August 05, 2018
2016年に、イチローとブライス・ハーパーの打撃フォームを比較してこんな記事を書いた。
2016年4月27日、「手打ち」と「イチロー」の違い。MLB通算2943安打にみる今シーズンのイチローのコンタクト率が異常に高い理由。 | Damejima's HARDBALL
ブライス・ハーパーの打撃フォームでは、以下の連続写真でわかるように、「カラダがバットと一緒に旋回」している。これは別に珍しいことではない。
こんどは、2018年8月3日に大谷が1試合2ホームランを打ったゲームの「2本めのホームランのフォーム」と、ブライス・ハーパーを比べてみる。
言わなくてもおわかりだろう。
大谷は「イチロー風」に、「カラダを旋回させずに」スイングしている。ピッチャーはクリーブランドのマイク・クレビンジャーだが、彼が「あっ」と思った瞬間には、実はもう、とっくに「スイングは終わって」いて、ボールは左中間スタンドに一直線に向かっているのである。
ついでだから、イチローと大谷も並べてみる。
両者とも、「カラダがバットと一緒に旋回しない」ことがわかる。
ただ、バットに当てた後、ここからが
大谷は、イチローと違う。
試合後、マイク・ソーシアが2本めのホームランについて、「まるで右のプルヒッターみたいな打球」とコメントしているが、それは、こと「打球の質」については、まったくそのとおりなのだ。
というのも、2本めのホームランでは、ミート後に「腰が大きく開いて」、バットを振り切ったときには「カラダ全体がセンター方向を向いて」いるほど、カラダが開いているからだ。こういうフォロースルーはイチロー風ではない。
こういう「大きなフォロースルー」や「腰の開き」は、「右のプルヒッターによくありがちな、大きなフォロースルー」だ。
だから、打球の質も「右のプルヒッター風」になる。(こうした大きいフォロースルーは、大谷がMLBに行ってから始まったのではなく、日本でプレーしているときから既にこうだった)
だから、言ってみれば大谷は、「バットに当てるまでは、左打者イチロー風に」、そして、「バットに当ててからは、右のプルヒッター風に」スイングしたのである。なんとも器用な男だ。
本来なら、左バッターの右足は、右バッターの左足より、外旋しにくい。だから、左バッターの打ち方と右バッターの打ち方は違ってくるのが普通だ。右バッターは概して「腰が開きやすい」のに対して、左バッターはそれほど「腰を開かないまま」で打つことができる。
だが、大谷は、「右バッターと左バッターをミックスしたように打つ」ことができるのである。
このことは、大谷のスイングスピードの速さもあって、スローで見ないとわかりにくい。通常の速度でになにげなく見ているだけだと、大谷が右のプルヒッターがよくやるように、大きく腰を開いて打ったように見えるのである。
この「ミックスした打ち方」が、「意図的なもの」であることは、以下の記事の記述から、間違いない。
ただ、上の記事では、「イチロー風のダッシュ」などと、くだらない点に着目して記事を書いているのだが、そんなことはどうでもいい。
「右足を、打撃フォームの非常に早いタイミングで着地し、スイングを早めに起動して、腰を開かないままバットを振り切っておくこと」が、「イチロー風」なのだ。
2016年4月27日、「手打ち」と「イチロー」の違い。MLB通算2943安打にみる今シーズンのイチローのコンタクト率が異常に高い理由。 | Damejima's HARDBALL
ブライス・ハーパーの打撃フォームでは、以下の連続写真でわかるように、「カラダがバットと一緒に旋回」している。これは別に珍しいことではない。
こんどは、2018年8月3日に大谷が1試合2ホームランを打ったゲームの「2本めのホームランのフォーム」と、ブライス・ハーパーを比べてみる。
言わなくてもおわかりだろう。
大谷は「イチロー風」に、「カラダを旋回させずに」スイングしている。ピッチャーはクリーブランドのマイク・クレビンジャーだが、彼が「あっ」と思った瞬間には、実はもう、とっくに「スイングは終わって」いて、ボールは左中間スタンドに一直線に向かっているのである。
ついでだから、イチローと大谷も並べてみる。
両者とも、「カラダがバットと一緒に旋回しない」ことがわかる。
ただ、バットに当てた後、ここからが
大谷は、イチローと違う。
試合後、マイク・ソーシアが2本めのホームランについて、「まるで右のプルヒッターみたいな打球」とコメントしているが、それは、こと「打球の質」については、まったくそのとおりなのだ。
というのも、2本めのホームランでは、ミート後に「腰が大きく開いて」、バットを振り切ったときには「カラダ全体がセンター方向を向いて」いるほど、カラダが開いているからだ。こういうフォロースルーはイチロー風ではない。
こういう「大きなフォロースルー」や「腰の開き」は、「右のプルヒッターによくありがちな、大きなフォロースルー」だ。
だから、打球の質も「右のプルヒッター風」になる。(こうした大きいフォロースルーは、大谷がMLBに行ってから始まったのではなく、日本でプレーしているときから既にこうだった)
だから、言ってみれば大谷は、「バットに当てるまでは、左打者イチロー風に」、そして、「バットに当ててからは、右のプルヒッター風に」スイングしたのである。なんとも器用な男だ。
本来なら、左バッターの右足は、右バッターの左足より、外旋しにくい。だから、左バッターの打ち方と右バッターの打ち方は違ってくるのが普通だ。右バッターは概して「腰が開きやすい」のに対して、左バッターはそれほど「腰を開かないまま」で打つことができる。
だが、大谷は、「右バッターと左バッターをミックスしたように打つ」ことができるのである。
このことは、大谷のスイングスピードの速さもあって、スローで見ないとわかりにくい。通常の速度でになにげなく見ているだけだと、大谷が右のプルヒッターがよくやるように、大きく腰を開いて打ったように見えるのである。
この「ミックスした打ち方」が、「意図的なもの」であることは、以下の記事の記述から、間違いない。
「試合前のフリー打撃では、早めに始動して右足を着地し、内側からバットを鋭角に振り下ろす動作を繰り返した。」
ソース:大谷に変化する勇気、イチロー式ダッシュ導入2桁弾 - MLB : 日刊スポーツ
ただ、上の記事では、「イチロー風のダッシュ」などと、くだらない点に着目して記事を書いているのだが、そんなことはどうでもいい。
「右足を、打撃フォームの非常に早いタイミングで着地し、スイングを早めに起動して、腰を開かないままバットを振り切っておくこと」が、「イチロー風」なのだ。