July 10, 2010

オールスター目前だというのに、突然クリフ・リーがテキサスにトレードされた。これでアナハイムのオールスターにクリフ・リーとイチローが同じユニフォームを着て出場する、ということはなくなったわけである。
まったく夢を売るのが商売のクセに、夢の無いことをするものである。


クリフ・リーのトレードについては、彼がゆくゆくトレードされること自体はあらかじめ覚悟しておかなければならない、とは、シアトルファンの間でよくいわれてきたことだ。それはまぁ、それはそうに違いない。

だが、ブログ主に言わせれば、クリフ・リー放出を早めた、あるいは、彼を引き止められる可能性をわざわざ自分の手でゼロにしたのは、「GMや監督、投手コーチのチームマネジメントの失敗によるチーム低迷が原因である」としか思っていない。「いつかクリフ・リーはチームを出ていくことになるだろう」という話と、実際のクリフ・リーのトレードの間には、ほとんどなんの因果関係も感じない。
チーム状態が改善に進んでいるのが目に見える形なら、こんなオールスター直前なんていう時期に出ていくことにはならずに済んだだろう。ところがチームの欠陥は、わかっているのに、まるで解消される方向にない。


2009年7月にウオッシュバーンを放出したが、あれとまるで似たようなことをして、よくGMズレンシックは恥ずかしげもなくスタジアムに来られるものだと思う。今年もまたこんな夢の無いことをやってしまってすみませんと、ファンに土下座してもらいたいものだ。
クリフ・リー放出でテキサスのトッププロスペクトの1塁手獲得というが、ファーストベースマンのジャスティン・スモーク打てないコッチマンカープラッセル・ブラニヤン、いったい誰にファーストを守らせるつもりか。そして誰をロスター落ちの犠牲者にするつもりか。(どうせ今までの通例どおり、若手や控え選手に犠牲を強いて、打てもしないベテランや高給取りの無能な選手をロスターに残して、負けを加速させるに決まっているが)

無能なズレンシックの選手の獲得はこれまでも選手のダブりを常に発生させてきた。
ショートの2人のウィルソン。衰え果てたグリフィー悩める男ブラッドリーマイク・スウィニー、ダブついたDH。いつまでたってもピリッとしないロペスまるで打てない高給取りのフィギンズ無能なバーンズソーンダースブラッドリーのレフト。
ただでさえ選手層が薄いのに、ズレンシックの獲ってくる選手は獲る選手獲る選手、どいつもこいつも常にポジションがかぶっていて、しかも打てるのはベテランより控えだったのに、「再建モードにはしない。ベテラン優先」という意味の無い方針を貫き続けてチームに損害を与え続けているのは、GMとして無能としか思えない。

こんな空気のチームでスモークが育つわけがない。
それに、打者有利のスタジアムで育てられてきたプロスペクトの打撃成績が広いセーフコでそのまま発揮できるとか考えるのは、馬鹿馬鹿しいにも程がある。
Rangers acquire Lee from Mariners | MLB.com: News


毎年毎年このわけのわからないチームは、どうしてこう意味のわからないシーズンばかり過ごしているのだろう。
天才イチローがこの本当にどうしようもないチームに在籍していなければ毎年イライラせずに済むのに、と、毎年のように思う。もちろん、かつてのイチローの契約更新時には「どこのチームでもいいから、とにかく絶対に移籍してくれ」と願ったものだ。


近年のシアトルのストロング・ポイント
「先発投手」「イチロー」である。
わかりきっている。

そして2010年のウイーク・ポイントは(というか去年もあった同じ弱点だが)「貧弱な打線」「使えないブルペン投手」と、シーズンの早い時点でとっくにわかりきっていた。

にもかかわらず、だ。
マリナーズはいつまでたってもロスターに使えない野手を溢れさせたまま、何ヶ月も負け続けた。いくら先発投手がゲームを作っても、ゲーム終盤にブルペンが打たれて負ける、もう見飽きるほど見た負けパターンは、「打線」と「ブルペン」というわかりきったチームの欠陥がいつまでたっても修正されないことから生まれた。
わかりきったチームの欠陥を修正できないゼネラル・マネージャーや監督、コーチが無能でないわけがない。

無能なくせに、やることといえば2009年のウオッシュバーン放出と同じで、チームの一番のストロング・ポイントである「強固な先発投手陣」を自らの手で安売り、切り売りしはじめてしまうことなのだから、笑うに笑えない。
かつての弱かった「選手を売り払い続けるアスレチックス」ではないが、ストロング・ポイントを自分で毎年毎年売り払うチームが、いったいどうやって強くなるというのだ。



まぁ、たしかにクリフ・リーはいつかは(というか、近々)手放さざるをえなかっただろう。
だが、その話と、シアトルのチームマネジメントの失敗からチーム成績が低迷し、そのせいで2009年同様に貴重な先発投手陣の一角を自分から切り崩して、早くから安売りしなくてはならない状況に陥ったという話は、意味が違う。別の話だ。
今回のオールスター前のクリフ・リー放出という事態を招いた原因は、どうみても「いつかはクリフ・リーはチームを出ることになる」という事情通ぶりたいだけのしたり顔のガキが言いそうなわけのわからない話ではなくて、「2010年は最悪のシーズンの翌年だし、本来ならチームを若返らせて再建の年だけれども、けっこういい選手がトレードで獲れちゃったし、これはいきなりプレーオフ進出のシーズンにできるかもぉ・・・」などという見通しの甘さと、誰が見てもわかるチームの欠陥である「打線の貧弱さ」と「ブルペン投手の崩壊」を何ヶ月たっても修正できないチームマネジメントの失敗の連続のせいであることは明らかだ。
せっかく獲得したクリフ・リーの放出時期が早まったのは、根本的にはこうしたチーム編成の失敗の連続のせい、としかいえない。
クリフ・リーのトレードは、本質的には2009年のウオッシュバーン放出と何もやっていることに変わりはない、と思う。



2009年の前半戦は、ヘルナンデスウオッシュバーンベダードの3本柱で面白いように勝てた。にもかかわらず、ダメ捕手城島の担当したゲームが負けを大量生産し続けた結果、全体としてのチーム成績はうだつが上がらず、結果的にGMズレンシックはプレーオフ進出を諦めた。
そして無能なズレンシックは7月末のトレード期限にウオッシュバーンをデトロイトに放出するなどして、かわりにルーク・フレンチだの、イアン・スネルだの、使えもしない投手どもを獲得してきた。

2010年はどうか。
2009年と本質的には変わらない。
チーム低迷は先発投手のせいではないにもかかわらず、結果的には「イチロー」以外の唯一のストロング・ポイントである「先発投手のリーダー的ベテラン」を毎年切り売りしている。

2010年の序盤、クリフ・リーが出遅れている間にチームを支えたのは、ヘルナンデスフィスターバルガスの3人だ。
いってみれば彼らはダメ捕手城島が日本に逃げ帰ってくれた恩恵を最大にこうむった「 新・3本柱 」だった。
このシアトルの「城島がいなくなってくれたおかげで実力が発揮されだした新・3本柱」がなんとか踏ん張ってくれたおかげで、チームには、勝率はともかくとして、「先発投手だけは他のチームに劣らない」といえるストロング・ポイントが今年もできていた。

だが、2010年のシアトルは、ズレンシックの無駄に獲得してくる選手と、その選手たちをもとにした失敗だらけのチーム編成がことごとく期待はずれに終わり、貧弱すぎる打線に加えて、弱体なブルペンという2つの大問題を抱えたことは誰にでもわかることだ。


チームが2つもの大問題を抱えているにもかかわらず、無能なマリナーズは、2007年に2割も打てないセクソンを4番に据え続けたように、ケン・グリフィー・ジュニアをクリーンアップに置き続け、メジャー選手とはとても呼べないバーンズなどにレフトのポジションを与えてやり、また、打てもせず、かといって実は守備もそれほどたいしたことのないフィギンズに2番のポジションを与え続けて、結局、負け続けた。
こうした使えない野手が次々と怪我や引退でスタメンがコロコロ入れ替わる中で、仕事をしてくれたのは、ジョシュ・ウィルソンや、ソーンダースだったが、チームは彼らの仕事をたいして評価せず、打てもしないコッチマンが復帰してくればスタメンをまたもやくれてやり、スペランカーでマトモに試合に出場し続けられないジャック・ウィルソンをだましだまし使い続け、負けてばかりのローランドスミスには意味もなくチャンスを与え続け、打たれまくりのクローザー、アーズマにはストレートばかり投げるのを許し続け、結果、チームの負けパターンはいつまでたっても同じで、ピクリとも変えることができずに、さらに負け続けた。

たぶん、投手コーチリック・アデアにしても、去年報道されたほどたいして指導力などないのだと思う。でなければ、とっくにブルペン投手の誰かひとりくらいマトモになっていなければおかしいというものだ。


クリフ・リーの記者会見を見るかぎり、彼はシアトルに来たばかりの頃とは全く違う気分になっていたようだ。「せっかくいい天気になってきたのに」という言葉で、自分がシアトルのチームと馴染みができてきていたことを感じさせた。
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2009年にウオッシュバーンを放出しても、その後チームの投手陣はどこもよくはならなかった。バルガス、フィスターがよくなって先発に定着してくれたのは、ダメ捕手城島が日本に逃げ帰ってくれて、実力の片鱗をみせることができるようになったお蔭でしかない。

ウオッシュバーンはラン・サポートの少ない中、あれほどイニングを食ってくれて、準パーフェクトゲームまでして、投手陣のリーダー役だったわけだが、クリフ・リーも同じように、このところはシアトルの投手陣ともたいへんに馴染んでリーダー役になってくれていた。
そのリーダー役のクリフ・リーが抜けたいま、投手陣の喪失感はただごとではないと思う。







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