March 07, 2011

この記事はいちおう「ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月21日、ダメすぎる「1年目」の通知表。(1)巨人の主軸打者4人の打撃比較でわかる阪神のクライマックスシリーズ2ゲームの悲惨さ」という記事の続編だ。要するに、阪神移籍後のダメ捕手城島の「通知表」のようなもの。

このシーズンオフ、ダメ捕手城島の身辺にいろいろと賑やかな騒動が続いているのはわかっていた。だが、あえて書かなかった。
理由は、怪我をしたアスリートをあげつらうような真似をするわけにはいかない、と、単純に思ったからだ。怪我はアスリートにとって、どんな出来事よりも辛いことなわけだし、いくらダメな選手であっても、怪我をネタにしようとは思わない。

だが、ダメ捕手城島が膝の半月板を手術してからのトンデモ発言や傍若無人な行動ぶりを眺めるにつけ、きっちり書いて引導を渡す必要が生じているのがわかった。
アスリートの怪我をせせら笑う意味ではなく、ダメ捕手の「これまで」がわかっている立場の人間として、事の良し悪しをハッキリさせる必要があると考える。あんなおかしな発言がトンデモ発言だとわからないようなら、野球など見ないことだ。

以下、「問題児であるダメ捕手城島を獲得すること」につきまとう「多大なデメリット」を、「チームの負担するコスト」や「チームの抱え込むリスク」という意味において書く。コストやリスクは、なにも金銭面に限らない。



GMギリックが辞めてからというもの、シアトル・マリナーズにかかわる人間には、どういうわけか「問題児」といわれる人物が多かった。
かつてのGMバベシも酷いものだったし、バベシが獲得してきた打率2割の4番打者セクソン、防御率6点を越える先発投手ウィーバーシルバなども酷いものだが、彼らはまだ「才能の無いGM」とか「高給取りのクセに成績の酷いダメ選手」ですむところもある。
だが、ブラッドリーバーンズなどになってくると、もういけない。彼らはある意味、「モラルとか法律スレスレの、危ないスーパー問題児」だからである。
近年でいうと、ブログ主は、ベンチの中で監督とつかみあいまでしたフィギンズなども、トラブルメーカーという意味で十分「チームをゴタゴタさせる問題児」だと思っている。さらには、超守備的野球とか言い出してチームを破綻させておきながら、大失態を認めようとせず、それどころか「セカンドをまがりなりにこなしていたロペスを放り出し」、「ショートに自分のお気に入りのジャック・ウィルソンがいる」にもかかわらず、「別のショートの選手を獲ってきた」だけで飽き足らず、「ショートしかやったことのないジャック・ウィルソンをセカンドコンバート」とか、一度の失敗をさらに失策で上塗りするような愚策ばかり労する意味のわからないGMズレンシックも、本質的には野球音痴の、ある種の「問題児」だと思っている。音痴はプロのオペラに出るべきではない。

そして、かつてはシアトルファンにその厳然たる事実が気づかれることはなかったが、ダメ捕手城島が日本のプロ野球阪神に移籍して1年目の冬の動向を見てわかってきたことは、実は城島も、ただの「ダメ選手」ではなく、彼らと同じ、まさに「問題児」というジャンルの選手だった、ということだ。


プレー上での話に限って、この選手がいかに「多大なデメリット」を抱えた選手であるかは、例えば思いつきで挙げる例のいくつかを見てもわかると思う。

・リードの単調さによる投手の失点増
・成績を落とされる投手たちとの決定的な亀裂
・リーグ最低レベル打率、リーグ最多併殺打などの雑なバッティング

こうしたプレー上のデメリットは、ひとつひとつが巨大なマイナス要素だが、これらについてはシアトルでの4シーズンで十分すぎるほど証明が終わっている。
だから、もうこれから改めて議論することはない。
今後これらは、「事実」としてだけ扱われる。

MLB在籍中のあらゆるデータ。それだけではなく、MLBで前例のない「主要先発投手3人からのバッテリー拒否」という事実。野球の現場の首脳陣すら知らないところで、野球の成績と全く無関係に高額3年契約を与えてもらった事実。城島がチームにいられなくなって日本に逃げ帰っていなくなったことで、城島を拒絶していたフェリックス・ヘルナンデスが長期契約に応じてチームに残り、さらに最多勝投手、サイ・ヤング賞投手になった事実。あるいは、ESPN、FOX、Fieldimg Bible、PETACOなど、アメリカのスポーツ関連メディア、野球関連シンクタンクの大半から城島に与えられ続けたMLB最低の評価。
城島のシアトル時代の評価ついては、もはや議論の必要はない。



「出たがり」のコストとリスク

さて、ここから本題の「城島獲得のコストとリスクのはかりしれない大きさ」について書く。以下に挙げるのは、主として、存在するのがわかりきっているプレーの上のデメリットではなく、チームをマネジメントしていく上でのデメリットや、チームワークの問題が中心だ。
まず、シアトル時代の4シーズンの出場ゲーム数を見てもらおう。

2006年 144(131) 出場ゲーム数1位 先発数2位(CERA 4.81)
2007年 133(128) 出場ゲーム数3位 先発数2位(CERA 5.01)
2008年 100(95) 出場ゲーム数20位 先発数19位(CERA 4.57)
2009年 70(67)  出場ゲーム数37位 先発数35位(CERA 4.84)

最初にことわっておくのだが、城島の膝の半月板損傷が、どれほど、この「出たがり病」と相関関係があるのかは、正確にはわからない。(たぶん本人だってわからないだろう。1シーズンに何ゲーム出たら膝が壊れるとか、そんなこと誰にだってわからない)
ある程度の情報はネット誰でも入手できる、そういう時代だ。判断は、記事なりデータなりから、読む人自身が決めればいい。それがネットの時代のルールというものだ。


ダメ捕手城島は、シアトル在籍時から「MLBの常識では、控え捕手にまかせることの多いカード最終戦のデーゲームにまで出場を強行すること」が多々あった。これはある意味「病的なまでの出たがり」である。
勘違いされては困るのだが、この「出たがり病」は、出場ゲーム数が激減する前の、2006年、2007年だけにあった現象ではない。出場機会の激減した2008年、2009年にも、同じように見られた。つまり、怪我で休養する期間のあったシーズンでさえも、控え捕手が出場して正捕手は休養をとるのが普通のデーゲームにすら出場したがった、という意味である。

特徴的なのは、MLB移籍直後の2006年シーズンだろう。
このシーズンの城島はメジャーデビューしたての新人であり、「まだまだMLBの投手たちから信頼されるかどうかもわからず、MLBのシステム、MLBの配球論も知らず、英語もままならない外国人キャッチャー」でありながら、いきなり144ものゲームに出場している。そしてまた翌2007年も、133ゲームに出ている。

この初年度の出場ゲーム数の異様な多さは、明らかに実績にそぐわない。
と、いうのも、MLBデビューの2006年は、これまでこのブログでも触れてなかったデータだが、パスボール10個で、これはMLBの捕手ワースト5位であり、エラー数も8個で、これまたMLBワースト5位なのである。
明らかに、城島のもともとのキャッチングの下手さだけが原因ではなく、MLBのバッテリーシステムに対する不慣れさ、日本にはないMLBの投手の球筋や日本とは異なる配球術、外国語でのコミュニケーションに慣れていないこと、そしてそれらの新しい環境全てに自分から順応しようとしない融通の利かない頑迷な性格が、数字面から伝わってくる。「不慣れで、コミュニケーションがとれないだけでなく、自分にしかわからない個人的スタイルを他人にまで押し付けようとしてくる押し付けがましい外国人キャッチャー」のクセに、契約に守られて144ゲームも出場したことが、異様なパスボール数とエラー数で、まるわかりだ。
Kenji Johjima Fielding Statistics and History - Baseball-Reference.com
こんな不慣れな選手が144ものゲームに出場するのだから、出場させるチームの側もどうかしているが、だからこそ軟投派のベテラン投手ジェイミー・モイヤーなどは呆れて、長年在籍したチームを去った。
やがて、「城島問題」の本質的な解決どころか、むしろ成績と無関係な高額3年契約まで与えたオーナーサイドのやり方に業を煮やしたシアトルの先発投手たちが「一斉に城島とバッテリーを汲むのを拒否する」という前代未聞の反乱を起こし、チーム内の城島の居場所は実質消滅した。形として城島は、チームメイトたち自身の手でチームから追い出されたのである。


MLBをよく知らないひとのためにいちおう書いておくと、この10年ほど、年間130ゲーム以上も先発できる有力捕手というのは、1シーズンあたり5人以下程度しかいない。
イチローがデビューした2001年前後なら、ベニート・サンチアゴホルヘ・ポサダジェイソン・ケンドールラモン・ヘルナンデスあたりが出場ゲーム数の多いキャッチャーだし、近年ならヤディア・モリーナラッセル・マーティンブライアン・マッキャン、あとはカート・スズキ、丈夫さが売りの(笑)ジェイソン・ケンドールくらいだ。つまり、所属チームで「押しも押されぬ大黒柱」と認定されるような有力キャッチャーだけが、130試合以上もマスクをかぶらせてもらえるのだ。
2010 Regular Season MLB Baseball C Fielding Statistics - Major League Baseball - ESPN
もうMLBで20シーズン以上キャッチャーをやって、キャッチャーでの出場が歴代1位の2390ゲームになるイヴァン・ロドリゲス(日本では野村克也氏の3017試合)でも、130ゲーム以上出れたシーズンはこれまで、わずか6シーズンくらいしかない。
また、近年ではア・リーグを代表するキャッチャーのひとりになったジョー・マウアーも、キャッチャーとして130ゲーム以上出場したのは正捕手になった6シーズンでたった1度しかない。

ちなみに城島の2006年の「144試合出場」という数字は、MLBのキャッチャーの単年出場ゲーム数の記録として、なんと「歴代77位」にあたる。
「MLBのバッテリーワークの原理も知らず、英語もままならなず、MLBのやり方に従おうとする素直さ謙虚さもない、MLBド素人の新米キャッチャー」が、いきなり「MLB歴代77位」? よほど出場の保証された有利な契約をしていたのだろうが、この暴挙には呆れるほかない。
19シーズンプレーしたかつてのヤンキースの殿堂入り捕手ヨギ・ベラですら、140試合以上ゲームに出たシーズンは通算6回しか記録していないのである。

MLB歴代キャッチャー出場記録(歴代)
Single-Season Leaders & Records for Def. Games as C - Baseball-Reference.com
MLB歴代キャッチャー出場記録(シーズン別)
Yearly League Leaders & Records for Def. Games as C - Baseball-Reference.com
ヨギ・ベラのスタッツ
Yogi Berra Statistics and History - Baseball-Reference.com


阪神移籍後の全試合出場強行の「故障コスト」

さて、この「出たがり病」、阪神移籍後はどうだろう。
2010年に、セ・リーグで144ゲームにフル出場したプレーヤーは13人いるが、キャッチャーで全試合出場などという、わけのわからないことを実行したのは、城島ただひとりだ。
城島以外で最も出場ゲーム数の多いセ・リーグの捕手は、巨人の31歳、阿部慎之助の137試合だが、30代になったばかりの阿部でさえ、137試合はキャッチャーとしてプレーしたが、残り5試合は一塁手としてプレーして守備負担を減らしている。
2010年セリーグ在籍の捕手達
ちなみにパ・リーグでは、シーズンフル出場を、5人しか記録していない。キャッチャーのフル出場はもちろん無い。(パ・リーグ捕手の最多出場は、楽天の26歳と若い捕手が127試合でトップ)
パ・リーグには、先発キャッチャーはこの1人だけと決めてシーズンに臨むチームはほとんどなく、2人を併用するイメージが強い。
2010年パリーグ在籍の捕手達

肩の故障から外野からの返球が満足にできない阪神の金本外野手のフルイニング出場がいろいろと阪神ファンの話題にのぼった2010シーズンだが、金本、城島、両選手のファンでも支持者でもないブログ主から言わせてもらうなら、金本選手のフルイニング出場を手厳しく批判するのであれば、全試合出場を強行しておいて、挙句の果てに野球選手として致命傷になりかねない半月板損傷を患い、さらにチームがやむをえず捕手を補強すると、いちいち子供のように「心が折れたの、どうのこうの」と文句を垂れる選手も、同じように徹底的に批判されるのが普通だし、当然だと考える。(城島への批判をかわしたいのか何か知らないが、やたらとネット上で金本批判を煽って批判の鉾先が城島に向かないようにするのが城島オタクの常套手段だとしたら、それは卑劣な行為だ。こうした「ネット上でのすりかえ批判」は、シアトル時代にもたびたび見られた)


近未来の藤川球児のメジャー移籍を決定的にした
「人的コスト」


問題児城島を獲得する代表的コストのひとつに、「投手からの信頼の欠如」というのがある。シアトル時代については既に散々書いたが、阪神移籍後の代表的な「城島嫌いの投手」というと、たぶんクローザー藤川球児になるだろう。

2010シーズンのセ・リーグ最終順位は、終わってみれば「ほんの紙一重、ごくごく僅かの差」でしかなかった。
その厳しい競り合いの中で、阪神は、飛ぶボールを使い、近年では最強打線を揃えることに成功していたにもかかわらず、シーズン終盤の「ここが大勝負」といえる数試合の大事なゲームをことごとく負けることで、自ら優勝を逃した。
中でも、「お得意様」のはずの横浜戦で村田に打たれた痛恨の逆転3ラン、あるいは巨人戦の劇的な負けっぷりについては、このブログで詳細に書いたとおりだ。阪神の2010シーズン敗退のキーポイントはもちろん「ダメ捕手の、ダメリード」だった。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月30日、逆転3ランを打った村田が「なぜ、あれほど勝負のかかった場面で、高めのクソボールを強振できるのか?」についてさえ、何も書かない日本のプロ野球メディア、野球ファンの低レベルぶり。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(1)「結論と原則」編

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月21日、ダメすぎる「1年目」の通知表。(1)巨人の主軸打者4人の打撃比較でわかる阪神のクライマックスシリーズ2ゲームの悲惨さ

こうした経緯の中で、優勝を逃した直後の藤川投手の「冷めた態度」が誰の目にも奇異に映らないわけがない。

では、彼がなぜああいう「冷めた態度」をとったのか?
そして、藤川投手が長年信頼を寄せてきた矢野捕手引退試合の、あの、あまりにも奇妙な展開。その後の藤川投手の発言の数々。藤川投手が優勝を自ら逃した2010シーズン終盤の痛々しいいくつかの負けゲームの「責任」について、「決定的な責任が自分にある」とは感じていないことは明らかだろう。

同じチームメイトとして言いたくても言えないこともあるだろう。ブログ主が、藤川投手が言いたくても言えないことを代弁するとするなら、こうだ。
シーズン優勝がかかっていた数試合の大事な場面、俺は、言われた通りに投げたまで、です
これらの大事な場面で藤川投手に、サインを出し、従わせたのは、「誰」か。言うまでもない。メジャー移籍の権利がとれ次第、藤川投手は城島の居座る阪神に別れを告げることだろう。

キャッチャーのリードというものに深く関心を持たず、優勝できたはずの2010年シーズンの責任の所在もわからないほど目の曇った阪神ファンが、キャッチャーの単調なリードによる自滅も理解せず、責任を疲労のたまった藤川投手にかぶせて狂ったように批判しまくっていたのが、ブログ主は哀れでならない。


故障によるキャッチャー補充の「金銭コスト」と
補強の追加による「選手枠の無駄づかいコスト」。
そしてシアトル時代そっくりの「捕手3人制」


本来は、ひとりの選手が全試合に出場しようと、しまいと、そんなことはどうでもいいのである。たとえ何試合出ようが、故障せず活躍さえしていれば、何も問題はない。
最初に書いたとおり、アスリートにとっての怪我は、本人にとっては選手生命にも関わることであり、そのこと自体をとやかく言うことはできない。

だが、しかし、である。

高額な長期契約の選手、それも、「キャッチャーが半月板損傷」というハプニングは、当然ながら、チームにとっては「重いコスト負担増」を意味する。

・かわりのキャッチャーの獲得
・かわりのキャッチャーに払う給料
・かわりのキャッチャーに提示せざるをえない複数年契約
・かわりのキャッチャーに保証する1軍枠
・かわりのキャッチャーが占める支配下選手枠
・かわりのキャッチャーが占めるプロテクト枠
・将来、故障が再発するリスク

実際、阪神は、城島の故障のフォローのために楽天イーグルスから藤井彰人捕手を獲得してきた。緊急事態に対応するためのキャッチャー確保が絶対条件になっていた阪神側としては、悪く言えば「城島復帰後もずっと使うかどうかわからない控えキャッチャー」に対して(もちろん、同時に、膝に爆弾を抱えた城島自身にしても、半月板損傷から復帰しても、4年後の契約満了までパーフェクトなプレーが続けられるかどうか、もうわからなくなっている)、単年ではなく、「2年契約」を提示せざるをえなかったことも、「無駄に増えた、要らざる補強コスト」である。

また、あらゆるプロのチームスポーツは、1軍の人数、支配化選手の人数、あるいはプロテクト枠の人数に「制約」がある。
阪神がロッテから獲得したセットアッパー小林宏投手の人的補償として、阪神のスプリングトレーニングで頭角を現してきていた高濱選手がロッテにピックアップされて、阪神は貴重なドラフト1位選手を失ったことが、ここ最近ずっと阪神ファンの話題にのぼっているが、このとき、仮に「城島が故障せず、あわてて獲得してきた藤井捕手の分のプロテクト枠が空いていた」のなら、もしかすると阪神は高濱選手を失わずに済んだのかもしれない。これだって「高い人的コスト」である。

いずれにせよ、いかなるやむをえない理由があろうと、高額長期契約の主力選手は「長期間にわたってプレーレベルを低下、あるいは喪失するような大怪我」を、(他人に怪我をさせらてしまったのならともかく)みずから招くことのないよう、身体をケアするのは、「義務」、なのだ。いうまでもない。
将来にわたってプレーの質と量を低下(あるいは喪失)させる可能性がある半月板損傷という怪我は、本来、そのプレーヤーの商品価値を大きく低下させる。当然「トレード価値の低下というコスト」も生じてくる。


公然と球団批判のトンデモ発言

では、こうした予想外の補強コストを球団側が負担してスッタモンダしている時期に、このダメ捕手さん、どういうダメ発言をしたか。

「18日に球団首脳が示した「復帰は6月でもOK」という見解。新聞報道で知った城島が、真っ向から反論した。室内でのフリー打撃を終えると、吉田バッテリーコーチに「ボクは朝から気分を害しています。ボクの心は折れましたよ」と強烈な“ジャブ”。あらためて開幕戦への意欲を語るその声は、明らかに怒気をはらんでいた。」
6月復帰プランにNO!開幕目指す城島「気分を害しています」 ― スポニチ Sponichi Annex 野球


折れた?(笑)って、何がよ?(笑)
いや、もう、開いたクチがふさがらないとは、このこと(笑)もちろん、この発言を聞いたときに、この記事を書く決意が固まったのだ。
すぐに記事を書かなかったのは、もちろん、その後の経緯を見守っていたからにすぎない。その後の経緯も経緯で、案の定すぎた(笑)


阪神球団側からすれば、日本人選手として最高年俸に近い金額を数年間払い続けなければならない30代なかばのオッサンキャッチャーを獲得し、その高い買い物のキャッチャーが無謀ともいえるシーズン全試合フル出場を強行した挙句に、「半月板をやっちゃいました」と重大な怪我を報告され、手術するだのテンヤワンヤな状態で、他球団の、それも控え捕手を「アタマを下げる形(=複数年契約)」で獲得せざるをえなくなった状況で、当の怪我をした本人、本当にパーフェクトに治療ができて、これから数年きちんと働けるのかどうかもまだわからない高額長期契約の選手本人に、こんなおかしな発言をされたのだ。
よく球団側が厳重処罰しないものだ。(ブログ主がオーナーなら安易な球団批判を許さない意味で即時解雇する)言いたい放題のショーン・フィギンズを野放しにしているシアトル・マリナーズとそっくりである。

城島が怪我から無事復帰すれば、藤井捕手が控えに回って、問題は全て解決? 甘い。甘い。(笑)
藤井捕手に単年でなく2年契約を与えたからには、阪神が大なり小なり「出場機会保証」を約束している可能性がある。また、半月板損傷は捕手生命にかかわる大怪我なだけに、阪神側とすれば、大金を払っている正捕手の守備負担軽減という意味から、控え捕手藤井に多少なりとも出場機会を与えようとするだろう。それが常識的な行動だ。
だがその常識が、「出たがり、出しゃばり」には、たぶん理解できない。自分の怪我が原因で無駄な出費を払って獲らざるをえなかった控え捕手なのに、天に向かって唾を吐くかのように「自分の出場機会の減少について」不平不満を言わずにはいないだろう。(シアトル時代も監督室に怒鳴りこんだ)
だから、たとえこのダメ捕手が無事にスタメン復帰したとしても、今後、現場の混乱は必須
だと言うのだ。まさにシアトル時代とそっくり。

また、ブログ主は別に真弓監督のファンでも支持者でもなんでもないが、現在のチームの指揮をとっている真弓氏が、ダメ捕手城島に「監督として、いい感情をもっている」ことは、到底ありえない、と思う。
チームと選手本人のために、むしろ春先だけは自重してキッチリ怪我を治してから実戦に戻ってくれという親心がわからないのか何か知らないが、周囲から「しばらく自重してくれ」と言われれば、いちいち逆ギレして、やれ「ココロがどうたらこうたら」などと、言いたい放題。
もし無理して復帰して、半月板損傷が再発でもすれば、もはや誰も同情しないだろう。怪我が怪我だけに、再発の不安は何年も続く。周囲の不安も配慮せずに、「ココロ」もなにもないもんだ。


シアトル末期同様、比較対象キャッチャー出現で明らかになる「ダメ捕手」の「ダメぶり」

こうした経緯で明らかになった事実は、ひとことで言い表すことができる。
ダメ捕手城島は、野球界にも世間にもよくいる「問題児」そのもの
ということだ。


ダメ捕手が阪神移籍後のわずか1年で既に引き起こした騒動は、シアトル在籍時代末期をよくわかっている身にしてみれば、「ああ、またやってるのか(笑)」という内容ばかりである。
投手との不和。控え捕手との軋轢。控え捕手より酷いが、ポジションを失わない契約で守られた正捕手。シアトル時代に引き起こしていた数々の騒動はどれもこれも、偶然でもなんでもなかったのである。

シアトルに移籍したばかりの2006年には、ロクにメジャーの投手たちの配球術の基礎も理解せず、投手主導のリード手法も知らず、ロクにチームが捕手を休養させる選手起用システムも知らず、そして問題なのは、それらに従う素直さも無く、かといって、ロクに英語も話せないクセに出しゃばり続けて、144試合も出場した。
だが、そのうち自軍の投手たちとさえ問題を起こし続けている事実が、いつしか外部とメディアに漏れ、世間にバレていき、やがて主力投手のほとんどが表立って「わけのわかってないキャッチャーへの反乱」を起こすようなMLBに前例のない事態まで起こして、城島に振り回されて野球をする馬鹿馬鹿しさを、チームの多くが拒絶した。
その経緯の中で、「城島が先発マスクのときと、そうでないときの、投手の成績の差」は、キャッチャーとして城島が持っている「実力の無さ」「問題児ぶり」「チームにもたらした混乱」を、最も顕著に白日のもとに晒したわけだ。


これから本当の意味の「問題児コスト」を払わされる阪神

城島のシアトル時代末期と同じように、「比較対象するキャッチャー」である藤井捕手が意図せず出てきてしまった阪神の2011年シーズンは、シアトル時代末期と同じ混乱の末路を辿ること必至である。

シアトルにもMLBの野球スタイルにも本当は何の関心ももたなかったのと同じく、本当は阪神というチームになど何の関心も愛情もない城島オタクは、たとえどんな小さい失敗でも、藤井捕手(あるいは藤川投手)がなにか失敗するたび、目の色をかえて自軍選手を公然と批判し、そして藤井捕手がなにか成功する、あるいは城島不在のときに投手陣が大活躍するたびに目の曇った阪神ファンの目が覚まされていき、結局、ファンとチームは「問題児」とそのファンに振り回されながら、混乱に巻き込まれて分裂していく。
そして、ふと気がついた頃にはマートンも藤川もメジャーに移籍していなくなり、チームは、半月板に爆弾を抱える高額長期契約捕手を抱えたまま、生え抜きの主力選手のいない「寄せ集めチーム」と化すのである。


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