August 22, 2012

父親とベースボール」という、ただでさえややこしいシリーズの最後のしめくくりの記事を書いているところなので、余計なことに頭を使いたくない。
だが、ホワイトソックス戦のヤンキースバッテリーの配球が、あまりにも幼稚で腹が立つので、しかたなく中断して、書きたくもない記事を書いている。


ハッキリ言わせてもらって、
こんな低レベルの配球の話を、なぜいま書かなきゃならないのか。時間の無駄もいいところだ。こんな簡単なミスを繰り返しているというのに、すぐに対策が打てないというのも、まったく理解できない。

ヤンキースバッテリーはなぜ、もっときちんと対戦相手のスカウティングをきちんと頭に入れ、なおかつ、度胸をすえて、バッターと対戦しないのか
(この記事は、いま現在進行中の第2戦を横目で見つつ書いているのだが、ケビン・ユーキリスアウトコース低めの球を満塁ホームランされたところだ。ヤンキースバッテリーには、「おまえら、アホか」と言いたい。7回裏のベッカムとワイズのヒットも、どちらもアウトコース。8回裏のピアジンスキーの三塁打も、ベッカムのタイムリーも、アウトコース。原因がわからないほうが、どうかしてる)

いまのヤンキースのバッテリーは、工夫も無ければ、度胸も無いのだから、打たれて当たり前だ。

第1戦:New York Yankees at Chicago White Sox - August 20, 2012 | MLB.com Classic

第2戦:New York Yankees at Chicago White Sox - August 21, 2012 | MLB.com Gameday



多くを語る必要はないだろう。
以下のデータを見てもらいたい。

ヤンキースバッテリーは、ランナーがたまってピンチになるとか、配球に困るとかすると、必ずといっていいほど、アウトコースいっぱいの球を投げてくる。そこを「アウトコースの球が大好物」のホワイトソックス打線に痛打されている、ただそれだけなのである。
「アウトコースなら打たれずに済む」とでも思っているのかもしれないが、自分がいま対戦しているのが、「アウトコースだけを待って、大きく踏み込んでくる特殊な打線のチーム」なのを忘れている。


ホワイトソックスの打者は、たしかにホームランの打てる打者が揃っている。だが、「どんなコースでも打てる器用なバッター」が揃っているわけではない。
例えば、死ぬほど低打率のホームランバッター、アダム・ダンが、「インコースが死ぬほど苦手な、偏ったバッター」であることくらい、調べりゃ、誰だってわかる。(コースと球種に大きなムラがある、得意不得意がハッキリあるからこそ、アダム・ダンは低打率なのだ)
このムラのあるバッターに、どういう理由で最も得意なアウトコースの球を投げるのか?

左打者アダム・ダンのホットゾーン左打者アダム・ダンの
ホットゾーン

インコースが真っ青な、左打者アダム・ダン。

右打者ケビン・ユーキリスのホットゾーン右打者ケビン・ユーキリスの
ホットゾーン

インコースが真っ青なユーキリス。左打者アダム・ダンをきれいに裏返したようなほーとゾーンなのが、ひとめでわかる。


他のバッターにしたって、彼らのホットゾーンをちょっと調べてみればわかるように、ホワイトソックス打線に「どんなコースでも打てる器用なバッター」など揃ってはいない。
むしろ、ホワイトソックス打線は「インコースの球を腕をたたんで振り抜けるようなバットコントロールの器用さが無いために、腕をおもいきり伸ばしたまま、力いっぱいバットを振り回せるアウトコースだけを待ち続けている不器用なバッター」がズラリと並んでいるだけである。


同じホームランバッターでも、ホワイトソックス打線のように、アウトコースの得意なバッターばかりではなくて、インコースを得意にしているスラッガーはたくさんいる。また、テキサスのように、「低めを大得意にしている打線」もある。(このことについては一度書いたことがある)
Damejima's HARDBALL:最終テキサス戦にみるロブ・ジョンソンの「引き出し」の豊かさ (1)初球に高めストレートから入る

例えば、テキサスのジョシュ・ハミルトンは、常にインコースを待っていることはわかりきっている。また、ボストンのエリドリアン・ゴンザレスは、常にインコースから真ん中に流れるフロントドア・2シームの失投を待っている。イチローがホームランを打つ場合も、たいていはインコースだ。
インコースが苦手でアウトコース待ちをしているアダム・ダンと比較すれば、ホームランバッターの待ち球にそれぞれ違いがあることは、小学生でもわかる。

だからこそ、ジョシュ・ハミルトンをうちとる場合、追い込んでおいて、アウトコース低めに逃げる変化球を投げておけば、簡単に三振がとれるのだし、そのアウトコース低めの変化球の苦手なハミルトンに、何も考えずにインコースのストレートを投げようとするシアトルのピッチャーや、ラッセル・マーティンはアホだと、このブログでは常に言い続けてきているのである。


(以下、2012年8月20日ヤンキース対ホワイトソックス戦から)

2012年8月20日 5回裏 ドウェイン・ワイズ ホームランアウトコース高め
シンカー


5回裏
ドウェイン・ワイズ
ホームラン
(投手ガルシア)


2012年8月20日 5回裏 ケビン・ユーキリス シングルアウトコース高め
スライダー


5回裏
ケビン・ユーキリス
シングル
(投手ガルシア)


2012年8月20日 5回裏 ピアジンスキー タイムリーアウトコースいっぱい
シンカー


5回裏
ピアジンスキー
タイムリー
(投手ラパダ)


2012年8月20日 5回裏 ダヤン・ビシエド タイムリーアウトコース低め
4シーム


5回裏
ダヤン・ビシエド
タイムリー
(投手チェンバレン)


2012年8月20日 6回裏 ゴードン・ベッカム ホームランアウトコース高め
4シーム


6回裏
ゴードン・ベッカム
ホームラン
(投手チェンバレン)


2012年8月20日 7回裏 アラミス・ラミレス ホームランアウトコースいっぱい
スライダー


7回裏
アラミス・ラミレス
ホームラン
(投手ローガン)


2012年8月20日 8回裏 アダム・ダン ホームランアウトコースいっぱい
シンカー


8回裏
アダム・ダン 
ホームラン
(投手デレク・ロウ)


---------------------------------------------

おまけ
2012年8月21日ホワイトソックス戦

2012年8月21日 ケビン・ユーキリス 満塁ホームランアウトコースいっぱい
4シーム


5回裏
ケビン・ユーキリス
満塁ホームラン
(投手ノバ)
New York Yankees at Chicago White Sox - August 21, 2012 | MLB.com Classic

---------------------------------------------

おまけ
2012年8月27日トロント戦

2012年8月27日 トロント戦9回表 ラスムス 3ランHRアウトコース低め
スライダー

9回表
コルビー・ラスムス
逆転3ランホームラン
(投手ソリアーノ)
Toronto Blue Jays at New York Yankees - August 27, 2012 | MLB.com Classic



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