December 21, 2009
ちょうどFielding Bibleがメジャー1位に挙げたロブ・ジョンソンのDefensive Runs Savedデータについての記事(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月20日、セイバーメトリクスで始まった「捕手の守備評価の新基準」。ロブ・ジョンソン、Defensive Run Saved キャッチャー部門でメジャー1位の評価を受ける。)を書いたところなので、ついでにちょっと、2009年シーズン中のメディアにおける「ロブ・ジョンソンの過小評価」について書いてみようと思う。
サンプルは、U.S.S. Marinerの4月の記事だ。
U.S.S. Marinerは、もちろん、日本のマリナーズファンにも知られたシアトルの地元ウェブ・サイトである。たいていのマリナーズ関連サイトがリンク先に挙げている。そんなことは重々承知だ。
このサイトでもシアトル・マリナーズに関する情報を得たい人のために、ブログのデフォルトのリンク集以外に、Twitterによるリンク集であるのdamejima's MLB Twitter Link(http://twitter.com/damejima/mlb)もストーブリーグの時期用に新たに備えて、さまざまなリンク先を挙げてあるが、U.S.S. Marinerについては、あえてデフォルトのリンク集ではレギュラーのリンク先に挙げてない。
理由はある。意味もなく城島を持ち上げては、無意味にロブ・ジョンソンを叩くような姿勢がどうにも歪んでいて、公正さに欠けると何度も感じたからである。データとして、または論調として、感銘を得られるものがあまりないなら、読む必要がない。
このサイトがかつて4月に書いていた記事を例に挙げておく。最初から結論ありきで、無理のあるデータを元に無理のある結論を導こうとする視野の狭さによって、彼らはのちのち恥をかくことになった。
Rob Johnson’s Catching | U.S.S. Mariner
この記事でのU.S.S. Marinerの狙いと手法は、こうだ。
ロブ・ジョンソンと城島で、「投手別の被OPS」を挙げて両者を比較し、「城島がキャッチャーをやったほうがいい投手もたくさんいるじゃないか。どうだ。」と、言いたいわけである。
呆れてモノがいえない。
捕手のリード能力を「被OPS」だけを使ってどうこう言うこと自体、本当にどうかしている。どうかしていると思うが、そこはまあ100万歩譲って、たとえそれを良しとしたところで、4月23日なんていう日付でこんな程度の低い記事を書くあたりが、まったくもってメディアとしてダメすぎる。
4月23日といえば、シーズンが始まってわずか一ヶ月である。打者でいえば、まだシーズン打率4割とか3割後半を超えるような打者がゴロゴロいたりする。それはそうだ。シーズンがたった一ヶ月しかたっていないのでは、サンプル数が少なすぎる。
そんなあまりに短すぎる期間のデータを元に、投手をリードするキャッチャーの能力を、しかも、被OPSだけをネタにしてとやかく言う記事を書いているようでは、センセーショナルなだけのイギリスあたりのタブロイド紙や、イチローの悪口を書くことに血道をあげているこのところの日本の悪質な夕刊紙と変わらない。
2009年4月、といえば、コネ捕手城島が肉離れで戦列を離れた後のロブ・ジョンソンが、先発ゲームで、ローランド・スミスの代役としてローテ投手に急遽起用されたジャクバスカス先発3ゲームの3敗を除くと、7勝2敗、勝率.778、先発投手のQS率77.8%、CERA2.14と、ちょっとビックリするような好成績を挙げた月である。
U.S.S. Marinerにとやかく言われる数字ではない。
(ジャクバスカス先発ゲームを除いたのは、本来セットアッパーのジャクバスカスがローテーション投手を務めたからだが、もし、その3敗を含めたとしても、なお勝率は.588、QS率66.7%と、十分に評価できる)
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年4月、ロブ・ジョンソンは先発投手の防御率2.85で4月を乗り切った。
にもかかわらず、どうしても城島を持ち上げたいU.S.S. Marinerが「ロブ・ジョンソンより城島がいいのだ」とか無理に言いたいがために挙げたデータはこうだ。(太字はロブ・ジョンソン先発のほうがいい被OPSを残っている投手)
ロブ・ジョンソン(4月23日時点)
Felix: 27 PA, .638 OPS
Bedard: 56 PA, .448 OPS
Washburn: 68 PA, .608 OPS
Silva: 0 PA, NA(登板なし)
Jakubauskas: 43 PA, .931
Rowland-Smith: 0 PA, NA(登板なし)
Morrow: 11 PA, .282 OPS
Aardsma: 11 PA, .273 OPS
Corcoran: 18 PA, .914 OPS
Batista: 12 PA, .817 OPS
Kelley: 12 PA, .727 OPS
Lowe: 15 PA, .533 OPS
White: 17 PA, .301 OPS
城島(4月23日時点)
Felix: 56 PA, .702 OPS
Bedard: 22 PA, .747 OPS
Washburn: 12 PA, .000 OPS
Silva: 51 PA, .836 OPS
Jakubauskas: 17 PA, .639 OPS
Rowland-Smith: 20 PA, .733 OPS
Morrow: 15 PA, .500 OPS
Aardsma: 15 PA, .298 OPS
Corcoran: 16 PA, .648 OPS
Batista: 13 PA, .615 OPS
Kelley: 4 PA, .500 OPS
Lowe: 7 PA, .452 OPS
White: 0 PA, NA(登板なし)
これが2009年のシーズン終了時にはどうなったか。
投手のイニング数が増え、主力投手、勝ちゲームのセットアッパー、クローザー、その全てにおいて、ロブ・ジョンソンのマスク時の被OPSが勝っていったのである。
Rob Johnson(シーズン終了時点)
Seattle Mariners Player Splits: Rob Johnson - Baseball-Reference.com
Felix: 723 PA, .571 OPS
Bedard: 285 PA, .610 OPS
Washburn: 417 PA, .552 OPS
Silva: 22 PA, .914 OPS
Jakubauskas: 178 PA, .856 OPS
Rowland-Smith: 26 PA, .359 OPS
Morrow: 82 PA, .878 OPS
Aardsma: 151 PA, .456 OPS
Corcoran: 34 PA, 1.035 OPS
Batista: 106 PA, .686 OPS
Kelley: 62 PA, .825 OPS
Lowe: 154 PA, .675 OPS
White: 126 PA, .513 OPS
城島(シーズン終了時点)
Seattle Mariners Player Splits: Kenji Johjima - Baseball-Reference.com
Felix: 134 PA, .904 OPS
Bedard: 40 PA, .734 OPS
Washburn: 63 PA, .774 OPS
Silva: 99 PA, 1.029 OPS
Jakubauskas: 182 PA, .726 OPS
Rowland-Smith: 375 PA, .690 OPS
Morrow: 136 PA, .789 OPS
Aardsma: 106 PA, .642 OPS
Corcoran: 37 PA, .758 OPS
Batista: 176 PA, .865 OPS
Kelley: 110 PA, .729 OPS
Lowe: 130 PA, .605 OPS
White: 100 PA, .664 OPS
もちろん、ロブ・ジョンソンが世界最高の捕手だ、などと言うつもりはない。だが2009シーズン中も含め、彼の献身的なプレーぶりに対する行き過ぎた過小評価は、今見ると、あまりの狭量さに失笑する。
ロブ・ジョンソンの2009年中のチーム貢献度の高さについては、シーズンが終わり、コネ捕手が日本に逃げ帰った今、正当な評価を受けるべきだ、と考えるし、日米を問わず、誤った過小評価ばかり下し、無理やりにコネ捕手を持ち上げる画策ばかりしてきたメディアや評論家などは猛省すべきだと考える。
こうした失笑もののバベシ時代の古ぼけた買い物に過ぎないコネ捕手城島擁護を目的にした歪曲記事はU.S.S. Marinerだけでなく、日本のダメ・ライターや日本の解説者にも散見されたわけだが、それらの記事のほとんど全てが今シーズンに恥をかいた。
自業自得である、と言っておきたい。
サンプルは、U.S.S. Marinerの4月の記事だ。
U.S.S. Marinerは、もちろん、日本のマリナーズファンにも知られたシアトルの地元ウェブ・サイトである。たいていのマリナーズ関連サイトがリンク先に挙げている。そんなことは重々承知だ。
このサイトでもシアトル・マリナーズに関する情報を得たい人のために、ブログのデフォルトのリンク集以外に、Twitterによるリンク集であるのdamejima's MLB Twitter Link(http://twitter.com/damejima/mlb)もストーブリーグの時期用に新たに備えて、さまざまなリンク先を挙げてあるが、U.S.S. Marinerについては、あえてデフォルトのリンク集ではレギュラーのリンク先に挙げてない。
理由はある。意味もなく城島を持ち上げては、無意味にロブ・ジョンソンを叩くような姿勢がどうにも歪んでいて、公正さに欠けると何度も感じたからである。データとして、または論調として、感銘を得られるものがあまりないなら、読む必要がない。
このサイトがかつて4月に書いていた記事を例に挙げておく。最初から結論ありきで、無理のあるデータを元に無理のある結論を導こうとする視野の狭さによって、彼らはのちのち恥をかくことになった。
Rob Johnson’s Catching | U.S.S. Mariner
この記事でのU.S.S. Marinerの狙いと手法は、こうだ。
ロブ・ジョンソンと城島で、「投手別の被OPS」を挙げて両者を比較し、「城島がキャッチャーをやったほうがいい投手もたくさんいるじゃないか。どうだ。」と、言いたいわけである。
呆れてモノがいえない。
捕手のリード能力を「被OPS」だけを使ってどうこう言うこと自体、本当にどうかしている。どうかしていると思うが、そこはまあ100万歩譲って、たとえそれを良しとしたところで、4月23日なんていう日付でこんな程度の低い記事を書くあたりが、まったくもってメディアとしてダメすぎる。
4月23日といえば、シーズンが始まってわずか一ヶ月である。打者でいえば、まだシーズン打率4割とか3割後半を超えるような打者がゴロゴロいたりする。それはそうだ。シーズンがたった一ヶ月しかたっていないのでは、サンプル数が少なすぎる。
そんなあまりに短すぎる期間のデータを元に、投手をリードするキャッチャーの能力を、しかも、被OPSだけをネタにしてとやかく言う記事を書いているようでは、センセーショナルなだけのイギリスあたりのタブロイド紙や、イチローの悪口を書くことに血道をあげているこのところの日本の悪質な夕刊紙と変わらない。
2009年4月、といえば、コネ捕手城島が肉離れで戦列を離れた後のロブ・ジョンソンが、先発ゲームで、ローランド・スミスの代役としてローテ投手に急遽起用されたジャクバスカス先発3ゲームの3敗を除くと、7勝2敗、勝率.778、先発投手のQS率77.8%、CERA2.14と、ちょっとビックリするような好成績を挙げた月である。
U.S.S. Marinerにとやかく言われる数字ではない。
(ジャクバスカス先発ゲームを除いたのは、本来セットアッパーのジャクバスカスがローテーション投手を務めたからだが、もし、その3敗を含めたとしても、なお勝率は.588、QS率66.7%と、十分に評価できる)
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年4月、ロブ・ジョンソンは先発投手の防御率2.85で4月を乗り切った。
にもかかわらず、どうしても城島を持ち上げたいU.S.S. Marinerが「ロブ・ジョンソンより城島がいいのだ」とか無理に言いたいがために挙げたデータはこうだ。(太字はロブ・ジョンソン先発のほうがいい被OPSを残っている投手)
ロブ・ジョンソン(4月23日時点)
Felix: 27 PA, .638 OPS
Bedard: 56 PA, .448 OPS
Washburn: 68 PA, .608 OPS
Silva: 0 PA, NA(登板なし)
Jakubauskas: 43 PA, .931
Rowland-Smith: 0 PA, NA(登板なし)
Morrow: 11 PA, .282 OPS
Aardsma: 11 PA, .273 OPS
Corcoran: 18 PA, .914 OPS
Batista: 12 PA, .817 OPS
Kelley: 12 PA, .727 OPS
Lowe: 15 PA, .533 OPS
White: 17 PA, .301 OPS
城島(4月23日時点)
Felix: 56 PA, .702 OPS
Bedard: 22 PA, .747 OPS
Washburn: 12 PA, .000 OPS
Silva: 51 PA, .836 OPS
Jakubauskas: 17 PA, .639 OPS
Rowland-Smith: 20 PA, .733 OPS
Morrow: 15 PA, .500 OPS
Aardsma: 15 PA, .298 OPS
Corcoran: 16 PA, .648 OPS
Batista: 13 PA, .615 OPS
Kelley: 4 PA, .500 OPS
Lowe: 7 PA, .452 OPS
White: 0 PA, NA(登板なし)
これが2009年のシーズン終了時にはどうなったか。
投手のイニング数が増え、主力投手、勝ちゲームのセットアッパー、クローザー、その全てにおいて、ロブ・ジョンソンのマスク時の被OPSが勝っていったのである。
Rob Johnson(シーズン終了時点)
Seattle Mariners Player Splits: Rob Johnson - Baseball-Reference.com
Felix: 723 PA, .571 OPS
Bedard: 285 PA, .610 OPS
Washburn: 417 PA, .552 OPS
Silva: 22 PA, .914 OPS
Jakubauskas: 178 PA, .856 OPS
Rowland-Smith: 26 PA, .359 OPS
Morrow: 82 PA, .878 OPS
Aardsma: 151 PA, .456 OPS
Corcoran: 34 PA, 1.035 OPS
Batista: 106 PA, .686 OPS
Kelley: 62 PA, .825 OPS
Lowe: 154 PA, .675 OPS
White: 126 PA, .513 OPS
城島(シーズン終了時点)
Seattle Mariners Player Splits: Kenji Johjima - Baseball-Reference.com
Felix: 134 PA, .904 OPS
Bedard: 40 PA, .734 OPS
Washburn: 63 PA, .774 OPS
Silva: 99 PA, 1.029 OPS
Jakubauskas: 182 PA, .726 OPS
Rowland-Smith: 375 PA, .690 OPS
Morrow: 136 PA, .789 OPS
Aardsma: 106 PA, .642 OPS
Corcoran: 37 PA, .758 OPS
Batista: 176 PA, .865 OPS
Kelley: 110 PA, .729 OPS
Lowe: 130 PA, .605 OPS
White: 100 PA, .664 OPS
もちろん、ロブ・ジョンソンが世界最高の捕手だ、などと言うつもりはない。だが2009シーズン中も含め、彼の献身的なプレーぶりに対する行き過ぎた過小評価は、今見ると、あまりの狭量さに失笑する。
ロブ・ジョンソンの2009年中のチーム貢献度の高さについては、シーズンが終わり、コネ捕手が日本に逃げ帰った今、正当な評価を受けるべきだ、と考えるし、日米を問わず、誤った過小評価ばかり下し、無理やりにコネ捕手を持ち上げる画策ばかりしてきたメディアや評論家などは猛省すべきだと考える。
こうした失笑もののバベシ時代の古ぼけた買い物に過ぎないコネ捕手城島擁護を目的にした歪曲記事はU.S.S. Marinerだけでなく、日本のダメ・ライターや日本の解説者にも散見されたわけだが、それらの記事のほとんど全てが今シーズンに恥をかいた。
自業自得である、と言っておきたい。