August 02, 2011

ダグ・フィスターの話をすると、よく 「あんなに毎回毎回ランナー出すピッチャーが、いいピッチャーなわけがない」とか、「フィスター? たいしたことないだろ、あんなの」とか、知ったかぶりしたがる馬鹿がいる。

基礎的なデータすらロクに見ないで印象だけで喋るから、馬鹿はすぐに恥をかく。

WHIPランキングだけ見ても、一目瞭然だ。
ダグ・フィスターはランナーをやたらと出すどころか、むしろ「ア・リーグで最もランナーを出さないピッチャーのひとり」であり、シアトルにおいては「誰よりも優れた内容のピッチングをしていたピッチャーであり、エースともてはやされるフェリックス・ヘルナンデスより、WHIPの数値は優れている」、というのが事実だ。
また、BB/9(9イニングあたりの四球数)においても、ダグ・フィスターは「ア・リーグで最も四球を出さないピッチャーのひとり」であり、シアトルにおいては「ダグ・フィスターは、フェリックス・ヘルナンデスよりも四球を出さないピッチャー」である。

ア・リーグWHIPランキング
(2011年6月1日現在 以下同じ)
2011 American League Standard Pitching - Baseball-Reference.com

Justin Verlander 0.867
Josh Beckett 0.917
Jered Weaver 0.942
Dan Haren 0.990
Josh Tomlin 1.025
Alexi Ogando 1.040
James Shields 1.073
Michael Pineda 1.077
Philip Humber 1.105
David Price 1.112
---------------------
ダグ・フィスター 1.171 15位
ヘルナンデス 1.206 20位


ア・リーグBB/9ランキング
Josh Tomlin 1.1
Dan Haren 1.3
Jeff Francis 1.7
Justin Verlander 1.8
Carl Pavano 1.9
ダグ・フィスター 2.0
Jered Weaver 2.0
David Price 2.0
Mark Buehrle 2.1
Gavin Floyd 2.1
--------------------
ヘルナンデス 2.8(30位)


ついこの間、ダグ・フィスターがグラウンドボール・ピッチャーに変身した、という趣旨の記事を書いた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。

ダグ・フィスターがグラウンドボール・ピッチャーに変身したことの効果は、ア・リーグのHR/9(98イニングあたりの被ホームラン率)ランキングを見るとわかる。
今年のダグ・フィスターは「ア・リーグで最もホームランを打たれにくいピッチャーのひとり」だからだ。
このHR/9の数値においても、フィスターはヘルナンデスを大きく引き離している。

ア・リーグHR/9ランキング
Justin Masterson 0.2
CC Sabathia 0.3
Jered Weaver 0.4
ダグ・フィスター 0.4
Tyler Chatwood 0.6
Brandon Morrow 0.6
C.J. Wilson 0.6
Edwin Jackson 0.6
Josh Beckett 0.6
Philip Humber 0.6
Dan Haren 0.6
-----------------------
ヘルナンデス 0.7


「グラウンドボール・ピッチャー」
「ランナーを出さない」
「ホームランが少ない」
「四球が少ない」
「ストレートのピッチバリューが高い」

これらが今年のダグ・フィスターのピッチングの特徴だが、もちろんこれらは相互に関連している。ゴロが多く、フライを打たれないなら、当然、ホームランは打たれない。四球が少ないから、ランナーが貯まらず、大量失点しない。
そして、「ストレートが使える投手」というのは、ピッチングにおいて、非常に大きなウエイトをもつ。


フィスターのいいデータばかりでなく悪いデータのほうを見てみると、フィスターの成長ぶりがもっとよくわかる。

今シーズンにフィスター打たれたヒット数は139本で、これはア・リーグ14位にもあたる多さ。H/9(9イニングあたりのヒット数)でみても8.6と非常に多く、ほめられたものではない(それでもシアトルで最も多くヒットを打たれている先発投手のは、フィスターではなく、ヘルナンデスの147本だ)
普通これだけヒットを打たれたら、防御率は酷いことになる。実際、H/9が9を越えている、つまり、毎回のようにヒットを打たれるような投手は、マイク・バーリーのような例外を除けば、ほぼ全員が防御率4点台、5点台の投手ばかりだ。

だが、そこまでヒットを打たれているフィスターのERAは3.33で、これはシアトルで最も優れている。
説明しなくてもわかると思うが、これは、彼が打たれた139本のヒットのうち、100本がシングルヒットで、無駄に四球を出してランナーを貯めたり、ホームランを打たれたりすることが少ないためだ。


もしブログ主がGMなら、2000万ドルと40万ドルの似たような成績のピッチャーがいたら、40万ドルのピッチャーのほうをチームに残し、2000万ドルのピッチャーはトレードに出して、課題のバッティングを強化するのに予算を使う。

当然のことだ。

もし逆の行動をとるとしたら、そのGMにはチームを強化するつもりが本当は無いのだ。

Doug Fister 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com

Felix Hernandez 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com







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