November 01, 2009

シアトルの地元紙Seattle Times紙がこの数年おいかけているサイトに、Fielding Bibleがある。「守備の殿堂」、とでも訳せばいいだろうか。
このFielding Bibleが、「Fielding Bible賞2009」を発表したことを、Seattle Times紙で知った。ありがとう、Seattle Times。

2009年の「Fielding Bible賞」は以下のとおりになった。シアトルから3人も、この「守備のベストナイン」に選ばれている。

1B Albert Pujols, St. Louis
2B Aaron Hill, Toronto
3B Ryan Zimmerman, Washington
SS Jack Wilson, Pittsburgh and Seattle
LF Carl Crawford, Tampa Bay
CF Franklin Gutierrez, Seattle
RF Ichiro Suzuki, Seattle
C  Yadier Molina, St. Louis
P  Mark Buehrle, Chicago


Mariners Blog | Mariners clean up in 2009 Fielding Bible Awards | Seattle Times Newspaper

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Fielding Bible賞2009 全投票者と、その投票内容

なのに、あのマイナスの得失点差というのだから、いかにコネ捕手城島の存在が多くの失点を招く最悪なものだったか。そしてシアトルのチーム・オフェンスがいかに無力だったか。痛感させられる。
どんなに投手や守備に金をかけようと、城島がいては「ザル」だった。本当に日本に帰ってくれてよかった。2009年「Fielding Bible賞」捕手ランキングには、城島は名前すら存在しない。

さて、コネ捕手城島がメジャーから去らなければならなくなった一方で、ロブ・ジョンソンは、キャッチャー部門でトータル17ポイントを獲得し、9位にランクインした。とりわけロブ・ジョンソンを大きく評価したのは、サイバーメトリクス創始者として有名なビル・ジェームスで、彼はロブ・ジョンソンに全体6位と評価し、投票者の中で最高の評価点を与えた。


日本の至宝イチローは既に2006年に受賞していているが、今回2度目の受賞(93ポイント)。フランクリン・グティエレスは、2008年にライトのポジションで受賞していて、こんどはセンターで2年連続の受賞(97ポイント)。ジャック・ウィルソンは初(86ポイント)。

ベスト10外では、ホセ・ロペスが二塁手部門18位、エイドリアン・ベルトレが三塁手部門2位、フェリックス・ヘルナンデス投手部門11位となっている。


守備に対する賞といえば「ローリングス・ゴールドグラブ賞」、いわゆるゴールドグラブがあって、リーグごとに1人ずつ選ばれるわけだが、Fielding Bibleがわざわざ自前で両リーグ全チームからたった1人だけを選び出して、守備のベストナインともいうべき「Fielding Bible賞」を作って発表しているのには、もちろん理由がある。
そのへんの理由とFielding Bibleの成り立ちについて、Seattle Timesでは以下の訳出のように説明している。もちろんFielding Bible自身もサイトで、なぜこういう試みが必要だったのか、どういう手法とプロセスによって「Fielding Bible賞」が選考されているか、明確に記している。
Fielding Bible自身によるFielding Bibleの成り立ちの説明

Seattle Timesより
Many of the Gold Glove voters only see certain players a handful of time per year, and also tend to use more traditional defensive stats like errors or fielding percentage (or simply go off memory alone) to pick a winner.
ゴールドグラブ投票者の多くは、どのシーズンでも、ある一握りのプレーヤーしか見ていないし、受賞者を選択するにあたって、エラーする率のような、伝統的な守備スタッツばかり使う(もしくは、単に記憶だけに頼って行動する)傾向もある。

The Fielding Bible is an authoritative book on defense published by John Dewan, a leading researcher in the field of baseball data. Dewan is the founder of Baseball Info Solutions (BIS) has come up with a number of defensive ratings systems over the years with data compiled by the research staff he employs in Philadelphia. According to his Defensive Runs Saved system, which we wrote about during spring training, the Mariners were the top defensive team in baseball this past season with 109 defensive runs saved.
Fielding Bibleは、野球の守備データのトップリサーチャーである、ジョン・ドゥーエンによって出版されている権威ある書物である。ドゥーエンは、彼がフィラデルフィアで彼が採用したリサーチスタッフによって長年収集されている守備格付けシステムを考案した、ベースボール・インフォ・ソリューションズ(BIS)の創設者だ。
彼のDefensive Runs Saved system(守備によって防がれた失点システム)によると、スプリング・トレーニング中に書いたように、マリナーズは109点ものディフェンシブ・ラン・セーブ、守備による失点防止が行われたことによって、この前のシーズン、MLB最高の守備的チームだった。

The Fielding Bible Awards are selected by a panel of 10 experts, including Dewan, baseball columnists Peter Gammons and Joe Posnanski and sabermetric guru Bill James.
「Fielding Bible賞」は、10人のエキスパートの選定委員会によって選出される。選考委員には、野球コラムニスPeter Gammons、Joe Posnanskiと、セイバー・メトリクスの教祖、Bill Jamesが含まれる。

参考)Mariners Blog | M's defense was "above average'' in 2008 | Seattle Times Newspaper Blog



Peter Gammonsは、ESPNの有名野球番組「ベースボール・トゥナイト」のアナリスト。Joe Posnanskiは、アメリカの有名スポーツメディアであるスポーツ・イラストレイテッド、および、カンザスシティ・スターの記者・コラムニスト。Bill Jamesはいわずとしれたセイバー・メトリクス提唱者である。

カンザスシティ・スターは、先日このブログでも取り上げた記事がある。(2009年10月27日、Kansas City Starは、ヘルナンデスとグレインキーのシーズンスタッツを補正した上で比較して、「勝負は五分五分」と語った。)この記事のライターはJoe Posnanskiではないのだが、単純に表向きの勝ち負け数だけで比較せず、なんらかの補正を加えてから比較しているあたり、カンザスシティ・スターには、「Fielding Bible賞」選考委員のJoe Posnanskiの目が行き届いている、と感じられる記事になっている。

Peter Gammons News, Videos, Photos, and PodCasts - ESPN
Joe Posnanski - Wikipedia, the free encyclopedia


全ポジションの受賞者それぞれに言いたいことはあるので機会があれば書いてみたいが、とりあえずキャッチャーとして受賞したヤディア・モリーナについて書いてみる。
Fielding Bibleがサイトにヤディアの表彰理由を書いているのだが、今年から測定しはじめたというワイルドピッチやパスボールをを防ぐ能力についてわざわざ言及しているのが、たいへん興味深い。現代的なキャッチャーの能力評価がどこにあるか、という点について新しい方向性を示したものといえる。

Yadier was the third “most popular” vote getter in 2009. He was named first on eight ballots, finishing with 96 points. Everyone knows about Molina’s incredible throwing arm. (中略)But one thing that hasn’t been measured until recently is a catcher’s ability to prevent bad pitches from getting past him, allowing baserunners to move up. We measured this stat this year and shared it with our voters. No surprise, Yadier is one of the best.
ヤディアは、2009年に3度目の受賞で、これまでの最多受賞者となった。8人が1位投票し、96ポイントを得た。誰もが「モリーナ一族」の脅威の強肩を知っている。(中略)しかしまずい投球をキャッチャーが後逸しランナーが進塁するのを防ぐ能力は、最近まで測定されていなかったデータのひとつだ。私たちは今年この統計を測定し、投票者間で共有した。当然のことだが、ヤディアは最良のプレーヤーのひとりだった。
太字はブログによる)






damejima at 07:00
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