April 13, 2015

かつてMLBを揺るがしたBALCOスキャンダルでは、バリー・ボンズを筆頭に多くのネイティブなアメリカ人選手のドーピングがミッチェル報告として指摘された。
だが近年は様相が変わり、アレックス・ロドリゲス(アメリカ国籍だが両親はドミニカ人)に代表されるバイオジェネシス事件と、それ以降も散発的に継続しているMLBのドーピング摘発では、ドミニカを中心とした多くの中米出身選手のドーピングが数多く指摘されだした。
(特に根拠もソースも無いのだが、バイオジェネシス事件での大量処罰以降も散発的なドーピング摘発が続いているのは、あの事件で得られた捜査資料、例えば「納入履歴」や「メモ」などから新たに案件が発掘され、摘発されているのではないかとブログ主は想像している)


さて、近年いったいどのくらいのドミニカンがドーピングで処罰されているのだろう。ちょっと簡単に調べてみた。

まず英語版WikiのDominican-AmericansのリストにあるMLB選手たちをピックアップして、「過去にドーピングで摘発された経験をもつ選手たち」の名前を太字で示してみる。

Pedro Alvarez
Moises Alou
Trevor Ariza
Ronnie Belliard
Julio Borbon
Manny Delcarmen
David Ortiz (まだMLBに十分なドーピング処罰規定がなかったために処罰はされなかったが、2003年の検体が同じボストンのマニー・ラミレスとともに陽性反応を示した。 ソース:Ortiz and Ramirez Are Said to Be on 2003 Doping List - NYTimes.com
Placido Polanco
Albert Pujols
Manny Ramirez
Alex Rodriguez
Sammy Sosa
List of Dominican Americans (Dominican Republic) - Wikipedia, the free encyclopedia

上記リンクに漏れているドミニカ系選手
Vladimir Guerrero
Manny Machado
Adrian Beltre
Alexi Ogando
Carlos Santana
Zoilo Almonte
Edwin Encarnacion
Marcell Ozuna
Robinson Cano
Jose Bautista
Ivan Nova
Hector Noesi
Eduardo Nunez
Alfonso Soriano
Rafael Soriano


次に、「バイオジェネシス事件」でドーピング処罰を受けた選手たちからドミニカ(ドミニカ系アメリカ人を含む)とベネズエラの選手たちをピックアップしてみる。
Alex Rodriguez
Bartolo Colon
Melky Cabrera
Nelson Cruz
Jhonny Peralta
Cesar Puello
Fernando Martinez
Fautino de los Santos
Jordan Norberto
Francisco Cervelli(ベネズエラ)
Jesus Montero(ベネズエラ)


さらにBALCOスキャンダル、ミッチェル報告を含め、過去から近年にいたるまでに散発的にドーピングを摘発されたドミニカ出身選手を挙げてみる。
Miguel Tejada
Jose Guillen
Guillermo Mota
Wilson Betemit
Ervin Santana
Jenrry Mejia


MLBの多くのチームがドミニカに選手育成組織「アカデミー」を常設しているわけで、ドミニカ(そしてベネズエラ、キューバなど)で「生産」される選手たちの増加は、いまやMLBに大きな影響を与えている。
こうしてドーピング摘発者を眺めてみると、MLBの「主役」が、徐々にアフリカ系アメリカ人を含めたネイティブなアメリカ人から、中米の選手たちにシフトしていく中で、「ドーピング事件を起こす人種層」も90年代末のホームラン狂騒時代が終わって以降あたりから中米にシフトしていっていることは明らかだ。


実際にそうなのかどうかはわからないが、「ドミニカあるいはベネズエラから非常に高い才能が次々と輩出されるようになり、MLBのどこのチームを見ても多くの中米出身の選手たちがレギュラーの一角を占めるようになったこと」が、もしも「中米の野球におけるドーピングの蔓延」が理由であるなら、ブログ主はMLBがドミニカうやベネズエラなど、関係国の選手たちに強力なドーピング検査を強制し、不正選手を徹底排除することに、強く賛成する。
ドーピングによって得た好成績で名誉もカネも手に入るような時代など、不愉快きわまりない。


勘違いする人がいそうなのであらかじめ書いておきたいが、「大金が動くMLBの『豊かさ』が、中米のスポーツ環境を汚染した」のではない。たとえ豊かさの中にあっても不正をしない人は、たくさんいる。

問題なのは、「豊かさ」ではない。

「不正」の原因は、常に、そして単純に、く個人の「モラルの低さ」によるものだ。「自分の不正」を「他者の豊かさ」のせいにするのは、単純に「逃げ」や「言い訳」でしかない。大金欲しさに不正をはたらくモラルの低い選手を許すべき理由など、どこにもない。


このブログでは、MLBでアフリカ系アメリカ人の数が減少している問題をずっと書いてきている(記事カテゴリー:『父親とベースボール』〜MLBの人種構成の変化 │ Damejima's HARDBALL)わけだが、もしベースボールが「ドーピングをしていないとレギュラーにさえなれないと感じるスポーツ」になったら、誰だって馬鹿馬鹿しくなって、そのスポーツと真剣に取り組むことなど止めてしまうだろう。

そうならないためにも、そして、あらゆる国籍の選手たちが平等にチャンスが得られる環境を維持するために、MLBはドーピング対策に決然とした強い態度で厳しく取り組むべきだ。
(もちろん、あらゆる国籍の選手たちにドーピング検査が不可欠なこと、あらゆる国籍の選手たちに不正が許されないことなど、いうまでもない)


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