September 16, 2010

なんだろうね。いったい。


日本のスポーツ紙に限らずメディアの一部に、どうかしてイチローのことをこきおろしそうと、無駄に日夜奮闘しているアホな層があるのはわかっているが、それにしたって、アメリカの記事をリメイクして、しょうもない記事を書くくらいしか能がないのは、どういう頭の悪さなのかと思う。
そんなことでイチローの業績の輝きがどうかなると本気で思っているのだろうか(笑)


野球賭博にかかわったとしてMLBを永久追放になり、2004年の自伝で賭博への関与もハッキリ認めているピート・ローズが、どこでどう遠吠えしようが、彼を永久追放にしているはずのシンシナティ・レッズが、わざわざMLBの許可をとって彼のことを表彰までしてピート・ローズを復権させようと画策しようが、そんなもの、ほっとけばいいのである。

そういえば、かつて、イチローがメジャーデビューする年、2001年2月20日に「イチローが首位打者とったら裸でタイムズ・スクエアを裸で走ってやる」とか大見得を切って、大恥かいた記者がいた。かつてESPNにいたRob Dibble(ロブ・ディブル)だ。
実はディブルという男、「ピート・ローズと同じシンシナティ・レッズでピッチャーとしてデビューし6年在籍していた元メジャーリーガー」である。こうしたシンシナティ・レッズ関係者が、いかにピート・ローズを擁護したがっているか、復権させたがっているか、あるいはイチローを目の敵にする理由も、これでわかるだろう。


その「恥かき男」、その後どうなったか、
知らない人も多いだろう。

Rob Dibbleはその後、2008年にFOXと契約するためにESPNを辞め、さらに2009年にはMASN(Mid-Atlantic Sports Network、ワシントン・ナショナルズとボルチモア・オリオールズが所有するネットワーク Mid-Atlantic Sports Network - Wikipedia, the free encyclopedia)と3年契約をかわして、ナショナルズ担当キャスターになった。
だが今夏に、女性に対する性的差別発言で問題になっただけでなく、こともあろうに、MASNを所有するワシントン・ナショナルズの期待のホープ、ステファン・ストラスバーグに関する暴言(ケガをして登板できないでいるだけなのに、Rob Dibbleはストラスバーグが登板しないことを4文字系の汚い言葉で批判した)を吐いて、MASNにクビにされたのである。
(この事件はMLB公式サイトでも記事になった。TV analyst Dibble won't make road trip | MLB.com: News 公式サイトまでもが記事にしたことで、今後ボブ・ディブルがMLB関連の要職につけるとは思えないが、先行きは不明)

ま。ピート・ローズと彼の擁護者たちがどうあがこうが、「彼のヒット数は、もう1本たりとも増えることはない」(笑) ほっておくことだ。



さて、アメリカのグーグルで、Rob のあとに一文字、n という単語をを入力してみてもらいたい。
検索候補の筆頭にあがってくるのは、Rob Neyerという名前である。「Rob Nなんたら」という名前の人が全米に何百万人いるかは知らないが、その中で最も世間に名前を知られているのがRob Neyer、というわけなのである。
それが、セイバーメトリクス創始者ビル・ジェームズが、the best of the new generation of sportswritersと賞賛するESPNのRob Neyer(ロブ・ナイアー)だ。
彼はFielding Bible Award(フィールディング・バイブル賞)の選考委員のひとりでもある。
Rob Neyer - Wikipedia, the free encyclopedia

Rob Neyerの個人サイト
RobNeyer.com | Baseball Writing, Baseball Books and Baseball History
Fielding Bible 2009の選考委員の顔ぶれ
Fielding Bible Award 2009

野球専門記者であるRob Neyerは、つい最近イチローの業績を賞賛する記事を書いている。彼にいわせれば、「もしもイチローがカリフォルニア生まれなら、ピート・ローズの記録を抜いていた。だから、イチローの記録は、日本時代も含めて、賞賛されていい」ということになっている。(ちなみに、彼は別にピート・ローズの記録を貶す主張をしたことがあるわけではない。むしろデレク・ジーターと比較して、ピート・ローズを賞賛する記事を書いたことさえある)
If Ichiro had been born in California ... - SweetSpot Blog - ESPN
この記事は「もしもイチローがカリフォルニア生まれなら」と、ちょっと風変わりなタイトルなのだが、なぜカリフォルニアと限定しているのか?誰も書かないので、書く(笑)
確かめたわけではないが、たぶんこれは、アメリカ人なら大抵知っている1965年のビーチ・ボーイズの大ヒット曲「カリフォルニア・ガールズ」にでてくる「素敵な女の子がみんなカリフォルニア・ガールズだったらいいのにね」という歌詞をもじったものだ。
だから「カリフォルニア」という地名を挙げたことに、たいした意味はない。「もしもイチローがアメリカ生まれなら、ピート・ローズの記録なんて問題なく抜いていたさ。そうだろ?」とでもいうような意味だ。

今は有名ライターのひとりになったRob Neyerだが、ライターとしての評価を固めるまでには紆余曲折があった。それにはいくつか理由がある。
Rob Neyer - encyclopedia article about Rob Neyer.
Neyer's statistical analysis often finds him at odds with many, though not all, ESPN writers, who prefer more "traditional" types of baseball writing and generally eschew newer statistics such as OPS+, VORP, and WARP.


Rob Neyerは、2001年に「デレク・ジーターなんて、守備はたいして上手くない」という主旨の話を公言して、ヤンキースファンを激怒させた(笑)
セイバーメトリクス的なデータに慣れた今のMLBファンにしてみれば、「ジーターの守備には、ちょっとしたポカが多い」という話は、納得する人も多い。
だが、2001年当時のメジャーファンおよびスポーツメディアにしてみれば「デレク・ジーターは守備の名手で、ゴールドグラブあたりまえ。ジーターの守備を貶す?ありえない!」というのが常識だったわけで、そりゃ、許しがたい暴言であっただろう(笑)

去年、勝利数がたいしたことがないザック・グレインキーがサイ・ヤング賞を獲ったが、これもほんのちょっと昔なら、グレインキーの成績を「所属するカンザスシティ・ロイヤルズのチームとしての弱さ」を考慮して補正することなどなく、単純に防御率や勝利数だけで判断されて、グレインキーではなくCCサバシアか誰かが受賞していたことだろう。
それくらい、ちょっと昔と、今とでは「選手の評価基準が違ってきている」わけで、その評価基準を一変させつつあるのがセイバーメトリクスなのだ。Rob Neyerのようなセイバー系のライターの発言力は年々強まりつつある。


ただ、セイバー系ライターの発言力が強くなるのを、アメリカの野球記者全員が全員、歓迎しているわけではない。
2007年に、Rob Neyerと全米野球記者協会(BBWAA)との間にトラブルがあった。要約していえば、「Rob Neyerのような『記事を発表するホームグラウンドが、新聞ではなくて、インターネットであるような新世代の記者』は、実際にボールパークに行って、全米野球記者協会が規定する数のゲームを見ていない。だから、彼らが殿堂入り選手の投票、サイ・ヤング賞やリーグMVPの選考といったBBWAAの重要事項に関わるのは、どう考えてもおかしい」という異論が出たためだ。
まぁ、たぶん、BBWAAに昔からいる新聞記者系の人々にいわせれば、「おまえら、気にいらねぇな。いい気になってんじゃねぇぞ」という、単純なやっかみがあるのだと思う。この件の決着は、2008年にRob Neyerら、セイバー系ライター側の勝利に終わっている。
Baseball Writers Association of America - Wikipedia, the free encyclopedia


新聞に頼らない新世代の野球記者であるセイバー系ライターたちは、データにも、メジャーの歴史にも詳しいが、彼らはのきなみイチローの業績を「オンリーワンな存在」と高く評価している。
同じRobはRobでも、イチローにケチをつけようとして大失敗したRob Dibbleと、イチローを賞賛したRob Neyer、どちらが「いまどきの記者か」。
考えなくてもわかるだろう。







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