March 26, 2011

最近のダルビッシュのフォームが、松坂投手のように、まず「蹴り出し動作」(=上げた左足を、いったん後方に蹴り出す投球動作。右投手の松坂はおおむねショートの守備位置方向)をまず行った後に、自分の左横の方向にホームプレートを見るイメージで、プレート方向へ横ステップして体重移動していく、「未完成なやじろべえ的 横ステップスタイル」ではなくて、「上げた左足を、そのままスッと下に降ろし」、「自分の上半身のひねりは、十分すぎるほど保ったまま」、「ホームプレートを自分のより正面に見るイメージで、いきなり踏み込んでいく」ような「ノーランライアン風、前ステップスタイル」に近づいてきていることについて、ちょっと書いた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年3月23日、昔のダルビッシュと、今のダルビッシュ、どこが、どういう意味で違うのか。ノーラン・ライアン、松坂と比べながら、考える。


日本の投手で、ノーラン・ライアンや、今のダルビッシュばりに、「蹴り出し動作が少なく、プレート方向にスッと足を下ろすフォーム」の投手がいないものかと、ネット上の画像をいろいろ探していたら、ちょうどよさそうな例がひとり見つかった。

松永昂大(まつなが たかひろ)投手。大阪ガス。

高松商業、関西国際大学の出身で、大学3年のときに阪神大学野球の2季連続MVPを獲得。プロ入りが期待されながら、ご本人の希望で社会人の大阪ガスに行った逸材。

写真で見比べてみてもらいたい。
ノーラン・ライアンは、6フィート2インチ(約188cm)ある背の高い右腕だが(とはいっても、最近のMLBでは2m以上ある投手がゴロゴロいたりするわけが)、松永昂大投手は173cm70kgの小柄な左腕で、2人の体格に違いはある。だが、ホームプレートに踏み込んでいくときの姿形はそっくりだ。
サイドスロー気味に投げる松永投手は、関西の学校出身の左腕ということもあって、元阪神の左腕のセットアッパーで、左バッターに投げるクロスファイアーで一世を風靡したジェフ・ウィリアムスの再来などとも言われるようだ。

彼の将来についてブログ主は、フォームが日本での指導で小さくまとまっていってしまい、プロ野球でセットアッパーとして酷使されていくより、いっそ、メジャーに直接チャレンジして、もっと上半身のひねりをきかせるか、胸の張りをもっときかせた躍動感のあるフォームにチャレンジしてみてはどうだろうか、などと思う。

松永昂大投手(大阪ガス)松永昂大投手(大阪ガス)の大学時代の投球フォーム

出典:【硬式野球部】松永昂大投手が2季連続MVP(阪神大学野球秋季リーグ)|関西国際大学

ノーラン・ライアンの投球フォームノーラン・ライアンの
投球フォーム

松永投手は、肩関節の柔軟性が足りないのかもしれないが、もう少し両肘を高くすると、もっとノーラン・ライアン風になる。やはり見比べると、ノーラン・ライアンのほうがずっと躍動感がある。


ちなみに、日本人投手のうち、「蹴り出し動作」があまりみられない投手というと、関西国際大学出身の松永昂大投手のほかに、たとえば斉藤隆投手(東北高校→東北福祉大学)、黒田博樹投手(上宮高校→専修大学)がいて、いずれもMLBの現役投手だ。NPBでは、藤井秀悟投手(今治西高校→早稲田大学)が、比較的蹴り出しが少ないようにみえる。

逆に、「蹴り出し動作」が非常に強くみられるのは、なんといっても、今後MLB移籍を目指すと思われる楽天の岩隈久志投手(堀越高校出身)が筆頭だろう。岩隈投手は松坂投手以上に、誰よりも強い「蹴り出し動作」がみられる独特のフォームで投げる。
ほかに田中将大投手(駒大附属苫小牧高校出身)、前田健太投手(PL学園出身)などにも、岩隈ほどではないが、「蹴り出し動作」がみられる。

岩隈投手のフォームクーニンスポーツさんから拝借し、加工。
これほどハッキリ後方に足を蹴り出す投手はそうそういない。


いくつか例を眺めてみると、大学出身の投手たちに「蹴り出し動作」があまりみられないのに対して、高校卒業後すぐにプロになった投手たちには「蹴り出し動作」が強くみられる、という傾向があるようにも見える。
これが日本の野球選手全体にいえるのかどうか、正確なことはわからないが、もしかすると日本の野球指導者の中で、とりわけ高校野球の指導者が投手をコーチするときのベースになっているピッチング・フォームが、「後方への蹴り出し動作」や、プレートに対して体を横に向けたまま倒していくイメージの体重移動を基本にしているために、こうした、高校を卒業してすぐにプロになった投手と、大学出身の投手との投球フォームの違い、という現象が起きている要因なのかもしれない。

前にステップする松永昂大投手プレート方向に「前ステップ」する松永昂大投手。
両肩を結んだラインが水平をキープ。人体の「やじろべえ」の形状に傾斜をつけない水平なフォームなだけに安定しているだろう。ただ、クリフ・リーのように大きく胸を張ってないし、ダルビッシュのような「上半身の強烈なひねり」も加わってない平凡な前ステップだけに、球威に問題があるかもしれない。


横にステップする松坂投手「蹴り出し動作」の後、
横ステップ」する松坂投手。
人体の「やじろべえ」形状を大きく傾斜させ、両肩を結ぶラインは地面に対して大きく傾斜する。体が大きくセカンド方向に傾く分だけ、重心位置がわずかながら上昇するから、力学的には不安定要素は増えやすい(その分だけ、体全体を回転させる運動は容易になる) そのため、ボールを持った右手とグラブを持った左手、両腕を左右に大きく広げることで、「やじろべえ」でいうと「腕を長くする」ような安定化対策なども必要になる。また、グラブを少し重いものにしてみるのも、もしかしたら「やじろべえ」のバランスを安定させる効果があるかもしれない。


と、なると、東北高校を卒業してプロに入ったダルビッシュが、自分の投球フォームから「蹴り出し」を無くしていったのは、プロになったばかりの時期にあった「高校生特有の投球フォーム」、つまり「後方への蹴り出しの強い、高校からプロに入った投手たち特有のフォーム」を、この数年で改造し、より進化させていっている、とでもいうことになる。
さすがダルビッシュ。






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