September 04, 2010

もうすぐ始まるトロントとヤンキースのゲームに、ブランドン・モローが先発。モローは今シーズンすでにNYY戦に4回も先発しているが、けっこう打たれてもいるわりには、どういうものか、一度も負けがついていない。
今日も頑張ってほしいものだ。
Toronto Blue Jays at New York Yankees - September 3, 2010 | MLB.com Gameday

8月のモローは3勝、負けなし。タンパベイ相手に準ノーヒット・ノーランをやってからも好調を維持している。(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月8日、トロントに移籍したブランドン・モロー、東地区2位のタンパベイ相手に9回2アウトまでノーヒット・ノーラン。17三振を奪う。
もしも8月が4勝だったら、月間最優秀投手もあったかもしれない。惜しいことをした。
Brandon Morrow Game Log | bluejays.com: Stats


ちみみに今年6月の月間最優秀投手はシアトル在籍時のクリフ・リーだったのだが、シアトルファンですら覚えてない人が大半なのだから、ちまたのシアトルファンだの、データマニアだのなんだのもたいしたことはない。
クリフ・リー自身の月間最優秀投手受賞は、2008年1月と8月に続いて、3回目。ロブ・ジョンソンが受けた投手が月間最優秀投手受賞を受賞するのは、2009年6月・9月のヘルナンデス、2009年7月のウオッシュバーンに続いて、4人目。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月・7月・9月「月間最優秀投手」と「ロブ・ジョンソン効果」
クリフ・リーの場合もそうだったが、例えばFIPがちょっと悪くなると、やれトレードが当たり前だの、こいつは必要ないだのなんだの、データ馬鹿はウザいったらありゃしない。
指標1つで人間の未来までわかるつもりになっているのは、笑止千万。
Hamilton, Lee honored as AL's best in June | MLB.com: News

2009年ブランドン・モローの成績はこんなふうになっていた。
ERA 4.39
FIP 5.05
xFIP 4.89
ERAは4点台前半だが、FIPは5点台、xFIPも5点に近い4点台で、これはデータ馬鹿の大好きな「見た目のERAより、予測であるFIPが悪い」という状態だった。FIPやxFIPだけ見て選手の将来をあれこれ言いたがるような単細胞な人がこれをみれば、「モローなんて来年はとても使えない。トレードしてしまえ」とか、すぐに言い出す。実際、2009年の「城島問題」に無関心なメディアと日本のシアトルファンはそういう声の大合唱だったものだ。

もちろん、現実のモローは違う。

2009年までのモローには「シアトルが全く実力を発揮する機会を与えない、それどころか、フタをしている」という単純な事情があって、あの成績だった。
問題は主に2つあった。ひとつはシアトルが若い選手の起用法や育成法が伝統的に下手だ、という問題、もうひとつは「城島問題」であり、モローは実力を発揮しようにも、あんな環境ではできるわけがなかった。
既に何度も書いたことだが、ボルチモアにトレードされる前のアダム・ジョーンズがそうであったように、シアトル時代の新人モローに対する処遇はあまりに酷かった。
シアトルはきちんと育成する能力もないクセに、マイナーとメジャーの間を行ったり来たりさせまくって、さらにそれだけでなく、メジャーに上げたときには、それがモローにとっての数少ないチャンスの場であるにもかかわらず、リードの最悪なダメ捕手城島とばかり組ませて、炎上させてはすぐにマイナーに落とすという無駄な繰り返しを彼に強制していたのである。

結局シアトルのブランドン・モローは、「チームの育成の下手さ」と、「ダメ捕手城島」が「二重のフタ」をして、「彼の才能の芽を摘み取られ続けていただけ」なのである。


FIP関連の役に立たない予測(笑)を尻目に、実際の2010年モローはここまで、すでに143.1イニングを先発投手として、ローテを守り、投げぬいてきて、10勝6敗と、素晴らしい成績を残している。
2010年ブランドン・モロー(2010年9月3日まで)
ERA 4.27
FIP 3.16
xFIP 3.61
今年のFIPは3.16、xFIPは3.61とか、「いい数字」が出ているが、成績の改善された年の数字を二次的にいじくったら、そりゃ、いい数字が出るに決まってる。だから、こんな数字、どうでもいい(笑)来年は東地区のライバルチームが綿密にスカウンティングしてくるなら打たれる可能性も高いのに、3点台とか何を言ってるんだ、FIP(笑)
こういうアテにならない数字を素直に信じる人が、過去のデータからギャンブルに手を出して破産したりするのだ。まるでどこかのGMみたいだ(笑)
Brandon Morrow » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball


ブランドン・モローのデータは非常にユニークだ。
というのも、ERAだけ見ると、モローの成績は2009年と2010年とではほとんど変わってないのに、結果は大きく違っている。それは「ピッチングの中身」「ピッチングの質」が全然違うからだ。

ダメ捕手城島から解放されて以降のモローは、三振をとれる率、四球を出す率、ホームランを打たれる率、それら全てが改善されている。つまり「ピッチングの質」がまったく変わったのである。
これだけ良くなったのだ。だから、ERAは同じでも、実際の「リアルなゲーム内容」はびっくりするほど変わるのが当たり前。ゲームを見れば誰でもわかることだが、xFIPだけ見ていてもわかるわけがない(笑)
宝くじの過去の当選番号や、競馬の過去の当たり数字をいくらデータ化しても、まともに予測できないのは、「過去をいくらパターン化、数値化できても、未来の予測はできない」という単純な話だ。

2009年
K/9 8.14
BB/9 5.68
HR/9 1.29

2010年
K/9 10.93 (三振は2009年の約40%増し)
BB/9 3.96 (四球は約3分の2)
HR/9 0.69 (ホームランは約半分)


FIP(Fielding Independent Pitching)は「奪三振、与四死球、被本塁打のみを投手の責任として将来のERAを予測する」わけだが、例えばホームランだが、「これはチームの守備力と関係なく投手単独の能力で左右される要素だ」と決めつけて、その上で「投手の絶対能力を測定する基準として使うんだ」と力んでみたところで、じゃあ、たとえば「ダメダメなキャッチャーのサインが大きく寄与して、毎試合のようにホームランを打たれ、四球を出しまくって、防御率が肥大している」というケースについては、どうなんだ?、という疑問が残る(笑)
つまり、FIPという指標は、投手の成績に対するキャッチャーの影響を軽視しすぎている。

まぁ、ちょっと大げさな比喩になったが、無能なキャッチャーのせいでフォアボールの数にもホームランの数にも、防御率にもFIPにも大きな影響が出る「城島問題」にかかわりのない他のチームの投手はともかく、2009年まで「ダメ捕手城島と関わりをもたされた不幸な投手」のひとりであるブランドン・モローには、関わりを断ち切ることができた今年にかぎっていえば、「FIPの判定」など、まるで関係ないのである。

「城島問題」のマイナス面を十分考慮し、適正に「城島補正」を加えてプラス評価した上で投手の能力を見定めることを怠ったシアトルと無能なズレンシックは、能力ある選手を何人も放出しては、必要の無い、能力もない選手をたんまり連れてきて、2010年を大敗したのである。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月8日、ブランドン・リーグとの交換でトロントに移籍したブランドン・モローのここまでの好成績と、ダメ捕手城島のモローに対する配球の無能ぶりをあらためて振り返る。


ちなみに、シアトルの今年の投手の中で、ERAマイナスFIPの数値が最もいいのは、コロメ、コルデロ、テシェイラの3人、だそうだ(笑)
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