January 30, 2015

2013年9月上旬に、ヤンキース監督ジョー・ジラルディの不合理きわまりないイチローの起用ぶりについて記事を書いたが、その「2014年版」を書いてみた。
赤色部分:イチローがマルチヒットを記録したゲーム
青色部分:ジラルディがイチローを先発からはずしたゲーム

ジョー・ジラルディのイチロー起用の比較(2013年と2014年)2013年版のデータは以下のページにある。
2013年9月9日、イチローのバッティングを常に「冷やし」続けてきたジョー・ジラルディの不合理な起用ぶりを、この際だから図に起こしてみた。 | Damejima's HARDBALL

2014年版の元資料:
2014 New York Yankees Schedule and Results | Baseball-Reference.com

Ichiro Suzuki 2014 Batting Gamelogs | Baseball-Reference.com

上の縦長の左右2本のバーは、のバーが2013年2014年を示している。2013年のバーがやや短いが、これは2013年版の図が、当時まだシーズンが終わらない9月初旬に制作されているため、2013年の全試合が図に網羅されていないことによる。他意はない。


右の2014年版のバーが、左の2013年版と比べ、青い部分がやたらと多いことは、小学生でもわかるだろう。

クリックすれば細かい数字は見られるが、そんなものをチマチマ確認しなくとも、全体の色の印象で言いたいことは伝わるはずだ。2014年のイチローの詳細な打撃スタッツとあわせてみてもらえば、ヤンキース時代のイチローが「ふがいないチームメイトよりも打てて、守備も走塁も問題ない、なのに、安定した起用をされず、ゲームに使われなかったために、打撃スタッツを下げさせられていた」ことがわかると思う。

加えていえば、左打者イチローが左投手を問題なく打てて、チームの他の誰より「対左投手打率」が優れているにもかかわらず、左投手先発だと決まってベンチスタートだったことは、とりわけ腹立たしい。イチローが長年得意にしてきたヴェテラン左投手マーク・バーリーの先発ゲームですら、ベンチスタートだったのだ。これには当時多くのヤンキースファンからも疑問の声がツイートされ続けた。
左投手のゲームに先発できないことで、イチローのヒット数がどれほど「減らされた」ことか。まったくもって、腹立たしい限りだ。
#Fire Girardi


記事の下部に、2014年版の詳しいリストを示しておいた。

左は「2014年のヤンキースのゲームスケジュール
右は「2014年のイチローの出場ゲーム

赤色部分は「イチローがマルチヒットを記録したゲーム」
青色部分は「無能なジラルディがイチローを先発からはずしたゲーム」を示している。

図の意味は、クドクド説明しなくても、「色の印象と配列」で言いたいことはわかるとは思うが、ひとこといわせてもらうなら、青い面積の広さでわかるとおり、2014年のイチローの起用ぶりは、酷かった2013年よりも、さらに最悪なものだった。
2013年9月のあるゲームで、イチローをどうしても2番にしたくないジラルディは、なんとAロッドに2番を打たせた。その2013シーズンよりさらに酷いのだから、どのくらい酷い起用だったか、わかるだろう。


開幕からオールスターまで(4月〜7月)
まず、下図の「4月」「5月」の部分をみてもらいたい。「広大な青色エリア」が広がっている中に、「赤い部分」がポツン、ポツンと「挟みこまれて」いる。

このことで次のことがわかる。

2014シーズン開幕以降、4月5月のジラルディは、イチローを「スターター」と認めてはおらず、実際、ほとんど先発起用しなかった。

だが、それでもイチローは4月の不当に少なすぎる先発出場機会を得るたびにマルチヒットを記録し、明らかに絶好調な状態で2014年シーズンをスタートした。
ぜひ「2014年に初めてゲームに出た4月3日から、5月3日までの1ヶ月」のイチローの打撃成績をみてもらいたい。
打率 .375
出塁率.400
OPS .858

四球の大好きなビリー・ビーンがみても、長打と四球を過大評価するデタラメ指標OPSの好きな馬鹿がみても、素晴らしい数字が並んでいる。数字が苦手なくせにデタラメ指標だけは好きなヘボ監督でも、これには文句のつけようがないはずだ。
2014年スタート時のイチローの打撃は、けして悪くないどころか、むしろスロースターターの彼にしてみれば、2014シーズン開幕前に田口壮氏が「今年のイチローは間違いなくやりますよ」と太鼓判を押していたとおり、絶好調といえる万全の状態だったはずだ。

だが、それをみて6月のジラルディは、イチロー起用法を非常に細かいサイクルで「先発出場」と「途中出場」を交互に繰り返すという「最悪な起用法」にきりかえた。
うっかりすると「1日おきに先発と途中出場が交互にくりかえされる」のだ。こんな起用をされて選手が好調をキープできるわけがない
6月8日から7月11日にかけての1ヶ月、8試合でマルチヒットを記録するなどして抵抗し、7月中旬に「打率3割をキープ」していたイチローではあったが、さすがに4月の好調ぶりをずっとキープし続けたままでいることはできず、ジラルディは7月後半にようやくイチローのバッティングを「冷やす」ことに成功した。

こうして無能なジョー・ジラルディは前年に続き、2014年も「イチローのバッティングを冷やし続けること」に専念したのだから、本当に呆れてモノが言えない。まさか、チームの勝率アップや地区優勝より、自分好みでないプレーヤーの「冷却」やら記録阻止が生きがいとでも考えている監督、チームが存在するとは、夢にも思わなかった。


2014年開幕時にジラルディがイチローより優先して使った外野手は、例えば、2014年のヤンキースが1800万ドル(=約21億円)もの大金を払ったにもかかわらず、結局シーズン終了後に引退に追い込まれたアルフォンソ・ソリアーノだが、2013年7月のフラッグシップ・ディールでヤンキースに復帰する直前はナ・リーグにいたにもかかわらず、弱点のハッキリしているソリアーノのバッティングの攻略法は、それこそあっという間にア・リーグ全体で分析されきって、対策が終わっていたことは、2013年シーズン終盤9月の打撃の内容、特に移籍後60を越えていた三振の中身を分析すれば、十分明らかだった。
データ:Alfonso Soriano 2014 Batting Gamelogs | Baseball-Reference.com
にもかかわらずジラルディは、「攻略の終わっているソリアーノ」を開幕時に第4の外野手として位置づけて起用し、案の定2014年4月・5月に52もの三振をして、あっという間にイチローに追い抜かれた。
だが、ジラルディは、データ分析不足と、判断の遅れという2つの決定的なミスを、けして認めようとしなかった

また、2014年に15Mの大金を払った外野手カルロス・ベルトランはどうだろう。
これだけの大金をもらいながら、出場はたったの109試合。しかも、その109試合のうち、76試合がDHだ。シーズンの半分をDHで出ただけで15MもらったDH専業選手が、打率.233、出塁率.301、ホームランたった15本では、間違いなく給料泥棒だ。
守備はどうか。ベルトランは32試合でライトを守ったが、そのたった32試合で、dWAR、Rdrsなど、守備指標で考えられないほどのマイナスを記録している。到底ライトを任せられる守備レベルの選手ではない。(詳しい数値は各自調べてもらいたい)

こうした指揮官の愚劣な行いの結果、5月から6月にかけてのヤンキースは、5月14勝14敗、6月12勝15敗と、2014年のポストシーズン進出を逃す決定的な「不振期間」を作ることになった。

オールスター以降(7月〜)
7月25日イチローに待望のシーズン初ホームランが飛び出す。すると、さっそくジラルディはイチローを先発から遠ざけるのだから、このオッサンのやることだけは理解不能だ。
長打を打ったら休ませる、などという例は他にも数多くある。8月10日に二塁打を打つと、さっそく翌日は休み。9月10日・11日に2日続けて二塁打を打つと、ベンチ。9月23日二塁打、翌日ベンチ。ほんと、ジラルディはマトモじゃない。

8月のイチローの月間打率は.352と、7月後半の一時的な停滞から既にリカバリーしていた。

だが、図をみてもらうとわかるが、7月中旬から8月中旬にかけての図が、どっぷり青色に染まっている8月のジラルディは、月間.352打ったイチローを積極的に先発起用しようともせず、むしろ、6月にとった卑劣な手法同様に、先発出場と途中出場を細かいサイクルで交互に繰り返させたのである。

結果的に、2014シーズンのイチローがヤンキースで「チーム最高打率の打者であるにもかかわらず、控え選手扱い」などという、「合理性にまったく欠けた酷い扱いを受けた」のは、ひとえに、外野手獲得をみやみに乱発し続けて無駄に選手を抱え込んだブライアン・キャッシュマンの無能さと、どんなに好調でもイチローを使わない、左投手が打てるデータがあるにもかかわらず左投手先発ゲームでイチローを使わない、チーム打率が悲惨なことになっていてもチーム最高打率のイチローを使わないという、数々の無能さを披露し続けたジョー・ジラルディに、責任がある。

もし2014年のイチローの起用が実力通りのものだったなら、彼の2014シーズンの打撃成績はもっとはるかにマシなものだったことは間違いなく、また、達成間近だった多くの記録も、もっと肉迫できていただろう。さらには、シーズン終了後にFAとなってからのチーム選択においても、無用な苦労を強いられることなく、はるかに広い、容易な選択が可能だったことも間違いない。



2014ジョー・ジラルディによるイチロー起用ゲームリスト



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