March 28, 2010

最初にことわっておくと、2010シーズンに関するウオッシュバーンのシアトルとの契約は、どうせなるようにしかならない。関心を持って注視してきたし、ウオッシュバーンがシアトルに戻れることを願ってもいるが、もともとマリナーズには 「ねじれたことをするのが大好きなヒト、ストレートなドラマを喜べない不幸なヒト」が両肘かけの椅子に座っていらっしゃるようだし、そもそも先のことなど、どうなるかわからない。
だから、こればっかりは、契約が決まらないうちに外野があれこれ言ってもはじまらない。
Jarrod Washburn Posts -- FanHouse

契約、とかいうやつは、必ずしもヒトの想いに沿うように出来ていないし、スムーズに全体を進ませる方向には案外行かないように出来ている。(出来の悪い契約なら、なおさらだ)そのせいか、この「契約」とかいうやつ、ときどきスポーツをおそろしくつまらなくする。
ダメ捕手城島とMLBシアトルマリナーズの無意味な契約も、今にして思えばシアトルのベースボールを4年の長きにわたって本当にかき回し、台無しにした。


2010年から初めてシアトルマリナーズのゲームを見始めるファンの方だって、中にはいるかもしれないから、ウオッシュバーンって誰?と思う方もいるかもしれない。
そうした方にば、2009シーズン中に月間最優秀投手賞を受賞し、準パーフェクトゲームも達成している、気のいい、釣り好きの中年ピッチャーが初夏まで在籍していたことを、ぜひ教えてあげたいと思う。
だが、好成績でありながら、しかも、ウオッシュバーン自身が何度もマスメディアに「絶対に移籍したくない。シアトルにいたい」と公言し続けていたにもかかわらず、その彼が、チームが金に困っているわけでもないのに、なぜ他チームにトレードされたのか。先発投手が余っていたどころか、むしろ先発投手たちに疲れが出てくる夏の、それも、秋のプレイオフ進出の最後の可能性を探っていた2009年7月末に、それも、トレード期限ギリギリに、なぜ他チームに売られなければならなかったのか。

それを、説明するのは、たいへんに長い話になるし、不可解な部分、不愉快な部分も多い。

こんなこと、友達に聞いたって、誰も説明してはくれない。きちんと筋道をたてて、話の流れを追えるのは、あの、悪質な城島問題について終始きちんとした姿勢を貫いたこのブログだけなわけで、世の中にちゃんと説明してくれる材料はほとんどない。
とはいえ、やたらと長たらしい文章ばかりが多く、記事量も膨大で、事実関係の複雑ななこのブログの話題をたどる面倒な作業を、ヒトに無理強いするわけにもいかない。
まぁ、ウオッシュバーン放出のまとめだけでも、今年のどこかで、気が向いたときにでも、一度まとめてみるから、そのときまで待ってもらえるとありがたい。待てないヒトは、カテゴリーをまとめ読みするしかないだろう。日付で話の最低限の前後関係が追えるように、このブログでは(一部の例外を除いて)記事にすべて日付をふってある。



シアトルマリナーズ公式サイトで記事を書いているJim Streetは、2009シーズンの7月末に不意にトレードされたウオッシュバーンが、8月になってトレード先のデトロイト・タイガースの先発投手として、マリナーズとゲームをするためにセーフコにやってくることになったとき、ファンのためにアットホームな記事をしたためてくれた、とても心の温かい奇特な男である。
Johnson to face former batterymate | Mariners.com: News

内容は、トレード後のウオッシュバーンがデトロイト・タイガースの先発投手として、8月のセーフコのゲームに先発することになり、キャッチャーのロブ・ジョンソンとひさびさの再会を果たす打席で、投手として打者ロブ・ジョンソンに『ドルフィン』という変化球を投げるかどうか、という話がメインである。
なぜなら、『ドルフィン』は、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンがコーチの助言も交えながら、共同開発した彼ら独特の変化球(大きなスローカーブ)だからである。ドルフィンの成立経緯については、一度SPI電子版がロブ・ジョンソンにインタビューして、とてもいい記事を書いたので、そちらを読むといい。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

Jim Streetは、ウオッシュバーンのトレード自体に文句をつける記事を書くのではなく(公式サイトのライターがそういう記事を書くのは無理だろうし)、トレードによって違うチームに分かれた2人にそれぞれ話を聞き、フィールド上で再会を果たすバッテリーの小さなドラマを、ユーモラスかつアットホームに記事にしてみせてくれた。
結果的に誰もハッピーにならなかったこのトレード事件の背景には、ファンの意向など無視の、ねじれきったオトナの事情が垣間見えるわけだが、そこはあえて割り切り、Jim Streetが公式サイトのライターとして可能なギリギリの線として、彼らバッテリーへの愛情を「再会」というドラマで表現した、という感じに、かねてから思っていた。なかなか誰にでも真似できる行為じゃない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。


さて、そのアットホームな再会になるはずだったゲームだが、結果はまぁ、下記の記事でも読んでおいてほしい。酷いものだ。先発マスクは誰が選んだのか城島で、しかもサヨナラ負け。ロブ・ジョンソンの出番はなし。再会のドラマもへったくれも無し。すべて台無し。
これを見ても、2009年までのシアトル・マリナーズがいかに、あさはかな誰かさんの強い影響下にあって、どれだけいびつに歪んでいたか。この一件からだけでも伝わってくる。こんなことが数年も続いては、チームがガタガタにならないわけがない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。 →だが無粋なチームの監督さんがスタメンマスクに選んだのは、なぜか「城島」 →最悪の「サヨナラ負け」(失笑)



その心温まる筆致を持つJim Streetが2010年、こんどは、デトロイトとの契約が切れた後、所属先が決まらず、浪人状態になっているウオッシュバーンと、主戦投手として獲得してきたサイ・ヤング投手クリフ・リーの思わぬ故障による開幕出遅れで、春先の先発投手が足りなる気配のシアトルとの間の、なんともギクシャクとした交渉(交渉までいっているかどうかも不明だが)のあらましについてまとめ、記事にしている。
Washburn, agent shopping for deal | Mariners.com: News

中身はいつもの淡々としたスタイルである。公式サイトの記事らしく、無駄な主観を交えることを極力控え、シアトルの台所事情、そしてウオッシュバーン側の代理人であるボラスのもくろみなど、契約の要件をさらりとまとめている。


ブログ主としては、Jim Streetが、シアトルにとっては、喉に刺さった魚の骨のようなこの扱いに困る話題をあえて記事にしてとりあげてみてくれたことは、Jim Streetの立場でできる、彼なりのウオッシュバーンに対する精一杯のエール、という風に受け止め、この記事を何度も何度も丁寧に読んだものだ。
さすがに、イチローの守備マニアのJoe Posnanskiのように、夕食前に23回も続けてイチローのビデオを回したりはしないが(笑)、それでも数回は続けて読んだ。


ありがとう、ジム。Sincerely I thank you, Jim.
こんどこそ、誰もがハッピーな契約になれたらいいと、僕も思う。もしウオッシュバーンがシアトルに来ることがあるのなら、こんどこそは、苦味のない、気持ちのいい環境でやらせてあげたいものだと思う。







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