May 27, 2011

5月25日の阪神・ロッテ戦7回表の、阪神バッテリーの失点パターンがなかなか面白いので、いちおうメモを残しておくことにした(笑)

要点は、6人目の打者・今江が「なぜ初球ストレートを、まるでストレートが来るのがあらかじめわかっていたかのように、打てるのか」ということだ。
(と、いうか、本質的なことを言えば、このイニングの打者全員がストレート狙いができていないといけない)

シチュエーションは、3-2で先攻ロッテが1点リード。7回表の阪神バッテリーは、投手が久保田、キャッチャー城島

1)高濱  初球ストレートを二塁打 無死2塁
2)井口  速球で追い込み 外角フォークで凡退  1死2塁
3)福浦  敬遠  1死1,2塁
4)里崎  初球のみスライダー ストレートで追い込み
       外角フォークで三振 2死1、2塁
5)清田  フルカウントから外角ストレートを見送り 四球
       2死満塁
6)今江  初球ストレートをタイムリー 神2-4ロ 2死満塁
7)伊志嶺 フルカウントから押し出し 神2-5ロ 2死満塁
8)伊藤  カウント1-2から外角ストレート三振 3アウト


まず誰でも気がつくのは、
セカンドにランナーがいる状態で、井口里崎、2人の打者に対して、例によって、阪神バッテリーがまったく同じ攻めをしていることだ。
ひとりが上手くうちとれると、2人目以降の打者にも同じ攻めを続けるのは、言うまでもなく、キャッチャーの誰かさんのクセで、去年のポストシーズンでも数多くサンプルを見ることができた(笑)たぶん、初球ストレートを痛打された先頭打者高濱にも、実は井口、里崎と全く同じ攻めをするつもりだったに違いない(笑)
「ストレートだけで打者を追い込んで、最後にアウトコース低めにフォークを落とす」という、なんつーか、もう(笑)あまりにもお馴染み過ぎる攻め(笑)まさに「力ずく」そのもの。プロとしてなんの創意工夫も感じられない。
それでもまぁ、どういうわけか、井口、里崎は凡退してくれて結果オーライ。

普段の久保田投手の組み立てがどういうものかが全くわからないのが困るのだが、これだけストレートだけで打者を抑えようとした、ということは、逆に言えば、この試合でストレートによほどのキレと自信があった、ということなのかもしれないが、どうなのだろう。


さて、外角フォークであっさり凡退した井口・里崎とは方向性のまったく違うバッティングをした打者が、2人いる。先頭打者の高濱と、タイムリーを打った今江だ。
2人とも初球ストレートを、センター方向に打ち返している。(だからこそ、久保田投手がこのイニング、ストレートだけで押すことは、もともとできるはずがない、といえるわけだが)

この「初球ストレートを打てたクレバーな2人の打者」のうち、清田が四球を選んだ直後に打席に立った今江に限っていうと、「初球は、どこをどうみてもストレートで、しかも、間違いなくストライクを取りに来る」と「誰でも予測できる状態」にあった。いくらファンとはいえ、この場面で、この程度の予測もできないなら、野球を見るのはもう止めたほうがいい

理由はいくつかある。

1)久保田投手の持ち球は限られている
2)ランナーがたまった後では、フォークは投げにくい
3)「四球直後の初球ストライクを狙え」という単純なセオリー
4)キャッチャー城島は、イザとなったときに限ってフォークを後逸する可能性があるため、要所でフォークをチョイスしてくる可能性はきわめて低い

チャンスに強い今江と対戦するというのに、ここまで「初球ストレート」が予測できる状態にしてしまっていては、もう、どうにもならない。



打者の側から見たこのイニングのポイントは、「狙いをストレートだけに絞って、コースが甘く入ったら、早いカウントから強振する」という、たった1点しかないことに、「打者がいつ気づくか?」ということにあった。
このイニングに打席に立った8人のうち、データでみると、ストレートに絞ることができないでフルカウントにまで追い込まれてしまうような野手が2人ほどいるわけだが、これは単に、いま調子が最悪に悪いか、または、場面を考えて打席に立つだけの野球脳がそもそも無いまま、いつも漫然とバットを振り回しているか、どちらかだ。

普段の久保田投手がストレートだけで打者を次々と三振させることが可能な投手なのかどうか、それはわからないが、ここで満塁にしてしまっては、打者をストレートで追い込んだ後でフォークで仕留めるというワンパターンな攻めすらできなくなる。
そのことを考えると、このイニングで最もやってはいけないのは、今江に初球のストレートを狙われてタイムリーを打たれたことより、5人目の打者・清田を歩かせて満塁にしてしまい、配球面でニッチもサッチもいかなくなったことだろう。(もちろん、清田の次打者が、あまりアタマの良さそうには感じられない伊志嶺君なら、話は別だが。あと、初球にスライダーを投げておく手もあるにはあった)

そして清田との対戦での阪神バッテリーの配球には意味がよくわからない点がいくつかある。
まず、伝家の宝刀フォークを、2球目に使ってしまっていること、この意図がわからない。そしてフルカウントになった後には、勝負球のはずのお約束の外角フォークを投げない。これも意味がわからない。
なぜ追い込んでからフォークを投げるお約束のパターンを使わず、2球目に、彼らの組み立てからすれば貴重な持ち球のはずのフォークを安易に使ってしまったのか? そしてフルカウントから大胆に外角フォークを投げる勇気はなかったのか。
まぁ、何がしたかったのやら、よくわからない。


こうして、阪神バッテリーは自らの勇気の無さで自滅して満塁にしてしまい、次打者・今江の初球にストレートでストライクをとりにいくわけだ。フォークを投げる可能性が消えた久保田投手は、まさに素っ裸で戦場に飛び出していくようなものだ。
もうこういう状況になってしまえばストレートが「痛打されないわけがない」ことが、ここまでの簡単な説明で少しはわかってもらえたらありがたい。


余談だが、ロッテ7人目の打者は伊志嶺君という新人だそうだが、このわかりきった場面で、ボールが真っ二つに割れるほどストレートをしばきたおすくらいの、意図のハッキリしたバッティングができないようでは、これから先が思いやられると思う。グジグジ迷っていてはダメ。
むしろ有望なのは、このイニングの先頭打者で、阪神バッテリーの攻めパターンが明白になる前に、初球ストレートを強振できた高濱選手だろう。この野球センスの良さ、思い切りの良さを生かして、今後もクレバーな打者目指して頑張ってもらいたいものだ。








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