August 26, 2011

いまアメリカ大西洋岸にはハリケーン「アイリーン」が接近しているわけだが、こういうニュースを見るとあらためて日本とアメリカの大西洋岸、アトランティック・コーストの気候が非常に似ていることに気づかされる。


下の図は、ウォールストリートジャーナル電子版から拝借した地図をさらに加工し、日本とアメリカ大西洋岸を同じ緯度に並べてみたものだ。東側に大きな海があること、偏西風の影響とモンスーンの襲来コースの関係など、日本とアメリカ大西洋岸とで、それぞれの「地勢と気候の関係」が非常に似ていることがよくわかる。
日本の地形とそっくりなアメリカ東海岸
左図 アトランティック・コースト(アメリカ大西洋岸)
右図 日本
N.C.=North carolina
S.C.=South Carolina
左図内の青線=過去の巨大タイフーンの進路
Evacuations Begin Off North Carolina as Irene Strengthens - WSJ.com


日本では10分間平均の最大風速が34ノット、約17m/秒以上の熱帯低気圧を「台風」と呼び、アメリカでは1分間平均の最大風速が64ノット、約33m/秒以上の熱帯低気圧を海域別に「タイフーン」や「ハリケーン」などと呼ぶ
日本の「台風」でいうと、フィリピン沖などで熱帯低気圧が発生して北上しつつ発達し、やがて日本列島に沿って弓なりに北東に進路を変えるわけだが、これがアメリカ東海岸の「ハリケーン」では、島国ドミニカ周辺で発生した熱帯低気圧が北上しつつ発達し、やがてハリケーンとなって、2005年にアメリカのニューオーリンズを襲ったハリケーン・カトリーナのようにガルフコーストからアメリカ南部にかけての地域を襲ったり、今回のアイリーンのようにアメリカ東海岸にそって弓なりに北東に進路をかえていったりする。

日本でいう台風の元になる熱帯低気圧が次々に生産される「巣」である「フィリピン沖」は、緯度でいうと、ちょうどアメリカのハリケーンにおける発生源の「ドミニカ」にあたっている。
また、日本の台風が最初に接近する「九州」にあたっているのが、アメリカでは「フロリダ」、日本の台風が最初に上陸する「四国・東海・関東」は、アメリカでは「フロリダからサウスカロライナにかけて」にあたっている。

ハリケーン「アイリーン」


日本とアメリカ東部の大西洋岸は、陸の形が似ているだけではなくて、「海底の形」も似ている。どちらも広大な大陸棚が広がっているからだ。水深の浅い大陸棚の地形が、海水を温まりやすくさせており、台風やハリケーンの発達の原因となり、日本やアメリカ東海岸における湿潤な気候をもたらしている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月9日、アメリカ東海岸からGulf Coastまでの気候と野球文化に大きな影響を与えている「大陸棚」について、もっとよく知ってみる。
アメリカの大陸棚(更新画像)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月8日、ブログ過去記事を参照しながら味わうドジャース黒田の興味深いコメント (2)西海岸と東海岸、気候の違いと「配球文化」の差。または「湿度が高いとボールが飛ばない」という誤解。


先日、100何十年ぶりかにヴァージニア州で地震があって、アメリカ人を仰天させたわけだが、タイフーンでも、2004年3月26日に今まで一度も熱帯低気圧が発生したことのないブラジル沖で、観測史上初めての台風が発生した。

アメリカでのハリケーンの増加、大型化の原因については、いわゆる「地球温暖化」が原因との指摘がある一方で、そうではない、という指摘もある。
全米科学アカデミー(PNAS)は、2006年の会報で「1970年に比べ海面温度が0.5度上昇したことで、同時期のハリケーン、サイクロンの規模が1.5倍から2倍に押し上げられた」としている。
ENVIRONMENT: New Data Erases Doubt on Storms and Warming - IPS ipsnews.net
だが、別の研究者はスーパーコンピューターによる計算結果をもとに、「海水に急速な温暖化が起きたとしても、ハリケーン増加にはほとんど影響ない」との異説を発表している。
Hurricane expert reconsiders global warming's impact - Houston Chronicle

かつて一世を風靡した「地球温暖化」説にさまざまな異論が唱えられるようになったことで、いまではClimate Change(気候変動)という言い方で、干ばつや異常高温のような現象だけでなく、異常低温、局所的な大雨や大雪などを広く包含するようになってきている。
近年のアメリカのハリケーン増加や大型化の真の原因が何かはともかく、地球温暖化という単純な指摘で、いまの気候変動のすべてを説明できるとは限らないことに気をつけていなければいけないのは確かだ。
だからといって、「今のトレンドは、Climate Change(気候変動)という言い方だよ」とか、さも得意気に指摘して喜んでいるだけでは、巨大ハリケーンによる被害を何も解決できない。
パソコンが買った瞬間から性能的に過去の遺物になって古びていくのと同じで、学説などというものは常に陳腐化するのが普通だ。

研究者でない一般人にとって大事なことは、ネットで読んだ程度の耳学問をふりかざして古びた学説をあれこれ揶揄することではなくて、シンプルに、ハリケーンで被害を受けた人たちに思いを寄せることだ。

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