February 16, 2018
史上最悪の大会になること間違いないどこかの国の五輪なんか何の関心もないが、このインタビュアーはなかなか優秀なのでツイート。「変換」っていう「相手の心の中にずっとあった重要単語」を引き出すことに成功してる。
— damejima (@damejima) 2018年2月15日
「何の足跡もないところを目指している」〜平野歩夢https://t.co/QdFJnkQo1M
あまり、というか、
ほとんど日本人スポーツライターを褒めた記憶がない。
だが珍しく、このインタビュアーはなかなかいいと思う。いろいろと考えさせられるものを引き出すことに成功している。
スポーツではよく、「気持ちの切り替えが大事だ」などという。
だが、その言葉がどれだけ無意味か、このインタビューを読んでわかった。
わかったことの最も大事な要点は、こうだ。
実は、人は「感情」を切り替えることができない。
なぜなら
一度発生した「強い感情」は、簡単には消去できないからだ。(だからこそ「クール」という価値がある)
多くの感情、特に、怒りや悲しみ、極度の欲求や緊張といった、「ヘビーな重さをもつ感情」は心に溜まりやすい。人の心という「泉」の底には、そうした「残渣」や「澱(おり)」が日々たまっていく。「ストレス」とは、心に溜まった「ゴミの重さ」のことだ。
ことにトップアスリートは「他人と競うこと、果てしない緊張の場面に晒され続けることが当たり前にあるような、特殊な生活を強いられる人種」なので、よけいに心のゴミがたまりやすい。
多くの人は、激しすぎる怒りや、強すぎる悲しみなど、「鉛のように重い感情」に晒されると、カラダ全体が泉の底に沈んでしまう。
そうならないよう、周囲の人は「気持ちを切り替えろ」などと言葉を発したがるわけだが、繰り返しになるが、そのアドバイスは実は無意味だ。感情を消去しようと思えば思うほど、その感情はむしろアタマをもたげてきてしまうことが少なくない。
だが、「感情の消去」を目指すのではなく、
「別の形に変換して、放置してしまう」のなら、
どうだろう。
よほど、やりやすい。
できもしない「消去」を目指して、かえって疲れるのではなく、「変換」すること。そのほうが簡単なのだ。
これが、誰かが平野君の言葉を引き出してくれたことで「わかったこと」だ。ありがとう。メンタルに傷を負っている社会人や学生にも、この記事を贈りたい。