October 01, 2009

前の記事(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(1)「外角低め」「ストレート」という迷信)で、アメリカでの野球の基礎や初歩を学ぶときに与えられる基本的な考え、key thoughtsのひとつとして、
・ストレートはインコースに
・変化球はアウトコースに

という考え方が教えられているという話を書いた。あまり屁理屈ばかりでも、面白くないので、ちょっと実例を見てみる。打者を「対角 opposing corner」に攻めた場合のサンプルを、コネ捕手城島でない場合と、日本人キャッチャー、コネ捕手城島の場合、2つあげてみる。


1 レンジャーズバッテリーの「対角」


これは9月28日のレンジャーズ対エンゼルスのゲームでの、モラレスの2ランの場面。ピッチャーはハンター、キャッチャーはイヴァン・ロドリゲス。

2009年9月28日 1回 モラレス 2ラン2009年9月28日
レンジャーズ対エンゼルス
1回 モラレス 2ラン


キャッチャー:
イヴァン・ロドリゲス


レンジャーズバッテリーの配球
初球  アウトコース高め チェンジアップ
2球目 インコース低め  ストレート
3球目 アウトコース高め チェンジアップ
Texas vs. LA Angels - September 28, 2009 | MLB.com: Gameday

ここで基調になっているのは、前の記事でいうkey thoughts 1の、「ストレートはインコースに、変化球はアウトコースに」ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 (1))、だということは、ひと目でわかると思う。

それにしても「対角に攻める」とはいうものの、日本でよくある「インハイとアウトローの組み合わせ」ではなく、「インローとアウトハイの組み合わせ」が使われていることにぜひ注目してもらいたい。
また、入りの球種も違う。ありがちな「ストレート」から入るのではなく、変化球からはいって、次がストレート、3球目を再び変化球にしている。

つまり、簡単に言えば、すべてが「日本的な考え」の「逆」をいっていることになる。ここが大事。後で挙げる城島の実例と比較して、日米の違い、ベースボールと野球の違いを考えるきっかけにしてみてほしい。



2 コネ捕手城島の「対角」

上に挙げたレンジャーズバッテリーの「対角」の攻めの実例に対し、もしこれが「日本人キャッチャー」なら、どう配球するだろう。
日本人キャッチャーが「対角」に攻めるなら、インハイとアウトローを使うだろうし、入りの球は変化球ではなく、ストレートになるだろう。すると、こうなる。

初球  インコース高め  ストレート
2球目 アウトコース低め チェンジアップ
3球目 インコース高め  ストレート

となるのではないか。最初のレンジャーズの例と比べてみれば、なにもかもが逆になっている。

予測ばかりでもつまらない。最近のゲームでの城島の実例も挙げてみる。2009年9月23日のタンパベイ戦8回、アップトンに打たれた2点タイムリーの打席である。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月23日、打てば三振ばかりのコネ捕手城島のワンパターンリードで四球連発。先発モローのリードもままならず、ブルペン投手を大量消費した挙句に、BJアップトンに同じ外角スライダーで2打席連続レフト前タイムリーを浴び、8回裏の逆転2点タイムリーで逆転負け。

2009年9月24日 8回アップトン 2点タイムリー2009年9月23日
タンパベイ戦 8回
アップトン 2点タイムリー


キャッチャー:
コネ捕手城島


初球  インハイ  ストレート
2球目 アウトロー スライダー
3球目 インハイ  ストレート
4球目 アウトロー スライダー
5球目 アウトロー スライダー(2点タイムリー)

要は、城島の場合、インコースは全部が全部、インハイのストレートで、アウトコースは全部アウトローのスライダーなわけである。単純な話だ。



この、あまりにも違う2つの例を分けている差異は、単にサインがあう、あわないという小さな話ではない。たまたまカーブを投げたいか、ストレートを投げたいかどころの、小さな意見のくい違いではない。

それどころか、一番深い部分に横たわる「深すぎる溝」は、配球や投球術そのものの根本にある、考え方の違いだし、さらにいえば、打者が何を狙ってバットを振り、投手はどう攻めるかを考えるにあたって出てくる「ベースボール」と「野球」の違い、そのもの、である。

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