February 01, 2018
オックスフォードが2014年に発表した「あと10年で無くなる職業」のひとつが「スポーツの審判」。
— damejima (@damejima) 2018年1月31日
では、2024年に「MLBのアンパイア」は無くなっているか。
考えるまでもない。
答え:「無くならない」
野球というスポーツの「面白さ」の根底は実は「トラッド」にあると、最近確信するようになった。
オックスフォード大学が2014年に「10年後に無くなっている職業」を列挙した。「スポーツの審判」もそのひとつだが、「MLBアンパイアという職業の消滅」について本気で考えたことなど一度もない。そんな予想はドナルド・トランプ当選が予測できなかったNate Silverのデジタル予想とたいした違いはない。
理由はハッキリしている。
MLBにおけるアンパイアは、良くも悪くもだからだ。
「野球というシステムの一部」
10年後、「プレーの判定における主導権が人間から機械に移行すること」くらいはありそうだが、だからといって、スポーツ全体で「審判そのものが消滅する可能性」はまるで無い。
特に、MLBアンパイアの場合は、ありえない。
MLBアンパイアの仕事は、なにも「正確なジャッジ」だけではないからだ。彼らは「パフォーマー」であり、「オーガナイザー」でもある。
テニスとか卓球、バレーボールなど、他スポーツの審判と、MLBアンパイアとでは、立ち位置が違いすぎる。(逆にいえば、アンパイアが文化の一部として機能してきたことは、MLBの他スポーツにない面白さでもあった)
アンパイアの役割のユニークさから、もうひとつわかることは
MLB野球という料理の味の決め手はということだ。
「トラディショナル風味」だ
そもそも、アンパイア、ボールパーク、ユニフォームなど、MLBを彩っている「トラディショナル風味」は、このスポーツを、プロスポーツとして他のスポーツに無い存在として支えてきた重要ファクターであり、そのことはMLBのデジタル化が進んでいる今も、まったく矛盾しない。
最近、MLBがオールスターの延長戦を「11回以降はランナー2塁から始めるタイブレーク方式」にすることを検討するなどと言い始めたが、それは施策として間違っているとブログ主は考える。
オールスターは、ワールドシリーズ初日の開催権がかかっているにしても、別に「勝ち負けを決める、ただそれだけのため」にやっているわけではない。むしろオールスターは、MLBファンが、野球本来のトラディッショナル風味を満喫するフェスティバルであることを忘れてもらっては困る。
「MLBにトラッドな味わいを残すこと」という観点からみて、オールスターゲームの延長戦にサドンデス方式を導入することは馬鹿げてる。そんなくだらないことするくらいなら、延長を12回で打ち切るほうが、はるかにマシ。
— damejima (@damejima) 2018年1月31日
敬遠の申告制にしても、ゲームは別にスピードアップしなかった。一刻も早く元に戻すべきだ。MLBは、自らのストロングポイントである「トラディッショナルなフレーバー」を損なうような「誤った施策」に手を染めるべきではない。
「MLBという料理の決め手のスパイスは、何か」、そんな基本的なことすらわかっていない、数字だけの人間が、MLBのスピーディー化とか言い出して、「やってはみるものの、ほとんど目的どおりに動かない愚策」ばかり連発するのは、ほんと、勘弁してもらいたい。