September 13, 2010

新ヤンキースタジアムが、1920年代のポロ・グラウンズや、旧ヤンキースタジアムの「ポール際が非常にに狭い」という奥ゆかしい(笑)伝統を引き継いで、ポール際がたった95mしかなく、両翼が100mと国際試合の基準どおりの広さがあるセーフコなどの球場に比べて、ポール際がかなり狭いことを一度記事にした。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月25日、セーフコ、カムデンヤーズと、ヤンキースタジアムを比較して、1920年代のポロ・グラウンズとベーブ・ルースに始まり、新旧2つのヤンキースタジアムにも継承された「ポール際のホームランの伝統」を考える。

セーフコ、ヤンキースタジアムの比較セーフコ、ヤンキースタジアムの比較図(ブログオリジナル Copyright © damejima. All Rights Reserved.)

赤:セーフコ
青:ヤンキースタジアム


なぜ、こういうことが起きるかというと、理由はハッキリしていて、「ポール際のスタンドが、弧を描いてかなり丸くなっているから」だ。


日本の場合にこういう形状の球場として代表的なのは、ヤクルト・スワローズの本拠地・神宮球場で、ポール際がかなり丸い形状のために、両翼がたったの90mしかない。
また、阪神タイガースの本拠地・甲子園球場も、これはよく知られていることだが、左中間・右中間は鬼のように広いが、センターの奥行きが無く、また、神宮と同じようなスタンドの形状からくる理由で「ポール際が狭い」。これらの球場のポール際の共通点は、新ヤンキースタジアムと甲子園を比べてみても、よくわかる。
ヤンキースタジアムと甲子園の比較
新ヤンキースタジアム(イラスト部分)と甲子園(赤線)は形状がかなり違うが、両翼の広さはほぼ同程度。(Copyright ���2010 damejima. All Rights Reserved.)


ポール際の非常に狭い甲子園と神宮、2つの球場で生まれる「ポール際のボーナスホームラン」を片手間に調べてみた。(以下、このブログでは例外的に日本時間で表記)

まず、ダメ捕手城島のボーナス・ホームラン(笑)から調べてみよう。
今年城島の打ったホームランは24本だそうだが、58%にあたる14本を、甲子園(8本)神宮(6本)で打っている5本のうち3本を、甲子園または神宮で打っているわけだ。
なんというか、予想通りすぎて面白くない(笑) 打率も、ほとんどを横浜戦で稼いだ打率だし、偏りの激しいこと、激しいこと(笑)シアトル時代にオークランド戦だかでだけバカスカ打っていたのを思い出す。
城島・球場別ホームラン数
Yahoo!スポーツ - プロ野球 - 阪神タイガース - 城島 健司

試しに、「城島 ポール際」とキーワードを入れて軽く検索してみたら、最初の数ページですぐに、下記の城島の5本の甲子園または神宮のポール際に打ったホームランが出てくる。予想を裏切らない、貴重なプレーヤーである(笑)

4月3日ナゴヤドーム 中日戦 ライトポール際 投手・チェン
5月2日甲子園 巨人戦 レフトポール際 投手・久保
城島TG戦初アーチ!同級生新井と競演 - 野球ニュース : nikkansports.com
7月30日甲子園 中日戦 レフトポール際 投手・吉見
阪神首位ガッチリ 城島“10連勝弾”(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース
8月29日神宮 2本 ヤクルト戦 レフトポール際
時事ドットコム:猛打ショー呼ぶ2発=城島、攻守に貢献−プロ野球・阪神


また、暇つぶしに「城島以外の阪神の選手、または他球団の選手が、甲子園または神宮のポール際に打ったホームラン」を軽く検索してみたら、こんな感じになった。ちょっと面白い結果になっている。

6月29日甲子園 阪神・ブラゼル 横浜戦 外のシュートをレフトポール際
6月30日甲子園 中日・和田 投手・下柳 ライトポール際
7月13日甲子園 巨人・長野 ライトポール際決勝3ラン
7月20日甲子園園 阪神・鳥谷 レフトポール際サヨナラ2ラン
8月17日甲子園 阪神・藤川俊 レフトポール際ダメ押し3ラン
9月1日甲子園 横浜・内川 3回ライトポール際ソロホームラン
9月11日甲子園 ヤクルト・ホワイトセル レフトポール際逆転2ラン 投手・藤川球


面白い結果になった、というのは、甲子園のポール際にホームランを打ったバッター、打った球のコース、打ったイニングなどに、「ポール際にホームランが出やすい甲子園特有のシチュエーション」がみられるからだが、いまここで書いても面白くないので、ネタとしてとっておいて、これからの展開を見守ることにする(笑)
決勝だの、逆転だの、サヨナラだの、劇的なホームランばっかり並んでいるが、甲子園のナイトゲームの終盤がもつれるのには、ちゃんと理由があったのを発見できたわけだ。

ちょっとだけネタばらししておくと、誰でもわかるのは、6月29日のブラゼルのホームランと、9月11日のホワイトセルのホームランの類似性だろう。
夜が更けてきた夏の甲子園で、パワーのあるレフティを打席に迎えている「ホームランの可能性の高いシチュエーション」にもかかわらず、こともあろうに「城島が特定のピンチのシチュエーションで、決まって使いたがるアウトコース」を使って大勝負にいって、その前の11打席ノーヒットのホワイトセルに決勝ホームランを打たれるあたり、城島というダメ捕手が「いかに頭を使ってないか」「いかに自分の周囲を観察してないか」が、よくわかる(笑)
自分のチームの左バッター・ブラゼルが、普段どのコースの球を、どういうスイングで甲子園のレフトのポール際に放り込んでいるかすら、頭に入れないでキャッチャーをやっているわけだ。
たいしたもんだ。さすが、さすが。
ホワイトセルに打たれた城島の当時のコメント
「(一塁が空いていたのにホワイトセルと勝負したことについて)簡単にストライクゾーンで勝負しようとは思っていなかった。(逆転の走者を)簡単に塁に出すことはない。(投手・藤川球との)意思疎通はできていた」

ストライクゾーンで真っ向勝負せず、アウトコースに逃げたりするから、かえって捕まったんだろうに(笑)自分のチームの本拠地の特性くらい、頭に入れとけっての(笑)
やっぱりこういう選手だからこそ、右打者不利のセーフコで打球を引っ張り続けて併殺の山を築くわけだ。(ちなみに、城島は現在、併殺打22で、2位を大きく引き離して、セ・リーグ断トツのトップだそうな(笑))







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