September 08, 2013

東京開催を示すIOCロゲ会長

IOC ロゲ会長は、2020年夏季五輪が東京に決まったことについて、投票直前に行われ、東京開催を決定づけたといわれる安倍首相のスピーチを念頭に置きつつ、「オリンピックの価値を高め、同時に、次世代にスポーツの意義を伝えるためのイベントとして、よく計画され安全なオリンピックを開催する。そういう“明日を見つける” 招待だった」と語ったが、この発言の「オリンピック」という部分を「野球」に置き換えて読むと、なかなか面白い。


例えば今のヤンキースだが、一部メディアや関係者は、あいもかわらずヤンキースが勝つことこそMLB全体の至上命令であるとか思っているかもしれないが、もし「今の」ヤンキースが勝つことが「野球の価値を高め、同時に、次の世代に野球の意義を伝え、広める」ことだと思っているとしたら、それは単なる見識の無さ、もしくは、思い上がりに過ぎない。

たとえば、エリック・クラプトンを素晴らしいブルース・ミュージシャンのひとりだと考えることは別に構わない。だが、クラプトンがブルースの全て、などと考えるのは、明らかに間違っている。同じように、ヤンキースは確かに素晴らしい野球チームのひとつではある。だが、ベースボールの全て、ではない。


「今のままのヤンキース」が勝ち続けてポストシーズンに進出したとしても、次世代の野球、そして次世代のヤンキースに、何も残りはしない。

野球というスポーツは、新しい時代を迎えようとしている。パワーとともに、分析力に裏付けられた集中力を攻守に兼ね備えたチームが躍進を遂げつつある。
野球はもはや、カネとステロイドにモノをいわせれば勝てる「マネーゲーム」ではないし、かといって、OPSのようなデタラメ指標を作った数字オタクが支配する「数字ゲーム」でもない。

ひるがえって、2013年ヤンキース野球は、インテリジェンスの裏付けを欠いた古い野球だ。その戦略的な粗さ、計画性の無さ、場当たり的な選手獲得、状況分析力の無さ、守備の軽視、無駄に使われ続ける予算執行のだらしなさ、PEDに関する態度の曖昧さ。むしろ、ヤンキースがそれら全てを改めることこそ、「野球の価値を高め、次の世代に野球の意義や面白さを伝える」ことになる。


ヤンキースは、自らが次世代に向けて生まれ変わるべきターニングポイントに来ていることを、もっと自覚すべきだ。それをきちんと考えるなら、いまジョー・ジラルディがやっているような野球は、From-Hand-To-Mouth-Baseballであり、こんな「毎日毎日、場当たり的なこと」ばかりやっているヤンキースが、次世代ヤンキースが育つ契機になるわけがない。


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