November 2009

November 20, 2009

城島が日本に逃げ帰ってシアトルが厄払いしたのと、まるで入れ替わり。
やはり2008年のマクラーレン辞任には何かあったわけだ。
「元のサヤに戻る」という言葉があるが、
これでようやく、ねじれていた糸がさらに1本、元に戻っていく。


かつて2008年6月中旬に城島を正捕手から控え捕手に降格させた2日後に、監督を辞任させられた元マリナーズ監督のジョン・マクラーレンが、ナショナルズのベンチコーチ(日本でいうヘッドコーチのようなものだが、発言権は助監督程度ある)として、現場復帰することになった。
ナショナルズは11月12日に、それまで監督代行(interim skipper)だったジム・リグルマンと2年契約を結び、正式に監督として迎えると発表したばかりだった。
McLaren tabbed as Nats' bench coach | nationals.com: News

もちろん、正式にナショナルズの新監督に就任したリグルマンとは、かつて2008年のマクラーレン辞任後にマリナーズの監督代行を務めた、あのジム・リグルマンである。
リグルマンは、2008年にシアトルでベンチコーチ、さらに監督代行を務めた後、2009年はナショナルズでベンチコーチをしていた。2009年シーズン途中に、ナショナルズが成績不振から監督をクビにしたことで、リグルマンは、奇しくも2年続けてシーズン途中で監督代行に就任していた。

これで、2008年シアトルでは、
マクラーレン監督
リグルマンベンチコーチ(後に監督代行)
 だったのが

2010年ナショナルズでは
リグルマン監督
マクラーレンベンチコーチ

と、立場の上下が逆転した2人が指揮をとることになった。
人生、何があるか、わからないものだ。
Nationals appoint Riggleman manager | nationals.com: News


SPI (Seattle Post Intelligencer 電子版)が、マクラーレンをベンチコーチに迎え入れたのは、リグルマンだと書いている。
And the man who hired him is another former Mariners' skipper, Jim Riggleman, who replaced McLaren in Seattle in midseason of 2008.
Former Mariners managers joining forces again in D.C. (Seattle Post Intelligencer電子版)

リグルマンはシアトルのベンチコーチ時代に監督マクラーレンを間近で見ていて、手腕を認識していたのだろう。
それはそうだ。リグルマンは、マクラーレンが「城島はずし」を断行してクビになった後に監督代行になり、「なぜ城島をはずしたんだ?」と何度も執拗に質問を繰り返してくる城島の提灯持ちライターたちに、何度となく「クレメント正捕手抜擢起用」を明言し続けて、マクラーレンのチーム改革方針を堅持し続けた、堅い意思の持ち主だ。

2008年6月22日、新監督リグルマンは城島にクレメント先発起用を直接通達、チーム方針が確定した。

2008年6月29日、リグルマンは今後もクレメントが多くマスクをかぶると明言した。

2008年7月10日、リグルマンは今後のクレメント育成続行をあらためて明言した。


今にして思えばマクラーレンも、元来のヒトの良さを見せずに、さっさと城島に引導さえ渡していれば、監督就任2ヶ月ちょっとで25勝47敗というような酷い成績にならず、チームはもう少しマシな成績になっていたことだろうし、ヘルナンデスも本来の実力を発揮して月間最優秀投手くらいは1年早く受賞できていたかもしれない。
だが、マクラーレンは、絶不調の投手陣の諸悪の根源が城島であることに気がついて、城島を切ろうとした瞬間、自分のクビのほうをすっ飛ばされてしまった。決断が遅い、判断力がないといえばそれまでだが、チームの内部事情の複雑すぎるマリナーズにあって、それは無理な相談というもの。監督としての手腕はどうであれ、正しいことを実行しようとしただけでも勇気がある。
その勇気を買ったのが、リグルマン、というわけだ。

2008年マクラーレン辞任前後の時系列的経緯
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:時系列にそって「城島問題」を読む。

2008年6月17日
2008年6月17日、マクラーレンはクレメントへの正捕手変更を公言した。

2008年6月19日、監督マクラーレン、突然の解任。

2008年6月19日、「マクラーレン解任の本当の理由はなにか?」ベイカーは誰もが抱く疑問を胸中に隠しフロントを取材した。

2008年6月19日、地元メディアは一斉に「監督解任の不自然さ」に異議を突きつける。

マクラーレンがクビになったことについて、GMバベシとの連帯責任のように思っている人がいるが、それはちょっと違う。
バベシをクビにしたことについては地元メディアは何も騒がなかったし、むしろ手を叩いて喜んたものだが、マクラーレン辞任については、一時ではあるが、地元メディアは「なぜマクラーレンを辞任させるのか」といくつか記事にした時期があった。


これでリグルマンも、マクラーレンも、「コネで出場機会を確保するような、歪んだプレーヤーのいない、本来の実力社会のメジャー」でノビノビとベースボールできるというものだ。もちろん、ナショナルズの成績が芳しくなければ2人してクビになるわけだが、それはそれで当然のこと。それがメジャーというものだ。
まぁ、とにもかくにも、よかったよかった。めでたし。

ナショナルズは、先日も書いたように、若い三塁手で、注目の「1983年世代」のライアン・ジマーマンというスターがいて、今年シルバースラッガー賞とゴールドグラブを同時に初受賞。そして、ドラフト1位の豪腕ストラスバーグを抱え、さらに監督リグルマン、ベンチコーチにマクラーレンと、これはなんだかますますカオス的展開になってきた。FAマーケットでも「買い手宣言」している。(Nats in market for big-name pitching | nationals.com: News
このチームに来シーズン何が起こるのか、興味深い。

2009年11月11日、ナ・リーグのゴールドグラブ発表。ア・リーグ同様、2人がFielding Bible賞と同時受賞。結局、センター以外を守る外野手でゴールドグラブに選ばれたのは、イチロー、ただひとり。

2009年11月12日、速報イチロー、3度目のシルバースラッガー賞受賞! 注目のアーロン・ヒル、ライアン・ジマーマンが初受賞。

2009年11月12日、2009年の攻守あらゆるポジションと賞を席捲し、これからのメジャーを担う「1983年世代」。






November 19, 2009

ヘルナンデスが故国ヴェネズエラでルイス・アパリシオ賞という賞の6人目の受賞者となった。過去の受賞者は以下の通り。この賞、よく知らないのだが、錚々たるプレーヤーたちが受賞している。
サンタナがサイ・ヤング賞を獲得した年に2度受賞していることからして、今回のヘルナンデスが「サイ・ヤング賞」クラスの扱いを故国で受けたことになる。

2004年 ホアン・サンタナ(サイ・ヤング賞)
2005年 ミゲル・カブレラ
2006年 ホアン・サンタナ(サイ・ヤング賞)
2007年 マグリオ・オルドニエス(首位打者)
2008年 フランシスコ・ロドリゲス(最多セーブ)
2009年 フェリックス・ヘルナンデス(最多勝、最高勝率)
Luis Aparicio Award - Wikipedia, the free encyclopedia

ルイス・アパリシオは、南米最初の殿堂入りプレーヤーで、ヴェネズエラの英雄的プレーヤー。元ホワイトソックスのショート・ストップで、背番号11は永久欠番。
1959年にデビューして新人王と盗塁王になり、この年から9年続けて盗塁王。オールスター10回選出。ゴールドグラブ9回。
Luis Aparicio - Wikipedia, the free encyclopedia
ルイス・アパリシオ - Wikipedia

Baseball Referenceによれば、歴代のプレーヤーのうち、最もルイス "Little Louie" アパリシオに似ているプレーヤーは、かつて89年から93年にシアトルに在籍したオマー "Little O" ビスケール
Luis Aparicio Statistics and History - Baseball-Reference.com

ビスケールは、ルイス・アパリシオの9回をしのぐ11回のゴールドグラバー。メジャー全体でもオジー・スミスの13回に次ぐ回数を誇る。通算守備率は歴代1位(1000試合以上)の.984、通算併殺数(ショート)でも歴代1位の1698(2008年終了時点。更新中)だそうだ。
打撃面でも、打率でアパリシオが通産打率.262なのに対して、ビスケールが.273と、やや上回っている。ビスケールは2009年6月25日に2678本目の安打を放ち、アパリシオのもっていたヴェネズエラ人最多安打記録の2677本を更新した。
このことからも、アパリシオとビスケールの比較において、こと打撃面だけに関していえば、ビスケールのほうがほんの少し上回っていることがわかる。
オマー・ビスケル - Wikipedia

走れて守備のいいアパリシオ、鉄壁の守備に加えてバッティングでやや上回るビスケール、どちらがヴェネズエラ最高のショートか。
スタッツだけでは非常に迷う部分があるわけだが、野茂さんが、両リーグでノーヒッターになったという記録以上に、日本人のMLB進出のパイオニアとしての尊敬を集め続けているように、ビスケールのヒット数がアパリシオを越えた今でも、やはり、南米プレーヤーとして最初のホール・オブ・フェイマーとなったアパリシオの功績に大しては大きな敬意が払われるだろう。

イチローは2009シーズン終了時でいうと、9回連続オールスター、9年連続ゴールドグラブ、9年連続200本安打で、通産打率.333なのだが、こうして数字をみてみると、ものすごく打てるアパリシオ(新人王、盗塁王9回、GG9回、オールスター10回 通産打率.262)、ものすごく打てるビスケール(GG11回、オールスター3回 通産打率.273)のようなものだ。あらためて、「凄い」、と、思う。

2010シーズンにイチローが10年連続ゴールドグラブとなれば、殿堂入りプレーヤーのルイス・アパリシオの9回を抜き、10年連続オールスター選出となれば、ルイス・アパリシオと肩を並べる。
しかし、それも通過点に過ぎない。めざすは13年連続ゴールドグラブのオジー・スミスだし、バッティングではこの2人をイチローがはるかに上回っている。
Ichiro Suzuki Statistics and History - Baseball-Reference.com






ザック・グレインキーのサイ・ヤング賞の受賞について、FA移籍が予定されるカンザスシティの捕手ミゲル・オリーボ
"I loved him and we had a great relationship, but that's baseball."「彼のことは好きだし、素晴らしい関係が築けたと思ってるよ。(でも、俺、移籍するんだよね)それがベースボールってもんさ」と、そっけないコメントをだした。移籍するにしても、ちょっと大人げない。

一方、ヘルナンデスの球を受けたロブ・ジョンソンは対照的に、あれやこれや、ヘルナンデスのいいところを、いつものように熱心に語った。
彼のロングインタビュー映像はMLBトゥナイトで見た数分程度のものしかないが(そこでも、彼はまずヘルナンデスのことから話を始めている)、今回のヘルナンデスについてのコメントもおそらく、言葉のリズムからして、身振り手振りを交え、あの童顔に笑顔を浮かべながら目をキラキラさせて熱心に語ったことだろうと思う。

シーズンが終わっているというのに、この温度が保てることが、彼の特別な才能だ。

ヘルナンデスが月間最優秀投手を初受賞した翌月、
2009年7月のMLB Tonightによる
ロブ・ジョンソン インタビュー

肉声から彼の人柄のほのぼのさが伝わってくる。
Baseball Video Highlights & Clips | Rob Johnson talks with MLB Tonight - Video | MLB.com: Multimedia


実際、ロブ・ジョンソンに、「数字に表せる」特別な才能があるわけではない。
ブライアン・マッキャンホルヘ・ポサダビクター・マルチネスのように、スタンドにホームランをバカスカ放り込めるわけでもないし、ジョー・マウアーのように、イチローばりのハイ・アベレージでヒットを打ち続けられるわけでもない。ヤディア・モリーナほど、肩が強いわけではない。

彼にやれることといったら、ひたすら投手のやることを面白がり、興味をもつことくらいだ。好奇心というやつである。

今回のヘルナンデスのサイ・ヤング賞選考記事でのロブ・ジョンソンのコメントのトーンは、今年の夏に、ウオッシュバーンの新魔球「ドルフィン」を開発するに至った経緯を話したときのロブ・ジョンソンのインタビューと、トーンが共通している。
投手のやることに常に興味をもち、投手とのやりとりをいかにも楽しそうに話す。それがロブ・ジョンソンだ。
2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

彼はひたすら投手のやることを、面白がり、驚き、感嘆し、リスペクトし、笑顔で話す。よほど、キャッチャーという仕事が好きなのだろう。わがままな旦那、勝新太郎のことをニコニコ話せる中村玉緒さんのような男だ。

家族。友人。夫婦。恋人。誰でも、一緒にいる相手のことを興味をもつのが普通だと思うかもしれないが、メジャーは欧米のオトナの世界である。必要以上に相手に深入りすることはない。上にあげたミゲル・オリーボのコメントがドライなわけではなく、ただロブ・ジョンソンが人懐っこいだけだ。
この、「人に対する興味、好奇心」というのは、おそらくロブ・ジョンソンのもつ「非常に特別な才能」だと思う。そうでもなければ、これだけのERAを投手から引き出せない。

実際、ロブ・ジョンソンは、「数字に表せる才能」があるわけではないが、「数字に表しにくい特別な才能」をもっている。「人の才能を引き出す才能」である。こういう才は、えてして人の目につきにくいものだ。


今年のヘルナンデスは、たしかに19勝した。だが、ストライク率のグラフで示したことがある通り、常に絶好調というわけではなかった。投手とはそういうものである。負け試合というのに完投してしまいそうになるロイ・ハラデイのような、超然としたオトナは、そうはいない。ヘルナンデスだって、リンスカムだって、まだまだ若い。
2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)

2009年10月6日、ヘルナンデスと松坂の近似曲線の違いから見た、ヘルナンデスの2009シーズンの抜群の安定感にみる「ロブ・ジョンソン効果」。(ヘルナンデスと松坂の2009ストライク率グラフつき)


そういう若いヘルナンデスと、ロブ・ジョンソンが、2人してやってきたことが、今年の19勝という勝ち星、最多勝というタイトルにつながった。
ヘルナンデスの今シーズンのプレー(動画・MLB公式)
Multimedia Search | MLB.com: Multimedia
ロブ・ジョンソンの今シーズンのプレー(動画・MLB公式)
Multimedia Search | MLB.com: Multimedia

19勝を達成したヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー

投手だけに贈られるサイ・ヤング賞は、たしかに逃したかもしれないが、バッテリーとしてみれば、このバッテリーは、今年のメジャー、ア・リーグで最高のバッテリーだったと確信している。


誰も贈らないのなら、勝手に贈るまでだ。


フェリックス・ヘルナンデス殿。
ロブ・ジョンソン殿。

当ブログより、
2009年ア・リーグ 最優秀バッテリー賞を勝手に進呈する。

from damejima






November 18, 2009

2009ア・リーグのサイ・ヤング賞投手は、カンザスシティ・ロイヤルズのザック・グレインキーに決まった。

2009 ア・リーグ サイ・ヤング賞 投票結果
Greinke gets one more win: AL Cy Young | MLB.com: News

ちなみに、シアトルでは唯一、あのランディ・ジョンソンがサイ・ヤング賞を1995年にとっている。1995年は、前年のメジャーのストライキの影響で観客が激減した年だが、ランディ・ジョンソンのサイ・ヤングの快投は観客をスタジアムに呼び戻す原動力になった。翌年の96年にシアトルは創設以来はじめて1ゲームあたりの観客動員数が3万人を越えている。
もし今回フェリックス・ヘルナンデスがサイ・ヤング賞をとれば、2人目になって、その部分だけはランディに肩を並べることができたわけだったが、とても残念だ。だが、素晴らしいピッチングをしたグレインキーには心からおめでとうといいたい。

創立時以来のマリナーズ観客動員数推移グラフ

創立時以来のマリナーズ
観客動員数推移グラフ
(クリックすると拡大)

グレインキーはまさに、今年のMLBの賞レースを席捲した「1983年生まれ」。レギュラーシーズンの試合をあまり見てはいないのだが、特に前半戦の防御率1点を切る時期の好投ぶりには、鬼気迫るものがあったようだ。
サイ・ヤング賞の投票に関しては、シアトル・タイムズ紙のベイカーが、「記者はまず防御率、ERAを見る」と言っていたように、結果もERAの差が大きく影響したようだ。
たしかにグレインキーは16勝しかしてないかもしれないが、例えばグレインキーのラン・サポート(RS)が3.92しかないのに対し、貧打のシアトルとはいえ、ヘルナンデスのRSが4.37あることから、グレインキーの勝ち数が少ないのは、ひとえに「チームが弱いため、しかたない」という判断が体勢を占めた感じだ。
2009年11月12日、2009年の攻守あらゆるポジションと賞を席捲し、これからのメジャーを担う「1983年世代」。

2009年10月27日、Kansas City Starは、ヘルナンデスとグレインキーのシーズンスタッツを補正した上で比較して、「勝負は五分五分」と語った。


過去にカンザスシティでサイ・ヤング賞になったのは、グレインキーが初めてではなく、Bret Saberhagenが2度(1985年、1989)、David Coneが1度(1994年)の、合計3回とっており、グレインキーで4回目となる。
歴代サイ・ヤング賞投手
MLB Awards | MLB.com: History

1985年のワールド・シリーズでは、カンザスシティ・ロイヤルズと、セントルイス・カージナルス、同じミズーリ州の2チームの対戦になり、2つの街がInterstate 70というハイウェイで結ばれていたことから、I-70 Seriesと呼ばれ、たいへんに盛り上がったようだ。
このシリーズではカンザスシティが勝ったが、MVPになった21歳の若きヒーロー、Bret Saberhagenは、この年、20勝6敗、防御率2.87でサイ・ヤング賞に輝き、さらにワールドシリーズMVP、リングを同時に得ている。
Interstate 70 - Wikipedia, the free encyclopedia

このグレインキーの球を受けたカンザスシティのキャッチャーは、城島がシアトルに来る前年までシアトルでキャッチャーをしていたミゲル・オリーボ。ヘルナンデスの球を受けたロブ・ジョンソンにとっては、シアトルの先輩キャッチャーのひとり、ということになる。
オリーボについてグレインキーは、
"Olivo did a fantastic job with me all year, we had a good bond together." と話して、その仕事ぶりを賞賛したが、オリーボのほうは、FAで他のチームに行くことになっていて、
"I loved him and we had a great relationship, but that's baseball."「彼のことは好きだし、素晴らしい関係が築けたと思ってるよ。(でも、僕は移籍するんだ)それがベースボールってもんさ」と、なんともそっけないコメントを残した。


ヘルナンデスは、終わってみれば、19勝5敗で、最多勝タイ。初タイトルを手にした。ほかにも被打率、被OPS、QS数などで、ア・リーグNo.1に輝いた。6月には月間最優秀投手を初受賞、7月にはオールスターに初選出。ERA2.49、奪三振217。238.2ものイニングを投げ、打たれたホームランはわずか15本。
ロブ・ジョンソンとのバッテリーで本当に素晴らしいシーズンを過ごした。

ヘルナンデスのシーズン別成績
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
このブログで「ヘルナンデス」をテーマに書かれた記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:カテゴリー:「キング・フェリックス」ヘルナンデス

MLBのシアトル公式サイトでは、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーを「ウイニング・コンビネーション(勝てるコンビ)」と称え、このバッテリーが15勝2敗、ERA1.98の記録を作ったことを褒めたたえた。
Wakamatsu also made catcher Rob Johnson Hernandez's regular batterymate.
It was a winning combination as Hernandez posted a 15-2 record and 1.98 ERA the remainder of the season and was selected to the AL All-Star team for the first time.
Felix finishes second in pursuit of Cy | Mariners.com: News

オリーボと対照的に、ロブ・ジョンソンは今年のヘルナンデスのピッチングの素晴らしさについて、またしても熱弁をふるって、その球を受けられる栄誉を熱をこめて語った。けっこう饒舌な男である(笑)
"He doesn't throw one pitch straight -- ever," Johnson said. "He has one curveball that goes sideways and one that goes straight down. He has a slider that backs up, breaks down and goes sideways. His changeup sinks and cuts. His four-seamer cuts and sometimes goes up, and his two-seamer sinks and you just never know how much.
"I honestly can say I have caught a potential Hall of Fame pitcher and a future Cy Young Award winner."


なお、公式サイトが「このバッテリーが2敗した」と表現しているのについては、キャッチャーがゲーム終盤に城島に変わり、「サヨナラ負け」したゲームが含まれている。もちろん、このブログでは、その1敗を、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンバッテリーの負けにはカウントするような、馬鹿なことはしない。
2009年9月8日、それまで安定していたローテを壊滅させてまで出場機会増を強行したコネ捕手、再びヘルナンデス登板ゲームに触手。結果、「延長10回裏サヨナラ負け」で、サイ・ヤング賞レースに、ヘルナンデスにとりつきたくてしかたがない厄病神の暗雲が再来。

この疫病神捕手は、トレードされたウオッシュバーンがセーフコに戻ってきたゲームにも先発して、「サヨナラ負け」している。大事なゲーム、要所のゲーム、記念すべきゲーム。そのどれにも勝ちを残せない、哀れな選手である。
2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。 →だが無粋なチームの監督さんがスタメンマスクに選んだのは、なぜか「城島」 →最悪の「サヨナラ負け」(失笑)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年5月19日、コネ捕手またもや14安打5盗塁され敗戦。5月3勝9敗。ヘルナンデスを自責点6でERA4点台に沈没させ、月間20敗に突き進んだ。(ヘルナンデスの「2点の差」計算つき)


一方、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーには、メモリアルなゲームが数多くあった。
LAAとの対戦で0-3で負けていて、9回にロペスの劇的な同点3ランが出て、逆転勝ちしたゲーム。グティエレスの逆転3ランで勝ったゲーム。
そして、イチローの9年連続200本安打達成ゲームに、ヤンキースのリベラからサヨナラ2ランを打った、あの素晴らしいゲームも、ヘルナンデス登板ゲームだ。

そのどれもが素晴らしい今シーズンのヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーの充実ぶりを祝福している。

2009年5月30日、劇的な同点ホームランから逆転勝ちで3連勝、ヘルナンデスはQS。
5月30日のヘルナンデス(動画・MLB公式)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@LAA: Hernandez allows just one unearned run - Video | MLB.com: Multimedia

2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。

7月9日、城島の呪縛から解き放たれオールスター出場直前のヘルナンデスは8回QS、5連勝で9勝目。グティエレスの逆転3ランで獣のごとく吼えた。(「二度のテストに失敗した城島」長文)

2009年9月13日、ダブルヘッダー第二試合、祝・イチロー9年連続200安打達成! ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー快勝! 7回を4安打1四球でテキサスを零封して15勝目。

2009年10月4日、ロブ・ジョンソン、高めの球を効果的に使った好リードや8回の刺殺などでヘルナンデスに5連勝となる19勝目、ついにア・リーグ最多勝投手達成!!
10月4日のヘルナンデス(動画・MLB公式)
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Hernandez wins his 19th of the year - Video | MLB.com: Multimedia

2009年10月6日、フェリックス・ヘルナンデス、今シーズン2度目のア・リーグ月間最優秀投手受賞! ロブ・ジョンソンにとっても3度目の栄誉となる担当投手の栄冠獲得で、キャッチャーとして最高の栄光あるシーズンだったことを完全に証明してみせた。

メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(8)「配球しないで給料をもらえる捕手」を縁切りしたヘルナンデス


投手だけに与えられるのがサイ・ヤング賞だが、もしメジャーに投手と捕手のバッテリーに与えられる賞があるとすれば、上のオリーボとロブ・ジョンソンのコメントを読めばわかるとおり、間違いなくその賞は、今年フェリックス・ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリーに与えられるべきである。






November 13, 2009

キャッチャーについて、1983年生まれ中心にプラスマイナス1年の誤差を含め、1982年から1984年に生まれた若い選手たちが、今のメジャーで活躍を見せ、世代交代の波を起こしつつあることは、既に記事にした。
彼らのことを便宜的に「1983年世代」と名づけた。

2009年11月2日、「MLBキャッチャー世代論」1:堅守を基礎にした「1983年生まれ、26歳世代」の台頭が引き起こす大きなキャッチャー世代交代の波。

2009年11月3日、「MLBキャッチャー世代論」2:古いキャッチャーイメージを淘汰する「1983年世代」の新しいキャッチャーイメージ。


この「1983年世代」
ほかのポジションではどうなのだろう。

今年のシルバースラッガー賞、ゴールドグラブ、Fielding Bible賞を受賞したプレーヤーから、この「1983年世代」にあたるプレーヤーを抽出してみる。
以下、赤色のアルファベットが3賞の受賞者、赤色のカタカナはキャッチャー、「参考」とあるのは主に、その年生まれの活躍プレーヤー(黒色のアルファベット)と、シアトル・マリナーズ関連プレーヤー(黒色のカタカナ)。
「1983年世代」は、キャッチャーだけでなく、他のポジションでもかなりメジャーの重要な位置を占めはじめていることがわかる。と、いうか、今後を担うメジャーのキープレーヤーの大部分が、この「1983年世代」であるといっても過言ではないくらいで、近年のサイ・ヤング級投手、スラッガー、内外野のゴールドグラバー、名捕手の多数がこの「1983年世代」から生まれている。

1982年生まれ
Aaron Hill、Andre Ethier、Adrian Gonzalez、Michael Bourn、Yadier Molina(ヤディア・モリーナ)
参考:ほかに、Grady Sizemore、David Wright、Robinson Cano、Ian Kinsler、Jason Kubel、Jered Weaver、Ricky Nolasco、ユニスキー・ベタンコートなど
1982 Major League Baseball Born this Year - Baseball-Reference.com

1983年生まれ
Ryan Braun、Adam Lind、Franklin Gutierrez、Joe Mauer(ジョー・マウアー)、カートスズキ、ラッセル・マーティン、ジェフ・マシス、テイラー・ティーガーデン、ロブ・ジョンソン、ミゲル・モンテーロ、クリス・アイアネッタ
参考:ほかに、Zack Greinke、Dustin Pedroia、Hanley Ramirez、Jose Reyes、Miguel Cabrera、Edwin Encarnacion、Casey Kotchman、Nick Markakis、Cole Hamels、Ervin Santana、Justin Verlander、Huston Street、ホセ・ロペス、ロニー・セデーニョ、など
1983 Major League Baseball Born this Year - Baseball-Reference.com

1984年生まれ
Matt Kemp、Ryan Zimmerman、Brian McCann(ブライアン・マッキャン)
参考:ほかに、Tim Lincecum、Jon Lester、B.J. Upton、Josh Johnson、Jeff Francoeur、Chad Billingsley、Scott Kazmir、ダグ・フィスターなど
1984 Major League Baseball Born this Year - Baseball-Reference.com

メジャー各賞を席捲する「1983年世代」
2009年の「1983年世代」の受賞者は、若い選手の受賞者が多くなり、世代交代が一気に進みつつあるナ・リーグに多く、かたや、ベテラン受賞者の多いア・リーグには少ない。

2009ナ・リーグ シルバースラッガー賞
3B Ryan Zimmerman 2005年ドラフト1巡目(全体4位)
SS Hanley Ramirez
OF Ryan Braun 2005年ドラフト1巡目(全体5位)
OF Matt Kemp 2003年ドラフト6巡目(全体62位)
OF Andre Ethier 2003年ドラフト2巡目(全体62位)
C  Brian McCann 2002年ドラフト2巡目(全体64位)

2009ア・リーグ シルバースラッガー賞
2B Aaron Hill 2003年ドラフト1巡目(全体13位)
C  Joe Mauer 2001年ドラフト1位(全体1位)
DH Adam Lind 2004年ドラフト3巡目(全体83位)

2009ナ・リーグ ゴールドグラブ賞

1B Adrian Gonzalez 2000年ドラフト1巡目(全体1位) 
3B Ryan Zimmerman 2005年ドラフト1巡目(全体4位)
OF Michael Bourn 2003年ドラフト4巡目 (全体115位)
OF Matt Kemp   2003年ドラフト6巡目(全体181位)
C  Yadier Molina  2000年ドラフト4巡目(全体113位)

2009ア・リーグ ゴールドグラブ賞
C  Joe Mauer 2001年ドラフト1位(全体1位)

2009年Fielding Bible賞
2B Aaron Hill
3B Ryan Zimmerman
CF Franklin Gutierrez 1983年生まれ(26歳)
C  Yadier Molina


「1983年世代」の経験したドラフト
赤色のアルファベット表記で名前を示したのは、2009年のシルバースラッガー賞、ゴールドグラブ、Fielding Bible賞のいずれかを受賞した「1983年世代」の選手。
カタカナ表記はキャッチャー。「参考」とあるのは主に「1983年世代」ではないマリナーズ関連プレーヤーのドラフト、またはその年の活躍選手。
「1983年世代」は2003年と2004年のドラフトにかかった選手が多い。
2000
Adrian Gonzalez 1巡目(全体1位)
Yadier Molina   4巡目(全体113位)


2001
Joe Mauer(ジョー・マウアー) 1巡目(全体1位)
ジェフ・マシス          1巡目(全体33位)
Amateur Draft: 1st Round of the 2001 June Draft - Baseball-Reference.com

2002
Brian McCann(ブライアン・マッキャン)2巡目(全体64位)
ラッセル・マーティン           17巡目(全体511位)
参考:Zack Greinke  1983年生まれ 1巡目(全体6位)
参考:Prince Fielder  1984年生まれ 1巡目(全体7位)
参考:Joe Saunders  1981年生まれ 1巡目(全体12位)
Amateur Draft: 1st Round of the 2002 June Draft - Baseball-Reference.com

2003
Aaron Hill    1巡目(全体13位)
Andre Ethier  2巡目(全体62位)
Michael Bourn 4巡目(全体115位)
Matt Kemp    6巡目(全体181位)

参考:デビッド・アーズマ 1巡目(全体22位)1981年生まれ
参考:Chad Billingsley  1巡目(全体24位)1984年生まれ
参考:J.サルタラマキア  1巡目(全体36位)1985年生まれ
参考:Adam Jones    1巡目(全体37位)1985年生まれ
Amateur Draft: 1st Round of the 2003 June Draft - Baseball-Reference.com

2004
Adam Lind     3巡目(全体83位)
カートスズキ      2巡目(全米67位)
クリス・アイアネッタ  4巡目(全体110位)
ロブ・ジョンソン    4巡目(全体123位)1983年生まれ
参考;マーク・ロウ   5巡目(全体153位)1983年生まれ
Amateur Draft: 2004 Picks in the June Draft, with a listed position of C - Baseball-Reference.com
Amateur Draft: 4th Round of the 2004 June Draft - Baseball-Reference.com

2005
Ryan Zimmerman 1巡目(全体4位)
Ryan Braun      1巡目(全体5位)

ジェフ・クレメント     1巡目(全体3位)1983年生まれ
テイラー・ティーガーデン 3巡目(全体99位)1983年生まれ
Amateur Draft: 2005 Seattle Mariners Picks in the June Draft - Baseball-Reference.com
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「ジェフ・クレメントのための短い夏」

それにしても、あらためて感慨が深いのは、2005年ドラフトでのジェフ・クレメントの順位
2009年シルバースラッガー賞、ゴールドグラブなどを総なめにしたナショナルズのRyan Zimmermanより、2007年新人王でシルバースラッガー賞2回のRyan Braunより、指名順位が上なのだから、チームの期待がいかに高かったかがしみじみとわかる。
「城島問題」という、いびつな歪みさえなければ、彼は順調に育って、今頃・・・、と、思わずにいられない。

ちなみに、クレメントの出身校の南カリフォルニア大学はMLBプレーヤーを多数輩出してもいる名門大学で、70年代のボストンの名選手で、イチローとの比較で引き合いに出されることのあるフレッド・リン、かつてシアトルに在籍し黄金時代を築いたブレット・ブーン、シリーロ。さらにバリー・ジト、マーク・マクガイア、千葉ロッテマリーンズ監督のボビー・バレンタインも卒業生。






イチローが2009年のシルバースラッガー賞を受賞した。3度目の受賞。
これで守備の9年連続のゴールドグラブ、2回目のFielding Bible賞とあわせ、今年は攻守の賞をほとんど総なめにした。
打撃のシルバースラッガー賞、そして守備のゴールドグラブ、Fielding Bible賞と、3賞を全部受賞したのは、ア・リーグではイチロー、ただひとりである。今年のシルバースラッガー賞ではイチローが最も年上の選手なだけに、本当に素晴らしい。
ちなみに、ナ・リーグではライアン・ジマーマンのみが、ア・リーグのイチローと同様に、3つの賞を受賞している。
またブログで注目してきた2人のプレーヤー、アーロン・ヒル、ライアン・ジマーマンが初受賞したのも嬉しい。

ナ・リーグ シルバースラッガー賞
若い選手が多く選出されたことと、ゴールドグラブとの重複が少ないことに特徴がある。
1B Albert Pujols Fielding Bible賞
2B Chase Utley
3B Ryan Zimmerman 初 ゴールドグラブ、Fielding Bible賞
SS Hanley Ramirez
OF Ryan Braun
OF Matt Kemp 初 ゴールドグラブ
OF Andre Ethier 初
C  Brian McCann

ア・リーグ シルバースラッガー賞
攻守兼用のベテランが多い。イチローが最年長。
1B Mark Teixeira ゴールドグラブ
2B Aaron Hill 初 Fielding Bible賞
3B Derek Jeter  ゴールドグラブ
SS Evan Longoria 初 ゴールドグラブ
OF Ichiro 3回目 ゴールドグラブ、Fielding Bible賞
OF Torii Hunter 初 ゴールドグラブ
OF Jason Bay 初
C  Joe Mauer  ゴールドグラブ
DH Adam Lind 初

歴代受賞者
Silver Slugger Award - Wikipedia, the free encyclopedia

関連記事(MLB公式)
Silver Slugger winners being unveiled | MLB.com: News

Silver Sluggers a mix of old and new | MLB.com: News

Ichiro claims third Silver Slugger Award | Mariners.com: News

イチローの年度別成績
Ichiro Suzuki Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ナ・リーグのシルバースラッガー賞で、守備の賞を同時に受賞しているプレーヤーは、Albert Pujols、Ryan Zimmerman、Matt Kempの3人のみ。対してア・リーグで守備の賞を同時受賞しているのは、イチローはじめ、7人。このことだけでリーグの性格の違いをうんぬんするつもりはないが、面白い現象だ。
DH制のないナ・リーグでは打撃専用っぽいプレーヤーが多いといえば多いのに対して、DH制のあるア・リーグでは攻守に優れたプレーヤーが多く選ばれている。
またナ・リーグの受賞者は、30歳のチェイス・アトリーを除いて全員が20代の若い選手なのに対して、ア・リーグは30歳台が5人と、ベテランが多いのも特徴。


イチロー
新人王。首位打者2回。リーグMVP、盗塁王、オールスターMVP、各1回。MLBオールスター9年連続選出。シルバースラッガー賞3回。9年連続ゴールドグラブ。Fielding Bible賞2回。シーズン最多安打、9年連続200本安打。などなど。

アーロン・ヒル
1982年生まれ。いわゆるこのブログでいう、「1983年世代」にして、「強打の二塁手」
2009年オールスター初選出。2009年にシルバースラッガー賞、Fielding Bible賞を初受賞。
2009年11月5日、「強打の二塁手」〜今年最も記憶に残ったプレーヤー、最も注目すべきポジション。

2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。

ライアン・ジマーマン
1984年生まれ。いわゆるこのブログでいう、「1983年世代」
2009年オールスター初選出。2009年にシルバースラッガー賞、ゴールドグラブ、Fielding Bible賞を、それぞれ初受賞。
2009年11月11日、ナ・リーグのゴールドグラブ発表。ア・リーグ同様、2人がFielding Bible賞と同時受賞。結局、センター以外を守る外野手でゴールドグラブに選ばれたのは、イチロー、ただひとり。

2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。






November 12, 2009

ア・リーグに続いて、ナ・リーグのゴールドグラブが発表になった。

2009年ナ・リーグ ゴールドグラブ賞
名前の後のカッコ内は、Fielding Bible賞における選出順位
Phils, Cards, LA each take two Gold Gloves | MLB.com: News

C  Yadier Molina (1位)
1B Adrian Gonzalez (3位)
2B Orlando Hudson (5位)
3B Ryan Zimmerman (1位)
SS Jimmy Rollins (8位)
OF Shane Victorino (センター部門12位)
OF Michael Bourn (センター部門5位)
OF Matt Kemp (センター部門13位)
P  Adam Wainwright (14位)

ナ・リーグのゴールドグラブも、ア・リーグ同様にFielding Bible賞と比較してみると、同時受賞しているのは、キャッチャーのヤディア・モリーナと、三塁手のライアン・ジマーマンの2人。
この2人に、ア・リーグで同時受賞したイチローマーク・バーリーを合わせると、Fielding Bible賞2009の受賞者9人のうち、4人のプレーヤーがゴールドグラブを同時受賞したことになる。
つまり、要するに、もらうべき人は、どんな賞だろうと、もらう、ということ。2つの賞がまったく違うプレーヤーを9人選ぶようなことは起こりえない。

2つの賞で、最も評価にズレが起きるのは、ア・リーグでは「ショート」「外野手」の2部門だったが、ナ・リーグでも、「ショート」「外野手」「投手」と、傾向はほぼ同じだった。
もしかすると、ゴールドグラブを選出する現場の監督・コーチが期待することと、Fielding Bibleのような分析家が期待することに、最も大きなズレが生じやすいポジションが、「ショート」「外野手」なのかもしれない。

また、ア・リーグ、ナ・リーグで、外野手としてゴールドグラブを獲得した合計6人の外野手のうち、センタープレーヤーが5人選ばれたため、イチローだけが「センターでない外野手」として唯一、2009年ゴールドグラブを獲得した。
いかにイチローの卓越した守備能力がメジャーで、監督・コーチ、分析家、立場を問わず、高い評価を受けているかが、このことからもわかる。


2009年Fielding Bible賞
赤字は、2009ゴールドグラブ受賞者。
Fielding Bible

C  Yadier Molina
1B Albert Pujols
2B Aaron Hill
3B Ryan Zimmerman
SS Jack Wilson
LF Carl Crawford
CF Franklin Gutierrez
RF Ichiro Suzuki
P  Mark Buehrle



ゴールドグラブ初受賞のRyan Zimmerman

2008年にシアトルの監督をやっていたリグルマンが監督をつとめるワシントン・ナショナルズ(リグルマンは就任当初は監督代行だったが、ナショナルズが正式に監督として雇った Riggleman hired as Nationals manager | nationals.com: News)の三塁手ライアン・ジマーマンは、例の1983年世代ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:MLBキャッチャー世代論、「1983年世代」)のひとりで、メジャー5年目の25歳と若い。2005年のセプテンバー・コールアップでメジャー昇格。2006年の新人王争いでは、ハンリー・ラミレスにわずか4ポイント及ばず、2位になった。イチローが新人王になった2001年にデビューしたCC.サバシアのような立場である。
ナショナルズは今はまだ年間100敗もする弱体ぶりではあるが、ジマーマン、ストラスバーグと、将来有望な若手が揃いだしている。

ジマーマンのプレー動画(MLB公式)

ジマーマンは、ジャック・ウィルソンのようなディフェンスのスペシャリストではなく、イチロー同様に、「ハイレベルで打てて、ハイレベルで守れる」プレーヤー。リグルマンのように将来30-30を期待している人もいるくらい、足も速い。
2009シーズンは33ホーマー106打点、SLG.525を記録し、スラッガーとして本格化してきて、オールスター初出場、そしてゴールドグラブ初受賞。攻守ともに非常にレベルが高く、これからのメジャーを背負う選手であるのはもう確定ずみ。25歳にして、すでにチームと5年の大型契約を結んでいるが、将来FAになろうものなら、あらゆるチームが欲しがるだろう。

今回のゴールドグラブ初受賞について彼自身は、こんなことをいっている。
When I got drafted in 2005, I think defense was my claim to fame and I developed into an offensive player. Defense has always been a big part of my game.
「2005年にドラフトされたとき、僕は守備が「売り」の選手だった。あとから攻撃型のプレーヤーに進化した、と思ってるんだ。守備はいつもゲームで大きな位置を占めているよ」

デビューイヤーにいきなり20ホーマー100打点をマークして世間を驚かせた強打のジマーマンだが、守備についてのプライドも、相当もっている。
今年ゴールドグラブとFielding Bible賞を同時受賞したことで、守備のほうの評価も確定。おそらく今後のゴールドグラブのナ・リーグ三塁手部門では、常に名前がでてくることになるだろう。
今はまだ左投手がやや苦手なようだが、そのうち克服してくれるはず。打者としても活躍して、将来同じ右投右打のホール・オブ・フェーマー三塁手、マイク・シュミットのようなプレーヤーに育ってもらいたいものだ。
ライアン・ジマーマンのスタッツ
Ryan Zimmerman Stats, News, Photos - Washington Nationals - ESPN






November 11, 2009

2009年ア・リーグのゴールドグラブ賞が発表になった。
Ichiro, Hunter win ninth Gold Gloves | MLB.com: News

Ichiro adds to his legacy with No. 9 | MLB.com: News

イチローはこれでメジャーデビュー以来、9年連続ゴールドグラブ受賞。今シーズンも素晴らしい守備を披露し続けたから当然といえば当然だが、めでたいことだ。
9年連続ゴールドグラブ獲得プレーヤーは、メジャーでもグリフィー・ジュニア含めて7人だけしかいない。83補殺(Outfield Assists=外野手補殺)は、2001年以降ではメジャー最多。
またマリナーズの23シーズン連続のゴールドグラバー輩出は、メジャー・レコードらしい。ア・リーグ最多の観客動員数を記録した2001年以降の数年、いかにシアトルに多彩な才能が集まり、勢いがあったかわかる。

シアトル・マリナーズが23シーズン連続で輩出した
ゴールドグラバーのリスト

1987 Mark Langston, LHP
1988 Mark Langston, LHP Harold Reynolds, 2B
1989 Harold Reynolds, 2B
1990 Ken Griffey Jr., OF Harold Reynolds, 2B
1991 Ken Griffey Jr., OF
1992 Ken Griffey Jr., OF
1993 Ken Griffey Jr., OF Omar Vizquel, SS
1994 Ken Griffey Jr., OF
1995 Ken Griffey Jr., OF
1996 Ken Griffey Jr., OF Jay Buhner, OF
1997 Ken Griffey Jr., OF
1998 Ken Griffey Jr., OF
1999 Ken Griffey Jr., OF
2000 John Olerud, 1B
2001 Ichiro Suzuki, OF Mike Cameron, OF
2002 Ichiro Suzuki, OF Bret Boone, 2B John Olerud, 1B
2003 Ichiro Suzuki, OF Bret Boone, 2B Mike Cameron, OF John Olerud, 1B
2004 Ichiro Suzuki, OF Bret Boone, 2B
2005 Ichiro Suzuki, OF
2006 Ichiro Suzuki, OF
2007 Ichiro Suzuki, OF Adrian Beltre, 3B
2008 Ichiro Suzuki, OF Adrian Beltre, 3B
2009 Ichiro Suzuki, OF
元データIchiro wins record ninth straight Gold Glove

先日すでに発表になっている2009年Fielding Bible賞は、サイバーメトリクス系の人々による独自の守備系ベストナインで、MLB全体から各ポジション1人だけを選ぶが、ゴールドグラブはベースボールのプロであるメジャー各チームの監督・コーチの投票によって選出され、リーグごとに各ポジション1人が選ばれる。
(プロが選ぶメジャーと、素人である新聞記者が選ぶ日本のプロ野球のゴール「デン」グラブは、方式がそもそも違う。2つを混同して語る人が多すぎる)

選出スタンスに違いがあるゴールドグラブ、Fielding Bible賞の2つを同時受賞したのは、イチローと、完全試合男、シカゴ・ホワイトソックスのマーク・バーリー、わずか2人だけである。


ゴールドグラブとFielding Bible賞、2つの賞の差

2つの賞の受賞者を比べるかぎり、その差はゴールドグラバーがFielding Bible賞では4位になる程度の「微妙な差」で、プレーヤーの順位がまるで違ってくるかというと、大半のポジションでは、それほどめちゃくちゃな差があるわけではない。
(素人記者が選出することで、日本のプロ野球におけるゴール「デン」グラブに対しては様々な批判があるが、その日本での論点を、そっくりそのままメジャーのゴールドグラブに対する批判に流用して展開しているアホウがいるが、日米の選出方式がまったく違う以上、意味がない。プロである監督・コーチが選出するメジャーのゴールドグラブは、「素人の思いつき」で決定されているわけではない。)

ところが、2つの賞で選手評価に大差が現れるポジションもある。2009年でいえば、「ショート」と「外野手」だ。この2つのポジションでは、ゴールドグラバーがFielding Bible賞では20位だったりする。
Fielding Bibleはジーターの守備をまったく評価していない。シアトルのショート、ジャック・ジョンソンがFielding Bible賞を受賞できたのには、実はそういう背景がある。
外野手部門も2つの賞で評価の差の激しいポジションだが、イチローは、両方の基準を満たし、最高評価を得た。どんな基準で判定しようと、今年も文句なくメジャーの守備の達人として認められているのである。イチローはバッティングのみならず、守備タイトルの面でも、そろそろMLBの歴史的領域に達しつつある。
歴代ゴールドグラブ受賞者(英語) American League Gold Glove Award Winners - Baseball-Reference.com

歴代ゴールドグラブ受賞者(日本語) - Wikipedia

2009年ア・リーグ ゴールドグラブ賞
(カッコ内はFielding Bible賞2009における順位。外野手は2つの賞で選定基準が異なる)
Ichiro, Hunter win ninth Gold Gloves | MLB.com: News
C  Joe Mauer (3位)
1B Mark Teixeira (4位)
2B Placido Polanco (6位)
3B Evan Longoria (4位)
SS Derek Jeter (17位)
OF Torii Hunter (センター部門9位)
OF Adam Jones (センター部門21位)
OF Ichiro Suzuki (ライト部門1位)
P  Mark Buehrle (1位)



2009年Fielding Bible賞
Fielding Bible
C  Yadier Molina
1B Albert Pujols
2B Aaron Hill
3B Ryan Zimmerman
SS Jack Wilson
LF Carl Crawford
CF Franklin Gutierrez
RF Ichiro Suzuki
P  Mark Buehrle


ゴールドグラブがリーグごとに守備のベストナインを選出するのに対して、Fielding Bible賞はメジャー全体からポジションに対して1人だけを選ぶ。(だからといって、Fielding Bible賞のほうがエライ、という単純に言い切れるものでもない。いくら守備指標がいいからといって、ジャック・ウィルソンを選んでもしょうがない)Fielding Bible賞の成り立ちについては、下の記事に多少書いたので参照してもらいたい。
2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。

ゴールドグラブはバッティング成績やネームバリューを加味しすぎると批判があるわけだが、今回の両方の賞の受賞者をポジションごとに見比べてみるのはなかなか面白い。


ゴールド・グラバーになれなかった
アーロン・ヒル


キャッチャーのジョー・マウアー(2年連続2回目のGG受賞)はFielding Bible賞2009でも3位だし、テシェイラ(GG3回目、Fielding Bible賞4位)の守備がいいのもわかっているから問題ない。ジーター(GG4回目)を選んでしまうのはゴールドグラブの悪い癖だから、あきらめるしかない(笑)

だが、クビをひねる選考は二塁手だ。
先日「2009年11月5日、「強打の二塁手」〜今年最も記憶に残ったプレーヤー、最も注目すべきポジション。」という記事で書いたように、ESPNなど全米スポーツメディアが選ぶ今年のベストナインでは、二塁手にはアーロン・ヒル、ベン・ゾブリスト、イアン・キンズラーといった、打撃のいい選手たちの名前がズラリとあがっていた。
なかでもアーロン・ヒルは2009シーズン、打撃で素晴らしい数字を残しただけでなく、守備でも今年Fielding Bible賞を受賞していて、守備面の評価も高い。打撃面も加味されやすいと噂されるゴールドグラブでは、なおさら攻守のバランスの素晴らしいアーロン・ヒルが文句無く選ばれると思っていたわけだが、どういうわけか、二塁手には2007年に一度受賞しているプラシド・ポランコが選出されている。
どういうわけで、いまポランコなのか?
イマイチ、理解に苦しむ(苦笑)


サイズモアを脇においやった
グティエレスとアダム・ジョーンズ


ゴールドグラブの外野手部門は、クリーブランドのセンター、グレイディ・サイズモアが、2007年、2008年と連続受賞していたわけだが、WBCで怪我をした2009年は106ゲームの出場、打率.248に留まり、その座を元シアトルで、今はボルチモアのセンターを守るアダム・ジョーンズに譲った。まったくトレード要員にするなど、惜しいことをしたものだ。
アダム・ジョーンズのGG受賞について、MLB公式サイトでは、まるで守備が出来すぎるイチローの存在がジョーンズなどシアトルの若手外野手の成長にフタをしてきたような誤った書き方をしているが、他にマトモに外野を守れる人材がいなかった当時のチーム事情のためにイチローがセンターに回っていただけのことだから、イチローに非はない。単なる誤解である。またイチローはセンターでもゴールドグラバーである。
Jones' inclusion is ironic in one significant sense: For two seasons he was one of the young Seattle outfielders whose path was blocked by Ichiro. Ichiro, Hunter win ninth Gold Gloves | MLB.com: News

ゴールドグラブに選出された外野手3人のうち、イチロー以外の2人はセンタープレーヤーで、トリー・ハンターアダム・ジョーンズだが、Fielding Bible賞の選んだメジャー1センターは、現シアトルのフランクリン・グティエレスだった。
グティエレスはシアトルに移籍することで正センターとして定着できてFielding Bible賞も受賞したのだから、イチローの高すぎる才能が若手外野手のフタをしているわけがない。要は、誰が上にいようと上手くなればいい。それだけのことだ。

グティエレスは、元はといえば、クリーブランド時代、正センターのサイズモアの控えだったわけで、ある意味、アダム・ジョーンズとグティエレスの2人がかりで、サイズモアを脇役においやった形にはなった。

ではグティエレスとアダム・ジョーンズ、どちらの守備がいいか。
これは比較基準をどこに置くかによるだろう。(外野手部門では、ゴールドグラブとFielding Bibleとでは、選ぶ選手はかなり異なる。2つの賞で受賞できる守備でも天才のイチローは例外)
グティエレスは打球判断や落下点への到達スピードなど、捕球に高い才能があり、アダム・ジョーンズはグティエレスより肩がマシなのと、打撃スタッツが上回っている。

グティエレスが、イチローやバーリーのように、ゴールドグラブであろうと、Fielding Bible賞であろうと、誰からもケチのつけどころのないセンターになるには、もう少し遠投の肩の強さ、スローイングコントロールをつけることと、バッティングスタッツをもう少し改善する必要があるようには思うが、どうだろう。






November 09, 2009

シアトル・マリナーズにとっての2009シーズンは、まがりなりにもチームが貯金をし、地区順位も3位と最下位を脱したシーズンということで、「2008年に100敗したのに、翌年にここまでやれば上出来」などと、「ゆるい」評価を下したがる人間は、取材特権を失いたくないアメリカのゴマすり地元メディアや、日本のファンに大勢いる。


だが、このブログでは。そんな評価を感じたことなど「一度もない」。観客動員の上で「2009シーズンは大異変のシーズン」だと確信していたし、スタジアム動員数の危機は去っていない。

事実、下記の記事で書いたように、「平日の観客動員数でみると、本来は観客が増加すべき真夏の8月に、むしろ観客動員数が激減したことは、当然ながら大問題なのだ。
2009年の8月以降の観客動員はたいへん異常だったわけであって、平日にもかかわらず、スタジアムに足を運んでくれていた熱心なコア・ファンの厳しい視線は、生ぬるいメディアのゴマすり的判断とは違い、コネ捕手城島の出場時間増加の強硬や、プレイオフをみずから諦めるようなウオッシュバーンの放出など、シアトル・マリナーズのチームとしての失態を見逃してはくれなかった。

2009シーズンの平日ホームゲームにおける観客動員数
4月 18,154人
5月 17,777 (前月比 − 377
6月 21,370 (前月比 +3,563
7月 26,102 (前月比 +4,732
8月 20,231 (前月比 −5,871

2009年8月27日、平日月曜から木曜のスタジアムに陣取るコアな観客層が落胆し、拒絶した「2009年8月のシアトル野球」。(1)

2009年9月14日、平日月曜から木曜のスタジアムに陣取るコアな観客層が落胆し、拒絶した「2009年8月のシアトル野球」。(2)



上の記事で扱った数字は、あくまで「平日のホームゲームの観客動員数」だけだったわけだが、最近になって2009シーズンの総観客動員数が出て、さらに話は裏付けられた。
やはり、というか、2009シーズンの観客動員数は、あの不名誉きわまりないシーズン100敗の昨年2008シーズンさえ、上回ることができなかったのである。

チームは貯金し、順位こそ3位に上がったが、総観客動員数は10万人以上減少した。これは、100敗した2008年の最下位が反映して客足が遠のいたものでないことは、上の記事の平日データから明らかである。客足は2009年8月以降に急速に減少したのである。

元データSeattle Mariners Attendance, Stadiums, and Park Factors - Baseball-Reference.com
年度   順位 総動員数    1ゲームあたり動員数
2007年 2位  2,672,223  32,588
2008年 4位  2,329,702  28,762
2009年 3位  2,195,533  27,105


合理性を重んじる欧米社会にあって、打率が2割ちょっとしかないセクソンがいつまでたっても4番打者であるとか、チームのローテーション投手から拒絶され、負けに負け続けるコネ捕手城島が最悪のシーズンの翌年に3年24Mもの長期契約を結ぶとか、ともかく「マトモじゃない」ことばかり起こしてきた球団が、観客の「マトモな評価」を集められるわけがない。

いくら地域のフランチャイズチームに愛着をもつ行為が大好きなアメリカ人とはいえ、そこまでお人よしにはできてない。観客はチームの不合理きわまりない行為に対して、厳しい判断を下している。
2009年9月10日、2009年版「ニセ正捕手復帰工作」がチームに与えた大打撃、ぞして今季4度にわたるコネ捕手の大失態。


創立時以来のマリナーズ観客動員数推移グラフ


これは、球団創設以来の1ゲームあたりの観客動員数の推移。青色のジグザグの線が各年度の動員数になっている。

黄色のグラフ
2次式で表現した「近似式」である。株などをやっている人は良くわかると思う。目先の数字の変化にとらわれず、動員数の「長期傾向」を簡易に眺めるためのもの。
全体として右上がりになっていることから、この数年の単年の観客動員の減少にとらわれず長い目でみれば、増加傾向が継続していることがわかる。

赤色のグラフ 3次式の「近似式」
黄色のグラフの変数の次数を、ひとつ上げて、3次式で表現したもの。長期傾向を示す黄色のグラフよりもより短期の変化をある程度反映する曲線になる。つまり、「短期傾向」を表現する。(なお次数を4に上げても、グラフ形状はさほど変化しない。)
野球チームも、企業同様に、短期には上昇期も下降期もある。
「赤いグラフ(短期傾向)が右上がりである期間」から上昇期がわかるわけだが、1980年代末から2003年にかけての10数年、シアトルマリナーズの観客動員数は上昇期にあった

黄色のグラフと赤色のグラフの関係
「赤いグラフ(短期傾向)が、黄色のグラフ(長期傾向)を追い越した部分」から、マリナーズの動員数が、本当の意味での増加傾向に転じたのは、「90年代後半」からであることもわかる。
同様に、マリナーズの動員数の動向が、増加から減少に転じたことがハッキリしたのは、赤いグラフ(短期傾向)が、黄色のグラフ(長期傾向)さえ下回りはじめた「2006年以降」、つまり、「城島入団以降」であることもわかる。



日本の野球ファンの間では、大昔からア・リーグで最も観客動員数の多い球団は、ヤンキースやレッドソックスだと勘違いしている人が多い。

しかし実際には、天才イチロー、そして「強打の二塁手ブレット・ブーンがマリナーズに加わった2001年と、その翌年の2002年ア・リーグの総観客動員数ナンバーワンだった球団は(球場の大きさに差があるせいもあるが)350万人もの観客をスタジアムに集めたシアトル・マリナーズである。

イチロー入団後の2001年、2002年といえば、ゲームあたりの動員数をみても、2年続けて球団新記録となる4万3000人台を記録して、マリナーズは途方もない数の熱心な観客を毎試合のようにスタジアムに集め続けた。

だから、グラフ上ではなんとなくシアトルの観客が減りはじめたと一見感じられてしまいがちな2004年、2005年だが、実際には、総動員数、ゲームあたり動員数ともに、実際には90年代後半のアレックス・ロドリゲスやグリフィーなどの在籍時とほぼ同じ数字なのである。


たしかに90年代のシアトルにはランディ・ジョンソン、アレックス・ロドリゲス、グリフィー・ジュニア、エドガー・マルティネスといったスター選手が在籍していたが、1ゲームあたりの観客動員数でいうと、ようやく3万人台に乗ってア・リーグ4位になるのは、95年に初優勝して以降、90年代後半になってからの話だ。
90年代前半までは3万人台の観客動員を記録したシーズンは一度もない。なにも90年代にグリフィーがひとりでシアトルを人気球団1位にしたわけでもなんでもない。
チームとしての強さからマリナーズがメジャーで最多の観客を動員する人気球団となったのは、やはりA・ロッドやグリフィーの90年代ではなく、シーズン116勝のメジャータイ記録を達成した2001年前後である。グラフ上の数字もそれを物語っている。

輝ける2001年はもちろんイチローが驚異の新人ぶりでメジャーを驚かせ、リーグMVPをはじめ、あらゆる賞を総なめにしたシーズンだが、同じ年に出戻り加入した名二塁手ブレット・ブーン打点王、シルバースラッガー賞、この年から3年連続となるゴールドグラブ受賞で、オールスターでア・リーグの4番を打てば、エドガー・マルティネスは2000年の打点王に続き2001年はシルバースラッガー賞・最優秀指名打者賞を受賞、外野手マイク・キャメロンゴールドグラブ初受賞・オールスター初出場、またジョン・オルルッドは2000年、2002年、2003年のゴールドグラブ受賞と、2001年をピークにしたシアトル・マリナーズは観客を楽しませる要素に満ちあふれ、スタジアムではア・リーグで最も多い観客が好プレーの連続に沸きかえったのである。


シアトルの観客数に陰りが表れだしたのは、城島入団の2006年以降だが、2009年の観客動員数減少が非常に深刻なのには、2つの側面がある。

ひとつには、グロスの数字として、2009年の1ゲームあたりの観客動員数は2万7000人だが、これが「90年代前半の数字」である2万5000人規模に戻ってしまうかどうかの瀬戸際にあるということだ。

もうひとつは、傾向として、赤いグラフ(短期傾向)が、黄色いグラフ(長期傾向)と、これまでになく大きく離れて(乖離して)しまいだしていることだ。
これほどまでに、赤いグラフ(短期傾向)が黄色いグラフ(長期傾向)を下回った、つまり、長期傾向を修正する必要が出るほど観客動員数減少が大きく現れた時期は、球団創設以来、他にない。

本当は、2008年の数字も、長期と短期の乖離がこれまでになく大きかったわけだが、2009年は、2位になったにもかかわらず、乖離が2008年以上に広がった。その「底割れ感」が問題なのだ。

これからの先の傾向として、2009年がいわゆる「底」で、これから回復に向かうのであればなにも問題はない。だが、2009年以降さらに大きく低下するようだと、株価などと同じで、いわゆる「底が割れる」現象が起こりかねない。予断を許さない。



これほどまでに、バベシの悪政と「城島問題」は、シアトル・マリナーズに悪影響を及ぼした。城島を退団させるのが1年遅すぎたことは、数字の上からも明らかである。






November 06, 2009

サイ・ヤング賞はじめ、メジャーも賞の発表シーズンがやってきているが、今年1年ブログを書いてきて真っ先に思い出す他チームのプレーヤーというと、どうしても今年初めてオールスターに選出されたアーロン・ヒルベン・ゾブリスト、2人の二塁手の名前を挙げたくなる。


2005年に引退したマリナーズの名二塁手ブレット・ブーンは、ゴールドグラブを4回受賞する一方で(マリナーズで3年連続、シンシナティで1回の、計4回)、は、2001年と2003年の2度、SLG.500以上を記録し、2001年の打点王と、両方の年のシルバースラッガー賞に輝いた。(だが彼はステロイダーだ。だから評価にはまったく値しない)

いま自分の中ではあらためて「強打の二塁手」というカテゴリーが作られていて、アーロン・ヒルも、ベン・ゾブリストも、そこに分類されている。別にワールドシリーズでフィラデルフィアの「ナ・リーグ最強の強打の二塁手」チェイス・アトリーが5本もホームランを打って長打力をみせつけたから言うわけではない。
2009年にメジャーの二塁手で最も多くホームランを打ったのは、23本のアトリーでも、31本のイアン・キンズラーでもなくて、36本打ったアーロン・ヒルだし、メジャーの二塁手で最高の長打率なのは、.508のチェイス・アトリーではなくてさらに高いSLG.543を記録した、サラリーわずか40万ドルのゾブリストである。

このゾブリストの長打率.543は、メジャーでも歴史的なハイスコアである。メジャーの殿堂入りプレーヤーで、キャリア長打率.500以上を記録している二塁手はロジャー・ホーンスビーただひとりだし、その一方でキャリア.300台という低い長打率で殿堂入りした選手も、5人いる。
いかにゾブリストの.543が歴史的な高率かがわかろうというもの。ゾブリストは2009メジャー長打率ランキングでも、なみいる高額年棒の一塁手、三塁手、DHのスラッガーをおしのけて、堂々19位に入っている。
ゾブリスト、そしてアーロン・ヒルも、十分にシルバースラッガー賞を受賞する資格のある、コンテンポラリーな「強打の二塁手」である。

ブログ注:ロジャー・ホーンスビーの名前表記
「ロジャース」と表記するサイトもあるが、ある英語サイトには、下記のように経緯が記されている。要は、母の旧姓にならって表記はRogersだが、発音は、人生の大半においてRogerと呼ばれていた。このサイトでは通称の「ロジャー」を採用する。ベイブ・ルースのBabeが、本名ではなくニックネームであるのと同じように、本名に厳密にこだわる必要はない。
Hornsby’s odd first name came from his mother’s maiden name, but, despite its spelling, it was actually pronounced “Roger” for most of his life. By the time he became a famous baseball player, though, he relented at allowed its common phonetic pronunciation to be used. So whether you call him “Roger” or “Rogers,” you’re right.
The Will Leitch Experience

殿堂入り二塁手
Baseball Hall of Fame Second Basemen : A Research List by Baseball Almanac
ESPN 二塁手のバッティングデータ(Qualified)
MLB Baseball Batting Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN


二塁手というと、なんとなくディフェンシブなポジションと思いがちだ。

たしかに長打力のある内野のポジションといえば、ファースト、次にサードであり、現実に2009シーズンのMLB長打率ランキングでみると、トップ10はプーホールズ、フィルダー、デレク・リー、ハワード、モラレス、テシェイラ、ジョーイ・ボットと、ほとんどナ・リーグの一塁手ばかり。さらに11位以下に三塁手とDHがズラリと並ぶ。


だが、ちょっと待て。
このところの「二塁手の意味」は、ちょっと違ってきてやしないか?、と、思うのだ。


ア・リーグのサードやショートは打てる選手の層がとても薄くなってしまい、ディフェンシブな選手が多くなりすぎている気がする。
いま打撃を補強するなら、もともと人材の薄いポジションに金をかけて必死になるのはコストパフォーマンスが悪く、あまり意味がない。それより、金をかけるならいま層の厚い「強打の二塁手」から人材を探したほうが、よほど現実的じゃないか?という発想がある。


キャッチャーやバッテリーの話題の多いブログだから、よく名前が思い出される選手というと、意味的にシアトルの投手がよく打たれたバッターということになるわけだが、たしかに今年はアブレイユトリー・ハンターと並んで、アーロン・ヒルベン・ゾブリストの名前を、よく記事に書いた気がする。
それはそうだ。2人とも、30ホーマー100打点前後を達成してしまうような画期的な「強打の二塁手」である。

2009年9月24日、先発ゲーム4連勝のロブ・ジョンソン二塁打2四球、ヘルナンデス11三振で17勝目。サイ・ヤング賞レースに生き残る。9月8日の城島のサヨナラ負けがなければ、9月のア・リーグ月間最優秀投手はとっくにヘルナンデスに決まっていた。

2009年9月25日、6月にAロッドにインコースのストレートを5連投して勝ち越し2ランを浴びて負けたシーンをまざまざと思い出させるフィスターのチェンジアップ3連投から、好調アーロン・ヒルに2ランを浴びて完封負け。

2009年9月27日、コネ捕手城島、先発マスク3連敗。「1球ごとに外、内。左右に投げ分ける」ただそれだけの素晴らしく寒いリードで、トロント戦8回裏、期待どおりの逆転負け(笑)ローランド・スミス、自責点5。

2009年4月21日、ロブ・ジョンソンは逆転2点タイムリー3ベースでウオッシュバーンに3勝目をプレゼントした。

2009年4月23日、ロブ・ジョンソンは完封勝ちでメジャーNo.1のCERAを継続した。


秋ともなると全米の電子メディアでも、日本でいうベストナインが発表になっているらしいが、真っ先に目がいったのは「二塁手」の名前だ。アーロン・ヒル、ゾブリストといった、今年このブログでは馴染みの二塁手たちの名前があるかどうかが気になった。
ちなみに各メディアのア・リーグベストナイン2009の「二塁手」はこうなっているらしい。

アーロン・ヒル ESPN、Sporting News、The Baseball Encyclopedia
ベン・ゾブリスト Elias、Inside Edge
イアン・キンズラー CBS

ア・リーグの二塁手はいま、とても層が厚い。子供と爆睡していた岩村がいつのまにかパイレーツに出されてしまうほどだ。とにかく打てる選手が揃っている。
2009年版「強打の二塁手」御三家は、36ホームラン108打点のアーロン・ヒル、27本91打点のゾブリストと、そして3人目は(ちょっとチョイスが難しいが)、31本86打点31盗塁で、30-30クラブ入りを達成したのイアン・キンズラーか、25本85打点で長打率のいいロビンソン・カノーか、ということになったが、ほかにも、2008年リーグMVPペドロイア、25本96打点の我らがホセ・ロペス、16本30盗塁のブライアン・ロバーツ、さらにカラスポポランコと、好打者が揃っている。
(追記:ポランコが11月6日付けで、タイガースをFAになった。タイプA。Tigers face big free-agency decisions | tigers.com: News

ナ・リーグにも、チェイス・アトリー以外に、31本90打点のアグラ、20本98打点25盗塁のブランドン・フィリップス、23本のバーンズプラド、などの役者がいる。Late Bloomer、つまり遅咲きといわれるゾブリストが「強打の二塁手」に加わったことで、メジャー全体の「強打の二塁手」の層はますます厚くなるばかりだ。


ちなみに、アーロン・ヒルは1982年生まれの27歳。まさに「1983年世代」にいるプレーヤーである。
ほかに「強打の二塁手」の「1983年世代」というと、27歳のカノー、キンズラー、26歳のペドロイア、カラスポ、プラド、25歳のホセ・ロペスと、好打者が揃う。キャッチャー同様、二塁手でも「1983年世代」はメジャーで幅をきかせつつある。

2009年11月2日、「MLBキャッチャー世代論」1:堅守を基礎にした「1983年生まれ、26歳世代」の台頭が引き起こす大きなキャッチャー世代交代の波。

2009年11月3日、「MLBキャッチャー世代論」2:古いキャッチャーイメージを淘汰する「1983年世代」の新しいキャッチャーイメージ。

脳内GMごっこは嫌いだが、もし誰かに一番獲りたい成長株の選手は?と聞かれたら、他の誰よりも先に「ゾブリスト」と答えたい。たった40万ドルで彼を保有できるタンパベイが非常にうらやましい。ホセ・ロペスをサードにコンバートしてでも獲りたい選手だ。

上でも書いたが、サードやショートは打てる選手の層が薄くなりすぎている。むしろ打線補強の人材は、層の厚い「強打の二塁手」にこそ宝が眠っている、と思う。

サードもできるアダム・ケネディも悪くない。一度「ジャック・ウィルソンなんかより、よほどケネディのほうがいい」とブログに書いたことがある(下記リンク)。2009年は、11本63打点、.286。三振が多めなのは気になるが、打率がいいし、なにより45四球選んでいるのがいい。いい人材が多い今の時代には、ちょっと他のセカンドプレーヤーよりは落ちるが、LAAに在籍していた選手だし、とにかく頭を使って野球のできるクレバーな選手だと思う。

Adam Kennedy Stats, News, Photos - Oakland Athletics - ESPN

Adam Kennedy » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball

Ben Zobrist’s WAR | FanGraphs Baseball

メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(6)実証:アダム・ムーアの場合






November 05, 2009

終わってみれば、フィリーズは本当にもったいないことをした。

クリフ・リーがワールドシリーズ2勝目を挙げた第5戦で、楽勝のはずのゲーム終盤の点のとられ方がよくなく、ヤンキースに、これはニューヨークに帰りさえすれば勝てる、と思わせたのは残念と書いたが、やはりそのとおりになってしまった。

第7戦でヤンキースをみたび青ざめさせるクリフ・リーを見たかった。

"I expect to be back here next year," Lee said. "There's no reason why we shouldn't be." 「来年ここに戻ってくるつもりだ。そうできない理由など、何もない」(クリフ・リー)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年11月2日、クリフ・リー、ワールドシリーズ第5戦での「ゆるい」2勝目。

Philadelphia vs. NY Yankees - November 4, 2009 | MLB.com: Gameday

Boxscore: Philadelphia vs. NY Yankees - November 4, 2009 | MLB.com: News

まとめて言うなら、フィリーズは結局「ヤンキーススタジアムを理解しそこねた」。


まず、第6戦のフィリーズ打線は、「ボールを見ていく」というミスを犯したように思う。
ぶっちゃけヤンキーススタジアムは、「振って、放り込んでなんぼ」のスタジアムだ。今日のライアン・ハワードの2ランホームランも、セーフコなら間違いなくホームランにはならない。外野手の守備も軒並み上手くない、思い切りバットを振ればいい球場なのに、フィリーズ打線は振ってこないのだから、見ていてまるで怖さを感じないのだ。

ペティットを早めに降ろしたいという意図でもあったのかもしれないが、もどかしいくらいバットを振らなかった。四球数が多かったのもそのためだと思うし、けして誉められた作戦ではないと思う。
終盤にハーフスイングの三振が目立ったように、三振するにしても積極性が出た三振ではなく、打ってヒットする、長打をもぎとる、という感じが伝わってこないのでは、いくらヤンキースのセットアッパーがしょっぱいといえど、投手は怖さを感じなかったと思う。


点がとれるのはチェイス・アトリーとイバニェスのバットしかないと思ってゲームを見ていたが、今日のアトリーは何かが変だった。積極性がなく、甘い球を見逃した。
特に7回表の2死1、2塁での彼は、2球目の真ん中に入ってきた甘いカーブになんの反応もせず、3球目のクゾボールのスライダーをいつもの彼らしくないハーフスイングをして3球三振。本当に痛かった。
だが、もっといけないのは5番のワースだろう。2四球選んではいるわけだが、結局ゲームが佳境に入った6回、8回に2三振して、ゲームセットのムードを作る原因になった。ともかく、どういうわけか、まるでバットを振らない。特にプレイオフレコードの13三振を記録していた4番ライアン・ハワードに待望のホームランが出た6回の追い上げムードの場面での見逃し三振は、もしかすると、と思わせたチームのムードを一気に冷えさせた。

結局長打でじわじわ得点を稼いでくるバッティングのNYYを相手にした、ヒヒッターズパークのヤンキーススタジアムのゲームでは、先発投手がクリフ・リーででもないのなら、当然打撃戦になる。狭い球場だし、凡退を恐れずに積極的にバットを振っていくべきだったと思う。
なにせ新ヤンキーススタジアムは、東京ドームのつぶれた形の右中間左中間と同様、右中間フェンスの膨らみがないと言われている球場だ。
ビジターがあまりにボールを見すぎても、結局意味がなかった。


もうひとつは打順の問題
特に、今日2本の二塁打を売ったイバニェスの打順がいけない。

2009ワールドシリーズでのフィリーズ打線に限っていうと、
.280以上打っているのは、わずか3人しかいない。長打の大半も、この3人が打っている。打順に注目してもらいたい。(順序は打率順)

9番ルイス   .333 ホームラン1 二塁打2
6番イバニェス .304 ホームラン1 二塁打4
3番アトリー  .286 ホームラン5 二塁打1

2009ワールドシリーズにおける
フィリーズ打線の打撃スタッツ

Philadelphia Phillies Stats ― Sortable Statistics | phillies.com: Stats


打てるバッターの打順が、3、6、9と、きれいに3人ずつ離れている。
また、2番、4番、7番と、打率1割台と不調のバッターが、打てる3,6、9の間に、ちょうどそれぞれ挟まってしまっていて、打線が切れ切れになっている。

これでは効率よく点が入るわけがない。


打順を組み替えるべきだった。
キャッチャーのルイスはまぁともかく、動かそうと思えば打順を動かせるイバニェスは、今シーズン一時は上位打線を打っていたわけだし、6番に置きっぱなしは、あまりにもったいなさすぎた。短期決戦では、実績より、その日、そのときに調子のいい選手を使う、という鉄則にはずれている。

あと、細かいことを言えば、負ければ終わりというゲームなのだし、ペドロ・マルチネスの見切りの遅さ、パク・チャンホの投入のタイミングの遅さなどなど、監督チャーリー・マニュエルの後手後手に回る投手交代もよくなかった。



それにしても、イバニェスの今日の8回表の二塁打は本当に素晴らしかった。
ファウルを5球打って、9球目まで粘り、センターの頭を越した。イバニェスは元々がア・リーグのシアトルにいたから、ヤンキーススタジアムの特性も、あの場面で自分に求められている役割もよく頭に入っている。この場面、この球場では、ボールを見るよりバットを振って大きなチャンスのきかっけにならなければという彼らしい使命感とア・リーグでの経験が、あの粘りになっていたのだと思う。


長い2009シーズンがこれで終わった。
シアトルにとってひさびさの城島のいない
記念すべき2010シーズンが始まった。







November 04, 2009

2009MLBキャッチャーの年齢別分布

メジャーのキャッチャーの年齢分布図(2009)
クリックすると拡大します

Fielding Bible賞2009でトップ10を占めるキャッチャーたちは、もちろん守備の良さを表彰されているわけだが、Fielding Bibleの考える「守備の良さ」とは、いったい守備のどんな面を評価対象にしているのか、それを考えずに、表彰結果だけを見て自分のご贔屓選手がランキングに入った、入ったと、手を叩いて喜んでいてもしょうがない。


「失点しない能力」の重要性

Fielding Bible賞トップ10には、ラッセル・マーティンロブ・ジョンソンはじめ、メジャーでも達成人数が毎年たいへん限られるCERA3点台の「失点しないキャッチャー」たちが多数選ばれている。
では、Fielding Bibleが、彼らの「失点しない能力」を評価しているのか。また評価しているとすれば、どういう指標を使ってそれを判断しているのか。たいへん知りたい部分だが、残念ながら詳細はいまのところ不明だ。

だが少なくとも、マーティンやジョンソンのような、バッティングはたいしたことがないが防御率のいいキャッチャーがトップ10に選ばれる一方で、ビクター・マルチネスや、ワールドシリーズに出ているポサダのような、打撃はいいが、CERA5点台、つまり失点がむやみと多いキャッチャーについては賞のランキングに入れるどころか、1ポイントすら与えていないことは、バッティング要素を排除してキャッチャーの守備を評価しようとするFielding Bibleの主張としては、整合性がある。

なぜなら、そもそも彼らがゴールドグラブに疑問をもち、Fielding Bible賞を創設した理由のひとつは「ゴールドグラブは守備の賞のはずなのに、多少なりとも打撃成績を加味して評価されてしまっている」ことだから、お世辞にも守備がいいとはいえないビクター・マルチネスやポサダを選んでいては、たいへんおかしなことになるわけで、当然いえば当然だ。
これは言い方を変えれば、
「あまりにも失点を防げないキャッチャーを打撃面とのバーターでうめあわせて守備評価するなど、とんでもない間違い」

という意味になるし、もう一歩すすめて、奥にある意識を探るならば
「キャッチャーは失点を防ぐべきポジション」
「もうこれからは失点を防げないキャッチャーを高評価すべきではない」

という時代感覚なのではないかと思う。
(逆にいえば、打撃のいいジョー・マウアーがFielding Bible賞キャッチャー部門3位にもなっているのは、「1983年世代」のマウアーが、たとえ打撃力がまったく加味されなくても、十分に評価に値する高い守備力を持っている、という意味になる)

だから少なくとも、Fielding Bibleは「失点しないこと」を守備評価の指針のひとつとして、かなり重視して賞を選考しているはずだと考える。そうでなければ、Fielding Bibleがロブ・ジョンソンを9位に選んだ理由もみえてこない。
打撃が優れているというだけで投手を炎上させてばかりいるキャッチャーや、肩がいいという理由だけで5失点以上するキャッチャーを賞に選んでいては、Fielding Bibleもゴールドグラブとかわらなくなる。


古い攻撃型キャッチャーイメージ
というか、ただの都市伝説


30歳以上でメジャー正捕手に踏みとどまっているキャッチャーの代表格といえば、やはり「攻撃型」キャッチャーになる。ビクター・マルチネス、ホルヘ・ポサダ、イヴァン・ロドリゲスといったタイプであり、防御率の悪さ、リードの下手さを、バッティングでなんとか帳消しにしてきた。シアトルを退団した城島も、まさにこのタイプだ。

かつての「古い」メジャーのキャッチャー像は、こうした攻撃型キャッチャーのイメージ(というか勝手な想像)に大半を依存してきた。
実際には色々なタイプがいるにもかかわらず、日本のプロ野球ファンが想像するメジャーのキャッチャー像の原型は、ほんの数人のよく知られた攻撃型キャッチャーが元になっている、ということだ。そして、いまだにそれを鵜呑みにしたまま、あらゆる世代のキャッチャーを「古い」視点から語ってしまってる人も多い。
「メジャーのキャッチャーはバッティングさえよければ、守備はイマイチでもいい。CERAなど関係ない。キャッチャーはパスボールさえしなければ、壁でいい。肩は強いにこしたことはないが、必須条件ではない」
どれもよく聞く話ではあるが、これは実は、ひと時代前の、ほんの数人の攻撃型有名キャッチャーのイメージが原型になっている。擦り切れた昔のイメージだけで、いまのメジャーのキャッチャー像全体を語るのは、いい加減やめにしてもらいたいものだ。

もちろん城島はまさにこの「古いキャッチャーイメージ」にきっちりあてはまる。しかも、打てるならまだしも、「まったく打てないポサダが、ポサダ並みに金をとる」のだから、始末が悪い。日本の野球をメジャーにもちこむどころか、むしろ城島はもともと、古いタイプの攻撃型キャッチャーの、しかも壊れた中古品といったところだった。

30代のキャッチャーには、攻撃型だけが存在しているわけではなく、打撃はイマイチだが守備的、と「いわれる」プレーヤーも少なくない。
だが、実際、彼らの守備はどうだろう。
CERAランキングからみると、CERAで傑出している30代キャッチャーは、ボストンのバリテックくらいで、あとはほとんど4点台。また、Fielding Bible賞2009の上位にも、31歳を超えるキャッチャーはロッド・バラハスくらいしかいない。30代の守備的と「いわれる」キャッチャーには、打撃評価を加味しない守備評価を目指すFielding Bibleが高評価を与えるような、完全守備的キャッチャーはほとんどみあたらないのである。
言い方を変えると、守備的といわれる30代キャッチャーは、ある意味、打撃がネガティブだからしかたなく守備的と分類されているだけなわけで、26歳のナ・リーグを代表するキャッチャー、ラッセル・マーティンや、シアトルのロブ・ジョンソンのように、守備の良さをポジティブに評価されてプレートをまかされているわけではないタイプが大半だと思う。

ロブ・ジョンソンは、日本のファンが思っている以上に、画期的なキャッチャーなのだ。


「1983年世代」の台頭によって形成されつつある
メジャー新世代のキャッチャーイメージ


Fielding Bibleが絶賛する守備力で他のキャッチャーを寄せ付けないハイスコアを叩き出し、ダントツのポイント数でキャッチャー部門1位を獲得したヤディア・モリーナは、CERA3点台で、強肩のキャッチャーとしても知られている。
だが、もし彼が「強肩なだけの、CERA5点台のキャッチャー」だったとしたら、Fielding Bibleは彼をキャッチャー部門のダントツ1位に推しただろうか?
数字大好き、総合的な分析好きの彼らのことだから、それはないと、断言していいと思う。

2009年首位打者にして地区優勝を果たし、ア・リーグMVP候補で、Fielding Bible賞3位と、攻守のバランスのとれたジョー・マウアー。規定イニングに到達したMLB捕手ではメジャー最高CERAを記録し、チームを地区優勝に導いたラッセル・マーティン。Fielding Bible賞キャッチャー部門9位で、ア・リーグ最高CERAを叩き出した我らがロブ・ジョンソン。地区優勝した強豪LAAで、同僚マイク・ナポリに比べ守備的といわれ、CERAのいいジェフ・マシス、あるいはチームの3番打者で、攻守のバランスのとれた守備評価も高いカート・スズキ。ナ・リーグオールスター捕手で、シルバースラッガー賞2回の4番打者、CERAも3点台のブライアン・マッキャン

「1983年世代」の新世代キャッチャーたちに共通する基盤、基礎能力は、「バッティングさえよければ、守備力はイマイチでもいい」という、古いキャッチャー像ではとらえきれない。
Fielding Bibleが彼らをどう評価するか知らないが、彼ら1983年世代がプレーヤーとして位置を固めつつある基礎はむしろ、「守備能力の優秀さ」にある。

「1983年世代」の守備力の意味は、ゴールドグラブ的な「単にエラー数が少ないだけ」とか、城島のような「他の能力はダメで、肩が強いだけ」というような、ひとつの指標だけでとらえられる単純なものではなく、「1983年世代」の防御率の良さからわかるように、総合的な失点を抑えられる守備能力にある。
今年からFielding Bibleは、キャッチャーがボールを後逸しない数値を計測しはじめたが、これは「ランナーの進塁を抑える能力として重要だから」カウントしはじめたことを、彼らも明言している。
つまり、これは「失点につながるシチュエーションを増やさない」という守備的意味あいを彼らが重要視している証拠なわけだ。
彼らは、ゴールドグラブ的にエラー数で表彰するプレーヤーを決めるために、パスボールを計測しているわけではない。
このブログがCERAを失点を抑える能力の表現として評価するのも、投手の防御率がそうであるように、守備能力のひとつの断面を数値化した数字でなく、リード面を含めた総合的な失点防止能力としての「トータルな結果」を示す数少ない数字のひとつと考えるだからだ。

「1983年世代」は、「失点しない守備力をベースにした新しいメジャーのキャッチャー像」を担う世代として、優れたキャッチャーを一斉に輩出しつつある。
彼ら「1983年世代」の新世代の守備的キャッチャー群は、いまや攻撃型キャッチャーに率いられた旧世代のキャッチャーたちをおしのけつつて台頭してきつつある。



古いキャッチャーイメージの攻撃型キャッチャーで、しかも中途半端なレベルでしかない城島が、当時25歳だった元・全米大学No.1キャッチャーのクレメントに正捕手を譲り、26歳のロブ・ジョンソンに敗れ、さらに25歳のアダム・ムーアにさえ敗れたのは、こうしてみると当然のことだ。

城島が年齢的な限界にあったのは、最初に挙げたグラフでわかるとおり。コネでもないかぎり、33歳という年齢を越えてメジャーで生き残れるキャッチャーは、攻撃型であれ、守備的であれ、ほんの一握りの有名選手のみだ。
打撃能力はスカウティングを越えていけず、あの程度の打撃能力では攻撃型キャッチャーとして生き残れない。かといって、単にエラーが少ないだけでない新世代の「失点しない総合守備能力」という意味での守備能力はメジャー移籍以来まったく改善されないまま。これではメジャーで台頭しつつある若い守備的キャッチャーに劣る評価しかされないのは当然だ。
城島はメジャー全体のキャッチャーイメージが、1983年世代の若いキャッチャーたちによって古い攻撃型イメージから脱皮して、違うステップを歩みはじめたことにまったく気がつかなかった。これでは、メジャーにいられなくなるもの当然である。






November 03, 2009

先日紹介したFielding Bible賞2009のキャッチャー部門のトップ20のプレーヤーのプロフィールを眺めていて、不思議なことに気がついた。

キャッチャー部門ベスト10に入ったプレーヤーの半分、5人のキャッチャーが、1983年生まれ、「26歳」なのである。

ベスト20に話を広げると、この「26歳世代、1983年生まれのキャッチャー」は、さらにミゲル・モンテーロクリス・アイアネッタの2人が加わり、合計7人になる。この「7人の侍」ともいうべき7人の1983年生まれのキャッチャーたちにさらに、前後1歳の幅をみて、「25歳」「27歳」のキャッチャーも加えてみると、Fielding Bible賞ダントツ1位のヤディア・モリーナと、ナ・リーグオールスターに出たブライアン・マッキャンという、とてもイキのいい捕手たちが入って、25歳から27歳までの若手有力キャッチャー合計9人の、今のMLBを代表する若手キャッチャー軍団になり、Fielding Bible賞2009のほぼ半分は、彼らが占めている。つまり、メジャーで守備のいいキャッチャーの半分は、26歳前後の若いキャッチャーたちだ、ということだ。

これはなにかの偶然なのだろうか。

ちなみに、2009シーズンのシアトルでいうと、シーズン途中にピッツバーグにトレードされてしまったジェフ・クレメント、そして正捕手の座を獲得したロブ・ジョンソンが、ともに26歳、アダム・ムーアが25歳、キロス27歳で、退団した城島を除く若いキャッチャーたちはピッタリ「26歳世代」中心になっていた。
また、2009シーズンのア・リーグ西地区でいうと、ロブ・ジョンソン(SEA)、カート・スズキ(OAK)、ジェフ・マシス(LAA)と、3チームの正捕手が全員、まさに1歳の狂いもなく「1983年生まれ」で「26歳」である。

2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。

2009 Major League Baseball Catcher - Baseball-Reference.com


2009年Fielding Bible賞
上位20人の名前・年齢・CERA・生年月日


1位〜10位
ヤディア・モリーナ   27 3.48 July 13, 1982
ジェラルド・レアード  29 4.26
ジョー・マウアー    26 4.32 April 19, 1983
ラッセル・マーティン  26 3.37 February 15, 1983
カート・スズキ     26 4.24 October 4, 1983
カルロス・ルイーズ  30 4.00
ジェフ・マシス     26 3.99 March 31, 1983
コイ・ヒル        30 3.69
ロブ・ジョンソン   26 3.22 July 22, 1983
ロッド・バラハス    34 4.28

11位〜20位
ジェイソン・バリテック 37 3.87
イヴァン・ロドリゲス  37 4.59
ミゲル・モンテーロ   26 4.11 July 9, 1983
ライアン・ハニガン   29 4.29
ベンジー・モリーナ   35 3.74
マイク・ナポリ      28 4.89
ブライアン・マッキャン 25 3.66 February 20, 1984
ジェイソン・ケンドール 35 4.98
クリス・アイアネッタ  26 4.23 April 8, 1983
A.J.ピアジンスキー  32 4.10
ケリー・ショパック    29 4.67


いったいいまメジャーに「26歳のキャッチャー」は何人くらいいるだろう。今年メジャーでキャッチャーとしてプレイした選手たちの年齢を一覧として調べられるサイトはないか、探してみた。
2009 Major League Baseball Catcher - Baseball-Reference.com
これは超有名MLBデータサイトBaseball Referenceのリンクだが、下のほうにあるPlayer Standard Fielding--Cという表で、凡例のAgeをクリックすると、プレーヤーを年齢別にソート(一括して並べなおす)することができた。(プレーヤーによっては、移籍により複数項目をもっているので注意が必要)
この表によると、キャッチャーの年齢層は下記のような分布になっている。

2009MLBキャッチャーの年齢別分布

メジャーのキャッチャーの年齢分布図(2009)
クリックすると拡大します

22歳 4人     32歳 6人
23歳 4人     33歳 8人
24歳 4人     34歳 3人
25歳 13人     35歳 2人
26歳 17人    36歳 2人
27歳 6人     37歳 6人
28歳 11人     38歳 2人   
29歳 6人
30歳 8人     40歳 1人
31歳 4人

理由はわからないが、キャッチャーの年齢別分布は均一に各年齢のプレーヤーがほぼ同数に分布しているのではなく、むしろ、特定の年齢に偏って、大きく波を打っていることがわかる。
年齢の偏る「中心世代」というのは、ほぼ4年おきのリズムで出現しており、「26歳」「30歳」「33歳」「37歳」、生まれた年代でいうと、1983年、1979年、1976年、1972年が、それぞれの中心世代、ということになる。

なかでも、シアトルのロブ・ジョンソンの属するクールな1983年生まれ、26歳世代」は、いま最も勢いがあるキャッチャーたちの大半が属すMLBのキャッチャー中心世代となりつつある。



世代別・代表的プレーヤー

「26歳世代」 1983年前後生まれ
ヤディア・モリーナ   27 3.48 July 13, 1982
ジョー・マウアー    26 4.32 April 19, 1983
ラッセル・マーティン  26 3.37 February 15, 1983
カート・スズキ     26 4.24 October 4, 1983
ジェフ・マシス     26 3.99 March 31, 1983
ロブ・ジョンソン   26 3.22 July 22, 1983
ジェフ・クレメント   26     August 21, 1983
ミゲル・モンテーロ   26 4.11 July 9, 1983
クリス・アイアネッタ  26 4.23 April 8, 1983
ブライアン・マッキャン 25 3.66 February 20, 1984
シアトルがピッツバーグに放出してしまったジェフ・クレメントも、1983年生まれ、26歳。他に、カブスのソト、ボストンのコタラスなども、この世代。
「1983年世代」
は明らかにいまやMLBのキャッチャーの中心世代となりつつある。彼らの特徴は、「性格的な落ち着き」だろう。かつてスモルツの専属捕手をつとめていたブライアン・マッキャンを評してスモルツは「若いのに彼ほど落ち着いたキャッチャーは初めて」と言ったという。
この「落ち着き」という世代的特徴は、ロブ・ジョンソン、ジョー・マウアー、ラッセル・マーティン、どの「1983年世代」のキャッチャーにも共通してあてはまる。ピアジンスキー、城島の「1976年世代」のような、熱くなりやすいタイプはほとんどいない。
Fielding Bible賞2009のベスト20の半分を「1983年世代」が占めるが、守備がいい選手が揃ってている理由のひとつが、この「性格的な落ち着き」にあるのかもしれない。
この世代には、打撃も素晴らしく若手ながらチームのクリンアップを打ち、CERAも優れた「バランスタイプ」(マウアー、マッキャン、スズキなど)、守備力がずば抜けていると定評のある「スーパー・ディフェンシブ」(モリーナ、マーティン、ロブ・ジョンソンなど)、さまざまなタイプがいるが、いずれにしてもいま一番イキのいいMLBキャッチャーたちの大半がズラリと名前を揃えているといえる。

「30歳世代」 1979年前後生まれ
ジェラルド・レアード  29 4.26
カルロス・ルイーズ   30 4.00
コイ・ヒル        30 3.69
ライアン・ハニガン   29 4.29
ケリー・ショパック   29 4.67
他に、ビクター・マルチネスミゲル・オリーボジョシュ・バード、かつてシアトルにいたヨービット・トレアルバなど。
「地味」というのが特徴の「1979年世代」。ビクター・マルチネスを除くと、職人肌の地味なキャッチャーが多いような気がする。バッティングはいまひとつ。地味と守備的とは意味が違うわけで、彼らのCERAはそれほどよくはない。

「33歳世代」 1976年前後生まれ
A.J.ピアジンスキー   32 4.10
ロッド・バラハス     34 4.28
他に、城島ホセ・モリーナマイケル・バレットなど。
ピアジンスキー、城島と、「熱くなりやすい」のが、まさにこの「1976年生まれ、33歳世代」のキャッチャーの特徴。クールな「1983年世代」と、まさに対照的。そして「急成長を続ける26歳世代」の重圧が、最ものしかかり、今まさに「おいやられつつある」のが、この世代である。
シアトルの城島は、「1983年世代」ロブ・ジョンソンに追い越されてメジャーのキャリアをあきらめた。ピアジンスキーがミネソタからサンフランシスコに移籍させられたのも、「1983年世代」のジョー・マウアーに席をあけるためだった。「後ろから押され、隅においやられる」時代に入っている「33歳世代」の彼らだが、今後もずっとキャッチャーを続けられるかどうか。上の「37歳世代」のように名前でチームに残れる超有名選手にでもならないかぎり、難しいかもしれない。

「37歳世代」 1972年前後生まれ
ジェイソン・バリテック 37 3.87
イヴァン・ロドリゲス  37 4.59
他に、ホルヘ・ポサダジェイミー・バークもここ。
長年MLBでキャッチャーとしてメシを食ってきて、いまも生き残っているベテラン捕手たちのカテゴリー。全盛期と比べ、衰えは隠せない。チームでは、若手を育てる準備、あるいは他チームから若いキャッチャーを獲得、導入する準備が進んでいる。






シアトルの公式サイトのライターJim Streetによる電話インタビュー(きっとウオッシュバーンは、カルフォルニアで手術した膝のリハリビでもしているか、故郷のウィスコンシンで両親と一緒にいるか、フロリダあたりの暖かい土地で膝をいたわりながらのんびり釣りでもしているか、どれかだろう)によると、近々FAになる予定のウオッシュバーンは、「シアトルが移籍希望先リストのトップ」と明確に語っていて、どうやら古巣シアトルへの帰還に強い希望を持ってくれているらしい。

インタビューでウオッシュバーンは「あと4年もプレーしようとは思わない」と、意味深な発言もしている。これは言外に、次の所属球団が彼の最後のキャリアになる可能性が高いことや、シアトルとの間で3年とか4年とかいう長期の複数年契約がなくとも契約してもいいよ、というような意味のことを暗に示したかったのではないか、と思う。


Washburn, eligible for free agency for the second time in his career, isn't sure where he will pitch next season, but said, "Seattle definitely is toward the top of my list.
キャリア2度目となるFA資格を得るウォッシュバーンは、来シーズンどこで投げるか不明だが、彼自身は「シアトルは確実に僕の移籍リストのトップにある」と語った。(後略)

A healthy Washburn ready for 2010 | Mariners.com: News

記事によれば、ルール上、ワールドシリーズの最終戦が終わってから15日間はデトロイト・タイガースがウオッシュバーンとの優先交渉権を持っているが、デトロイトは契約延長交渉を行わないだろうということなので、ウオッシュバーンはFAになる模様だ。
「城島問題」という、これまでチーム内を歪ませてきた問題が解決した以上、ウオッシュバーンはぜひシアトルに戻って、ロブ・ジョンソンとのバッテリーを復活してもらいたいものだ。
シアトルであれ、どこであれ、ウオッシュバーンとの契約する上での問題のひとつは彼の膝のケガの具合だが、これについて彼自身は何も問題ないし、スプリング・トレーニングには間に合う、というようなことを、このインタビューで言っている。



上の記事を書いたJim Streetは、シアトル公式サイトのライターだが、もともとロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの交流を暖かい目線で書いてきた人物のひとり。(「暖かい」というのも、ウオッシュバーンの放出を必死に煽りたてた現地メディアもあったため)
ウオッシュバーンが7月末に突如デトロイトに移籍させられてしまったあと、8月になってデトロイトとシアトルというカードがやってきたわけだが、このときもJim Streetは、「ドルフィン」を投げてもらいたいと語るロブ・ジョンソンと、ウオッシュバーンのユーモラスな対決を期待するハートウォーミングな記事を書いてみせた。
実際には、監督ワカマツが城島を起用して、旧バッテリー対決は実現しなかったわけだが、2人の「再会」が実現しなかったことをいぶかしがる記事すら自分個人のブログに掲載したほど。
今回の記事タイトルも、
A healthy Washburn ready for 2010
Free-agent lefty would welcome return to Mariners
(ウオッシュバーン、2010年に向け体調万全、準備上々)
 FA左腕復帰を歓迎するマリナーズ)

と、あたかも、もうウオッシュバーンのシアトル復帰がほぼ決まっているかのような盛り上げっぷりだ(笑)

ロブ・ジョンソンとウオッシュバーンが共同作業で開発した
「ドルフィン」という球種についてのブログ記事

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:『ドルフィン』 by ウオッシュバーン&ロブ・ジョンソン

Jim Streetの書いた記事についてのブログコンテンツ
2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。

2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。 →だが無粋なチームの監督さんがスタメンマスクに選んだのは、なぜか「城島」 →最悪の「サヨナラ負け」(失笑)

ウオッシュバーン移籍に関する他のメディアの記事
Mack Avenue Tigers - Detroit Tigers blog - Jarrod Washburn wouldn't mind returning to Seattle






ストライクをストライクととってくれないアンパイアに終始苦しんだクリフ・リーが、ある意味予定通りのワールドシリーズ2勝目を挙げるには挙げたのだが、なんとも締まらない幕切れ。8回裏にやすやすと3点をとられて降板し、自責点は合計5点になってしまったのはいただけない。ワールドシリーズ第1戦の、あの高いテンションが今日はなかった。

何が冷静なクリフ・リーを切れさせたのだろう?

ピンチとはいえ6点差で続投させてもらえなかったことが不満だったというのは、あたらない。8回最初のバッターへの投球からして、理由はわからないのだが、クリフ・リーの内側の何かがプツンと切れていた。アンパイアへの不満というわけでもないと思うし、よくわからない。

フィラデルフィアにとってはニューヨークでの連戦に暗雲の漂う勝ちになってしまった。

ラウル・イバニェスがタイムリーとソロ・ホームラン。さすが。彼のバットが火を噴かないと、ちょっと逆転優勝はむつかしいだけに、その点は期待がもてる。
NY Yankees vs. Philadelphia - November 2, 2009 | MLB.com: Gameday

ワールドシリーズに限らず、こういうアンパイアのストライクゾーンが異常に辛いゲーム、というのはレギュラーシーズンでも、たまにある。片方のチームにだけ辛いならブーイングものだが、今日のアンパイアは両方のチームに辛かった。低めをはじめ、きわどいボールがかなりボール判定されていた。あれではバッテリーもきつい。

クリフ・リー側からみていくと、もしアンパイアのコールがほんのちょっとでも緩ければどんどん三振がとれていたはずで、第一戦同様、三振をバシバシ奪うパターンに持ち込めただろう。だが、今日のアンパイアではそれは無理だった。
そこで、クリフ・リーは高めの球を使うことに頭を切り替え、フライを打たせる作戦に切り替え、7回までは安心して見ていられた。

一方、ヤンキースの先発バーネットも、かなりの球をアンパイアにストライクをボール判定されて苦しんでいたわけだが、バーネットはクリフ・リーと違って、厳しい判定をこらえる精神的なタフネスも、別の配球パターンに切り替える技術や引き出し、球威も足りず、結局、ストライクをとりにいったコントロールが甘い高めのストレートをフィラデルフィア打線に狙い打ちされ、好調チェイス・アトリーなどにつかまってしまった。

2人の投手の「度量の差」が結果に出たゲームだった。


とは、いうものの。
今日のゲームは、誰が考えても、本来フィラデルフィアが最後まで楽勝ムードを維持して、ヤンキースを気分的にブルーにさせたまま終わらなければならなかったゲームのはず。
それが、最後の8回9回で結局4点もあっけなく与えてしまい、ヤンキース側からすれば、「ああ、これはニューヨークに帰れば、間違いなく勝てる」と余裕をもたれてしまった感じ。
第6戦、第7戦はフィラデルフィアの先発投手がどうみても不安。楽勝ムードをゲーム後に残せなかったのが、非常にもったいない。

クリフ・リーも、サバシアも、もう先発できないわけだから、とりあえずはペドロ・マルチネスとペティットの力の差がどれだけあるかにかかってきた。



November 01, 2009

シアトルの地元紙Seattle Times紙がこの数年おいかけているサイトに、Fielding Bibleがある。「守備の殿堂」、とでも訳せばいいだろうか。
このFielding Bibleが、「Fielding Bible賞2009」を発表したことを、Seattle Times紙で知った。ありがとう、Seattle Times。

2009年の「Fielding Bible賞」は以下のとおりになった。シアトルから3人も、この「守備のベストナイン」に選ばれている。

1B Albert Pujols, St. Louis
2B Aaron Hill, Toronto
3B Ryan Zimmerman, Washington
SS Jack Wilson, Pittsburgh and Seattle
LF Carl Crawford, Tampa Bay
CF Franklin Gutierrez, Seattle
RF Ichiro Suzuki, Seattle
C  Yadier Molina, St. Louis
P  Mark Buehrle, Chicago


Mariners Blog | Mariners clean up in 2009 Fielding Bible Awards | Seattle Times Newspaper

Fielding Bible ホーム

Fielding Bible賞2009 全投票者と、その投票内容

なのに、あのマイナスの得失点差というのだから、いかにコネ捕手城島の存在が多くの失点を招く最悪なものだったか。そしてシアトルのチーム・オフェンスがいかに無力だったか。痛感させられる。
どんなに投手や守備に金をかけようと、城島がいては「ザル」だった。本当に日本に帰ってくれてよかった。2009年「Fielding Bible賞」捕手ランキングには、城島は名前すら存在しない。

さて、コネ捕手城島がメジャーから去らなければならなくなった一方で、ロブ・ジョンソンは、キャッチャー部門でトータル17ポイントを獲得し、9位にランクインした。とりわけロブ・ジョンソンを大きく評価したのは、サイバーメトリクス創始者として有名なビル・ジェームスで、彼はロブ・ジョンソンに全体6位と評価し、投票者の中で最高の評価点を与えた。


日本の至宝イチローは既に2006年に受賞していているが、今回2度目の受賞(93ポイント)。フランクリン・グティエレスは、2008年にライトのポジションで受賞していて、こんどはセンターで2年連続の受賞(97ポイント)。ジャック・ウィルソンは初(86ポイント)。

ベスト10外では、ホセ・ロペスが二塁手部門18位、エイドリアン・ベルトレが三塁手部門2位、フェリックス・ヘルナンデス投手部門11位となっている。


守備に対する賞といえば「ローリングス・ゴールドグラブ賞」、いわゆるゴールドグラブがあって、リーグごとに1人ずつ選ばれるわけだが、Fielding Bibleがわざわざ自前で両リーグ全チームからたった1人だけを選び出して、守備のベストナインともいうべき「Fielding Bible賞」を作って発表しているのには、もちろん理由がある。
そのへんの理由とFielding Bibleの成り立ちについて、Seattle Timesでは以下の訳出のように説明している。もちろんFielding Bible自身もサイトで、なぜこういう試みが必要だったのか、どういう手法とプロセスによって「Fielding Bible賞」が選考されているか、明確に記している。
Fielding Bible自身によるFielding Bibleの成り立ちの説明

Seattle Timesより
Many of the Gold Glove voters only see certain players a handful of time per year, and also tend to use more traditional defensive stats like errors or fielding percentage (or simply go off memory alone) to pick a winner.
ゴールドグラブ投票者の多くは、どのシーズンでも、ある一握りのプレーヤーしか見ていないし、受賞者を選択するにあたって、エラーする率のような、伝統的な守備スタッツばかり使う(もしくは、単に記憶だけに頼って行動する)傾向もある。

The Fielding Bible is an authoritative book on defense published by John Dewan, a leading researcher in the field of baseball data. Dewan is the founder of Baseball Info Solutions (BIS) has come up with a number of defensive ratings systems over the years with data compiled by the research staff he employs in Philadelphia. According to his Defensive Runs Saved system, which we wrote about during spring training, the Mariners were the top defensive team in baseball this past season with 109 defensive runs saved.
Fielding Bibleは、野球の守備データのトップリサーチャーである、ジョン・ドゥーエンによって出版されている権威ある書物である。ドゥーエンは、彼がフィラデルフィアで彼が採用したリサーチスタッフによって長年収集されている守備格付けシステムを考案した、ベースボール・インフォ・ソリューションズ(BIS)の創設者だ。
彼のDefensive Runs Saved system(守備によって防がれた失点システム)によると、スプリング・トレーニング中に書いたように、マリナーズは109点ものディフェンシブ・ラン・セーブ、守備による失点防止が行われたことによって、この前のシーズン、MLB最高の守備的チームだった。

The Fielding Bible Awards are selected by a panel of 10 experts, including Dewan, baseball columnists Peter Gammons and Joe Posnanski and sabermetric guru Bill James.
「Fielding Bible賞」は、10人のエキスパートの選定委員会によって選出される。選考委員には、野球コラムニスPeter Gammons、Joe Posnanskiと、セイバー・メトリクスの教祖、Bill Jamesが含まれる。

参考)Mariners Blog | M's defense was "above average'' in 2008 | Seattle Times Newspaper Blog



Peter Gammonsは、ESPNの有名野球番組「ベースボール・トゥナイト」のアナリスト。Joe Posnanskiは、アメリカの有名スポーツメディアであるスポーツ・イラストレイテッド、および、カンザスシティ・スターの記者・コラムニスト。Bill Jamesはいわずとしれたセイバー・メトリクス提唱者である。

カンザスシティ・スターは、先日このブログでも取り上げた記事がある。(2009年10月27日、Kansas City Starは、ヘルナンデスとグレインキーのシーズンスタッツを補正した上で比較して、「勝負は五分五分」と語った。)この記事のライターはJoe Posnanskiではないのだが、単純に表向きの勝ち負け数だけで比較せず、なんらかの補正を加えてから比較しているあたり、カンザスシティ・スターには、「Fielding Bible賞」選考委員のJoe Posnanskiの目が行き届いている、と感じられる記事になっている。

Peter Gammons News, Videos, Photos, and PodCasts - ESPN
Joe Posnanski - Wikipedia, the free encyclopedia


全ポジションの受賞者それぞれに言いたいことはあるので機会があれば書いてみたいが、とりあえずキャッチャーとして受賞したヤディア・モリーナについて書いてみる。
Fielding Bibleがサイトにヤディアの表彰理由を書いているのだが、今年から測定しはじめたというワイルドピッチやパスボールをを防ぐ能力についてわざわざ言及しているのが、たいへん興味深い。現代的なキャッチャーの能力評価がどこにあるか、という点について新しい方向性を示したものといえる。

Yadier was the third “most popular” vote getter in 2009. He was named first on eight ballots, finishing with 96 points. Everyone knows about Molina’s incredible throwing arm. (中略)But one thing that hasn’t been measured until recently is a catcher’s ability to prevent bad pitches from getting past him, allowing baserunners to move up. We measured this stat this year and shared it with our voters. No surprise, Yadier is one of the best.
ヤディアは、2009年に3度目の受賞で、これまでの最多受賞者となった。8人が1位投票し、96ポイントを得た。誰もが「モリーナ一族」の脅威の強肩を知っている。(中略)しかしまずい投球をキャッチャーが後逸しランナーが進塁するのを防ぐ能力は、最近まで測定されていなかったデータのひとつだ。私たちは今年この統計を測定し、投票者間で共有した。当然のことだが、ヤディアは最良のプレーヤーのひとりだった。
太字はブログによる)






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  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
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  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。



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