの投手が左か右かで捕手を選ぶようなおかしなシステムについて記事にせざるをえなくなるほど、ファンからの圧力が高まっているのは間違いないだろう。

下記の文章の和訳はあとで掲載するつもりだが、要所要所で、たいへんに遠まわしな表現がちりばめられて、95%文意がわかるのに、残り5%がわからなくて困っている。

たとえば、冒頭で、「ペイロールが高いのに最下位であるシアトル」を皮肉っている割には、そのことを受けて3人の捕手にからめていく文章が、その後の文章にない。もちろん、それは書き忘れではなさそうだ。城島をさして、わざわざ「32歳の日本人捕手」と書いていることが、その「受け」のひとつにあたる。つまり「城島のように、年齢もかなり行っていて、チカラが発揮できていないのにサラリーの高すぎる選手がいる。なのにチームが最下位。これじゃ、意味がなかろうに。」という意味の皮肉なのである。

だが、公式サイトとして自軍の選手に直接皮肉を書くわけにもいかないのだろう。そのために普段よりもずっと表現が遠まわしになっていて、わかりにくい。
例えば、「皮肉のごまかし」はespecially if he has previous success against the starting pitcher. という部分にも影響している。この文章の受けは、どうみてもMLB関連の文章ではよくある仮定法過去にすべきなのだが、どうも故意に現在形にしてあるために、文意が妙にゆるゆるになっていて訳しにくい。あまりにも文意があからさまになるのを避けたいのだろうと思う。

用語もなにか、すごく文語っぽい。nodというのは直接には「あごで示す」ことで、ここでは「決定する」という意味で使われているのだが、野球のための文章としてはあまりにも回りくどい。この文章、どうもスポーツライターの文章らしさが全体に欠けすぎているように思えるが、のちのちの証拠とするためもあって、全文を掲載する。

http://seattle.mariners.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20080829&content_id=3386224&vkey=news_sea&fext=.jsp&c_id=sea
Not many teams in the Major Leagues carry three catchers on their active roster before September

Not many teams in the Major Leagues carry three catchers on their active roster before September callups.
Then again, not many teams with a $116 million payroll get mathematically eliminated from playoff contention with more than a month left in the season. Just consider the Mariners unique in a number of areas this season.

With Kenji Johjima, Jeff Clement and Jamie Burke all splitting time behind the plate, manager Jim Riggleman has been forced to implement a three-pronged strategy in determining who will catch, who will be the designated hitter and who will sit.

None of the players have particularly made a case to stay in the lineup with their ability to consistently hit, so Riggleman has been forced to take into account other factors before he makes his decision.

"There's a lot of variables in there," Riggleman said.

When a left-hander is on the mound -- which has been the case more often than not against the Mariners over the past few weeks -- the nod will likely go to Johjima, especially if he has previous success against the starting pitcher. Though Johjima was 0-for-3 lifetime against the Indians' Jeremy Sowers heading into Friday night's game at Progressive Field, the 32-year-old Japanese catcher was penciled in behind the plate while Clement was at designated hitter.

Clement's hot bat of late has made it tough for Riggleman to leave the 25-year-old rookie on the bench. Since Clement finally cracked the Mendoza line (a .200 batting average) Aug. 8, he is batting .341 with six doubles and nine RBIs, which has helped lift his average to .229. Expect Clement to be in the lineup more as a DH in the next few days, as "his knees have been barking a little bit," Riggleman said.

When the Mariners face a right-hander, it's almost guaranteed that Clement, the only left-handed batter of the trio, will be in the lineup in some fashion, leaving the other spot up for grabs.

"It's about taking those three things into consideration and making a choice," Riggleman said.


August 30, 2008

あいもかわらず「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」が続いていて、ダメ捕手城島の先発マスクである。これでは試合を見る気も失せる。クリーブランドの先発投手が右のSowersだから、ということなのだろうが、馬鹿馬鹿しいにも、ほどがある。

クリーブランドは、オークランドデトロイトボルチモア同様に、城島の最も苦手とする対戦相手のひとつだ。
今シーズン、プログレッシブ・フィールド(旧ジェイコブズ・フィールド)では9打数で一度もヒットを打ったことがない。セーフコでのゲームとあわせても、17打数1安打、OPS.118、まさに壊滅的。
http://www.baseball-reference.com/pi/bsplit.cgi?n1=johjike01&year=2008

キャリアスタッツでもクリーブランド相手の酷さは変わらない。打率.194 OPS.491と、酷い。ちなみに、
デトロイト  打率.185 OPS.485
ボルチモア  打率.203 OPS.545
オークランド 打率.248 OPS.617
これらのチーム対策に、城島はまったく役に立たない。
と、いうか、シアトルには全く役にたたないタイプの打者の代表。
http://www.baseball-reference.com/pi/bsplit.cgi?n1=johjike01&year=c
タイムズのベイカーがよそのブログを見てdisappointing "sabermetric teams"なんてコラムを書いているようだが、しっかりしたスカウティングにまったく弱い城島こそ、disappointing "Big-Mouth player"といえる。
http://blog.seattletimes.nwsource.com/mariners/2008/08/29/the_indians_and_other_bad_sabe.html

ベーカーのリンク先のコラムがdisappointingとして名指ししているチームは、クリーブランドワシントンオークランドトロントデトロイト、サンディエゴ、カンザスといったチームのようだ。

シアトルのゲームを対戦相手をアタマに入れて年間通じて追っかけいる人なら、5連敗、7連敗といったシアトルの大きな連敗というものが、どれだけエンゼルスクリーブランドオークランドボルチモアトロント、このあたりの特定チームに対する連敗がからんだ連敗か、よーくわかっているはずだ。

2007は、トロントがらみの4連敗、クリーブランドトロントがらみの8連敗、デトロイトがらみでの4連敗のあと1勝はさんでオークランドに連敗などで、ポストシーズン進出を断たれた。
2008も、最初の連敗である4月の4連敗はボルチモア、そのあとの3連敗もボルチモア、そのあとの5連敗はクリーブランド、ほかにもデトロイトがらみの連敗が5連敗、4連敗と2つ、ワシントン3連敗、デトロイトからオークランド連戦での3連敗など、数知れず。


相手投手が右だからといって城島を使っているようでは、チームの再建など、遠い。選手をトレードしたりすることだけがチーム再建策なわけがない。きちんと苦手チームに対する対策を立てないとだめなのだ。
ジェイコブズ・フィールドで城島などを使っている場合ではない。


この記事、試合後に更新予定。

やはり予想通りの結果である。城島4打数ノーヒット、完璧に抑えられた。
これで、プログレッシブ・フィールドでは13打数ノーヒット。セーフコでのゲームとあわせても、21打数1安打。打率・OPSともに.048で、まさに城島をこのカードで使うことは、打線的には自殺行為なのがあらためてわかった。
SCORE

馬鹿捕手さん、リードを自画自賛して喜んだようだが、この日のクリーブランド先発は、メジャー3年目でローテの谷間。今季2勝6敗で、ERA5.95と、ちょっと酷い成績のソワーズ。
対してシアトルのつぎ込んだ投手はヘルナンデス、コーコラン、プッツで、つまり、シアトルは今考えられるベストの投手を全て注ぎ込んだゲームで、城島にしてみればボーナスゲーム、チームは楽勝するのが当然というゲームのはずだ。それがわずか1点差の接戦にしてしまったというのに、馬鹿捕手さんは何を自画自賛したいのか、まったくこの男の脳の構造は不思議でならない。
クリーブランド打線の個人の残塁合計は18LOB(チームLOBではない)、3併殺と、拙攻を繰り返しただけのこと。特にクリーブランド4番ペラルタが2併殺6LOBと、大ブレーキになったことがシアトルに幸いしただけで、シアトルの投手陣がクリーブランドの打者を抑え込んだためとは、とてもいえない。
シアトルの現地メディアすら、自軍がよかったなどという記事など書いてすらいない。そのかわりに、クリーブランドの監督のウェッジがUSA Todayに「今日はもう1本が出なかっただけだね」と語った記事を引用しているくらいなのだ。
http://www.usatoday.com/sports/scores108/108243/MLB798222.htm
''We were one hit away too many times,'' said Indians manager Eric Wedge, whose team lost for the first time since falling 4-3 to the Los Angeles Angels on Aug. 16. ''We definitely had our opportunities.''

またこの試合、クリーブランド打線はシュアに4四球を選んだ一方で、シアトル打線の四球はクレメントの1四球。ほんの一時期だが、来期への希望といえる「打線を繋いで、ローリングしていく意識」は、最近の馬鹿げた「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」によって、すっかり破壊されつつあり、そのうちにまたバッターそれぞれが勝手にバットを振り回すだけの打線に逆戻りすることは、嫌な話だが、確実になった。

August 28, 2008

U.S.S.Marinerは、新聞社の電子版ではなく、ファンサイトという性格のものだが、27日から今年のワースト・パフォーマンス・プレーヤー5人をあげて、投票を始めた。

リストに上がっているのは5人。トップが城島で、ビドロ、バティスタ、シルバ、オフラハティと続く。この記事を書いている時点ではシルバ32%、ビドロ31%で、それに続くのが城島の19%。トータルの投票数は1594.
もちろんこうしたリンクが張られた時点でこういう投票の中身は歪んでいくものだから、たいして投票の中身は問題にならないといえば、そうだが、5人の候補者に城島が選ばれていることは、アメリカでの城島の「不人気度」を表すものといえる。
http://ussmariner.com/2008/08/27/out-of-curiosity/


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  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
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  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
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