October 06, 2009

ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係クリックすると拡大します
���2009 damejima


これは、今シーズンの8月以降のヘルナンデスの「ストライク率」と「四球数」をグラフ化したもの。データ数は13。
点は、ゲームで実際に記録された数値で、X軸、つまり横軸がストライク率、Y軸、つまり縦軸は四球数。

13の点々の羅列の中に、「右下がりの直線」があるが、これは「近似曲線」である。
たくさんの点々、つまり個々のデータのもっている「法則性」を抽象化してまとめ、データ全体の傾向を見るためのもので、この場合は「右下がり」というのが、「ヘルナンデスのストライク率と四球数」というデータのもつ「傾向」だ、ということを示している。

近似曲線をつくるのは、まったく難しくない。
エクセルのグラフ機能に、近似曲線を加える機能があらかじめ備わっているので、エクセルに面倒なデータ入力さえできてしまえば、あとは散布データのグラフにいつでも近似曲線を追加できる。操作も簡単で、誰でもできる。
参考Excel:近似曲線を描く
近似曲線にはいくつか種類があり、ここで挙げたような直線だけでなく、対数や曲線でも表現できる。
だが「ヘルナンデスのストライク率と四球数」の場合、曲線にしてみたが近似曲線にはたいして変化がないので、いっそ面倒な二次式ではなく、1次式の直線でということで、シンプルに直線で表現しておいた。

この便利な近似曲線の機能によれば、ヘルナンデスのゲームでの四球数を求める数式はこうなった。

(四球数) = -0.2332 ×(ストライク率) + 17.024
calculating formula made by damejima
���2009 damejima


ヘルナンデスのストライク率と四球数

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振
9月29日 120球69ストライク 57.5% 四球4
10月4日 107球72ストライク 67.3% 四球1



無限にストライク率を上げても意味がない
〜「3球に2球ストライクを投げる」セオリーの意味


メジャーでは、「投球全体の3分の2をストライク、3分の1をボール」として配球する、という話がある。つまりストライク率でいうと、ちょうどいいのが66.7%程度だ、とかいうセオリーだ。(注:2つストライクを投げたら1球はずせ、などというくだらない話ではない)

この話を、ヘルナンデスの近似曲線を見てたしかめてみる。

y = -0.2332x + 17.024という直線をみてもらうとわかるのだが、四球数が1を切るのが、ちょうどストライク率68%あたりになっている。

数式から計算で求めると、こうなる。
1.0000= -0.2332x + 17.024
x = 68.71355

ストライク率68.7%が分かれ目、つまり、見かたをかえれば、ストライク率(X軸、つまり、グラフの横軸)をセオリーの66.7からドンドン高めていったところで、ある数値から先は四球数は1以下になる、つまり、ほとんど変わらなくなる、という意味になる。
具体的に言えば、理論的にはストライク率が69%とか70%くらいでも、十分に四球がゼロになる可能性がある、ということだ。
それどころか、もし実際の投球場面でストライク率が75%とかになれば、バッターのストライクゾーンにやたらとストライクばかり来ることになるわけだから、かえってバッター側からすれば狙い球を絞りやすくなって、打ち込まれるかもしれない。

だから、ヘルナンデスの場合、(もちろん、彼に限らず、投手全般に言えるわけだが)、ストライク率を異常に高めたとしても、あるパーセンテージから先は、四球を減らす効果はないのはもちろん、それどころか、かえって打たれやすくもなる可能性さえ出てくる、という話になる。

それにしても、ヘルナンデス限定のこのグラフを作ってみての結果だが、だいたいセオリーどおりになった。あらためて、「投球の3分の2をストライク」というセオリーはほんとうによくできている、と感心した。



ヘルナンデスの四球が増えだすストライク率の臨界値を
発見してみる


では、ヘルナンデスの場合、四球が増えだすのは、ストライク率でいうと、どのあたりだろう。近似曲線でみるかぎり、四球数が2を越えるのは、だいたいストライク率が65%あたり、四球数が3になるはストライク率60%あたりのようだ。

四球数が2になるのは、ストライク率65%あたり
2.0000= -0.2332x + 17.024
x = 64.425385

四球数が3になるのは、ストライク率60%あたり
3.0000= -0.2332x + 17.024
x = 60.137221

四球数4を数えるのは、ストライク率56%あたり
4.0000= -0.2332x + 17.024
x = 55.840956


実際のゲームでも、ヘルナンデスのストライク率が60%を切った4ゲームのうち3ゲームで、四球を4つずつ出しているので、この「ストライク率が60%を切ると、四球数は理論値の上では、3を越えてくる」という話は実態に即している。
だから、ことヘルナンデスの場合、ストライク率が60%を切ってきたときには、四球を3つ、あるいは4つは覚悟しないといけなくなる、という計算になる。

ヘルナンデスは、1試合に投げるイニング数は最低でも6とか7で、毎試合長いイニングを投げてくれる投手だが、その彼でも1試合で4四球を出してしまうことになると、ゲーム展開としては毎回走者が溜まり、やっかいな展開になる。

だからヘルナンデスの適正なストライク率場合は、できれば60%の後半、64%から68%の間、高くても70%までくらいまでという感じになる。


「ストライク率がよくないのに、四球をほとんど出していない」という意味での、ヘルナンデス登板ゲーム・ベスト3

以上の話から、ゲームでの四球数が、理論値である近似曲線を大きく下回ったゲームのベスト3を選びだしてみた。
これらのゲームはどれも、けして四球がゼロとか、1にできるようなストライク率ではなかったわけだが、実際のゲームでは四球をほとんど出していない。失点がけしてゼロだったわけではないが、四球数という面では好ゲームだった、ということになる。


8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
2009年8月28日、ヘルナンデス7回3失点QS達成で、13勝目。ア・リーグの「QS数」「QSパーセンテージ」、2つのランキング」のトップに立つ。
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
2009年9月13日、ダブルヘッダー第二試合、祝・イチロー9年連続200安打達成! ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー快勝! 7回を4安打1四球でテキサスを零封して15勝目。

Copyright © damejima All Rights Reserved.





ハワイ移民150周年
No Ichiro, No watch.

Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です




Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。
Categories
ブログ内検索 by Google
Google

livedoorブログ内検索
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month