September 14, 2014

cover of LIFE Magazine

映画 " The Secret Life of Walter Mitty " を見ていて思ったことは、これまで悪いものと良いもの、両方の歴史がある多様性が 「アメリカらしさ」 だと思ってきたが、それはやはり間違ってない、ということだった。

アメリカには、差別、暴力、貧富、有害な食品、政治的な陰謀、その他、考えつく限りの種類のあらゆる不幸が充満している。

だが、その反面、アメリカは非常に多くの善良さに満ちてもいる。
例えば、アメリカのネガティブな部分を多くの人が知っている理由は、それではいけないと考えたり、追求したり、研究したり、もっとマシなものにしようと行動したりしている人たちが、アメリカにたくさんいるからだ。それもまたアメリカだ。

例えば、ものすごく体によくない食品を開発しては庶民に食わせ続けているのもアメリカだし、エロコジカルなライフスタイルや新しいアウトドアスポーツなんかを次々と開発して暮らしをイノベーションするのもまたアメリカ。ステロイドを使いまくった奇妙な肉体を作りあげたがるのもアメリカなら、ストイック過ぎるほどの極端なベジタリアンを生みだすのもまたアメリカ。
第二次大戦の際に日系アメリカ人だけを財産をとりあげた上に収容所に強制的に閉じ込めてしまうのもアメリカなら、そういうことはよくないと主張するコロラド州知事ラルフ・ローレンス・カーのような人が現れるのもアメリカ。
マーティン・バーナルは欧米にはびこっている白人優位主義を根底から覆すような著作『黒いアテネ』を発表したが、彼のような研究者に研究の場を与えたのもまたアメリカだ。


ブログ主も、アメリカのネガティブな面を批判したりすることがある。だが、だからといってアメリカそのものを否定する気にはまったくならない。
なぜなら、多様性、多義性こそがアメリカだからだ。悪がはびこるゴッサムシティだけがアメリカではないし、また、「正義」だけがアメリカ」なのでもない。どんな国、どんな権威にも必ず、腐敗や、体によくない商品のひとつやふたつ、あるものだ。


こうした多様性の中で
アメリカのジャーナリズムは育てられてきた。


上に挙げたグラフィックは、実は、ネット検索で過去のLIFEの表紙を検索したページをスクリーンショットに撮っただけの画像だ。

何も手を加えていない。それでも
なぜか、ひとつの「アート」になっている。


なぜ「表紙を並べただけのモザイク」が「アート」になるのか、といえば、理由はハッキリしている。モザイクのパーツである表紙のひとつひとつがとても丁寧に作られ、「アート」として成立しているレベルにあるからだ。

もし1回1回の表紙を作るとき、手を抜いてどうでもいいものを作ってきていれば、長い年月を経過して全ての表紙を並べてみたとき、すぐにわかる。粗末な、汚いデザインは、すぐにわかる。


だが、LIFEはそうではない。

それはアートディレクターが素晴らしいから、ではない。そうではなく、LIFEの「姿勢」が終始素晴らしかったからだ。

この「自分の姿勢、フォームを、自分が理想と考えている形で長期にわたって保ち続ける」こと
これが、ジャーナリズムだ。


簡単なことではない。

よく、「ジャーナリズムは正義だ」と勘違いしている人がいる。
だが、正義なんてものは「立ち位置」によってコロコロ変わる。だから、正義に頼る者は弱い。足元がグラグラするものに頼って天狗になっているだけだから、やがて転んで泣きをみる。自分なりの「姿勢」がどこにも無い未熟者のくせに正義だけは好き、なんてのが、一番始末に悪い。


ジャーナリズムとは、「姿勢」だ。そして、
LIFEの表紙には「彼らの姿勢」が映しだされている。
だからこそ、LIFEは「押しも押されぬジャーナリズム」だったのだ。LIFEが正義だけを報道しようとしたからジャーナリズムだったわけではない。

アメリカにはLIFEがあった。この事実は、ただそれだけで、アメリカにおけるジャーナリズムという「姿勢」の存在を意味している。


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