May 01, 2010

このところローランドスミスの登板ゲームを、ある「仮説」の元に眺めていたのだが、先日の彼のゲームで確信した。

今シーズンのローランドスミスの不調の原因は
「ストレートを投げたくてしょうがない病」
にかかってしまっていることだ、と思う。

最近ネット記事を漁っていないので、彼が今シーズンになってどうしてこれほどストレートを投げることにこだわりだしたのか、理由はわからないの。だが、ローランドスミスがシアトルの先発投手の中で唯一キャッチャーをコロコロ変えることにもみられるように、今、「自分のスタイルにむやみこだわりおたい病」に罹っている感じは強く伝わってくる。

正直、果たして彼がストレートにこだわる必要がある投手なのかどうか、むつかしいところだ。


メジャーのシーズンは長い。投手のストレートのキレがさっぱりなんて時期が来ることは、よくある。もしその程度のことだけが不調の原因なら、配球を変えてみるとか、なにか対処のしようもある。

デビューしたての頃からあれだけ重いストレートを武器にしているヘルナンデスでも、去年の夏場の不調期を、ロブ・ジョンソンとのバッテリーで変化球の量を増やすとか、いろいろな「配球の工夫」でなんとか乗り切っている。
去年の教訓からか、今年のヘルナンデスは、高速シンカー、カーブ、あらゆる変化球を非常にハイレベルのブラッシュアップを行った上で2010シーズンに入っている。このところ勝ちに恵まれないのは単純に打線が湿っているからだということは、シアトルのファンの誰もが理解しているので、ヘルナンデスについては何も心配していない。彼の学習能力は本当に高いし、研究心は誰にも負けていない。


だが、どうもローランドスミスの場合は様子が違う。
球威の無いストレートに異常にこだわっているように見える。

先日のゲームでも、ゲーム中に何度も表示されたように、彼のストレートの最速スピードは91マイルしか出ていない。現状のローランドスミスのストレートで相手チームを牛耳るのは無理だ。
もしローランドスミスが、かつてのシアトルのエース、ジェイミー・モイヤーや、気迫あふれるピッチングでデトロイトをワールドシリーズにまで連れていった2006シーズン終盤のケニー・ロジャースのような投球術に優れたメジャー屈指の技巧派投手なら、91マイルのストレートでも十分勝負できると思う。
だが、今のところローランドスミスはそういうタイプの投手ではない。ある程度ストレートにスピードがないと配球は非常に苦しい。せっかくのいいカーブが生きてこない。


気の優しい男で通っているはずのローランドスミスに、いったい何が起こっているのだろう。ローランドスミスは、「自分はストレートを投げる投手にならなくてはならない」と「ひとりで決めてかかっている」理由は、なんなのだろう?


いま、見た目のメンタル面の強さでシアトルの投手たちを分類すると面白い。「野球を始めて以来、緊張というものをしたことがない」と公言してはばからないクールな新加入のクリフ・リーを筆頭に、さまざまな性格の選手がいる。(というか、もともとシアトルは個性派揃いの球団で、今シーズンはこれでも減ったほうだが 笑)

強気番長
クリフ・リー
ヘルナンデス
弱気
大将格 バルガス

性格の違いはピッチングにも現れるものだが、この中で、じゃあローランドスミスはどこに入るのか、と考えると、これが案外よくわからないことに気づく。
顔立ちの通り、投手としても温厚なのかもしれないし、実は内面に、吼えたときのヘルナンデスのような気性の激しさを秘めているのかもしれないが、よくよく考えると、彼のピッチングにはまだ「彼特有の表情」というものが見えない。

もし彼が今シーズンにストレートを投げることに急にこだわりだしたのが、超個性派のクリフ・リーの加入に刺激されて「自分は誰で、どういう投手なのか」を自問自答しだしたことだとしたら、人間として、そういう時期を持つことは、悪いどころか、大いに悩むといい、とは思う。大いに悩んで成長してもらいたい。

ただ、彼にとってストレートというボールが、彼のアイデンティティの中心に据えることのできるような強さ、激しさ、キレを持っているか、というと、残念ながら、そうは思えない。


自分が、どういう男、どういう投手なのか。自問自答するローランドスミス。
彼が自分の作った迷い道の中で迷子にならないといいが、と思う。






ハワイ移民150周年
No Ichiro, No watch.

Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です




Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。



Categories
ブログ内検索 by Google
Google

livedoorブログ内検索
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month