August 31, 2011

雑なプレーを見るのが死ぬほど大嫌いだ。
敵も味方も、そんなの関係ない。


首位テキサスを猛追するエンゼルスだが、シアトルとの初戦の試合ぶりを見る限り、戦略の緻密さで知られてきたマイク・ソーシアにしてはどこか雑なゲームぶりだったように思えた。本気でテキサスを追い落とす気があるのかどうか、エンゼルスらしさが、どうも伝わってこない。
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - August 29, 2011 | MLB.com Classic

カイル・シーガーが「球種」と「コース」(=スライダー、アウトローが苦手)、キャスパー・ウェルズは「コース」(=インコース、縦の変化が苦手)にバッティングの苦手ポイントのひとつがあるように、マイク・カープの場合、「カウント」が重要ポイントのひとつで、とりわけ「カープは初球打ちが得意で、得点圏にランナーがいるケースでは特に初球を強振してくる」ということを書いたばかりだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月27日、予想通り1ヶ月で燃え尽きたズレンシックとエリック・ウェッジ演出による8月の線香花火大会。1ヶ月で擦り切れるのがわかっているドアマットの取り換えみたいな「マンスリー・リサイクル」の馬鹿馬鹿しさ。


彼のファンの方々にはたいへん申し訳ない言い方だが、高橋尚投手は自分にとって関心のある選手ではないのと、二段モーションに見えてしかたがないのもあって、いままで記事に一度も名前を出したことすらないのだが、この日のピッチングをみるかぎり、正直、雑すぎる
とてもじゃないが、緻密なベースボールで知られたソーシアのエンゼルスが、優勝を狙って負けられないゲームの同点で迎えた終盤に登板させる投手のテンションとは思えない。


8回裏の先頭打者ダスティン・アックリーに、カウント2-2から、雑な4球目を投げた後、5球目に、90マイルの力の無いストレートをど真ん中に投げてツーベースを打たれたのも情けない話だが、マイク・カープへ、よりによって「初球に、インコースの、スライダー」を投げたのは、優勝のために負けられないチームのブルペン投手として正気の沙汰ではない。

どうだ、このブログのカープに対するスカウティングが正しいだろ、とか言いたいから、言うわけではない。カープが「初球打ちの化け物」であることくらい、誰だって数字を見ればわかる。打率がなんと6割を超え、OPSが1.455もあるのだ(AVE.636 OBP.636 SLG.818 OPS1.455 エンゼルス戦前の数値)。そして、インコースと、スライダーが得意。

つまり、だ。
得点圏にランナーがいるケースのカープに「初球、インコース、スライダー」だけは、絶対に投げてはならない球なのだ。そのコースだけ、その球種だけを待ち受けているところに不用意に投げれば、飛んで火にいる夏の虫、そりゃ打たれるに決まってる。

2011年8月29日 8回裏 カープ 2ラン 投手 高橋尚



ホームランを打つまでのカープは、3打席あって、投手は元マリナーズのピニェイロ
ピニェイロのGO/AOは、ビジターでは1.43。つまり8月26日の記事で書いたとおり、ピニェイロは、カープが最も苦手にしているグラウンドボール・ピッチャーなのだ。実際、ピニェイロはカープを3打席で2度ゴロアウトにうちとって、問題なくうちとっている。
ピニェイロはカープに、初球に一度もインコースを投げていないし、スライダーも投げていない。きちんとスカウティングを守っている。
ピニェイロのカープの初球の球種とコース
1回2死  アウトコースのシンカー 外野ライナー アウト
3回2死1塁 アウトコース低めのカーブ ボール
5回2死3塁 真ん中低めのシンカー ファウル

5回の2死3塁、つまり得点圏にランナーのいるシチュエーションでは、カープは予想どおりピニェイロの初球をスイングしている(ファウル)。やはり、カープは初球を執拗に狙っている打者のは間違いない


ついでにいうと、カープに2ランを浴びた後の高橋尚のピッチングもよくない。
オリーボにヒットを許し、ソーシアは次のキャスパーを敬遠させ、1死1、2塁にしてダブルプレーをとりにいった。
この場面で高橋尚は「ストレート系ヒッター」カイル・シーガーに、ストレートを初球、3球目と投げている。3球目のストレートは少し浮いていて、タイムリーを打たれても不思議ではなかった。カープへの「初球、インコース、スライダー」といい、なんでこう配球に厳しさがないのだろう。
この打席、最後は、このブログのスカウティングどおり、シーガーが大の苦手にしている「アウトローのスライダー」で三振させているのだが、どうも高橋尚投手は、きちんと相手打者のスカウティングをきちんと反映して投げているとは思えない。

2011年8月29日 8回裏 シーガー三振 投手 高橋尚


追記: 2011.8.30
これはおまけ。翌日30日のゲームから、カイル・シーガーの4回裏のダブルプレー打。やはりシーガーは「アウトロー」が苦手。

2011年8月30日 4回裏 シーガー ダブルプレー


こういう形でスカウティングが当たっても、ちっともうれしくない。スタメンがだいぶ入れ替わってエンゼルスの野球も変質してきてしまっているのわかるが、それでもやはり、エンゼルスらしくないエンゼルスは、できることなら見たくない。
どうせならキャッチャー出身のソーシアがベンチからすべての配球のサインを出してでも、グウの音も出ないスカウティングで、得意不得意のハッキリしているシアトルの実力不足の若手くらい、ビシッとうちとってもらいたいものだ。


追記 2011.9.2
エンゼルスは上に書いたシアトル4連戦の後、アナハイムに戻って、ミネソタとの連戦を戦っているのだが、初戦を5-12で落としている。
高橋尚は、このゲームの8回無死満塁のピンチで登場したのだが、1死をとった後、ミネソタの9番打者ドリュー・ビュテラという新人キャッチャーに2点タイムリーを浴び、記録上は自責点1だが、実際には3点の失点をしている。
ビュテラという打者は、打率.168という超低打率の「打たれてはいけない」打者。データでみるかぎり、ビュテラのホットゾーンは「真ん中低め」だけしかない。
だが、高橋尚は、その「真ん中低めだけしか打てない打者」に、カウント2-2からわざわざ「最も得意な真ん中低め」を投げ、2点タイムリーを打たれてしまうのだから、いくらデータが少ない新人打者とはいえ、軽率だったと言われても言い訳のしようがない。
真ん中低めに投げてしまったのが、意図的なのか、コントロールミスだったのかどうかはわからないが、この打者のスタッツを見るかぎり、他に簡単に打ちとれる球があったはずだ。
Drew Butera Hot Zone | Minnesota Twins | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN

Minnesota Twins at Los Angeles Angels - September 2, 2011 | MLB.com Classic

ドリュー・ビュテラのホットゾーン

2011年9月2日 LAA対MIN 投手高橋尚 打者ビュテラ




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