August 10, 2012
デトロイトとの最終戦のアンパイアの布陣は、こんな感じ
まぁ、なんつか、なんとなくジョー・ジラルディの退場(5回目)も起こりうるような、問題児アンパイア軍団ではある(笑) 実際、球審の判定の片寄りにも泣かされ続けたシリーズでもあった。
HP: Todd Tichenor
1B: Tony Randazzo
2B: Bob Davidson
3B: Tim Welke
New York Yankees at Detroit Tigers - August 9, 2012 | MLB.com Box
Damejima's HARDBALL:Todd, Tichenor を含む記事
Damejima's HARDBALL:2011年8月13日、退場データのみを扱った個性的サイトにみる「トラブルメーカーのアンパイアは、やはり退場者数も多い」というデータ。
Close Call Sports は、前にも一度紹介したが、アメリカのプロスポーツの「退場処分」だけを集めたサイトで、Pitchf/xデータで名高いBrooks Baseballと並んで、ブログ主のお気に入りのサイトのひとつ。どのアンパイアが、今年何回退場させているか、なんてことも簡単に調べられる。
これだけニッチな出来事にこだわりぬいたサイトというのも、なかなかない。ケタはずれのデータマニアの数多くいるアメリカならではのサイトといえる。
当然ながら、今日のジラルディの退場もさっそく記事になっている。
Close Call Sports: Ejection 114: Tim Welke (1)
今日の試合を見てなかった人のために書いておくと、
">イチローのタイムリーなどでヤンキースが2点をリードして迎えた5回裏、先発黒田がアレックス・アビラに2ランを打たれてしまい、同点になった。
その後、アウト2つとシングルで、2死1塁。ここでアンディ・ダークスに、アウトコース低めのシンカーを、レフト線にタイムリ・ツーベースを打たれた。
このツーベースは、物理的には、よく見るとオンラインであり、「フェア」という判定自体は結果的には正しい。
だが、いけないのは、三塁塁審Tim Welkeが、判定に迷って、途中で判定を変えたことだ。
MLB公式サイトの動画ではわかってもらえないのが残念だが、Tim Welkeは、最初にファールのジェスチャーをした。それから右腕を直覚にした不可思議なポーズ(これは以下の写真を参照)になったまましばらく硬直して、それから急に判定を変え、激しく「フェア」のジェスチャーをした。
途中でコールを変えられたら、レフトが誰であっても対応なんてできない。
動画:Baseball Video Highlights & Clips | NYY@DET: Girardi tossed for dirsputing a call - Video | MLB.com: Multimedia
ヤンキースのレフトは今日は、ラウル・イバニェスで、運の悪いことに、守備の天才イチローではなかった。
イバニェスは、当然ながら、塁審のファウルのジェスチャーを見ていたから、初動が遅れ、おまけに、ボールが手につかずにもたついてしまい、結果的に1塁ランナーがホームインしてしまった、というわけ。
Tim Welke というと、今年5月2日のドジャース対ロッキーズのゲームで、ジェリー・へアストンの三遊間のゴロをダイビングキャッチした三塁手からの送球が、右へ大きくそれたので、塁を離れて腰をかがめてボールをキャッチした一塁手トッド・ヘルトンの足が明らかにベースから離れていたにもかかわらず、「アウト」判定をするという誤判定事件を起こしている。
May 2, 2012 Los Angeles Dodgers at Colorado Rockies Play by Play and Box Score - Baseball-Reference.com
Tim Welke makes one of the worst calls you’ve ever seen in baseball | Big League Stew - Yahoo! Sports
このときの判定について、後日のゲームでTim Welkeはへアストンに謝罪するのだが、性格のいいへアストンは「あの角度じゃ見えなかっただろうし、しかたがないよ」と謝罪を受け入れている。
まぁ、いろいろな意見があるだろうが、このへアストンの一件にしても、性格の悪いブログ主に言わせれば、わざわざ「一塁手の足が見えづらいポジションにいるTim Welke」が悪い。
写真から見るかぎり、このときTim Welkeのとったポジションは、基本の「三塁手の送球に対して直角となる位置」ではなくて、セカンドの守備位置寄りの、やや斜め前方の角度から見ている。そのため、そもそも最初から一塁手の足は見えにくい。
これは、おそらく、クロスプレーを予測して、体を目一杯伸ばして捕球するであろう一塁手のファーストミットに、いつボールが収まるのかを見きわめたいという理由でそうしているのだろうが、だとしたら、一塁手のトッド・ヘルトンの前足があれほど深い角度で折れ曲がっていることから、ヘルトンの左足がベースから大きく離れていることを類推すべきだ。もし、そうでないなら、もっと違う角度、つまり、ヘルトンの足も見える角度から判定すべきだろう。
今日のレフト線のオンラインの当たりの判定を迷ったことも考え合わせると、もしかしてTim Welke、遠くがあまりよく見えてないんじゃないか? とさえ思わせるフシがあった。
アーマンド・ガララーガの完全試合をぶち壊したジム・ジョイスの例の世紀の大誤審にしても、アンパイアの位置から見ると、1塁主とランナーは多少重なって見える(下の写真)。だが、同じシチュエーションを、こんどは1塁スタンド側から見ると、ランナーがアウトであることに異議を挟む余地はない。
つまり、1塁塁審は必ずしもベストポジションにいてくれるとは限らないのだ。
だが、ファーストミットにボールが収まる瞬間のタイミング中心にだけ見て判定していればすむのなら、アンパイアなんていらない。1塁塁審はもっと頭と足を使って、自分がファーストのプレイを見る角度を工夫すべきだ。
だが、まぁ、そんな細かいことより、大事なことは、ジョー・ジラルディが「ファイト」していることだ。彼はいま、「ファイトする選手」を求めてもいる。
ヤンキースというチームは、非常にテンションが高く、いわば「高気圧なチーム」であると同時に、どういうものか、気圧の非常に高い自転車のタイヤ、例えばロードレーサーの固いチューブラータイヤにピンホールが開いて圧力が抜けていってしまうように、突如として気の抜けたプレーが続くことが往々にしてある。
それは例えば、タイムリー欠乏症、内外野の守備の乱れ、粘りのないバッティング、気の抜けた併殺打の山、バッテリーの単調でワンパターンな配球などが、それにあたる。これらの「低気圧ヤンキース」は、このチームが打撃重視で構成されたチームであることとは関係ない。単に意識の問題だろう。
Yankees Beat Tigers, but Anxiety Persists - NYTimes.com
ジョー・ジラルディがいま選手に求めていることは、おそらく細かいミスを減らすことじゃなく、単純に、ファイトすること、最後まで諦めないことだ。たぶんその結果としてミスも減ると思っているんじゃないか。
ファイトすることの大事さはよくわかるし、イチロー移籍以降でいうと、デトロイト戦ではだいぶ改善されてきた。
チーム全体でいえば、タイムリーが出るし、バッティングに粘りも出てきて、無気力な併殺打も減ってきた。
イチローにしても、バッティング面で打点が増えているのはもちろん、捕れるとは限らないのに、ホームランを追いかけてコメリカパークのフェンスによじのぼっているのも素晴らしい。
いまヤンキースの低気圧さがいまだに表れていて気になるのは、内外野の守備の乱れと、単調でワンパターンな配球という守備面くらいだ。
もしイチローが2人いてくれれば、ヤンキースのライトとレフトを同時に守れるのにと思っている日本のイチローファンはきっと多いことだろう(笑)
ファイトする姿勢を選手に伝える方法のひとつとして、気にくわないプレーにデカい声で抗議して退場してみせる、というシンプルな手法は、ブログ主はたいへんに好きだ。監督という職業の人は多少は熱くなれるようでなくちゃ、と思う。
3ボールで四球になっても、何をされても、黙ったまま負けている西海岸の無口なヘボ監督より、100万倍マシだ。
Damejima's HARDBALL:2011年7月9日、Sam Holbrookのミスジャッジで試合は台無しになったと、語ったエリック・ウェッジは、「気づいた」のか。それとも、「気づかない」のか。
Damejima's HARDBALL:2011年7月24日、みずから牙を抜いて相手にさしだしてチームに「負け犬メンタリティ」をたっぷり塗りこめた「負け犬指導者」エリック・ウェッジの「3ボール四球黙認事件」を批判する。
Damejima's HARDBALL:2011年7月26日、無死満塁の押し出しのかかった判定で、球審ボブ・デービッドソンの問題判定に泣かされたアダム・ケネディ。抗議すらしない弱気なエリック・ウェッジ。
まぁ、なんつか、なんとなくジョー・ジラルディの退場(5回目)も起こりうるような、問題児アンパイア軍団ではある(笑) 実際、球審の判定の片寄りにも泣かされ続けたシリーズでもあった。
HP: Todd Tichenor
1B: Tony Randazzo
2B: Bob Davidson
3B: Tim Welke
New York Yankees at Detroit Tigers - August 9, 2012 | MLB.com Box
Damejima's HARDBALL:Todd, Tichenor を含む記事
Damejima's HARDBALL:2011年8月13日、退場データのみを扱った個性的サイトにみる「トラブルメーカーのアンパイアは、やはり退場者数も多い」というデータ。
Close Call Sports は、前にも一度紹介したが、アメリカのプロスポーツの「退場処分」だけを集めたサイトで、Pitchf/xデータで名高いBrooks Baseballと並んで、ブログ主のお気に入りのサイトのひとつ。どのアンパイアが、今年何回退場させているか、なんてことも簡単に調べられる。
これだけニッチな出来事にこだわりぬいたサイトというのも、なかなかない。ケタはずれのデータマニアの数多くいるアメリカならではのサイトといえる。
当然ながら、今日のジラルディの退場もさっそく記事になっている。
Close Call Sports: Ejection 114: Tim Welke (1)
今日の試合を見てなかった人のために書いておくと、
If Ichiro keeps doing things like this, #Yankees fans will be very, very happy: atmlb.com/QJG0h0
">イチローのタイムリーなどでヤンキースが2点をリードして迎えた5回裏、先発黒田がアレックス・アビラに2ランを打たれてしまい、同点になった。
その後、アウト2つとシングルで、2死1塁。ここでアンディ・ダークスに、アウトコース低めのシンカーを、レフト線にタイムリ・ツーベースを打たれた。
このツーベースは、物理的には、よく見るとオンラインであり、「フェア」という判定自体は結果的には正しい。
だが、いけないのは、三塁塁審Tim Welkeが、判定に迷って、途中で判定を変えたことだ。
MLB公式サイトの動画ではわかってもらえないのが残念だが、Tim Welkeは、最初にファールのジェスチャーをした。それから右腕を直覚にした不可思議なポーズ(これは以下の写真を参照)になったまましばらく硬直して、それから急に判定を変え、激しく「フェア」のジェスチャーをした。
途中でコールを変えられたら、レフトが誰であっても対応なんてできない。
動画:Baseball Video Highlights & Clips | NYY@DET: Girardi tossed for dirsputing a call - Video | MLB.com: Multimedia
ヤンキースのレフトは今日は、ラウル・イバニェスで、運の悪いことに、守備の天才イチローではなかった。
イバニェスは、当然ながら、塁審のファウルのジェスチャーを見ていたから、初動が遅れ、おまけに、ボールが手につかずにもたついてしまい、結果的に1塁ランナーがホームインしてしまった、というわけ。
Tim Welke というと、今年5月2日のドジャース対ロッキーズのゲームで、ジェリー・へアストンの三遊間のゴロをダイビングキャッチした三塁手からの送球が、右へ大きくそれたので、塁を離れて腰をかがめてボールをキャッチした一塁手トッド・ヘルトンの足が明らかにベースから離れていたにもかかわらず、「アウト」判定をするという誤判定事件を起こしている。
May 2, 2012 Los Angeles Dodgers at Colorado Rockies Play by Play and Box Score - Baseball-Reference.com
Tim Welke makes one of the worst calls you’ve ever seen in baseball | Big League Stew - Yahoo! Sports
このときの判定について、後日のゲームでTim Welkeはへアストンに謝罪するのだが、性格のいいへアストンは「あの角度じゃ見えなかっただろうし、しかたがないよ」と謝罪を受け入れている。
"He said he was sorry," Hairston said. "He's been a really good umpire for a long time and, you know what, obviously because of the angle he didn't see it.
Hairston receives apology from umpire | dodgers.com: News
まぁ、いろいろな意見があるだろうが、このへアストンの一件にしても、性格の悪いブログ主に言わせれば、わざわざ「一塁手の足が見えづらいポジションにいるTim Welke」が悪い。
写真から見るかぎり、このときTim Welkeのとったポジションは、基本の「三塁手の送球に対して直角となる位置」ではなくて、セカンドの守備位置寄りの、やや斜め前方の角度から見ている。そのため、そもそも最初から一塁手の足は見えにくい。
これは、おそらく、クロスプレーを予測して、体を目一杯伸ばして捕球するであろう一塁手のファーストミットに、いつボールが収まるのかを見きわめたいという理由でそうしているのだろうが、だとしたら、一塁手のトッド・ヘルトンの前足があれほど深い角度で折れ曲がっていることから、ヘルトンの左足がベースから大きく離れていることを類推すべきだ。もし、そうでないなら、もっと違う角度、つまり、ヘルトンの足も見える角度から判定すべきだろう。
今日のレフト線のオンラインの当たりの判定を迷ったことも考え合わせると、もしかしてTim Welke、遠くがあまりよく見えてないんじゃないか? とさえ思わせるフシがあった。
アーマンド・ガララーガの完全試合をぶち壊したジム・ジョイスの例の世紀の大誤審にしても、アンパイアの位置から見ると、1塁主とランナーは多少重なって見える(下の写真)。だが、同じシチュエーションを、こんどは1塁スタンド側から見ると、ランナーがアウトであることに異議を挟む余地はない。
つまり、1塁塁審は必ずしもベストポジションにいてくれるとは限らないのだ。
だが、ファーストミットにボールが収まる瞬間のタイミング中心にだけ見て判定していればすむのなら、アンパイアなんていらない。1塁塁審はもっと頭と足を使って、自分がファーストのプレイを見る角度を工夫すべきだ。
だが、まぁ、そんな細かいことより、大事なことは、ジョー・ジラルディが「ファイト」していることだ。彼はいま、「ファイトする選手」を求めてもいる。
ヤンキースというチームは、非常にテンションが高く、いわば「高気圧なチーム」であると同時に、どういうものか、気圧の非常に高い自転車のタイヤ、例えばロードレーサーの固いチューブラータイヤにピンホールが開いて圧力が抜けていってしまうように、突如として気の抜けたプレーが続くことが往々にしてある。
それは例えば、タイムリー欠乏症、内外野の守備の乱れ、粘りのないバッティング、気の抜けた併殺打の山、バッテリーの単調でワンパターンな配球などが、それにあたる。これらの「低気圧ヤンキース」は、このチームが打撃重視で構成されたチームであることとは関係ない。単に意識の問題だろう。
Yankees Beat Tigers, but Anxiety Persists - NYTimes.com
ジョー・ジラルディがいま選手に求めていることは、おそらく細かいミスを減らすことじゃなく、単純に、ファイトすること、最後まで諦めないことだ。たぶんその結果としてミスも減ると思っているんじゃないか。
ファイトすることの大事さはよくわかるし、イチロー移籍以降でいうと、デトロイト戦ではだいぶ改善されてきた。
チーム全体でいえば、タイムリーが出るし、バッティングに粘りも出てきて、無気力な併殺打も減ってきた。
イチローにしても、バッティング面で打点が増えているのはもちろん、捕れるとは限らないのに、ホームランを追いかけてコメリカパークのフェンスによじのぼっているのも素晴らしい。
If Ichiro keeps doing things like this, #Yankees fans will be very, very happy: atmlb.com/QJG0h0
— New York Yankeesさん (@Yankees) 8月 9, 2012
いまヤンキースの低気圧さがいまだに表れていて気になるのは、内外野の守備の乱れと、単調でワンパターンな配球という守備面くらいだ。
もしイチローが2人いてくれれば、ヤンキースのライトとレフトを同時に守れるのにと思っている日本のイチローファンはきっと多いことだろう(笑)
ファイトする姿勢を選手に伝える方法のひとつとして、気にくわないプレーにデカい声で抗議して退場してみせる、というシンプルな手法は、ブログ主はたいへんに好きだ。監督という職業の人は多少は熱くなれるようでなくちゃ、と思う。
3ボールで四球になっても、何をされても、黙ったまま負けている西海岸の無口なヘボ監督より、100万倍マシだ。
Damejima's HARDBALL:2011年7月9日、Sam Holbrookのミスジャッジで試合は台無しになったと、語ったエリック・ウェッジは、「気づいた」のか。それとも、「気づかない」のか。
Damejima's HARDBALL:2011年7月24日、みずから牙を抜いて相手にさしだしてチームに「負け犬メンタリティ」をたっぷり塗りこめた「負け犬指導者」エリック・ウェッジの「3ボール四球黙認事件」を批判する。
Damejima's HARDBALL:2011年7月26日、無死満塁の押し出しのかかった判定で、球審ボブ・デービッドソンの問題判定に泣かされたアダム・ケネディ。抗議すらしない弱気なエリック・ウェッジ。
イギリスの400mランナー、デレク・レドモンドは、1988年ソウルオリンピック出場を怪我でフイにするが、親子で努力を重ね、1992年のバルセロナオリンピックで優勝候補の一角として陸上男子400mに出場したが、レース途中、突然ハムストリングの故障にみまわれ、走れなくなる。
だが、やがてデレクは静止を振りきって立ち上がり、足をひきずりながらゴールを目指した。ゴール前100mでは、係員の静止を振り切ってコースに飛び出してきた父ジム・レドモンドが息子に肩を貸し、親子は65000人の観衆のスタンディング・オベーションの中、ゴールラインを越えた。
このときの光景は後に、2008年北京オリンピックのVISA cardのコマーシャルに採用され、俳優モーガン・フリーマンがナレーションを務めた。デレクは陸上引退後もアスリートとして、バスケットと7人制ラグビーのイギリス代表選手となった。また父親ジムは、2012年ロンドンオリンピックの聖火ランナーのひとりに選ばれた。