November 03, 2009

先日紹介したFielding Bible賞2009のキャッチャー部門のトップ20のプレーヤーのプロフィールを眺めていて、不思議なことに気がついた。

キャッチャー部門ベスト10に入ったプレーヤーの半分、5人のキャッチャーが、1983年生まれ、「26歳」なのである。

ベスト20に話を広げると、この「26歳世代、1983年生まれのキャッチャー」は、さらにミゲル・モンテーロクリス・アイアネッタの2人が加わり、合計7人になる。この「7人の侍」ともいうべき7人の1983年生まれのキャッチャーたちにさらに、前後1歳の幅をみて、「25歳」「27歳」のキャッチャーも加えてみると、Fielding Bible賞ダントツ1位のヤディア・モリーナと、ナ・リーグオールスターに出たブライアン・マッキャンという、とてもイキのいい捕手たちが入って、25歳から27歳までの若手有力キャッチャー合計9人の、今のMLBを代表する若手キャッチャー軍団になり、Fielding Bible賞2009のほぼ半分は、彼らが占めている。つまり、メジャーで守備のいいキャッチャーの半分は、26歳前後の若いキャッチャーたちだ、ということだ。

これはなにかの偶然なのだろうか。

ちなみに、2009シーズンのシアトルでいうと、シーズン途中にピッツバーグにトレードされてしまったジェフ・クレメント、そして正捕手の座を獲得したロブ・ジョンソンが、ともに26歳、アダム・ムーアが25歳、キロス27歳で、退団した城島を除く若いキャッチャーたちはピッタリ「26歳世代」中心になっていた。
また、2009シーズンのア・リーグ西地区でいうと、ロブ・ジョンソン(SEA)、カート・スズキ(OAK)、ジェフ・マシス(LAA)と、3チームの正捕手が全員、まさに1歳の狂いもなく「1983年生まれ」で「26歳」である。

2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。

2009 Major League Baseball Catcher - Baseball-Reference.com


2009年Fielding Bible賞
上位20人の名前・年齢・CERA・生年月日


1位〜10位
ヤディア・モリーナ   27 3.48 July 13, 1982
ジェラルド・レアード  29 4.26
ジョー・マウアー    26 4.32 April 19, 1983
ラッセル・マーティン  26 3.37 February 15, 1983
カート・スズキ     26 4.24 October 4, 1983
カルロス・ルイーズ  30 4.00
ジェフ・マシス     26 3.99 March 31, 1983
コイ・ヒル        30 3.69
ロブ・ジョンソン   26 3.22 July 22, 1983
ロッド・バラハス    34 4.28

11位〜20位
ジェイソン・バリテック 37 3.87
イヴァン・ロドリゲス  37 4.59
ミゲル・モンテーロ   26 4.11 July 9, 1983
ライアン・ハニガン   29 4.29
ベンジー・モリーナ   35 3.74
マイク・ナポリ      28 4.89
ブライアン・マッキャン 25 3.66 February 20, 1984
ジェイソン・ケンドール 35 4.98
クリス・アイアネッタ  26 4.23 April 8, 1983
A.J.ピアジンスキー  32 4.10
ケリー・ショパック    29 4.67


いったいいまメジャーに「26歳のキャッチャー」は何人くらいいるだろう。今年メジャーでキャッチャーとしてプレイした選手たちの年齢を一覧として調べられるサイトはないか、探してみた。
2009 Major League Baseball Catcher - Baseball-Reference.com
これは超有名MLBデータサイトBaseball Referenceのリンクだが、下のほうにあるPlayer Standard Fielding--Cという表で、凡例のAgeをクリックすると、プレーヤーを年齢別にソート(一括して並べなおす)することができた。(プレーヤーによっては、移籍により複数項目をもっているので注意が必要)
この表によると、キャッチャーの年齢層は下記のような分布になっている。

2009MLBキャッチャーの年齢別分布

メジャーのキャッチャーの年齢分布図(2009)
クリックすると拡大します

22歳 4人     32歳 6人
23歳 4人     33歳 8人
24歳 4人     34歳 3人
25歳 13人     35歳 2人
26歳 17人    36歳 2人
27歳 6人     37歳 6人
28歳 11人     38歳 2人   
29歳 6人
30歳 8人     40歳 1人
31歳 4人

理由はわからないが、キャッチャーの年齢別分布は均一に各年齢のプレーヤーがほぼ同数に分布しているのではなく、むしろ、特定の年齢に偏って、大きく波を打っていることがわかる。
年齢の偏る「中心世代」というのは、ほぼ4年おきのリズムで出現しており、「26歳」「30歳」「33歳」「37歳」、生まれた年代でいうと、1983年、1979年、1976年、1972年が、それぞれの中心世代、ということになる。

なかでも、シアトルのロブ・ジョンソンの属するクールな1983年生まれ、26歳世代」は、いま最も勢いがあるキャッチャーたちの大半が属すMLBのキャッチャー中心世代となりつつある。



世代別・代表的プレーヤー

「26歳世代」 1983年前後生まれ
ヤディア・モリーナ   27 3.48 July 13, 1982
ジョー・マウアー    26 4.32 April 19, 1983
ラッセル・マーティン  26 3.37 February 15, 1983
カート・スズキ     26 4.24 October 4, 1983
ジェフ・マシス     26 3.99 March 31, 1983
ロブ・ジョンソン   26 3.22 July 22, 1983
ジェフ・クレメント   26     August 21, 1983
ミゲル・モンテーロ   26 4.11 July 9, 1983
クリス・アイアネッタ  26 4.23 April 8, 1983
ブライアン・マッキャン 25 3.66 February 20, 1984
シアトルがピッツバーグに放出してしまったジェフ・クレメントも、1983年生まれ、26歳。他に、カブスのソト、ボストンのコタラスなども、この世代。
「1983年世代」
は明らかにいまやMLBのキャッチャーの中心世代となりつつある。彼らの特徴は、「性格的な落ち着き」だろう。かつてスモルツの専属捕手をつとめていたブライアン・マッキャンを評してスモルツは「若いのに彼ほど落ち着いたキャッチャーは初めて」と言ったという。
この「落ち着き」という世代的特徴は、ロブ・ジョンソン、ジョー・マウアー、ラッセル・マーティン、どの「1983年世代」のキャッチャーにも共通してあてはまる。ピアジンスキー、城島の「1976年世代」のような、熱くなりやすいタイプはほとんどいない。
Fielding Bible賞2009のベスト20の半分を「1983年世代」が占めるが、守備がいい選手が揃ってている理由のひとつが、この「性格的な落ち着き」にあるのかもしれない。
この世代には、打撃も素晴らしく若手ながらチームのクリンアップを打ち、CERAも優れた「バランスタイプ」(マウアー、マッキャン、スズキなど)、守備力がずば抜けていると定評のある「スーパー・ディフェンシブ」(モリーナ、マーティン、ロブ・ジョンソンなど)、さまざまなタイプがいるが、いずれにしてもいま一番イキのいいMLBキャッチャーたちの大半がズラリと名前を揃えているといえる。

「30歳世代」 1979年前後生まれ
ジェラルド・レアード  29 4.26
カルロス・ルイーズ   30 4.00
コイ・ヒル        30 3.69
ライアン・ハニガン   29 4.29
ケリー・ショパック   29 4.67
他に、ビクター・マルチネスミゲル・オリーボジョシュ・バード、かつてシアトルにいたヨービット・トレアルバなど。
「地味」というのが特徴の「1979年世代」。ビクター・マルチネスを除くと、職人肌の地味なキャッチャーが多いような気がする。バッティングはいまひとつ。地味と守備的とは意味が違うわけで、彼らのCERAはそれほどよくはない。

「33歳世代」 1976年前後生まれ
A.J.ピアジンスキー   32 4.10
ロッド・バラハス     34 4.28
他に、城島ホセ・モリーナマイケル・バレットなど。
ピアジンスキー、城島と、「熱くなりやすい」のが、まさにこの「1976年生まれ、33歳世代」のキャッチャーの特徴。クールな「1983年世代」と、まさに対照的。そして「急成長を続ける26歳世代」の重圧が、最ものしかかり、今まさに「おいやられつつある」のが、この世代である。
シアトルの城島は、「1983年世代」ロブ・ジョンソンに追い越されてメジャーのキャリアをあきらめた。ピアジンスキーがミネソタからサンフランシスコに移籍させられたのも、「1983年世代」のジョー・マウアーに席をあけるためだった。「後ろから押され、隅においやられる」時代に入っている「33歳世代」の彼らだが、今後もずっとキャッチャーを続けられるかどうか。上の「37歳世代」のように名前でチームに残れる超有名選手にでもならないかぎり、難しいかもしれない。

「37歳世代」 1972年前後生まれ
ジェイソン・バリテック 37 3.87
イヴァン・ロドリゲス  37 4.59
他に、ホルヘ・ポサダジェイミー・バークもここ。
長年MLBでキャッチャーとしてメシを食ってきて、いまも生き残っているベテラン捕手たちのカテゴリー。全盛期と比べ、衰えは隠せない。チームでは、若手を育てる準備、あるいは他チームから若いキャッチャーを獲得、導入する準備が進んでいる。







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