April 05, 2010

MLBのデータは見ていて飽きない。スポーツのデータそのものが、ひとつのエンターテイメントとして確立している。
Baseball Reference、ESPN、MLB公式、SI.vom、CBS、FOX、項目数の豊富さもデータ・サーフィンの面白さを支えている重要な要素だが、さらに、項目ごとにソートできることなど、データの取り扱いの自由度が高いことも、データを眺める楽しみにとって大事な部分。自分でいじれる自由さはプレーヤーやチームごとの比較に欠かせない。また年代をさかのぼって調べるのが簡単なのもありがたい。

日本のメディアでは、こうはいかない。
日本のプロ野球の基礎データを常時提供しているサイトはいくつかはあるが、いかんせん、データをソートできる程度のサービスすら、ほとんどやっていない。一部ソートできるヤフーですら、せいぜい上位30人程度の選手しか表示されない。これでは、例えば競馬のデータサイトの充実ぶりなどに比べてレベルが低すぎる。
関連メディア同士で費用を出し合って共同の会社でもつくってデータ収集し、ネット上での無料データ提供を早くやるべきだ。


ヤフーの野球ページは、デザインがしょぼいのもあるし、どうも好きになれない。だがまぁ上位30人程度はソートできる。

2010シーズンのパ・リーグの打者を出塁率でソートしてみると、OBP(出塁率).350以上をマークしている13人の打者のうち、なんと半数の6人がロッテのプレーヤーで占められている。
9人のスターターの3分の2にあたる6人もの打者がOBP.350を越えているチームが1チームだけあるのだから、そりゃ順位も1位にもなるわけだ。なかでも西岡大松といったバッターは魅力がある。OBPだけでなく、OPS、得点圏打率も高い数値をたたき出しているのが素晴らしい。
今のところオリックスのカブレラやラロッカといったプレーヤーなども、たしかに出塁率は高いが、彼らは得点圏打率がたったの1割前後しかない。これではシーズン通して頼りになるかどうかわからない。ロッテの打者たちの数値は、こういうムラがない。
Yahoo!スポーツ - プロ野球 - パ・リーグ打者成績 - 出塁率

同じ話を、セ・リーグで見てみるとどうだろう。
OBP.350を越える打者17人の内訳は、巨人5人、中日4人、ヤクルト3人、横浜・阪神各2人、広島1人となっている。4月4日現在のOBPの高い打者数とチーム順位は、寸分の狂いもなくピタリと重なっているのが面白い。
Yahoo!スポーツ - プロ野球 - セ・リーグ打者成績 - 出塁率

開幕したばかりで打数が少なく、打率とOBPがほぼ連動してしまうような時期だから、現時点でチーム打率自体がずば抜けて高いロッテ、巨人、中日、ヤクルトの4チームの勝率の高さを、単純にOBPだけで説明しようとするのは馬鹿げているわけだが、これだけ出塁できるバッターをズラリと揃えた上位チームが簡単に調子を落とすわけはない。
少なくとも、これら4チームの出塁率の高さは注目に値する。これからも数値の推移と順位の関係を注目するといいと思う。


この何年かで、日本のプロ野球ロッテが出塁率重視の戦力整備を進めてきていることは、元ロッテ監督のボビー・バレンタインがアメリカから連れてきたアナリストのポール・プポ Paul Pupoの存在などからも、よく知られている。

ポール・プポのヒッティング・チャートポール・プポの
ヒッティング・チャート

ポール・プポのピッチング・チャートポール・プポの
ピッチング・チャート

ポール・プポのピッチング・チャート 2ポール・プポの
ピッチング・チャート

ボビー・バレンタインは、Paul Pupoを称して、「ミスター・インフォメーション」と呼び、非常に信頼して頼りにしていたことを自分のブログで詳細に紹介している。
ボビー・バレンタイン監督の公式ブログ / Bobby Valentine’s Official Blog Site » Blog Archive » Paul Pupo, Mr. Informationポール・プポ「ミスター情報」

プポ家は、ポール・プポ含め、男兄弟が揃って野球選手の野球一家。長兄のLen Pupoは、1967年と68年にボルチモア・オリオールズのシングルAでプレイしているスイッチヒッター。Baseball Referenceにもちゃんと記録があった。たとえシングルAの選手でもこうしてきちんと記録が残っていて、すぐに詳細な成績を取り出せるのは、本当に素晴らしいことだ。
Len Pupo Minor League Statistics & History - Baseball-Reference.com

なんでもプポの母親の作る料理は超美味いらしく、何軒かレストランを開いているほどだ。
プポの母親が最初に店を出したのは、ワシントン州の中心都市シアトルから東へ338マイル(=約540km)のところにある街、スポケーン Spokane
スポケーン ワシントン : ライラック・シティ
バレンタインのドジャースでのキャリアは、3Aより前のルーキーリーグ時代にさかのぼるが、スポケーンには、バレンタインが新人プレーヤー時代に所属していたドジャースのマイナーが置かれている。イタリア系アメリカ人であるボビー・バレンタインは、ドジャースの3Aにいた1969年にスポケーンでポール・プポと出会ったらしい。
当時のドジャースのルーキーリーグの監督が、のちに1976年にドジャース監督に就任するイタリア系のトミー・ラソーダ。ボビーをスカウトしてきたのも、スカウト時代のラソーダである。
ラソーダも、プポの母親の料理を非常に気にいっていたらしい。プポの母親がシアトルに出した2軒目のレストランはイタリア料理のようだが、バレンタインもラソーダもイタリア系だし、プポ家の家系もおそらくイタリア系だろうと想像するが、バレンタインのブログではその点は触れられてない。
1970年代にバレンタインはプポ家のレストラン事業とは無関係に自分自身の手でレストランを持ったが、後にポール・プポにレストラン経営の助力を頼んだなどから、以降、2人はレストランビジネスでも協力関係にある。

ちなみに、プポというラストネームは東海岸と、西海岸に多く分布しているらしい。
Pupo Family History Facts 1920 - Ancestry.com


ボビー・バレンタインは、ワシントン州との関係が深い。彼がメジャーリーガーとしてのキャリアを終えたのは、1979年の創設して間もない時代のシアトル・マリナーズで、ユーティリティー・プレーヤーとして、62ゲームに出場した。
ワシントン州で野球選手としてのキャリアを始めたボビーだが、選手キャリアの最後もワシントン州で終えているわけで、シアトルの監督候補に挙がることがあるのは、こうした色々なワシントン州との縁があるからなわけだが、やはりなんとなく彼はシアトルよりLAドジャースとの関係の濃い人間という印象が強い。
ボビー・バレンタインの現役成績
Bobby Valentine Statistics and History - Baseball-Reference.com


1979年のシアトル・マリナーズの選手たち
1979 Seattle Mariners Batting, Pitching, & Fielding Statistics - Baseball-Reference.com



なお、ロッテの快進撃については、ポール・プポと同じように分析的な指導スタイルで知られる打撃コーチの金森栄治の功績と考える人もいるようだ。
金森のコーチとしての実績を詳しく知らないのだが、ブログ主としては、どうにもBS解説者時代の、あの「しゃべりが異常に下手で、まったく無口とさえいえる、解説者にまったく向いていない男」という金森の印象が強すぎて、とても、あの「無口な、キレのない男」が、弁舌さわやかに野球というゲームを分析しているとは到底思えない(苦笑)
例:2010/03/22 西武vsロッテ 3回戦 / 日刊埼玉西武ライオンズ







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