July 23, 2011

どうも、黙っていられない性分なので困る(笑)
もう視聴率なんてくだらないものに触れるのはやめておこうと思っているのだが、勘違いして騒いで、イチイチ野球にからんでくるアホウを見かけると、どうも黙って見過ごせない性格なのである。

これは、例のサッカー女子ワールドカップの視聴率データで、元ソースはニールセンだ。決勝の視聴率の高さばかりもてはやされまくったわけだが、実は、決勝を除くセミ・ファイナルまでの全ゲームで、視聴率が1%(およそ150万世帯くらい)に達したのは、わずか5試合しかないことは、ほとんど誰も知らない。
アメリカのゲームが3試合(予選コロンビア戦、クオーターファイナル・ブラジル戦、準決勝・フランス戦)で2%ちょっと、そして、クオーターファイナル・日本対ドイツ、準決勝・日本対スウェーデンで、1%ちょっと。
それ以外のゲームの視聴率はすべて1%に満たない
2011 FIFA Women’s World Cup on ESPN & ESPN2 (June 26-July 13, 2011) « Son of the Bronx

2011女子ワールドカップ全視聴率(決勝のぞく)


勘違いしてもらっても困るが、別に日本の女子サッカーの快挙をこきおろす意図などない。ただ、ああいうニュースをネタにイチイチ野球にナンクセをつけようとする馬鹿や、きちんと現実を伝えようともせず、むしろ、ねじ曲げて意識操作するような記事や番組を作ってアブク銭を儲けようとするメディアのあさましさが気持ち悪いから書くだけのことだ。


話は簡単。
あのサッカー大会、アメリカで視聴率が高かったのは、優勝候補の自国アメリカの出場ゲームなのだ。
そりゃそうだ。自国のスポーツが出て勝ち進めば、どこの国の住民だって、たとえ普段はそのスポーツのファンでなかろうと、ルールさえわからくても、関心が集まるのは当たり前。
日本でもこれまで、カーリング、ソフトボール、同じような現象はいくらでもあった。ルールさえ知らない人でも、自国のスポーツの快進撃を見ればやはり胸が熱くなる。それはそれでかまわない。

また自国アメリカ以外で、最も高い視聴率を叩きだしている国(といっても、1%だが)が、「日本」であることは、アメリカのメディアでも決勝の前から十分に認識されていた。(記事例:Ratings: Sounders/Timbers, World Cup, San Francisco Giants | Sports Media Watch
だから、アメリカの視聴者にテレビの電源を入れさせたモチベーションは「今回の大会でそこそこ強敵といえる日本がいいゲームをするチームであることは既にわかっている。だが自国アメリカは、その日本に一度も負けたことがない。だから、世界大会の決勝という絶好の舞台で、強敵を軽く一蹴し、自国アメリカが優勝するドラマチックな展開をテレビで見たい」とかいうシンプルな話だったのは明らか。

だが、日本のマスメディアの書きっぷりは、例によって、まったく違う(笑)「なでしこジャパン、ESPNのサッカー中継の歴代史上最高視聴率!」(笑)
ESPNとESPN2の違いもわからないクセに、あたかも日本の出場試合が予選段階からずっと高視聴率が続いていたみたいに書くのが、こういう記事タイトルのミソ(笑)だが、上に挙げておいた全試合の全米視聴率資料を見てもらえばわかる。
決勝を除けば、予選の視聴率が1%を超えたことはほとんどない。自国アメリカのゲームですら3%を超えない。


そもそも全米視聴率1%レベルのスポーツというのは
どのくらいの規模のスポーツに相当するのか?

ちょうど近いのが、何度か記事を書いたカレッジ・ワールドシリーズ(CWS)だ。
2000年代後半以降、ESPNは、カレッジの野球をメジャースポーツイベントのひとつに育成していこうとしているらしく、プライムタイムでの放映に踏み切ったりなどして力をいれてきている。
資料によれば、今年のCWSの平均視聴率は「1.6%、およそ223万人」。これは一昨年から視聴率が下がってしまった昨年2010年の「1.2%、155万人」という数字から、43%急上昇したことになる。

ESPN and ESPN’2s coverage of the College World Series finals averaged a 1.6 rating with 2,233,000 total viewers in 1,618,000 households.
The network saw increases across the board in all three categories (1.2 rating, + 33 percent/1,558,000 viewers, +43 percent/1,220,000 households, +33 percent) over last year.
ESPN Posts Audience Growth During 2011 College World Series Coverage - SportsNewser


ちなみに、あえてソースは書かないが、2011年カレッジ・ワールドシリーズの視聴率について、以下のようなコメントをしているサイトを見たのだが、今のカレッジ・ベースボールのトレンドの変化を把握せずに書いていると思われるので、ちょっと欠陥を指摘しておきたい。
ちょっと的はずれな記述が生まれる原因はたぶん、「カレッジ・ベースボールの重心が、かつてのように、西の太平洋岸のカリフォルニア、アリゾナ、あるいはルイジアナ、テキサスといった大学から、サウス・アトランティック(アメリカ南部のうち大西洋岸の州)のノースカロライナ、サウスカロライナなどに移りつつある」という点を、きちんと意識して書いていないことだろう。

どのスポーツでもそうですが、出場チームの地元の人口規模が決勝シリーズには直接的に影響します。今回は両校ともSEC校ということで地域的に偏っている分不利だったかもしれませんが、その割には健闘という感じでしょう。(中略)GatorsはともかくGamecocks の方はカレッジスポーツでブランドアピールが強い学校とは言えません。それでも二年前の好カードのシリーズに近い数字を出したので健闘と評価したいところです。


この文中で「2年前の好カード」というのは、近年最も視聴率のよかった2009年決勝のLSU対Texasをさしている。Gatorsはフロリダ大学、Gamecocksはサウスカロライナ大学の愛称。
前にも一度書いたが、近年のルイジアナは、CWSを4回制覇した90年代の黄金時代ほど強くはない。日本語で「古豪」という言葉があるが、「かつての強豪」っぽくなったルイジアナ大学が9年ぶりに優勝したのが、2009年のCWSだ。
College World Series - Wikipedia, the free encyclopedia

また決勝での対戦カードについて「両校ともSEC校ということで地域的に偏っている分不利だったかもしれませんが、その割には健闘という感じでしょう」「Gamecocks の方はカレッジスポーツでブランドアピールが強い学校とは言えません。」という部分も、どうも寝ぼけた書き方だ。
この記事、まさかとは思うが、そもそも去年2010年の優勝校がサウスカロライナだということをわかってなくて書いているのではないかとさえ思える。
今年のセミファイナルに駒を進めたのが、ダニー・ハルツェンを擁して快進撃を続けるヴァージニア大学、近年の全米ドラフト2位ダスティン・アックリーの出身校で、今年もセミファイナルに上ってきたノースカロライナ大学と、ベスト4がサウス・アトランティックの大学ばかりで占められていることの意味も、あまりわかってなさそうな気がする。
資料記事:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年6月21日、今月末に決まる2011カレッジ・ワールドシリーズの行方と、近年のカレッジ・ベースボールの勢力地図の「大西洋岸シフト」。


今年のオールスターでサウス・アトランティックの州の視聴率が急激に跳ね上がったわけだが、こうしてカレッジ・ワールドシリーズの視聴率アップに貢献しているのも、当然のことながら、サウス・アトランティックの熱心な野球ファン、ということになるのだろう。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月18日、去年より低かった2011MLBオールスターの視聴率 (2)700万票以上集めた選手すら出現したオールスターの「視聴率が下がる」現象は、どう考えても納得などできない。







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