June 06, 2011

今日のタンパベイ戦、球審はJim Joyce。そう、あのガララーガの完全試合未遂ゲームの、あのジム・ジョイス。
Jim Joyceはどうも、右打者のときは完全に「スロット」のポジションだが、左打者のときはやや中心よりと、バッターによって立ち位置が変わっているように見えるのだが、どうなのだろう。気のせいか? (左のペゲーロのときなどはスロットだったりするのも、意味がよくわからない)
Tampa Bay Rays at Seattle Mariners - June 5, 2011 | MLB.com Classic


初回のイチローは、アウトコースのストレートを見逃し三振。自信をもって見逃している。もちろん、ボールはデータ上、ストライクゾーン外にはずれている。詳しくはまた後で書く。今はデータを貯めたい。

最近、イチローが「不調だから、アウトコースが見えてない」なんて言う人がいるが、ハッキリ書いておく。
イチローは「アウトコースが見えていないから、ストライクを振らずに三振した」のではない。「ボールなのがわかったから、振らなくていい球を振らなかった」だけだ。
これをストライクと判定するかどうかは、単に「球審の個人差の問題」であり、イチローの選球眼の問題ではない。

2011年6月5日 1回裏 イチロー 見逃し三振1回裏
イチローへの4球目

2011年6月5日 初回 イチロー三振時の判定マップ
資料:Brooksbaseball.net

次の資料は7回裏、イチローへの初球。球審Jim Joyceはインコースへのストレートをストライク判定した。これも、もちろんデータでみると、ゾーンをはずれている。

何度も書いてきているように、MLBのアンパイアの傾向として「左打者のアウトコースの判定で、ゾーンを広くとる」というのはある。
資料:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:アンパイア、MLBのストライクゾーン

だがしかし、左打者のインコース、いわゆる「スロット」に立って判定しているはずの球審が、左打者のインコースの「ゾーン外にはずれている球」を「ストライク判定」とは、ちょっとやりすぎだ。左打者への判定が外は広いMLBとはいえ、内はここまで広くない。

2011年6月5日 7回裏 イチロー 初球7回裏
イチローへの初球


次の資料は、2回裏、6番の右打者ミゲル・オリーボへの3球目。アウトコースへのストレートをストライク判定。これも、もちろんゾーンははずれている。

今日の先発はエリック・ベダードだが、こういう外の判定の広い球審の日には、ストライクゾーン内にしゃかりきになってストライクを投げようとしてはいけないのだが、残念ながら、今日の序盤のベダードは非常に投げ急いでいて、カウント0-2から必要のないストライクを投げ急いでタイムリーを浴びている。

なんせ、アウトコースの、ゾーン外の球をこれだけストライク判定してしまうアンパイアなのだから、バッテリーはちょっと使うコースを考えないとダメだ。(さらに言えば、ゲーム終盤にはゾーンが変わってくる、という問題も意識に入れておくべきだろう)

2011年6月5日 2回裏 ミゲル・オリーボへの3球目2回裏
オリーボへの3球目

2011年6月5日 2回裏 オリーボ3球目時点での右打者判定マップ
資料:Brooksbaseball.net


ちなみに最近「球審の立ち位置」が、昔とは違うことをご存知だろうか?

なにも特定のアンパイア、少数のアンパイアが、自分の特殊な趣味で立ち位置を変えたのではなく、トレンドとして変わった、というか、変えたのだ。(とはいえ、もちろんそれでも「立ち位置」に冠する球審間の個人差が無くなるわけではない。「個人差」というのは、MLBにおいて常に認められている、ひとつの文化のようなものだ)
どう変わったかというと、球審はかつてのようにホームプレートの中心ラインに沿って立って、「ストライクゾーンを左右均等に見てはいない」のである。
今、アンパイアは、プレートの中心に沿って立つのではなく、「バッターのインコース側」に立って、バッターとキャッチャーの間の「隙間」から顔をのぞかせるようにして、ゾーンを見て、判定しているのである。
この「打者とキャッチャーの間の、球審が顔をのぞかせる隙間」のことを「スロット」といい、「スロットに立って判定する球審のポジショニング」を、アンパイアの人たちの用語などは「スロット・ポジション」とかいっている。(なお、英語サイトでは、work in the slotとか、set up in the slotなどという表現をみかける)「スロット」という言葉は、ギャンブルの名前ではなく、「隙間」という意味。

この球審の立ち位置の変化は、MLBであれ、日本のプロ野球であれ、野球を見る上でファンの誰もが必ず知っておくべきことだと思う。
アンパイアをやっている立場の人にしてみれば、「スロット」からの判定は「一番判定の難しいアウトコース低目が見えるようになる。またインコースの際どい球筋が見えることで、投手の極端なインコース攻めを抑制できる」とか考えている人が多いようだ。

だが、実際に野球をやってきて今は解説者をやっている人たちや、巷の野球ファンが、アンパイア側の人たちと同じ意見を持っているとは限らない。
解説者の中にも、ファンの中にも、「スロットからの判定だと、遠いアウトコースの判定はおぼつかないんじゃないの?」と疑問を投げかける趣旨の発言をしている人は、けっこうみかける。
ブログ主も、「スロットから判定すれば、アウトコースの判定がより正確になる」とは、今のところ思えない。

発言例:ボルチモアのフォーラム
New Umpire Plate Position
発言例:High School Baseball Web
Plate Umpire positioning - Topic
資料:球審のポジションに関するPDF
http://glenwoodlittleleague.org/wp-content/uploads/forms/umpiring/plate_mechanics.pdf


ちなみに以下は、8回表からベダードをリリーフして、逆転を許したシアトルのジャーメイ・ライトの、タンパベイ、フェリペ・ロペスへの2球目。ゾーンに入っているアウトコースのストライクを「ボール判定」。
なんだろうねぇ、この球審ジム・ジョイスの「アウトコースの判定」。やれやれ。

2011年6月5日 8回表 フェリペ・ライトへの2球目8回表
ロペスに投じた
ライトの2球目







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