March 10, 2020

いま2020年2月末段階での武漢肺炎騒動を振り返ってみると、日本のコロナ感染の程度について、非常に多くの「デマ」が飛ばされ、いつのまにか日本が世界最大の武漢肺炎汚染国ででもあるかのように「仕立てられてきた」ことがわかる。


デマが根拠にしたのは、「検査は、すればするほど、事態を改善していくはず」という「誤った思い込み」である。だが、そこにはなんの科学的根拠もない。


例えば以下のブログを例にとると、2020年2月末の記事で「韓国と日本は10万人あたり感染者数が、実はほぼ同じだろうと推測」などと、根拠のないことを主観のみで述べたてている。
感染者爆発の韓国と日本が実は人口あたり感染者数がほぼ同じという推測

こんな馬鹿げた主張に何の根拠も、裏付けもないことは、ほんのちょっと事実を並べてみればわかることだ。たぶん、テレビのワイドショーかなにかが無責任な反日報道をするのを見て、真に受けたのだろう。哀れなものだ。


こうした無責任な主張がよりどころにしているベースは、「韓国では大量の検査をしているが、日本ではあまり検査をしていない」という、「あやふやな話」だ。
もし、検査の数がそれぞれの国で異なるというささやかな事実を指摘したいだけなら、そのことだけを指摘して満足していればよかった。だが彼らは、よせばいいのに、そのささいな事実を針小棒大に利用して、大きなこと、つまり、「日本では実際にはコロナ感染が蔓延している! 政府の事実隠蔽だ!」などと、「デマ」を流そうとして墓穴を掘ったのである。


では「事実」はどうか。
簡単にふりかえる。

2月末の時点で、上記ブログが指摘した韓国の10万人あたり感染者数は「1.2人」だが、3月8日〜10日のいくつかのソースからみると、韓国の10万人あたり感染者数は「14人」をこえ、検査をやたらとしていた韓国の感染者数は、たった10日でその10倍以上に激増しているのである。

もし本当に、日米マスコミのデマニュース、素人のデマブログ、デマSNSがいうように、「きちんと検査をしてないことが日本のコロナ対策の重大な欠陥」であり、他方で「韓国がきちんと検査していることが、彼らのコロナ対策成功の証である」ならば、2月末から3月10日には、日本のコロナ患者が激烈に増加する一方で、韓国は封じ込めに成功し、その結果「両国の感染割合は接近してきて」いなければ、ロジックの辻褄があわない。


だが、「事実」はまるでそうではない。

10万人あたり感染者数でみると、2月末に「1.2人」だった韓国は、その後の10日間ほどで10倍以上に膨れ上がって「14人を越えた」のであり、その一方で、3月10日現在の日本は「0.39人」と、月末の韓国や、アジアより遅れてコロナ感染が始まったヨーロッパより、はるかに少なく、おまけに、そのヨーロッパの中でも感染者の少ないイギリス以下の数値にすぎないのである。
武漢肺炎による死亡率 イタリアが世界で最高に - Sputnik 日本


これらの事実が示すのは、単純なことだ。

「数多くの検査をすることが絶対的な感染症対策になる」わけでは、まったくないのである。

軽症の患者をも対象に加えて、検査をしすぎると、医療システムそのものが機能不全を起こして機能しなくなり、重篤な患者への対応をはじめ患者全体への対応が麻痺する事態が起こることは、感染症対策で意識しておくべき基本のひとつであり、韓国の事例で実証されている。


検査そのものはべつに「正義のありかを示す剣(つるぎ)」でもなんでもない。なのに、それを安易なヒューマニズムにかぶれた人間が「検査!検査!」と怒鳴りまくって称揚し、あたかも日本が世界最高のコロナ感染国のひとつであるかのような無責任なデマを飛ばしまくって、国民の危機感を無駄に煽って、トイレットペーパーをはじめとするプチ・パニックを誘発したのが、この「PCR検査デマ」という恥知らずな行為なのである。

付記:ダイアモンド・プリンセス号での感染は
   「日本での感染ではない」


例のダイアモンド・プリンセス号での「700人あまりのコロナ感染者」だが、あの中国寄り発言の連発で悪名高いWHOですら、「日本の感染者数」にはカウントしていない
当然である。なぜなら、あれは、「船籍はイギリスで、所有者はアメリカ」の船であり、感染が起こったのも公海上、いわば「外国での感染」なのであって、「日本での感染ではない」のである。
にもかかわらず、日米のマスメディアなどはダイアモンド・プリンセス号の700人を日本での感染者数にカウントするような恣意的な印象操作報道を意識的に繰り返したために、世界の多くの地域で誤解や日本人差別が生じたのである。彼らは日本に謝罪すべきだ。




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