July 2009

July 31, 2009

ジェフ・クレメントが2008年にほんの2ヶ月、正捕手だった夏のことを指して
「クレメントは捕手としてたいしたことなかった。
 城島とかわらない」
そんな嘘を平気でしゃべる輩を、絶対に許そうと思わない。

2008年というシーズン、そして、2008年の夏、それがどういう季節だったか。よく知りもしないで(または、多少わかっているくせに)クレメントが、捕手としてもがき続けた短い夏の素晴らしい仕事のことを、ああだこうだ言うやつを許したくない。
あれだけ待ち続けたのに、あれほど酷い環境の中でしか、正捕手の座がまわってこなかったクレメント。それでも彼は精一杯もがき続けた。



ストリークstkeak)とは、野球の場合、あるシーズンで一定のゲーム数を決めたときのデータで、ウイニング・ストリーク
Winning Steak)なら、一定のゲーム数を決めた条件のもとでの勝ち数の最も多い時期、ということになる。
まず2008年のシアトル・マリナーズで、50ゲームにおける最良のウイニング・ストリークを見てもらおう。

50ゲームにおけるウイニング・ストリーク
2008-06-11 2008-08-07 22勝28敗 勝率 .440
2008-06-09 2008-08-05 22勝28敗    .440
2008-06-17 2008-08-13 22勝28敗    .440

50ゲームだと22勝28敗、これが最高勝率だ。酷いものだ。最高で22勝しかしてないのである。半分のゲームすら勝ててない。
別の言い方をすれば、2008年の、どの50ゲームをとってみても、この22勝、.440以上マークした50ゲームは、ひとつもない、ということだ。50ゲームをサンプリングした最高勝率が「22勝28敗、勝率 .440」である、といいかえてもいい。
そしてサンプル数を50から、60、70、80と、いくら増やしても、勝率は一度たりとも「5割」以上になることはない。

難しいことはともかく、このシーズンに、「5割」という勝率が長期に渡って記録されたことは、2008シーズン、ただの一度もなかったのだ、ということがわかってもらえば結構だ。


こんどはサンプリング数を少なくしてみよう。
40ゲームにしてみる。すると、たった一度だけ19勝21敗になったことがある。だが勝率「5割」には届かない。
2008-06-23 2008-08-07 19勝21敗 .475

30ゲームでサンプリングしてみる。
ここでは16のサンプル(含6月17日〜7月22日)で、14勝16敗、勝率.467が記録されているが、これも「5割」は超えてこない。サンプル数を1つずつ減らしてみる。

28ゲームまで減らすとはじめて、勝率が「5割」になるサンプルがでてくる。サンプル数は6つ。(以下すべて14勝14敗 勝率.500)
2008-06-09 2008-07-09
2008-06-17 2008-07-20
2008-06-04 2008-07-05
2008-06-06 2008-07-06
2008-06-16 2008-07-19
2008-06-15 2008-07-18

では、このシーズンは勝率が「5割」を越して貯金ができた時期はまったくないのだろうか?
27ゲームからようやく1つ貯金ができるサンプルがでてくる。サンプル数はわずかに3つ。
2008-06-16 2008-07-18 14-13 .519
2008-06-17 2008-07-19 14-13 .519
2008-06-06 2008-07-05 14-13 .519


そして、たどりつくのが、26ゲームでのこのデータ。

2008-06-17 2008-07-18 14-12 .538


25ゲームを超えるゲーム数で、2つ貯金をつくったサンプルは、『2008年6月17日』からの『約1ヶ月間、26ゲーム』、このたったひとつのサンプルしかない。


上のデータの開始日にみえる『2008年6月17日』という日が、シアトルにとってどれほど特別な日なのか、わかるだろうか。
サンプルを50ゲームから、順に減らしていっても、ずっとずっと最後まで残っている、残り続けている『2008年6月17日』という輝かしい日付け。

それは元監督マクラーレンが、「これからは正捕手はクレメントでいく」と宣言した、まさにその日。
また、前GMバベジが解任された日の翌日であり、また城島の延長契約がオーナーのトップダウンだという地元紙の記事が出された日の翌日でもある。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:時系列にそって「城島問題」を読む。


この6月17日の翌6月18日、クレメントはホームのワシントン州セーフコ・フィールドでのフロリダ・マーリンズ戦で、初めて正捕手としてゲームに出場した。



2008シーズンに
「最も勝てた、ほんの一瞬の短い夏」を作ったのは、
ほかの誰でもない。

ジェフ・クレメントである。



2008年6月のこのブログの記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年06月


ついでだから、負け数の最も多い時期、ルージング・ストリークloosing streak)も挙げておく。
長期で最も酷いのは月間20敗した5月を含む時期で、相当に酷い。勝率は3割にすら届かない。
ところが20ゲーム以下では一変して、5月以上に負け続けた時期がある、「城島が再度正捕手に復帰した9月以降」である。
この「城島が再度正捕手に復帰した9月以降」は、20ゲームのサンプルでは、あの最悪だった2008年5月の20ゲームすら越えて、このシーズンで最もシアトルが負けた時期であることがわかる。12連敗したのだから、当然のことだ。勝率はわずか2割しかない。

こうした酷い時期のサンプル数の多いこと。2割などという勝率に比べたら、クレメントの1ヶ月は約2.5倍もの勝率を達成していたことになる。

だらしないにも、程がある。クレメントの短い夏を馬鹿にするのもほどほどにしろ、と言いたい。

40ゲーム
2008-05-02 2008-06-15 11勝29敗 勝率.275
2008-04-22 2008-06-04 11-29 .275
2008-04-27 2008-06-10 11-29 .275
2008-07-06 2008-08-21 11-29 .275
2008-05-01 2008-06-14 11-29 .275
2008-05-03 2008-06-16 11-29 .275
2008-04-30 2008-06-13 11-29 .275
2008-04-24 2008-06-07 11-29 .275
2008-04-25 2008-06-08 11-29 .275
2008-04-23 2008-06-06 11-29 .275
30ゲーム
2008-04-24 2008-05-26 7-23 ,233
2008-04-23 2008-05-25 7-23 ,233
20ゲーム
2008-09-01 2008-09-22 4-16 .200
2008-09-03 2008-09-24 4-16 .200
2008-09-05 2008-09-25 4-16 .200
2008-09-06 2008-09-26 4-16 .200
2008-04-23 2008-05-13 4-16 .200
2008-09-02 2008-09-23 4-16 .200
15ゲーム
2008-09-11 2008-09-25 1-14 .067
10ゲーム
2008-09-12 2008-09-21 0-10 .000
2008-09-13 2008-09-22 0-10 .000
2008-09-11 2008-09-20 0-10 .000






July 30, 2009

それは2008年4月30日の、よくあるゲームのひとつだった。
シアトル対クリーブランド。先発ウオッシュバーン。中継ぎベク、そしてローランドスミス。

Game Wrapup | Mariners.com: News

Seattle vs. Cleveland - April 30, 2008 | MLB.com: Gameday

相手投手は、この年、のちにサイ・ヤング賞をとることになる、クリフ・リー。先日フィリーズへ移籍した彼のこのときのキャッチャーは、もちろんショパック。ビクター・マルチネスではない。
クリフ・リーは、6回3失点97球と、彼にしてはそれほどよいともいえない微妙な数字を残し、マウンドを降りた。7回のマウンドにはあがったのだが、シアトルのバレンティンに3ランを打たれたのだ。
にしても、このときのスコアは8−3。クリーブランドにしてみれば、もうあとはゲームを流すだけでよいスコアだった。


7回に3ランを打たれて投手が代わり、次の打者、城島がライトフライを打った。このゲーム後の打率.177。シーズンはじまったばかりとはいえ、酷い打率だった。

クリーブランドのライトで、このフライを捕球した、ヒゲの似合う若い男がいた。彼はこの試合、4打数2安打3打点の活躍によってシアトルを負けに追い込んだヒーローになった。
このときの彼はクリーブランドではセンターのサイズモアのおまけのように思われていたが、翌年にはこのとき戦って自分が負かしたチームでセンターのレギュラープレーヤーになり、チームの要となることになった。
彼はベネズエラ出身。このゲームの最終回にヒットを打ったキャッチャーの若者と同じ83年生まれで、名をフランクリン・グティエレスといった。



8回になって城島がひっこんでキャッチャーが代わった。
ジェフ・クレメント。この年の初マスクだった。ピッチャーはこの回からローランド・スミス。スコアは8対3。

クリーブランドの先頭バッターはレフトのジェイソン・マイケルズ。2球目、いきなりツーベースを打たれた。そのあとカブレラ、サイズモアと歩かせ、ノーアウト満塁。
だがクレメントとローランド・スミスは、2番キャロルをショートのベタンコートへのポップフライに打ち取る。1死満塁。だが迎えるバッターはビクター・マルチネス。

初球、高めに速球がはずれ、2球目のチェンジアップが決まった。1-1。
3球目、インコースを速球がえぐる。マルチネスがこれをひっかけると、ボールは鮮やかにサードのベルトレから、ロペス、セクソンと運ばれていき、ダブルプレー。イニングの熱は糸をひくように終わった。



8−3のまま、9回表。ピッチャーはクリーブランドにやってきたばかりのジョージ・フリオ。先頭の6番セクソンが三振。この日の7回に3ランを打っている7番バレンティンがショート・フライに倒れ、2アウト。

あとひとりになって、このシーズンの最初の打席に立った選手がいた。

初球はストレートだったが、思い切りよく叩くと、そのボールはセンターサイズモアの前にライナーで飛んでいった。

9回2アウト、5点差からのシングルだった。

だがそのあとに打席に立った9番のユニスキー・ベタンコートはあっさりと初球を打ち上げてしまい、そこでゲームは終わった。

アイオワ州生まれの若者の2008年の初めての打席は、
こうして終わった。

2008年4月30日 クレメント2008シーズン初打席センター前ヒット

いまはもう、クリフ・リーも、グティエレス、フリオも
クリーブランドにはいない。

そしてベクも、セクソンも、バレンティンも、ベタンコートも
もう、シアトルにはいない。


そして。クレメント。


場所。オハイオ州クリーブランド、プログレッシブ・フィールド。
2008年4月30日。観客15,279人。
観衆はけして多くはなく、ホームでもなかったが、
ジェフ・クレメントはこの日たしかに
この年初めてのマスクをかぶり、
はじめての打席でヒットを打った。






サイ・ヤング賞投手クリフ・リーがクリーブランドからフィラデルフィアに移籍する直前に、「クリフ・リーが、ビクター・マルチネスとセットで移籍するのでは」なんていう、あまりにも馬鹿げた噂を平然と書いている人を目にした。
シアトルとはなんの関係もない話だが、「城島問題」という「捕手と投手の関係の問題」には大いに関係のある話題ではあるので、ちょっと書いておく。
Phillies land Lee from Tribe | MLB.com: News
クリフ・リーのキャリアスタッツ
Cliff Lee Pitching Statistics and History - Baseball-Reference.com

投手クリフ・リーと捕手ビクター・マルチネスの関係については一度、下の記事に書いたので、多少のデータとリンクはそちらを見ておいてもらいたい。要するに、クリフ・リーは捕手としてはダメ捕手のビクター・マルチネスとのバッテリーを拒否することでサイ・ヤング賞に輝いたのだ。
2009年7月16日、城島は試合序盤、投手オルソン、ジャクバスカスがモーションに入ってもミットを構えず、ゲームのリズムを壊した。(サイ・ヤング投手クリフ・リーがなぜショパックを指名捕手にしたか 解説つき)


そのクリフ・リーが優勝の見込みのないCLEを抜け出すにあたって、ダメ捕手と一緒に移籍?
とんでもない。ありえるわけがない。(笑)
そんなトレード、クリフ・リーが受け入れるはずがない。

だからこそ、クリフ・リーが移籍するとしたら、単独か、誰かと組み合わせになるにしても、ビクター・マルチネスとのセットには絶対にならないと最初から思っていた。案の定、外野手のベン・フランシスコとの組み合わせになった。
まったく、いつになったら「城島問題」はじめ、「捕手と投手の関係の問題」が、ゴリゴリに硬化した旧式の脳の人たちのアタマの奥に浸透するのか、と思う。
やれやれ。


さて、クリフ・リーが移籍する先のキャッチャーは誰なのか。
Carlos Ruiz CERA 4.31
Carlos Ruiz Stats, News, Photos - Philadelphia Phillies - ESPN
WBCのパナマ代表キャッチャーで、打率.230でPHIの正捕手であることからわかるとおり、リード重視の守備型キャッチャーで、ビクター・マルチネスとは対極のタイプの捕手である。クリフ・リーも、カルロス・ルイスならさぞかし安心だろう(笑)
移籍後のクリフ・リーのERAなどのスタッツには、今後も注目していくつもりだ。
ちなみに、カルロス・ルイスのWikiには、「肩にも定評があり2007年は30%を超える盗塁阻止率を記録した。」などと書いてある。彼の今の盗塁阻止率は31.9%、かたやロブ・ジョンソンは30.8%である。
そんな、盗塁阻止率なんていうたいしたことのないスタッツより、2008年のCERA3.84のほうが、よほどカルロス・ルイスを見る上でに重要。だいたいバリテックあたりと同じくらいの数字、なかなか優秀である。

カルロス・ルイスと、クリーブランドの2人のキャッチャーを並べてみると、こうなる。
Carlos Ruiz 4.31
Kelly Shoppach 4.83
Victor Martinez 5.84
もちろんア・リーグとナ・リーグの違いがどう関与するのかわからないし、投手陣の実力も違うわけだから、単純に比較するわけにはいかない。
だが、クリーブランドが真っ先にやるべきトレードは、クリフ・リーを手放すことではなく、ダメ捕手ビクター・マルチネスが売れるうちに一刻も早く見切りをつけて放り出し、どこかのマトモな投手か野手を獲得してくることだったのではないかと思えてならない(笑)

逆に言えば、インディアンスというチームが、「捕手と投手成績の関係の問題」について、関心を十分に払ってこなかった、十分な配慮を怠ってきたことが、サイ・ヤング賞投手が「このチームには先の見込みがない、移籍して、リングを手にしよう」と考えた理由であることは確かだと思う。



ビクター・マルチネスの処遇の誤りで、インディアンスは、ひとりのサイ・ヤング賞投手を失ったわけだが、シアトルにとっても他人事ではない。
ベダードやウオッシュバーンが今期になって「シアトルに残りたい」と言い出した背景には、当然のことながらチーム側から「もう城島とはバッテリーを組まなくてよろしい」とようやくお墨付きが出たということがあるわけで、それはヘルナンデスとの契約についても、当然のことながら、「城島問題」は大きく影響する、という意味になる。

シアトルが、クリフ・リーを失ったクリーブランドと同じ目にあって、ヘルナンデスを失いたくなければ、「城島問題」の処理をさらに強くすすめるべきだ。






July 29, 2009

イルカイルカよ、
ウオッシュバーンを守りたまえ。

今日のビッグゲームを、どう説明しろというのだ。無理だ(笑)今日の勝利はウオッシュバーン、チームにとって、不安の暗闇を抜け出す大きな意味があるのはもちろんだが(このゲームをきっかけにしたように、トレードの話が流れている)、このブログにとっても大きな意味があった。

これまで、このブログでいろんなことを言ってきた。常に確信をもってはいる。
だが、それでも、ウオッシュバーンとジャクバスカスの言うcontrollという言葉を借りるなら、「目の前で行われているゲームは、自分ではコントロールできない」。つまり、ゲームとプレーヤーの出す結果が、ブログでの発言に沿ったものになるかどうかは、けしてわからないのだ。
もし、今日のウオッシュバーンが滅多打ちになるようなことがあれば、考えたのは、「自分の発言に確信はある。それは、これからも変わらない。だが、今日惨敗することがあれば、数%の真実味は『意味』として『死ぬ』ことになるかもしれない。それは、今日負ければ、シーズン前半の努力のかなりの部分が無になってしまうのと同じだ。」と、そういう気持ちがあった。
しかし、それでも、数%程度が死ぬことになったとしても、ウオッシュバーンにbet、賭けてみようと思った。人生は賭けでもあるのだ。不安がっていては前にすすめない。

2009年7月23日、ウオッシュバーンは「移籍したくない」といい、「プレーヤーが売り払われないために、頑張るしかない」と語った。

2009年7月25日、ジャクバスカスは、23日に「チームに残りたい」と語ったウオッシュバーンの言葉を引き継いで、「今シーズンに希望を失っていない」と強く語った。

2009年7月27日、魚釣りの好きな男の父が息子に電話してきて「トレードされたのかい?」と尋ねた。息子は言う。it's not over.「チームはまだ終わってないよ。」そして彼は家族のために魚料理を作った。


おめでとう。魚釣りの好きなウオッシュバーン。
おめでとう。ウオッシュバーンの父さん。奥さん。お子さん。
あなたたちの息子、夫、父さんは、
やはり、たいした男でしたよ。
Toronto vs. Seattle - July 28, 2009 | MLB.com: Gameday

1回表
レフトのソーンダースがホームラン性の当たりをフェンス際で神キャッチ!
Saunders makes a leaping grab to rob Wells - Video | Mariners.com: Multimedia
1回裏
イチロー 貫禄の先頭打者ヒット → 生還!
1−0とリード

2回表
先頭打者にヒットを許すも、オーバーベイをダブルプレーに。
さすがベテラン、ウオッシュバーン。
as for right now シアトルのエース
2回裏
1死1、2塁 → ワイルドピッチ 2、3塁
無得点。だが、がっかりしている暇はない。

3回表 2死1塁 スクータロの2球目はドルフィンか
    1塁ランナー走り、ロブ・ジョンソンがCS!チェンジ!
3回裏 トップからだが、三者凡退。

4回表 わずか5球で三者凡退! ウオッシュバーン!
4回裏 三者凡退。変化球にやられてる。

5回表 少し球数がかかったが、無得点におさえた。
     さすがウオッシュ。オーバーベイの三振が大きい
5回裏 下位打線。いわゆる三者凡退。

6回表 球審きわどいコースをまったくとらない。
    1死1、2塁をそれでもおさえきった。
    ウオッシュバーンQS成立!
6回裏 1死1、3塁からシェルトン タイムリー2ベース!
     2−0で2、3塁 → ハナハン タイムリー!
     3−0で1、3塁 → ロブ・ジョンソンDP・・・

7回表 1死満塁から犠牲フライ → 3−1
     2死1、3塁 → レフトライナーをソーンダースが好捕
     それにしても球審が低目をまったくとらない。イライラ。
Saunders snares the liner to end the inning - Video | MLB.com: Multimedia
7回裏 下位打線。三者凡退

8回表 ロウが二塁打を3本打たれ、3−3
8回裏 先頭イチロー、ヒット!
     それにしてもイチローへの初球は
     いくらなんでもボールだ。その後、三者凡退。

9回表 アーズマ登場
     2死2塁から、いやなスクータロ
     シェルトンがファウルフライを神キャッチ!
Shelton reaches into the stands to make grab - Video | MLB.com: Multimedia

9回裏 ハナハン ヒット! ロブ・ジョンソン四球!
     ウッドウォード バントヒット!
     ノーアウト満塁!!!!
     2死から イチロー登場!
     サヨナラタイムリーヒット!!!!!!
     ぐおおおおお。連敗断ち切ったぜ、
     ウオッシュバーン、最高!!

     (ロウは30分正座してなさい)
Ichiro drops a walk-off single into center - Video | MLB.com: Multimedia

トロントのガストン監督の談話
"You throw that pitch to just about anybody else in this league and they'll strike out on it. They won't hit it."
「リーグの誰だって三振するとこにビシッと投げてるんだぜ?ヒットを打てるわけがないんだ・・。」
"You're trying to get a guy out there that averages 200 hits a year," Gaston said, "and is probably a Hall of Famer, as far as I'm concerned. Downs made two good pitches on him, and he hit a little flare over the shortstop's head. There's not much you can do about that."
「年に200本もヒットを打つ選手を討ち取ろうっていうんだからねぇ・・・」とガストン。「彼は僕の知るかぎりの範囲で、たぶん野球の殿堂入りする選手なわけさ。ダウンズ(=トロントのクローザー)もさ、2つ、いい球を投げてんだけど、彼はショート頭上にテキサスヒットを打っちまう。これ以上、何をしろって?どうしようもないよ・・」
相手先発ゼプチンスキー投手の談話
"That's what makes him a good hitter. That's why he's going to hit .350 to .380 every year. Plus, the speed helps. He's a battler. You've got to make really good pitches, and he hits really good pitches."
「あれが、彼をいいバッターにしてる部分であり、毎年3割5分から3割8分もの高打率をマークできる理由だよ。加えてスピードもあるしね。彼はいつもバトルしてくる。投手側はさ、『本当にいい球』を投げてるんだ。だけど彼は、その『本当にいい球』こそ、ヒットしてきちゃうんだよな
Blue Jays' loss hits Gaston hard | bluejays.com: News

イチロー メジャー初サヨナラタイムリー

2009年7月28日 イチローサヨナラヒット 別アングル

2009年7月28日 イチローメジャー初サヨナラヒット「パラシュート・ヒット」は
こんなクソボール(笑)

まさに、「生きている岩鬼」(笑)
よくこんな、とんでもないボール球をヒットにするものだ。だが、これを打つ理由はある。球審がアウトコースにはずれるボールをストライクコールしまくっているから、手を出さざるをえないのである。
その逆境の中で、ボール球をサヨナラにしてしまうのだ。天才としか、いいようがない。

10万ヒット ありがとうございましたなんか10万ヒットをこえてました。見てくださる方、全員に感謝を。ありがとうございました。






トロント第2戦は、大試合である。
いろいろなプレーヤーの、「これから」が、かかっている。
負けたくはない。だが大炎上の可能性もある。
信じるしかない。

ひとりで緊張していてもしょうがない。ちょっと、このブログのことを書いてみる。



このブログをやるきっかけをふりかえってみると、やはりそれはジェイミー・バークなのだと思う。

バークは2007年シーズン、正捕手城島の控え捕手をつとめた。チームはこのシーズン、2位にはなったが、バークの勝率、CERAともに城島より良かった。チームのいわゆる貯金というやつを稼いだのはむしろバークのほうだった。
だが、この頃まだそういうことに耳を貸す人もあまりなく、人々はアメリカで日本で、ひさびさの地区2位という結果に酔った。

2008年になってバークは、どういうわけか、あまりいい成績を残せなかった。ただ、2007年にバークがした仕事の残りは、かわりにジェフ・クレメントが引き継いだ形になり、2007年のバーク同様、マクラーレン辞任の時期以降の一時期には正捕手として城島よりはるかに良い勝率を残した。だが、そのクレメントも膝の故障のため戦列を離れ、チームはシーズン100敗をし、クレメントは2009年開幕時にはマイナーで気持ちを腐らせた。

だが2009年クレメントの仕事を引き継ぐ男が現れた。ロブ・ジョンソン。城島をしのぐ仕事ぶりで、彼は城島を控え捕手に追いやった。

だからある意味、ロブ・ジョンソンのいまの仕事は、バーク、そしてクレメントの仕事を引き継いだ、ということになる。



よく、控え捕手になった城島を、ロブ・ジョンソンと比較する人がいる。本当に失礼な人間がいるものだと思っている。
ロブ・ジョンソンを持ち上げたいから、ではない。理由はほかにある。

ジェイミー・バークは2007年には最初の1ヶ月はOPSが1.000を越えていたり、2009年でいえば、ヘルナンデスと組んだバッテリーの防御率がロブ・ジョンソンを超えていたりする、ちょっと不思議な中年おじさんである。だが、そんなデータなどより、もっと、ずっとずっと大事なことを、ジェイミー・バークは達成してみせた。

それはこういうことだ。
バークは、正捕手城島が休んだゲームをまかされていたわけだが、たとえそれが豪腕ヘルナンデスでれ、当時まだローテ投手だったバティスタや、ホラシオ・ラミレス、若いフィアベント、ベク、誰であれ、「裏ローテだから勝てるはずがない」とか、「今日はたまたまヘルナンデスがまわってきたから勝てて運がいい」とか、そういう意味のわからない気持ちの浮き沈みを、ゲームでまったく感じさせたことがない。


そう。
控え捕手として、城島と比べるべきなのは、最高の控え捕手ジェイミー・バークだ。バークを越えてから文句を言え、と、言いたいのである。

バークは2007年はじめに炎上王ウィーバーをまかされたときも、「こんな先発投手、負けてあたりまえ」などと、そんな気分をまきちらしながらゲームに臨んだりはしなかった。ロブ・ジョンソンも今年まだ控え捕手だった時代、炎上王シルバのボールを受けていたことがあったが、シルバにさえ1年ぶりの勝ち星を演出したりしたものだ。

バークは控え捕手であることで腐ったりすることはなかったし、マイナーで練習を怠ったりもしていない。

いつぞや、城島が今年最初のDL入りをしたときに、バークがマイナーから上がってきた日のゲームのある光景をいまも忘れない。
打席に立った彼が、ファーストに向かって走ったときの、あの、早さ。(もちろん彼なりの、という意味の早さであって、イチローのホンモノの速さとは違う)2007年に鈍足で知られていた彼が、長い時を経てフィールドに帰ってこれるまでの長い時をどう過ごしていたか、それがわかる走塁だった。
問題なのは、凡打だったかヒットか、そんなことではなくて、彼がグラウンドだかジムだかでやったダッシュの本数だった。



ジェイミー・バークは、たしかに年齢のせいもあり、おそらく正捕手としてシーズンいっぱいプレーし続けていくのは無理なのだろう。
だが「控え捕手として」という条件なら、誰がなんといおうと、彼バークは「世界最高クラスの控え捕手」だ。今シーズンだって、CERA3.00前後という素晴らしい数字を残して、ひっそりマイナーに落ちていった。
CERAだの、勝率だの、そんな木っ端のようなデータだけで言うのではない。そんなものは彼の結果を表した、ただの数字の羅列に過ぎない。
そうではなく、彼の、ゲームに対する静かな湖の水面のような抑えた情熱の価値、控え捕手としてのプライドあるゲームぶりが、なぜわからないのか、と言うのである。



控え捕手城島が成すべき仕事がいまあるとすれば、それはロブ・ジョンソンと対比した何か、であるはずがない。
世界最高の控え捕手、ジェイミー・バークの、あの、2007年に見せたひたむきさ。2009年にコールアップされるまで耐え抜いたバークの、腐らないで気持ちを維持して努力し続けたひたむきさ。2009年にコールアップされてから、黙々と城島の復帰までチームを支え、マイナーに去っていったバークのひたむきさ。
そういったものを越えないまま何年もプレーしておいて、いまさら控え捕手のどこか不満か。

シアトルの控え捕手とは、バークにしてみれば、彼の築いた「名誉あるポジション」であって、城島のような不名誉なプレーヤーにはふさわしくない。


野球の勝ちに、表ローテの1勝も、裏ローテの1勝も、関係ない。1勝は1勝。控え捕手の最初の仕事、最初の目標は、「最高の控え捕手になること」だと、バークが教えてくれた。

世界最高の控え捕手、バーク。
たとえ彼に可能な究極の目標が、正捕手の座でなく「最高の控え捕手になること」であったとしても、僕は彼を応援することをやめようとは思わない。






July 28, 2009

いま、チームの誰もが不安を抱えている。
不安になる、とは、不安を持たないことではない。自分の抱えた不安の大きさに気づいてしまうこと、そして、不安に支配されてしまうことだ。

生きていく、ということは、もともと不安との永遠の戦いだ。不安がなくなる、などということは、おそらくない。

だからこそ、マウンドに上がらなくては。

僕は明日、父の子として生まれ、ひとりの女の伴侶となり、子の親となり、そして、それら全部をひっくるめて抱えこんだひとりの男としてマウンドに上がる、釣り好きの男を応援しようと思っている。
 
ルアー


Mariners Blog | Washburn: "I wouldn't be disappointed to stay a Seattle Mariner" | Seattle Times Newspaper

この記事によれば、ウオッシュバーンの田舎に住む父が息子に電話してきたようだ。父は息子に、Did you get traded to the Brewers? ブリューワーズにトレードされたのかい? と、尋ねた。

息子はこう答えた。
"Dad, don't you think I would have called you if something had happened,' and followed up with, 'Don't you remember what happened last year? All the times I supposedly got traded and nothing happened.' You get a lot of calls and text messages from people wondering what's going on and what do I hear. I tell them all the same tthing...you hear as much as I do and I will let you know if something happens."
「父さん・・。もし何かあったら僕から父さんに電話しただろうって、思わなかったのかい。去年あったことを覚えてる?ずっと僕はトレードされるのかなと思ってたけど、何も起きなかった。父さんはたくさん電話をくれたし、たくさんの人から何が起こってるのか、そして、僕が何か聞いていないか、メールで聞かれたりした。僕が言うことはいつも同じさ・・。父さんが聞いていることと同じことしか、僕は知らないんだ。もし何かあったら、僕が父さんに知らせるから。」


父との会話を披露したあと、男はこんな話をした。
"It was different last year because we were definitely out of contention. This year, I don't think the season is over with here. We had a tough weekend but it's not over. I wouldn't be disappointed to stay a Seattle Mariner. I would be happy to be a part of this group of guys, forget about last weekend and return to playing to good baseball like we did before those three games."
「チームが首位争いから完全に脱落してしまっていた去年とは違うんだ。今年、僕はチームにいて、シーズンが終わってしまったとは思ってない。僕らにはつらい週末だったけどね。僕はチームに残ることになったとしても、それでガッカリするようなことはないんだ。僕はほかのやつらと一緒にこのチームの一員として幸せにやってける。先週のことは忘れよう。そして、この3ゲームの前に僕らがしていたような、いいベースボールに戻るんだ。」


このインタビューで彼は、シーズン中の野球選手としてはとても珍しく、家族のことをかなり喋っている。(本当は元記事にはこの部分が先に記述されているが、順番など、どうでもいい)
"I don't think the kids really understand what's going on, but my wife does. She is taking it pretty good. She made me cook fish today. She said I might not be around to cook it later, and fish is my specialty. But other than that, she has been around a long time, too, so she knows the ups and downs and all the rumors and that stuff.
「子供たちは、何が起こっているのか、本当にはわかってないと思う。でも、妻はわかってくれてる。彼女はほんとうによくやってくれている。彼女は僕に今日、魚料理を作らせた。彼女が言うには、『魚を後で料理することになって、あなたがいないと困るから』なんて言うんだ。魚料理は僕の専門だからね。でも魚を料理しなくちゃってことだけじゃなく、彼女は長いこと一緒にいるからということもあって、気持ちの浮き沈みや、トレードの噂とかなんとか、全てをわかって接してくれてるんだ。」




魚を料理しながら、魚釣りの好きな男は彼の奥さんにトレードについて何か気持ちを打ち明けたかもしれないし、何も言わず料理したのかもしれない。それはわからない。
でも、たぶん、男は、彼のことだからおいしい魚料理を作ったことだろうし、彼と奥さんは「おいしいね、これ」とか、いつもどおりの言葉を発したのではないか、と思う。夫婦って、そういうものだ。



今日、自分の肩にかかった責任の重さが、わかっていながら負けた自分の若さを、ヘルナンデスは誰よりも早く大人になりたい子供のように悔しがって眠れないかもしれない。
今日打ったいくつかのヒットの数より、パスボールしてしまったことの重さを噛み締めながら、ロブ・ジョンソンはボールの軌道を何度も思い出しては、ミットを動かすように左手を動かしているかもしれない。

今日、グティエレスは、壁が気になって捕球できなかったトリプルのことを、「もしかしたら、自分は壁を怖くなっているんじゃないか」と不安に思っているかもしれない。
今日ゲームからはずれていたラッセル・ブラニアンは、「もしかしたら、これでまた、このまま、ゲームにときどきしか出られない『昔の自分』に逆戻りしてしまうのではないか」と、不安にかられているかもしれない。

最近チームに加入した選手たちは、そのブラニアンを見て、「自分たちがゲームに出られるのがあと何試合あるのだろう」と、不安に思っているかもしれない。
投手たちは、一番頼りになるはずのヘルナンデスが打ちこまれてしまったのを見て、「自分もああなるかもしれない」と、不安に思ったかもしれない。


でも、そんな中で、
できるだけ何事もないような、知らん顔をわざとして明日のマウンドに立とうとしているウオッシュバーンを、
僕は応援しないわけにはいかない。

なぜなら、最近のウオッシュバーンの発言を読んでいると、彼が自分のプライバシーにまで踏み込んでいろいろと発言をしているのは「頑張ろう」「まだ終わってない」と、周囲を励まそうとしていることが、よくわかるからだ。

スウィニー。グリフィー。チームにベテランは何人もいる。

だが、ウオッシュバーンの言葉を借りれば、as for right now、いまのいま、ベテランとしてチームを背に支えようとしているのは、父の息子であり、いまは子供の父でもある、ベテラン投手、ウオッシュバーンだと真剣に思っている。

周囲とは、自分の仕事場である、チームの同僚。
経験の浅い若い選手たち。投手陣。
父。妻。そして子供。
自分。
すべて。

頑張れ。そして勝て。
ウオッシュバーン。
父として、子として、夫として。あらゆるものに勝て。

イルカ






以下の文章は、シアトルのご意見番のひとつとして名高いPro Ball NW(旧名:Bleeding Blue and Teal)ジョン・シールズが数日前に書いたものだ。
この文章が書かれたときはまだレッドソックスのフリオ・ルーゴの移籍は決まっていなかったように思うが、今はもうルーゴは、外野手のクリス・ダンカンと交換されて、カージナルスに移籍してしまい、もう赤い靴下ははいていない。

opt-out この場合は退団に関するオプションの取り決め
swap   交換。交換トレード。
buy out 契約の買取り。金を払ってやめてもらうこと。



Joh-K’s Outlook(ジョー・Kの前途)
by Jon Shields
http://www.proballnw.com/07-2009/joh-ks-outlook/

What to do with Kenji Johjima?
He’s not the starting catcher anymore. Rob Johnson has won over the pitching staff and more importantly manager Don Wakamatsu, catching whenever Felix Hernandez, Jarrod Washburn or Erik Bedard take the hill. He’s even been hitting since the calendar turned to July, batting .300 with a .900+ OPS.
城島健司を、どうしたらいいだろう・・・。
彼はもう、正捕手ではない。ロブ・ジョンソンは投手陣を味方にし、より重要なことに、監督ワカマツも味方にして、ヘルナンデス、ウオッシュバーン、ベダードが登板するときはいつも球を受けている。カレンダーが7月にかわってからは、打率.300とよく打ち、OPSも.900を超えている。

Johjima is under contract through 2011 and set to be one of the highest paid catchers in baseball over the next two seasons, but getting playing time is only going to get harder for him. Adam Moore, the organization’s top catching prospect, has continued hitting since landing in AAA and is just a few months of defensive work away from being MLB ready.
城島は、2011年まで契約があり、あと2シーズンはメジャー最高額のキャッチャーの1人だが、プレー時間は彼にとって厳しくなるばかりだ。アダム・ムーアは、捕手としてチームのトッププロスペクトだが、3Aに来て以来打ち続けていており、メジャーを遠く離れた場所でのほんの数ヶ月の守備的なトレーニングで既に準備はできている。

Will Johjima give up and go back to Japan? He has an opt-out clause in his contract that can be exercised after the 2009 season. It’s supposed to be reserved for family emergencies or other similar developments, but if he goes into 2010 Spring Training as the third string catcher behind Johnson and Moore (and not to mention Jeff Clement), might he find a way to exercise that clause and head back to Japan where he can find a starting job and play closer to his family?
城島はあきらめて、日本に帰るだろうか?
彼の契約には、2009シーズン終了後に履行できるオプト・アウト条項がある。本来は家族の緊急事態やそれに類する展開があったときのために用意された条項だが、もし彼が2010年のスプリング・トレーニングに、ジョンソン、ムーア(そしてもちろんジェフ・クレメント)に遅れをとる第三のキャッチャーとして参加したとすると、オプト・アウト条項を実行する道をとって、先発捕手の仕事を探せる日本に帰り、家族に近い場所でプレーするのを選ぶだろうか?

Or maybe he simply approaches the team asking to work out some kind of buyout? The Mariners could pay him something like $10M in exchange for his retirement. Just a thought.
もしくは、彼がシンプルに一種のバイアウト(=契約の買取りによる清算:ブログ補足)をチームに要求するというアプローチを選択するだろうか?マリナーズは彼のリタイアに対する代償として10Mかそこらは払うことになるかもしれない。ちょっとしたアイデアではある。

I mention those options first because I’m having a hard time thinking of a team that would want him in trade. The offense has slipped and there are surely rumors around the league about his inability to work effectively with a pitching staff. The Red Sox have been a popular target of speculation, but with Theo Epstein leading one of the most intelligent front offices in baseball and the Julio Lugo bad contract swap possibility a few days from going out the window, they don’t seem like much of a destination for Johjima.
私が最初にいろいろな選択肢に言及したのは、彼をトレードで獲得しようというチームについて考えていて悪戦苦闘したからだ。彼の攻撃力の低下、投手陣と仕事をする能力の無さについては、確かにリーグ周辺に噂が飛んでいる。
レッドソックスはトレード先候補として引っ張りだこのターゲットだ。しかし、メジャーで最も知性あるフロント・オフィスのひとつを率いるテオ・エプスタイン(=レッドソックスのGM:ブログ補足)にしてみれば、無用の長物になる期限まで数日しかないフリオ・ルーゴの貸し倒れスワップ契約相手の可能性としては、城島はたいした着地点にはならないようだ。(ブログ補足:その後ルーゴはカージナルスに移籍)

The Yankees could use a catcher, have money to burn and could market Joh alongside Hideki Matsui to their large Japanese demographic, but would they want Johjima? Not likely, but they’re the first real possibility that springs to mind.
火をつけて燃やすくらい金のあるヤンキースは、キャッチャーを必要としている。松井秀喜と並んで、城島を日本の巨大な購買層に売り込む可能性はある。だが、ヤンキースが城島を欲しがるだろうか?可能性は低いが、最初にパッと思いつく現実的な可能性ではある。

As funny as it is, the Royals match up on a couple of levels. They love hackers like Johjima and have Trey Hillman managing, but money would be an issue and Miguel Olivo is outperforming Joh at the plate this year.
冗談半分ではあるが、ロイヤルズとは相性がいいかもしれない。彼らは城島のようなおせっかい屋(hacker=侵入者 つまり、投手のシステムに侵入してくる人、という意味で使っているのだろう:ブログ注)が好きだし、(日本野球の経験のある)トレイ・ヒルマンが監督をしている。だが、予算的な問題があるだろうし、ミゲル・オリーボは今年キャッチャーとして城島をしのいでしまっている。

The Giants seem like a possibility, but Buster Posey isn’t long for the minor leagues so I don’t think they’d be eager to add an expensive catcher for the next two seasons. Who else could be a possibility? The Phillies?
ジャイアンツは可能性がありそうだが、バスター・ポジー(=1987年生まれの捕手で、MLBトッププロスペクト50に選ばれている捕手:ブログ補足)は、マイナーにそう長くいるわけではないだろうから、あと2シーズン先までのために、高額なキャッチャーを付け加えたいと切望するとは思えない。
プロスペクト・トップ50 Buster Posey
Buster Posey Top 50 Prospects Profile | MLB.com: Minors

The last options would be to either release Johjima outright and eat the $16M owed to him after this season, or allow him to stick around as the league’s most expensive backup for the next couple of seasons.
最後の選択肢は、シーズン後に城島を完全に放出してしまって彼に払うべき16Mを前倒ししてしまうか、数シーズンの間、「メジャーで最も高額な控え捕手」としてチームにしがみつくのを許すか、だ。

I’m getting of tired of rehashing these ideas every few months. I really hope the situation is resolved this offseason. What would you like to happen with Johjima? What do you think will actually happen?
私は、何ヶ月も何ヶ月もこういうアイデアを蒸し返して考えるのに飽き飽きしてきている。本当に、このシーズンオフには、解決に至ってもらいたいものだ。あなたなら、城島にどんなことが起きてほしい?どんなことが現実に起きると思う?






ESPNのDavid Schoenfieldとかいうライターが、players no team would want to trade forと題したどこのチームもトレードで獲得しようとは思わないプレーヤー・ランキングとかいうのを発表した。Least Trade Value、すなわち、LTVプレーヤーである。
このランキングで城島は14位。勘違いしていはいけないのだが、下記で説明するように、このライターは第15位のベタンコートと、第14位の城島を「このリストの最初の2人」と呼んでいる。つまり、第14位とは、悪いほうから2番目、という意味だ。
城島はこれで去年のESPNのThe Least Value Player、LVP獲得に続いて、ふたたびメジャーを代表するワーストランキングプレーヤーとなった(笑)
Major leaguers with the least trade value - ESPN

城島、獲得希望なさそうなランク14位、松坂の名も…(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

1. Barry Zito, Giants
2. Vernon Wells, Blue Jays
3. Alex Rodriguez, Yankees
4. Carlos Silva, Mariners
5. CC Sabathia, Yankees
6. Alfonso Soriano, Cubs
7. Travis Hafner, Indians
8. Gary Matthews Jr., Angels
9. Aaron Rowand, Giants
10. Dontrelle Willis, Nate Robertson, Jeremy Bonderman and Carlos Guillen, Tigers
11. Todd Helton, Rockies
12. Carlos Lee, Astros
13. Juan Pierre, Dodgers
14. Kenji Johjima, Mariners
15. Yuniesky Betancourt, Royals

当然のように第14位にランキング入りした城島については、こういうキャプションがついている。
Anybody want a 33-year-old catcher with a .299 on-base percentage and little power? Didn't think so. Congratulations, former Mariners general manager Bill Bavasi, you signed the first two guys on our list!
「33歳、出塁率.299、パワーのないキャッチャーを誰が欲しがる?ありえない。元マリナーズGMのビル・バベジさん、おめでとう。あなたはこのリストの最初の2人と契約したんですね!」


キャプションで「最初の2人」といっている(原文参照)のは、ベタンコートと城島のことである。城島の契約についてバベジがそれほど関与していないことは、「城島問題」の事情に通じたこのブログの読者なら、よくわかっていることと思う。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:時系列にそって「城島問題」を読む。

このライターが普段何をしている人なのか、よく知らないのだが、去年城島をシーズンLVP(最も貢献しなかったプレーヤー)に選んだESPNの看板ライターのひとり、Jayson Starkのような、ESPN電子版のトップページに顔写真が載るレベルのライターではないのは確か。
2008年9月28日、ESPNは城島をア・リーグ年間ワーストプレーヤーに選んだ。

まぁ、ご当人が、fangraphs.com. のDave Cameron氏が作った「最もトレードバリューのある選手50人」を見て作ったと認めて書いている二番煎じ企画なだけに、特に信憑性があるわけではないので、面白半分に見ておく程度でいいだろう。

城島がアメリカ国内でも「もうどうしようもない選手」と位置づけられたことくらいは、人に言われなくても、わかっている。

そんなことより、気になるのは、第15位に入った元マリナーズのユニスキー・ベタンコートのキャプションの書き出し。
He can't hit, can't field, can't run.(打てない、守れない、走れない)というのは、明らかにこのブログのタイトルキャプションのもじりのような気がしてならないのだが、気のせいだろうか。(苦笑)

困ったライターさんだ(笑)







July 27, 2009

なんだろう、この醜悪な空気は。
このカード、城島先発2ゲームだけで20失点。CERA5.34。


シアトルに今年5月(あるいは2008年)の、あの「正視に堪えない城島正捕手時代」の嫌な空気が戻ってきた。この空気、2008年にはシーズンを通して流れていた、あのイヤな空気だ。
城島というプレーヤーの漂わせる腐臭は疫病神とかいう形容詞をすでに通り越している。登板間隔の調整のためだろうが、大敗ゲームに出してきたロウ、ホワイトといった勝ちゲームのセットアッパーたちを、城島の毒を味わわせるべきではない。


コネ捕手城島が2ゲームのマスクをかぶる形で臨んだクリーブランド3連戦。アウェイで勝ち越しているこのカードだったが、24日の初戦でコネ捕手城島の甘えたゲーム運びでクリーブランド打線に火をつけてしまい、3連続炎上スイープを食らった。

前回の危機、つまり今年5月の「月間20敗」の危機は、城島DL入りによってチームの雰囲気が劇的にガラリと一変し、乗り切ることができた。
だが、城島がコンスタントにゲームに出るようになると途端に、「醜悪な空気」の漂うチーム崩壊が襲ってくる。
何度も城島をベンチに座らせたままにさせ、ローテ5人全員を受けさせるべきではないと書いたが、裏ローテを城島にまかせてしまうような中途半端なことをするものだから、かえって、城島のもつ悪影響の大きさは控え捕手になった現在かえって大きくなっていることが、このクリーブランド3連戦でわかった。

コネ捕手城島の大炎上を招く「放火行為」ともいうべき所業は、過去にも何度も見られた行為で、城島の常套行為。いわば我慢の結界が破れるような感覚とともに、人間なら誰でも本来もっているはずの「粘りの感覚」というものが、徹底的に失なわれていく。

Cleveland vs. Seattle - July 26, 2009 | MLB.com: Gameday

ゲーム序盤「ストレート狙い」のクリーブランドに、
88マイルのストレートで勝負をしかけた馬鹿捕手


ゲームを決定した投手交代後のペラルタの満塁ホームランに至るまでの道のりは、けして偶然ではない。5回までの間のクリーブランドのヒット場面の狙い球を検証してみるとわかる。
投手が先発バルガスからケリーに交代するまでの間、(スライダー好きのチョ・シンスを除いて)打線全員が「ストレート狙い」に徹してきているのがわかることだろう。

特に、わかりやすいのはサイズモア。後述して、詳しく見てみるが、彼は先頭打者ホームランの第1打席以降、一貫して「ストレート狙い」だ。
その「ストレートに狙いを絞った」チームの先頭打者に対して、馬鹿捕手城島が、真っ直ぐのスピードが87から89マイル程度しかなく、ストレート系だけで抑えこめるタイプの投手ではないバルガスに「ストレートのみでの真っ向勝負」を要求するのだから、あえなく玉砕するのは当たり前だ。
先頭打者ホームランという現象は、なにがしか理由があって起きるのだ。

ストレート系で押す投手の多いシアトルに対して「初回からストレート系をチーム全体で叩いていこう」という打撃戦略の展開は、今日のゲームだけに限らず、シアトル投手陣の防御率の良さをよく知るア・リーグの対戦相手に、このところ頻繁にみられるようになってきている。
記憶に新しいところでは、先日7月22日のヘルナンデス登板ゲーム。あのときはロブ・ジョンソンがすぐに変化球(とくにシンカー)主体のピッチングに切り替えることでことなきを得た。
7月22日、ロブ・ジョンソン先発マスク7連勝、11三振で投手戦を制す。サイ・ヤング賞をめざすヘルナンデスは11勝目、ERA2.45とア・リーグ2位をキープした。(「2つのシアトル」)

もちろん、コネ捕手城島の単調な捕手ぶりでは、「相手の狙いに気づくのが遅すぎる」、仮に気づいたとしても「頭の切り替え速度」が致命的に遅いため、気づいたときにはもう手遅れなほど点数を失って、自軍のバッターは誰も彼も細かいバッティングなどしなくなる。
城島の頭の悪さ、柔軟性の無さが、チーム全体から柔軟性を奪っていく大きな原因になることを、このゲームをサンプルには見ておくといい。

このゲームでは要所要所でサイズモアチョ・シンスのバットがクリーブランドの得点のポイントになった。後でこの2人のバッティングの狙いの違いと、それに気づかない城島の失点ぶりをたどってみる。まずは5回までにヒットを打った選手の打った球種を羅列してみる。

1回表
サイズモア 全球ストレート→先頭打者ホームラン
カブレラ  4シーム  シングル
ガーコ   ストレート シングル
ペラルタ  4シーム  シングル

4回表
フランシスコ 4シーム ダブル
キャロル   4シーム タイムリー

5回表
サイズモア 全球ストレート 四球
カブレラ  4シームをセフティバント 1、3塁
秋     スライダー タイムリー
ガーコ   4シーム 死球 満塁
 (投手交代 バルガス→ケリー)
ペラルタ  80マイル付近の変化球3連投→満塁ホームラン
投手交代をきっかけに、ようやく配球の組み立てを変更した。それはいいが、こんどは変化球を連投しまくって、満塁ホームランを浴びた。馬鹿としかいいようがない。


「ストレート狙い」のサイズモア
馬鹿捕手は初回に一度「全球ストレート勝負」して先頭打者サイズモアにホームランされているにもかかわらず、クリーブランド全体の「ストレート狙い」を感じとることができていない。そのために5回表にもサイズモアと「再び全球ストレート勝負」してフォアボール、さらに、「四球直後のストライク」を鉄則通り叩かれ、タイムリーを浴びた。

コネ捕手城島は、大量失点の5回表、打者一巡で2度打席に立ったサイズモアに、「2打席連続の、とんでもない馬鹿勝負」を挑んでいる。

「1回目の馬鹿勝負」は、先頭のサイズモアへの「全球ストレート勝負」だ。初回に馬鹿捕手が、球速のもともとないバルガスに全球ストレート勝負させて先頭打者ホームランされているわけだが、そのサイズモアに、またしても全球ストレート勝負だから、呆れて開いた口がふさがらない。
見切られて四球を出したわけだが、これが大量失点が始まるきっかけを作った。それなのに、投手がバルガスからホワイトに代わるまで、馬鹿捕手はストレート系主体のピッチングをやめなかった。
本当にどうかしている。

「2度目のサイズモアとの馬鹿勝負」は、投手が代わったあと、打者一巡で再びサイズモアに回ってきた二回目の打席だ。

バルガスにさんざんストレート勝負をやらせて失敗しながら、満塁にしてしまったことで、いつものようにビビりまくった城島は、こんどは投手が代わったのをきっかけに「変化球一辺倒」になる。
そしてペラルタに変化球を3連投。そして満塁ホームラン。

馬鹿か。こいつ。

変化球に切り替えたことくらいバレバレなのに、この馬鹿捕手にはもう「ストレート勝負する気力」など、どこにもなくなってしまい、たいした打率も残していないクリフ・リー専用キャッチャーのショパックに対して「6球中、5球スライダー」という、「スライダー馬鹿連投」。
だがここでも、四球。サイズモアを迎えてしまう。


そしてこのイニング2度目の登場となったサイズモアに何を投げるかと思えば、よせばいいのに初球にまたもや「スライダー」でストライクをとりにいった。
「四球直後、投手がストライクをとりにくる初球を狙い打て」という鉄則どおり、本来はストレート狙いのサイズモアに初球スライダーを強振され、タイムリーを打たれたのである。

ちなみに、6回にフランシスコに打たれたソロ・ホームランも、バルガス降板後の「スライダー」である。


どうだろう。
WBCでの城島の馬鹿っぷりを思い出す、この単細胞ぶり。


サイズモアの全打席
1回表 全球ストレート  先頭打者ホームラン
2回表 4シーム     フライアウト
5回表 全球ストレート系 四球
5回表 (打者一巡)四球直後の初球スライダー →タイムリー
7回表 全球変化球   一度もバット振らず、三振
9回表 全球ストレート レフトライナー

ヒットやタイムリーの場面ばかり見ていては、サイズモアの「ストレート狙い」はわかりにくい。打線が爆発した5回より、むしろ本当は、凡退した2回と7回の場面にハッキリした兆候が見てとれる。
フライアウトになった2回表の第2打席の対応ぶりからは、サイズモアがこの日、「変化球をほとんど自分からは振ってこない」という匂いが濃厚に漂っている。
サイズモア自身の「ストレート狙い」の徹底ぶりは、7回の第5打席で変化球をすべて見逃し、4球で三振したことからわかるように、最後までまったくブレてはいない。

2009年7月26日 2回 サイズモア レフトフライ2回2死1塁 レフトフライ

打ったのは2球目の4シーム。2球とも同じようなコースだが、初球のスライダーには目もくれないサイズモアだが、2球目のややコースの厳しい4シームには飛びついてきたのがわかる。ランナーのいたこの場面でタイムリーにならなかったのは、単なる幸運。

2009年7月26日 7回 サイズモア 見逃し三振
7回1死走者なし サイズモア 見逃し三振
4球目の球審の判定が酷いこともあるが、シンカー、チェンジアップ、スライダー、スライダーと、変化球4連投に対して、サイズモアは一度もバットを振らずに、あっさり三振した。この日のサイズモアがいかに「ストレート系狙い」だったかがよくわかる。


ひとりだけ「スライダー狙い」の
チョ・シンス

クリーブランドの「ストレート狙い」の基本戦略がわかったところで、もう一度、初回以降のクリーブランドの攻撃を見直してみる。そうすると、ちょっと不思議なことがわかる。
チョ・シンスただひとりだけが一貫して、スライダーを中心に変化球を狙い打っているのである。

1回表 クリーブランドの攻撃
サイズモア  全球ストレート ホームラン
カブレラ   4シーム    シングル
チョ・シンス 最初の4シーム2つを見送り0−2 2シーム 三振
ガーコ    ストレート   シングル
ペラルタ   4シーム    シングル
ハフナー   4シーム    フライアウト

上は初回の主なバッターの打った球種だが、これだけクリーブランドがチーム全体で「ストレート系」に狙いを絞って当ててきているのにもかかわらず、チョ・シンスひとりだけは、4シームを2球続けて見送ってまで、変化のある2シームを振ってきている。明らかに「ひとりだけ変化球狙い」なのだ。
全打席、あるいはWBCなどの過去の打席も参照してみればわかるが、これは偶然ではない。
「ストレート狙いのサイズモア」には全球ストレート勝負したコネ捕手さんは、その「スライダー好き」のチョ・シンスに対しては、こんどはなぜか「スライダー」を配球し続け、ヒットやタイムリーを量産させた。

チョ・シンスの打席
1回 4シーム2球を見送り0−2 2シームで三振
3回 スライダー(初球) ゴロアウト
5回 スライダー タイムリー
6回 スライダー ダブル
7回 シンカー3連投後 四球
9回 フルカウントから4シームをレフトライナー


チョ・シンスに「スライダー」をホームランされた今年のWBC決勝
を、ぜひ思い出してもらいたい。
チョ・シンスが打撃面で特にスライダーだけを得意にしているかどうかは調べてないのでわからないが、WBCでやたらとスライダーばかり振っていたことはわかっているし、データとして残してもある。
もしかすると、今日のシアトル・クリーブランド戦に限らず、チョ・シンスの好きな球、というか、打てる球、打ちやすい球は「スライダー」なのかもしれない。

だとすれば、だ。
これだけバルガスにストレート主体で組み立てをさせているゲームで、「ミスター・スライダー好き チョ・シンス」に、なぜ「スライダー」から入ったり、要所で「スライダー」を配球する必要があるのか。

まして、コネ捕手城島にとってのチョ・シンスば、元マリナーズの同僚であり、WBCでもさんざん何度も対戦した経験、打たれた経験もあり、シーズンでも何度も対戦もしていて、誰よりもよく知っている打者のひとりなはずだ。
もし「チョ・シンスが勝負どころではスライダーを狙い打ってくる」程度の単純なスカウティングが成り立っているのなら、そんな程度のことはなにもコーチに聞かなくても、城島はキャッチャーとしてその程度の知識は持っていて当たり前だ。



どれだけ無能なキャッチャーなのか。
このダメ捕手のダメぶりは、本当にもう、徹底したところにまで来ていることは、今日のゲームで本当によくわかる。

相手チームの戦略、打者の狙いを読み取れるか、読み取れないか。そして切り替えができるか。対策をたてられる引き出しがあるか。
頭の悪い城島には状況が見えないまま、対策しないまま、漫然とゲームしているから、打線がゲーム序盤は凡退しながらも、だんだんピントが決まっていき、ゲーム中盤以降に突然爆発するのである。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.
カテゴリー:WBC


2009年3月23日、WBC決勝で捕手城島は下位打線にスライダーを狙い打たれ続けた。






いま投手陣はどうやら、強い絆でひとつにまとまっている。
やれることは限られていても、やれることがあるうちは、諦める必要なんか、まったくない。頑張ろう。ということだ。

素晴らしい。
プロのアスリートとして、当たり前のこと、といえば、そうだ。
だが、ファンとしてこれを意気に感じないわけにはいくものか。
気持ちがまとまるということがチームスポーツである野球にとって、どれほど達成が意外に難しく、また、チーム躍進の原動力になることか。

ウオッシュバーンが「チームに残りたい」と気持ちを語ったのは今月23日だが、あれから2日たって25日にベダード先発で大敗したゲーム後、ジャクバスカスがウオッシュバーンの言葉を明らかに引き継ぐコメントをしてくれた。
下記に2人の投手の言葉をあげておくので、比べて読んでほしい。2人がcontrollという同じ単語をつかいつつ、ほぼ同じ内容を、それも、似た話の文脈で話しているのがわかってもらえると思う。

2人の投手は言う。
「ぼくら投手だけでできることは本当に限られている。マウンドでボールを投げ続けて頑張ることだけだ。他人のすることを阻止するなんてことは、できはしない。だが、唯一、勝ち続ければ事態は変わる。だからこそ、勝たなければならない。諦めたくはない。」と。
「勝ちたい。勝つことで、自分たちが散り散りバラバラに切り売りされるような事態を防ぎたい」というウオッシュバーン。そして「シーズンをあきらめたくない。チャンスがあるじゃないか。1試合くらいで判断されたくない。」というジャクバスカス

彼らの切実な思いを、つないでいかなければ。
彼らは、コネ捕手城島の出すサインに首を振るだけではなく、城島そのものを拒絶してみせた。それは、彼らの「充実したシーズンを送りたい。プレーヤー全員で美酒を味わいたい」という切実な願いから出た行為である。

このブログとしても彼らの決断と努力を支えていきたい。



Pitching inefficient in Mariners loss | Mariners.com: News

"We can't control what Anaheim does," Jakubauskas said. "We can't control what Texas does. All we can control is what we do. There's still plenty of season left, and we kind of hit the brakes a little bit right now. We did it earlier in the year and we battled back from that, and I'm pretty sure we're going to do that again."
「アナハイムがすることをコントロールするなんてことは、僕らにはできない」とジャクバスカスは言う。「テキサスがすることも、同じ。僕らにコントロールできることのすべては、自分たちに可能なことだけなんだ。まだシーズンはたっぷりあるし、いまの僕らはちょっとブレーキがかかっただけみたいなもんだよ。シーズンはじめにもそういう事態があったをけど、僕らはそこから立ち直った。もう一度立ち直っていけると、僕は信じている。」


Mariners Blog | Washburn wants to stay, says he's open to contract extension | Seattle Times Newspaper

2009年7月23日、ウオッシュバーンは「移籍したくない」といい、「プレーヤーが売り払われないために、頑張るしかない」と語った。

"We know the only way we can control what's going to happen is at least try to make the decisions hard for Jack. Hopefully, we won't be in a position we're going to be selling the whole team off. I think we're making it hard on him. Let's see what he ends up doing, but we're happy with the way we're playing. We definitely need to come out and start the second half strong to continue the momentum we had at the end of the first half."
「起きる可能性のある事態を防ぐのに僕らがたったひとつできること、といえば、とにかくジャック(=ズレンシックGM)の決断を難しいものにすること(=選手がいいプレーをし続け、チームをそれなりの順位にいさせること:ブログ補足)くらいしかないのはわかっている。うまくいけば、チーム全体を売り飛ばす羽目になる順位にはならないと思うんだ。だって僕らのプレーぶりはズレンシックがそういうこと(=チーム全体のバーゲンセール:ブログ補足)をしにくくさせていると思うからね。どういう成り行きになるかは見てみようと思うけど、僕らはいま、プレーしていてハッピーだ。僕らはとにかく結果を出し力強いスタートを切って、前半戦の最後にあった勢いを後半戦でもキープしなくては。」






July 26, 2009

ポリシー。プライド。
決めるべき基準を自分の内側にもたない者にとっては、何度も何度もテストしないと得られないモノのようだが、基準さえ明確なら、それを得ることは別になんの努力も必要なく、簡単に手に入る。

「勝者」を残し、
努力もせず、結果も出していない「敗者」を捨てる。
基本は、ただそれだけのことだ。


「敗者」の側のプレーヤーの失敗の連続で、チームが困窮、低迷するだけでも腹立たしいが、そのことでかえって、「勝者」の側にいるプレーヤーが、本来いるべき場所、切実に存在したいと望んでいる場所から追われ、整理されるだろうなどと、この期に及んで、まだそんな馬鹿げたストーリーへの誘導を考える人間が、アメリカにも、日本にも、まだ残っているようだ。

今期のチームで努力して結果を出し続けてきた者が苦労して、自分のチーム残留とチームのために、勝利を確保し続ける一方で、潜在的な実力すらないことが判明した者、または、努力の基本姿勢をみせなかった者たちが、ゲームも、シーズンも、まだ終わってもないのに未来を諦めてしまい、ただただ無気力に敗北を増やしている。
こうした分裂した現状の末路を予測するにあたって、「チームは敗北に慣れた敗者ばかりをかき集めて、ここに残し、勝者を売りに出すだろう」、などと書くことが、どれだけ真実味がないか、プライドに欠けた文章か、考えなくてもわかりそうなものだ。

にもかかわらず、負けを増やした側、最後に与えられたチャンスの慈悲を生かせなかった者、つまり「敗者」が、これからもチームに残ることを許され、むしろ、勝ちを増やした側、潜在的だった実力をいかんなく発揮して結果を出した側、つまり現状の「勝者」は、チームに残ることを許されず、「売りに出される」だろう、などと、くだらない考えを文字に書いてはそれを金に換える、そんな人間がメディアを気取っていることには反吐が出る。


今シーズン去るべきだったプレーヤーのリスト、その最初の数行に書かれている名前は、去年の100敗した惨憺たる2008シーズンの終了時から本来既に決まっていた。
だが、そのプレーヤーたちの大半は、どういうものか、よほど甘い人生を送ってきた人間の判断のせいか、ぬるいヒューマニズムのせいか、なんだか知らないが、2009年シーズン開幕に再度チャンスを与えられた。


しかしながら、だ。
彼らのほとんどは、その判断の甘い人間の与えた2009年のチャンスすら生かすことができず、再び、同じ過ちを繰り返した。


本来は、「城島はじめ、彼ら敗者に再度チャンスを与えるという決定自体、その大半が間違っていた」と結論するのが正しい。言うまでもない。
例えば城島の例で言うなら、100敗シーズンの2008年の責任はもちろんだが、それどころか、チーム加入以来これまで、投手陣へのあらゆる投資を無駄にさせ続けてきた責任の根源であり、最悪の2008シーズンの翌2009シーズンの開幕時にまたしても正捕手に戻す、などという選択自体が、重大な過ちだった。

そんな間違った判断をするから、チームの一部の力でなんとか勝ちを拾っている最中に、「本来連勝やスイープできる可能性の高いカード」「勝てるはずの投手」に負けをマダラ模様に点々とつけながらシーズンを進めてしまい、結果的に、チーム全体として中途半端な勝率に苦しむ羽目になっている。


だが、百歩譲って、彼ら不良債権、つまり、「本来はとっくに去っているべきなのに、なぜか2009開幕時にスタメンで出してもらえたプレーヤーたち、本来今年はここにいるべきでないプレーヤーたち」に、ほぼ共通して再度チャンスを与えたことを、「公平性」という美名(または契約社会とかいう詭弁)の名のもとに許容するにしても、2度目のテスト結果、お情けのテストの結果は、既に出ている。
2008年最悪の結果を招きながら、本来いるべきでない場所を2009年も占めることを許されたプレーヤーの大半は、2009年に新たなチャンスを与えられたにもかかわらず、同じ過ちを再度繰り返すという、本来ありえない、恥ずべき行為を人前で見せた。

この2008年の失敗を慈悲で許した上での、2度目のたび重なる過ちを許していては、それはもうベースボールではない。


そういう「2度目の失敗を犯した敗残者」の対極に、今年チャンスをモノにし、結果を出し、チームを押し上げる仕事をしているプレーヤーたちがいる。シアトル・マリナーズには、いま、そういう、勝者と敗残者が混在している。

勝者と敗者、どちらをとるか。
説明する必要など、ない。
トレード期限の時期のルーティーン記事など、くそくらえ。

えりすぐりの敗残者ばかり残して寄せ集め集団にすることがチーム再建?その程度の詭弁すら一笑に付すことができなくて、どこがポリシーで、どこがジャーナリズムだというのだ。

馬鹿馬鹿しいにも、程がある。






July 25, 2009

2009年7月24日 イチローのレーザービームを無駄にした城島

9回2死、ランナー1、2塁、ビクター・マルチネスのライト前ヒットの直後のホームのクロスプレー。レーザービームのタイミングはもちろん「アウト」
コネ捕手のポジショニングが明らかに全く前すぎる。どうみてもイチローのレーザービームが飛んでくるのがわかっている場面なのに、城島はホームベースの1メートル前にまで出ている。
どこまで前に出てキャッチするつもりだったのか。
と、いうより、そもそもどんなプレーをここで想定していたのか?本塁クロスプレーという想定が、明らかにコネ捕手城島の真っ白になった頭の中から完全に飛んでしまっている。つまりマトモな判断力を失ったままプレーしている。

この「失点すると一気に判断力がなくなる」ことが、このダメ捕手のダメさの重要な部分であることが、今日、目の前で証明された。


ホームランを打たれたくらいで気分が消沈して、投入してくるランナーをブロックする意思すらないヘボ・キャッチャー。
やる気がないのなら、一刻も早くマイナーに落ちるか、それ以上に、早く日本に帰れ。こんな気の抜けた選手、DHをやる資格すらない。

ローランドスミスはここが復帰登板だったが、コネ捕手城島と組まされたのが不幸だった。せっかくマイナーで調整してきたローランドスミスを疫病神にまかせたシアトルも悪い。
マイナーからクレメント(またはバーク)を上げてきて、彼にローテの5番手をまかせてゲーム慣れとロブ・ジョンソンの休養にあて、一刻も早く投手全体をロブ・ジョンソンにまかせるべき。

Cleveland vs. Seattle - July 24, 2009 | MLB.com: Gameday






このインタビューについては、まだまだ語りたいことがある。
後で続きを書くが
とりあえず、訳の部分をあげておく。

この時期の勝ちは、チームのポスト・シーズンにとってだけでなく、選手の移籍問題にとっても意味があることを、彼ウオッシュバーンのインタビューからくみとってほしい。



Washburn wants to stay, says he's open to contract extension
移籍したくないウオッシュバーン、契約更新に前向き

Posted by Larry Stone
Mariners Blog | Washburn wants to stay, says he's open to contract extension | Seattle Times Newspaper


Washburn can be a free agent after the season when his four-year, $37.5 million contract expires. I asked him if he'd be open to working on a contract extension right now, which would obviously take him off the trade market. Washburn's seven shutout innings on Thursday lowered his earned-run-average to 2.71..
ウオッシュバーンは4年37.5Mの契約が満了になった後、FAになることができる。私は彼に、現在の契約延長への取り組みについて何か公開するつもりがあるかどうか尋ねてみた。彼のトレードバリューは明らかにトレード市場で上がってきている。ウオッシュバーンは木曜のゲームで7回をシャットアウトし、ERAを2,71に押し上げた。

"I'd definitely be interested in talking about that," he said.
「当然、それについて話すことに興味があるよ」と彼は言った。

When I talked to GM Jack Zduriencik last week, he had alluded to the possibility that a potential free agent could re-sign with the team. Many players choose to table contract talks until after the season, but Washburn said he didn't believe it would be a distraction.
私(=ラリー・ストーン)が先週話した時には、ズレンシックもFA予定の選手との再契約の可能性があることをそれとなく示唆していた。たいていの選手は契約のテーブルにつくのはシーズン終了後にしたいと思うものだが、ウォッシュバーンはもしそうならなくても別に気にならない、と言った。

"I'm not easily distracted,'' he said. "I don't think it would be something that would be a detriment and distract me to where I couldn't do my job like I'm doing it now. Off the field stuff is just that, off the field stuff. When you get between the lines, your job is making pitches. I'm real good about being able to separate the two."
「僕は簡単に気が散ったりはしない。」と彼はいう。「今やっているように仕事ができなくなるほど、何かさしつかえるとか、気が散るというようなことにはならないと思う。グランド外のことは、単に、グランド外のことでしかない。グランドに出たら、投げるのが仕事。この二つの切りかえが、僕はすごく上手だから。」

I noted that his agent, Scott Boras, has a reputation for advising his clients who are headed into free agency to go into the free-agent market.
彼の代理人スコット・ボラスは、FAを控えた彼の依頼人に(ブログ補足:契約更新をシーズン中ではなくシーズン後)FA市場が開くまで待つようアドバイスすることで有名なことを指摘してみた。

"My agent works for me,'' he said with a smile.
「代理人は僕のために働くんだよ」と彼は笑顔で言う。

So far, however, no serious extension talks are underway, Washburn said. "Jack and I have talked a little bit. Nothing has gotten any further than talking.
しかし、今のところ「本格的な契約延長交渉は全くない」とウォッシュバーンはいう。「ジャックと僕は少し話はしたけど、話以上の段階には全く進んでない。」

Here's what else Washburn said after the game about the trade deadline hanging over the team:
ゲーム後、チームに迫ってきているトレード期限についてウオッシュバーンが語った別のコメントを挙げておく。

"We know the only way we can control what's going to happen is at least try to make the decisions hard for Jack. Hopefully, we won't be in a position we're going to be selling the whole team off. I think we're making it hard on him. Let's see what he ends up doing, but we're happy with the way we're playing. We definitely need to come out and start the second half strong to continue the momentum we had at the end of the first half."
起きる可能性のある事態を防ぐのに僕らがたったひとつできること、といえば、とにかくジャックの決断を難しいものにすること(=選手がいいプレーをし続け、チームをそれなりの順位にいさせること:ブログ補足)くらいしかないのはわかっている。うまくいけば、チーム全体を売り飛ばす羽目になる順位にはならないと思うんだ。だって僕らのプレーぶりはズレンシックがそういうこと(=チーム全体のバーゲンセール:ブログ補足)をしにくくさせていると思うからね。どういう成り行きになるかは見てみようと思うけど、僕らはいま、プレーしていてハッピーだ。僕らはとにかく結果を出し力強いスタートを切って、前半戦の最後にあった勢いを後半戦でもキープしなくては。」

He admitted that it's a "day to day feeling,'' with emotions ebbing and flowing with each day's result.
彼は、毎日のゲーム結果によって興奮が引いたり満ちたり、1日ごとに気分が違うことを認めた。

"A lot can happen in a day. Guti (Franklin Gutierrez) hitting the wall -- luckily, he didn't hurt anything serious,and he'll only be out a couple of days. But if he was going to be out a long time, that might make some decisions easier for Jack. That would be a tough guy to replace. But we've had a few tough guys to replace go down this year, but it seems like someone steps up and fills that role. I don't doubt anything we can accomplish here."
「一日にはいろんなことが起こるものだ。グティ(フランクリン・グティエレス)が壁に激突したりね。運がいいことに、彼は大怪我に至らず、数日休むだけで済むらしい。でも、もし彼が長期に戦線離脱してたら、ジャックの決断のいくつかは、たぶんもっと簡単になっていたと思う。もし代役をみつけなければいけなくなったら、グティはそれが無理な選手だから。でもね、今年僕らはいままで何人もの代えのきかない選手を離脱で失ってきたよ。だけど、誰かがステップアップしてきて、欠けた役割を埋めてきたんだ。僕はこのチームで、どんなことが成し遂げられてもおかしくない、そう思っている。」


When it was noted to him that most players don't even acknowledge that they pay attention to the trade deadline, he said, "Everybody lies. I've always said what's on my mind and don't sugar-coat anything. I think the guys that say they don't are lying. It's just natural, I think, to pay attention."
たいていの選手はトレード期限が気になるのを認めることさえしないものだということを、彼に指摘すると、彼はこんなことを言った。「みんな嘘をつくのさ。僕はいつも思ってることを発言してきたし、遠まわしなことを言ったりしない。自分は嘘なんかついてない、なんていう奴こそ、嘘をついていると思うよ。気になるのがとにかく自然ってもんだよ。」

Here's how Washburn compared last year at the trade deadline to this year: "In hindsight, it looks like it was a good thing for me not to get traded. I'm real happy here where I'm at. And I'm pitching well, and we've got a shot. We've got a good team. I'm happy I wasn't traded so I could stick around and help turn it around."
去年のトレード期限の状況と、今年の違いをウォッシュバーンはどう比較しているのだろう。
「後付けの話で言えば、僕は去年トレードされなかったことは良い事だったようだ。僕のいるこの場所、ここにいることが本当にハッピーなんだ。自分のピッチングは調子いいし、チームは勝つ見込みがある。今のチームはいいチームだよ。トレードされなかったおかげで、ここにいられて、悪い状態を抜け出すのを手伝えるのはハッピーだよ。」

I asked him, bottom line, if he wants to stay in Seattle.
最後に、シアトルにとどまりたいかどうか、聞いてみた。

"If I'm traded, it means something bad happened in the next 10 days. That's the last thing I want to happen. I love winning, and we're winning here. We have maybe the best group of guys I've ever been a part of, and that's saying a lot. That '02 team in Anaheim (that won the World Series), we were a great team. Everybody loved each other. We had fun. We did whatever it took to win. That's the exact same feel I have with this ballclub. I'm very happy to be a part of it, and yeah, I want to continue to be a part of it."
「もし僕がトレードされるなら、それはこれからの10日間に何か悪いことが起こった、という意味になる。それは、僕が最も望まないことだ。僕は勝ちたいし、チームは勝ちを続けている。僕がいままで所属した中ではおそらくベストプレーヤーが集まっていると思うし、それは大きな意味あいがある。02年のアナハイム(ワールドシリーズ優勝)も素晴らしいチームだった。お互いみんな大好きだった。楽しかったし、勝つためにできることはなんでもした。僕がいまのチームに感じるのは、まったく同じ感覚なんだ。このチームの一員でいられて僕はとても嬉しいし、ずっとこのチームの一員でいたいと思う。






July 24, 2009

ロブ・ジョンソンはこれで7月、先発マスク8連勝。


今日は書かなければならないことがたくさんある日だ。
ついにウオッシュバーンがア・リーグのWHIPランキングで、ハラデーを抑えてトップに立ったこと。そしてさらにERAランキングでも、ハラデーをかわして第4位に上昇したこと。
また、彼が今日カブレラなどに投げた「ドルフィン」について。打ち取られたカブレラの感想。バーリーが完全試合を達成し11勝したことによる、サイ・ヤング賞レースの新たな展開。ヘルナンデス、ハラデー、バーリー、グレインキーの比較。

2009年7月23日 ア・リーグWHIPランキング by ESPN
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN
2009年7月23日 ア・リーグWHIPランキング by ESPN

2009年7月23日 ア・リーグERAランキング by ESPN
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN
2009年7月24日 ア・リーグERAランキング by ESPN


しかし、だ。
今日の最大のニュースは、そこではない。
バーリーの完全試合ですら、最大のニュースではない。

今日最大のニュースは、
われらがウオッシュバーンが、人前で始めて
「このチームにいたい」と話したこと、だ。


これが、このブログにとって
完全試合よりも嬉しいビッグニュースだ。


細かいことはとにかく、まず、The Pitch ウオッシュバーンの、今日の素晴らしいピッチングに拍手を送りたい。7回93球投げてデトロイト打線に得点をゆるさなかったが、「わずか2安打に抑えながらも、三振はわずかに3つ」というあたりが素晴らしい。シアトルの右のエース、ヘルナンデスと好対照のベテラン左腕ウオッシュバーンの、「打たせてとるピッチング」の真骨頂がまたしても発揮された。
彼がLAA在籍時にキャリアハイの18勝をマークしたのは2002年だが、ERA、WHIPだけでなく、あらゆるデータで彼はキャリアハイのシーズンを迎えている。
今日のゲームで4連勝だが、この4ゲームの29イニング2/3で、自責点はわずか2点。出した四球わずか4つで、ホームランを一度も打たれていない。この4ゲームに限れば、ERAはなんと、0.61を記録した。
またシーズンBB/9は2,1でキャリアハイ、シーズンHR/9も0.8でキャリアハイ・タイと、細かいデータでも2002年をしのぐ内容になってきている。
Jarrod Washburn Statistics and History - Baseball-Reference.com
Seattle vs. Detroit - July 23, 2009 | MLB.com: Gameday
ウオッシュバーン全登板ゲーム
Jarrod Washburn Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
ア・リーグWHIPランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

もうすぐトレード期限がやってくるわけだが、ウオッシュバーンも、一緒に釣りにでかけたりしてとても仲がよく、既に「チームに残りたい」と発言している同僚ベダードのように、「トレードされたくない」ことを、メディアのインタビューでハッキリと表明した。
詳しくは公式サイトや現地メディアをいますぐに原文で読んでもらいたい。(訳は今用意している最中。後でのせてみる)
2009年6月、城島がいなくなったことで生まれつつあるシアトル先発投手陣のアットホームな雰囲気の中、ベダードは「シアトル残留希望発言」をした。


ウオッシュバーンは契約にまつわる難しい言葉や、お金にまつわる言葉などを一切使わず、シンプルに、「ここに残りたいんだ」ということを言っている。

当ブログとしても、何度も言ってきたことだが、今回のウオッシュバーンの言葉に応える形で、改めてハッキリ書いておこう。

尊敬すべきベテラン投手ジャロッド・ウオッシュバーン、
貴方は安心してシアトル・マリナーズにいられるよう
もっと大事に扱われるべきだ。


(↓シアトルタイムズのリンクのほうが、よりわかりやすい。公式サイトの記事は紙幅の制約からラリー・ストーン氏にしてはちょっと切れ切れの中身で意味をつかむのは難しい。)
Mariners Blog | Washburn wants to stay, says he's open to contract extension | Seattle Times Newspaper

Washburn lifts Mariners to series win | Mariners.com: News


なお、こちらは、今日ホワイトソックスのバーリーをメジャー18試合目の完全試合に導いたキャッチャー、ラモン・カストロのプロフィール
CERAだけでみれば5点台をほとんど記録したことがなく、キャリア4.10。3点台のシーズンもたくさんある。
Ramon Castro Stats, News, Photos - Chicago White Sox - ESPN






グティエレスを怪我で欠いて、打撃面では非常に苦しいゲームだったが、そんなゲームに限って相手投手の出来がよく、ランガーハンズの初ヒットがようやく出たときには、正直、ため息がでた。「ノーヒットノーランをやられなくてよかった…。これで負けてもしかたない…」。
そんな貧打戦が、2本目のヒット、つまり8回のブラニヤンの2ランで勝ってヘルナンデスにも勝ちがついてしまうのだから、やはり守りは大事だ。
相手が先発投手を変えてくれて得た2ランである。DETの監督リーランドにしてみれば、イチローを警戒せざるをえなかったわけで、首位打者イチローならではの無言のプレッシャーが先発投手を降ろしたことになる。
ブルペンの貢献も大きい。ロウ、アーズマと、鬼気迫るピッチング。ロブ・ジョンソン相手のときのロウは思い切りがよくて気持ちいいし、多少休養できたせいか、アーズマの球に本来のキレが戻ってきた。頼もしい。
Seattle vs. Detroit - July 22, 2009 | MLB.com: Gameday
ヘルナンデスの8三振(動画)
ブラニヤンの2ラン(動画)

今日のゲームで一番のテーマは、チームの勝利を除けば、もちろんサイ・ヤング賞レースをひたはしるキング・フェリックスの「自責点数」と、「勝利」だった。3回に1点を失ったときはヒヤヒヤしたが、その後は何事もなかったかのように変化球、特にタイガース打者が驚いた「90マイル台のスライダー」で、タイガース打線を寄せ付けなかった。
このゲームでは、LAAのソーシア監督同様、DETのベテラン監督リーランドの恐さを思い知らされた。最初のイニングから徹底した「ストレート狙い」を打者に指示していたようで、グランダーソン、ポランコと、狙い打ちでシングルを連打された。
"They jumped on the fastball a little bit." (ヘルナンデス)
Felix, Branyan carry Mariners in victory | Mariners.com: News
ロブ・ジョンソンが優れたキャッチャーなのは、DET側が狙い球を絞ってきていることがわかった時点で、剛腕ヘルナンデスの投球の組み立てを「変化球中心」にスパッと切り替えられる「場を読む力」と、それを投手とのやりとりで理解しあえる日頃から育てた「コミュニケーション力」である。
試合を見ていた人はわかると思うが、ヘルナンデスは変化球主体に切り替えた後も、何度かサインに首を振ってストレートを投げたがった。
ロブ・ジョンソンは、ヘルナンデスがどうしてもストレートを投げたいときは投げさせつつ、トータルには変化球に配球の中心をもっていって、今日のゲームをモノにしていた。
あまりにもヘルナンデスと対立して無理に言うことを聞かそうとせず、あわせるところはあわせ、全体としては変化球主体にしていく。いかにも、日本語でいう「女房」的な仕事ぶりである。
ブルペンはロウ、アーズマと、直球系の投手をつないだが、ここでは逆に、ド真ん中のストレートをわざと要求するほど大胆なリード。これも素晴らしかった。

サイ・ヤング賞レースについてはこれまで、ERAトップを走るグレインキーとヘルナンデスを比較してきたが、ここにきて、本当のライバルはやはり、ア・リーグを代表する大投手ハラデーだろうと思い出している。
ブラニヤンのホームランでヘルナンデスに勝ちがつき、ハラデーと同じ11勝3敗になったことは、たいへん大きい。

ア・リーグ ERAランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN



ロブ・ジョンソンとコネ捕手城島のCERAの差については、長く「2点」と表現していたが、アウェイ9連戦以降をみると、「2.5点」に拡大している。7月7日の大敗したゲームを除くと、その差はさらに広がって「3.5点」に近くなる。
正捕手交代は、確実に効果を挙げている。
Rob Johnson Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

だが、大きな連勝をできない今の2勝1敗、3勝2敗ペースでは、首位を走る好調LAAにはけして追いつけはしないし、ポスト・シーズンに進出するのは無理だ。
問題は、いわゆる「ビッグスリー」以外の先発投手候補たち、バルガス、ジャクバスカス、ローランド・スミス、オルソンなどで、どれだけ勝ちが拾えるかにかかってきた。彼らだって、コネ捕手城島などではなく、もっとマトモなキャッチャー相手に投げたいだろう。

シアトルは城島からミットを取り上げてベンチに座らせ、マイナーからバークかクレメントを上げてくるべき時期だ。城島はどうしてもゲームに出たければDHでもやればいい。そうしないと、数試合に1ゲーム、必ず負けるコネ捕手城島のローテ4番手、5番手投手のゲームの負けを消すことは簡単にはできない。
バルガス、ジャクバスカス、ローランド・スミス、オルソン、彼らにとっては、コネ捕手城島がプレートの後ろにいるということは、ゲームが0−2から始まるということであり、彼らのERAは登板するたびに悪くなり、チームからの評価もされないという意味になっている。
いってみれば、いまのシアトルは、ロブ・ジョンソンが先発マスクの日だけが2009年版のシアトルになったが、それ以外の、疫病神城島先発の日には2008年の、あの100敗シアトルをあいかわらず再現している。「2つの分裂したシアトル・マリナーズ」がそこにある。

これでは「城島問題」の根本的な解決になどなっていない。
いまのシアトルは5日間のうち、2日間だけ時計が1年巻き戻ってしまっている。「城島の先発する日のシアトルは1年、時間が巻き戻ったタイムマシン」のようなものだ。


ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.カテゴリー:2009投手ERA「2点の差」

6月26日 @LAD 2-8 L 城島    8回自責8
6月27日 @LAD 5-1 W ジョンソン 9回自責0 QS
6月28日 @LAD 4-2 W 城島    9回自責2
6月30日 @NYY 5-8 L 城島    9回自責6
7月1日  @NYY 2-4 L ジョンソン 8回自責4 QS
7月2日  @NYY 8-4 W 城島    9回自責4
7月3日  @BOS 7-6 W ジョンソン 11回自責6 QS
7月4日  @BOS 3-2 W 城島    9回自責2
7月5日  @BOS 4-8 L 城島    8回自責8
(遠征からホームに戻り、正捕手実質交代)
7月6日  BAL 5-0 W ジョンソン 9回自責0 QS
7月7日  BAL 4-12 L ジョンソン 9回自責12
7月8日  BAL 3-5 L 城島    9回自責3
7月9日  TEX 3-1 W ジョンソン 9回自責1 QS
7月10日  TEX 4-6 L 城島    9回自責6
7月11日  TEX 4-1 W ジョンソン 9回自責1 QS
7月12日  TEX 5-3 W ジョンソン 9回自責3
7月16日  @CLE 1-4 L 城島    8回自責2
7月17日  @CLE 6-2 W ジョンソン 9回自責2 QS
7月18日  @CLE 3-1 W ジョンソン 9回自責1 QS
7月19日  @CLE 5-3 W ジョンソン 9回自責3
7月21日  @DET 7-9 L 城島    8回自責9
7月22日  @DET 2-1 W ジョンソン 9回自責1 QS

城島再復帰後(=6月26日以降)
ジョンソン 10勝2敗 109回自責点34 CERA 2.80
城島    3勝7敗 86回自責点50 CERA 5.23

正捕手交代後(=7月6日以降)
ジョンソン 8勝1敗 81回自責点24 CERA 2.66
(7月7日を除くと、72回自責点12 CERA 1.50)
城島    0勝4敗 34回自責点20 CERA 5.29






バークのけなげな努力と、バルガスのプライドのかかった「キロス問題」などもそうだったのだが、だいぶ過去に遡って話を追いかけてきてもらわないと、話についてこれない。
ここでは城島やオルソンのピッチングの姿勢の「窮屈さ」の顛末をひとまずまとめておくので、たいへん恐縮な話だが、興味があれば順番に読んでいって頭に入れて理解してもらえるとありがたい。
アーズマの指摘する「5月初旬に連敗したヘルナンデスの『窮屈さ』」、ワカマツの叱責する「オルソンの窮屈さ」について、理解がさらに深まるのではないかと思うし、なにより、メジャーの投手たちが城島をキャッチャーにマウンドに上がって窮屈な思いをしたくないという精神的な部分を理解できる資料にもなるのではないかと思う。


第1の資料
アーズマの「サンデー・フェリックス」発言

これは城島の1回目のDLのおかげで4月末には地区首位に立ったシアトルが、5月に城島が先発に戻って逆V字の下降線を辿った頃の話。あやうく月間20敗しかかり、今でこそロブ・ジョンソンとのバッテリーでサイ・ヤング賞に向かってひた走る好調のフェリックス・ヘルナンデスでさえ、当時は城島とバッテリーを組まされ3連敗した(5月4日、9日、19日)。
その城島とのバッテリーに見切りをつける寸前のヘルナンデスが、ロブ・ジョンソンとバッテリーを組んだのは5月24日。すると、8回自責点1と、QSを達成しつつ、のびのびと投げて、あっさり勝利を手にした。
その同じゲームで最終回を締め、セーブを稼いだクローザーのデイビッド・アーズマが「5月中旬までの悪いときのヘルナンデス(つまり城島と組んだヘルナンデス)と、とても良くなったヘルナンデスの『違い』」についてインタビューに答えたのを、シアトル・タイムズのスティーブ・ケリーがまとめたのである。
原文の要点は「悪いときのヘルナンデスは『コーナーをつこう』『コーナーに球を集めよう』とばかりしていて、彼本来の良さをなくしていた」という感じの話だ。全文は元記事に訳をのせ、リンクも張ってある。全文をここで挙げるわけにもいかないので、詳細は原文をあたられたい。

"I think in his last couple of outings he was trying to pitch around guys a little bit more. Trying to throw stuff on the corners.(後略)
「僕が思うに、最近数試合の登板で彼はね、もっとストライクゾーンギリギリに投げよう、投げようとしていた。球種をコーナーに集めようとも試みていた。」
Steve Kelley | Mariners need more of Sunday's Felix Hernandez | Seattle Times Newspaper

2009年5月24日、デイビッド・アーズマが「ヘルナンデスがロブ・ジョンソンと組むゲームと、城島と組むゲームの大きな違い」を初めて証言した。



第2の資料
オルソンの神経質さについて指摘した当ブログの記事

2009年6月11日、オルソンの神経質なピッチングを通じて、城島の「コーナーをつきたがる配球の欠陥」を考える。

細部は上の元記事を読んでもらいたい。この記事で指摘した要点は「オルソンという投手は『ものすごくコーナーをつきたがる投手』なのだ」ということ。
そして、よく知られているように、オルソンの神経質さに輪をかけたような城島のリードは、特にランナーを出した直後はそうだが、コーナーにボールを集めたがるわけで、この似たもの同士のバッテリーが組まれる無意味さも、指摘したかったことのひとつだ。出来損ないのバッテリーのダメさ加減を考える上で、「神経質さ」は重要なポイントのひとつなのだ。

オルソンは6月11日のゲームで打率2割しかない8番打者にフォアボールを与えて自滅したわけだが、この打席の配球はまるで稀代のホームランバッターにするような、コーナーいっぱいのみを狙う配球だった。つまり、打率2割の8番打者への配球にしては狙いが窮屈すぎ、こういう窮屈さなが、かえって四球を増やしてしまうことを、この第2の資料では指摘した。
アーズマが「資料1」で指摘している「窮屈なピッチング」の典型的パターンと全く同じであり、まさに城島が先発マスクをかぶるゲームの大きな欠陥のひとつでもある。

資料2の元記事でも指摘したことを、あえてあらためて同じ指摘をしておくと、「コーナーをついているから間違ってない」というのは、プロでは必ずしも正しくない。ピッチャーの仕事は「アウトをとること」であり、「コーナーをつくかどうか」は方法論であって、それ自身は目的ではない。「ド真ん中をいきなり突いて三振」だって、別になんの問題もない。「コーナーをつかないとアウトがとれない」と、あまりにも窮屈に思い込んでいて、かえって四球を連発したり、相手打者に狙い球を絞られたりするのでは、先発バッテリーとしては長いイニングをこなせない。


第3の資料
7月16日のオルソンのピッチングについてのワカマツの指摘


ワカマツ、という人は、見た目、たいへん柔和に見える。だが、バルガスの「キロス問題」でもそうだったのだが、投手の失敗については「これこれがよくなかった」と容赦ない明快な指摘と叱責をする。そして、過去に自分が指摘したポイントについては、けして忘れないで、何度でも指摘する。だが、きつい叱責をするものの、チャンスをすぐに奪うような浅はかな真似はしない。かといって、何度か同じ失敗を繰り返して改善がみられないとわかると、容赦なくポジションをはずされる。

オールスター直後の7月16日のゲームでのオルソンのピッチングの失敗について、監督ワカマツは2つの指摘をしている。

1つ目の指摘は、まず「テンポの無さ」。
7月16日の試合終了直後にアップしたこのブログの記事で「テンポの無さ」について触れておいたが、数時間して出てきた監督ワカマツのインタビューでも全く同じ感想が述べられていて、「やはりな。そりゃそうだ」と思ったのを覚えている。この「テンポの無さを指摘するワカマツ」については、公式サイト、Mariners Insiderで、ほぼ同じ内容のインタビュー記事がある。
2009年7月16日、城島は試合序盤、投手オルソン、ジャクバスカスがモーションに入ってもミットを構えず、ゲームのリズムを壊した。(サイ・ヤング投手クリフ・リーがなぜショパックを指名捕手にしたか 解説つき)
Mariners Insider | The News Tribune | Tacoma, WA

2つ目の指摘は、「コーナーをつこうとしすぎることの無意味さ」だ。
この点が資料1と資料2で言う、「ピッチングの窮屈さ」に通じるわけだ。これついてのワカマツ発言は、どういうものか公式サイトの記事は、紙幅の制約のためか、触れておらず、Mariners Insiderだけが掲載している。奇しくもアーズマの「サンデー・フェリックス発言」と同じような内容を、ワカマツがオルソンのピッチングについて非常に強く指摘しているのが面白い。

もちろん「投球テンポ」、「コーナーをつくピッチング」、そのいずれも投手だけの所業ではなく、投手と捕手との共同作業であるのは言うまでもない。監督ワカマツのオルソンに対する2つの苛立ちは、暗に(というか、結果的に正捕手をはずされたことからも、明らかに)捕手城島にも向けられていた、と当ブログでは考える。

"I think we've talked all year long the importance of the starting pitcher establishing a tempo," Wakamatsu said. "I think it was two-fold. No.1, I didn't think Olson came out and had much of a feel. I thought he pitched a little defensively and his tempo was poor."
「先発投手が試合のテンポを確立することの大事さは、このシーズン中、ずっと話してきたことだ。」とワカマツ。「二つあると思う。まず第一には、オルソンは序盤からして、思い切りのいい雰囲気があるようには見えなかった。ピッチングが守りに入ってしまっていて、テンポが酷かった。」
ブログ注:come out and do 思い切って〜する

Wakamatsu said Olson was being defensive and trying to be too perfect.
"That's where we talk about sometimes guys want to be too perfect," Wakamatsu said. "We talked about it after the first inning. I said you don't have to be too perfect out there. It's not for lack of care or anything else. It's probably caring too much. I think he put a lot of emphasis on him being outstanding today, instead of going out and doing like he does out of the bullpen. At least he's done such a tremendous job. I saw a little different body language and maybe trying to carry a club out there the first two innings."

オルソンは守りに入って、パーフェクトに投げようとしすぎていたとワカマツは言う。
「時としてあまりにパーフェクトにピッチングしようとしすぎる、そんな会話をしたんだ。」とワカマツ。「話をしたのは、初回が終ったあと。あまりにもパーフェクトに投げようとしなくていいよ、とね。注意が足りないとか、そういうんじゃなく、たぶん色々なことを気にしすぎなんだ。ブルペン投手当時のようにマウンドに上がって投げるかわりに、自分が傑出した結果を残すことに重きを置きすぎたと思う。少なくともこれまでは素晴らしい仕事をしてきてくれた。最初の2イニングなんか、仕草からしてちょっと少し違って見えた。一人でチームを支えるつもりになっていたのかもしれない。」

(中略)

"It seems to be like I was trying to make good pitches out there instead of letting it just go through the zone like I have been doing most of the season," Olson said.
「シーズンの大半そうしてきたように、ゾーンにガンガン行って切り抜けていけばいいだけなのに、そうするかわりに、いい球を投げよう投げようと思ってしまっていたかもしれない」とオルソンは言った。


第4の資料
7月21日のオルソンについてのワカマツの指摘と
オルソンのマイナー落ち


7月21日の登板の失敗で、オルソンの先発投手としての仕事を失うことになった。
下記の記事で、ワカマツは「前にも言ったことだが」と話しているが、この「前にも話したことだが」「シーズン中何度も話したことだが」というフレーズを彼ワカマツが使うときには、バルガスの場合がそうだったように、ある意味で、往々にして「堪忍袋」は完全にブチ切れているのである。
彼は常に「話し合って改善が必要だとなったら、改善すべき義務が生じる」「何度かチャンスを与えられて改善できないプレーヤーには、チャンスを剥奪されてもしかたない」、そんな行動原則がある。
Mariners Blog | Looks like the Mariners need a fifth AND fourth starter | Seattle Times Newspaper

"It's what we talked about before, similar to his last start, a lot of it is not so much the stuff, but not being aggressive and attacking the hitters, and trying to be too perfect. I thought the walks, falling behind and having to give in, cost him.
「前にも話したことだし、この前の登板とそっくりだ。球数が多すぎる。積極性がなく、打者を攻めきれてない。パーフェクトに投げようとしすぎている。四球はね、遅れをとり、相手に屈服せざるをえなくなる。彼にとっては高くつくんだよ。」

まさにチャンスを貰っていながら気がつかないことは、高くつく。
思えばキロスにも名を上げてメジャーに残れるチャンスがあった。ベタンコートにもシアトルに残れるチャンスがあった。城島にも、オルソンにも、あった。
だが、キロスはDFA。ベタンコートはトレード。城島は正捕手ではなくなり、オルソンはマイナーに送られる。チャンスを与えられているが、永遠には与えられないということを忘れたプレーヤーたちの顛末である。






July 22, 2009

(1)からの続き(後半部分)
2009年7月19日、監督ワカマツが「城島問題」の現状と方針について初めて語った。(1)


And I asked him how much stock he puts in catchers' ERA, which is heavily in Johnson's favor. Johnson's is 2.89, while Johjima's is 4.87.
ジョンソン2.89、城島4.87と、ジョンソンがはるかに優位に立つCERAについて、どのくらい信頼しているか、質問した。

"I don't think it's a fair comparison, just because it's not apples to apples. There's no way you can really say it's an absolute. That's what we're talking about with a relationship and a belief system; if it gets to a point there's a marked difference, then you have to look at it, but as far as overall, catcher's earned run average, I think that's a very unfair statistic. If Rob catches Felix and Joh catches someone who has a much higher ERA, there's no correlation. I think over a larger sampling it maybe has some validity."
「リンゴ同士(ブログ注=十分な相関のある、比較可能な複数の事象)を比べているわけではないという端的な理由で、僕はCERAが公平な比較だとは思わない。このスタッツはけして絶対的というわけではない。我々が『人間関係』だとか『信頼システム』という言い方で語っているのも、そこらへんの話。
もし(CERAによって2人の捕手の違いに)著しい差異が現れるような段階に到達したら、考慮すべきだ。だがおおまかな話の範囲でいうと、CERAはとても不公平なスタッツだと思う。もしロブがフェリックスを受けて、ジョーがもっと防御率の悪い投手を受けたら、(2人のCERAには)相関がなくなる。もっと大きなサイズのサンプルをじっくり検討したら、妥当性があるかもしれないとは思う。」
ブログ注
この部分については、某所の翻訳とよく読み比べてもらいたいと思っている。ワカマツがCERAを全否定しているという立場で最初から訳文作成にあたるのは感心しない。
よく読まなくとも、この次のパラグラフも含め、ワカマツはCERAを完全否定しているわけではない。「CERAを検討するには、よほど条件が揃って妥当性を持たないといけない」と推論しているに過ぎない。
ワカマツはむしろ、CERAを元にロブ・ジョンソンを選んだという話になるのを避けたい、それだけだろう。
それはそうだ。もしCERAを理由にロブを選んだ、ということになれば、ロブのCERAがシーズン後半によくみられる投手陣の疲れで極度に悪化したら、またもや城島を正捕手に戻すかどうか、などというアホな話を振られかねない。打撃も同様だ。ロブの打撃が不振だの、城島がヒットを何本打っただの、よけいな雑音に悩まされたくはないだろう。
インタビュー全体として、「ロブ・ジョンソンのほうが投手と『信頼システム』ができている」と繰り返し発言していることが全てで、それ以外の評価はけっこうおざなりだ。
逆に言えば、「城島は投手との間に『信頼システム』が欠けている」と何度も何度も断言していることくらい気がつかないと、この長い文章を読む意味がない。


Or comparing the ERA with the same pitchers?
では、同じ投手に対するCERAの比較はどうだろう?

"Yeah, but again, is it against the same lineup? Who's hurt? It's such an unfair deal. How we're playing as a club at the time. It's a nice stat to look at, but there's not a great deal of validity in it."
「まあね。でもこの場合もやはりね、同じ打線相手だったか、誰か怪我していたか、そういうことで生まれる不公平さがある。それぞれの時点で我々のチーム状態がどうだったか、ということだね。見るのには楽しいスタッツだけど、大きな信頼をおけるものではないね。」
ブログ注
野球のスタッツには、厳密にいえば、まったく同じシチュエーションのスタッツなど、ひとつも存在しない。
例えばホームランだって、どんな実力の投手から打ったか、どういう広さの球場で打ったか、そのとき自分のチームはリードしていたか負けていたか、条件によって違うと言い出した日には、ホームラン王も打点王も、さらにはOPSですら、すべて相互比較できなくなってしまう。
だから、この部分にワカマツの話の重要性、信憑性はほとんどないと判断するのが正しい。CERAの話に深入りするのをなんとか避けるための口実として話している部分であり、あまりに稚拙な逃げを打っているともいえる。
ラリー・ストーンもそのことがわかったのか、話題を変えている。大人の対応ぶりである。


Does he talk to the pitchers about their comfort level with a particular catcher?
特定の捕手に投げる安心感について、投手陣と話しているのだろうか?

"We've talked about not having favoritism. What we've talked about lately is just the belief system. I don't think there's a huge difference in what's being called and what's being executed. That's what we're talking about with Joh. So much of it is body language. Whether Rob's doing it better, I'm not saying that. I'm saying the results right now, because these guys are pitching well, it's something you don't want to break up. That's not an attack on Joh and his ability. It's just that when these guys are throwing well, you tend to go with the hot hand."
「えこひいきはしない、ということについては既に話している。このごろ話し合うのは、『信頼のシステム』についてだ。僕は、サインと実際の投球との間に大きなズレがあるとは思ってない。ジョーについて言いたいのは、そういうこと。ボディーランゲージのもつ意味は大きいよ。僕は、ロブのほうがよくやっているかどうかとか、そういうことを言っていない。目下の結果を言っているだけ。投手陣がよく投げてくれているんだから、それを壊したくはない。ジョーと彼の能力に対する攻撃というわけじゃない。投手がいいピッチングをしている時は、そのまま良い状態でいきたいと思うっていう、ただそれだけのこと。」
ブログ注
このブロックの3番目のセンテンスの訳で困った。
いろいろ考えたが、betweenを補ってI don't think there's a huge difference in (between) what's being called and what's being executed.という話だと判断した。「城島の出すサインと実際の投球の間に食い違いはないと思っている」ということだ。そうでもないと「ボディランゲージ」という言葉を急に言い出す意味がなくなり、話の辻褄が合わない。
もちろん、火のないところに煙は立たない。実際には「サインと投球がズレるケース」があるのではないか。そうした場合、投手のところへキャッチャーが言って「言葉で」確認しあうものだが、それがうまくいっていない、つまり「城島の英語が通じないか、または、投手の話すネイティブな英語(またはスペイン語)を城島が完全には聞き取れていないまま、また投球に入ることがある。意思疎通ができていない。」という意味にとられないよう、ワカマツは「ボディランゲージで十分伝わるから大丈夫」とフォローしたわけだ。
この部分は、立場上モノを言えないワカマツに、ではなく、むしろ投手に話を聞いてみたいものだ。


How does he decide when it's time to use Johjima?
城島を使うタイミングは、どうやって決定する?

"When I talked with Joh, I said Rob was hurt early in the year, he was hurt. Everybody wants to put 'starting catcher, backup catcher.' I said there's going to be other opportunities. If someone gets banged up, he's going to go in and catch and be the starting catcher again. To me, it's about how effective we are at that time, and we're going to go down that road no matter who it is."
「ジョーと話した時、こんな話をした。今シーズン初め、ロブが怪我をしたこと。そう、彼も(城島と同じように)怪我をしたんだ。誰もが『正捕手』や『控え捕手』という表現をとりたがる。ほかのチャンスがめぐって来ると言ったんだ。もし誰かが怪我したら、今度は彼が試合に出て球を受けるとか、また正捕手をやることになる。私にとっては、そういう(イザという)とき、我々がいかに実戦的な準備ができているか、という話。今後もそういう道を選ぶよ。それが誰であろうとね。」
ブログ注
上のほうで、ワカマツは「人は正捕手だの、控え捕手だの、決めたがる」みたいなことを言っているわけだが、その割にはこの部分でbe the starting catcher againと、ワカマツ自身が「正捕手」という言葉を使っている。要は、城島は「控え捕手」と宣言した、ということだ。
other opportunitiesという部分だが、このotherが何を意味するのか、最初はよほど意味深なことを言っているのかと思った。つまり、城島のDH起用などを含むのかもしれないとも考えたわけだが、結局ここではそれについて語られるまでには至っていないと考えるのが妥当だと思う。
むしろ、「控え捕手として怪我した正捕手をバックアップしてゲームに入る」という話を先にしておいて、後から「正捕手復帰」という順序で話をしたことに注目するなら、「城島の正捕手復帰は、よほどのことがない限り、ない」と考えるのが、この部分だけを見てもわかる。gets banged upという部分は、「怪我をした」という意味だろうが、「疲労がピークに達した」「疲れきった」という意味も含むと考える。
なお、effectiveという単語はこの場合は「イザというときに備えておく」という意味で、効果的とか効率的とだけ訳すのには賛成しない。



My interpretation of the whole thing: Johnson is going to keep on catching the Mariners' "Big Three" in the foreseeable future.
全体を見て私はこう解釈する。「近い将来に渡ってジョンソンは『ビッグ・スリー(ブログ注=先発投手三本柱)』の球を受け続けるだろう。」

(以上 この項終わり)






非常に難敵な翻訳をしていて、更新が滞った(苦笑)。
「城島問題」に関するシアトル・タイムズのラリー・ストーン氏によるワカマツ監督インタビューである。


最初にいくつかことわっておかなければならない。

まず、訳文だが(普段もそうしているわけだが)できるだけ直訳を心がけた。たとえばHe got three hits.を「3安打の『活躍』をした」とは訳さず、「3安打した」とだけ平易に訳すような方針を選んだ。文中、人が誰かを指すときの呼び名も、いつもなら「城島」とかにまとめてしまうのだが、今回は原文に登場するワカマツ氏、ストーン氏、それぞれの呼称に従ってある。
なんだそんなこと、と思うかもしれないが、そんな些細なことも積み重ねれば、読んだ印象はだいぶ違ってくる。読み比べてみて、味の違いを感じてもらえると幸いである。
この文章では原文を書いたラリー・ストーン氏が「あえて全文を掲載する」と言っているように、話題がダブったり、間をおいて反復されたりしている部分が何箇所もあって、多少読みづらい。逆にいえば、ライターが後で原文に手をいれて整理したり、修正したりしている形跡が少ない。
デリケートな話題なだけに「あえて原文に近いものを」というストーン氏の意図は間違ってないし、賛成する。
繰り返して言うが、そういうライターの意図があるにもかかわらず、訳をつけるにあたって、He got three hits.を「3安打の『活躍』をした」と訳す例のように、原文の表面に無い主観を訳文に過剰に加えるのはまったく賛成できかねる。最小限にとどめるべきだと思う。

また、例えば、以下の文章で監督ワカマツが語っている「うちのチームの方針は投手力と守備、特に『投手力』だ」などという部分は、実際には、毎日ゲームを見て、特に選手起用を見ていれば、とっくに誰でも理解できているはずの話である。
つまり、以下のインタビューの中身のかなりの部分は、既にチームとして方針が決まって実行されつつある話が散見されるのである。
これは、それくらい、監督ワカマツとZGMが7月に入って実行した何段階目かのチーム改革は、手順として、何の予告もなく静かに、かつ大胆に実行された、という意味になる。メディアに語る前、コネ捕手城島が気づく前に、たくさんのチーム方針の転換は実行されたのである。
そのため、まだシアトル・タイムズさえ文字にできていなかった。そういう話が、以下のインタビューではようやく言葉にされた。それだけだ。
既に実行しつつあることを、わざわざ喋るからには意図がある。それは新しいニュースの伝達や新方針の披露ではなく、「念押し」や「雑音の封じ込め」というような意味あいだろう。当然だ。

この文章ではright nowという言葉がやたらと出てくる。インタビューに多少タジタジになっているワカマツの姿がユーモラスである。せいいっぱい楽しんで読んでもらいたい。
Mariners Blog | Sunday lineups, and pre-game notes: The Rob Johnson-Kenji Johjima dynamic | Seattle Times Newspaper


With Rob Johnson starting for the third straight game, the question naturally arose about the division of playing time between Johnson and Kenji Johjima. Johjima, you might remember, started the first game of the series, with Garrett Olson pitching. He got three hits and threw out two runners, but hasn't played since. Wakamatsu made it clear he likes the way Johnson works with Felix Hernandez, Jarrod Washburn and today's starter, Erik Bedard.
Since this is such a hot topic right now, I thought I'd just run Wakamatsu's comments in their entirety:"

ロブ・ジョンソン3試合連続先発マスクをみて、必然的にジョンソンと城島健司のプレイタイムの割り振りはどうなる?という疑問がわき上がってきた。覚えているかもしれないが、城島はカード初戦のギャレット・オルソン先発のゲームでは先発した。3安打し、盗塁を2つ阻止したが、それ以降はプレーしてはいない。ワカマツは、ジョンソンのフェリックス・ヘルナンデス、ジャロッド・ウオッシュバーン、そして今日の先発エリック・ベダードの登板時の仕事ぶりに好感を持つと明言した。
現在進行形のホットな話題だし、ワカマツの全コメントを掲載してみようと思う。
ブログ注
この箇所について重要なこと、確認しておかなければならないことは、ライターのラリー・ストーンは別に「城島はあれだけ大活躍したのに、どうしてその後ゲームに出ないのだろう?」と、いわば「城島の肩を持った色彩で」インタビューに臨んでいるわけではない、ということ。MLB公式のライターでもあるラリー・ストーンはそんな偏ったことをするわけはないし、そんなことをするメリットは何もない。
次のブロックで監督ワカマツが「打撃は関係ない」と返答したことの「問い」にあたる部分が「3安打」なのであって、そこには「もっと城島を出せばいいのに」という思い入れ的な感情は存在しない。
だからこそ、訳文において「過剰な色彩」を加えることは不要だ。それに3安打がそれほど偉いなら、ロブ・ジョンソンが3本の二塁打を打ってチーム・レコードを作ったゲームだってあるし、直近のクリーブランド戦でも3出塁したゲームがある。比較にならない。1ゲームの出来でいちいち騒ぐことではない。


"I had a discussion with Joh, and we try to prioritize what's most important for this club. Getting hits is not the number-one thing. Winning ball games is, and having a belief system with the starting pitcher, and pitchers in general. Rob right now seems to have a strong relationship with the guys that he's catching. Joh's done a lot of things well. He's throwing the ball extremely well. He's raised his average.
「私は城島と話し合いの場を持った。我々はこのチームにとっての最重要事項を優先するよう努力している。ヒットを打つことは最優先事項ではない。試合に勝つこと、そして先発投手、さらには投手たち全体と、『信頼システム』を築くことが最優先だ。ロブは、目下のところ、彼がバッテリーを組んだ投手達と強い関係性を築いているようだ。城島も数多くのことをうまくやってくれている。スローイングは非常に素晴らしい。打率も上昇させている。」
ブログ注
「城島のセルフ・ジャッジ癖」がここでもピリオドを打たれた。
ここで監督ワカマツが「話し合いの場を持った」といっているのは、いつぞやの城島が談判に来たことを指している。この話し合いの後、城島は「もっと打って、もっと盗塁を刺せば、出場機会も増えるでしょう」などと、自分が監督でもないのにまったく的はずれなことを日本メディアに得意げに喋っている。
2009年7月12日、SPIのコラムニスト、アート・ティールは「城島を正捕手に戻すべきではない」「敏腕なワカマツはこれからも自分の方針を貫くべき」と主張するコラムを書いた。
それに対してワカマツは「シアトルにおける捕手の評価は、打撃が最優先事項ではない」と、直撃で返答しているわけだ。言い方を変えれば、「いくら城島がヒットを打とうが、それを理由に正捕手に戻すことはしないよ」と明言したということになる。
それはそうだ。例えば「もっとヒットを打ち、出場機会増加につながるようにアピールしたい」と発言するならともかく、アメリカのような社会では監督でもない立場で「もっとヒットを打てば、出場機会が増えるだろう」などと憶断する発言は、これもある種の「セルフ・ジャッジ」であり、メジャーのシステムで許されもしないし、歓迎もされない。
それは、審判が判定するべきストライク・ボールを、あたかもキャッチャーが自分で判定するような態度を見せるのと、全く、なんら変わらない。


"We're predicated right now around pitching and defense, No. 1 pitching. If there's a belief system Rob's doing a better job with that, we'll go with that. I'm not negating what Kenji can do. I guess as he starts to build a stronger relationship, getting back into it -- the injuries have been a strong factor with that, him missing time and Rob being able to build that relationship while he was down. I told Kenji, too, as he builds that relationship back -- he did it in spring training, he did it at the start of the year -- it can swing the other way. No one's chastizing anybody."
「我々はいま『投手力』と『守備』にチームの基礎を置いている。最も重要なのは『投手力』だ。もしロブが投手との『信頼システム』によってより良い仕事をしているなら、我々はそちらを選ぶ。
私はケンジの能力を否定しているわけではない。投手陣とより強い関係を築き始めるにつれて、彼も信頼を回復できるんじゃないかと思う。ーーそうなった強い要因は怪我だ。城島が試合から遠ざかり、その一方で、故障中にロブが関係を築くことができた。ーーケンジにも信頼システムを取り戻すよう命じてある。ーースプリング・トレーニングのときも、シーズン当初にも、できていたことだ。ーー別の方向に流れが変わる可能性はある。誰かが罰を与えているわけでも、誰かに罰を与えているわけでもない」
ブログ注
この部分の要点はつまり、「これからシアトルは『バベジGM時代の野球』を断固として葬り去りますよ」ということだ。見た目は最近のチームづくりの方針について、監督ワカマツが『投手力』と『守備』と明言しているわけだが、毎日のゲームでの選手起用を見ていれば、現地メディアも日本のファンもわかりそうなものだ。もちろん城島はバベジ時代のチョイスに基づく、セクソン同然の失敗した選択であり、やがて葬り去られる。当然のことだ。
トレード期限が迫っていることによって、トレード話をしたがるのは日本でもアメリカでも同じだが、例年通りのルーティーン、年寄りくさい噂話に明け暮れていては、目の前で起きていることすら見えない。ウオッシュバーンやベダードが煙たい城島オタさんの慌てぶりは、なんともみっともない。
ワカマツが言うように『最も重要なのは投手力』なのだから、意味のない主力投手の放出はまったくありえない。(本人が出たいというのなら話は別だ)くだらないトレードの妄想を抱くくらいなら、今のチーム方針の先を読む努力くらいはしないとダメだろう。そうでないと、自分がテストされているという大事なことすら気がつかないで漫然とプレーしていて正捕手の座から転げ落ちた城島のようになる。


I asked if building that "belief system" -- one of Wakamatsu's favorite phrases, if you haven't gathered that already -- was more difficult for Johjima because of the language issues.
私は、既に耳にしたことがあるかどうかわからないが、ワカマツのお気に入りのフレーズのひとつである『信頼システム』について、言葉の問題がある城島には難題なんじゃないかと質問してみた。
ブログ注
belief systemという言葉を、手垢にまみれた「信頼関係」という言葉で訳すかどうかで迷い、結局、『信頼システム』なんていう、日本語としてはギクシャクした言葉を「わざと」選んだ。
「たまに投手と晩メシを食う」だの「ベンチで稀に軽口をたたくことがある」だの「マージャンを誘った」だの、そういう野球と関係ない、とってつけたようなくだらないことで、「私は信頼関係回復に努めています」だの、言ってもらいたくないという理由からだ。
ワカマツがイメージする『信頼システム』は、ラリー・ストーンも思っているように、なんだかちょっとつかみづらい。だが、日本語で何も考えずに「信頼関係」と書いてしまったときに生じる、よくありがちな先入観が入り込むのは避けなければならない。
元になったのは、やはり、ロブ・ジョンソンの「ドルフィン」についてのインタビューだ。
あれは、時間がたつにつれて、ますます秀逸なインタビューだったと思うようになった。ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンの間にある野球についての協力関係やコミュニケーションが、野球の現場での生々しさ、ダイナミックさの実例として、たいへんわかりやすい。ウオッシュバーンが自分の配球をなんとかリフレッシュして、メジャーで生き残りたいという必死さ、ロブ・ジョンソンの提供するアイデア、ワカマツの言う「信頼システム」の例というと、いつも、この「ドルフィン」開発にまつわるこのストーリーがイメージされてくる。

2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

"I'd say language-wise, yeah. But I've also seen it with Joh. I've seen him build that relationiship and engage. He's had success with these guys in the past. He's caught guys, whether it's Batista, whether it's Felix, whether it's Bedard, these guys have had success with him. It's just as a manager and a guy overseeing this club, you try to pair up the timing of it. Right now, Rob seems to be catching those guys well."
「言語の話ね…、どうだろう。でも、私はジョーのこんなところも見てきている。投手陣との関係を築き、歯車もかみ合っていた。過去にはうまくやってこれていた。それがバティスタであれ、フェリックスであれ、ベダードであれね、彼らのボールを城島が受け、うまくいっていた。
ただ単に、監督、このチームの統括責任者としては、バッテリーを組ませるタイミングに努力している、ということだよ。今のところ、ロブのほうがうまくいっていると思う。」
ブログ注
I'd sayという表現は、相手の話をやんわりとはぐらかす時に使う。同意も否定もしたくないから、暗に「それはどうだろうね」くらいに思わせたいわけだ。
この後の記述全体がそうだが、アメリカという人種の多様な国、人権にうるさい国で、言語の問題を監督が真正面から語ることなど、できるわけがない。城島を正捕手から降ろした事実を、そういう部分でつつかれないためには、城島にはこれこれのいい部分もあると、無理にでも指摘してみせることも、人に読まれるインタビューでは言葉にしておかなければ、アメリカでは監督は務まらない。
それと、ワカマツがバティスタの名前をここで挙げている部分が問題だ。もちろんバティスタが先発投手だった時代を指すわけだが、当然ながら、監督ワカマツはその時代にはシアトルのスタッフではなく、詳細を知るわけがない。
だから「城島のこんなところも見てきた」という部分は、いわゆる「リップサービス」でしかない。インタビューしているラリー・ストーンも、もちろんそれくらいわかって聞いている。だからこそ、監督ワカマツの話の中からリップサービスを除いた部分を後で勘案して、最後に「ロブ・ジョンソンが実質正捕手の状況はこれからも続く」と推測しているのである。


(2)に続く。continue






July 17, 2009

ビクター・マルチネスが捕手をやるのを嫌ってショパック相手に投げるクリーブランドのエース、サイ・ヤング賞投手クリフ・リーが完投する一方で、シアトルはエラーをしまくって負けた。どうにもこうにも、バッテリーにテンポが無く、ゲームのリズムが悪すぎる。
4点リードしている側のクリーブランドの観客さえ、あまりのゲームのテンポの無さに退屈してウェーブをやって退屈をまぎらしたくらいだから、相当なものだ。
Seattle vs. Cleveland - July 16, 2009 | MLB.com: Gameday


ある意味、クリーブランドとの対戦は楽しみにしていた。
なぜって、コネ控え捕手城島型キャッチャーともいうべきビクター・マルチネスがいるからだ。同じタイプのキャッチャー同士の対戦というわけだ。もし投手がクリフ・リーでなければ、だが。


今シーズンはここまで45ゲームにキャッチャーとして出ているビクター・マルチネスのCERAは5.99。酷いものだ。出場ゲーム数はロブ・ジョンソンとほとんど同じだが、CERAはロブ・ジョンソンの2倍にもなっている。
毎試合6点もの失点をするキャッチャー、それが捕手としてのビクター・マルチネスだ。彼がいくら多少ヒットが打てても、毎試合7点以上とってチームをポストシーズンに導いてくれるわけはない。
今シーズン最下位のクリーブランドのピッチング・スタッツはリーグ最下位。これも酷いものだ。先発ブルペン問わず、ERAは5点を越え、あらゆる面で投手スタッツはリーグ最下位に低迷している。

ビクター・マルチネスは、コネ控え捕手城島や、LAAのナポリ、NYYのポサダに似た立ち位置のキャッチャーだ。マルチネス、ポサダ、控え捕手城島、彼ら以上にCERAの悪いキャッチャーは、メジャーにはほとんどいない。若い捕手がこんな数字ならクビになるから、いないのだ。わかりやすい。
彼らのような捕手は、チームの主力投手にとってはバッテリーを組むメリットは何もない。打撃への期待からゲームに出してもらえている。そういう話。ヘルナンデスが城島を嫌ったのと同じ。
MLB Baseball Fielding Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN


だが今日のゲームでは、ビクター・マルチネスはポジションは1塁手で、キャッチャーはショパックだ。ビクター・マルチネスをクリフ・リーのためにはずしたクリーブランドと、ローテーションの穴を埋める控え捕手城島を使ったシアトルの対戦になった。
と、いうのも、2008年のサイ・ヤング賞投手クリフ・リーは今シーズンはショパック相手にしか投げないからだ。
Cliff Lee Pitching Statistics and History - Baseball-Reference.com


クリフ・リーとバッテリーを組むキャッチャーを2年ほど遡ってみる。

2007シーズン


(数字は被打率、被OBP、被SLG、被OPS)
ビクター・マルチネス(15ゲーム)
.307 .376 .530 .906

ショパック(5ゲーム)
.195 .258 .329 .588

Cliff Lee 2007 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
ゲーム数を見てわかるように、クリフ・リーは最初からショパックを指名していたわけではない。だがこのシーズン、マルチネスとのバッテリーでは被打率.307で、26本もの二塁打を打たれているのに対して、ショパックとのバッテリーでは.195、二塁打わずかに2本。
クリフ・リーはこのシーズンで「捕手としてのビクター・マルチネスに見切りをつけた」ことだろう。

2008年シーズン

ショパック(27ゲーム)
.246 .279 .327 .605

ビクター・マルチネス(4ゲーム)
.301 .327 .505 .832

Cliff Lee 2008 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
ショパックがビクター・マルチネスと立場を逆転、より優先してクリフ・リーとバッテリーを組み始めた。ショパックの27ゲームの被打率.246 OPS.605に対して、ビクター・マルチネスの4ゲームは被打率.301(2年続けて3割以上)、OPS.832というのだから、比べるまでもない。
それはそうだ。マルチネスに期待していいのはバッティングであって、投手のリードではない。この年、クリフ・リーはショパックを選ぶことでサイ・ヤング賞をとり、最多勝22勝、最優秀防御率2.539を記録した。


ショパックだって今シーズンCERAは5.00であって、控え捕手城島並みの数字で、けして良くはない。だが、クリフ・リーにしてみれば、ビクター・マルチネスよりはよっぽどマシだ。だからショパックを選んだ。
今日は「打てないビクター・マルチネス」コネ捕手城島をキャッチャーにしたシアトル相手に完投できたことだし、さぞかしクリフ・リーは「ああ、ショパックにしといてよかった」と思えるゲームのひとつになったことだろう。



それにしても、今日のゲーム序盤の城島はどういうつもりなのかは知らないが、投手オルソンがモーションに入っていてもミットを構えなかった。
ミットを構えるのはモーションが終わりかけて、投手がキャッチャーを見る、その瞬間という、おかしなキャッチング。ゲーム後半には、ブルペンコーチにでも指摘されたのかなにか知らないが、多少はマシにはなったが、あれはおかしい。
こうした現象は今にはじまったわけではなく、2008年5月には投手がボールをリリースするまで構えなかった時期すらある。
2008年5月、突如、城島は投手に対してミットを構えるのをやめた。

以下は今日の先発投手の、全投球数・ストライク・ボールである。(普通は投球数とストライクの数しか表示されていないが、ボールの数をわかりやすくするため、あえてつけてみた。)

Olson 69-34-35, Jakubauskas 46-23-23,
Kelley 19-12-7, Corcoran 9-7-2, Lowe 10-8-2

メジャーでのストライク・ボールの比率というのは、たいてい2:1になるように配球することが多いわけだが、ストライクとボールが同数に近いなどというのはよほどのことだ。
それが先発オルソンだけでなく、ジャクバスカスと続くのだから、何が原因かわかろうと言うものだ。オルソンのように神経質な性格で、もともと球の高い投手が、投げるための「的(まと)」になるミットがない状態で投げ続けていれば、ゲームの要所要所で四球を出してゲームのリズムを壊すのは当然だ。
エラーはブラニヤン2、ジャクバスカス、ウッドウォードと4つもあり、また、記録にはワイルドピッチとなっているが、城島が変化球のワンバウンドを後ろに逸らしたのが2度あった。酷いゲームだった。

まったくテンションのないゲームだ。
見ていて疲れる。






We are in a race.
楽しいお祭り、オールスターも終った。
レースに戻るときが来た。

今年のシアトルは色々な意味でレースの真っ最中にいる。
2008年には考えられなかったことだし、地区2位になった2007ですら、こういう高揚感はなかった。城島が正捕手から脱落したことで、ついにシアトルのチームあげての本当のレースが始まったのである。

それぞれのプレーヤーに、それぞれのテーマがある。
見ていて本当に楽しい。

これからがホンモノのレースだ。



シアトルの参加するレースはいくつもある。
もちろん最大のレースはチームのポストシーズン進出レースだ。

上に調子のなかなか落ちてこない2チームがいる。それだけに、前半戦のようにコネ捕手城島のゲームで適当に負ける期間をチームが許容して、5割少しの勝率を続けていては絶対に追いつけない。「二兎を追う者、一兎も得ず」だ。
LAAは、かつてのオークランドのように勝ちだすと止まらなくなるチーム力があり、ほっておいても連勝してしまう。それだけにシアトルは今後どのくらい連勝できるかがレース結果の分かれ目になってくる。連敗はもちろん致命傷だが、それ以上に、10連勝とは言わないまでも、小さい連勝でいいから、多少は連勝を延ばせるように工夫する努力が必要になってきた。その意味で先発3本柱をロブ・ジョンソンに託す監督ワカマツの戦略は正しい。
だが、シアトルはローテにどうしても穴があるため、今はまだ3連勝、4連勝できる体勢が整っているとは言いがたい。4番手、5番手投手のゲームをどれだけ拾えて連勝につなげられるかは、LAA、TEXとの三つ巴レースの重要な鍵になってくる。

それにしてもTEXの打者は素晴らしい。オールスター直前のレンジャーズ4連戦でネルソン・クルーズにいきなりバコンとホームランを打たれたのをよく覚えているが、彼のバッティングをオールスターのホームランダービーで見ていたが、あらためてTEX打線の破壊力には感心させられた。7月のレンジャーズ4連戦は、よくあの打線を抑え込めたものだと思う。
前半戦の表の立役者、MVPにはもちろん、イチローブラニヤンヘルナンデスアーズマなどの名前があがってくることだろうが、このブログとしては、投手陣をア・リーグ1位のERAに導いて、チームのプレーヤーを表舞台のレースに押し上げたロブ・ジョンソン「縁の下MVP」を進呈したいと思う。
Seattle fresh, tested for second-half run | Mariners.com: News


イチローマウアー首位打者争いはそれにしても熾烈だ。
オールスターでマウアーがレフトへ流して打ったタイムリーを見ても、彼は簡単には打ち取れないことがわかる。ここから9月までの2ヵ月半はたぶん毎日やきもきすることになるだろう。USA Todayが記事にしたようだが、あれでは短すぎるし中身があまりないので、記事として面白くない。そもそもオバマ大統領すらイチローと呼ぶプレーヤーのことを、あえてSuzukiなどと書くのもどうも、スポーツ紙ではないからとはいえ、ハナから好感がもてない。
Mauer, Suzuki jockey for position in AL batting race - USATODAY.com
それにしても、このところアメリカのメディアがイチローを取り上げる回数がぐっと増えた気がする。ESPNのJayson Starkは、イチローが56試合で53試合にヒットを打ったことを挙げて、過去にジョー・ディマジオのヒット・ストリークに間接的に迫ったプレーヤーを記事にしている。
Bobby Abreu finally gets home run happy - ESPN
かつてDETのオルドニェスとの対決では終盤に調子を落としたが、今年の首位打者争いはファンとして、勝って「もらいたい」だの、勝ち「たい」だの、甘えたことは言わない。今年はファン一体となって是が非でもこのレースには勝つ。勝つ。勝つ。



投手陣にはこれからいくつもレースが控えている。

ヘルナンデスは、サイ・ヤング賞レースが始まる。6月の月間最優秀投手初受賞に続いて、オールスター初選出&初登板と、いいことが続いたが、ここで人生は終わりどころか、ここからが本当のレースになる。

記者投票で決まるサイ・ヤング賞は記者の投票で決まる主観的な賞だが「記者は最初に防御率を見ることが多い」と、シアトルタイムズのベイカーは言う。ヘルナンデスの防御率はいま2.53で、防御率2.12のグレインキーとはまだ差があるが、2点を切っていたグレインキーの数字はこのところ少しずつ落ちてはきているので、ヘルナンデスの可能性は徐々に上がってきている。いま昇り調子のフェリックスだから、頑張ればやがて追い抜ける。後半戦は、キレの出てきたシンカーなどを武器に、あらゆる数値を上げていく必要がある。
Mariners Blog | Seattle Mariners ace Felix Hernandez could be taking home more hardware with good second half | Seattle Times Newspaper

さまざまなメディアが前半戦のMVPプレーヤーを発表しているが、去年城島をLVPに選んだESPNのJayson Starkは、やはりグレインキーを前半戦サイ・ヤングに推している。
Jayson Stark's first-half review: MVPs and LVPs; Cy Youngs and Yuks; the very, very odd - ESPN

奪三振数はグレインキーがリーグ3位129。ヘルナンデス4位の121(1位バーランダー149)。QS数は、グレインキーが15、ヘルナンデスが14。QS%はグレインキーが83%、ヘルナンデスが78%というように、2人は防御率以外ではほぼ互角だが、まだまだあらゆる数字でほんの少しずつグレインキーが優ってはいる。
ア・リーグ ERAランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

ウオッシュバーン
は、前半戦、ラン・サポートが少ないための不運な負け、中継ぎでの敗戦が多かっため、6勝6敗と、気の毒な勝ち負けだったが、リーグ第5位の防御率2.96、リーグ第3位のWHIP 1.09(ヘルナンデスは1.14で第6位)と、登板の中身を評価する声はこのところ一気に高まっている。
さすがにサイ・ヤング賞は10連勝でもしないかぎり無理かもしれないが、防御率など彼にもまだチャレンジできないことはない。「ドルフィン」など、多彩なキレのある持ち球を駆使して、彼の潜在的な実力に見合った結果を残してもらいたいものだ。
ア・リーグ WHIPランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

ベダード
は、既定投球回数に足りなくなってしまったため、防御率ランキングからは一時的に姿を消しているが、防御率は2.63と、ヘルナンデスの2.53と比べても遜色ない。後半戦もたくさんのゲームで登板して、彼の淡々と投げ込む独特のカーブなどで打者を翻弄し続けることができれば、彼にもチャンスがある。FAを控えたシーズン途中というのに、早々と「この球団にできれば残りたい」と彼が言ったことは心に強く残っている。怪我による長期離脱がなければ、ポストシーズンでの登板という名誉が巡ってくるし、頑張って欲しい。


投手についても野手についても書きたいことはまだまだたくさんあるのだが、彼らを支えるロブ・ジョンソンにとってもレースはある。
これからチームを支え、先発の3本柱を支えるわけだが、その結果として、メジャー最高CERAという勲章を得られるかもしれない。現在彼のCERAは2.95で、そこそこの出場イニングのあるキャッチャーでは飛びぬけた数字だが、残念ながら既定イニングには達していない。
両リーグで既定イニングに達している捕手は15人しかいないが、その中では、LADの名捕手ラッセル・マーティンが3.46でトップを走っていて、2位がオールスターでタイムリーを打ったSTLのヤディア・モリーナで3.70。
これから沢山のゲームをまかされることだろうから、毎日のゲームを頑張っていればやがては既定イニングに近づいてくる。楽しみである。






July 15, 2009

日本には「お盆」という盛夏の習慣があり、それにあわせて祭りが行われ、人は故郷に帰る。

「お盆」には、人は故郷で、昔なつかしい友に会って旧交を温め、墓地にもう亡くなってしまった人を訪ねて、自分がどこから来たのかを確かめ、そして、どこへ向かっているのか確かめる。
過去と再会することは、悲しいことではない。むしろ、畏敬と謙虚さをもった心に年に一度戻る大切な時間である。


Nick Adenhart, 1986-2009 | MLB.com: History

Nick_Adenhart_ForeverAdenhart honored in pregame ceremony | angelsbaseball.com: News

Game_of_Nick_Adenhart

関連記事まとめ:The Johjima Problem.:ニック・エイデンハート Nick Adenhart

メジャーのオールスターの季節にいつも思うことは、ベースボールは誰かひとりの手で築きあげられるわけではなく、たくさんのプレーヤーとファンが長い歴史を共有することで高められる、ということだ。オールスターにはいつも過去の名プレーヤーが招待され、現役プレーヤーとの間で短い時間だが暖かい交流が図られるのを、ファンが微笑みとともに見守る。
いや。歴史を共有、というと、むつかしくなってしまう。むしろ、「長い夢」を一緒にみる、といったほうがいいかもしれない。

オールスターとは各シーズンの最も大きな夢をファンとプレーヤーが共有しあう行為であり、そこに出場することはベースボールという「長い長い夢」の一部、いい意味で「かけら」になる、ということだ。


イチローがシスラーの墓参りに行ったことで、そんなことを考えた。イチローは既にベースボールという歴史の一部、長い夢の一部としてフィールドに立っている。シスラーの墓参りはベースボールに対する畏敬と謙虚の表れである。
The Hot Stone League | UPDATED: Ichiro visits grave of George Sisler (with new Ichiro and Wakamatsu quotes) | Seattle Times Newspaper

A buried treasure - MLB - ESPN
セントルイス・ブラウンズのプレーヤーだったジョージ・H・シスラーのストーリー。


だからオールスターはベースボールにとっての「お盆」なのである。
いま最もホットなプレーヤーの演じる夢のゲームを見ながら、ファンは昔なつかしいプレーヤーを思い出し、プレーヤーはいつもは離れて戦っている他チームの友人に会って旧交を温める。


日頃、雑事にかまけてばかりいる自分のような人間が今年亡くなったエンゼルスのニック・エイデンハートのことも思い出すとしたら、オールスターの今日が最もふさわしい。
日本の「お盆」には「送り」という習慣があるが、このオールスターで、彼がベースボールにかけた夢をセントルイスのフィールドに「送って」やりたいと思う。


オールスターのフェリックスAbove us.


フェリックスは、エイデンハート投手と同じ、1986年生まれ。

汽笛の鳴る線路脇のボールパークマリナーズの故郷は海沿いのボールパーク。貨物の鉄道のすぐ裏。南側に走る道路は「エドガー・マルチネス通り」
http://maps.google.co.jp/maps?ll=47.593115,-122.33335&z=15&t=h&hl=ja






July 14, 2009

SPI(Seattle Post-Intelligencer)は、アメリカの大不況のあおりを受けて新聞が次々と廃刊に追い込まれる中、現在は電子版だけが残っているわけだが、「城島問題」2008年版まとめ2009年版まとめ)を扱うこのブログの立場からいうと、なぜか、廃刊後のほうが断然役に立っている。ある種、腹をくくった感じが、廃刊前よりかえってジャーナリズムっぽくなった。
2008年における「城島問題」についてだけ言うなら、2008年5月13日のシアトル・タイムズのベイカーの記事がなんといっても嚆矢かつ必読であり、インタビューの音声をリンクしたほど熱の入ったスクープぶりによって、シアトルタイムズはSPIを断然引き離していた。

だが、このところSPI電子版は目が離せなくなっている
この間のウオッシュバーンの「ドルフィン」についてのロブ・ジョンソンインタビューは、珍しくあのシアトルタイムズベイカー後追い記事をついつい書いてしまうほど(笑)、ネタが良く、2009年の「城島問題」を読み解く上で必読記事のひとつになった。
あれは長い文章だったが、記者のおかしな注釈や主観をほとんど交えず、勇気をもってインタビューそのものを長文で掲載することは意味がある。プレーヤーの主張を十分に伝える意味で重要だ。好感が持てる。
下に訳したのは、SPIのコラムニスト、アート・ティール氏による「ワカマツの手腕の高さ」を書いた記事の「ワカマツの最大の悩みの種は城島の処遇」という部分を抜き出して粗く訳したものだが、ただ「城島問題」を秀才を気取って要領よくまとめるのではなく、むしろ、かなり踏み込んで
「たとえ上層部と食い違っていようと、ワカマツ監督の方針のほうが正しい。絶対に貫くべし」
と、ハッキリ立ち位置を決めて書いているのが、とても清清しい。やはりスポーツジャーナリズムを名乗るくらいなら、こうではなくては。
当ブログでは、意図的にではないが、なにかとシアトルタイムズの記事にお世話になるケースばかりだったが、これからはSPI電子版もできるだけ応援していく。
SPIにはあまり目を通していなかったシアトルファンもそういないとは思うが、もしそういう方がいたら、一度サイトを訪問されてみることを薦めたい。
Seattle news, sports, entertainment | seattlepi.com - Seattle Post-Intelligencer
2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

イルカ


マリナーズを危険な落とし穴から回避させる敏腕監督
Manager's deft touch steers M's around rocky shoals

(前半部:グリフィーとベタンコートについての記述。割愛。以下、イコールのついたカッコ書き部分は、ブログ側の補足した注釈)
But Wakamatsu's biggest personnel headache looms: What to do with Kenji Johjima.
しかし、ワカマツ監督に立ちはだかる最大の頭痛の種は、「城島の処遇問題」だ。

The veteran has been supplanted as starting catcher by rookie Rob Johnson, who has won over Felix Hernandez, Jarrod Washburn and Eric Bedard. They are the starters primarily responsible for the Mariners leading the American League in earned run average, and all insist on throwing to Johnson.
ベテラン城島は、正捕手の座を新人ロブ・ジョンソンに取って代わられた。ジョンソンは、ヘルナンデス、ウォッシュバーン、ベダードを味方につけている。彼らはア・リーグERAトップのマリナーズにとって重要な主戦投手たちだが、彼ら全員がジョンソン相手に投げたいと主張している。

Johjima, whose two stints on the disabled list opened the door for Johnson, is upset, going as far as having a closed-door meeting with Wakamatsu.
城島の2度の故障者リスト入り期間がジョンソンにチャンスを与え、立場が逆転し、城島がワカマツと非公開の会議をもつところにまで事態は進んでいる。

"I think I won't look back (on the first half of the season)," Johjima told Japanese reporters Sunday. "If I hit .300, had recorded more caught-stealings, and the team had won more, I would catch more games.As a player, I have to think so."
「過去(シーズン前半)を振り返らないようにしようと思う」と城島は日曜に日本のレポーターに語った。「もし3割打って、もっと多くの刺殺を記録し続けて、チームがもっと勝っていたら、もっとたくさんのゲームに出れていただろう。プレーヤーとしてはそう考えるしかない。」
ブログ注:
この部分は、日本では違うニュアンスで報道がされている。
「けがをせず(打率)3割打って、もっと盗塁も刺して、もっと勝ち試合にしておけば、もっとマスクをかぶる機会も増えるでしょう。プレーヤーとしてはそう考えるしかないし、そうしていきます」(共同)
だが、上記の文章の、いわゆる仮定法過去が使われた英語の文章では、意味あいがかなり違う。つまり「もし〜していたら、こうなっただろう。でも、そうはならなかった」というニュアンスである。


The baseball numbers speak loudly in Johnson's favor: With him as starter, the M's are 24-16 with a collective ERA of 2.93. Johjima is 13-19 and 4.91.
野球のデータは、ジョンソン有利を高らかに告げている。ジョンソン先発でマリナーズは24勝16敗、CERAは2.93。城島は13勝19敗、CERA4.91。

But the financial numbers speak on behalf of Johjima: He is in the first year of a three-year, $24 million extension signed last year in a deal that former GM Bill Bavasi indicated was forced on him by ownership.
しかし金銭的な話となると、城島の側に有利さがある。彼は前のGMのバベジが昨年「オーナーサイドに押し付けられた」と示唆した3年24Mの延長契約の初年度にいる。

Wakamatsu is nearing an awkward crossroad in which his baseball agenda could clash with his bosses' agenda. But Wakamatsu's agenda must prevail, because he's helping end a half-decade of mishap and misery by standing tall with the facts.
ワカマツは、彼の野球の方針が、上司の方針と衝突する厄介な分岐点に接近しつつある。しかし、ワカマツの方針を優先すべきだ。なぜなら彼は事実を元に断固たる態度をとることによって、災いと苦痛の5年間を終焉させようとしているのだから。(太字:ブログ側添付)

To reinsert Johjima would be a clubhouse disaster. Already prevailing against assorted injuries to win five of nine recent road games against the best in baseball, then recovering from two bad games against Baltimore to handle Texas, the Mariners border on giddiness.
城島を元に戻す(=正捕手に戻す)ことになれば、クラブハウスに災厄をもたらすことになる。既にマリナーズはさまざまな故障(=故障者の続出)に打ち勝って、最近の強豪相手のロードで9ゲームのうち5ゲームに勝ち、次にボルチモア戦での2つの良くないゲームからも回復してテキサスを翻弄して、ほぼ有頂天な状態といっていい。
ブログ注:2008年のいわゆる「クラブハウス問題」について、その原因が「城島問題」にあったという認識を示唆している。

"We're really close to doing what Tampa Bay did last year," said closer David Aardsma (save No. 20 Sunday), referring to the unexpected American League championship by the Rays. "We're pitching well, we score when we need to and we're making good defensive plays."
日曜に20個目のセーブを記録したクローザー、デイビット・アーズマは、レイズによる予想外のア・リーグ制覇に言及して、こう言う。「投手陣はよく投げているし、打線は必要なときに得点もしている。素晴らしいディフェンシブ・プレーぶりだよ。」

We're not quite ready to witness to the Ray way, but Sunday was a testament to Aardsma's point. The Mariners yesterday featured a re-jiggered lineup of five guys hitting below .250 -- catcher, shortstop, third base, left field, DH. Somehow, it worked.
マリナーズがレイズの通った道を進んでいると断言できるまでにはまだ至ってはいないにしても、日曜のゲームはアーズマの指摘の証になった。昨日のマリナーズは打率.250未満の5人(キャッチャー、ショート、サード、レフト、DH)が仕事をしたのである。
(後略)






July 12, 2009

ビューティフル・ゲームだった。


何度も書いてきたことだが、ロブ・ジョンソンのバットは、普段は湿っているが、ここぞというときに突然輝く不思議なプレミアムバットである。
ロブ・ジョンソンのバットでゲームの行方が決まったのは、今シーズン、このブログで数えているところでは、これで4ゲーム目だ。たいしたものである。
ロブ・ジョンソンの2ラン(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Johnson's homer gives the Mariners the lead - Video | MLB.com: Multimedia

2009年6月19日、ロブ・ジョンソンは決勝3塁打でサンディエゴでのサヨナラ負けの嫌なムードを振り払った。ウオッシュバーン7回QS。
2009年6月25日、ロブ・ジョンソンは初回満塁で走者一掃の3点タイムリーを打ち、城島のRISPを大きく引き離した。ウオッシュバーン6回QSで4勝目。
2009年7月3日、ロブ・ジョンソン決勝タイムリー含む3本の二塁打(球団タイ記録)3打点など、下位打線の活躍でBOSに競り勝った。ヘルナンデス7回QS、ジャクバスカス2イニングを封じる。

テキサスの先発ミルウッドは、ERA3点台半ばで、ここまで既に8勝している好投手。なかなか点がとれずに苦しんだが、1-1のタイスコアから7回、ロブ・ジョンソンが、カウント1-2からのスライダーが真ん中に甘く入ってきたところを左中間スタンドに価値ある2ランを放り込んだ。
Texas vs. Seattle - July 11, 2009 | MLB.com: Gameday
Johnson takes it out on Rangers | Mariners.com: News


先発のミスター・ドルフィン」こと、ウオッシュバーンは、7月8日の準完全試合に続いての連勝で、6勝目。すばらしいピッチングだった。7月8日の準完全試合がマグレなどではなく、本物の実力だったことを立証してみせた。
"I tried to get through the whole lineup the first time through without using the "Dolphin", " he said. "And I was able to do that, I didn't use it. The second time through, I started mixing in the slow breaking ball a little more and just mixing up pitches a little more."
「打者の一巡目には『ドルフィン』を使わずにすませようとしたんだけど、うまくいったね。使わずに済んだ。二巡目からは遅い変化球を少し混ぜ始めて、ちょっとずつ混ぜていったよ。」
Mariners Blog | Meet Jarrod Washburn's "secret weapon" | Seattle Times Newspaper

なにより、素晴らしかったことは、彼のERAが、3点を切りそうでなかなか切れなかったのが、この日の勝利でついに2.96と、2点台に突入したこと。
おめでとう、ウオッシュバーン。これでア・リーグのERAランキングで、6位からひとつ上がり、5位になった。3位は同僚のフェリックス。

ESPN ア・リーグ 投手ERAランキング
2009年7月11日

ESPN ア・リーグ 投手ERAランキング 2009年7月11日

ウオッシュバーン 2009全登板
Jarrod Washburn Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

2009年7月6日、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンの鉄壁バッテリー、「準パーフェクトゲーム」達成!ウオッシュバーン初の「無四球試合」。9回1安打完封。


この日の彼のピッチングの最大のピンチは、5回の2死2、3塁で、打席に、イチローがかつてベタ褒めしたほどの好打者、マイケル・ヤングを迎えた場面。

2009年7月11日 5回2死2,3塁 ヤング セカンドゴロ(画像をクリックすると
拡大できます)

初球 アウトコースへの高速シンカー
(91マイル ストライク カウント0-1)

7月6日のSPIロブ・ジョンソンインタビューを読み返してもらうとわかるが、「コーチ陣の協力を元に、ウオッシュバーンはこれまでの2シームをブラッシュアップして、強力なシンカーに生まれ変わらせた」という意味の記述がある。
2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

この初球についてウオッシュバーン自身は試合後、こう言っている。技術だけでなく、34歳のベテラン投手としての勘も、この場面で生きた。ウオッシュバーン自身は「ギャンブル」と言ってはいるが、91マイルで曲がる球など、そうそう簡単に打てるものでもない。NYYの王建民投手ばりの効果的な高速シンカーだ。
"I had a feeling he wasn't' going to be swinging first pitch. I gambled right and got ahead first pitch.
彼はなんか初球を振ってこない感じがしたんだよね。僕はまさにギャンブルして、初球を成功させた」
Johnson takes it out on Rangers | Mariners.com: News

2球目 インコースのカーブ
(74マイル ボール カウント1-1)

同じく、試合後のインタビューでウオッシュは2球目以降について、「スピードを変えて、緩急に気をつけた」と言っている。
"I tried to change speeds on him after that and was able to do that. It slowed him down a little bit."
Johnson takes it out on Rangers | Mariners.com: News

初球が外の高速シンカー91マイル(約145キロ)だったから、2球目の71マイル(約114キロ)のスローカーブは16マイル(約25キロ)ものスピードの落差があったことになる。
しかもインコース。何度も言ってきたことだが、ピンチの場面でインコースをつけるのがロブ・ジョンソンの真骨頂。外角低めに逃げてばかりいるコネ捕手さんとは違う。

この2球目のカーブが果たして「ドルフィン」だったかどうかは、インタビューでもウオッシュバーンは答えておらず、残念ながらわからない。

3球目 アウトコースの「ドルフィン」
(70マイル 空振り カウント1-2)


イルカ初球と2球目は「スピード」に差をつけたが、2球目から3球目では、こんどは「コース」に差をつけた。70マイル(約112キロ)と、2球目よりさらに遅いスローカーブ「ドルフィン」がアウトコースやや低めに決まり、マイケル・ヤングのバットが空を切って、マイケル・ヤングを追い込んだ。
このボールも、残念なことに「ドルフィン」だったかどうかはわからないのだが、野球ファンとしては、2球目か3球目のどちらかが「ドルフィン」だったことにしておきたい(笑)
シアトルタイムズのベイカーが、イルカの写真までわざわざ添えて、ヤングへの1-1からのカーブは「ドルフィン」だといっているので、3球目は「ドルフィン」だ(笑)やれやれ(笑)
Mariners Blog | Meet Jarrod Washburn's "secret weapon" | Seattle Times Newspaper

4球目 インハイの4シーム
(90マイル セカンド・ゴロ アウト)

2球目で「スピード」、3球目で「コース」に差をつけて、マイケル・ヤングを追い込んだバッテリーは、4球目に「スピード」と「コース」を同時に変えてきた。
2球目、3球目が70マイルしかないカーブだっただけに、この90マイルのストレートは、いくらマイケル・ヤングとはいえ、たぶん90マイル以上のスピードを感じたことだろう。
右の好打者ヤングが、このチャンスにインコースのボールになる球をあわてて振りにいって、しかも、ひっかけてセカンドゴロを打つのだから、よほど振り遅れていたのは間違いない。


バッテリーの完全勝利。
ビューティフル・ピッチ。

4月9日  8回自責点0 ジョンソン QS 完封勝ち 
4月15日 6回自責点2 城島(4回自責点0 怪我による交代)→ジョンソン(2回自責点2) QS 勝ち
4月21日 7回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
4月26日 5回1/3自責点6 バーク
5月2日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月7日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月13日 6回自責点4 城島
5月18日 5回自責点6 城島
5月26日 6回自責点0 ジョンソン QS
6月1日  7回自責点1 ジョンソン QS
6月6日  6回自責点1 キロス QS
6月12日 6回自責点4 ジョンソン
6月19日 7回自責点2 ジョンソン QS
6月25日 6回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
7月1日  7回自責点4 ジョンソン
7月6日  9回自責点0 ジョンソン 準完全試合QS勝ち
7月11日 7回自責点1 ジョンソン QS 勝ち

ジョンソン 88回自責点20 ERA 2.05
バーク   5回1/3自責点6  ERA 10.13
城島    15回自責点10 ERA 6.00
キロス   6回自責点1   ERA 1.50






イッツ・ショウタイム。


打線は2番ブラニヤンのバットが湿ってきたことでかなり微妙なものになりつつあるが、かわりに好調な伊達男グティエレスの一発で、首位テキサスとの4連戦の初戦をモノにできた。7月8日の逆転負けで傷心のクローザー、アーズマも9回に3人で抑え、今年一度も勝てなかったテキサスに、ようやく初勝利である。

7月6日に強豪とのきつい9連戦ロード(これは後で書くが、城島にとっては「ラスト・チャンス」だったようだが)からセーフコに帰ってきて以降、捕手としての立場を確立しはじめたロブ・ジョンソンのゲームは、6日のウオッシュバーンの準完全試合といい、ドラマチックな出来事が沢山起きるので見ていて飽きない。
この日のゲームも、語らなければならないことが多すぎるので、なかなか書けないでいた。たぶん暇なときにまた書き加えることになると思う。ご容赦願いたい。
Texas vs. Seattle - July 9, 2009 | MLB.com: Gameday

マイケル・ヤングの盗塁を阻止するロブ・ジョンソン
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Johnson makes heads-up play to get the out - Video | MLB.com: Multimedia


この日の主役はもちろん、6月のア・リーグ最優秀投手に選ばれオールスター初出場を目前に控えたフェリックス・ヘルナンデスだ。

打線がなかなか点がとれない一方、フェリックスは8回表まで1失点で投げきった。直後、先頭イチローが2ベースを打ちチャンスが巡ってきたが、ここでもブラニヤン、ロペスと倒れてランナーを進塁させることすらできない。「とても見てられないよ」とばかりにタオルを顔にかけ、ベンチで顔を覆って天を向くフェリックス。
その彼が突然跳ね起きたのは、2死でボックスに入ったグティエレスのバットの快音。右打者殺しのセーフコの左中間だが、一番深いところに放り込んだ。
吼えまくるフェリックスは動画にしっかりと残っている。何度でも好きなだけ見るといいと思う。ブログ主も20回以上見ているし、今も書きながら見ている(笑)何度見ても、この日のフェリックスの咆哮は最高だ。
これこそベースボール。これこそ野球というものの楽しみだ。

Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Gutierrez's three-run shot puts Seattle up - Video | MLB.com: Multimedia


この日のフェリックスは、ロブ・ジョンソンのサインにクビを振って変化球を投げるシーンが印象的だった。打者にしてみれば、先発投手が強気な速球派とくれば、「クビを振る=ストレート」と想像するものだ。
だが、この日フェリックスは首を振り、(ロブ・ジョンソンのサインがストレートだったかどうかは定かではない)変化球、キレキレのシンカーを投げた。
かつてはよく城島と気が合わないフェリックスが、ストレートを投げたい場面で、例のワンパターンなリードで無理にでも外角低めに変化球を投げさせようとする城島のサインとぶつかって、下手をするとマウンドで喧嘩になるほど気持ちがキレる、などというケースがよくあったものだ。
もうあんなシーン、見たくもない。



ブログ主はこうやって頻繁にブログを書いている関係上、当然のことながら、5月の中旬以降、シアトルの主戦投手3本柱が城島とバッテリーを組まなくなっていることは、とっくにわかっていた。
フェリックスは5月19日以降、ウオッシュバーンだって、フェリックスとほぼ同じ5月18日以降は、城島と一度も組んでいない。もちろんベダードは2008年から既に「城島とは組みたくない」ことを表沙汰にしていたことはよく知られている。


なんだかよくわからないのだが、シアトルの主戦投手3人が3人とも、そろって城島とは組んでいないという今の事態に、過剰に驚く人、あるいは、城島が主戦投手と組ませてもらえないと、子供じみた憤慨する阿呆など、さまざまな人が世間にはいるようだが、ブログ主としては、いまさら何でそんなことを騒いでいるのか、可笑しくてしょうがない。

そんなことは、振り返れば、というか、ちゃんとデータを追っていれば、5月中旬にはすでに時間の問題だったことはわかりそうなものだ。

5月末にはなんとなく判明していた「主戦投手3人が誰も城島と組みたがっていない事実」が表沙汰にならなかったのは、ベダードが何度も登板回避していたために、主戦投手3人がズラリ全員ロブ・ジョンソンと組むという事態がなかなか起きなかっただけのことだ。


いいかえると、ここが大事な点だが、
5月にはすでに「城島に与えられた一度目のチャンス」は終わっていたのである。それに気がつきもしないで漫然としてチャンスを逃がしたのは城島自身である。


「第一の」、というのは、もちろん、「第二のテスト」があったからだ。
それはおそらく、6月末城島が骨折から復帰してからのLAD、NYY、BOSの9連戦だったと思う。ここでは、既にシアトルの先発3本柱がもう長いこと城島とはバッテリーを組んでいないにもかかわらず、「3連戦カードのうち、2ゲームを城島にまかせて『みる』」という不思議なテストが行われた。

この「第二のテスト期間」を「不思議」というのには、理由がある。
普通ならこういう場合、「3連戦のうち、3ゲーム目のデーゲームを、2人目の捕手にまかせる」という方式になることは、メジャーファンなら誰でも知っている。
だがこの9連戦では、非常に不規則なローテーションの組みかえが行われる中で、3連戦の初戦や2試合目がロブ・ジョンソンという、非常にイレギュラーな起用が試みられた。
その結果、「3連戦のうち2ゲームを城島にまかせる」というわりには、結果的に、(この9連戦でまだ復帰していないベダードを除いて)ただの1度もヘルナンデス、ウオッシュバーンは城島と組まなかった。




この「第二のテスト」である遠征9連戦の不可思議な捕手起用が意図的なものだったかどうかは、報道すらない以上たしかなことは言えないが、5月1日の城島1回目の復帰以降の「第一のテスト」に城島が失敗してチームが2008年同様の崩壊の危機に陥ったこと、そしてなにより、5月中旬から6月下旬の城島の骨折中、まったく城島と組まないですむ機会を得た主戦投手3人の「これが同じ投手か? と、見違えるような、めざましい働き」
この2つによって、「城島問題の影響の大きさ」がチームに認められたのは間違いないと、このブログでは考える。



だから、LAD遠征以降の9連戦以降、このブログの更新内容には常に気をつかった。ゲームごとの勝ち負けより、「第二のテスト」の目指す方向性がどういうものか、毎日気になった
もしヘルナンデス、ベダード、ウオッシュバーンのキャッチャーをロブ・ジョンソンから城島にあっさり変更してしまうようなことがあれば、あるいは、デーゲームにはロブ・ジョンソンとかいう斬新さの無い変更になってしまえば、チームがプレーヤーに向ける評価の目線の厳しさが「緩い」と判断せざるを得なくなる。

しかし、喜ばしいことに、シアトルはそうしなかった。

9連戦のとき、すでに復帰した城島に主戦投手3人と組む機会は既にほぼ失われていたと見るのが正しいことは明らかであるとは判断していたが、真っ先にトレードされたのが、一部で興味本位に噂されるベダードやウオッシュバーンではなく、ベタンコートであったことで、「このシーズンが始まって以来、シアトルのチームマネジメントが、2008年シーズンを大惨敗に導いたプレーヤーに、シーズン当初から厳しいテスト目線を向けていた」ことは、ようやく確信になった。

だからこそ、ようやく、この記事を書けるのである。
どういう起用法の変更になるか、形が見えてこないことには書けなかったことはたくさんあった。


「第二のテスト」は行われ、コネ捕手城島はそれにも失敗した。
だからこそ、ホームに帰ってきた7月6日のゲームでは、堂々と「主戦投手3本柱のゲームではロブ・ジョンソン」という新しい原則が公(おおやけ)にできたのだと思う。
なにも、いきなり城島が、主戦投手3人と組む機会を奪われたわけでも、いきなり正捕手の座を剥奪されたわけでもなんでもないことは、以上の記述でわかるはずだ。



メジャーの限られたプレーヤーが特別な待遇を約束されるのは「ゲームにおいてプロである」からだ。低いテンションで漫然とプレーしていても、ほっておいてもゲームに出られるなどと、緩い気持ちでサバイバルできる世界ではないことは誰もが知っていなければならない。

コネでスタメンなど買うから、こうなる。

ヘルナンデスにしても、2006年以降、どれだけ城島が関係を修復する時間とチャンスがあったことか。しかし、それができなかった以上、人のせいにすることは許されない。何度も何度も与えられてきたチャンスを逃がしたのは城島自身だ。


6月の月間最優秀投手受賞の大きさがこれでわかる。メジャー屈指の好投手フェリックス・ヘルナンデス、彼の本当の実力をロブ・ジョンソンが引き出したことで、フェリックスはようやく城島の呪縛から解き放たれる時が来た。


イッツ・ショウタイム。
これからが本当の勝負だ。




ヘルナンデス 自責点5点以上の全登板
2006年 12勝14敗
4月13日 自責点5 城島
5月16日 自責点5 城島
5月21日 自責点7 城島
5月31日 自責点5 城島
8月13日 自責点6 城島
8月23日 自責点7 リベラ→城島
9月3日  自責点7 リベラ

2007年 14勝7敗
5月30日 自責点7 城島
6月26日 自責点5 城島
7月22日 自責点6 城島
8月29日 自責点6 城島
9月9日  自責点9 城島

2008年 9勝11敗
5月3日  自責点6 城島
5月26日 自責点5 城島
8月19日 自責点5 バーク
9月9日  自責点6 ロブ・ジョンソン

2009年
4月11日 自責点5 城島
5月4日  自責点6 城島
5月9日  自責点5 城島
5月19日 自責点6 城島


ヘルナンデスの2009全登板ゲームログ

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島 負け
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS






July 11, 2009

この日チーム最高の4LOBを記録したコネ捕手城島の打撃だが、この日の4打席は非常に象徴的な4打席で、ちょっと後世に残るような4打席だった、そんな強い印象が残った。

この4打席の意味は非常に大きい。「城島のメジャーにおける打撃面の低評価」は、もはや決定的なものであること。直らないリード癖などの守備面同様、打撃面でのスカウティング(というか欠陥)がメジャー各チームに知れ渡っていること。また、知れ渡るだけでなく、実際にゲームで徹底実行されてきていることを、特に「前の打者敬遠→城島三振」で内外に強く印象づけた。
もしダメ捕手城島が打撃面でかろうじてクビの皮一枚つながっていたのだとしたら、「そのなけなしの皮がようやくスッパリ切断されたのは、この7月8日のゲームだった」と、後世思うのではないか、そんな印象すらある。

ひとことで済ますなら
「もう、あらゆる面が通用しない」ということだ。

2009年7月8日 8回城島 三振初球  内をえぐる4シーム
2球目 インコースの4シーム
3球目 外のカーブ
4球目 外のボールになるスライダー(三振)

このボルチモアバッテリーの「最後に逃げていく球を振らせる」リードはなかなか面白い。ボールを最内から、内、さらに外。徐々に打者の目線を離していき、打者の意識を外へ釣っている。最後には外にはずれるスライダーを振らせて三振。まさにバッテリーのもくろみ通り。城島のワンパターンリードのように最初からアウトコース低めばかりなら、こうはならない。比較するべき。

Baltimore vs. Seattle - July 8, 2009 | MLB.com: Gameday

無死2塁   ショートゴロ
2死走者なし ショート強襲安打
2死1塁   センターフライ
2死1、2塁 (前の打者敬遠→)三振



このゲームでシアトルは8回まで3-0とリードしていたが、チャンスを作りながらもなかなか追加点が奪えず、流れを引き寄せて相手チームを気分的にもスコアでも圧倒することに失敗し、最後に逆転負けを食らった。
最近ありがちなゲームのひとつではあったわけだが、ダメ打者城島はこの日、チーム最多の4LOB。2007シーズン同様のシチュエーション打撃の酷さでチャンスを潰していった。

第1打席のノーアウト2塁での「進塁できないショートゴロ」も酷いが、とりわけ滑稽だったのは、第4打席である。前の打者が敬遠される年8Mのサラリーの打者。しかも、そこで三振。二重に恥を晒した。
城島のプレーぶりに「それでも打撃くらいはなんとか」と、忍耐を重ねていたチームマネジメントが、これでキレたとしても不思議ではない。


まず敬遠という点の意味。
このときのボルチモアの投手は右のBassだから、左打者ランガーハンズとの勝負を避け、右打者城島と勝負した、と、思う人がいるかもしれない。
だが、年に軽く100ゲーム以上シアトルのゲームを見ているが、城島嫌いのブログ主でさえ、投手が右であれ左であれ、城島の前の打者が敬遠、というシーンは、今までほとんど見た記憶がない。ましてランガーハンズは、他の新加入の選手たち同様(グティエレスは除く)守備はいいが、バッティングはたいしたことはない打者だ。その打者を敬遠してまで勝負されたのである。

城島オタさんたちに聞いてみたいものだ。
「城島の前の打者が敬遠されて三振したんですが、今どういう気分?(笑)」と。
それくらい、記憶にないのである。

前の打者を敬遠して城島と勝負する意味として考えられるのは、ダメ打者城島のランナーズ・オン打率の低さ

2007年にしつこいほど触れたことだが、この打者のランナーズ・オンでの打撃は、2009シーズンもまったくダメである。2009年7月8日までのスタッツを見ておくといい。ひどいものだ。
.222という打率は、城島の指定席のような打率で、サンプル数が少ないからこうなっているのではない。2007年のリプレイを見ているかのようだ。

2009年城島 ランナーズ・オン打率(2009年7月8日現在)
ランナー1塁   29打数5安打   .200
ランナー2塁   9打数1安打   .111
ランナー1,2塁 9打数2安打   .222

上記3シチュエーションあわせた打率
47打数8安打   .170

Kenji Johjima Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN


ちなみに2007年のランナーズ・オンもあげておく。2009年になっても数字に改善はまったく見られないことを、よく確かめておくといい。
2007年の城島の打撃というと、よく「最初の2年(つまり2006年と2007年)は、打撃はよかった」などと嘘を書く人が多い。
どうせ「消化試合の続く9月に帳尻を合わせたシーズン打率」を指して言いつのって打撃の酷さを誤魔化したいのだろうが、恥をかきたくないなら、この打者を年間打率などで語らないことだ。
相手にしてもしょうがないのだが、2007年はア・リーグの併殺打数でランキングに入った年。四球数、出塁率、どこをどうとっても中身は酷いものだ。あんな数字のどこをどう見ると「最初の2年はよかった」などと言えるのか、聞きたいものだ。

参考 2007年の城島 ランナーズオン打撃
6/25まで 112打数25安打 打率.223(スタメン最下位)
7/20まで 134打数30安打 打率.224 OBP.286
8/18まで 171打数38安打 打率.222(ほぼスタメン最下位)RC27 4.12 OBP.280(スタメン最下位)


次に、第4打席の三振という結果について。

この打者の三振率をよくわかっているブログ主としては、ちょっと驚いた。このダメ打者さん、どんなに打撃がダメダメなシーズンでも、とにかく三振はしないからだ。

「三振しない」、というと、あたかも良い事をしているように勘違いする人がいるかもしれない。

言っておくと、このダメ打者さんの場合、「三振しない」は単に「意地になって、ただただ、むやみとボールをバットにひっかける」、ただそれだけの意味である。
「ヒットを打つ」という意味でもないし、「四球率が上がる」という意味にもならない。
打率や四球率を見ればわかる。2007年にア・リーグの併殺打数ランキングに登場したときも、三振率は低かった。調べてもらえばわかる。

この日の第1打席の無死2塁でもショート・ゴロを打っているが、無死2塁なら、せめて進塁できるようにライト側に打て、というのが、ごく普通の「打てない打者の責任」というものだ。
だが、年がら年中併殺打をショート、サードに打っているこの打者には、馬の耳に念仏。なんの工夫もない。

「むやみとボールをバットにひっかける」フリースインガーだからこそ、ボテボテのショートゴロ、サードゴロが多く、ランナーが進塁できないどころか、併殺打が多い。簡単な話だ。たまにライトに打球がいっても、翌日には忘れている。
このダメ打者が打率を帳尻するのによく使う「三遊間のヒット」は、この日の第2打席もそうだが「たまたまバットにボールをひっかけたのが、運よく三遊間を抜けていくだけ」のことで、別に狙いがあるわけでもなんでもなく、ただの「マグレ」なのである。


ランナーズ・オン打率の低さを他の地区のチームにすら足元を見られ、あまつさえ、三振までした城島。この日のバッティングの意味するものは重い。

そんなこんなで3−0のリードで迎えた9回だったが、シアトルはここで5点を奪われ逆転負け。もちろん、逆転負けを味わいながら9回をプレーする間も、このダメ捕手の脳裏に繰り返し流れていたのは、「敬遠」「三振」の2つの単語と、ショックな気分のブルーな景色だったことだろう。

そんなダメ選手が自分のことばかりクヨクヨ考えている間に、チームマネジメントは動きを加速している。

やっと、シアトルに当然のことが当然のように起こる毎日が来ようとしている。もうシアトルにフリースインガーは必要ない。






July 10, 2009

どうせそのうち誰かが訳してくれるだろうと思っていたのだが、なかなか見つからない(苦笑)しかたなく自分で訳すことにした。拙訳の多少の問題点はご容赦してもらう。

イルカ



以下のインタビューでは、月曜の準完全試合について、ロブ・ジョンソンがいろいろと手の内を語ってくれている。
ボルチモアをキリキリ舞いさせたゲームで使った大きく曲がる変化球については、ウオッシュバーンは「フリッパー」と呼び、ロブ・ジョンソンがあらためてそれをひねって「ドルフィン」と言い直して、その球が時間をかけて練り上げられたかなり特別な球であることを明かしている。(調べたところでは、おそらく彼らは1964年にアメリカで放映されたイルカが主人公のテレビドラマ「フリッパー」にちなんで命名・改名しているのではないかと思う。)

ロブが「ドルフィン」の手の内をこうして外部に向かってしゃべれるのも、よほど自信があるからだろう。いまやウオッシュバーンには苦労したおかげで、従来の持ち球のカットボールや2シームに加えて、新しい持ち球の「ドルフィン」、また、それだけでなく、スプリッターなど多彩な球種がある。「別に『ドルフィンのことを喋っても打たれたりはしませんよ』と、自信をもってしゃべっている。

ロブによれば、今シーズンはじめからウオッシュバーンは投球の組み立て、球種について色々と試行錯誤を重ねていたようで、ロブ・ジョンソンもそれについてはなにかと協力していたようだ。
どんなカウントで「ドルフィン」を使えば効果的か、とか、「ドルフィン」の前後に投げる球種は何で、どこに投げるか、とか、ロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの間のかなり詳しい打ち合わせぶりがうかがえる。
このあたりの投手とのコラボレーションぶり、クリエイティブな姿勢が、投手陣やスタッフ、メディアが評価する「ロブ・ジョンソンのコミュニケーション能力」の真髄のひとつだろう。


投手も、打者と同様、日々シーズン中でも自分のピッチングに改良を加えたり、新しい球種を覚えたり、クリエイティブな作業を続けている。そうでないとメジャーではすぐに通用しなくなるから、必死だ。
その、大変にめんどくさいが、創造的な作業にロブ・ジョンソンが共同作業者として加わっているからこそ、ウオッシュバーンやベダードのような投手たちがロブ・ジョンソンを「指名」してくるわけだ。
ウオッシュバーンも、もう34歳。この記事のライターも書いているとおり、自分のピッチングを改良できるところは改良して、キャリアを少しでも延ばしてサバイバルしていかなければならない。そのためには、時間をさいてコラボレーションに参加してくれて、クリエイティブなアイデアをくれるキャッチャーをパートナーとして選びたがるのは当たり前の話である。


それは、オヤジがマージャンなどやらない若い投手を無理にマージャンに誘うとか、片言の英語が喋れるとか、そんな低次元の話ではない。


ちなみにfishyは、本来「怪しげな」という、あまりよくない意味のようだが、ここではおそらくライターが、ウオッシュバーンの趣味が釣りであることにひっかけてタイトルをつけたかっただけなのだろうと想像して、単に「謎」と訳しておいた。



There's something fishy about Washburn's one-hitter
ウオッシュバーンの1安打ピッチングの「謎」。


If you thought Jarrod Washburn had the Baltimore Orioles fishing for answers Monday night, there was good reason.
もし、月曜の夜にボルチモア・オリオールズが探している答え(=なぜほぼ完璧に抑えられてしまったのかという問いに対する答え〜ブログ補足)をウオッシュバーンが持っていると考えるなら、それは適切な判断だ。

Washburn has found increasing confidence in a looping curve ball he calls "flipper." So catcher Rob Johnson renamed it "The Dolphin." And the pitch proved to be quite a catch, along with the rest of the veteran's arsenal, during a one-hit gem Monday that resulted in a 5-0 victory for the surging Seattle Mariners.
ウオッシュバーンは、彼が「フリッパー」と呼ぶ大きく曲がるカーブで自信を増した。キャッチャーのロブ・ジョンソンは、そのカーブを改めて「ドルフィン」と名付け直した。「ドルフィン」は、勢いを増しつつあるシアトル・マリナーズに月曜の1安打での5-0の勝利をもたらしたことで、ベテラン投手ウオッシュバーンにとっては、他に彼がストックしている勝負球と同じくらい、けた外れに大きな収穫であることが判明した。

The fishy offering was so effective that Johnson called only one change-up, going instead with the Dolphin to keep Baltimore batters off-balance on a night when Washburn was also spotting his fastball with extreme effectiveness on both sides of the plate.
その謎の試みは、試してみてとても効果があったため、ジョンソンはチェンジアップをたった一度しか要求せず、かわりに「ドルフィン」を使ってボルチモアの打者たちのバランスを崩させたままにさせた。そうなると、ウオッシュバーンが打者のきわどい両サイドをつく速球も非常に効果的になった。

(中略)

At 34, Washburn seems to have discovered new life. He certainly has discovered new pitches. Mechanical adjustments suggested in spring training by new pitching coach Rick Adair and bullpen coach John Wetteland have turned his two-seam fastball into an effective sinker.
34歳のウオッシュバーンは、どうやら新しい投手生命を見つけたようだ。彼は確かに新しい持ち球を発掘したのだ。新しいピッチングコーチのリック・アダイヤーと、ブルペンコーチのジョン・ウェッターランドがスプリングトレーニングで投球メカニズムの微調整について助言したことで、彼の2シームは効果的なシンカーに変貌を遂げた。

He says his curve has become better as well. And just on the last road trip, he started toying more with a little cutter to the outside corner.
彼はカーブも前よりよくなっていると言う。彼は遠征のさなかに、外角のコーナーに決まる小さなカットボールをどうにかしようと漠然と考えはじめていた。

Johnson said the curve, or Dolphin as he prefers, has become such a weapon that on Monday it replaced Washburn's change, which he normally throws 15-20 times a game, as his pitch to keep the Orioles from sitting on his fastball.
ジョンソンがいうところの「ドルフィン」は、彼ジョンソンにいわせると、ボルチモアの打者がウオッシュの速球を狙い打ちしてくるのをかわす球として、通常1ゲームあたり15球から20球の範囲でウオッシュバーンが投げるチェンジアップに代わる武器になった、という。

"It was just one of those things where they came out swinging pretty good and his command of the fastball was so good they couldn't really touch it," Johnson said. "And we were using the Dolphin to slow 'em down."
「『ドルフィン』は、打者が振りに来ているとき、とても有効な球のひとつなんだ。彼は速球のコントロールもとてもよかったんで、打者はかすりもしなかったね。」とジョンソン。「僕らは『ドルフィン』を、打者の打ち気を削ぐのに使ったんだ。」

So what exactly is this fishy pitch?
で、この謎の球は、正確にはどんな球?

"It comes out of his hand and he feels like he's going to throw it over the net," Johnson said. "He developed it early on this year after a couple games, then we started throwing it and throwing it.
「ウオッシュが自分で発明したわけなんだけど、彼にいわせると『バックネットを越えるように投げているような感覚』みたいね。ドルフィンは今年はじめに何ゲームかが終わった時点で開発してたんだけど、それから僕らはじゃんじゃん投げてるよ。」

"I'm telling him what I think about the pitch and he started to really trust it. Man, now we're starting to use it with two strikes. It was a pitch we used to get back into the count with because you don't want to swing at a pitch that is coming up at your head and dropping down at 65 or 70 mph.
「僕が彼のピッチングについて思ってることを言うようにしてから、彼は本当に信頼してくれはじめたね。今じゃ僕らは2ストライクでも(決め球として〜ブログ補足)使ってる。前はよくカウントを整えるのに使っていた。65マイルから70マイルのスピードで顔に向かってきて、そこから落ちる球を、わざわざ狙い打ちしようとは思わないだろ?」

"There hasn't been one hit off it this year. Not one. Because guys usually don't swing, they pop it straight up and are mad at themselves, or they roll it over or they miss it. So now we're starting to use it with two strikes. It's been an interesting pitch."
「『ドルフィン』は、今年になって一度もヒットにされてない。ただの一度も、だよ。打者はたいていスイングしようとか思わないんだ。ポップフライを打ち上げて腹を立てるかと思うと、のめったり、空振りしたりしてくれる。だから2ストライクのカウントで使うんだ。面白いボールだよ。」

(中略)

But on the flip side, Washburn could be doing a Jamie Moyer-like late career discovery, learning how to change speeds and develop a few new wrinkles that will make him better as he goes. He certainly has better speed than Moyer, only now he's combining the fastball with some difficult off-speed stuff.
しかし一方でウオッシュバーンは、緩急のつけ方を学び、より好投できる新しい球種をいくつか発掘しつつ、(元マリナーズで、ウオッシュバーン同様に軟投派の〜ブログ補足)ジェイミー・モイヤーばりのキャリア晩年の再発掘をなしとげつつあるかもしれない。彼はモイヤーより球は速いわけで、ウオッシュはいまや速球に、なかなかに打ちづらいスピードを殺した球を組み合わせつつあるのである。

"I think he'll tell you this is the best stuff he's ever had in his career," Johnson said. "He's developed the sinker. He's always had a cut fastball, but he's always thrown it into righties and now he's throwing it away from righties.
「彼は、自分のキャリアで投げた球の中で、一番いい球だと言うんじゃないかと思うよ。」とジョンソンは言う。「彼はシンカーを進歩させたんだ。彼には常にカットボールがあるけど、彼はいつもそれを右打者の内角に投げてきた。だけど今は、彼は右打者の遠いサイドにも投げている。」

"He's also got a splitter we throw. And now the Dolphin."
「彼はスプリッターも投げられる。そしていまや『ドルフィン』もあるわけさ。」

It all adds up to make Jarrod Washburn a very interesting pitcher these days. And on Monday night at Safeco, it was nearly perfect.
ウオッシュバーンはとてもユニークなピッチャーになりつつある。月曜の夜のセーフコのゲーム、それはほとんどパーフェクトなものだった。






July 08, 2009

ESPNのMLBベストゲームで、ア・リーグ第6位に、ウオッシュバーンの準完全試合がランクインした。
MLB Best Games - Major League Baseball - ESPN

2009年7月6日MLBア・リーグ ベストゲーム第6位ウオッシュバーン

ランキング上位のゲームの大半が、三振の多さでポイントを稼いでいるのと比べ、ウオッシュバーンのゲームは著しく異なる内容。
それだけに、ある意味、身贔屓が過ぎるかもしれないが、「打たせてとるピッチング内容で準完全試合を達成した」このゲームは、歴史に残るゲームであり、グレインキーやバーランダーとはまた違う方向で、ある意味の今シーズンのベストゲームといってさしつかえないと思う。

もちろん、それだけの工夫を、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンのバッテリーがしていた、という意味でもある。



このESPNのベストゲームの順位を決めているスコアのルールを説明しておこう。ただのアウトより、三振でアウトにしていくほうがポイントがつく。ただのアウトは1ポイントだが、三振なら2ポイントになる。

Game Score: Start with 50 points. Add 1 point for each out recorded, (3 points per inning). Add 2 points for each inning completed after the 4th. Add 1 point for each strikeout. Subtract 2 points for each hit allowed. Subtract 4 points for each earned run allowed. Subtract 2 points for each unearned run allowed. Subtract 1 point for each walk.
ゲーム・スコアのカウントルール
持ち点 :最初は50ポイントから開始。
アウト :1人のアウトにつき、+1ポイント(1イニング3ポイント)
イニング:4回以降、イニングを終わらせるごとに、+2ポイント
三振  :+1ポイント
ヒット :−2ポイント
失点  :自責点1失点につき、−4ポイント。
     非自責点1失点につき、−2ポイント
四球  :−1ポイント


2009年7月7日現在のランキングを見てみると、ランキング上位のゲームの大半が8三振以上を記録したゲームがランクインしている。

だからこそ。

わずか3三振で、88ポイントを挙げたウオッシュバーンの準パーフェクトゲームの内容の凄さがヒシヒシとわかるというものだ。
ヒット1本という、準ノーヒットノーランは何度か記録されているが、四球はいくつか出しており、四球ゼロで準完全試合まで行ったというのは、今シーズン、ウオッシュバーンただひとり。まして、そのゲームの内容は、三振をビシビシとりまくったゲームではなく、「打たせてとる内容」なのなのだから、本当に凄い。

何度も繰り返す。、
ウオッシュバーンは、わずか3三振で、「打たせてとるピッチング」で、準完全試合を達成したのだ。ほんとうに、凄い。

3三振での準完全試合という彼の偉業を称えるために、
このブログから彼のこの登板に

The Pitch

という称号を贈ることにする。

July 07, 2009

正直、書くことがない。
それくらい完璧。
準パーフェクト達成おめでとう、ウオッシュバーン。
本当に美しいゲームだった。



GameDay
Baltimore vs. Seattle - July 6, 2009 | MLB.com: Gameday

いちおう記録の確認だけはしておこう。
ウオッシュバーン自身にとって完封は4度目。セーフコでの準パーフェクトゲームは10回目。110球、ストライク75球。三振3。Groundouts-flyouts:11-13。「打たせてとるピッチング」として、完璧な内容。
ゲーム終了直後、オールスター出場が決まったヘルナンデスが、ウオッシュバーンとハグしてとても喜んでいたのが印象的。ベンチに戻るウオッシュバーンは選手・監督コーチ全員とハグ。
試合終了時の動画(MLB)
Baseball Video Highlights & Clips | BAL@SEA: Washburn tosses a complete-game beauty - Video | MLB.com: Multimedia


ゲーム後のクラブハウスにはウオッシュバーンの敬愛する父、マイクの姿があった。オールスター休みを利用して、ウオッシュがウィスコンシンから呼んでいたのだ。「テキサス相手にまた完封するようなことになったら、僕は父にもう少し旅をしててもらわなきゃいけなくなるかもね」とウオッシュバーン。

もしかするとウオッシュバーンは彼の父にいいところを見せようと頑張ったのかもしれない。
Mariners Blog | What a night for Jarrod Washburn, one-hit wonder | Seattle Times Newspaper
Washburn allows 1 hit as Seattle beats Baltimore

Jarrod Washburn Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

4月9日  8回自責点0 ジョンソン QS 完封勝ち 
4月15日 6回自責点2 城島(4回自責点0 怪我による交代)→ジョンソン(2回自責点2) QS 勝ち
4月21日 7回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
4月26日 5回1/3自責点6 バーク
5月2日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月7日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月13日 6回自責点4 城島
5月18日 5回自責点6 城島
5月26日 6回自責点0 ジョンソン QS
6月1日  7回自責点1 ジョンソン QS
6月6日  6回自責点1 キロス QS
6月12日 6回自責点4 ジョンソン
6月19日 7回自責点2 ジョンソン QS
6月25日 6回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
7月1日  7回自責点4 ジョンソン
7月6日  9回自責点0 ジョンソン 準完全試合QS勝ち

ジョンソン 79回自責点19 ERA 2.16
バーク   5回1/3自責点6  ERA 10.13
城島    15回自責点10 ERA 6.00
キロス   6回自責点1 ERA 1.50

ロブ・ジョンソン、バークのERAの良さが際立ったこの26ゲーム、貯金6を稼いだことで、コネ捕手城島が5月に作った借金を見事に取り戻した。
ロブ・ジョンソンのゲームというと「接戦」というイメージがある人も多いはずだが、実際にはそうではない。貯金を稼いだのは「相手に3点差以上をつけて勝ったゲーム」であって、むしろ「1点差や2点差のクロスゲーム」の勝率は思ったほど良くない。
それについては理由がある。


26ゲーム 16勝10敗 貯金6
  ホーム9勝3敗 アウェイ7勝7敗
  3連勝2回 3連敗1回
  QS14回
総得点109 平均得点 4.19
総失点84 平均失点 3.23
総自責点74 平均自責点2.85

1点差ゲーム 7勝5敗
2点差ゲーム 1勝4敗
3点差以上  8勝1敗(ロブ・ジョンソン5勝 バーク2勝 キロス1勝)

キロス先発4ゲームを除いた22ゲーム
14勝8敗 貯金6

得点は下がらず、失点だけが下がる
総得点92 平均得点 4.18
総失点55 平均失点 2.50
総自責点54 平均自責点 2.45



この26ゲームの特徴を大雑把にいうと
「貯金6を稼いだ。だが、実はもっと大きな連勝は可能だった。逆転負けしたほんの数ゲームの接戦が、大連勝街道への足を引っ張った」ということになる。
クロスゲームが思ったほど勝てなかった原因は「ブルペン(というより、本当はバティスタなのだが)」や「打線」にあり、これは「2009年6月以降のシアトルが大きな連勝をできないでいる理由」にもつながっている。


クロスゲームの勝率がよくない」原因
「勝っていたのに、7回以降にブルペンが打たれて逆転されるケース」は、ここで勝てば3連勝などというゲームに限って多く、バティスタが代表的。(再逆転して自滅したバティスタが勝ち投手とか、洒落にならないゲームも、たしかあったはず)


もし逆転負けを3つ減らせば、それだけで貯金12だった。
もし、下に例としてあげた6ゲームのうち、せめて半分、3つ勝てていれば、この26ゲームは5連勝を2つくらい記録して、トータル19勝7敗、貯金12だったわけで、貯金6と貯金12、この差はデカい。
もちろん、ホワイトの頑張りで勝ちを拾ったケースや、ロングリリーフのジャクバスカスの好投で勝てたゲームがあるように、ブルペンの貢献で勝ちを拾えたゲームもあるわけだが、それとこれとはまったく話が違う。下にあげたのは、あくまで「勝てるゲームをゲーム終盤にあっさり落とした例」である。(7月5日のゲームでのバティスタやロウの失敗を監督ワカマツが、『彼らブルペンがいなかったら、ロードの勝ち越しはなかった』などと擁護するのも、筋違い。失敗は失敗。そんな甘い考えでは大きな連勝は望めない)
コネ捕手城島のいない6月の26ゲームでは、もっと大きな連勝、もっと大きな貯金を作れる可能性があった。それだけに、逆転負け、サヨナラ負けした、ほんの数ゲームが実に痛い。イチローの言葉を借りれば、「もったいない」。

今後も首位を走るであろうLAAを本気で追い越そうと考えればす、大きな連勝のできる体質に変わらない限りむつかしい。そのことを考えると、勝てたゲームを負けて、「たまにはブルペンで負けることもあるさ」と、のんびり構えているわけにはいかないのである。


いまだにベンチには沢山の不良債権
いまウオッシュバーンやベダードをトレード、などというのは、まったく有り得ない、馬鹿のやること。愚の骨頂。
むしろローテの4番手、5番手投手をフォローできるセットアッパーを補強したいところ。十分金を稼いだであろうバティスタには、DLにでもなってもらって、マイアミでもメキシコでも北極でも、どこかで静かに余生を過ごしてもらったほうがいい。投手交代パターンも、やたらストレートの早い右投手ばかりでは、代えても目先が変わらなさすぎる。
また、不良債権処理という意味では、どうしてもオーナーのコネ捕手をクビにできないのなら、いっそ怪我がちなスウィーニーのかわりにDH専門にして、正捕手をロブ・ジョンソンに変更すべき。


ともかくいまのシアトルには、フリースインガーたちの大半が消えたとはいえ、まだまだチームの不良債権がメジャーのベンチに座りすぎ。それらの選手が連勝への道をはばんでいる。
1ゲームで天狗になって自分の欠陥を全て忘れる馬鹿は、このチームには、もういらない。


「ブルペン」で逆転負け、サヨナラ負けしたアウェイゲーム
1)May 26 @OAK L 3-4 ロブ・ジョンソン 8回 自責点4
  バティスタで逆転負け 先発はQS
2)May 31 @LAA L 8-9 キロス 9回 自責点9
  アーズマが9回裏サヨナラ負け
3)Jun 13 @COL L 3-5 バーク 8回 自責点3
  ロウ負け
4)Jun 18 @SD L 3-4 バーク 9回2/3 自責点4点
  バティスタ サヨナラ負
「打線が打てず」先発投手のQSを見殺しにして競り負けたホームゲーム
5)Jun 1 BAL L 0-1 ロブ・ジョンソン 9回 自責点1
  ウオッシュバーンQSしながら負け 打線打てず
6)Jun 5 MIN L 1-2 ロブ・ジョンソン 10回 自責点1
  ヘルナンデスQSしながら負け 打線打てず



ロブ・ジョンソン
9勝5敗(ホーム6勝3敗 アウェイ3勝2敗) 126回 自責点37 CERA 2.64 QS10回
バーク
5勝3敗(ホーム2勝0敗 アウェイ3勝3敗) 70回2/3 自責点18 CERA 2.29 QS3回
キロス
2勝2敗(ホーム1勝0敗 アウェイ1勝2敗) 35回 自責点19 CERA 4.89 QS1回

キロス先発4ゲームを除く22ゲームでは
総得点92 平均得点 4.18
総失点55 平均失点 2.50
総自責点54 平均自責点 2.45

May 26 @OAK L 3-4 ロブ・ジョンソン 8回 4点 QS 逆転負 
May 27 @OAK W 6-1 ロブ・ジョンソン 9回 1点 QS
May 29 @LAA W 5-2 ロブ・ジョンソン 9回 2点 QS
May 30 @LAA W 4-3 ロブ・ジョンソン 10回 2点 QS
May 31 @LAA L 8-9 キロス   9回 9点 アーズマ サヨナラ負
Jun 1 BAL L 0-1 ロブ・ジョンソン 9回 1点 QS負
Jun 2 BAL W 8-2 ロブ・ジョンソン 9回 2点 QS
Jun 3 BAL W 3-2 ロブ・ジョンソン 9回 2点
Jun 5 MIN L 1-2 ロブ・ジョンソン 10回 1点 QS負
Jun 6 MIN W 2-1 キロス      9回 1点 QS
Jun 7 MIN W 4-2 バーク      9回 2点
Jun 9 @BAL L 1-3 バーク      8回 3点
Jun 10 @BAL W 4-1 バーク      9回 1点 QS
Jun 11 @BAL W 6-3 キロス      9回 2点
Jun 12 @COL L 4-6 ロブ・ジョンソン 8回 4点
Jun 13 @COL L 3-5 バーク      8回 3点
Jun 14 @COL L 1-7 キロス      8回 7点
Jun 16 @SD W 5-0 バーク      9回 0点 QS 完封
Jun 17 @SD W 4-3 バーク      9回 3点 QS
Jun 18 @SD L 3-4 バーク 9回2/3 4点 バティスタ サヨナラ負
Jun 19 ARI W 4-3 ロブ・ジョンソン 9回 2点 QS
Jun 20 ARI W 7-3 ロブ・ジョンソン 9回 1点 QS
Jun 21 ARI W 3-2 バーク(8回迄)→ジョンソン 9回 2点
Jun 23 SD L 7-9 ロブ・ジョンソン(8回迄)→バーク 9回 9点
Jun 24 SD W 4-3 ロブ・ジョンソン 9回 3点
Jun 25 SD W 9-3 ロブ・ジョンソン 9回 3点 QS






July 06, 2009

これでハッキリした。


メジャー関係者の誰もがその潜在的な実力の高さを認めるフェリックス・ヘルナンデスが、今年ようやくオールスターに出られたのは、コネ捕手城島が怪我で2度もいなくなってくれて、ロブ・ジョンソンとバークが、特に6月、フェリックス本来の実力を発揮させ、さらに2人の捕手の落ち着きで彼の成績をプラスアルファの領域にまで押し上げたため。
2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。

逆に言えば、これまで彼がオールスターに出られるような成績を収められなかったのは、若い彼の苛立ちをさらに逆撫でするようなヘボプレーヤーが、チームにコネだけで居座っているせい。
才能ある人間が、無能なコネプレーヤーとパートナーを組まされ、あまつさえ無駄な指示を、しかも上から目線で受け続けては、イライラしないわけがない。


コネでチームに居座っているだけの凡才城島がシアトルから消えてなくなることだけで、ヘルナンデスは今後オールスターの常連になることだろう。



5月のヘルナンデス 登板6回(ロブ・ジョンソン3 城島3)
1勝3敗
ロブ・ジョンソン1勝
城島3敗

防御率4.34
ロブ・ジョンソン 21回2/3 自責点1 ERA 0.44
城島 15回2/3 自責点合計17点 ERA 9.77


6月のヘルナンデス 登板5回(ロブ・ジョンソン2 バーク3)
Pitcher of the Month受賞

3勝0敗

バーク2勝、ロブ・ジョンソン1勝

防御率0.94
ロブ・ジョンソン 15回 自責点1点 ERA 0.60
バーク 23回1/3 自責点1点 ERA 0.39



ヘルナンデスの全登板ゲームログ
4月6日  6回自責点1  城島 QS 勝
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS 勝
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS  勝 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 勝
5月4日  6回自責点6  城島 
5月9日  4回自責点5  城島 
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 勝 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振
6月10日 7回自責点1    バーク QS 勝
6月16日 9回自責点0    バーク QS 勝
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 勝 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS


城島復帰後のシアトル
長い遠征を勝ち越せたことを誰もが驚きつつ喜んだが、これはロブ・ジョンソンの2勝が効いているだけ。ロブ・ジョンソンは、LAD、NYY、BOSと続いた連戦を、いつものようにERA3点で乗り切ったが、城島はいつものERA5点。勝率も5割を越えてなどいない。

6月26日 @LAD 2-8 L 城島     9回自責8
6月27日 @LAD 5-1 W ジョンソン 9回自責0
6月28日 @LAD 4-2 W 城島    9回自責2
6月30日 @NYY 5-8 L 城島     9回自責6
7月1日  @NYY 2-4 L ジョンソン  9回自責4
7月2日  @NYY 8-4 W 城島    9回自責4
7月3日  @BOS 7-6 W ジョンソン 11回自責6
7月4日  @BOS 3-2 W 城島    9回自責2
7月5日  @BOS 4-8 L 城島    8回自責8

ジョンソン 2勝1敗 29回自責点10 ERA 3.10
城島    3勝3敗 53回自責点30 ERA 5.09






復帰後の城島のCERAはこれでピッタリ5.09。(失笑)長期だろうが短期だろうが、サンプルの長さなどまったく関係ない。結果は同じだ(笑)いつでもお約束の5点に戻るのが、裏口入学のお調子者の魔法のような馬鹿野球である。馬鹿なファンと提灯持ちライターさん、ご愁傷様。

キロスがかつて、4月末にアウェイのLAA戦で記念すべきスウィープを逃す敗戦をやってのけてくれたように、こんどは球団初となるフェンウェイでのボストンスウィープを、「お調子者」城島が逃してくれた。


原因?
簡単だ。前日のオルソン好投で勝ったゲームでメディア(というより、日本国内のスポーツ新聞的な提灯持ち記事しか書けないクセに、アメリカでジャーナリスト気分満喫中の、自称スポーツライター気取りの4流記者)にさんざん持ち上げてもらって舞い上がったことと、戦犯確定の4回のダブルプレー打をたまたまペドロイアのエラーのおかげでもみ消してもらえて、もともとゆるゆるのコネ捕手の頭のネジがすっかり緩みきったことだ。

1試合くらい投手をQSさせたくらいで、それがどうした?(笑)

1試合勝ったくらいで提灯持ちライターにペラペラとご大層に好きなことをしゃべっていい気になるのは、年棒と、これまでチームにかけてきた迷惑を考えれば、2年間くらい成績をマトモにしてからだ。
そうでもしないことには、一人前と思われないことくらい、わからないのか、この馬鹿。

MLB tonightなどの有力メディアが二塁打を3本打った日のロブ・ジョンソンにインタビューしに来たのを、1試合くらいマトモだった程度の3年契約のコネ選手が、「ジェラシー丸出し」で赤恥とは、な。

低脳にも程がある。

ロブ・ジョンソンが取り上げられるのは、彼が、5月にダメ捕手が作ったチームの大きなマイナスな雰囲気を一気にプラスにかえ、しかも、その好調さを1ヶ月以上キープ続けるくらいの貢献を果たしているからだ。
そんなこともわからないで、ジェラシー丸出し。
どこまで馬鹿なんだ、おまえは。


6月26日 @LAD 2-8 L 城島     9回自責8
6月27日 @LAD 5-1 W ジョンソン 9回自責0
6月28日 @LAD 4-2 W 城島    9回自責2
6月30日 @NYY 5-8 L 城島     9回自責6
7月1日  @NYY 2-4 L ジョンソン  9回自責4
7月2日  @NYY 8-4 W 城島    9回自責4
7月3日  @BOS 7-6 W ジョンソン 11回自責6
7月4日  @BOS 3-2 W 城島    9回自責2
7月5日  @BOS 4-8 L 城島    8回自責8

ジョンソン 2勝1敗 29回自責点10 CERA 3.10
城島    3勝3敗 53回自責点30 CERA 5.09

Seattle vs. Boston - July 5, 2009 | MLB.com: Gameday


はじめに誤解がないように言っておかないとならないのだが、今日のボストン戦、内容はまったくクロスゲームではなかった。地上波でやっていたゲームではあるが、月曜早朝だし見ていた人は多くないかもしれないし、ゆるいシアトルファンのことだから、シアトルが押せ押せでゲームしていたように勘違いして興奮して見ていたかもしれないが、それはただの勘違い。
ボストンの劣勢の原因は、拙攻と守備の乱れ。
攻撃面では、モローの高めストレートに釣られて手を出し続ける打者がところどころにいて(ドリューなど)、打線がキレギレになっていたこと。
そして、なんといっても4回表のペドロイアのエラーと、その後のセデーニョの打球処理をライトのドリューがミスして3塁打にしてくれたこと。これだけだ。
4回表に城島のサードゴロでダブルプレーなら、あのイニング、シアトルは無得点だった。


1回裏 2ホームラン食らう

2009年7月5日 1回裏 ペドロイア ソロホームラン初回 ペドロイアのホームラン

初回のペドロイアのソロホームランには伏線がある。
先頭打者ドリューは、とにかく高めのストレートが見えていない(今日2三振)。高めのボールになるストレートの釣り球を何度も何度も空振りしてくれた。そこで、2番ペドロイアにも、初球に低めに投げておいて、2球目にドリューと同じ「高めの釣り球」を投げた、というわけだ。
ペドロイアのスイングは(たぶんMLBのビデオで見れるとは思うし、地上波で見ていた人はわかると思う)、あのモローの95マイルものストレートを「呼び込んで」打っていた。普通、95マイルもの速さの高めのストレートともなるとなかなか「ひきつける」余裕など、普通はない。異論があるなら、ビデオでのペドロイアのスイング直前の「ひきつけかた」、「来たか。待ってました」とばかりにボールを見据える視線を、何百回でもリピートして見ればいい。
高めの釣り球をホームランされてすっかり動揺したコネ捕手城島は、オルティーズの打席では違う手に出た。低めにボールを集めることにしたわけだ。
これはいつもの城島の「打たれて失点したら、即、変更」というパターン。低め大好きなオルティーズに、ものの見事にスコンとスタンドに放り込まれた。
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@BOS: Pedroia hits first-inning homer for the Sox - Video | MLB.com: Multimedia
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@BOS: Ortiz knocks one into the seats in right - Video | MLB.com: Multimedia


4回表。1死1、2塁
相手エラーに助けられただけのダブルプレー打

グリフィーと、このところ打撃好調のグティエレスの連打で作った1,2塁。このチャンスがモノにできたのは、城島のひっかけたサードゴロがダブルプレーにならずに、ふだん守備のいいセカンド・ベドロイアが珍しくダブルプレーを焦ってキャッチングエラーしてくれたおかげ。そして、セデーニョのライト線の当たりにスライディングしたライトのドリューの守備のまずさ。


5回表。2死1、3塁
スタンドプレーのセフティーバントでアウト

2アウトから鈍足城島がやったことといえば、セフティーバント。当然のことながらアウト。「いい狙いでしたね」とでも、人に誉められるとでも思っているのだとしたら、こいつは誉められ好きのガキのような馬鹿。ただのスタンドプレー。


6回裏 ホームラン被弾
このエルズベリーに打たれたホームランは、明らかに「気のゆるみ」。見ていた人はわかると思う。ランナーを出しながらなんとなく抑えてきて、早いボールとスライダーの組み合わせでQSが見えたこのイニング、欲が出てきた城島は、とたんに「打者を舐めてかかった」
1-1からエルズベリーに投げた球はデータ上はチェンジアップということになっている。だが、88マイルもスピードがある。テレビで見ていた人はわかると思うが、ほとんどこのボールは曲がってもいないし、落ちてもいない。モローのコントロールミスということもいえるが、元はといえば「今日は調子いい。6回終わりだ。ここで緩いボールでも投げてカウントを稼ごう」と、気が緩んだのが、失投につながった。
このホームランもたぶんMLBのビデオで見られるのではないか。ストレートに手を焼いていたエルズベリーが「待ってました」とスイングしているのがわかるはず。
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@BOS: Ellsbury's homer trims Boston's deficit - Video | redsox.com: Multimedia


7回裏 2死1、3塁
気が抜けてパスボールでゲームを壊す

ロウのいつものノーコンからくる乱調で4失点までは、ロウの失点だが、その後が最悪。
満塁からコッツェイにタイムリーを浴びた直後の2死1、3塁、バリテックの打席で、コネ捕手城島がパスボール。


コネ捕手が、ゲームに負けはじめると、すぐに自分だけ気が抜けて、ゲームを投げてしまい、暴投やパスボールをするのは、いつものこと。「ひとりで勝手にゲームが終わった気になる悪いクセ」は、永遠に直らない。どうせ、ゲーム後は投手の出来にタラタラ不満を言うくらいが関の山。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:パスボール、捕球ミス


自分が調子がいいときだけ鼻の下を伸ばして、気が抜ければすぐにミス。最悪のプレーヤーである。






おめでとう。イバニェス。2009年オールスター、ナ・リーグ外野手ロスターに選出。
イチローとイバニェスがオールスターで談笑するシーンが楽しみだ。


フェリックス・ヘルナンデスは、6月のPitcher of the Month受賞に続いて、2009ASア・リーグのピッチャーのリザーブに選出された。またBALのアダム・ジョーンズがナ・リーグの外野手のリザーブに選ばれた。
2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。


それにしても、ウインブルドンの決勝は凄かった(笑)

2009 All-Star Game: Rosters by League | MLB.com: Events






July 05, 2009

King Felix

シアトルの若きエース、ヘルナンデスがア・リーグ6月のPitcher of Monthを受賞した。

月間3勝、防御率0.94の素晴らしい成績を評価されてのものだが、3勝のキャッチャーは、バーク2回、ロブ・ジョンソン1回。6月の登板は全部で5回で、バーク3回、ロブ・ジョンソン2回となっている。
バーク、ロブ・ジョンソン、2人のキャッチャーにとっても、たいへん名誉ある受賞なのは言うまでもない。

ちなみに彼の5月は1勝3敗(ロブ・ジョンソン1勝城島3敗)、防御率は4.34(登板6回 うちロブ・ジョンソン先発3回自責点合計1点城島3回自責点17点)。城島が先発捕手のときのヘルナンデスの自責点、17。もはやお笑いぐさだ。
5月と6月の大差、ロブ・ジョンソンと城島の巨大な差は、歴然だのなんだの、言葉にするまでもない。間違っても裏口入学のコネ捕手城島には縁のない賞だ。
Felix named Pitcher of Month for June | Mariners.com: News

Players of the Month | MLB.com: News

ヘルナンデスの全登板
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
4月6日  6回自責点1  城島 QS 勝
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS 勝
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS  勝 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 勝
5月4日  6回自責点6  城島 
5月9日  4回自責点5  城島 
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 勝 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振
6月10日 7回自責点1    バーク QS 勝
6月16日 9回自責点0    バーク QS 勝
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 勝 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS


歴代のPitcher of Month
Pitcher of the Month Award for the American and National League






July 04, 2009

今シーズンすでに10勝しているナックラー、ウェイクフィールドに上位打線が手を焼いたゲームだったが、新加入のランガーハンズ2安打、ロブ・ジョンソンの3本の二塁打(球団タイ記録)3打点、セデーニョ2ラン2安打と、下位打線の奮起で競り勝った。イチローを除いた上位打線がけして安定してない打線のチームの遠征途中なだけに、こういう展開で勝ちを拾えたことは、非常に大きい。
Seattle vs. Boston - Jul
y 3, 2009 | MLB.com: Gameday


ゲーム後、ロブ・ジョンソンはMLB tonightに出演し、今日の活躍、ヘルナンデスやワカマツの采配など、さまざまな質問に上機嫌で答えた。
ロブ・ジョンソンのインタビュー(動画)
ロブ・ジョンソンの2点タイムリー二塁打(動画)

また、今日のMLBのSEAハイライトビデオには、ロブ・ジョンソン以外に、非常にいいピッチングで2イニングを抑えたジャクバスカスが登場した。
セットアッパーは非常に酷使される大変なポジションだが、メジャーではなかなか評価されにくい。それだけに、今はセットアッパーのジャクがハイライトビデオに登場するのはよほどのこと。それだけに、非常に嬉しく思うし、今後の彼がセットアッパーからさらに出世できることを願う。
このゲームでのジャクバスカスの貢献度の高さは、セットアッパーが評価されにくいメジャーでも高く評価されるくらい、意味のある活躍だった。
ジャクバスカスの2イニングの好投(動画)


コネ捕手城島が復帰してわずか7ゲームだが、それでもピッタリ「お約束のCERA2点の差」がついた。今日のゲームで強打のボストン打線に6失点して、それでこれだから、ロブ・ジョンソンと城島の失点率の差は、ボンクラなファンやライターがどんな愚痴を言おうが無駄である。この点についてはなんの驚きもない。
もっとロブ・ジョンソン先発ゲームを増やして、彼が連続してゲームに出場できるようにすれば、当然もっとシアトルの失点は減るだから、なんとももったいないことだ。

6月26日 @LAD 2-8 L 城島     9回自責8
6月27日 @LAD 5-1 W ジョンソン 9回自責0
6月28日 @LAD 4-2 W 城島    9回自責2
6月30日 @NYY 5-8 L 城島     9回自責6
7月1日  @NYY 2-4 L ジョンソン  9回自責4
7月2日  @NYY 8-4 W 城島    9回自責4
7月3日  @BOS 7-6 W ジョンソン 11回自責6

ジョンソン 2勝1敗 29回自責点10 CERA 3.10
城島    2勝2敗 36回自責点20 CERA 5.00


ヘルナンデスの全登板ゲームログ
4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島
5月9日  4回自責点5  城島
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS


今日は不思議なことに、ロブ・ジョンソン先発だった。
城島2度目の復帰直前のインタビューでたしか監督ワカマツは、「正捕手は城島だが、ロブ・ジョンソンの出番も増やす」と言っていたわけだが、どういう基準で増やすつもりなのだろうか、気にはなっていた。

LAD、NYYの2シリーズでは「2戦目」でロブ・ジョンソン先発にしていたから、てっきり「3連戦では2戦目がロブ・ジョンソン」なのかと思いきや、今日のボストン戦初戦でロブ・ジョンソンだから、そういう方式ではなかった。この3シリーズを見るかぎり、ワカマツ発言の意図は、2つ可能性がある。
1)毎シリーズ、3試合のうち1試合をロブ・ジョンソンにまかす
2)ローテ5人のうち、2人をロブ・ジョンソンにまかせる(ヘルナンデスとウオッシュバーン)

このうち、可能性が高いのは後者か。
ただ復帰していた城島とのバッテリーを避けるかのようにベダードが登板回避しているから、ベダードが復帰してきたらまた変わるだろう。


今日はほかにも選手起用についてはいくつか不思議な点があった。選手の疲労を考慮したのか、選手起用の方針を一部変更したのか、それはわからないが、いちおう挙げておく。


1つめが、終盤の8回の1死2,3塁で、ロブ・ジョンソンに打席が回ってきたときに、代打を出さなかったこと。

従来のワカマツは、終盤のチャンスでジョンソンに代打を出している。6月21日アリゾナ戦ではバークに代打を出し、6月23日サンディエゴ戦ではジョンソンに代打を出した。(もちろん、ゲームを安定させる仕事をしている彼らに代打を出したからといって、成功などしていないわけだが。そもそも、シアトルに信頼度の高い代打などいない。グリフィーがいつもホームランを打てるわけでもない)
もちろんここは代打を出す必要はない。理由はある。ロブ・ジョンソンの得点圏での長打率の高さだ。それを考慮したのだとしたら、ワカマツのファインプレーだ。
打者としてのロブ・ジョンソンは不思議なバッターで、ランナーがいない場面では.171しか打率がないが、ランナーがいると.208、得点圏に走者がいると.233と打率が5分ほど上がり、特に長打率がグイっと跳ね上がる。チャンスでこそ生きる打者なのだ。
(よく「誰でもランナーズ・オンでは打率が上がる」とか根拠もなしに言う人がいる。データも見ずによくそんなことが言えるものだと、いつも感心している)
2009年6月19日、ロブ・ジョンソンは決勝3塁打でサンディエゴでのサヨナラ負けの嫌なムードを振り払った。ウオッシュバーン7回QS。
2009年6月25日、ロブ・ジョンソンは初回満塁で走者一掃の3点タイムリーを打ち、城島のRISPを大きく引き離した。ウオッシュバーン6回QSで4勝目。


2つ目は、投手の交代。

いろいろある。
もちろんヘルナンデスが8回も投げていてくれれば言うことはないわけだが、もう7回で一杯だったのだろう。だが、その後どうにもバタバタした投手交代になった。(追記 公式サイトによれば「ヘルナンデスは7回で疲労困憊だった」とのこと)

ホワイトだが、このところ信頼度は下がってきた。一時、ホワイト、アーズマの8回9回といえば、鉄壁リレーという感じがあったものだが、このところ、ひところの安定感はなくなってきているのは、ファンですら気づいている。ケリーも復帰したことだし、そろそろひと工夫が必要かもしれないと多くの人は思っただろう。

次にアーズマ。
フランコーナは9回裏にパペルボンを投入して、11回にも岡島をブルペンで投げさせて万全を期したが、ワカマツは結局アーズマを投入しなかった。
ブルペンでトレーナーを脱ぎもしなかったから、その様子を見る限り、最初から投入する予定はなかったのだろう。単に登板過多を理由に休ませたかっただけかもしれない。(追記 公式サイトによれば「アーズマは軽い腰痛と、疲労軽減のため登板回避」とのこと)


それでも、ロウが11回に1点差に迫られた場面でブルペンで誰も投げさせないというのは、どうだろう。ちょっと解せない。
真っ直ぐだけで通用する打線ならともかく、ボストン相手なだけに、あそこがロウでいいのかという意見の人もあるだろうし、ロウでいいとしても、1点差に迫られてもブルペンで誰も投げさせないというのは、ちょっとわからない。それだけ信頼していたのだ、というかもしれないが、そういう問題でもないだろう。


シアトルの投手陣のERAはア・リーグでもトップを争う優秀さなわけだが、それは過去の数字で、未来の話ではない。疲れの見えてきた投手がだいぶ出てきている。
シアトルの失点の少なさは、「被打率が低いため」ではなくて、「被長打率が低い」、つまり、あまり長打を浴びないという点にあったわけで、以前も言ったことだが、このところホームランを打たれやすくなってきている点に注意しないと、これからの疲れの出る暑い季節は乗り切ることはできない。
ジャクバスカスが安定してきてくれたことは心強いが、復帰してきたケリーはまだまだ本調子ではないことがわかった。(追記 公式サイトによれば「ケリーはもっと緊張しない場面で慣らしてから登板のはずが、厳しい場面での登板になった」とのこと)ここしばらくはブルペンに動揺があるかもしれない。ピンチで動揺することの少ないロブ・ジョンソンの必要度はさらに高まることになる。






July 01, 2009

この馬鹿捕手は。

7回裏のAロッドの同点2ランについて、ジャクバスカスの後悔と批判の発言が入ったので、急遽タイトルを書き換えた。当然、彼はこのブログと同じ見方をしている。

このインタビューのジャクバスカスの発言ぶりがひどく他人事なのは当たり前だ。彼が投げる球を決めたわけじゃないからだ。彼ジャクバスカスは「要求通りの球を、要求通りの場所に投げた」。あの場面ではランナーセカンドで、1塁は空いてもいた。無理する場面ではないのに、インコースに無理無理配球したのは、単にキャッチャーが馬鹿で無鉄砲だからだ。

Jakubauskas said if he had it to do over, he probably would not have thrown Rodriguez all fastballs.
"It was a good pitch, up and in," Jakubauskas said, "but you can't throw a hitter of that caliber the same pitch in basically the same location. I think we went one [fastball] too many. In hindsight, we probably should have gone with something offspeed right there."

ジャクバスカスは、もしやりなおせるものなら、Aロッドに全球ストレートを投げたりはしない、と言った。
「(ホームランを打たれた球そのものは)いい球だったんだ。内角高めのね」とジャクバスカス。「でもね。あれほど能力のあるヒッターに、同じ場所に同じ球を投げちゃあいけない。速球をあまりにも投げすぎだよ。結果論になるけど、あそこはたぶん、スピードを抑えた球で打ち取りにいくべきだったんだ」
Rare bullpen hiccup costly for Mariners | Mariners.com: News

復帰して3ゲームで、もう18失点しやがって、ダメ捕手。3試合で、1試合平均6点もの失点。DL復帰後、1勝2敗で、LAAとTEXが直接対決で星を潰しあってくれているこの大事な時期に、ダメ捕手が貴重な貯金をひとつ食いつぶしてくれた。

キャッチャーのミット通り投げて勝ち越し2ランだから、裏口入学のコネ捕手は言い訳のしようがない。せっかくいいムードの流れだったゲームを、コネ捕手のおかしなリードが全てぶち壊した。
こういった経験は、もちろん初めてではないどころか、いくらでも例はある。めぼしいところをあげてみる。
WBC壮行試合での杉内(チェンジアップ連投)WBC韓国戦での岩隈(シュート連投)WBC決勝のスライダー。今シーズン序盤のシルバ(チェンジアップ連投)、同じくシルバ(シンカー連投)
特に、岩隈先発のWBC韓国戦で、2球続けてインコースにシュートを投げさせ、4番打者に3塁線決勝タイムリーを打たれたのは覚えている人も多いことだろう。またシアトルファンなら、4月8日のシルバ先発ミネソタ戦で4番モーノーに6球連続シンカーを投げさせてホームランを打たれて負けたことを思い出すかもしれない。

参考記事
2009年4月8日、城島はシルバに4番モーノーの外角低めにシンカーを6連投させ、逆転負けした。
2009年5月9日、シルバDL送りの背景を1ヶ月前の「城島の小手先の投球術いじり」に関するミネソタ戦記事に見る。


この前の6月26日のドジャース戦で、この馬鹿捕手は、長打を打たれた打者の初球はほとんどストライクだったのにもかかわらず、こんな嘘をついて、かつ、言い訳もした。
「初球、ボールが多かったので、内角が使えなかった」

2009年6月26日、バルガスのゲームプランを全く理解してないSBO=城島は、満塁でダブルプレー打、恒例の大量失点で惨敗した。

で、こんどは、どうだ。


内角球が使えたら抑えられたのか?
内角一辺倒でホームランとタイムリーで4点とられてんじゃねぇよ。哀れな知恵の無い馬鹿(笑)


2009年6月30日 8回Aロッド 2ラン.jpg7回裏 Aロッドの2ラン

全球ストレート
特に4球目と5級目は
ジャクバスカスの言う通りの
まったく同じ球


Seattle vs. NY Yankees - June 30, 2009 | MLB.com: Gameday


ジャクバスカスにはいい薬になったことだろう。

ジャクバスカスも、あれだけ1球1球あれこれ言われ続けて、マウンドにしつこくしつこく来られて投げていたら、首を振るゆとりすら与えられないのだろうが、次の登板からは、才能などないクセに俺の言うことを聞け的な、こんな馬鹿の俺様キャッチャーの言うことを聞いてはいけないのだ、首を振らなければならないのだ、ということが、これでわかっただろう。

高校野球のように、投球が高いといっては座ったまま手を地面に向けて動かして「低め、低め」。投球のたびに興奮して、ちょっとボールがはずれるたびにマウンドへ直行。あれでメジャーのキャッチャーのつもりなのだから、高校生並みのキャッチャーは片腹痛い。


8回裏
このコネ捕手は、前のイニングでインコースばかり単調に攻めて2ランされているにもかかわらず、凝りもせず、無死2、3塁からジーターに、Aロッド同様インコースばかり投げさせて、2点タイムリー。


Aロッドの2ランで大きく流れが変わり、それでも凝りずに「内角攻め」。
このジーターの2点タイムリーで、負け決定。


馬鹿か、おまえ。

2009年6月30日 8回裏 ジーター2点タイムリー8回裏
ジーターの2点タイムリー




それにしても、ワカマツという監督、ああみえて、よほど批判されるのが嫌いなのか。
これは最初にあげたジャクバスカスのコメントの直前に書かれている部分だ。上に画像であげたこの日のGameDayで見ればわかるとおり、Aロッドに投げたホームラン球は、実際ジャクバスカスの言う通り、「インハイの球」だったし、ゲームを見ていたからわかるが、「キャッチャー城島の構えたミット通り」だった。つまり、「ジャクバスカスは完全に指示どおり、インハイにストレートを投げた」のである。
それなのにワカマツが「あの失投さえなければ」というニュアンスで投手側を批判したりするものだから、不本意と感じたジャクバスカスはあえて強くコメントしたのである。
「球そのものは間違いなくいい球だった」と。そして、「いい球だったにしても、あんないいバッターに同じ球を同じ場所に投げた配球の選択のほうが間違っていたと。
そうでなければ、この文章、意味がつながるわけがない。

ジャクバスカスは単にコメントしたのではない。
「抗弁した」のだ。

バルガスとキロスの悶着の一件もあまり気がつかれてないようだが、このバルガスの件といい、どうもこの監督は安易な投手批判をやりすぎるとしか思えない。
"Jakubauskas came in with the bases loaded [in the fifth inning] and did a great job of getting out of that," Wakamatsu said, "but it really came down to one pitch against Alex. We had a base open and tried to throw a pitch up-and-in and left it out over the plate."

ちなみに、この文の最後の部分だが、「ボールが(誤って)ド真ん中に来てしまった」という意味ではないし、「ボールがプレートの真上を通過するようにした」という意味でもない。むしろ逆だ。







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