August 18, 2015

イチロー球聖タイ・カッブを越える日米通算4192安打目のヒットを献上してくれたジョン・ラッキーの記録をあれこれ調べていたら、イチローと関係ない「妙なこと」に気付いた(笑)

2002年にアナハイムからメジャーデビューして、もう14シーズンもメジャーリーガーをやってるジョン・ラッキーだが、彼がキャリア通算で「最も多く死球をぶつけた相手」が、どういうわけか、5回ぶつけたデレク・ジーターだったのだ。


この「通算5回」、多いか、少ないか。
気になりだすと止まらない。


ためしに、ジョン・ラッキーと同じように、「2000年代に活躍した有名ヴェテラン先発投手」の「ひとりの打者に対する最多与死球数」を何人か調べてみた。(カッコ内は、最も多く死球を与えたバッター名)

2個
バートロ・コロン (トリー・ハンター)
ヨハン・サンタナ (パブロ・オズーナなど2人)
ロイ・ハラデイ (オルティーズなど6人)
クリフ・リー (マイク・ナポリなど4人)

3個
ザック・グレインキー (カルロス・クエンティン)
CCサバシア (オルティーズ、エルズベリー)
A.J.バーネット (ジョン・ジェイなど2人)
コール・ハメルズ(Aロッド)
フェリックス・ヘルナンデス (イアン・キンズラー)

4個
C.J. ウイルソン (カノー、ビクター・マルチネスなど4人)
ランディ・ジョンソン (リード・ジョンソンなど2人)
ジャスティン・バーランダー (ケイシー・ブレイクなど2人)
ジェイミー・モイアー (オルティーズなど5人)

5個
ペドロ・マルティネス (カルロス・ギーエン)
ジョン・ラッキー (デレク・ジーター)

7個
ティム・ハドソン (チェイス・アトリー)


結果的にいうと、どうやらジョン・ラッキーの「デレク・ジーターに5回の死球」は「かなり多い」部類に入るようだ(笑)現役投手の与死球ランキングでみても、ジョン・ラッキーは3位に入っているから、もともと死球の多い投手ではある。(1位A.J.バーネット 141、2位ティム・ハドソン 122、3位ジョン・ラッキー 112)
アナハイムでデビュー以来、赤色のユニフォームのチームにばかり在籍してきたジョン・ラッキーだが、彼がステロイダーのAロッドを毛嫌いしていることは2012年のコメントで知っているが、同じヤンキースのジーターも嫌いだったのかどうかまでは、ちょっとわからない(笑)

蛇足だが、上のリストに載っている投手で、「MLB歴代通算与死球数ランキング」の上位にいる投手は、ランディ・ジョンソン(190 5位)だけで、他の投手は歴代ランキング20位までには入っていない。ランディの死球の多さは、若い頃ひどいノーコンだったせいかもしれない。
参考記事:2010年1月6日、豪球ノーコン列伝 ランディ・ジョンソンのノーコンを矯正したノーラン・ライアン。 ノーラン・ライアンのノーコンを矯正した捕手ジェフ・トーボーグ。 捕手トーボーグが投球術を学んだサンディ・コーファクス。 | Damejima's HARDBALL
データ:Career Leaders & Records for Hit By Pitch | Baseball-Reference.com


では、ひとりに何回以上ぶつけると、
多い」といえるのだろう。

データを眺めていると、コントロールのいいロイ・ハラデイやクリフ・リーなどのように、ひとりのバッターに通算2度ぶつけること自体が珍しい名投手も何人かいる。だから、「ひとりの投手が、特定のバッターに通算3度以上死球をぶつけることは、そうそう滅多に起こることではない気がしてくる。
実際、与死球数の多い投手たちのデータを見ても、「3回以上ぶつけている相手」はそんなにたくさんいるわけではない。
例えばジーターに5回ぶつけているラッキーだが、次に多くぶつけたバッターは「3回」なのだ。まぁ、だからこそ「ジーターに5回ぶつけている事実」が「目立つ」のだ(笑)


そこで現役バッターで、「最も多く死球をぶつけられた選手」を調べてみたが、これはもうダントツでAロッドとチェイス・アトリーの2人なのだ(笑)3位を40個以上引き離している。
被死球王」の彼らは、いわれてみれば2人とも死球での骨折経験がある。まぁたぶん原因は、「他の選手たちに好かれてないこと」だろうと思う(笑)
ちなみに、現役投手での通算与死球数2位ティム・ハドソンなどは、チェイス・アトリーになんと「通算7回」もぶつけている。これなどはもう「偶然」というレベルを越えている(笑)

現役通算被死球数

1位 Aロッド 175
2012年フェリックス・ヘルナンデスの死球で手の甲を骨折。この試合は、イチローがヤンキースに移籍した直後のセーフコでのヤンキース戦で、ヘルナンデスは骨折したAロッド以外に、ジーターとイチローにもぶつけていて、明らかに「故意」だった。
2位 チェイス・アトリー 173
2007年オールスターでの死球で手首を骨折

参考:3位以下の現役選手・被死球ランキング
リード・ジョンソン 134、アラミス・ラミレス 127、リッキー・ウィークス 127、AJピアジンスキー 127など


被死球王アレックス・ロドリゲスに「過去に3回以上死球をぶつけたことのある投手」を調べてみた。なんと、3回ぶつけた投手が6人もいる(笑)のには驚いた(笑)投手たちに嫌われているステロイダーらしいデータだ。
ただ、6人の投手の中にラッキーは入っていない。どうやらラッキーはAロッドが嫌いだからといって、Aロッドに繰り返しぶつけたりはしていないようだ(笑)
Aロッドに3回以上ぶつけた経験のある投手

コール・ハメルズ 11打数3死球

ラモン・オルティズ
CJウィルソン
ジェレミー・ガスリー
松坂大輔
マイク・ウッド 13打数3死球2HR


6人の投手のうち、コール・ハメルズは、アレックス・ロドリゲスとたった11打数しか対戦していないのに3回もぶつけている(笑)
3回のうちの1回は、2009年ワールドシリーズ第3戦でのもので、この試合でAロッドは2度の死球とホームランを記録して、シリーズ通算でも3度ぶつけられている。フィリーズはなかなか容赦ない。

November 4, 2009 World Series Game 6, Phillies at Yankees | Baseball-Reference.com

コール・ハメルズは2012年5月6日に、当時若干19歳だったブライス・ハーパーとの初対戦で、いきなり初球に93マイルの速球をぶつけているわけだが、こうして過去のデッドボール歴を眺めると、ハメルズという投手の性格がなんとなくわかってくる(笑)
コール・ハメルズは、Aロッドといい、ブライス・ハーパーといい、「ここぞというときには、ためらいなくぶつけてくるピッチャー」なわけだ。
ちなみに初打席で死球出塁したハーパーはホームスチールを成功させ、ハメルズにすかさずリベンジした。試合直後ハメルズ本人が「故意死球」だったことを認めたため、彼は5試合の出場停止処分になった。




当ブログからコール・ハメルズに
死球王」の名称を贈っておこう(笑)


そういえば、2005年7月の対マーリンズ戦で頭部に死球(92マイルの速球 投手:Valerio De Los Santos, Marlins)を受けて負傷し、7年後の2012年に、1日だけマーリンズとメジャー契約してMLB出場を果たしたアダム・グリーンバーグのケースも、ハーパーと同じ「メジャー初打席での死球」だった。

グリーンバーグのメジャー復帰は、リハリビに耐えてメジャー復帰を目指している彼の熱意に応える形でマーリンズが1日かぎりのメジャー契約を申し出て実現した。
R.A.ディッキーに3球三振にうちとられた彼を、スタジアムの観客はスタンディングオベーションでたたえ、試合後グリーンバーグは素晴らしい言葉を残しスタジアムを去っていった。

「人生にはカーブが来るときもあれば、僕みたいに後頭部へ92マイルの速球が当たることもある。でも、僕は立ち上がった。自分の人生は素晴らしい」  アダム・グリーンバーグ




「初打席に死球を受けた新人選手」は日本にもけっこういる。牧田明久(楽天 2005年公式戦)、會澤翼(広島 2007ウエスタンでのプロ初打席)、江越大賀(阪神 2015年公式戦)、デニング(ヤクルト 2015年公式戦)、近藤弘基(中日 2015年オープン戦)。
これらの日本国内の事例が2015年に集中しているのは、ちょっと気になる。おかしな「流行」でなければよいが、と思う。

グリーンバーグへの死球が、コール・ハメルズがブライス・ハーパーにぶつけたのと同じ、いわゆる "Welcome to the Big League" 的な意味だったのかどうかまでは、ちょっとわからないが、少なくとも新人の初打席にぶつけたい投手は「コントロールのかなりいい投手」でなければならない、ということだけは言っておきたいと思う。


Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です

Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。
Categories
ブログ内検索 by Google
ブログ内検索 by livedoor
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month