August 04, 2011
センターが馬鹿広いヒッターズパークのコメリカパーク、かつ、強打のテキサスとの対戦と、打たれて当たり前みたいな厳しい条件の登板だったが、ダグ・フィスターがデトロイト移籍後初登板を、7回3失点、QSで白星スタートを飾った。
3失点も、ほとんどがエラーがらみ。まったく問題ない。フィスターは打線の援護さえあれば、これからも白星を積み重ねて、ポストシーズンでも登板のチャンスがあることだろう。
Texas Rangers at Detroit Tigers - August 3, 2011 | MLB.com Classic
このゲームでフィスターはテキサス打線に何本かの二塁打を打たれたが、あらかじめ7月31日の記事で指摘しておいたように、これはひとつにはコメリカパークの「センターが異常に広い」という形状によるもの。
このスタジアムではセンター脇にシャープな当たりが飛べば、たいていは二塁打になってしまう。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。
だが、今日のゲームでずっと問題だったのは、センターの広さよりも球審John Tampaneの判定だ。
まぁ、低めとコーナーをまったくとらない、とらない。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool
なお、カウントによって、メジャーのアンパイアがコーナーいっぱいのボールをストライクと判定しない問題については、以下の記事を参照。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月11日、カウント3-0ではゾーンを広げて四球を避け、カウント0-2ではゾーンを狭めて三振を避ける。あらためて明らかになったアンパイアの「故意にゲームをつくる行為」。)
2年くらい前に書いたことだが、テキサスの打者は、ローボールヒッターがほとんどを占める。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:最終テキサス戦にみるロブ・ジョンソンの「引き出し」の豊かさ (1)初球に高めストレートから入る
だから、テキサス相手に勇気をもって投げた低めがことごとくボール判定されてしまうと、ピッチャーは投げる球がなくなって、非常に追い詰められるわけだ。
その追い詰められたシチュエーションを、デトロイトバッテリーは次のような配球でなんとか切り抜けた。
例えば、右打者のインコースに投げるときは、低くはずれるだけではなくて、打者側にボール1個か1個半くらいはずれるボール。アウトコースに投げるときも、低くはずれるのではなくて、ファースト側に外れるボール。
こういうとき、執拗に低めを投げて球審がストライクと言ってくれるのを待っていたのでは、カウントを悪くするばかりで、しかたなく高めにストライクを取りにいって球が浮いたところを痛打されるのがオチ。(=相性のあわないキャッチャーと組んだときのバルガス)
それにしても、今日のデトロイト・テキサス戦に限らず、最近の大半のゲームで、かなりの数の球審が、「低め」をストライクコールしなくなってきている、と、ブログ主は感じている。
今日のゲームでも、左打者が見逃したフィスターの低めの投球のほとんどが「ボール」とコールされている。
何度か書いてきたことだが、MLBでは、イチローがメジャーデビューした2001年に「タテマエの上では」ストライクゾーン改定が実施され、ステロイド時代のゾーンからルールブック通りに近いゾーンに改定された、とされている。
だが、その後の調査で明らかなように、ゾーンは必ずしもルールブック通りにはなっていない。
むしろ正確な言い方としては、「ほぼルールブック通りのゾーンを使うアンパイア」、「異常に狭いゾーンのアンパイア」、「ステロイド時代特有の広いゾーンを使うアンパイア」などと、アンパイアごとに使うゾーンはバラバラ、「ゾーンはアンパイアまかせ」という状況が生まれてしまっている。
それがこのところ、新たに「低めをとらない」という判定傾向が今シーズン、突然に現れて出してきている。
「低め」をストライク判定しないとすると、当然のことながら、打者有利の時代が到来することになる。これは、2001年以降10年ほど続いてきたルールブック通りのゾーンの判定基準への「タテマエ的変更」が、転換期を迎えていることを示しているのだが、この点についてMLB機構が何か発表したわけではない。
だが、明らかに、今シーズンのMLBは、「ステロイド・クリーン」なイチローやプーホールズが代表してきた2000年代の「何か」を、排除、あるいは、過去のものにしようとしていると、ブログ主は常々感じている。
今年のオールスター選出での歪んだ経緯を見てもわかるし、またアンパイアの判定傾向の変化も、MLBが90年代のステロイド時代のごとくの「ホームラン量産時代」に向かって、こっそりと舵を切りつつあるのを感じるのである。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (1)「ステロイド時代のストライクゾーン」と、「イチロー時代のストライクゾーン」の違い。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。
3失点も、ほとんどがエラーがらみ。まったく問題ない。フィスターは打線の援護さえあれば、これからも白星を積み重ねて、ポストシーズンでも登板のチャンスがあることだろう。
Texas Rangers at Detroit Tigers - August 3, 2011 | MLB.com Classic
このゲームでフィスターはテキサス打線に何本かの二塁打を打たれたが、あらかじめ7月31日の記事で指摘しておいたように、これはひとつにはコメリカパークの「センターが異常に広い」という形状によるもの。
このスタジアムではセンター脇にシャープな当たりが飛べば、たいていは二塁打になってしまう。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。
だが、今日のゲームでずっと問題だったのは、センターの広さよりも球審John Tampaneの判定だ。
まぁ、低めとコーナーをまったくとらない、とらない。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool
なお、カウントによって、メジャーのアンパイアがコーナーいっぱいのボールをストライクと判定しない問題については、以下の記事を参照。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月11日、カウント3-0ではゾーンを広げて四球を避け、カウント0-2ではゾーンを狭めて三振を避ける。あらためて明らかになったアンパイアの「故意にゲームをつくる行為」。)
2年くらい前に書いたことだが、テキサスの打者は、ローボールヒッターがほとんどを占める。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:最終テキサス戦にみるロブ・ジョンソンの「引き出し」の豊かさ (1)初球に高めストレートから入る
だから、テキサス相手に勇気をもって投げた低めがことごとくボール判定されてしまうと、ピッチャーは投げる球がなくなって、非常に追い詰められるわけだ。
その追い詰められたシチュエーションを、デトロイトバッテリーは次のような配球でなんとか切り抜けた。
「高めはゾーンぎりぎり、ストライクに。
低めはゾーン外、ボールにする」
例えば、右打者のインコースに投げるときは、低くはずれるだけではなくて、打者側にボール1個か1個半くらいはずれるボール。アウトコースに投げるときも、低くはずれるのではなくて、ファースト側に外れるボール。
こういうとき、執拗に低めを投げて球審がストライクと言ってくれるのを待っていたのでは、カウントを悪くするばかりで、しかたなく高めにストライクを取りにいって球が浮いたところを痛打されるのがオチ。(=相性のあわないキャッチャーと組んだときのバルガス)
それにしても、今日のデトロイト・テキサス戦に限らず、最近の大半のゲームで、かなりの数の球審が、「低め」をストライクコールしなくなってきている、と、ブログ主は感じている。
今日のゲームでも、左打者が見逃したフィスターの低めの投球のほとんどが「ボール」とコールされている。
何度か書いてきたことだが、MLBでは、イチローがメジャーデビューした2001年に「タテマエの上では」ストライクゾーン改定が実施され、ステロイド時代のゾーンからルールブック通りに近いゾーンに改定された、とされている。
だが、その後の調査で明らかなように、ゾーンは必ずしもルールブック通りにはなっていない。
むしろ正確な言い方としては、「ほぼルールブック通りのゾーンを使うアンパイア」、「異常に狭いゾーンのアンパイア」、「ステロイド時代特有の広いゾーンを使うアンパイア」などと、アンパイアごとに使うゾーンはバラバラ、「ゾーンはアンパイアまかせ」という状況が生まれてしまっている。
それがこのところ、新たに「低めをとらない」という判定傾向が今シーズン、突然に現れて出してきている。
「低め」をストライク判定しないとすると、当然のことながら、打者有利の時代が到来することになる。これは、2001年以降10年ほど続いてきたルールブック通りのゾーンの判定基準への「タテマエ的変更」が、転換期を迎えていることを示しているのだが、この点についてMLB機構が何か発表したわけではない。
だが、明らかに、今シーズンのMLBは、「ステロイド・クリーン」なイチローやプーホールズが代表してきた2000年代の「何か」を、排除、あるいは、過去のものにしようとしていると、ブログ主は常々感じている。
今年のオールスター選出での歪んだ経緯を見てもわかるし、またアンパイアの判定傾向の変化も、MLBが90年代のステロイド時代のごとくの「ホームラン量産時代」に向かって、こっそりと舵を切りつつあるのを感じるのである。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (1)「ステロイド時代のストライクゾーン」と、「イチロー時代のストライクゾーン」の違い。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。