June 23, 2017

小林麻央さんが乳ガンで旅立たれた。


麻央さんはお子さんを2人も残された。
おひとりは男の子であり、「次の海老蔵」「次の団十郎」を後世に残されたことになる。

もちろん、子供を産んだことだけがこの立派な女性の仕事だ、などと、馬鹿げたことを言いたいわけではない。そのことひとつだけをとっても、日本史に残る、正確にいえば、日本の歴史を後世に残していく、とても大事な仕事であった、と言いたいだけである。
伝統はやはり重い。先代の団十郎勘三郎など、歌舞伎を背負っていた大看板が次々に病に倒れ、人材が細っていく中で、歌舞伎の大看板を残す作業を終えて旅立った小林麻央さんの貢献度はけして小さくない。


そして麻央さんが残した「海老蔵」は、「もうひとり」いる。
34歳の夫、海老蔵」である。

かつて遊び人だった海老蔵が、この気丈な女性と出会ったことで心が入れ替わり、芸道に精進するべき自分の運命を自覚していなければ、単なる遊び人の半端モノにしかなれなかったかもしれない。
歌舞伎の重鎮のひとりとして、オトナとして、海老蔵が、いまある、いまいられるのは、まさにこの、気丈に短い人生を生きぬいてくれた女性との出会いのおかげなのだ。


哀しみを心に湛えて微笑むからこそ輝きが増す。それが人という生き物の奥行きだ。
ことに「役者」という特殊な仕事は、光を表現するだけではつとまらない。映画『風立ちぬ』で、妻を失ったあと零戦を世に送り出した堀越二郎のごとく、今の海老蔵が、団十郎を襲名する前に経験した、この「大切すぎる人の死」「深い悲しみ」が、彼の芸に真の意味の「陰影」をつけてくれることだろう。


合掌。

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