July 08, 2014

2014年7月5日 ミネソタ戦イチロー見逃し三振
出典:Brooks Baseball
http://www.brooksbaseball.net/pfxVB/pfx.php?s_type=3&sp_type=1&year=2014&month=7&day=5&pitchSel=450282&game=gid_2014_07_05_nyamlb_minmlb_1/&prevGame=gid_2014_07_05_nyamlb_minmlb_1/&prevDate=75&batterX=65

7月5日のミネソタ戦9回表に、球審Marty Fosterの誤審による「アウトコース低め」の判定で見逃し三振させられた(投手:グレン・パーキンス)ことが火をつける形で、翌日、7月6日のミネソタ戦でイチローは、「すべて初球を、レフト前ヒット3本」を放ってみせた。ほんと、負けず嫌いな男ではある(笑)

特に面白かったのは、4回、先頭打者でて初球アウトコース低めをレフト前に打ち返したヒット。イチローは、ミネソタのリリーフ、アンソニー・スウォーザクが問題の「アウトコースの低め」を初球に投げてきたのを、待ってましたとばかり、レフト前に打ちかえした。
いうまでもなく、この打席、実際イチローは「アウトコース低め」が来るのを、手ぐすねひいて待っていたと思う。こうして相手のスカウティングを「2倍がえしする技術」があったからこそ、イチローはMLBで14年もやってこれたのだ。


Brooks BaseballでのPitch F/Xデータでみても、7月5日ミネソタ戦9回の見逃し三振は、高さ・コースとも、ほんのわずかストライクゾーンを外れていて、球審Marty Fosterの「誤審」なのはハッキリしている。
とはいえ、40歳にして、こんな際どい球まで見分けるイチローの相変わらずの選球眼にも感心するが、おそらくは、彼を最も苛立たせた最も大きな問題はそこではないだろうと思う。


一度2011年の記事で書いたことがあるが、MLBの球審は「コーナーぎりぎりの球」をあまりストライク判定しないのが普通だ。(もちろん、何度も書いてきたようにアンパイアごとの個人差は非常に大きく存在する)
参考記事:2011年7月11日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (5)カウント3-0ではゾーンを広げて四球を避け、カウント0-2ではゾーンを狭めて三振を避ける。あらためて明らかになったアンパイアの「故意にゲームをつくる行為」。 | Damejima's HARDBALL

以下のデータは、2011年7月11日の記事で引用したものと同じものを再掲したものだが、これでひとめで分かる通り、おおまかに言うなら「MLBの球審のストライクゾーンは、円を描くように分布している」のである。
カウント0-3と、カウント0-2の、ストライクゾーンの違い
出典:Pitching Data Helps Quantify Umpire Mistakes | Playbook | WIRED

だから、いくら「左バッターのアウトコースのストライクゾーンが、とてつもなく広い」のがMLBアンパイアの常識であるとはいえ、だからといって、左バッターのアウトコース低めのコーナーぎりぎりのところをスライダーやシンカーがかすめたように見えたからといって、そうそう簡単にストライクといってもらえないのが、MLBの常識、コモンセンスというものなのだ。(だから、かつてシアトルのダメ捕手城島がMLBのピッチャーにアウトコース低めコーナーいっぱいのスライダーばかり要求したのは、あまりにもMLBを知らない、無意味で馬鹿げた行為なのだ)


7月5日の球審Marty Fosterは、もともと「高めをまったくとらないMLBアンパイア」のひとりではあるが、かといって、「低め」ならなんでもストライクにするアンパイア、というわけではない。
Marty Fosterの7月5日の判定傾向に限って言えば、右打者、左打者問わず、「アウトコースの判定」が滅茶苦茶だったのであって、これほど不安定なアウトコース判定をされて、打者たちがアタマにこないほうがどうかしている。
データ出典:BrooksBaseball.net: PITCHf/x Tool | Strikezone Maps
2014年7月5日Marty Fosterの判定傾向



加えていうと、2014シーズンのイチローに対する判定は、細かいデータまで集めきれないが、印象としては、「低めをやたらとストライクコールされてばかりいた印象」があったのである。
だからか、今シーズンのイチローは、真ん中低めなど、低めを空振り三振するケースが増えていて、打席数が多くない割に三振数が多すぎた。



そうなると、スカウティング全盛時代だから、もちろん投手の側だって、馬鹿じゃない。イチローの三振パターンみたいなものを割り出し、それを執拗に繰り返してくるのが、今のMLBだ。

2014年版のイチロー攻略パターンは、いくつかあるが、例えば「イチローの打席だけでは、どういうものかストライクとコールされるアウトコース低めいっぱいの球でカウントを追い込んでおき、次に、遊び球でアウトコース低めに外れる球を投げておいて、4球目にインコースのハーフハイトに投げる」、または「追い込んだら、3球目にインハイを投げておいて、4球目にアウトコース低めいっぱいに投げる」という感じだった。

つまり、イチローの打席特有のアウトコース低めのゾーンの広さがバッティングに少なからず影響していたと思えるわけだ。(それでも3割打っているのは、さすがだが)


7月5日のアウトコース低めの誤審で見逃し三振させられ、いい加減にキレたのか、イチローが、その「ボール気味なのに、やたらストライク判定されまくって、クソ頭にくる低めの球」をしばきまくったのが、7月6日の3安打、というわけだ(笑)

2013シーズンにスカウティングされまくったのは、誰がどうみても明らかで、ヤンキースがどうみても高額契約なんか結ぶべきではなかった外野手アルフォンソ・ソリアーノが予想どおりDFAになって、ライトの定位置がイチローのものになった7月は、もともと苦手でもなんでもない左投手が先発するゲームでもスターターとして出場できそうだし、ひさしぶりにファイヤーな予感がする。(もちん、先発投手が足りないのなんて最初からわかりきっている馬鹿なヤンキースが、投手と交換にイチローをポストシーズン進出の可能性のあるチームに放出してくれるのが、最良の結果だが)


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