August 04, 2011

最初に断っておくと、この話題を取り上げたのは、ダメ捕手城島にも阪神にも巨人にも、まして「城島問題」にもマリナーズにも、まったく関係ない。単に、純粋に「配球論」として面白いから取り上げるだけだ(笑)(そもそも「日本における城島問題」をある意味決着させてくれた藤井捕手を、このブログが罵倒したりするわけがない(笑)ただ、下記の2本のホームランは彼自身の配球ミスで、言い訳できないと思う)


8月3日のナイターのデータで、こんな2本のホームランを見た。僅差のサヨナラゲームの阪神・巨人戦だ。試合を決めた2本のホームランを生んだ配球に、ちょっとした共通点が隠れている。
ちょっと考えてみてもらいたい。

8回裏 高橋由伸 (投手 小林宏)
2011年8月3日 阪神対巨人 高橋由伸ホームラン

9回裏 古城 (投手 藤川)
2011年8月3日 阪神対巨人 古城ホームラン


そう。
タテの変化球の後に、ストレートを投げている


結論を先に書いておくと、こういう1点を争うゲームでの正解は、やはり、こういう常道の配球だっただろうと思う。
ストレートを投げておいて
 同じ軌道に、タテの変化球を落とす


誰ももう覚えてないだろうが(笑)、2年くらい前に、アメリカの非常に優れた野球サイト、Hardball Timesの「カーブを有効に使う方法」についての配球論を紹介したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(4)「低め」とかいう迷信 研究例:カーブを有効にする「高めのストレート」
元資料:Hardball Times
Pitch sequence: High fastball then curveball

Hardball Timesは「最初にストレート、次にカーブを投げようと思うなら、投げるべきなのは、低めのストレートではなく、高めのストレートだ。そのほうが、カーブの落差が生きる」という主旨のことを書いているわけだが、なんでもかんでも低めのボールがいいと主張してばかりいる日本の野球の退屈な配球論と比べると、「高めか! 異常に説得力がある!」と思わず膝を打ったのをよく覚えている。


議論のポイントは簡単だ。
どうしても打者をかわしたい場面で
1 ストレートの後に、変化球
2 変化球の後に、ストレート
どちらが有効か? ということ。


特にもったいないのは、8回裏の高橋由伸のホームラン。

変化球の後に、ストレート」の流れで勝負して同点ホームランされているが、2球目のフォーク(MLBでいうと、スプリッター)を強振されたというのに、なぜ次がストレートなのだろう。

スイングを見たら確信がもてるのだが、たぶん高橋由の2球目の空振りの「意味」は、「フォークを狙った、当てにいく空振り」ではなく、「あくまでストレート系を狙った、強いスイング」だったのではないか?
定かな記憶ではないが、たしかこのバッター、「いざという打席では、決まってストレートに絞っているバッター」だった気がする。
このブログでも、去年10月にたった一度だけ、この高橋由伸というバッターの傾向について記事を書いたことがあったと思うが、あの記事の打席でも「頑固すぎるほどのストレート狙い」でホームランしているはず。
9回の古城にしても、初球のストレートを空振りされたときのスイングスピードで打者の狙いを感じとっておくべきだったように、データは見える。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編


やはり、ここは、「変化球の後に、ストレート」ではなくて、
ストレートの後に、変化球」だったら、結果は違っていたんじゃないか、と考える。

高めのストレートをしつこく投げ続けてファウルさせ、追い込んでおき、最後にフォークを空振りさせる寸法だ。単純なパターンだが、やはり年季が入ったパターンはハズレがない。実はこれ、テキサスに移籍した上原投手のパターンだ(笑)

今日、ダグ・フィスターが勝ったテキサスvsデトロイト戦にも、こういう「ストレートで追い込んで、変化球で三振」パターンがあった。
特に、8回裏に上原が好調ビクター・マルチネスをスッパリ三球三振にうちとった配球は、ちょっと大投手ロイ・ハラデイばりのシンプルさだった。素晴らしいのひとこと。83マイルのスプリッターが89マイルのストレートの軌道にのるとみせかけて落ちていく、それにあわせて、マルチネスのバットが空を切るのが、非常に美しい。

このシンプルな「上原パターン」でも、何度も言ってしつこいようだが、ストレートを低めいっぱいに決めようとばかりすると、今のMLBの球審は低めをぜんぜんとってくれないこともあって、ドツボにはまる。
「高めのストレートを見せておいてから、変化球を低めに投げるからこそ、カーブやスプリッターが利いてくる」のだ。

テキサス対デトロイト 8回表
打者ビクター・マルチネス 投手:上原

2011年8月3日 テキサス対デトロイト 上原の配球

テキサス対デトロイト 4回表
打者ウィルソン・ベテミット 投手マット・ハリソン

2011年8月3日 テキサス対デトロイト マット・ハリソンの配球







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