July 25, 2011

育成中のチームなんだから、15連敗してもしかたがない。

くだらねぇ。何もわかっちゃいない。
それが「負け犬メンタリティ」であって、そういう負け犬メンタリティを植えつけることが、どれだけ人間の成長の妨げになるかってことにすら、まだ気づかないのかね?
負け犬が泣きながら満塁ホームラン打ったって、全然怖くない。そんなだから問題が何も解決しない。たとえ四球の押し出しの1点を守り抜いた勝ちでもいい。それが「勝つ」ということだし、「勝つ」ということを学ぶことは非常に大事だし、もっと大事なのは、同じ失敗を繰り返すプレーヤーを同じ失敗を繰りかえさないプレーヤーに変えていくことで、これこそが本当の育成で、同じ失敗を繰り返して負け続けるプロセスには何も学ぶものはない

この「負け犬メンタリティ」が元々どこからやってきたのか?
ハッキリ、誰でもわかるように書いておくから、耳の穴かっぽじって聞くといい。


あの「事件」が起きた日は、このところ続いている所用がやはりあって、ゲームを見ることができなかったのがとても残念だった。それは、オールスター直前のビジターLAA第4戦で起きた、今シーズン2度目の「3ボール四球事件」だ。
ブログ主は、この2度目の「3ボール四球事件」が、「負け犬メンタリティ」のルーツだと確信している。


最初に言っておくと、ブログ主は戦闘の場である球技スポーツのグラウンドにおいて、ああした「みずから牙を抜いて相手に差し出すような、負け犬行為」を、単なるミスどころのレベルではなく、もしそれが社会や、災害や戦場といった限界状況でで起きた出来事なら、「背任行為や、犯罪にあたる」とまで思っている。
もし、自分の会社の社長が、他国のライバル企業に自社の特許技術を勝手使われ、さらにその他国で特許申請までされたにもかかわらず、社長がそれを「知ってたよ」なんて言って黙認したら、信頼なんか絶対に生まれない。

戦う人間には、ああいう行為は許されないと思う。



今シーズン2度あったこの「3ボール四球」という事件がエリック・ウェッジの負け犬メンタリティを生んだあらましをメモしておこう。

1度目の3ボール四球事件
ウェッジが「謝罪」した7月2日パドレス戦


2011年7月2日 パドレス戦における1度目の3ボール四球事件
San Diego Padres at Seattle Mariners - July 2, 2011 | MLB.com Classic
最初は、7月2日のパドレス戦5回裏、1アウト。外野手キャメロン・メイビンが、まだフルカウントなのに四球としてランナーに出た。だが、このことにシアトル側の誰も気がつかず、このランナーがタイムリーで生還し、このゲーム唯一の得点かつ決勝点になってしまい、シアトルは0-1の僅差で負けた。
この試合、投手はダグ・フィスター。この試合、ただの負けゲームではない。ダグ・フィスターは9イニングをひとりで投げ抜いたからだ。フィスターの貴重な力投を、チームは単なるベンチの注意不足で無駄にしたのだ。
フィスター自身は、試合後に「投げることに集中していたので分からなかった」とコメントしたが、監督エリック・ウェッジは「数えていなかった自分のミスだ」として、試合後クラブハウスで選手たちに「謝罪」して自分のメンツをとりつくろった。



ハンク・コンガー ハーフスイング誤判定事件
ウェッジが「退場」した7月9日のエンゼルス第3戦

Seattle Mariners at Los Angeles Angels - July 9, 2011 | MLB.com Classic
パドレス戦での「1度目の3ボール四球事件」から1週間たったアナハイムでの第3戦、3回裏無死1塁。
シアトルの先発マイケル・ピネダは8番ハンク・コンガーにストレートを投げ続けて、フルカウントの8球目、真ん中低めにスライダーを投げた。コンガーはハーフ・スイングして三振。ランナーのトランボはスタートを切っており、ミゲル・オリーボがセカンド送球して楽々アウト。
いわゆる三振ゲッツーのはずだったが、球審Todd Tichenorがスイングの判断を仰いだ三塁塁審Sam Holbrookが「スイングしてない」と誤判定を下して、無死1、2塁。その後、タイムリーとホームランで4点を失って、このゲームに3-9で敗れた。

このときの対応について、このブログでは「ここが負け犬になるかどうかの分かれ目になる」と判断して、こんなタイトルの記事を掲載した。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月9日、Sam Holbrookのミスジャッジで試合は台無しになったと、語ったエリック・ウェッジは、「気づいた」のか。それとも、「気づかない」のか。
「こんな「事件」、ほんの一部にすぎない。
このブログでは、シアトルの地元メディアが書きたがらないようなこと、エリック・ウェッジがコメントしそうもないことも書いてきた。もちろん、球審Sam Holbrookについては、ずっと前からその「おかしな挙動」をずっと追跡して記録してきている。

ウェッジはこの事件、どう思ったのだろう。
よくある単なるアンパイアの誤判定だと思うのか。よくある単なるアンパイアの誤判定だと思って、風呂にでも入ってビールでも飲んで忘れてしまうのか。
それとも、一時期多発していたイチローのアウトコースへのストライク判定、オールスター、バルガスを中心にしたさまざまな先発投手における判定の歪み。エリック・ウェッジは、さまざまな「設けられたハードル」の存在に気づいただろうか。
ハッキリ言って、監督エリック・ウェッジが抗議すべき判定、抗議して退場になるべき判定は、いままで、もっと数え切れないほどあった。選手は、そういうおかしな判定の中でずっとゲームをやらされている」

だが、結論からいうと、
エリック・ウェッジは「すべてのことに泣き寝入りする、負け犬の道を選んだ」



2度目の3ボール四球事件
ウェッジが「黙認」した7月10日の第4戦エンゼルス戦


2011年7月10日 エンゼルス戦における2度目の3ボール四球事件
Seattle Mariners at Los Angeles Angels - July 10, 2011 | MLB.com Classic
エリック・ウェッジが決定的に「負け犬メンタリティ」をシアトルに塗りこめたのは、2度目の「3ボール四球」が起こった7月10日のエンゼルス戦での「エリック・ウェッジの負け犬の対応ぶり」だ。
3回裏、1死1塁。ボビー・アブレイユが「カウント3-1」なのに、ファーストに歩いた。またしても「3ボール四球」である。

この試合後、監督ウェッジは、1週間前のパドレス戦とはまったく違う態度に出た。なんと「3ボールなのは、わかっていたが、黙認した」と言い出したのだ。

This time, the Mariners were aware of the count.
こんどは(パドレス戦のときとは違って)マリナーズはカウントのミスに気づいていた。

I knew it was only 3-1 to Abreu,” Wedge said, “but I told our coaches, I don’t want to pitch to him with a 3-1 count, anyway ? I think Abreu is their best hitter. I thought since it worked against us last time, maybe we can make it work for us this time.”
アブレイユのカウントが、まだ3-1なのは知ってたよ。でもコーチにはこう言ったんだ。『カウント3-1で(選球眼が良くリーグ屈指の数の四球を選ぶ)アブレイユに(彼に有利なのが見え見えのカウントで)投げたくなんかないよな?』って。アブレイユはエンゼルスのベストバッターのひとりだからな。前回パドレス戦での「3ボール四球」はウチのチームに不利な結果になったわけだから、こんどはウチに有利に働くんじゃないかな、と思ったんだ。」
Angels' Abreu walks on another 3-ball count - seattlepi.com


典型的「負け犬メンタリティ」だ。
このエリック・ウェッジの「負け犬メンタリティ」は、もちろんすぐに選手に伝染した
このゲームで、「3ボール四球」が起きたときにマウンドで投げていたのはフェリックス・ヘルナンデスだが、彼はもう「負け犬メンタリティ」丸出しにして、こんなコメントを言ってのけたのだ。
もし、自分の登板ゲームにプライドがあれば、こんなくだらないコメントはしないものだ。

On the mound, Hernandez knew, too.
マウンド上のヘルナンデスも(アブレイユがまだ3ボールで、四球ではないことを)知っていた。

“I thought, ‘That’s ball three,’ on the pitch when he walked, but I got the next two guys and it didn’t hurt us,
「彼が四球で歩いたとき、『まだ3ボールだ』と、わかってたよ。でも次の2人をうちとったんだし、俺たちには実害は無しさ」
Angels' Abreu walks on another 3-ball count - seattlepi.com



スポーツ選手でも、ビジネスマンでもいいが、これらのエピソードの流れを読んで、ウェッジのやった「3ボール四球の黙認」を「負け犬メンタリティ」と思わない人がいたら、ぜひ、お目にかかりたい。

たまに、ベースボールは、イニング交代のときにのんびりできるスポーツだと思っている人がいる。認識を今すぐ改めるべきだ。
野球は、相手が油断して均衡が破れたなら、相手のプライドを死滅させるまで得点しぬいて、容赦なく相手を潰しぬき、白旗を上げさせる「格闘技」そのものの厳しいスポーツだ。


将棋や囲碁、チェスのようなボードゲームをやったことのある人はわかると思うが、たとえプロもどきでも、本当に強い相手がなりふりかまわず本気で襲いかかってくるときの「相手に潰される感覚」というものは、「相手のプライドとやる気を死滅させるまで、とことん潰しにかかってくる、恐怖の戦闘感覚」であって、本気のボードゲームは格闘技そのものであり、ボクシングの殴り合いとどこも変わりない。
序盤は、相手にわずかなピンホールも見せないようにディフェンスを固めるか、相手のピンホールをこじ開けるために攻撃にパワーを傾注するか、天秤にかけながら戦闘は進むために、「均衡」と呼ばれる時間帯があるわけだが、ちょっとでも「明白な穴」が開けば、必ずそこは突かれ、傷は広げられ、均衡は破れ、勝敗は一気に決するのが普通だ。最後の寄せは上手い人間なら誰でもそれなりにできる。むしろ問題は、均衡を破られないで維持することだ。

エリック・ウェッジがやったことの意味は、シアトル・マリナーズという野球チームに、最初から穴の開いた、均衡の崩れた状態でゲームが始まるのを黙認することだ。

それを負け犬メンタリティといわずして、
何が負け犬メンタリティかっ。







Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です

Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。
Categories
ブログ内検索 by Google
ブログ内検索 by livedoor
記事検索
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month