March 06, 2012

まぁ、この記事を読む前に、ブライス・ハーパーの体格について、念を押しておこう。6フィート3インチ(約190.5cm)、225ポンド(約102.1kg)。
Nationals Buzz: Bryce Harper channels ... Ichiro?


グレープフルーツリーグで既に7打数4安打と好調のハーパーだが、打ったヒットが、ホームランでも目の覚めるようなライナーでもなかったことから、ナッツのビート・ライターにいちいちインタビューされた。スター候補もいろいろと大変なのだ(笑)
(Natsはナショナルズの略。球団名を短縮するタイプのニックネームには他に、Cards、Yanks、Pads、BoSox、ChiSox、Tiggs、Rocks、Philsなどがある)
List of baseball team nicknames - Wikipedia, the free encyclopedia
History of baseball team nicknames - Wikipedia, the free encyclopedia


まぁ低迷を続けてきたチームが今後浮上するかどうか、ストラスバーグやジマーマンと並んで、命運のかかった選手のひとりだけに、ナッツのビート・ライターが長打を期待したくなる気持ちもわからないでもない。
だが、当の19歳ブライス・ハーパーは、というと、「500フィート(=約152.4メートル)飛ぼうが、20フィートだろうが、ヒットはヒットさ。」と、どこ吹く風で笑い飛ばした(笑)

"They're hits. That's all that matters," Harper said following tonight's game. "If they're on the ground, through the hole, up the middle or anything like that, they're hits. That's all that matters to me. It doesn't really matter if it goes 500 feet or if it goes 20 feet. If it's a hit, it's a hit."

The 6-foot-3, 225-lb. Harper channeled Mariners outfielder Ichiro Suzuki (who checks in at 5-foot-11, 170 lbs.) by getting somewhat of a running start in the box(一部略)

"I tried to Ichiro it," a smiling Harper said. "I just tried to put the bat on the ball, and it happened and I just started running."


ここでいうIchiroという単語は、人の名前、つまり名詞として使われているのではなくて、「イチローのようにヒットを打つ」という意味の動詞として使われている。

では、「イチローのようにヒットを打つ」とは、この場合どういう意味か。

この記事を書いたライター自身も running start in the box 「ボックスの中で走りながら」と書いているが、なによりブライス・ハーパー自身が解説してくれている。

it happened and I just started running. 
「バットにボールが当たった瞬間に走り出すのさ」



上の記事を書いたナッツのビート・ライターは、ハーパーなりのユーモアがわからなかったらしく、記事に Bryce Harper channels ... Ichiro? なんてわけのわからないタイトルをつけてしまっているわけだが、もちろん、ハーパーのコメントを、彼が将来イチロー風のプレースタイルを目指しているとか、そういう意味でとる必要はない。
ハーパーは、スプリングトレーニングでちょっとホームランやライナーが出ないだけで、いちいちやきもきする地元メディアの「せっかちさ」を軽くおちょくってみせているだけのこと。

だが、まぁ、その一方では、「僕にはどんなプレースタイルだってできる。例えばタイプが違うと思われているイチローのようなプレースタイルだって、できるんだ。だから記者さん、細かいことを気にしなさんな」という、自負の現れとでもいう面も見え隠れしているし、また、イチローのようなスピード溢れるプレースタイルについて、彼が一定の敬意も持ち合わせていることもわかる。


何がブライス・ハーパーらしいヒットか、とか、体格のいい選手は全員ホームランを狙えとか、そういうわけのわからない決め事を増やして、いちいち選手を自分の価値観で縛りたがるのは、メディアのライターや重箱の隅をつつきたいファンの側であって、実際にグラウンドでプレーして、常に結果を求められているプレーヤー当人にはまるで関係ない。雑音でしかない。
そのことに、いい加減、日本のメディアやファンも気づいてもいい頃だ。


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