September 13, 2014

いまだにあの無能なジャック・ズレンシックがGMで、心底嫌いなシアトル・マリナーズのことを持ち上げる義理など別にない。まったくない。
だが、「閑古鳥が鳴くセーフコ」などと平気で嘘を書く「記者」とやらのいい加減な記事に腹がたつから、いちおう書いておく。
世論誘導のためなら嘘の報道もする、ジャーナリズムの片鱗すらない朝日新聞じゃあるまいし、もうちょっときちんと事実を調べてから書く能力は記者にはないのか、といいたい。
【MLB】マリナーズがプレーオフ進出のチャンスも、閑古鳥が鳴く客席… (ISM) - Yahoo!ニュース


Baseball Referenceのデータによると、今年のMLBの観客動員数は、全体としていえば、9月11日時点で2013年より約40万人、減少している。
Change in Baseball Attendance 2013 to 2014 | Baseball-Reference.com

この減少を招いた主原因はハッキリしている。フィラデルフィア・フィリーズとテキサス・レンジャーズの大幅な観客数減少だ。フィリーが57万人、テキサス34万人と、2チームで約90万人も減っている。

もちろん理由がある。
地区順位の低迷だ。

フィリーは、2007年から2011年まで5年連続地区優勝を成し遂げて、2012年には、1試合あたり44,000人もの観客を集める超人気球団に成長し、ナ・リーグ1位、ならびにMLB全体でもヤンキースまでも抑えて観客動員数1位を記録した。
かつては、ロイ・ハラデイ(引退)、クリフ・リー(60日間のDL中)、コール・ハメルズロイ・オズワルト(移籍)、カイル・ケンドリックなど、錚々たる先発投手陣を擁して勝ちまくったわけだが、いかんせん主力選手の若返りに失敗。地区順位が低迷すると、一気に観客数は激減した。
2012 National League Attendance & Miscellaneous | Baseball-Reference.com

テキサスは、ア・リーグ西地区のお荷物球団だった2000年代初期の低迷が嘘のように、2011年、2012年と、2年続けてワールドシリーズに進出。2013年には、ヤンキースに迫る1試合あたり38,000人もの観客動員に成功し、ア・リーグではヤンキースに次ぐ2位、MLB全体でも5位の人気チームに躍り出た。

だが、それも真夏の夜の夢で、人気絶頂だった2012年が結果的にテキサスの転機となる。なかでも、シーズン序盤から地区首位を快走しておきながら、シーズン終盤の低迷から、ボブ・メルビン率いるオークランドに奇跡的な逆転地区優勝を許してしまったことは、あってはならないミス、痛恨の極みであり、これがチーム崩壊に向かうキッカケになった。
2012年オフ、ずっとチームのシンボルだったマイケル・ヤングがチームを去るのをテキサスは結局慰留もせず、さらに2013年オフになるとチームに内紛が起きて、人気社長だったノーラン・ライアンがチームを去り、またチームの大黒柱のひとりだったイアン・キンズラーがデトロイトに行ってしまい、チームは「中心」を失った。
そして、チーム建て直しを図りたいGMジョン・ダニエルズが補強したプリンス・フィルダーチュ・シンスといった選手の獲得が失敗に終わると、一気に観客の心はチームから離れたのである。(とはいえ、テキサスの観客動員数はいまだにシアトルの1.5倍以上ある。シアトルのチーム運営が10年以上失敗続きだったことを思えば当然の話だ)
2013 Major League Baseball Attendance & Miscellaneous | Baseball-Reference.com


こうした「一時の人気絶頂ぶりから転落したチーム」があった一方、人気を回復しつつあるチームも、もちろんある。

例えば、全体としての観客動員数でいうと、ミルウォーキーシアトルが、それぞれ20万人程度、観客を増やしているし、それよりもMLBファンとして腰を抜かすほど驚かされるのは、かつてあれほど人気がなかったオークランドが、なんと今シーズンに限っては「16万人」も観客動員を増やし、観客動員増加数ランキング第3位に入っていることだ。当然これも、オークランドがかつての黄金時代のような地区優勝できるチームに復活しつつあることが理由だ。
Change in Baseball Attendance 2013 to 2014 | Baseball-Reference.com

今シーズンはオークランドの他にも、マイアミピッツバーグヒューストンなど、「これまで観客が少ない少ないと長年言われ続けてきたチームで観客が増加している」のがひとつの特徴で、マイアミなどは、ずっと2万割れしていた「1試合あたりの観客数」が今年2万人の大台を回復するにまでに回復してきている。
これらは明らかに、かつての不人気球団、低迷球団が、ボールパークの新設をしたり、チームが優勝争いに加わったりしたことで、人気がやや改善傾向にあることの証だ。


他にたとえばヤンキースでいうと、昨年同時期に比べて13万人以上観客を増やして、1試合あたりの観客数もア・リーグで唯一4万人以上をキープしてリーグトップを走っているように、MLB全体としての観客動員はむしろ改善傾向がみられる。
もしフィラデルフィアとテキサスでの90万人もの観客激減がなければ、他のMLB28球団合計の観客動員数はむしろ「2013年より増加傾向にある」、これがMLBの観客動員の基本傾向であることを、まずは頭に入れてほしい。

基本データすら調べない無能な記者の書くことなど信じてはいけない。



フィラデルフィアとテキサスを除いたMLB全体の観客動員が微増傾向にあることをふまえた上で、シアトルを見てみる。

シアトルの「ホームゲームの観客数」が1試合あたり1万数千人と低迷しだしたのは、別に今に始まったことではない。
チーム、GMジャック・ズレンシック、監督エリック・ウェッジ、地元紙シアトル・タイムズジェフ・ベイカースティーブ・ケリーあたりが共謀してチームのレジェンドであるイチローをヤンキースに追い出してから、シアトルの観客動員数は激減している
関連記事:2012年7月25日、この10年のヤンキース戦の観客動員データから明らかになった、セーフコ・フィールドのファンは「イチローを観るためにスタジアムに通い続けてきた」という子供でもわかる事実。 | Damejima's HARDBALL

MLBに詳しい人なら誰でも知っていることだが、MLBで「1試合あたり観客2万人」というのは不人気球団のボーダーラインなのだが、シアトルの観客動員はこの「1試合あたり2万人」すれすれの数字を、2012年、2013年と2年も続けて記録した。
これまでギリギリ2万人を割らずに済んできたのは、単に、4万人近い観客が集まるア・リーグ人気チームとのビジターでの対戦(例えばアーリントンでのテキサス戦、ヤンキースタジアムでのヤンキース戦など)が、シアトルの観客動員数にカウントされているからに過ぎない。

4万入るビジターゲームの数字までカウントされているのに「1試合あたりの観客動員数」が2万人を切りそうになる、ということは、「シアトルのセーフコ・フィールドでの1試合あたりの観客動員数が2万人を大きく割り込んでしまい、毎試合1万ちょいしか入らない状態が、常態化している」という意味にほかならない。
関連記事:2011年9月16日、球団のドル箱であるヤンキース戦ですら1試合あたり観客2万人を切る事態を招いた無能GMズレンシック。もはや「内側に向かって収縮する白色矮星」のシアトル・マリナーズ。 | Damejima's HARDBALL


イチロー追い出しによって観客に見放されたシアトル・マリナーズはこの数年、フェリックス・ヘルナンデスの人気を煽ることで人気回復を図ろうとキャンペーンを続けてきた。だが、それは成功しなかった。
関連記事:2011年6月29日、興奮しやすい性格を抑えこむことでサイ・ヤング賞投手になった選手を、なぜ黄色い酔っ払い軍団を作ってまでして奪三振を煽り立てる必要があるのか。 | Damejima's HARDBALL
かつて何度もこのブログで解析したように、彼が投手として素晴らしい選手であるのはたしかだが、ヘルナンデスは、若い頃からそうだが、「数字をもっていない選手」だ。彼の登板ゲームだからスタンドが満員になるといった、地元での爆発的人気をもった選手ではないことはハッキリしている。


だから、今のシアトルのホームで1万数千人という観客数は、ヘルナンデスの好成績とはまったく無関係で、ひとえに「ロビンソン・カノーに頼りきったチームがワイルドカードを争っていること」のみが理由で、それ以外にない。それを「閑古鳥が鳴いている」と表現するのは正しくない。

シアトルの1試合あたり1万数千人というホームゲームの惨憺たる観客数は、「イチロー移籍直後のスタンドのガラガラぶりから、これでも多少増えた」というべき、そういう数字なのである。


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