November 05, 2009

終わってみれば、フィリーズは本当にもったいないことをした。

クリフ・リーがワールドシリーズ2勝目を挙げた第5戦で、楽勝のはずのゲーム終盤の点のとられ方がよくなく、ヤンキースに、これはニューヨークに帰りさえすれば勝てる、と思わせたのは残念と書いたが、やはりそのとおりになってしまった。

第7戦でヤンキースをみたび青ざめさせるクリフ・リーを見たかった。

"I expect to be back here next year," Lee said. "There's no reason why we shouldn't be." 「来年ここに戻ってくるつもりだ。そうできない理由など、何もない」(クリフ・リー)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年11月2日、クリフ・リー、ワールドシリーズ第5戦での「ゆるい」2勝目。

Philadelphia vs. NY Yankees - November 4, 2009 | MLB.com: Gameday

Boxscore: Philadelphia vs. NY Yankees - November 4, 2009 | MLB.com: News

まとめて言うなら、フィリーズは結局「ヤンキーススタジアムを理解しそこねた」。


まず、第6戦のフィリーズ打線は、「ボールを見ていく」というミスを犯したように思う。
ぶっちゃけヤンキーススタジアムは、「振って、放り込んでなんぼ」のスタジアムだ。今日のライアン・ハワードの2ランホームランも、セーフコなら間違いなくホームランにはならない。外野手の守備も軒並み上手くない、思い切りバットを振ればいい球場なのに、フィリーズ打線は振ってこないのだから、見ていてまるで怖さを感じないのだ。

ペティットを早めに降ろしたいという意図でもあったのかもしれないが、もどかしいくらいバットを振らなかった。四球数が多かったのもそのためだと思うし、けして誉められた作戦ではないと思う。
終盤にハーフスイングの三振が目立ったように、三振するにしても積極性が出た三振ではなく、打ってヒットする、長打をもぎとる、という感じが伝わってこないのでは、いくらヤンキースのセットアッパーがしょっぱいといえど、投手は怖さを感じなかったと思う。


点がとれるのはチェイス・アトリーとイバニェスのバットしかないと思ってゲームを見ていたが、今日のアトリーは何かが変だった。積極性がなく、甘い球を見逃した。
特に7回表の2死1、2塁での彼は、2球目の真ん中に入ってきた甘いカーブになんの反応もせず、3球目のクゾボールのスライダーをいつもの彼らしくないハーフスイングをして3球三振。本当に痛かった。
だが、もっといけないのは5番のワースだろう。2四球選んではいるわけだが、結局ゲームが佳境に入った6回、8回に2三振して、ゲームセットのムードを作る原因になった。ともかく、どういうわけか、まるでバットを振らない。特にプレイオフレコードの13三振を記録していた4番ライアン・ハワードに待望のホームランが出た6回の追い上げムードの場面での見逃し三振は、もしかすると、と思わせたチームのムードを一気に冷えさせた。

結局長打でじわじわ得点を稼いでくるバッティングのNYYを相手にした、ヒヒッターズパークのヤンキーススタジアムのゲームでは、先発投手がクリフ・リーででもないのなら、当然打撃戦になる。狭い球場だし、凡退を恐れずに積極的にバットを振っていくべきだったと思う。
なにせ新ヤンキーススタジアムは、東京ドームのつぶれた形の右中間左中間と同様、右中間フェンスの膨らみがないと言われている球場だ。
ビジターがあまりにボールを見すぎても、結局意味がなかった。


もうひとつは打順の問題
特に、今日2本の二塁打を売ったイバニェスの打順がいけない。

2009ワールドシリーズでのフィリーズ打線に限っていうと、
.280以上打っているのは、わずか3人しかいない。長打の大半も、この3人が打っている。打順に注目してもらいたい。(順序は打率順)

9番ルイス   .333 ホームラン1 二塁打2
6番イバニェス .304 ホームラン1 二塁打4
3番アトリー  .286 ホームラン5 二塁打1

2009ワールドシリーズにおける
フィリーズ打線の打撃スタッツ

Philadelphia Phillies Stats ― Sortable Statistics | phillies.com: Stats


打てるバッターの打順が、3、6、9と、きれいに3人ずつ離れている。
また、2番、4番、7番と、打率1割台と不調のバッターが、打てる3,6、9の間に、ちょうどそれぞれ挟まってしまっていて、打線が切れ切れになっている。

これでは効率よく点が入るわけがない。


打順を組み替えるべきだった。
キャッチャーのルイスはまぁともかく、動かそうと思えば打順を動かせるイバニェスは、今シーズン一時は上位打線を打っていたわけだし、6番に置きっぱなしは、あまりにもったいなさすぎた。短期決戦では、実績より、その日、そのときに調子のいい選手を使う、という鉄則にはずれている。

あと、細かいことを言えば、負ければ終わりというゲームなのだし、ペドロ・マルチネスの見切りの遅さ、パク・チャンホの投入のタイミングの遅さなどなど、監督チャーリー・マニュエルの後手後手に回る投手交代もよくなかった。



それにしても、イバニェスの今日の8回表の二塁打は本当に素晴らしかった。
ファウルを5球打って、9球目まで粘り、センターの頭を越した。イバニェスは元々がア・リーグのシアトルにいたから、ヤンキーススタジアムの特性も、あの場面で自分に求められている役割もよく頭に入っている。この場面、この球場では、ボールを見るよりバットを振って大きなチャンスのきかっけにならなければという彼らしい使命感とア・リーグでの経験が、あの粘りになっていたのだと思う。


長い2009シーズンがこれで終わった。
シアトルにとってひさびさの城島のいない
記念すべき2010シーズンが始まった。








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