June 25, 2011

ニューヨーク・タイムズにちょっとイチローのことを触れた記事があった。書いたのは、Derek VanRiperという、なんとなくオランダ系を思わせる名前のRotoWire所属のライターだ。
Fantasy Focus: Batted-Ball Types - NYTimes.com

RotoWire、というのは、Fantasy系の情報を広くスポーツメディアに提供しているウィスコンシンの会社で、提供先は、ESPN, Yahoo! Sports, FoxSports.com, NASCAR.com, NFL.com, NBA.com, and Baseball Prospectusと、大手スポーツメディアの大半はこの会社の提供する情報やライターを使っているといっていい。
シアトルのGMジャック・ズレンシックが、マリナーズの統計分析部門をまかせているTony Blenginoという男も、もとはRotoWireで野球のスタッツに関する記事を書いていたライターで、ズレンシックがミルウォーキーにいた頃から使っている。
下記の記述で見るかぎりは、ズレンシックの数字趣味(笑)は、昔からのものではなく、かなり付け焼刃風のようだ。
"I've always had that statistical information in addition to scouting," said Blengino, a former baseball stats writer for RotoWire, whose first job out of college was as a CPA. "It's an aspect I brought to Jack when we were in Milwaukee together. That's where my core is. That's where I started."
Mariners | Mariners plan department devoted to statistical analysis | Seattle Times Newspaper

ニューヨーク・タイムズの話に戻ろう。
この記事の本来の話題は、去年コロラドで24歳で大ブレイクし、シルバースラッガー賞とゴールドグラブを同時受賞し、打率.336で首位打者にもなったCarlos Gonzalezの今シーズンのバッティングの話。

ライターDerek VanRiperいわく、「Baseball Referenceによれば、今年のナ・リーグではライナーの70%以上がヒットになるらしいが、今年のCarlos Gonzalezの打撃数値がイマイチなのは、去年は20%以上もあったライナー率が、今年低下していることにある」とか、そういう趣旨のことを言いたいらしい。
       ゴロ フライ ライナー(ライナー率)
2010年  194  167  95(20.8%)
2011年  101  76   39(18.1%)
(2011年6月24日現在)
Carlos Gonzalez » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball

アンタねぇ・・(笑)もっともらしいように書いてるけど、実にくだらない(笑)日本にもよくいるよな。こういう、「ライナーこそが野球」とか勘違いしてるヤツ(笑)
「ライナーが減ったから、ヒットが減った」んじゃなくてねぇ、単純に、活躍した翌年だから他球団にスカウティングされ、その結果、ライナーも含めてバットの芯で打たせてもらえなくなって、ヒット自体が減ったってだけでしょうが(笑)フライも減ってるのは見てないのかね。まぁ、いいんだけどさ(笑)


まぁ、ヘボいライターさんのテキトーすぎる分析など、本当はどうでもいい。問題は、そのあとだ。

このしょっぱいライターさんは、「ライナーはヒットになる確率が非常に高い。ライナーが減るとヒットも減る」とかいう(笑)出来損ないのギミック(笑)を披露しつつ、Carlos Gonzalezに関してダラダラ、ダラダラ書いたあとで、「ライナーはヒットになる確率が非常に高い」という世紀の大発見(爆笑)に「あてはまらない打者4人」を挙げているのだが、こちらのほうがむしろずっと面白い。

ハンリー・ラミレス   FLO (14.3/55.1/30.6)
イチロー        SEA (18.1/60.9/21.0)
アレックス・リオス  CWS (19.1/45.0/35.9)
ケイシー・マギー    MIL (13.8/53.2/33.0)
(数字は、ライナー/ゴロ/フライのそれぞれの率)


イチローに関する記述で、ほほぉ、と思ったのは、「2011年のゴロ率が約60%と高く、これはあの262本のシーズン最多安打を打った2004年の63.7%に次いで、キャリア2位のパーセンテージ」だという記述。なるほど。ゴロが多いから不調というわけではないのだな。ふむふむ。そこだけは、教えてくれてありがとう(笑)

Derek VanRiperは次のように書いて、イチローについての詳しい分析を諦めている(笑)
The usual rules do not apply to Ichiro.
「イチローには、普通のルールはあてはまらない」
そんなことはね、最初からわかってます。アナリスト業界の親玉ビル・ジェームズ親父も、イチローについてはとっくに、アンタとまったく同じこと言ってサジを投げてますって(笑)


シルバースラッガー賞を2回受賞しているフロリダのスラッガー、ハンリー・ラミレスが、ホームラン数の割りには「ライナーが少なく、ゴロの多い打者だ」というデータもちょっと意外。面白い。
Hanley Ramirez Statistics and History - Baseball-Reference.com


(ちなみに、これはイチローのゴロ/フライ/ライナーのそれぞれのBABIPについて書かれたFangraphのDavid Golebiewskiによる記事。Ichiro’s Silent Season | FanGraphs Baseball
Baseball NationのRob Neyerも、この記事を参考に今シーズンのイチローの不振について記事を書いているくらいの記事で、数字がわかりやすく、説得力もある。
ただ、イチローの数字上、最もBABIPが低下しているのは、Rob Neyerが「イチローの走力低下」を指摘している「ゴロ」ではなく、むしろDerek VanRiperがヒットの源泉だと思っている「ライナー」だ。これまで7割以上がヒットになってきた「ライナー」が、今シーズンは5割ちょっとしかヒットになっていない。これはもしかすると、ゴロやライナーが野手の正面をついているのは、守備のシフトもあるのかもしれない。)






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