June 30, 2011

前の原稿でも書いたことだが、シアトルマリナーズの観客席に空席が目立つようになった根本原因は、端的に言うと、球団サイドが「自分たちが目指すべきでない野球スタイルに金を出し続け、そして、目指すべきスタイルを見失い続けてきた」からだ。
若かろうと、年寄りだろうと、自分にどんな服が似合うかすらわからないで、よく生きていけるものだ。
彼らはこれまで何シーズンもの時間と、何十万ミリオンもの大金を無駄にしつつ、毎シーズン敗れ続け、そして本来は根本的なところから手をつけるべきチームの再建や、若手起用を毎年のように先送りしつつ、有望な選手をちょっと起用しては結局は他チームに追いやり、結局、最後はあらゆることを中途半端にしたまま、監督と選手を無駄に入れ替えながら2011年を迎えている。



例えば、「城島問題」もそのひとつだ。
MLBには、あれほど適応能力に欠けた選手の必要性はカケラもなかった。だが、選手間レベルでは必要ないことが速い段階でわかっていたにもかかわらず、チームはずっと起用し続け、最後は高額長期契約までくれてやり、何年もの間の貴重な時間を、無駄なストレスと無駄な敗戦の山とともに無駄にした。

城島、セクソンなどを含む「右のフリースインガーをかき集めた、だらしない野球」もそうだ。
セーフコ・フィールドというスタジアムは、右打者不利の球場である。にもかかわらず、右打者に金を注ぎ込み、そして結局、当時の右打者のほぼ全員が後にチームをクビになった。
そしてここでも、シーズン単位の貴重な時間が無駄になった。

ケン・グリフィー・ジュニアの処遇もそうだ。
彼はたしかにこのチームの偉大なレジェンドのひとりだ。だが、彼を客寄せパンダとして招聘しておいて、十分なリスペクトとともに引退の花道を用意して1シーズンで引導を渡しておけばそれで十分だったものを、欲をかいた人間が判断を誤ったことで、2シーズン目の契約に突入し、最悪の結果を招いた。彼の名誉も、球団の成績にも、同時に傷がついた。
ここでも、何年もの貴重な時間が無駄になった。


果てしない時間が無駄になり続ける中で、
他チームに出て行った選手たちが「野球に適した環境」の中で活躍しだすのを、ファンとメディアは常に指をくわえて見てきた。


そう。
大事なことは単純だ。
野球に適した環境」で「そのチームに適した野球」をやり、「勝つ」こと、「勝ち続けるために必要な、意味のあるプレーを、観客に見せ付けること」だ。

けしてやってはいけないことは、
野球に適さない環境で、シアトルに向いていない野球をやり、負け続ける姿、あるいは、勝ちにつながるのかどうかどころか、何の意味があってそうするのかすらわからないプレーや選手起用を、説明もないまま、観客に晒し続けること」だ。


フェリックス・ヘルナンデス、という若いピッチャーが、ア・リーグを代表する右投手になるといわれながら、何年もの時間が無駄になった。
なぜなら、若くて血の気の多いヘルナンデスに、まったく合わない城島という言い出したらテコでも引かない異文化の馬鹿キャッチャーを無理にあてがおうとし続けたのだから、彼の成長がうまく進むわけがないし、本来出るべきだった好成績は何シーズンも遅れることになった。
ここでも、何シーズンかの貴重な時間が無駄になった。


そして、いま、スタジアムをどうにかして少しは満員にしたいと焦るシアトルの球団サイドは、キングスコートとかいって、ビール片手に大騒ぎしたい若者を集めるための集客作戦を実行し、さかんにフェリックス・ヘルナンデスの奪三振を煽りはじめている。


ヘルナンデスという南米の投手は、
なぜサイ・ヤング賞投手にステップアップできたのか。

血気にはやり、激しい性格のヘルナンデスに、まったくフラットで、抑揚がまるで無く、ガリ勉型で研究心だけはあるロブ・ジョンソンのような、「まったく正反対のタイプの性格のキャッチャー」をあてがうことで、凸凹の非常に激しいバッテリーを組む実験に成功したからだ。
ロブ・ジョンソンは、ヘルナンデスに欠けていた落ち着き、配球パターンのバリエーション、相手打者のパターン研究など、さまざまな面で補う役割を担ったのだが、ヘルナンデス自身は、おそらく、その意味の重さを今でも過小評価していると思う。


やたらと血の気は多かったが、他人の力を借りる形で落ち着きや投球術を手に入れ、周囲のチカラで一流にのし上がったヘルナンデスを、こんどは「黄色いカードを持たせた、野球をあまりよくわかってない若者たち」に奪三振を煽らせて、いったいこのチームは何がしたいのか。
ヘルナンデスがいまさらストレートだけでバカスカ三振を獲りながらゲームを押し切れるピッチャーだとでもいうのか。

これが果たして「野球に適した環境」なのか。
ヘルナンデス自身のこれからのために必要な環境なのか。

そんなこともわからないで、よく経営がやれる。よく記事を書ける。


言われないと、気づかないのか。






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