April 09, 2018

ジャンカルロ・スタントン

MLBで「1試合に4回三振する」ことを、スラングで "Golden Sombrero" (ゴールデン・ソンブレロ)という。

"Golden Sombrero" のMLB歴代ランキング1位は、「26回」(プラチナも1回記録)のライアン・ハワードがダントツだが、シーズン三振記録でMLB第2位の222三振(2012年)をもつアダム・ダンが「19回」、名誉あるMLBレコード、シーズン223三振(2009年)をもつマーク・レイノルズが「16回」記録していることからわかるとおり、 "Golden Sombrero" は、「アダム・ダン的バッター」、つまり「ホームランばかり狙って強振して三振を繰り返す低打率のホームランバッター」の勲章でもある(笑)
参考記事:2014年10月20日、やがて悲しきアダム・ダン。ポスト・ステロイド時代のホームランバッター評価の鍵は、やはり「打率」。 | Damejima's HARDBALL

「MLB全体でのシーズンGolden Sombrero回数」が最高に達したのは、「2016年の172回」であり、今のMLBがありえないレベルの『三振の世紀』に突入していることがよくわかる。
参考記事:2017年2月4日、「三振の世紀」到来か。2010年代MLBの意味するもの。 | Damejima's HARDBALL

Golden Sombrero
MLB歴代ランキング BEST 5


ライアン・ハワード 26回(他にプラチナ1回)
レジー・ジャクソン 22回(他にプラチナ1回。通算2597三振は歴代第1位)
ジム・トーミ 20回(通算2548三振 歴代第2位)
アダム・ダン 19回(通産2379三振 歴代第3位)
ボー・ジャクソン 19回

Golden sombrero - Wikipedia


これがさらに、「1試合5三振」となると、「ゴールドより上」ということで、 "Platinum Sombrero" (プラチナ・ソンブレロ)というネーミングになる(笑)
オリンピックのマークが「五つのリング」でできていることにひっかけて "Olympic Rings" という言い方もあるらしい。

これまでこの名誉ある "Platinum Sombrero" を「キャリアで3回以上達成した野手」は、100年の長い歴史をもつMLBでも「たった2人」しかいなかった。サミー・ソーサと、1990年代のセントルイスでプレーしたRay Lankfordである。

だが今年、新たにひとりの「精鋭」が加わるかもしれない。
ジャンカルロ・スタントンである。


「複数回」のPlatinum Sombrero達成者
通算3回以上達成」は過去2人のみ

サミー・ソーサ 4回 通算回数のMLB記録
Ray Lankford 3回
1998年に1シーズン3回記録。「1シーズンの記録」としてMLB記録。Ray Lankford Stats | Baseball-Reference.com

2回
ジャンカルロ・スタントン、ジム・トーミ、マーク・テシェイラ、ロン・スヴォボダ、リッチー・セクソン、ジョージ・スコット、アレックス・リオス、ベニー・カウフ、アンドリュー・ジョーンズ、クリス・デイビス、ディック・アレン


「1シーズン2回のPlatinum Sombrero」は他にも達成者が10数人いるが、シーズン始まって「わずか1週間での達成」は他に例がない。スタントン、「期待」を裏切らない男である。


なお、これまでわずか8人しかいない「1試合6三振」を "Titanium Sombrero" (チタニウム・ソンブレロ)、「1試合7三振」を The Diamond Sombrero”(ダイヤモンド・ソンブレロ)、「1試合8三振」を "The Plutonium Sombrero" (プルトニウム・ソンブレロ)と表記しているサイトがあるが、それぞれが本当にそういう名称で呼ばれているかどうか定かでない(笑)
(ただし、メジャーの記録ではないものの、「1試合8三振」という記録自体は実在していて、ロイヤルズ傘下のsingle A, Lexington LegendsのKhalil Leeが2017年に記録している)

データサイトの老舗Baseball ReferenceにもGolden Sombreroという言葉の説明ページが存在していて、1試合6三振のTitanium Sombreroという単語が記載されているところを見ると、「チタニウム・ソンブレロ」まではオーソライズされているのかもしれない。



ジャンカルロ・スタントンがこの2018シーズンに、あと1回「1試合5三振」を記録すると、Ray Lankfordと並んで「1シーズン3回のPlatinum Sombrero」で、MLBタイ記録となる。
また「今シーズン中に、あと2回」記録すると、MLB史上初の「1シーズン4回のPlatinum Sombrero」となり、また「キャリア通算4回」はサミー・ソーサと並んでMLBタイ記録となる。
さらには、「引退までに、あと3回」記録すると、「キャリア通算5回」となって、これはサミー・ソーサすら抜き去り、堂々MLB新記録となる(笑)


今シーズン、ジャンカルロ・スタントンのバットから目が離せない(笑)


Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です

Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。
Categories
ブログ内検索 by Google
ブログ内検索 by livedoor
記事検索
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month