April 16, 2010

結論は簡単だ。
この10年、阪神タイガースというチームのチーム防御率は毎年1位か2位で、城島が加入したこととは、まったく何の関係もない。むしろ、チーム防御率が4点台に近づくような現状があれば、それこそ阪神タイガースにおける「城島問題」である。


ひさしぶりにあちこちの掲示板を覗いてみて、笑ってしまった(笑)
このところ日本のプロ野球を扱う掲示板等や、ネットのスポーツ記事で、なにかというと「阪神タイガースの防御率がリーグトップ。これは城島が加入して安定したため」とか、なんとか(笑)関西の小学生でもそのレベルの低さがわかる意味不明なキャンペーンが盛んなようだ。
たぶん野球も、野球のデータも知りもせず、また移籍先の阪神タイガースというチームの過去の来歴も知りもしないで間の抜けた発言を繰り返す城島オタクたちの妄言もここまで来たか、としかいいようがない(笑)

まぁ、掲示板の素人ファンが自分の思い込みを掲示板などに晒して世間で恥をかくだけならまだしも、ネットメディアにもこんなアホウな文章を書いて恥を晒している記者もいる。
「現在のチーム防御率はリーグトップで、今季から加わった捕手・城島健司を中心に安定している。」
記事例:圧倒的攻撃力の巨人と防御率1位の阪神が激突=見どころ(スポーツナビ) - Yahoo!ニュース


はっはっは。なんだ、これ(失笑)

日本に逃げ帰っても打率が.250にしかならないと、こんな嘘を書くことしか逃げ道が見つからない、というのも哀れな話だが(笑)、それにしたって、10年も続けて防御率が1位か2位というチームの特性を世間が知らないとでも思って書いているのだろうか。
下手をすると、野球をほとんど知らない人間が書いているのかもしれない。もちろんデータを調べる習慣もないのだろう、可哀想に。どこかのスポーツマネジメント事務所の無能なライターでも雇って書かせているのかもしれない。


もう一度いうと、この10年の阪神タイガースというチームは、そもそもチーム防御率がリーグ1位か2位から落ちたことがない。そして、チーム防御率が4点に近い3点台になったことも、ほとんどない。
そのチームの防御率が4月15日現在で3.75。これの、どこを称して「城島が加入したから安定した」とか意味のわからないことがいえるのか(笑)子供じみた嘘を書いていると人に笑われるだけなのがわからないのだろうか。


ちょっと阪神タイガースの歴史を、チーム防御率から振り返ってみる。
データブック|チームデータ|阪神タイガース公式サイト

(1)2リーグ制以降の「投手王国時代
日本のプロ野球が2リーグに分立した1950年以降、1970年代にかけてのおよそ25年間の阪神タイガースのチーム防御率は、なんと、ほとんどのシーズンのチーム防御率が2点台で、3点台になったすら、ほとんどない。素晴らしい数字である。
これは小山正明(キャリア防御率2.45)、村山実(キャリア防御率2.09)という2人の大投手を擁したことによるものらしい。

(2)1970年代後半以降の「投手暗黒時代
小山・村山の両投手が相次いで移籍あるいは引退した後、1977年から1991年までの10数シーズン、阪神のチーム防御率はほとんどのシーズンで4点台の惨状が続く。1978年には球団創設以来初の最下位に沈んでいる。長い目で見て、投手陣の非常に長い低迷期といえる。
阪神ファンの人たちの中には、1985年には21年ぶりの優勝、そして日本一に輝いたじゃないか!と思う人もいるかもしれない。だが、その1985年すらチーム防御率は4.16である。防御率のいいチームが優勝しやすい近年の野球では、4点台での優勝はとてもとてもありえない。

(3)2000年代以降の「防御率リーグトップ時代
野村克也氏が監督に就任した1999年以降、チームカラーは1980年代とはガラリと変わる。2000年代の10年間でみると、阪神のチーム防御率が4点台になったことはわずか1度しかなく、毎年あたりまえのようにチーム防御率はリーグ1位か2位を記録し続けている。
ただ、もちろん投手陣の全てが良かったわけではない。例えばチーム防御率が3.56でリーグ1位だった2007年でみると、ブルペンの防御率が2.45でリーグ1位なのに対して、先発投手の防御率は4.45でリーグ最下位であったように、チーム内の投手力に大きな偏りがあったことは有名である。

この10年の阪神タイガースのチーム防御率
2010年 3.75 (2010年4月15日時点)
2009年 3.28(防御率1位・リーグ4位)
2008年 3.29(防御率1位・リーグ2位)
2007年 3.56(防御率1位・リーグ3位)
2006年 3.13(防御率2位・リーグ2位)
2005年 3.24(防御率1位・リーグ優勝)
2004年 4.08(防御率2位・リーグ4位)
2003年 3.53(防御率1位・リーグ優勝)
2002年 3.41(防御率4位・リーグ4位)
2001年 3.749(防御率4位・リーグ最下位)
資料:日本プロ野球機構公式HP 年度別成績ほか

もちろんシーズンごとに見れば、防御率3点台前半を記録したチームですら優勝できない投手力優位のシーズンもあれば、1985年のように防御率4点台なのに優勝できてしまう、そういう打力優位なシーズンもある。
そこで2009シーズンの阪神タイガースで「最もイニング数を投げた投手たち10人」の防御率を、今年の数字と比べてみる。

    2009  2010
能見 2.62  5.51
安藤 3.90  6.91
久保 3.75  3.79
下柳 3.62  2.65
岩田 2.68
アッチソン 1.70
福原 4.84
江草 2.71  9.00
藤川 1.25  0.00
筒井 3.71  5.40
(メッセンジャー  6.48
資料:Yahoo!スポーツ - プロ野球 - 阪神タイガース - 投手一覧ほか

説明するまでもない。
大半の投手の防御率が悪化していて、特に昨シーズンに最もイニングを食ってくれた能見安藤両投手が揃って大幅に悪化しているのが、このチームの近い将来の致命傷になるだろう。
先発投手に難があると言われ続けているチーム特性があるとはいえ、2009シーズンに最もイニング数を投げた阪神の投手たちの防御率は、先発・ブルペン問わず、ほとんど全員が3点台以下である。「先発投手の防御率が良くないのが阪神タイガースというチームのもつ大きな欠陥」という言い訳は通用しない。
また、今シーズンになって大幅に悪化した投手もいる一方で、昨年と同じレベルの投手もいることから、防御率の悪化を「飛ぶボール」のせいにしても何の説明にもならない。そういうくだらない言い訳を思いつく暇があったら、仕事しろといいたい。







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