September 2010

September 30, 2010

昨夜、甲子園球場で、とてつもなく面白い「見世物」が行われた。阪神対横浜戦で、横浜・村田が3ランを打ち、阪神が優勝を逃したことが決定したのである。
Yahoo!プロ野球 - 2010年9月30日 阪神vs.横浜


ソフトバンクは、ダメ物件城島に手を出さず、リーグ優勝を果たしたが、その一方で、阪神はわけもわからずダメ物件城島に手を出し、「できたはずの優勝」を「わざわざ自分の手で遠ざけた」のである。そればかりか、阪神の城島獲得は、矢野、下柳の退団を招き寄せ、チームと、阪神OBや現役のベテラン選手、古くからチームを支え続けてきた阪神の固定ファンとの間に、深い亀裂まで生んだ。
参考記事:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月26日、ソフトバンク優勝でハッキリした「城島獲得を渋ったかつての投手王国ソフトバンクと、高額ダメ物件・城島に手を出した阪神」との大差。


ブログ主の中では、今後どこのチームがセ・リーグで優勝しようと、昨夜の濃いゲームは「球史に残る迷試合」だったと思っている。もちろん押しも押されぬ主役はダメ捕手城島だ。
昨日の「迷試合」のおかげで、2007年にMLBア・リーグ西地区でシアトルが地区2位になったことの「意味」も、あらためて明らかになった。あれは「2位に健闘した」のではなく、「十分優勝できたにもかかわらず、今シーズンの阪神の正捕手さんがたびたび見せたキャッチングミスのように、ポロリと優勝のチャンスを自分からこぼしただけのことだった」という確信が、あたらめて得られた。
もちろん、この確信が揺らいだことは今まで一度たりともないが、今年の阪神を見て、十分すぎる確証が得られた。

まぁたぶん、今シーズンの阪神関連メディアも、阪神ファンも、「2007年の地区2位の意味」を大きく勘違いしたシアトルのフロントやファンと同じように、「今年は大健闘だ。いいシーズンだった」とかなんとか言って、阪神が3割打者を6人も並べながら優勝できなくて大恥かいた大失敗のシーズンを、むしろ高評価して、一生勘違いしたまま、これからも生きていくに違いない(笑)


それにしても。

昨夜の試合で、9回表無死1、2塁で逆転3ランを打てた横浜・村田が「なぜ、あれほど勝負がかりの場面で、阪神のクローザー・藤川の高めのクソボールのストレートを思い切り強振できたのか?」という、野球的に大変興味深いテーマについて、ウェブでほとんど誰も触れてないのは、なぜなのか。


例えば、去年2009年の9月18日、イチローがヤンキースのクローザー、リベラの初球、インコースのカットボールをサヨナラ2ランしたが、あれは「2009MLBの名シーン・ベスト10」みたいなランキングに選ばれている。
いまでも、映像など見なくても、ホームランの弾道まで鮮やかに思い出せる。後にフィリーズに行ってしまったマイク・スウィニーの素晴らしいツーベース。初球にリベラが投げたカットボールを予測し、まるで吸い込むようにスイートスポットに呼び込んで、ライトスタンドへ叩き込むイチロー。なにもかもが、忘れられない名シーンだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月18日、イチローの超劇的サヨナラ2ランで、シアトルの「キング・オブ・グラウンドボールピッチャー」ヘルナンデスが16勝目を挙げたNYY戦を「カウント論」で振り返る。

Ichiro's walk-off shot stuns Mariano, Yanks | Mariners.com: News

そりゃそうだ。「殿堂入り確実のクローザーから、それも、彼の球史に残る決め球を逆転サヨナラホームランする」なんて鮮やかすぎる場面が「名場面」でなければ、どの時代の、どれが名場面だというのだ。


それと同じで、阪神の名クローザー・藤川の決め球である「速球」をスタンドに放り込んで、阪神の優勝を阻止した村田の逆転3ランホームランは、間違いなく「野球史に残る名場面」のひとつだが、誰もその「名場面」を誰もきちんと書きとめておこうとしない。本当に馬鹿げている。
江夏の21球」ではないが、こういう「ディテールの深さと熱さ」こそが、野球というスポーツを見る上で最も面白い部分のひとつなのに、誰も積極的に触れようとしていない。

メディアもファンも、やっているのは、「負けたのは誰のせいなのか」という責任追求や、的外れな「シーズンの反省」、「引退が予定されている矢野捕手をどこで出場させるべきだったか」という結果論、「来年獲得したい選手」の夢物語、そんなものばかり。
そしてネットでは、いつものように城島オタが必死になってIPアドレスを変えながら必死に掲示板に書き込み続けている。彼らがやっているのは、「城島がかわいそう」だのという、いつもの印象操作(笑)と、シアトル時代同様の「投手への責任転嫁」(笑)
どれもこれも、ただただ無意味で、的外れ。なおかつ、悪いことに、見苦しい。ブログ主はシアトル時代の城島で見飽きている。


まぁ、城島オタのつまらない言い訳と逃げ口上はいつものことだとしても、阪神ファンにしても、「よくまぁ、そんなつまらない野球の見方で野球を見てるね。退屈しないの?」と、いつも思う。

最低でも以下に挙げるポイントくらいは触れて話をしてくれないと、どこをどうすると、この阪神・横浜戦の村田の2本のホームランの面白さ、そして「城島問題」とのかかわりを語れるというのだ。


横浜・内川は、最初の打席では、能見・城島の阪神バッテリーに併殺打を打たされたが、最後の打席では、クローザー藤川から四球を選んでいる。内川の2つの打席の「結果」こそ異なるが、実は、「配球」は、まったく同じ「アウトロー・インハイ」というワンパターンな配球だったのだ。

ダメ捕手城島は、「高めのボールになる釣り球」を今シーズンずっと使ってきた。
球種としてフォーク(=MLBでいうスプリット)を使う投手の多い日本の野球では「高めのストレート系の釣り球とフォークを組み合わせる配球」は非常に多く使われるが、城島もその「高めの釣り球の直後に、フォークを落とすという配球」を多用したがる。さらにいえば城島は「釣り球の後のフォークで討ち取れなければ、2球続けてフォークのサインを出す確率が、けして低くないキャッチャー」だ。

そして、昨日の阪神対横浜戦では、試合前半の横浜のヒットの大半が、「フォーク」を打ったヒットだった。

また、城島がこの日使った配球パターンは、「高低」、「アウトロー・インハイ」、「左右」のほぼ3パターンに絞れていたのだが、内川と村田という、横浜打線に並んでいる2人の右打者に関してだけいうなら、城島は「内川と村田に続けて同じ配球パターンを使わない」という傾向が見てとれた。
だから、村田がもし気づいていれば、「内川の打席での配球を観察してさえいれば、その配球パターンが自分の打席では使われない」ことが打席に入る前からわかっていたはずだ。


配球といえば、いままでシアトルと関係ない話なので書かなかったが、今シーズンの阪神・ブラゼルシーズン終盤に打てなくなることはわかっていた。
きっかけは、(いつのゲームだったかは忘れたが)巨人・阪神戦の試合映像をどこかのサイトで見たときだ。巨人のキャッチャー阿部が、「ブラゼルのインコース」を執拗に突いてみせたときに、ブラゼルが異様なほどアタフタしているのを見て、すぐにピンときた。「なんだ、このバッター。いままでよほど自分の弱点を突かれまってこなかったのか。今までは、好きなように振らせてもらえてきた、ただ、それだけなんだな。」と。
実際その後、データなどで見るかぎり、ブラゼルの弱点は「各チームによって一ヶ月にひとつ程度のベースで次々と発見されて、それぞれのチームが実際のゲームで攻略パターンとして使って」きていて、今ではブラゼルの弱点は広く知れ渡っている。
例えば、「連続的なインコース攻め」、「ホームベースの真上に落ちてボールになる変化球」、「高めのボールになるスピードボール」などが、各チームがそれぞれに発見したブラゼルの弱点だが、いまやブラゼルは「どこにどう投げると凡退してくれるかが、かなりスカウンティングされたバッター」になってしまっていて、もう怖いバッターでもなんでもない。


だが、肝心の阪神ファンはというと、あいかわらずスタジアムで大声を上げ、メガホンを打ち鳴らし、応援歌を怒鳴っているわけだ。
こういう姿に「なぜ日本のスカウティングがこれほどまでに遅いのか。十分に機能していないのか」という理由が、多少かいま見える。


要は、
「誰も彼も、ゲームをきちんと見ていない」のだ。

だから日本の野球チームも、日本のメディアも、日本のファンも、見ていてつまらない部分が多すぎる。「相手バッターの最も得意な球を、わざわざ投げて打たれまくる野球」を見て、どこをどうすると「楽しい」と思えるのか、ブログ主にはわからない。
(もちろん、MLBにも「つまらないチーム、つまらない野球」はある。シアトルのアダム・ムーアの悪送球で2失点するゲームだの、2Aレベルの無能キャッチャー、キロスが再コールアップされて逆転負けするゲームなんか見ても、死ぬほどつまらないのは当然だ。あんなの、語る価値すらない。ただ、これは、シアトルのマイナーのコーチ陣が、ロジャー・ハンセンはじめ日本のプロ野球にかかわった経験のある人間ばかりだというせいもある。だから、シアトルのマイナーから上がってくる選手たちの「野球」が、どこか「日本的」で、単調で、ミスだらけなのは、当然といえば当然なのだ)



そりゃときには日本のゲームでも、面白いところを探してみることも、できないわけでもない。

例えば、いいキャッチャーかどうかは別にして、巨人の阿部というキャッチャーはなかなか面白い。それは「ただでさえ分析速度の遅い日本のプロ野球で、今シーズン、最も早く阪神・ブラゼルの弱点を発見し、対処したキャッチャー」からだ。
この阿部によるブラゼル攻略の成功は、やがて「ブラゼルの強打を怖がってばかりいた他チーム」に非常に強い影響を与えた。どこのチームも、それまでは逃げ回りながらこわごわストライクをとりにいって失敗してばかりいたのだが、今ではそれをやめて、むしろブラゼルの弱点のひとつであるインコースをズバズバ突くようになってきた。そのターニングポイントを作ったのが、たぶん阿部の発明した「ブラゼルのインコース攻め」だったのだろうと思っている。(なにせ日本プロ野球全体までは把握しきれないので、正確なことはわからない)
ブラゼルの対戦チーム別打率
中日   .239
巨人   .228
ヤクルト .315
広島   .327
横浜   .402

巨人・阿部とは逆のキャッチャーも挙げておくと、データ上で見るかぎり、例えばヤクルトの相川というキャッチャーなどは、「引き出し」が少なく、探究心のあまり無いキャッチャーのひとりで、「何回打たれても、同じチーム、同じバッターに、同じような攻めを繰り返したがるキャッチャー」に、どうしてもみえる。
というのは、彼は「どこが対戦相手だろうと、ワンパターンな自分の引き出しにある攻めだけしか実行しないからだ。

だからこそ阪神がヤクルトのホームグラウンド神宮でゲームをすると、相川がリードする投手たちが「まるで神宮球場が『阪神の第二のホームグラウンド』ででもあるかのように」、ボコボコ打たれる。
例えば相川は現実に、ヤクルト対阪神戦のランナー無しの場面で、城島に、「早いカウント」で、「インコース」に、「ストレート」のサインを出すような馬鹿なサインを出して、ソロホームランを浴びたりしている。
城島にとって「ランナー無しの場面での、早いカウントのインコース」は、「追い込まれたらアウトローの変化球で三振してしまう自分が、バットを迷うことなく強振できる、数少ない典型的な『場面』と『コース』」なのであり、「ストレート」は「変化球が苦手な城島が、唯一、長打を打てる球種」だ。
相川は他にも、ボール球を振らせて三振か内野ゴロにしとめるだけですむブラゼルに、「ストライクで正面から勝負しにいって、長打を打たれたり」している。それも一度や二度ではない。



こういう「キャッチャーの差や、配球から、野球を見る面白さ」というのは、別の言い方をすれば、「推理する楽しみ」でもある。
もちろん、この楽しみを別に人に押し付けようとは思わないが、たとえ負け試合でも、なぜ打たれたのか考える楽しみも生まれるし、「たとえ自分の大嫌いな選手でも、その選手のクセを面白がる楽しみ」も生まれるから、野球を人の数倍楽しめる。


例えば、横浜の村田というバッターは、彼の人柄の良し悪しはどうであれ、個人的には「打者のタイプとして、かなり嫌いなタイプの打者」なのだが、昨日の2本のホームランで、最初が「フォーク」、そして2本目が「高めの釣り球」だったことは、本当に素晴らしい才能の持ち主だと思う。相手キャッチャーの戦略を完全完璧に叩きのめした村田という打者に、非常に高いクレバーさを感じる。


村田が素晴らしいのは、この2本のホームランを、「腕っぷし」ではなく、「頭」で打ったことだ。
フォークは、この日、この日のゲーム開始からずっと、城島が「決め球」に決めていた球種である。阪神先発・能見も、クローザー藤川も、フォークで決めるパターンを使っている。
それは、単に藤川がフォークを使いたがるから、だけではない。キャッチャー城島がそういう配球パターンばかり要求するから、能見も、藤川も、同じ配球パターンを使うのである。そして、その「ワンパターンさ」は、横浜の主軸打者にはすべてバレている。

では、具体的に見ていこう。

9回表、横浜の攻撃。先頭打者・松本への配球
明らかに「高低を利用した配球」。2ストライクと追い込んだ阪神バッテリーは、「高め」に1球遊んでおいて、4球目に勝負球「フォーク」を投げ、空振り三振させようとした。
しかし追い込まれた松本は、この「勝負球のフォーク」を振らなかった。そのため藤川は松本を凡退させる手段がなくなってしまい、もともと球種の少ないピッチャーである藤川のほうがかえって追い詰められていく結果になった。「ファンの矢野コールの影響」など無関係だ。(ファンの矢野コールの意味についてはどこか別のサイトをあたられたい)
2010年9月30日 阪神対横浜 9回表 打者:松本 投手:藤川


9回の2人目の打者、横浜・内川への配球
能見・城島の阪神バッテリーに併殺打を打たされた第1打席と、9回に藤川から四球を選んだ打席が、まったく同じ「アウトロー・インハイ」の配球パターンだったことは、既に上に書いた。
内川は、最初の打席でこそ併殺打を打たされたが、9回の重要な打席ではこの「アウトロー・インハイ」パターンに引っかからず、見事に四球を選んでみせて、主砲・村田にバトンをしっかりと渡した。素晴らしいチームプレイだ。
2010年9月30日 阪神対横浜 9回表 打者:内川 投手:藤川


このシーズンの城島が多用している「高めの釣り球」は、この日も「ストレートを投げた直後のフォークの効き目を増すための、撒き餌」として使われている。
9回表の先頭打者、横浜・松本には追い込んでからの3球目に撒き餌として「高めの釣り球」を投げておき、直後にフォークを投げているが、他のイニングの打者のデータも調べるとわかるが、このゲームで城島は何度も何度も、この「釣り球の高めストレートの後に、フォークを落とす配球」を使っている。(ちなみに、シアトル時代の城島はこうした「高めの釣り球多用」はやってない。というのは、MLBの投手でスプリットの使い手が少ないからだ)
9回表の先頭打者・松本への「フォーク」を見て、たぶん村田はウェイティング・サークルから見ていて「また、そのパターンか(笑)」と思い、さらに内川の打席で「アウトロー・インハイ配球」が使われたのを見て、自分の打席で使われる配球パターンを「消去法」から、「高めストレートで釣った後、フォーク」と確信したはずだ。

村田は、このゲームの序盤で既に「決め球のフォーク」をホームランにしてみせている。それだけでもたいしたものだが、その1本だけで終わることはなく、なんと彼は9回表の土壇場でも落ち着きはらって、藤川が決め球のフォークを投じる前の、ウエスト(=故意にボールにするという意味。「ピッチアウト」ではない)する「撒き餌の釣り球ストレート」をスタンドに放り込んでみせたのである。

そりゃ、本人が試合後に「2本とも完璧でした」とコメントするわけだ。まさに完璧な「頭で打ったホームラン」である。


ブログ主は、阪神のキャッチャー城島が、横浜・村田への配球として、高めの釣り球のストレート、その次に「フォーク」のサインを出すつもりでいたことは「絶対に間違いない」と確信している。

9回表、村田への配球。3ランホームラン

2010年9月30日 阪神対横浜 9回表 打者:村田 投手:藤川


村田は、「カウント2ナッシングから、高めにまず釣り球のストレートを投げておき、次に、低めのフォークでゴロを打たせる(あるいは空振り三振させる)」という、「城島の単純な配球パターン」を、自分なりにスカウティングしておいてから打席に立っていたはずだ。
(もし村田がやったような城島の配球に対するスカウンティングを、シーズンのもっと早い段階で他チームがやっていたら、城島のワンパターンな配球がもっと早くバレて、もっと早くから阪神の投手を打ちこむことができていただろう)

もっと短く書けば、ブログ主は村田が「城島の配球を読んでいた」からこそ、たとえ「高めに外れたボール球」でも強振できたと考えるのである。


こういう「読み」がピタリとはまる快感。
これが、野球というゲームの極上の面白さのひとつだ。


もう一度言わせてもらうが
こんな程度の誰でもわかることすら想像せず、野球を騒々しく応援してばかりいる日本のスポーツメディアも、ファンも、何が面白くて野球を見ているのか。

こんなことだから、実はもう、とっくに存在している「阪神タイガースにおける城島問題」、つまり、城島と、阪神の投手陣、ベテラン野手、阪神を支えてきたOB、阪神の古くからの固定ファンたちとの関係の亀裂の深さが、世間にバレることもないまま、問題が今後しばらく継続し続けるのはほぼ確実だろう。
このブログが何年もかけて指摘してきた「城島のクセ」が、これほど毎日毎日、目の前でエンドレスに繰り返されているというのに、日本のスポーツメディアも、ファンも、よく飽きないものだ。
こんなことだからメジャーで打率2割に落ちるところまで研究し尽くされた城島が、20本前後もホームランが打ててしまうような、「敵のパターンを研究し尽くしもせずに放置しておく、なまぬるい野球」が続いてしまうのだ。

よく「あれほどあからさまな、城島の配球と打撃のクセ」に気がつかないものだ。感心する。


ああ。そうそう。言い忘れた。
9回裏の先頭打者・城島の無様(ぶざま)すぎる三振は、ある意味逆転ホームラン打たれたことよりもずっとチームへの影響が大きかったと思う。なぜなら彼は「打撃で大金をもらっているキャッチャー」なのだから。

Copyright ©damejima. All Rights Reserved.

September 29, 2010

まだ未成年の子だけに氏名を挙げていいものかどうか迷ったが、既にたくさんのメディアで取り上げられていることだし、将来楽しみな逸材として挙げてみることにした。(だから、記事タイトルには彼の名前を故意に入れてない)
千葉国体・投てき、期待かかる県勢 悲願の総合制覇目指す - 徳島新聞社


武田歴次君は現在、徳島県美馬中学の3年生で、身長190センチ90キロ。2008年10月26日に横浜の日産スタジアムで行われた「陸上ジュニアオリンピック」という大会で優勝している。当時の身長は184僂肇ΕД屮汽ぅ箸竜録にあるが、それから2年でさらに6センチも伸びたらしい。
砲丸投げ選手の彼がユニークなのは「本来の所属が野球部で、ポジションはキャッチャー。将来の夢はプロ野球選手だ」という点だ。あるウェブサイトでの紹介によると、野球の練習後に砲丸投げの練習を毎日約1時間欠かさず行っているらしい。

190センチを越える強肩の大型キャッチャーなんて、そうそう出てくるとも思えない。キャッチャーのスローイングの基本としては「砲丸投げのように投げる、いわゆる担ぎ投げが基本」といわれるだけに、砲丸投げの選手として既に名選手であるらしい彼が、野球選手として将来どうなるのか、ちょっと楽しみがある。
というのも、野球選手と砲丸投げ、というと、やはり、江夏豊氏の名前を思い出さないわけにはいかないからだ。(以下、基本的に敬称略)


江夏豊氏は中学時代、最初野球部に入部しているものの、いろいろと複雑な経過を経て、陸上部で砲丸投げの選手になった。なんでも、県大会で2位になったこともあるらしく、地肩は相当強かったに違いない。
そんな元・砲丸投げ選手、江夏がプロ野球選手になったのは1967年・阪神だが、最初は誰に教わってもカーブが投げられなくて困っていた。
だが翌68年に、パ・リーグで初のノーヒット・ノーランを達成した林義一さんが投手コーチになり、林さんとの出会いによって江夏は「砲丸投げの担ぎ投げのクセ」を矯正してもらい、カーブも投げられるようになって、大投手への道を歩み始めた、というのは有名な話。
(もちろん担ぎ投げは、キャッチャーのスローイングには向いていても、投手としてはやはりスナップをきかせたスローイングをきちんとマスターすべきだったわけだ。だが、もちろん晩年の西武・伊東のように、キャッチャーでもスナップスローをすることはある)

林義一さんは、徳島県立徳島商業の出身の元・投手。かのスタルヒンと並んで投げる様子がYoutubeに残っている。
1952年4月27日の阪急戦で、パ・リーグ初のノーヒット・ノーランを達成。通算防御率2.66。2008年に残念ながら病没されている。
徳島商業はいうまでもなく、元・池田高校野球部監督の蔦文也さん(2001年4月28日逝去)、元・中日の板東英二氏はじめ、数多くの野球関係者を輩出してきた野球の名門高校だが、林義一さんはその徳島商業からプロへの道を開いたパイオニアの存在である。



現在徳島県の現役中学生である砲丸投げ選手、武田歴次君にとって、徳島の生んだ名選手である林義一さんは、野球選手として超のつく大・大先輩にあたり、また、江夏豊氏は、中学生の砲丸投げの選手として、また、野球選手として、大先輩にあたるわけだが、もしも武田君が徳島商業の正捕手にでもなって甲子園に出場できるような日が来るとしたら、野球はますます面白くなる。

徳島の野球界は、2001年に蔦さん、2008年に林義一さんと、貴重な先人を病魔で続けて失っている。それだけに、ここらへんで新しい選手が伝統ある徳島野球を引き継いで、盛り立てていくべき時期に来ていると思う。
ぜひ、武田君には、ウェイトがあまりにも重くなりすぎないよう気をつけつつ、砲丸も、野球も、しっかり練習してもらいたいものだ。






September 27, 2010

ピート・ローズという野球賭博で永久追放になった人が、イチローのことをとやかく言っているようだが、ちょっと笑ってしまう(笑)

通算長打率
イチロー   .430
ピートローズ .409

【MLB】トーリ監督「ローズより優れた才能」とイチローを絶賛 - MSN産経ニュース


どうして、たとえば長打率という誰にでもわかるハッキリした数字があるのに、「オレのほうが長打を打ってる」なんてテキトーな嘘を公然と言ってのけられるのか。不思議なおヒトがいるものだ。
さすが、賭博で永久追放になった人なだけのことはある。


ハッキリしておいてくれたまえよ。オッサン。
通算長打率はイチローのほうが高い。


どうしてこういう笑い話みたいなことになるか、面倒だが、多少細かく説明しよう。

イチロー
(メジャー9シーズン+2010年シーズン9月26日まで)
二塁打   228本
三塁打   68本
ホームラン 84本 
Ichiro Suzuki Batting Statistics and History - Baseball-Reference.com

ピート・ローズ(24シーズン)
二塁打   746本
三塁打   135本
ホームラン 160本
Pete Rose Batting Statistics and History - Baseball-Reference.com

実数としてはメジャー生活が長いローズが上回る。だが、これを「1シーズンあたりの長打数」「長打1本あたりの打席数」に換算してみると、まったく様相が変わる。
こんな数字になる。

シーズンあたり長打数
イチロー(9シーズン+2010年シーズン9月26日まで)
二塁打   22.8本
三塁打   6.8本
ホームラン 8.4本

ピート・ローズ(24シーズン)
二塁打   31.08本
三塁打   5.63本
ホームラン 6.67本


1本の長打を打つのに要した打席数
イチロー(7301打席=2010年シーズン9月26日まで)
二塁打   32.02打席
三塁打   107.37打席
ホームラン 86.92打席

ピート・ローズ(15861打席)
二塁打   21,26打席
三塁打   117.49打席
ホームラン 99.13打席


どうだ。
二塁打以外、すべてイチローがピート・ローズより質的に勝る。「ピート・ローズがイチローより長打力がある」などと言える根拠など、むしろ、どこにも無い。
出塁率についても、ほぼ同じ通算スタッツのピート・ローズにとやかく言われるような筋合いはないし(通算出塁率 イチロー.376 ローズ.375)、二塁打数の違いにしても、イチローの盗塁数の多さと、メジャー最高レベルの盗塁成功率、併殺打の少なさなどをきちんと考慮すれば、ピート・ローズ程度の二塁打数くらい、別にたいしたことはない。

イチローは、既にピート・ローズの2倍以上の数の盗塁を成功させており、盗塁成功率は実に81.3%(2010年9月26日現在)と、80%を越えている。成功率に関してだけいえば、75.34%のルー・ブロック、80.76%のリッキー・ヘンダーソンすら越えている。ア・リーグ記録はWillie Wilsonの83.3%(300以上の企図数)だから、イチローは盗塁成功率のア・リーグ新記録も狙える位置にいる
ナ・リーグの歴代最低盗塁成功率57.1%を記録し、40数%もの盗塁を失敗して、せっかくのヒットを数多く無駄にし続けたピート・ローズに、別に何を言われようと、別に痛くも痒くもない。
Lou Brock Statistics and History - Baseball-Reference.com

Rickey Henderson Statistics and History - Baseball-Reference.com


通算出塁率
イチロー .376
ピート・ローズ .375


盗塁数
イチロー    382(失敗数 88 成功率 約81.3%)
ピート・ローズ 198(失敗数 149 成功率 約57.1%

(注;盗塁企図数200以上の全プレーヤーのうち、ピート・ローズの盗塁成功率57.1%は、ナ・リーグの歴代最低記録 ちなみにア・リーグ歴代最低は、ルー・ゲーリッグの50.2%だが、彼はホームランバッターだし、参考にはならない。102回成功、100回失敗)
Stolen Bases Records by Baseball Almanac


シーズンあたり盗塁数
イチロー 約38.2回(=2010年シーズン9月26日まで)
ピート・ローズ 8.25回

イチローのヒットに、382もの盗塁数を重ねあわせて考えてみれば、両者の出塁状況の大差は、さらにわかりやすい。
イチローは228本の二塁打以外に、382回もセカンド(あるいはサードへの盗塁)を陥れて、チームに多数の得点チャンスを与えてきた。つまり、イチローがバット(二塁打)と足(セカンドまたはサードへの盗塁)で得点圏の塁を新たに陥れた総数は10シーズン通算で600回以上にもなっていて、1シーズンあたりに直すと60回以上にもなるのである。
同じことをピート・ローズについて計算してみると、二塁打が1シーズンあたり約31本、盗塁が1シーズンあたり約8回だから、合計しても、1シーズンあたり40回にすら届かず、イチローの3分の2しかない。
シーズンあたり、わずか8回ちょっとしか盗塁しないピート・ローズでは、シーズンあたりの盗塁数が約40にも及ぶイチローのチャンスメイクの超絶パワーの比較対象にもならないのである。


そして、イチローの盗塁の芸術品たる所以は、盗塁失敗がわずか88回しかなく、盗塁成功率がメジャー最高クラスの81.3%にも達していることにもある
一方で、ピート・ローズは、盗塁数が24シーズンでわずか198しかないにもかかわらず、およそ40%以上もの盗塁を失敗している。(しつこいようだがピート・ローズの盗塁成功率57.1%は、盗塁企図数200以上でのナ・リーグ歴代最低記録

さらに、考慮すべきなのは「併殺打の数」だ。
イチローはメジャー10シーズンでわずか46しか併殺打を記録していない
他方、ピート・ローズの併殺打数通算で247もあり、アウトカウントをおよそ500も無駄に生産している。ピート・ローズは、1シーズンあたりイチローの約2倍の併殺打を打ち、実数ではイチローの約5倍の数の併殺打を打って、大量のアウトカウントを無駄に生産しているのである

つまりピート・ローズの生産したアウトカウントは、盗塁死において149、併殺打で約500足らずあるわけだから、この2つのケースの合計で「ピート・ローズが、自分のプレーミスでいたずらに増やしたアウトカウント数」は、なんと合計650もの数になる。
韋駄天イチローは常に全力プレーで1塁を駆け抜け続け、数々のダブルプレーを阻止し、数々の内野ゴロを内野安打化してきたわけだが、それはイチローが自分の快足を生かして無駄なアウトカウントを減らし、アウトさえヒットに変えたという意味であり、その数は相当数にのぼることの重要性を忘れてもらっては困る。


両者の差は
スピードの違い、
プレーの正確さの違い。
そしてクリーンさの差
」である。

これらの差は、すべてMLBの歴史的変化が背景にある。
たった1本のソロホームランを打つために20回も30回も三振するバッターが現代野球を作ってきたのではなく、スピードスター、イチローがメジャーの野球を変えた、といわれる所以(ゆえん)が、この「スピード」、そして「クリーンさ」にあると、何度説明すればわかるのだろう?
一度ケン・バーンズにでも、メジャーの歴史の大きな流れの変化について聞いてくるといい。

イチローとピート・ローズ、どちらが質の高いプレーをしてきたか?
考えるまでもない。


ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月9日、盗塁とホームランの「相反する歴史」。そしてイチローのメジャーデビューの歴史的意義。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月11日、イチローも登場するらしい9月末公開のスポーツドキュメンタリー"The Tenth Inning"を作ったケン・バーンズの横顔。彼の考える「MLB史におけるイチロー登場の意義」は、このブログと同じ。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月15日、イチローにケチをつけようとして大失敗したRob Dibbleと、イチローを賞賛したRob Neyer、「2人のRob」のどちらが「いまどきの記者」か。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月16日、ちょっと忘れっぽくなっているらしいピート・ローズ氏が、かつてスポーツ・イラストレイテッドの Joe Posnanskiに語ったことの覚え書き。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月20日、シアトル・タイムズのスティーブ・ケリーが、"The Tenth Innning"のケン・バーンズと共同監督のリン・ノビックが行った「イチローインタビュー」について当人に取材して書いた記事の、なんとも哀れすぎる中身とタイトル。


そう。
むしろ「二塁打をやっと打てるくらいで、長打は言うほど多くもないのに自慢したがり、足はそれほど速くないのに盗塁しては失敗ばかりして、併殺打もかなり多く、無駄なアウトカウントを増やすことに無頓着だった、見栄っ張りの雑なプレーヤー」に、いまさら何を言われようが、別に気にしないのである。






ソフトバンク2010シーズン優勝。
あの高額ダメ物件、城島に手を出さなかったソフトバンク側の選択の正しさが、これで証明された


今シーズンのソフトバンクの優勝を特徴づけるのは、「2ケタ以上勝てる計算のできる先発投手が2人しかいなかったにもかかわらず、優勝できたこと」だ。
これは、現代野球のチームマネジメントを考える上では、非常に画期的な出来事だと考える。

有力投手を同じチームに3人以上揃えることは、けして簡単ではなくなってきているにもかかわらず、アトランタの投手王国時代を作ったグラビンマダックススモルツではないが、優勝チームをつくるとしたら主軸投手はやはり3人欲しい、と、誰しも考える。理由は簡単だ。それが「楽に優勝できる道」だからだ。
そういう楽なことは、プロ、素人に関係なく、誰でも考えつく。その一方で、楽でない状況のもとで優勝するのは、誰にでもできることではない。

今シーズンのソフトバンクは、10勝以上をあらかじめ計算できる先発投手が和田杉内の2人しかいないにもかかわらず、ブルペン投手(ファルケンボーグ、摂津、馬原など)の優秀さで、先発投手の枚数が十分とはいえないチーム状況を補って、チーム防御率をなんとか3点台に収めることに成功し、優勝を勝ち取った。(斉藤和己新垣が2桁勝利を記録したのは2006年まで)
なにも10勝以上できる投手が4人いなくても優勝できる方法はある、という実例を示したわけだ。(もちろん、こうした形の優勝を実現するためにキャッチャーの果たす役割は、日本では大きい)

もちろん、「キャッチャーのせいで10勝以上の投手が2人しかいない状況ができてしまっているどこかのチーム(笑)」とは根本的に意味が違う。
もし今年のソフトバンクに城島がいたら、2線級の先発が打たれまくるシーンや、ゲーム中盤・終盤にブルペンが打たれて逆転される場面が多数見られたに違いないのに。たいへんに残念なことだ(笑)
「SBM」が支えた!合計防御率1・71 - 野球ニュース : nikkansports.com


シーズン終盤ギリギリの優勝決定という事実でもわかるとおり、もし、ほんの数試合クロスゲームを落としているだけで、この優勝はなかっただろうし、また、ソフトバンクが最下位に終わった2008年のようにチーム防御率が4点台に落ちていたら、優勝どころか、クライマックスシリーズ進出も危ういものになっていたかもしれない。
もちろん、逆に言えば、阪神はこの高額ダメ物件に手を出さなければ、3割バッターを5人も6人も抱えていながらシーズンを楽勝できない、などという大恥をかくようなハメにならずに済んだ、ともいえる。
参考)阪神のシーズン打率.289の意味
創設以来チーム打率.268の高率を誇るヤンキースだが、第二次大戦後にチーム打率.289以上だったのは、2007年の1回のみしかない。また非常に打者有利な球場をホームにしてバッティングスタッツが異常に高いことで知られるコロラド・ロッキーズは、創設以来の打率が.277と異常に高いが、チーム打率.290以上を記録したのは98年、2000年、2001年の3回のみ。つまり、チーム打率.289なんていう数字は、ちょっとした天文学的数値。



その意味で、防御率のほんのちょっとした違いは、実に重要だ。もしソフトバンクが血迷ってダメ捕手城島を獲得でもしていたら、この優勝はありえなかった。

優勝決定時点での防御率
ソフトバンク 3.89
西武     4.21


日本のプロ野球セ・リーグではいま、ちょっとやそっとの補強では埋められないほど、チーム別スタッツに大差がついている。
例えば、下位2チームの防御率は4点台後半で、どう打線が頑張ろうと、Aクラス入りはもともと無理だし、それらのチームがたとえ無理して大金を払って10勝できる投手を1人補強できたとしても、優勝などありえない。打撃も、打率やホームラン数をみるだけでわかる通り、チームごとの偏りはひどい。
というか、下位球団が有力投手や強打者をトレードで獲得すること自体が無理になっているわけで、つまりセ・リーグでは、有力先発投手、主軸打者の両方が、ごく一部のチームにのみ非常に偏って存在し、上位チームと下位チームの逆転自体がありえないものになりつつある。

だから、セ・リーグではシーズン順位が上位に来るチームは毎年あらかじめ決まってきている。もちろん日本に逃げ帰るにあたって城島が選択した「阪神」もそのひとつだ。
いまの阪神は、「かつてのような、生え抜きが多く在籍していて、防御率のいい阪神」とはまったく違い、いまや国内の他チームとアメリカの選手を寄せ集めてできた「かつてのヤンキース的な寄せ集めチーム」のひとつであり、城島が阪神を選択したのは「自分が頑張らなくても勝てるチームに行きたかった、というだけの生ぬるい選択」で、寄らば大樹の陰、というだけの話だ。

だが、パ・リーグのチーム別スタッツは、セ・リーグほどの「あからさまな大差」はない。
それだけに、2000年代中期のように先発投手がズラリと揃っているわけではないソフトバンクにしてみれば、どこかの関西球団のような「打撃だけで大勝ちする大雑把な野球」より、「いかにクロスゲームを勝ち越すか」のほうが重要なシーズンだったはずで、ロスターの誰が手を抜いても優勝できなかった厳しいシーズンだっただろう。


ソフトバンクというチームの歴史にとって、2010年の3.89という防御率はけしていい数字ではない。最近の防御率でいうと、城島がシアトルに移籍した翌年の2006年などは3.13と、前年の防御率を大きく上回る驚異的な防御率を残し、その翌年2007年も(斉藤、新垣と先発投手の故障が続いたにもかかわらず)3.18と非常に優れた数字を残している。
ソフトバンクは、計算できる主戦投手がいつもそれなりに揃っていて、抜群の防御率を残すのが当たり前の投手王国だったわけで、当然ながら、城島がいなくなったことは防御率向上にプラスに働いたことはいうまでもないし、城島在籍時の投手王国時代のソフトバンクの防御率がよかったのは、「単に投手陣が優秀だっただけ。城島がいなければもっと防御率は良かった」ことは、なによりチームの歴史が証明している


ソフトバンクの防御率が、かつて先発投手に和田、斉藤、杉内、新垣と看板投手がズラリと揃っていた黄金期に比べれば、少しばかり冴えないのは、いたしかたない。優勝したとはいえ、先発投手の軸といえる投手は結局のところ、和田、杉内の2人しかいないのだから、防御率が4点に近いのも当然だ。

では、先発投手が足りないからといって、トレードで10勝以上できる投手が簡単に獲得できる時代だろうか?
例えば黒田や岩隈(もしかするとダルビッシュも)のように、たとえ優勝の望みの薄いチームの有力先発投手でさえ、国内での強豪チームへの移籍ではなく、メジャー挑戦を選択して流出する時代である。2桁を計算できる先発投手を国内の他チームから獲得してくることは、たとえ予算の豊かなチームであっても簡単には実現しにくい時代になってきている。

それだけに「先発の軸になる投手が2枚しかない状態が今後も続きかねない」ソフトバンクにとって、明らかにチームの防御率を悪くするキャッチャーであるダメ捕手城島に手を出さなかったことの意義は、今後も非常に大きい。

10勝以上を計算できる先発投手を簡単に獲得するのが難しいこの時代に、CERAが悪く、打撃もアテにならない攻撃型キャッチャーには安易に手を出すな」
まさに、若い選手を育成して台頭したタンパベイに煽られているヤンキース(ポサダ)やボストン・レッドソックス(ビクター・マルチネス)などにも言ってやりたい格言である。






September 22, 2010

今日からトロントでの3連戦だが、4回表に今シーズンで1,2に入る「記録に残らない最悪のエラー」があった。



トロントの打者のキャッチャーフライがトロント側のダグアウト前に上がった。そのボールは結局ベンチに入ることはなかった。

なのに、だ。
アダム・ムーアは、「故意にフライを捕るのをやめた」のだ。
ボールは、トロントのダグアウト前でワンバウンドして、ファウルになった。


おまえ、さ。よく、それで「プロ」だとかいえるね。

ボーンヘッドとかなんとか、そういうレベルではない。これは、いわゆるトラウマからくる病気である「イップス」だ。
たぶんアダム・ムーアはこれからも、ダグアウト前のキャッチャー・フライに腰がひけて同じことを繰り返すだろう。「フライ・イップス」のあるキャッチャーなど、キャッチャーとして使い物になどならない。



先日、ベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが今でもやっている「まったく無意味な手抜きのキャッチャーフライ練習」について書いた。

ロジャー・ハンセンは、元はマイナーの「捕手コーディネイター」とか称するコーチだが、実は「城島問題」が起こったときに、「城島をいやがる投手陣に、城島を押し付けるための仲介者」をしていた男だ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月14日、過去に城島擁護者だったベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが現在も続けている無意味な捕手トレーニング手法。マイナーコーチ時代から続けてきた「手抜きのスパルタ方式」でプロスペクトを壊し続けてきた責任を徹底批判する。

そういうわけのわからない仕事でシアトルに入り込んでいた男は、ワカマツと彼のコーチ陣が今シーズンの低迷の責任でクビになった後、ちゃっかりベンチコーチに昇格したわけだが、そのドサクサに、使えもしないアダム・ムーアをゴリ押しして、無理矢理正捕手にした。
だがドサクサ紛れに正捕手にしたはいいが、アダム・ムーアはプレーの全てがダメだった。例えばメジャーでのゲームというのに、「バックネット側に向きを変えて追うのが基本と、高校生でも知っている」キャッチャーフライでさえ、「バックネットに背を向けたまま、じりじり後ずさりしながら追って、最後には後ろ向きに転倒して、落球する」始末。

操り人形アダム・ムーアのダメっぷりに慌てたロジャー・ハンセンは、思いつきで「アダム・ムーアのための守備特訓」と称するアホ練習をやりだす。これが例の「バッティングマシンで、ダグアウトにキャッチャーフライを放り込んで、無理矢理捕らせる」とかいう、アホすぎるフライ練習だ。
ハンセンは、「ダグアウトに入るように、わざとフライをあげた」。アダム・ムーアはどうしたかというと、「師匠のやることに素直に従って、ダグアウトにフライを捕りに飛び込んでいった」。
それを見ていた地元プレスが「こんな練習して何になる?ケガしたらどうするつもりだ?」という疑念に満ちた記事を書いたのだが、書いた記者の所属するメディアは地元紙としてはマイナーだったために、ロジャー・ハンセンとアダム・ムーアがこのクソみたいな練習をやっていることを知っているファンはあまり多くなかった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月14日、過去に城島擁護者だったベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが現在も続けている無意味な捕手トレーニング手法。マイナーコーチ時代から続けてきた「手抜きのスパルタ方式」でプロスペクトを壊し続けてきた責任を徹底批判する。


このロジャー・ハンセンの無意味な「ダグアウトに入るキャッチャーフライ練習」で、アダム・ムーアは捕りにくい位置に落下してくるキャッチャーフライを捕球できるようになったのか?

もちろん、「NO」だ。

ダグアウト前に落ちてくるキャッチャーフライですら、ダグアウトに入りそうな気配もないのに、フライを追うこと自体を止めてしまうのだから、どれだけロジャー・ハンセンとかいう偽コーチのアホ練習が無意味か、わかるというものだ。
実際には、アダム・ムーアはロジャー・ハンセンの命令に盲目的に従って正捕手をやっているだけの操り人形で、「フライがダグアウト前に上がっただけでビビって、フライ自体を追わない、捕れるフライすら捕らないイップス・キャッチャー」になった。こんなイップス・キャッチャー、使い物になるわけがないどころか、キャッチャー失格だ。



アダム・ムーアが来シーズンの開幕ロスターにいて、また、偽コーチとしかいいようがないロジャー・ハンセンが来シーズンもシアトルのコーチ陣にいたら、ブログ主はこのチームを徹底して笑いものにさせてもらうつもりだ。






September 21, 2010

いやー。これは面白い記事だ。
ちょっと褒めているのとはニュアンスが違うけれど(笑)
面白い。絶対に読むべき記事。


シアトルの地元紙シアトル・タイムズの、無難な記事を書くしか能がなく、ちょっと保守的なコラムニスト、スティーブ・ケリーが、"The Tenth Inning"の制作にあたって、ケン・バーンズと共同監督のリン・ノビックイチローに行ったインタビューについて、なんとも哀れな記事を書いている。
正直、普段は無難な記事しか書かない人が、よくこんなあからさまな記事を人前に出したものだと思う。自分の欠陥を人前に晒したがるアメリカ版 太宰治か、とでも言いたくなる(笑)
Steve Kelley | Maybe all Ichiro owes us is hits | Seattle Times Newspaper



まずは、ケン・バーンズのコメント。
"There are so many factors," documentarian Burns said of the aloof Ichiro. "He needs to maintain, for the Japanese, the sense that he hasn't become Americanized. And he's so internally disciplined that, I think, his day-to-day relationship with the press isn't so important."

イチローを日々取材するプレスの一員であるスティーブ・ケリーを目の前にして「思うに、イチローが日々報道陣とどういうやりとりをするか、なんてことはさぁ、たいした問題じゃないんだ」と容赦なくコメントするケン・バーンズには、思わず膝を打ったし、思わず笑わせても、もらった(笑)
さぞかし、これまでシアトル・タイムズはじめ、必ずしもイチローに味方ばかりしてきたとばかりもいえない地元シアトルの「野球しかわからない新聞記者サンたち」は、心中、ヒートアップしたに違いない(笑)あー、可笑しいったらありゃしない(笑)
ケン・バーンズはさらに続けて「30年代の名女優グレタ・ガルボも、なんにも話さない人だったでしょ? イチローもそうだよね? だからこそ、話を聞いてみたくなるんじゃん。アンタ、わかる?」というような話をまくしたてていく(笑)

"He's negotiating a hugely different culture with a language that is so completely different and doing something at a level that few people have ever done," Burns said. "It's tough for (sportswriters), but we all get to enjoy the show."

"You know what they said about Joe DiMaggio," Burns said. "He owes us nothing but hits. And maybe, in the end, for as much as our media culture needs more, maybe Ichiro owes us nothing but hits."

Burns calls him Greta Garbo.

"He's so well known," Burns said. "And if you asked, of all the actresses of the thirties who was the most famous, your answer would be the one who never talked. It's a mystique."


スティーブ・ケリーが、ケン・バーンズとリン・ノビックに話を聞き、その感想みたいなものを書きつらねていくこの記事のタイトルは、Maybe all Ichiro owes us is hitsというのだが、読めばわかるのだが、この記事タイトルは、ケン・バーンズがジョー・ディマジオを引き合いに出してイチローについて語った言葉を、スティーブ・ケリーが貧弱にパクっただけのタイトルだ。このことは、絶対に頭に入れて、この文章を読むべきだろう。
なぜなら、この文章には、全米レベルではまったく無名の地方記者でしかないスティーブ・ケリーが、全米の有名人であるケン・バーンズに対して、同じく全米の有名人であるイチローについて話を聞くときの「なんともあからさまで、陰湿なヒガミ根性」が、たっぷりすぎるくらい入っていると思うからだ(笑)

インタビューした相手の言葉を貧弱にパクって自分の記事のタイトルにしてしまうスティーブ・ケリーは、実は、全米の有名人ケン・バーンズを前にして、これまで彼ら地元紙の記者たちが「イチローが野球というものを越えたアメリカ史クラスの存在であることに気づきもせず、イチローの野球における表面的にすぎないこと、うわっつらについてだけ、これまでとやかく、つべこべ書いてきただけであることを、とうとうあからさまにしてしまっている。
また、なお痛いことに、地方記者スティーブ・ケリーの筆力では、ケン・バーンズやイチローのようにアメリカ史に残ることなどありえない、という「お互いの立ち位置の違い」が、この記事のよって非常にあからさまになってしまっている。

哀れな「地方記者」スティーブ・ケリーの心は、おそらく相当痛んだに違いない(苦笑)


"There are so few players in every generation that are for the ages," Novick said, "and Seattle is lucky enough to have one like that on their team for a long time. You've been lucky to see him here for all these years. As a Yankee fan I feel the same way about Derek Jeter and Mariano Rivera."

こう語ったのは、リン・ノビックだが、おそらくスティーブ・ケリーにしてみたら、心底から屈辱的な感じがしたのではなかろうかとブログ主は思っている(笑)
なぜなら、リン・ノビックのこの言葉は、イチローをいつでも取材できる立場にあった地元メディアのライターの立場からしてみれば
「ヤンキースのジーターのように、これだけの歴史的な選手が身近にいて、きちんと彼のMLB史的な意味の取材もせず、また、彼の野球を超えたアメリカ史的な存在意義に気づきもしないで、それでよく『記者』がつとまりますね?」と、
正面切って言われたも同然だ
と、ブログ主は思うからだ。


"We see baseball as a prism through which we can see refracted much more than games won and lost," Burns said. "And really, steroids is the reason we wanted to do this. It wasn't obligatory. It wasn't like we said, 'Let's do the bad stuff, so we can get to the good stuff.' We wanted to tell a complicated 'Tenth Inning.'

"But can we just agree that baseball is the best game ever? It's an incredibly different game. It's so different from all others and it's been with us since our beginning. So it really is a reflection of who we are, more than any other game."


それでも、ケン・バーンズもリン・ノビックも、スティーブ・ケリーになんの遠慮も容赦もなく、コメントする(笑)
バーンズは、イチローをたとえるのに、ジョー・ディマジオだけでなく、グレタ・ガルボまで引き合いに出しただけでなく、野球専門記者を前にしてMLBの歴史の解説まで披露している(笑)

バーンズにここまで言われて、スティーブ・ケリーは、最後に悔しまぎれに、短くつぶやいた(笑)

And in this most American game, Ichiro, a player from Japan, has touched fans with his legs and his genius. Maybe all he has ever owed us is hits.

(笑)

あのさ。
いまさらそんなコメントを書いてどうするんだ、スティーブ・ケリー。そんなこと、とっくにわかってないと、ダメだったんだぜ?あんたたち。
と、ブログ主は、スティーブ・ケリー側に言ってやりたい(笑)
ケン・バーンズとリン・ノビックのコメント部分の力強さに比べて、なんとスティーブ・ケリーの書いた部分の「貧弱な」こと(笑)



このやりとりを追っていると、たいへん直撃で申し訳ないが、しょせん野球しかわからない記者は、野球記者以下の存在でしかないこと、が、よくわかる。
シアトルの野球記者たちが「野球史に残るような存在になれない」のは、ましてや「アメリカ史に残る存在になどなれない」のは、彼らが野球しか知らないからではない。
イチロー「あくまで野球を通して」懸命にプレーし続けることで、ついには「野球の枠を超えてしまい」、さらに「アメリカ史にも名前を残すような」存在になろうとしている。
そのイチローがもつ「ワン・アンド・オンリーな、何か」について、スティーブ・ケリーはじめ地元記者たち(加えて、日本の野球記者だってそうだろう)が、普段から十二分な敬意を払い、敬意を前提にした取材を行ない、本質的な何かを文字にしようと必死に務めてきたわけではなく、ただただ「野球のゴシップについて、あれこれ、グタグタ書くだけの職業記者でしかなかった」記者たちが、全米クラスの実力派作家に取材している最中に、足元をみられた話し方をされて屈辱を受けるのは当然のことだ。



スティーブ・ケリーもこれで思い知ったのではないか。
自分たちはイチローについてあれこれ書くのは、実は無理だ。なぜなら、ケン・バーンズのようにイチローを見る能力が無いからだ」と。

視野の狭い人間に残すものは、ヒットの数くらいで十分だ。
Maybe number of hits is enough for narrow person in view.
イチローの偉業は「ヒットの数」などという、小さいものではない。ケン・バーンズも言っている。「彼は野球を変えた」と。






セーフコで始球式をするケン・バーンズセーフコ・フィールドで始球式をするケン・バーンズ
いよいよ映像ドキュメンタリー作家Ken Burns(ケン・バーンズ)の"The Tenth Inning"の全米放送が来週28日、29日に迫ってきた。ちょっとドキドキしながら、復習をかねて、"The Tenth Inning"(10回)に至るまでの9イニング、つまり、ケン・バーンズがMLBの歴史を描いたドキュメンタリー、"Baseball"(Baseball (TV series) - Wikipedia, the free encyclopedia)を見直してみた。
"The Tenth Inning"公式サイト
Baseball The Tenth Inning: Home | PBS

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月11日、イチローも登場するらしい9月末公開のスポーツドキュメンタリー"The Tenth Inning"を作ったケン・バーンズの横顔。彼の考える「MLB史におけるイチロー登場の意義」は、このブログと同じ。


"Baseball"は1994年に9夜にわたって全米で放映されたドキュメンタリーで、9つのパートに分かれている。
第1回は1st Inning - Our Gameというタイトルで、1994年9月18日に放送された。主にこのシリーズへのイントロダクションとして、さまざまなコメンテイターが登場し、野球というスポーツの起源について語るだけでなく、「アメリカ史、アメリカ人にとって、野球とは何か」という困難な問いに答えている。

冒頭部分にコメントを寄せているひとり、Gerald Early(ジェラルド・アーリー)は、1994年に全米批評家協会賞をとっているアメリカ文化批評家で、アフリカ文化の研究者だが、実はケン・バーンズの"Baseball"や"Jazz"の監修者もつとめている。
その野球にうるさい彼が"Baseball"の第1回の冒頭で、アメリカ史にとっての野球の意味について、こんな言葉を残している。

"I think there are only three things that America will be known for 2,000 years from now when they study this civilization: the Constitution, jazz music and baseball. They're the three most beautifully designed things this culture has ever produced."
「2000年後、もし誰かがアメリカの文明を学ぼうとしたら、アメリカが残せるものはたったの3つだ。合衆国憲法ジャズ、そしてベースボール。この3つが、我々の文化が作り出したものの中で、最も美しくデザインされている

この言葉を引用しているサイトの例
Baseball History: 19th Century Baseball
The Importance of Jazz in American Culture - Jazz & Moreなど多数


この言葉がいったいどれだけのウェブサイトで引用されていることか。多くの人々がこの言葉から出発して、野球を語り、ジャズを語り、そしてアメリカを語ってきた。
ケン・バーンズのドキュメンタリーがいかにアメリカ人に影響力があるか。"Baseball"がいかに影響力のあったドキュメンタリーであったかがよくわかるし、そして、このジェラルド・アーリーの言葉の影響力も非常に大きいものがあった。


たとえば、もし日本でMLBの歴史を紹介する番組を作るとしたら「タイ・カッブやベーブ・ルースのエピソードや、ホームランを打つシーンが延々と続くような安っぽい作り」になってしまうだろう。

だが"Baseball"は違う。
第1回1st Inning - Our Gameの冒頭にたしかにタイ・カッブの顔写真はじめ、ベーブ・ルース、サンディ・コーファックス、ジョー・ディマジオ、さまざまなプレーヤーは出てくるが、彼らは名前の字幕さえ全く出てこないし、ナレーターが彼らの名前を連呼することすら、ない。
このドキュメンタリーにとって大事なことは、誰もがわかりきっているプレーヤーの名前を表示することではなく、「アメリカの歴史の背骨に、ベースボールをきちんと位置づけること」である。名選手紹介のような安っぽいものをケン・バーンズが作っているわけではないから、当然だ。

だからこそ、このドキュメンタリーに出てくる選ばれるプレーヤーになることは、単に「成績の良かった選手」ではなくて、ジェラルド・アーリーがいう「アメリカが2000年後の人々に残せる3つ」に含まれている選手かどうかが、厳しく問われる、という意味になるのである。

どうみても「2000年後にアメリカ史の一部として語るべき選手に選ばれること」は、単にクーパーズ・タウンの野球殿堂に入ることよりもずっと難しいと、思う。






ルパン・上原のもみあげ「なんじゃ、このおかしなモミアゲ・・・・」と最初は思っていても、軽く打者をひねる名クローザーぶりを見続けているうちに、いつのまにか「もしかすると、これ・・カッコええんちゃうか・・・?」と思えてくる魔法のモミアゲ、"ルパン"上原(笑)
いま日本人で最もブサ・カッコいいメジャー・リーガーだ(笑)
ルパン三世


いまや、ア・リーグ東地区最強チームに化けてしまったボルチモアが、今日も松坂先発のア・リーグ3位ボストンを軽くひねりつぶした。ルパン・上原も、快調にセーブを稼いだ。
Baltimore Orioles at Boston Red Sox - September 20, 2010 | MLB.com Gameday


シアトル在籍時に、クリフ・リージェイソン・バルガスにアドバイスしたことのひとつは「テンポよく投げろ。打者に考える時間を与えるな」だった。
では、「テンポよく投げる」ためには、どうしたらいいか。その答えが今日のボルチモア戦の上原のピッチングにある。

コントロールの良さ」、である。(あとは少しばかりの度胸)


いま絶好調の上原は「テンポが速い」。
一方で、毎試合四球を連発し、チンタラチンタラ4失点以上を続ける松坂は「とてもメジャーの投手とは思えないほど、テンポが遅い」。
では、松坂に「テンポを上げなさい」と言葉で言って、テンポを速くできるか? できるわけがない。
それはそうだ。コントロールの悪い松坂がテンポよくボール球ばかり投げたのでは、あっという間に満塁になってしまう(笑)


「テンポよく投球して、打者がなぜ打ち取れるのか」といえば、「ストライクが入る」「球にキレがあって、打者がまともにハードヒットできない」「ピッチャーとキャッチャーの呼吸があっている」など、いろいろ前提が必要だが、最も大事なのは「投手のコントロールがいいこと」だということを、今日の上原は非常にわかりやすく教えてくれた。


クリフ・リーも、何度もこのブログに書いているように、「異常にストライク率の高いピッチャー」であり、もちろんコントロールがいい。だからこそ、彼はテンポのいいピッチングをできる。
ストレートがそれほど早いわけではないクリフ・リーのコントロールが松坂並みだったら、とてもサイ・ヤング賞投手にはなれなかった。(注:腰痛が治ってきた彼のストレートはかなりスピードアップしている)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月7日、クリフ・リー、シアトルが苦手とするアーリントンのテキサス戦で貫禄の107球無四球完投、4勝目。フィギンズの打順降格で、次に着手すべきなのは「監督ワカマツの解雇」

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月23日、クリフ・リー「鳥肌モノ」の115球、4試合連続無四球で6勝目。「ストレートのかわりにカットボールでカウントを作って、変化球で仕留める」クリフ・リーの「東地区っぽいピッチング・スタイル」は、実は、2010年シアトルモデル。






September 20, 2010

"It's the first time I've gotten to play against a team I've played for previously,'' Lee said.
Mariners Blog | Cliff Lee had "a little extra incentive" in facing former Mariners team | Seattle Times Newspaper

クリフ・リーが言うには、「前に所属してたチーム相手に投げるのは、これが初めてなんだ。」ということらしい。
と、いうことは、クリフ・リーから最初の打席でヒットを打ったイチローは「クリフ・リーが以前に所属していたチーム相手に投げるゲームで、一番最初にヒットを打ったバッター」ということになる。
Texas Rangers at Seattle Mariners - September 18, 2010 | MLB.com Gameday


クリフ・リーはイチローのバッティングについて、こんな風に言っている。
"Obviously, Ichiro is pretty unbelievable,'' Lee said. "He's got a knack for getting hits no matter what's going on. He got a few, huh? I don't know how many he got. Two or three at least, right? And that's his game. He knows how to do that. He's got unbelievable hand-eye coordination.


hand-eye coordinationという言葉(eye-hand coodinationとも書く)は、昔からイチローの賛辞に使われる言葉のひとつとして何度も聞いてきた単語だ。

野球でこの言葉が使われる場合、ほとんどの場合「バット・コントロール」と訳されてしまうが、どうも気にいらない。それだと、hand-eye coordinationという言葉のニュアンスの一番重要な部分がスポイルされているような気がする。

hand-eye coordinationという言葉は、場合によっては「反射神経」という意味に近いニュアンスで使われることがある。
クリフ・リーが「イチローは信じがたいhand-eye coordination能力をもっている」というとき、それが「あらゆる球種にうまくバットをあわせてくる。つまり、バットコントロールが上手い」と言っているのか、「投手が投げた瞬間に、球種やコースを見極めて対応してくる、という反射神経の速さ」を言っているのかは、本当は、クリフ・リー本人にもっと突っ込んた話を聞いてみないとわからない。
インタビュアーはどうしてそういう突っ込んだ「いい話」を聞いてこないのか、と、いつも思う。
Eye–hand coordination - Wikipedia, the free encyclopedia


hand-eye coordinationという言葉を「バットコントロール」と訳すだけで終わらせるのが気にいらない理由を説明するために、ちょっと例を挙げてみよう。


hand-eye coordinationという言葉がよく使われるのは主に、スポーツ、外科手術、コンピューター、音楽といったプロの分野だ。これらの世界には「道具を使って、微細でテクニカルな操作を行う」という共通点がある。

例えば、バイオリニストが楽譜をまったく見ないで非常に上手くボウ(バイオリンを演奏する弓)を操って演奏したとしたら、それ自体はたしかに「ボウ使い(野球でいうバット・コントロール)が上手い」とはいえる。
だが、それではhand-eye coordinationの能力が高いとはいえない。なぜなら、それは「手の動きが上手い」だけで、「視覚との連動性の問題」が含まれていないからだ。
それに対して、初見(しょけん)の楽譜(=はじめて見る曲の楽譜)を見ながら、いきなりスラスラとその曲を弾きこなした、という場合には、初めて楽譜を見て理解するという「視覚の問題」と、それを即座に弾きこなすという「手の運動性」が連動して関係してくる。

ただ「道具をうまく使う」という意味を言いたいだけなら、別にhand-eye coordinationという言葉を使って説明する必要はない。
hand-eye coordinationという言葉を使うのにふさわしいのは、「視覚と手の中間になんらかの道具(デバイス)の仲介があり、目で見えるモノと、手の連動性が、あらかじめズレてしまう問題があるケース」だという気がする。


他にも、例えば、モニターを見ながら内視鏡手術をする外科医、モニターを見ながらテレビゲームを超高速でプレイするゲーマー、モニターを見ながらピクセル単位で的確にカーソルを移動できるデザイナーなど、「目でモニターの動きを追いかけながら、手で道具を動かす仕事」にも、「視覚と手の動きの連動性の問題」が存在する。
これらの仕事には、「視覚と、道具を扱う手の運動との間に、あらかじめズレがあり、そのズレを的確に埋める能力の高さで、処理スピードや処理の的確さが決まってくる」という共通点がある。

例えば内視鏡手術では、患部は非常に拡大されてモニターに映し出される。だが、実際に手を動かす必要があるのは1ミリ以下の場合もあるほどの小さな動きであり、視覚の「大きさ」と、手の動きの「微細さ」の間に「大きなズレ」が存在する。
「視覚で得られた情報(例えば、外科手術の拡大されたモニター、テレビゲームの画面、パソコンの画面、初めて見る楽譜)」と、指の微細な動き(1ミリ以下の操作の必要な内視鏡手術、高速でのコントローラー操作、ピクセル単位のマウス操作、テクニカルな楽器演奏の指の動き)」には、もともと「ズレ」があるのである。
もっと細かく言えば、縮尺のズレ(視覚的なスケールと運動のスケールのズレ)、視覚と手で行う道具の操作の方向性のズレ、奥行きの無いモニターでの視覚と凹凸を感じる手の感覚的ズレ、上下左右という方向性をボタン操作やマウス操作に変換する際の意識のズレ、楽譜という記述体系を楽器演奏という運動に変換する際のズレ、などである。

この「ズレの克服」こそが問題だ。

「視覚と手の運動のズレ」の克服は、例えば練習の積み重ねで楽譜を見なくても演奏できるようになるように、「道具が上手くコントロールできるように練習すること」だけで達成できるとは、到底思えない。

むしろ初めて見る楽譜を見て即座に演奏するバイオリニストの能力や、触覚と著しくズレている映像を見ながら微細な手術をする外科医の能力のように、
「視覚情報に、瞬時に反応できるスピード」
「視覚情報を、運動性に変換するときの的確さ」
「ズレを変換する際に強いられる精神的緊張の克服」
「連続的にズレていく視覚情報に、
 手の運動が連続的に追従していける動的能力」
などが要求され、単に「練習によって肉体的に慣れる」とか、「慣れによって視覚と運動の連動性を高める」とか、そういう程度の鍛錬では追いつかないような気がする。

内視鏡手術をする外科医には、見た目では数センチに見えるモニターの動きに「惑わされずに」、視覚から得た情報を1ミリ以下の指の微細な動きに変換するための独特の手術テクニックがあり、また、その特殊技術習得のための訓練にも、独特のトレーニング・スキルがあるらしい。
ゲーマーやデザイナー、音楽家も、モニターや楽譜を見ながら道具を操作する技術を、練習で自分のカラダにたたきこんで「正確な」指の動きをマスターしなければ仕事にならないだろうが、ただただ練習を繰り返せば一流になれるかというと、単なる肉体的な練習や慣れだけでは限界があると思う。


「道具をどう肉体がコントロールするか」だけが問題なのではなく、どうも「脳内の変換能力の向上」とでもいうものが必要な気がするのである。


うまくいえないが、イチローのhand-eye coordination能力は、単に「アナログ的な道具扱いの上手さ」だけを意味するのではなくて、なにかもっと別の、ずっと現代的でデジタルで脳内的な問題を含んでいるように思えるのである。

最近のカメラは、デジタル化によって、ようやく人間の目がもつさまざまな能力に少しずつ追いつきつつあるわけだが、それでも人間が目から得ている視覚情報は本来膨大なものである。また、脳内での情報処理も非常に高度な処理が行われていて、例えば人の顔の判別だけとっても、機械にはなかなかできなかったわけだが、人間の脳内では「顔の情報」について非常に高度な情報処理が行われていて、「それが誰であるか、即座に総合的な判別ができる」ようになっている。
しかし、一方で、人間の筋肉や骨を動かす能力のほうは、視覚から入った大量の情報に高速かつ的確に追従できるほど、高度にできていない。

だからこそ、テレビゲームをやっていて、モニターで「あ、いまコマンドを入れないと、やられてしまう」と、いくら頭でわかっていても、指はまったく動かなかったりする。
もちろん、鍛錬によって肉体の反応力はある程度までは上がっていくが、「肉体的な練習による、単なる慣れ」だけでは、身体のコントロール能力は、速度、正確さに限界があると思う。
たとえでいうと、「バットを振りつづける」「ゲームをやり続ける」「外科手術をむやみとたくさんやる」「やたらと楽器を演奏しまくる」ことだけでは、そのプレーヤーが到達できる高さには限界があるのではないか、ということだ。

RICKSON GRACIE瞑想するヒクソン・グレーシー

アスリートが「その先」を目指すためには、本当は「脳を鍛える」ようなこともしなくてはいけないのかもしれないのではないか、と思う。ヒクソン・グレーシーはヨガの達人でもあると聞く。それは「肉体的練習がもともともっている到達限界を超えて肉体をコントロールするためにトレーニングしている」のだと思う。
なにも、筋トレして筋肉を増やすことだけがトレーニングなわけではない。


本来、運動能力の正確さは年齢とともに急速に衰えいく。だから、肉体を鍛えているだけでは、加齢とともに「できたはずのこと」が「できないこと」に急速に変わっていくだけになる。

だが、イチローの場合は「肉体的な衰え」が、
「ほかの何か」でカバーされている。

その何かとは、「脳の変換力の若さ、正確さ、スピード」であり、その「若さ」がhand-eye coordinationを支えているとしたら、イチローのhand-eye coordinationとは、非常にデジタルで現代的な能力だと思う。






September 17, 2010

2010年9月15日阪神vs横浜2回裏カスティーヨ タイムリー2010年9月15日
阪神vs横浜
2回裏カスティーヨ タイムリー

Yahoo!プロ野球 - 2010年9月15日 横浜vs.阪神
日本のプロ野球・横浜ベイスターズに所属するホセ・カスティーヨ(José Castillo)というプレーヤーはベネズエラのカラカス出身。シアトルのフランクリン・グティエレスとは同郷ということになる。
2004年から数シーズン、ピッツバーグでセカンドとしてプレーしたようだが、本来ショートだった彼がセカンドにコンバートされた理由というのが、「ショートにジャック・ウィルソンがいたから」というのだから、ちょっとビックリした。
この選手がもっと打てて、ジャック・ウィルソンをスタメンから追い落としてくれていたら、いまごろシアトルのショートは別の選手だったかもしれない。どこで縁があるか、わからないものだ。
Jose Castillo » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball


まぁ、そんなタラレバより、上の画像を見てもらおう。
スコアは、ホームの横浜が6-1で大きくリード。2死1、2塁、カウント3-0(MLB表記)。また、初球から3球目まで、投手は全て「特徴的なアウトコース低めの変化球」を投げている

カウント3-0(MLB表記)というと、阪神・ブラゼルの「メジャーでは3-0、2-0では、投手は必ずストレートを投げる。だが、日本では変化球を投げてくることに最初とまどった」という何度も引用しているコメントがあるように、もしメジャーなら、まちがいなくここは「ストレートを投げるカウント」
だが、実際には、日本のゲームだから投手はこの打者に対して4連投となる「アウトコースのスライダー」を投げ、タイムリーを浴びている。
このタイムリーは、この2回の時点では7-1と、ただ点差を広げただけの点としか思われていなかったが、結果をみると、7-5。この1点がゲームの行方を決めたダメ押し点になった。


投手目線から考えると、なぜ「3-0」という苦しいカウントになったのだろう、いろいろと考えられる。マジなものから、おふざけまで、適当に並べてみる。日本での話だから、サインはキャッチャーから出ているものと考える。

1)もともとコントロールの悪い投手
2)たまたまこの日のコントロールが悪いだけ
3)セットポジションが苦手な投手
4)インコースが得意な打者なので、外に逃げた
5)強打者なので歩かせてもいいと、ベンチからサイン
6)ランナーがいると、アウトコースに逃げたがるキャッチャー
7)同じ球種を、同じコースに連投させるクセがあるキャッチャー
8)アウトコース低めのコーナーを狙いすぎて甘くなった
9)投手がストレートに自信がない
10)投手に持ち球の種類が少ない
11)インコースを突く度胸がない
12)点をとられるのが怖い
13)この打者に内角をホームランされたことがある

適当に思いつきを並べてみた。
アウトコース低めにちょっとだけはずれる同じ場所にスライダーを3球も続けられる投手ではあるらしい。だから「コントロールがまるで無い」とは考えられない。
むしろ「こういうピンチの場面で、外のスライダーのサインを出されて、それを投げさせられることに慣れている(慣れさせられている)投手」としか考えられない。


こんどは打者の立場から、「カウント3-0から、これで4連投になるスライダーに、バットをスコンと出せた理由」はなんだろうと考えた。これも適当に思いつきを並べてみる。

1)「スライダー連投を読んだ」横浜ベンチが
  バッターに3-0から「打て」のサインを出した
2)3-0はバッティングカウントと考えるチームカラー
3)打者が「3-0で変化球を投げる日本野球」に慣れていて
  「3-0からは絶対に変化球」と完全に読みきっていた
4)このキャッチャーが同じ球種の連投が好きなことを
  打者が経験か、試合の流れで知っていた
5)3-0まで打者がスライダーに手を出してこなかったので
  キャッチャーが「スライダーは安全」と思いこみ、
  それを打者に読まれた
6)元メジャーリーガーだから、3-0からでもフルスイング
7)ただの偶然
8)打ちたがりだから、3-0からもスイングしただけ
9)アウトコースの好きな打者
10)スライダーの好きな打者
11)点差があったので、自由に打てただけ
12)ここらで働いておかないと、来年がない

もちろん、横浜ベンチに座っているのは、春先に「かつて城島を指導してたんだから、彼のことはよーく把握してますよ」と不気味に笑っていた、尾花さんである。
尾花監督、阪神城島の分析必要ない - 野球ニュース : nikkansports.com

カスティーヨの打撃スタッツは、たしかにもともと「初球を打ちたがる」「初球の打点が多い」「併殺が非常に多い」「出塁率が低い」「得点圏打率がそれほど良くない」など、どれもこれも「フリースインガー特有の特徴」が、しっかり、たっぷり、メガ大盛りだ。
しかしながら、どういうわけか、この場面の彼は、3-0までバットを振らずに我慢できている。これがどうにも不可思議だ

ちなみに今シーズンの彼の打数は400ちょっとだが、うちカウント3-0になったのは、この打席を含め11打席程度しかないのに、3安打7四球。他のカウントと比べて、カウント3-0での、出塁率、四球率が異常に高い
理由は全く想像できないが、少なくとも「元メジャーのフリースインガーだから3-0からでも、バットを振り回してくる」という推測は、この場合にはまったく的外れなのは間違いない。彼は36打数のフルカウントからも、8安打7四球をマークしている。初球は打ってくるタイプだが、ボールが3つになると、とたんに四球を選んでくる。よくわからない打者だ。


このカスティーヨというバッター、少なくとも下記の記事の彼のコメントを読むかぎりでは、多少は「ゲーム中に手を抜かず、相手投手に対する観察を怠らないマジメさを持つ選手」ではあるようだ。打席に入る前から、あらかじめ狙い球を絞っているのかもしれない。

カスティーヨ
「(プロ野球・ヤクルトの由規投手は)直球のいい投手だが、前を打つ打者たちへの配球を見て今日はスライダーが多いと感じた。甘いところに来たので初球から積極的にバットを振った」
横浜:カスティーヨが攻守に活躍、連敗ストップに貢献/ヤクルト戦から:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社

また最初の3球ともスライダーなのだから、「単なるスライダー好き」「最初からスライダーを狙っていた」では説明にならない。

と、なると、なんだ。
カスティーヨが「次はスライダーだ(もしくは変化球)」と確信できたのは、実は「カウント3−0になってから考えた」と推測するのが、実は最も合理的かもしれない。
「カウント3−0。次はストレートか?変化球か?
メジャーなら確実にストレートだ。だが、ここは日本だ。キャッチャーの配球グセからしても、ここはまちがいなく、変化球!」というのが、なんとなく正解のような気がする。


一方、キャッチャーはどう打者を読んだのだろう。
「同じコースに同じ球種を3連投させたが、カウントは最悪。満塁にはしたくない。絶対にストライクが欲しい。絶対ストライクをとれる球種は何だろう? バッターはガイジンだから、3−0からのストレート狙いはあるのは確実だ。それに、3球スライダーを投げて手を出してこなかったからには、スライダーだけは絶対に安全!」とでも考えたかもしれない。


もちろん、他人の心理だから、こういう予測が当たっているとばかりも思わない。
ただ、同じ球種を同じコースに投げた結果の3−0から、何を投げるか、何を打つか、という選択の幅の少ないシチュエーションは、打者とキャッチャーの「お互いを読む能力」や、その選手の「ポリシー」「欠点」が、非常に出やすい場面のような気がする。
一方的に打者有利なシチュエーションなだけに、打者はどうモノにするか、捕手はどうかわすか、ギリギリの選択を、たった1球で迫られる。


この「スライダーを4球続けてタイムリーされたキャッチャー」の名前?
そりゃもちろん、城島健司、その人だ(笑)

2アウトでの1、2塁だ、犠牲フライで失点する心配はない。レフトのだれかさんの守備に不安があるから、リードが制約されて打たれているだけだ、なんていう、惨めったらしい言い訳は通用しない。






スポーツイラストレイテッドのJoe Poznanskiが書いたイチローに関する記事を紹介したのは、今年2010年3月だ。その中にこんな記述があったのを、ちょっと思い出した。
(注:Joe Poznanskiの経歴については下記の記事に詳しく書いたので省略
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年3月26日、The Fielding Bible Awards選考委員で、2007年CASEY Awardを受賞しているスポーツ・イラストレイテッドのJoe Posnanskiがイチローを絶賛した記事の翻訳を読んでみる。
また、Joe Poznanskiの元記事全文の日本語訳は、あるサイトがネット上に公開している。他サイトに迷惑をかけたくないので、URLを出すのは控えたい。日本語で元記事を読みたい方は、検索エンジンで「イチローのようなプレーヤーはこれまでいなかった」とでもキーワードを入れて探すと出てくるので、そちらでどうぞ)


Pete Rose once told me that nobody -- NOBODY -- was going to break his hit record and, to punctuate the point, added: "And you can tell Ichiro he can count his hits in Japan."
ピート・ローズはかつて私に、「誰も、そう『ただの一人も』、僕の安打記録を打ち破ることはないだろう」と語った。彼は自分の主張をさらに強調するように、こうも付け加えた。「なんならイチローに『どうぞ日本でのヒット数をカウントに入れてもらって構わないよと(僕が言ってると)伝えてくれよ。」(注:カッコ内はブログ側の補足文)


ピート・ローズさん、あなた、こんなこと言ってましたっけね(笑)なのに、どういうわけでイチローの日本でのヒット数についてグダグダ言い出したのかな。まぁ、人間、年とると忘れやすくなるからねぇ。だから、このブログが過去を掘り起こしてみましたよ、と。(笑)
ま、Joe Poznanskiの予測(when it comes down to it, I suspect that Pete Rose doesn't really want to count Ichiro's hits in Japan.)どおりというところか。

さて、Joe Poznanskiは、36歳というイチローの年齢に着目して、「経歴と年代の異なるプレーヤー同士を、36歳時のヒット数」で横一線に比較してみている。


Well, of course, they played shorter seasons in Japan. But, by my count, Ichiro had 1,278 hits in Japan. That would give him 3,308 hits for his career.
もちろん、日本の野球シーズンはメジャーよりも短い。私の計算では、イチローの日本でのヒット数は1278安打。それを加えたイチローのキャリア通算安打数は3308安打となる。

Pete Rose entering his 36-year-old season? He had 2,762 hits. That would be 546 fewer hits.
36歳を迎えたピート・ローズの安打数? 2762。イチローより546少ない。

In fact, counting Japan, Ichiro has more hits than anyone had entering their age-36 season:
日本でのヒット数をカウントに入れると、イチローの36歳でのヒット数は、36歳を迎えてプレーした、他のどんなプレーヤーよりも多い。

1. Ichiro Suzuki, 3,308
2. Ty Cobb, 3,264
3. Robin Yount, 2,878
4. Rogers Hornsby, 2,855
5. Tris Speaker, 2,794
6. Stan Musial, 2,781
7. Pete Rose, 2,762
8. Derek Jeter, 2,747
9. Mel Ott, 2,732
10. Sam Crawford, 2,711


そしてJoe Poznanskiはこの記事の結論として、「私はイチローに似た選手をまったく考えつかない。まさにオンリー・ワンの選手だ」と絶賛している。
この意見自体にはブログ主も賛成だが、それでも、あえて1人選べと言われたら、ブログ主なら今の時点で即答できる答えがある。

Ty Cobb.

すみませんね。ピート・ローズさん。
いまイチローの比較対象は、あなたの単純な「ヒット数」じゃなくて、メジャーの歴史の変革期におけるイチローの意義であり、球聖タイ・カッブなんですよ。
すみませんね(笑)
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月9日、盗塁とホームランの「相反する歴史」。そしてイチローのメジャーデビューの歴史的意義。






September 16, 2010

なんだろうね。いったい。


日本のスポーツ紙に限らずメディアの一部に、どうかしてイチローのことをこきおろしそうと、無駄に日夜奮闘しているアホな層があるのはわかっているが、それにしたって、アメリカの記事をリメイクして、しょうもない記事を書くくらいしか能がないのは、どういう頭の悪さなのかと思う。
そんなことでイチローの業績の輝きがどうかなると本気で思っているのだろうか(笑)


野球賭博にかかわったとしてMLBを永久追放になり、2004年の自伝で賭博への関与もハッキリ認めているピート・ローズが、どこでどう遠吠えしようが、彼を永久追放にしているはずのシンシナティ・レッズが、わざわざMLBの許可をとって彼のことを表彰までしてピート・ローズを復権させようと画策しようが、そんなもの、ほっとけばいいのである。

そういえば、かつて、イチローがメジャーデビューする年、2001年2月20日に「イチローが首位打者とったら裸でタイムズ・スクエアを裸で走ってやる」とか大見得を切って、大恥かいた記者がいた。かつてESPNにいたRob Dibble(ロブ・ディブル)だ。
実はディブルという男、「ピート・ローズと同じシンシナティ・レッズでピッチャーとしてデビューし6年在籍していた元メジャーリーガー」である。こうしたシンシナティ・レッズ関係者が、いかにピート・ローズを擁護したがっているか、復権させたがっているか、あるいはイチローを目の敵にする理由も、これでわかるだろう。


その「恥かき男」、その後どうなったか、
知らない人も多いだろう。

Rob Dibbleはその後、2008年にFOXと契約するためにESPNを辞め、さらに2009年にはMASN(Mid-Atlantic Sports Network、ワシントン・ナショナルズとボルチモア・オリオールズが所有するネットワーク Mid-Atlantic Sports Network - Wikipedia, the free encyclopedia)と3年契約をかわして、ナショナルズ担当キャスターになった。
だが今夏に、女性に対する性的差別発言で問題になっただけでなく、こともあろうに、MASNを所有するワシントン・ナショナルズの期待のホープ、ステファン・ストラスバーグに関する暴言(ケガをして登板できないでいるだけなのに、Rob Dibbleはストラスバーグが登板しないことを4文字系の汚い言葉で批判した)を吐いて、MASNにクビにされたのである。
(この事件はMLB公式サイトでも記事になった。TV analyst Dibble won't make road trip | MLB.com: News 公式サイトまでもが記事にしたことで、今後ボブ・ディブルがMLB関連の要職につけるとは思えないが、先行きは不明)

ま。ピート・ローズと彼の擁護者たちがどうあがこうが、「彼のヒット数は、もう1本たりとも増えることはない」(笑) ほっておくことだ。



さて、アメリカのグーグルで、Rob のあとに一文字、n という単語をを入力してみてもらいたい。
検索候補の筆頭にあがってくるのは、Rob Neyerという名前である。「Rob Nなんたら」という名前の人が全米に何百万人いるかは知らないが、その中で最も世間に名前を知られているのがRob Neyer、というわけなのである。
それが、セイバーメトリクス創始者ビル・ジェームズが、the best of the new generation of sportswritersと賞賛するESPNのRob Neyer(ロブ・ナイアー)だ。
彼はFielding Bible Award(フィールディング・バイブル賞)の選考委員のひとりでもある。
Rob Neyer - Wikipedia, the free encyclopedia

Rob Neyerの個人サイト
RobNeyer.com | Baseball Writing, Baseball Books and Baseball History
Fielding Bible 2009の選考委員の顔ぶれ
Fielding Bible Award 2009

野球専門記者であるRob Neyerは、つい最近イチローの業績を賞賛する記事を書いている。彼にいわせれば、「もしもイチローがカリフォルニア生まれなら、ピート・ローズの記録を抜いていた。だから、イチローの記録は、日本時代も含めて、賞賛されていい」ということになっている。(ちなみに、彼は別にピート・ローズの記録を貶す主張をしたことがあるわけではない。むしろデレク・ジーターと比較して、ピート・ローズを賞賛する記事を書いたことさえある)
If Ichiro had been born in California ... - SweetSpot Blog - ESPN
この記事は「もしもイチローがカリフォルニア生まれなら」と、ちょっと風変わりなタイトルなのだが、なぜカリフォルニアと限定しているのか?誰も書かないので、書く(笑)
確かめたわけではないが、たぶんこれは、アメリカ人なら大抵知っている1965年のビーチ・ボーイズの大ヒット曲「カリフォルニア・ガールズ」にでてくる「素敵な女の子がみんなカリフォルニア・ガールズだったらいいのにね」という歌詞をもじったものだ。
だから「カリフォルニア」という地名を挙げたことに、たいした意味はない。「もしもイチローがアメリカ生まれなら、ピート・ローズの記録なんて問題なく抜いていたさ。そうだろ?」とでもいうような意味だ。

今は有名ライターのひとりになったRob Neyerだが、ライターとしての評価を固めるまでには紆余曲折があった。それにはいくつか理由がある。
Rob Neyer - encyclopedia article about Rob Neyer.
Neyer's statistical analysis often finds him at odds with many, though not all, ESPN writers, who prefer more "traditional" types of baseball writing and generally eschew newer statistics such as OPS+, VORP, and WARP.


Rob Neyerは、2001年に「デレク・ジーターなんて、守備はたいして上手くない」という主旨の話を公言して、ヤンキースファンを激怒させた(笑)
セイバーメトリクス的なデータに慣れた今のMLBファンにしてみれば、「ジーターの守備には、ちょっとしたポカが多い」という話は、納得する人も多い。
だが、2001年当時のメジャーファンおよびスポーツメディアにしてみれば「デレク・ジーターは守備の名手で、ゴールドグラブあたりまえ。ジーターの守備を貶す?ありえない!」というのが常識だったわけで、そりゃ、許しがたい暴言であっただろう(笑)

去年、勝利数がたいしたことがないザック・グレインキーがサイ・ヤング賞を獲ったが、これもほんのちょっと昔なら、グレインキーの成績を「所属するカンザスシティ・ロイヤルズのチームとしての弱さ」を考慮して補正することなどなく、単純に防御率や勝利数だけで判断されて、グレインキーではなくCCサバシアか誰かが受賞していたことだろう。
それくらい、ちょっと昔と、今とでは「選手の評価基準が違ってきている」わけで、その評価基準を一変させつつあるのがセイバーメトリクスなのだ。Rob Neyerのようなセイバー系のライターの発言力は年々強まりつつある。


ただ、セイバー系ライターの発言力が強くなるのを、アメリカの野球記者全員が全員、歓迎しているわけではない。
2007年に、Rob Neyerと全米野球記者協会(BBWAA)との間にトラブルがあった。要約していえば、「Rob Neyerのような『記事を発表するホームグラウンドが、新聞ではなくて、インターネットであるような新世代の記者』は、実際にボールパークに行って、全米野球記者協会が規定する数のゲームを見ていない。だから、彼らが殿堂入り選手の投票、サイ・ヤング賞やリーグMVPの選考といったBBWAAの重要事項に関わるのは、どう考えてもおかしい」という異論が出たためだ。
まぁ、たぶん、BBWAAに昔からいる新聞記者系の人々にいわせれば、「おまえら、気にいらねぇな。いい気になってんじゃねぇぞ」という、単純なやっかみがあるのだと思う。この件の決着は、2008年にRob Neyerら、セイバー系ライター側の勝利に終わっている。
Baseball Writers Association of America - Wikipedia, the free encyclopedia


新聞に頼らない新世代の野球記者であるセイバー系ライターたちは、データにも、メジャーの歴史にも詳しいが、彼らはのきなみイチローの業績を「オンリーワンな存在」と高く評価している。
同じRobはRobでも、イチローにケチをつけようとして大失敗したRob Dibbleと、イチローを賞賛したRob Neyer、どちらが「いまどきの記者か」。
考えなくてもわかるだろう。






September 15, 2010

調べてみて驚いた。
オレとしたことが、迂闊だった。


前からおかしいなとは思っていたのだ。
かつて全米大学ナンバーワンキャッチャーだったジェフ・クレメントは肩の弱いキャッチャーではあったが、では、そもそも肩が弱くて「全米ナンバーワン」になれたりするものかどうか。また、マイナーから上がってくる若いキャッチャーたちが、どういうわけで誰も彼も全身ケガだらけなのか。

今回調べてなんとなくわかった。
どうりで、(キャッチャーに限らないが)いくらシアトルが有望な若者をドラフトやトレードで手に入れても、どういうわけか、彼らがマイナーで育成されてメジャーに上がってくる頃には、カラダに深刻な故障を抱えていたり、(素質だけは間違いなくあるが、それを発揮する能力のないホセ・ロペスなども含めて)クレバーさが微塵も感じられない「不器用なデクの棒タイプ」の選手ばかりに出来上がってくるわけだ。
このチームに有力な若手が育たない原因は、GMの手腕の無さ以外に、「現役時代に日本でプレーしていた」とか、「日本でのコーチ経験がある」とか、そういうコネ採用が当たり前の田舎じみた理由で寄せ集めてきたマイナーの指導者の無能さにも原因があったのだと思う。

よくまぁ、ロブ・ジョンソンがああいうタイプの、「頭を使うタイプのキャッチャー」になれたものだと、逆に感心する。たぶん「本人がもともとメモ魔」かなんかで、独学でもしたのだろう。
メジャーでの指導者としてのトレーニングもロクに経験してないくせに、身体能力がまだ不足している若い選手に大ケガしかねない「しごき」を強要することしかできないような無能なコーチに、ジェフ・クレメントも、ロブ・ジョンソンも、アダム・ムーアも指導されてきたのだと思うと、メジャー最高峰の成績を積み重ねつつ「チームがプレイオフに進出する日」を心待ちにしてきたイチローのこれまでの精進の日々が本当に情けなくなる。
ことに酷いアダム・ムーアの粗雑すぎるプレーぶりをみていると、これまでのマイナーのコーチたちの育成手法の「雑さ」「ダメっぷり」がよく伝わってくる。


コーチって、誰のことかって?
かつては、投手陣に嫌われた城島を投手たちにとりなすために雇われてもいた元シアトルのマイナーの捕手コーディネーターで、ロブ・ジョンソンをこきおろしてメジャーからひきずり降ろし、かわりに自分の愛弟子アダム・ムーアを正捕手に据えて、自分はちゃっかりメジャーのベンチコーチにおさまった
ロジャー・ハンセンのことだ。



このところのアダム・ムーアのプレーの酷さは、ちょっと数が多すぎて書ききれないし、記事にしきれない。
Adam Moore Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
キャッチャーフライはこぼす。走者には走られまくる。
度重なるパスボール。投手のワイルドピッチを後ろに逸らす。
打者には打たれまくり、チームは負けまくり。
打っては、最低の打率、最低の出塁率。
もうアダム・ムーアの打撃データの細部を批判するまでもない。調べるだけ、時間がもったいない。四球を選ぶとか選ばないとか、得点圏打率がどうとか、出塁率どうのこうのとか、そういうことを調べる必要もまったくないし、他のキャッチャーと比較したりする必要も全く感じない。

アダム・ムーアはいうなれば「走者を刺せない城島」のようなキャッチャーであり、「刺せない、打てない、守れない」の3拍子が揃っている。
そんな選手をメジャーの正捕手に推したのは、かつてのシアトルのマイナーの指導者で、いまはワカマツ以下が首になって以降に、ちゃっかり「自分には何も責任がないような顔をして」メジャーのベンチにおさまっている人間たちだが、彼らはかつてアダム・ムーアのことをどう言っていたか。


かつてのマイナー指導者たちによる
アダム・ムーアを持ち上げる発言例

例えば、2009年11月10日のSPIの記事で、捕手出身のマイナーのディレクターPedro Grifolと、当時彼の右腕といわれ、いまはベンチコーチのロジャー・ハンセンのインタビューがこれ。(以下はペドロ・グリフォルの発言だ。)
Mariners youngsters ready to help? | Seattle Mariners - The News Tribune
“He’s matured, he understands the priority of a catcher. He knows he has to understand the 12 to 13 pitchers he has to have a daily relationship with,” Grifol said. “Offense comes after catching.
“Adam can be a team leader, he can hit and I think he can compete for the starting job next spring – no matter who we might bring in ahead of him.”
「彼は成長した。捕手にとって何が優先事項かを理解している。彼は、キャッチャーが12〜13人の投手を理解し、日々関係を保たなければならないことがわかっているんだ。オフェンスの優先順位というのは、キャッチングよりも後に来るものさ」
「チームリーダーになれる可能性があるし、打撃がいい。チームが他に捕手を獲得しようとも、来春の開幕捕手を争えると思う。」


もし「キャッチャーが12〜13人の投手を理解し、日々関係を保たなければならない」とわかっているのなら、それの適任者は、アダム・ムーアではなく、ロブ・ジョンソンなのは明らかだ。それに、これほど酷い能力しかない選手が、チームリーダー?。どこを見てそういうわけのわからないことを言っているのか、意味不明すぎる。


ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」
いままでロジャー・ハンセンの名前に何の興味もなかった。だから、まして「ロジャー・ハンセンと城島との繋がり」を今まで意識したこともないし、また、調べたことも一度もない。

だから調べていて、いろいろ驚いた、驚いた。
正直、迂闊だったな、と反省すらした。
ネット上にロジャー・ハンセンと城島、この2人の「繋がり」を示す資料はそれほど数は多くはなかったが、それでも、明白な証拠記事はいくつかみつかった。
結論的にいえば、ロジャー・ハンセンは、「城島問題」が発覚しつつあった2008年前後に城島とバッテリーを組むのを嫌う投手陣グループに対して、城島をとりなすためにチームが使った仲介者だったのである。(もちろん、その試みは大失敗し、2009年には主力先発投手の大部分が城島とバッテリーを組むのを拒否することになる)
Mariners | Part I: M's puzzle tougher to reshape with big contracts | Seattle Times Newspaper
Carlos Silva was another pitcher who got signals crossed with Johjima early in the season and was frustrated. The Mariners later brought in catching consultant Roger Hansen to get pitchers and Johjima on the same page.

チームが、投手陣と城島の「しこり」を減らすために連れてきた「城島のための仲介者」であるロジャー・ハンセンは、また、シアトルのマイナーにおいて「ロジャー・ハンセンが勝手に考える『日本式トレーニング手法』で若手を鍛える指導者」でもある。
その手法は、2010年9月にアダム・ムーアにやらせた「キャッチャーフライの練習」とやらいう意味のわからないトレーニングでもわかるように、スポーツ科学もデータもへったくれもない大昔の高校野球的な根性主義そのものであり、なんの合理性もない「手抜きのスパルタ指導」にしか見えないし、薬物汚染を捨てデータを重んじる現代のメジャーの野球に、まるで似つかわしくない。
ダメ捕手城島の「日本式リード」とやらもそうだったが、こんな意味のわからないものを自分だけで勝手に「日本式」とか名づけて、メジャーで得意気に振舞ってもらっては困る。


ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を示す資料を、以下に示す。まぁ、よくこんな、なんの合理性もない指導法で金をもらっていたものだ。こんなこおでシアトルの若手選手が、メジャーで使い物になるレベルに育つわけがない。もし育ったら、それこそ奇跡というものだ。ありえない。
どうりでシアトルのマイナーが育てる選手が「アホで、守備の下手なフリースインガー」ばかりになるわけだ。

ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を示す資料(1)
日高を育てた男 - 青く紅い日々 - Yahoo!ブログ
(上記サイトより転載)「3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、日本代表として参加する予定の城島健司捕手(シアトル・マリナーズ)。大会参加のため、正捕手の座が確約されていないマリナーズの春季キャンプの多くを欠席することになるが、コーチはあまり心配はしていないようだ。チームの地元ワシントン州の地方紙『エベレット・ヘラルド』(電子版)が11日付けで伝えた。
現在、マリナーズの捕手陣を指導するのは、かつてオリックスブルーウェーブ(現バファローズ)でコーチを務めた経験があるロジャー・ハンセン氏。日本時代から城島をよく知るというハンセン氏は、城島がWBCでプレーすることは問題なく、逆にシーズンへ向けた準備となるとコメント。城島自身も何をすべきかは分かっているだろうと信頼を示し、チームを離れることも問題視していないという。」

ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を示す資料(2)
2009年4月8日に、シアトル・タイムズのスティーブ・ケリーが2009シーズンの城島について「非常に好意的な記事」を書いたのだが、この記事にも一部に、ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を思わせる記述がある。
スティーブ・ケリーは穏健なタイプのライターで、「城島問題」においても常に「来年は活躍してくれるだろう的な楽観記事」を書き続けて問題の中心を指摘しようとしない城島寄りの毒にも薬にもならない存在だった。
Steve Kelley | Mariners Kenji Johjima steps up behind the plate | Seattle Times Newspaper
Johjima, in his fourth season, has talked with catching coordinator Roger Hansen, general manager Jack Zduriencik and Wakamatsu and understands the importance of this year.
「4シーズン目を迎える城島は、捕手コーディネーターのロジャー・ハンセン、GMジャック・ズレンシック、ワカマツと話し合い、今シーズンの重要性について理解を深めた。」


ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を示す資料(3)
これは、2008年3月4日に、SPIのアート・ティールが書いた記事。
アート・ティールは、「城島問題」についてはシアトルタイムズのスティーブ・ケリーとは全く立場が違い、2009年7月に「城島を正捕手に戻すべきではない」という主旨で、城島のスタメンに反対するコラムを書いていて、「城島批判派」のひとりだった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月12日、SPIのコラムニスト、アート・ティールは「城島を正捕手に戻すべきではない」「敏腕なワカマツはこれからも自分の方針を貫くべき」と主張するコラムを書いた。
ブログ注:2008年3月に書かれたこのコラムで彼が言う「lumps しこり」とは、当然のことながら、マリナーズの投手陣と城島との間にあった「しこり」「わだかまり」を指す。
Steep learning curve nearly cost Joh, M's
"In Japan, catchers are conditioned to play every day," said Hansen, who coached in Japan for three seasons. "You don't leave the ballpark without a workout and film study. That's the Japanese style -- you don't go home until everything is ready for the next day. So Joh is going to play here a lot.(中略)
Much has been made of the Mariners' talent upgrade in the rotation. But some of the success of the investment will be dependent on smoothing the lumps behind the plate.
「日本ではキャッチャーは毎日トレーニングする」と、日本で3シーズンコーチ経験のあるロジャー・ハンセンは言う。「ワークアウトと、映像を使った勉強を欠かすことはないんだ。それが日本流さ。次の日の準備が済むまで帰らない。だからジョー(城島)はメジャーでもたくさんプレーできるのさ。」(中略)
ローテーションにたくさんの有望選手が育ちつつあるわけだが、これまでの(若手投手に対する)投資が成功に至るかどうかは、ホームプレートの後ろにある『しこり』をスムーズにできるかどうかにかかってきた。」


ロジャー・ハンセンの「手抜きの根性主義」
ロジャー・ハンセンが「走者を刺せない城島」であり、「刺せない、打てない、守れない」アダム・ムーアを強引にメジャーのキャッチャーに仕立て上げたはいいが、ムーアがあまりにもエラーばかりするものだから、ロジャー・ハンセンがムーアにやらせている「スキルアップ練習」とかいうのがある。地元紙「エベレット・ヘラルド」電子版に触れられている。
これがもう想像を絶する酷いアホ練習だ。よくこんなのを「練習」と言えるものだと思うし、よくもまぁ、こんな「練習」で「選手が向上する」と人前で公言できるものだ。
それと、「こんなアホ練習に慣れ切っていて、これが『当たり前』だと思っているアダム・ムーア」も、ちょっとどうかしている。

事の顛末はこうだ。
2010年9月1日にロジャー・ハンセンがアダム・ムーアのポップフライのキャッチングの改善とか称して、ある練習をやらせた。それは、ハンセンがマシンでそこらじゅうにフライを上げて、アダム・ムーアに捕らせるというもの。
その練習中、ロジャー・ハンセンがダグアウトにマシンをわざと向けてフライをあげた。当然フライを捕りにいったアダム・ムーアはダグアウトに飛び込んでしまい、あわや大怪我をしそうになったと、そういう話。
HeraldNet: The fine line between developing a young catcher and destroying him
Hansen had a machine at home plate shooting baseballs high into the air -- at all angles -- with Moore springing out of his crouch to locate the popups, (中略)
A few minutes ago, Hansen shot one popup toward the Mariners' dugout and Moore put his eyes on the ball and sprinted toward where he though it would land. One problem. The ball drifted, and kept drifting, and so did Moore. At nearly full speed, he disappeard down the dugout stairs just as the baseball did.


機械的と言う以外、どう言えばいいのか、こういうアホ練習。しかも、こういう練習に慣れきってしまっているアダム・ムーア。

こういうロジャー・ハンセンのアホ練習について、当事者2人がどう言っているか。同じ「エベレット・ヘラルド」で読むことができる。
非常に興味深いことのひとつは、メジャーの教育リーグが行われるアリゾナでロジャー・ハンセンのやってきた指導内容のレベルの低さを知ることができる、ということだ。当の指導を受けた「アホ練習に慣れきった弟子のアダム・ムーア」が語っているのだから、間違いない。
簡単にいえば、クソ暑い中を、レガースからマスクから、プロテクターから、なにからなにまで装着させたまま、若い選手を長時間走らせ続けたりするのが「ロジャー・ハンセン流の指導」だった、ということ。
あまりに馬鹿馬鹿しくて、訳を書く気にもならない。
HeraldNet: Hansen has Mariners' catchers sweating
Moore said worst occurred in September of 2006 at instructional league workouts in Peoria, Ariz.
Hansen, well known for putting catchers through grueling workouts, said he was more worried about his sunglasses, which Moore had borrowed on a sunny day.
"You have to practice hard to play hard," Hansen said. "You don't teach them to get hurt running over to the stairs. He can handle it -- head-butt the wall, catch the ball and come back out."
"We were doing blocking drills and it had to be 120 degrees," Moore said. "We'd been out there three hours and I took one in the throat. I kind of stood up and moped, and when Roger saw that he made the whole crew start running. Full gear, facemasks and everything.
"Every time we ran by him, he would say, 'Keep going.' There's no telling how many laps we ran. It was miserable. That was the last time I moped.



この「マシンを使った意味のわからないポップフライ練習」のあった9月1日以降、アダム・ムーアがどれだけの数エラーしたことか。

覚えている人も多いだろう。
ちょうどつい先日のゲームでアダム・ムーアは、イージーなキャッチャーフライを落球している。ロジャー・ハンセンが練習させている(つもりになっている)キャッチャーフライを捕りにいったのはいいが、アダム・ムーアはボールがバックネット側に切れていって、自分の位置から後方に逸れていく特性すらまったく判断できず、ミットで触れることもないまま落球してしまい、エラーがついて、ゲームにも負けた。

そりゃ、そうだ。
馬鹿かと言いたい。

マシンで上げた球はそれほどスピンがかかっていない。
だが、実際のバットでカットするように打たれたキャッチャーフライは、当然のことながら、強烈にバックスピンがかかる。
だからこそキャッチャーフライの練習においては、バットで打って「スピンの入った、生きたキャッチャーフライ」で練習させることにこだわる指導者も多いわけだし、また、キャッチャーフライを上手にノックするには、ノッカーとして高い技術が必要とされる。
マシンなどでフライを上げて、しかも「わざと」ダブアウトに飛び込むフライを捕りに行かせるような「手抜きの根性主義の練習」で頭のいいキャッチャーなど、育つわけがない。(というか、そもそも根性主義などというのは「手抜き」を前提としていることは、いまやスポーツでも常識)

もし大怪我でもしたら、どうするというのだ。チームの多大な損失を、ロジャー・ハンセンが払えるとでもいうのか。

地元紙エベレット・ヘラルドは、こういう「ロジャー・ハンセンの指導ぶりの意味不明ぶり」について書かれた記事に、こういうタイトルをつけた。
The fine line between developing a young catcher and destroying him、「若いキャッチャーの「育成」か「破壊」か、その微妙な一線」
ロジャー・ハンセンの指導手法の合理性に非常に強い疑念を感じて書いているのがわかる。

なんでも、ロジャー・ハンセンの過去の実績として、日本のオリックスで1999年頃に1年契約をして、日高剛という有能なキャッチャーを育てた、というのがあるらしい。
だが、この日高剛という捕手、スタッツを調べてみると、2000年のパスボールが6、2001年が7、1999年のエラーが6、2001年のエラーが9。これのどこが「ロジャー・ハンセンの過去の業績」なんだか。
失笑するしかない。


まぁ、ともかく、
ロジャー・ハンセンの責任は、2009年にあれだけ功績のあったロブ・ジョンソンをこきおろして、まったくメジャーのキャッチャーとして力量がないアダム・ムーアを推した、その程度の小さい責任だけでない。
使えない城島をチームに残す側に加担した責任、さらに、合理性のまったく感じられない「手抜きの根性主義」の「しごき」を若い選手たちに押し付け続けてきて、有望キャッチャーを「ただのデクの棒」に仕立て上げてきたことに、非常に重い責任がある。

これらの推測がもし本当なら、当ブログはロジャー・ハンセンに即刻チームを去らせるべきだと、強く主張しておく。






September 14, 2010

クリフ・リーの配球に「一定のクセ」があることを指摘するこのシリーズ(3)では、次のような話をした。
「クリフ・リーの持ち球は少数精鋭主義で、それぞれ非常に優れている。しかし、球種の少なさから、配球パターンのバリエーションには限度があり、それを打者に見抜かれる可能性も高い。
これまではカーブを決め球にして、球種の少なさを『緩急』で補うことで、打者をかわしてきたが、カットボール主体に切り替えたこと、さらに移籍によって気のあわないキャッチャーと組まされたことで、配球の効果が大きく損なわれ、打者に痛打される場面が数多く出てきた。
だからこそ彼にとっては『少ない球種でも打者を翻弄できる配球がわかる、頭のいい、自分と気のあうキャッチャー』が必要不可欠だ。」
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月12日、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(3)典型的な「クリフ・リー パターン配球」で打ちこまれたミネソタ戦、「例外パターン」を数多く混ぜて抑えたヤンキース戦の比較と、クリフ・リーがキャッチャーにこだわる理由の考察

ちょっと他に、この記事を補強する良い例がひとつ見つかったので、挙げてみることにする。

キャッチャーの役割に関するシュローダー的意見
P (監督): チャーリー・ブラウン
C シュローダー
1B シャーミー
2B ライナス
3B ピッグ・ペン
SS スヌーピー
LF パティ
CF フリーダ
RF ルーシー

この野球チームはジョー・ディマジオが活躍した1950年代に生まれた。ショートストップのスヌーピーは守備の名手である(彼は1957年4月12日には外野をやったという記録もある)


え?なになに。
「それ、漫画でしょ?」って?

馬鹿なこと言ってもらっちゃ、困る。
かのMLBのデータサイトとして超・超有名なBaseball Referenceにも、ちゃんと、このチームと、そのロスターのプレーの特色について記述・解説した専用ページがある。馬鹿にしちゃ、いかん。キャッチャーのシュローダー君などは、ちゃんとマスクとプロテクターをつけたボブルヘッド人形だってあるくらいだ。
あなた自身がBaseball Referenceに掲載してもらえるほどの有名野球チームの一員になって、さらに、ボブルヘッド人形をつくってもらえるほどの選手になってから、そういう生意気なことを言ってもらいたい。
Peanuts - BR Bullpen


さて、このチームの中心プレーヤーチャーリー・ブラウンだが、彼はかつては外野とキャッチャーも経験しているが、50年代後半からはピッチャーと監督を兼任するプレイング・マネージャーである。
持ち球は、遅いストレートと、曲がらないストレートと、落ちないストレートと、コントロールの悪いストレート。
なかなか球種が多い。

主戦投手の持ち球にそういう「特殊事情」があるため、ピアニストでもあるキャッチャーのシュローダー君は、「チャーリー・ブラウンに出すサインに、あるちょっとした工夫」をしている。

それが上の画像だ。

シュローダー捕手
「いいかい、チャーリー。
 指1本は、速球だぜ?(速くないけど)
 指2本は、カーブだ。(曲がらないけど)
 で、指3本は、ドロップ(落ちないけど)
 4本がピッチアウトだ。
 わかったかい?」

チャーリー・ブラウン投手
「もしサインを忘れちゃったら、どうしたらいい?}

シュローダー捕手
「心配いらない(キッパリ)。
 サイン出すのはね、チャーリー。
 敵に、キミがストレート以外に、
 なにか別の球種を投げられるんじゃ?
 と思い込ませる
ために出すだけなんだから、さ。」

チャーリー・ブラウン投手
「キミ、んっとに頭いいね!」


どうだろう。
球種の少ない投手にサインを出さなければならないキャッチャーが、どのくらいのクレバーさをもっていなければならないか、これで、よーくわかったことだろう。

キャッチャーとして苦労の絶えないシュローダー捕手は、ベートーベンを贔屓にするピアニストでもあるが、彼の気をひこうとするライトのルーシー選手に2度ばかり大事なピアノを壊されたことがある。
そのたび彼は新しいピアノを注文したのだが、新しいピアノが届くときに、どういう理由からか、セントルイス・カージナルスのJoe Garagiola選手のサイン入りブロマイドを手に入れている。

Joe Garagiolaは、1926年にセントルイスで生まれて、1946年に地元のカージナルスに入団した(実在の)プレーヤー。1951年にナ・リーグの守備率1位に輝いたが、パスボールも多かった。通算CERAは4.91、平均失点数5.62。通算打率.257。1954年引退。
Joe Garagiola Statistics and History - Baseball-Reference.com
シュローダー捕手が、いったいどういうわけでこの大スターとも思えないキャッチャーのサインをもらう気になったかはわからないが、少なくとも、キャッチャーというポジションが気に入っている、ということだけは確かなようだ。


---------------------------------------------


と、まぁ。
つまらないギャグにつきあってもらったのにも、理由がある。

チャールズ・M・シュルツさん原作の漫画「ピーナッツ」が日本で日本語吹き替え版アニメとして初めて放映されたのは1972年だが、初代チャーリー・ブラウン役の声優が、つい先日亡くなられた谷啓さん、その人なのである。


歴史を調べてみると、この作品は間違いなく、日本における地上波テレビ黎明期の傑作といえるテレビ番組のひとつであり、また、アメリカ文化を日本に紹介したコンテンツという意味でも、バットマンやサンダーバードに並ぶ歴史的作品だから、谷啓さんの死を追悼する意味で「ピーナッツ」を再放送すればいいのにと思うのだが、どうもそういう声が聞こえてこない。
それどころか、テレビの歴史を作った谷啓さんが亡くなったというのに、彼の業績の全体像がきちんとメディアで紹介されているとは、とてもとても思えない。日本のメディアって、本当に馬鹿だと思う。


谷啓さんの多大な業績をひとことで言うのは難しい。それでもあえて言わせてもらうなら「日本人(特に東京人)の流儀による、外来のアメリカ文化のエッセンスの紹介と、その日本流リメイク」だと思う。

そもそも谷啓さんの芸名そのものが、アメリカの有名コメディアン/俳優/シンガーのダニー・ケイ、Danny Kayeの名前をもじったものであり、また髪型や芸風は1940年代の大人気2人組コメディ・コンビ「アボット&コステロ」のルー・コステロに似せているのだから、念が入っている。

アボット&コステロアボット&コステロの
野球ギャグ

谷啓さんが所属していたクレイジーキャッツは、コミックバンドだと思っている人が多い。谷啓さん以外のメンバーは「ミュージシャン志望」であって、ひとり谷啓さんだけが「コメディアン志望」だったという。
この「コメディアン志望」というのは、なにも、いまのような「有名お笑い芸人になりたい。金持ちになりたい」という単純な意味では、たぶん、ない。
谷啓さんの「コメディアン志望」はおそらく「日本に入ってきたばかりのアメリカ文化と一体化したい願望」とでもいうか、「『異文化への憧れ』的な意味」であり、それをわからないとたぶんまったく理解できないと思う。
ちなみに、谷啓さんが「アメリカ流のコメディアン志望」だったから音楽テクニックがなかったかというと、それは逆で、ジャズ評論誌「スイングジャーナル」で彼のトロンボーンが高く評価されていたように、ミュージシャンとしてのテクニックも、クレイジーキャッツの中では谷啓さんが一歩ぬきんでていた。


アメリカのコメディの独特のセンスやリズム感。アメリカのオリジナルな音楽であるジャズ。アメリカのアニメ「ピーナッツ」。谷啓さんの周囲にあったのは、40年代から50年代にかけてのアメリカ文化そのものである。

クレイジー・キャッツがかつてレギュラー出演していた番組に「シャボン玉ホリデー」という当時の超有名番組があるが、そのレギュラーのひとりが「ザ・ピーナッツ」という60年代にスターだった2人組の女性ボーカルグループだった。

セブンス・イニング・ストレッチに歌われる "Take Me Out to the Ball Game"(わたしを野球に連れてって)でも、
Buy me some peanuts and Cracker Jack,
と歌われているように、ピーナッツとアメリカ野球は縁が深い。ピーナッツはMLBのスタジアムでもよく売られているし、シュルツさんの漫画「ピーナッツ」でも、野球が最も重要なスポーツシークエンスとして扱われている。
フリトレー社のピーナッツ
フリトレー社のピーナッツ

フリトレー社は、"Take Me Out to the Ball Game"でも歌われている「クラッカージャック」という糖蜜がけポップコーンの登録商標を現在保有しているアメリカの会社。

なにかにつけて、谷啓さんは「アメリカ」と「ピーナッツ」に縁のある人だった。

ピーナッツ(=アメリカ文化)と谷啓さんの深いかかわり。
これがこの記事のオチだ。

アメリカ野球も含め、谷啓さん世代が紹介してくれたアメリカ文化に、僕らは浸りきって毎日をおくっている。異文化をうまい具合に日本風にアレンジして世間に広めてくれた谷啓さんの業績は、けして小さくなんかない。

ご冥福をお祈り申し上げます。合掌。


谷啓版チャーリー・ブラウン



オリジナル版

Peanutsは単なるアニメではなく、たくさんの音楽が使われたアニメ・ミュージカルでもある。BGMに使われている数多くの素晴らしいナンバーを聴くのも、ひとつのPeanutsの楽しみ。これは"You're a Good Man, Charlie Brown!"から、"T-E-A-M"。ミュージカル仕立てのナンバー。


"Take Me Out to the Ball Game"


September 13, 2010

テキサスに移籍してからのクリフ・リーがなぜ打たれまくったのか。それを考えるにあたって、記事を既に2つ書いた。それぞれの主旨は、以下の通りだ。


1)クリフ・リーの最近の配球パターンが変わった。
2008年までの「ストレートとカーブの緩急で打者を仕留めるパターン」から、2010年は「ストレートとのスピード差の少ないカットボールを多用するパターン」に変化した。そして、カットボールを多用した配球に慣れているア・リーグ東地区のチームを中心に打ち崩されるようになった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月29日、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(1)2010年の「ア・リーグ東地区風カットボール多用配球スタイル」が東地区チームとの対戦に災いしているのか?

2)クリフ・リーの配球には、そもそも「特定カウントで投げる球種が決まっているという、配球のクセ」がハッキリとあり、打者からみてカウントで投げる球種がある程度読めてしまう部分があった。
具体的には、初球はストレートで入り、その後、打者を追い込むことができた場合はカットボールで決める。そうでなく、ボールが先行すればストレートでカウントを改善する。ストレートとカットボールのスピード差は、あまり無い。チェンジアップは2つ目のストライクをとって打者を追い込むための球で、決め球ではない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月5日、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(2)クリフ・リーには「カウントによって、投げる球種に特定パターン」がある


実際のゲームではどうなのだろう。
ちょうど今日2010年9月12日のヤンキース戦に先発してひさびさに快勝し、11勝目を挙げたところだから、短期のレンジで、テキサスに移籍後に打たれた試合と抑えた試合とを比較できる。
まずは打たれた2010年8月26日ミネソタ戦をみてみる。(たいへん読むのに骨が折れると思うが、我慢して読み込んでもらえるとありがたい。別窓にGamedayを開いてイニングごとに追いかけるとわかりやすくなると思う。)


打たれたゲーム
2010年8月26日 ミネソタ戦 5回5失点
Minnesota Twins at Texas Rangers - August 26, 2010 | MLB.com Gameday

1回表
三者凡退。3人とも「初球ストレート」。まさに「クリフ・リー パターン」そのもの。

2回表
打者7人、3失点。7人全員に「初球ストレート」を投げた。典型的な「クリフ・リー パターン」
ヒットされたのは、1人目、2人目、4人目。3人とも、「クリフ・リー パターン」である。
1人目のジョナサン・クベルには、フルカウントから「決めにいったカットボール」を打たれ、2人目のマイケル・カダイアーには、「初球ストレート」をヒットされた。
3失点は、4人目のデルモン・ヤングの3ランで、初球ストレートでストライクをとり、チェンジアップで打者を追い込みにかかったところで、ボールが高めに浮いてホームランを浴びた。

3回表
打者6人で2失点。6人中、4人はパターンどおりの「初球ストレート」、残り2人は初球カットボール。決め球は「追い込んでからカットボール」という「クリフ・リー パターン」を使った。
決定的な2失点は、5人目カダイアーに「初球ストレート」を投げてから、2球目にインコースへのカットボールを投げて追い込みにかかったところを狙い打ちされたもの。

4回表
三者凡退。このイニングだけは、初球にチェンジアップ、決め球にカーブという例外パターンを多く使い、あっさりミネソタ打線を抑えた。

5回表
打者4人、無失点。全員が「初球ストレート」で、「決め球はカットボールか、ストレート」という基本パターン。前の回にパターンを変えて本来の調子をとり戻したように見えたにもかかわらず、またもや「クリフ・リー パターン 一辺倒」に戻ってしまった。この回で降板。



抑えたゲーム
2010年9月12日 ヤンキース戦 8回1失点
New York Yankees at Texas Rangers - September 12, 2010 | MLB.com Gameday

1回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、ストレート、カットボール、ストレート。珍しくスライダーも使った。

2回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、カットボール、ストレート、カットボール。ちょうど1回と真逆のパターンになる。打者は早いカウントから打ちにきて凡退。(カウントによって投げる球種が決まる配球癖のあるクリフ・リー攻略は、狙い球を決めて、早いカウントから打ちにいくのが正解なわけだが、この日のクリフ・リーは打者の狙いをかわしにかかって、それが成功した)

3回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、カットボール、ストレート、ストレート。1回とも2回ともまた違うパターン。ストレート、カーブ、カットボールを様々なバリエーションで投げて打者を攻略した。

4回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、ストレート、カットボール、ストレート。

5回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、カットボール、ストレート、ストレート。決め球は主にストレート。

6回表
打者6人1失点。先頭打者に「初球ストレート、2球目ストレート、3球目カットボール」の典型的な「クリフ・リー パターン」。2人目、「初球ストレート」から入って、5球目をヒットされる。3人目「ストレート、チェンジアップ、カットボール」の、これも典型的な「クリフ・リー パターン」。4人目、デレク・ジーターに「初球ストレート」の典型的な「クリフ・リー パターン」を二塁打され、失点。5人目、6人目も「初球ストレート」だが、なんとか1失点に抑える。

7回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、ストレート、カットボール、ストレート。初球の球種を1人ずつ変えて、打者の狙いをはずした。

8回表
三者凡退。
1人目をストレート連投で0-2と追い込んだ。基本パターンどおりなら、3球目は「カットボール」または「カーブ」だが、ここでは「パターンにないストレート3連投」で三球三振
2人目、先頭打者と同じようにストレートを2球続けたが、こんどの3球目は1人目のような3球連続ストレート勝負ではなく、「「クリフ・リー パターン」どおりのカットボール」を投げて、セカンドゴロに抑えた。例外(1人目)と、典型的パターン(2人目)をうまく使い分けた。
3人目は「初球ストレート」を狙い打たれたが、たまたまセカンドポップフライで、お役御免。



別に、このブログの判断に従う必要はない。
打たれた2010年8月26日ミネソタ戦、抑えた2010年9月12日のヤンキース戦を、自分なりの価値観で比較してみるといいと思う。たぶん、両方のゲームでのクリフ・リーが、かなり違った組み立てをしていることに気づくとは思う。ミネソタ戦のクリフ・リーは非常に単調なのだ。

2つのゲームの違いと共通点
1)ミネソタ戦はいわゆる「クリフ・リー パターン」どおり
2)ヤンキース戦では、かなりの数の打者に対して「初球にカットボールを投げた。場合によっては、「初球と2球目、続けてカットボール」と、クリフ・リーにしては珍しい組み立ても見せつつ、その一方では、いわゆる「典型的なクリフ・リー パターン」も混ぜて、打者に的を絞られない工夫をした。
3)それでも、両方のゲームでの失点パターンは共通している。打たれたのは「初球ストレート」、または、「初球にストレートでストライクをとっておいて、2球目に打者を追い込みにかかったチェンジアップなどの変化球」を打たれて失点につながっている。これは、まさに「典型的なクリフ・リー パターン」だ。
4)ミネソタ戦と、ヤンキース戦は、キャッチャーが違う。ミネソタ戦はベンジー・モリーナ。ヤンキース戦は、マット・トレナー
ちょっと直感的な話なのだが、クリフ・リーとベンジー・モリーナはまったく噛み合ってないと、ブログ主は思っている。


クリフ・リーに必要なタイプのキャッチャーとは
クリフ・リーの持ち球は、もともと種類は少ない。
だが、(体調が万全で、十分なコントロール、球のキレがあるときなら)その持ち球は、どれもこれもストライクをとれて、三振もとれる球ばかりだ。ストレートでもストライクも三振もとれるし、カットボールでも、カーブでも同じだ。

だが、それにしたって、以前も言ったことだが、クリフ・リーのピッチングはよく言えばシンプルで、悪く言えばワン・パターンだ。持ち球の種類は限られているし、ストレートの速さもない。下手をすれば「球種パターンを打者に読まれることで、滅多打ちを食らう可能性」が、もともとあった、と考えられる。
まして、昔のようなストレートとカーブの緩急をつけるのではなく、「ストレートとカットボールという、わざとスピードに差をつけない配球パターン」に移行するとなると、緩急がない分、球種の少ないクリフ・リーは、よけい打者に読まれやすくなる可能性はあった。(たとえば、バカスカ打たれまくるときのアトランタの川上投手のように)


そういうリスクを避ける意味で、クリフ・リーという「シンプルさが生命線」の投手にとっては、彼の限られた配球パターンに迷彩をほどこす、というか、バリエーションをつけ続ける作業のできる「引き出しの多いキャッチャー」が必要不可欠だ、と思うのである。
(だからといって、自分の基本スタイルが確立しているピッチャーだからこそ、キャッチャーからクリフ・リーのポリシーに反する提案や、彼が必要としている以上の提案をしたとしても、「投げるのはオレだ。余計なことをして、オレの邪魔をするな」という話になるのではないか、とも思う。そこがなかなか難しい。)

そういう意味で、彼のような投手にはゲーム前に対戦相手の打者を全て調べあげてくる律儀さがあるが、投手との間での余計な対立は絶対に避けるロブ・ジョンソンのような「データ上の根拠がある提案は積極的にするが、投手に押し付けたりしない控え目さももっているキャッチャー」が必要不可欠(または合っている捕手のタイプのひとつ)なんだろうと考える。
これはあくまで憶測だが、もしベンジー・モリーナが「相手チームのスカウンティングデータは適当にナナメ読みするだけで、むしろ、相手チームがどこであろうと、結局は自分の長年の経験だけに頼ってサインを出して、それを投手に押し付けようとするマンネリなベテラン・キャッチャー」だとしたら、キャッチャーの仕事に対する強いこだわりのあるクリフ・リーのような投手のパートナーには絶対になれないと思う。そういうマンネリタイプの捕手を、クリフ・リーは必要としていない
(エンゼルス戦のランナーズ・オンのシチュエーションで、打者を打ち取れると思って、かえって松井の好きなインコースにストライクを置きにいくサインを出してしまうジョシュ・バードなども同じ)

もちろん、ダメ捕手城島がどちらのタイプだったかは、言うまでもない。






新ヤンキースタジアムが、1920年代のポロ・グラウンズや、旧ヤンキースタジアムの「ポール際が非常にに狭い」という奥ゆかしい(笑)伝統を引き継いで、ポール際がたった95mしかなく、両翼が100mと国際試合の基準どおりの広さがあるセーフコなどの球場に比べて、ポール際がかなり狭いことを一度記事にした。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月25日、セーフコ、カムデンヤーズと、ヤンキースタジアムを比較して、1920年代のポロ・グラウンズとベーブ・ルースに始まり、新旧2つのヤンキースタジアムにも継承された「ポール際のホームランの伝統」を考える。

セーフコ、ヤンキースタジアムの比較セーフコ、ヤンキースタジアムの比較図(ブログオリジナル Copyright © damejima. All Rights Reserved.)

赤:セーフコ
青:ヤンキースタジアム


なぜ、こういうことが起きるかというと、理由はハッキリしていて、「ポール際のスタンドが、弧を描いてかなり丸くなっているから」だ。


日本の場合にこういう形状の球場として代表的なのは、ヤクルト・スワローズの本拠地・神宮球場で、ポール際がかなり丸い形状のために、両翼がたったの90mしかない。
また、阪神タイガースの本拠地・甲子園球場も、これはよく知られていることだが、左中間・右中間は鬼のように広いが、センターの奥行きが無く、また、神宮と同じようなスタンドの形状からくる理由で「ポール際が狭い」。これらの球場のポール際の共通点は、新ヤンキースタジアムと甲子園を比べてみても、よくわかる。
ヤンキースタジアムと甲子園の比較
新ヤンキースタジアム(イラスト部分)と甲子園(赤線)は形状がかなり違うが、両翼の広さはほぼ同程度。(Copyright ���2010 damejima. All Rights Reserved.)


ポール際の非常に狭い甲子園と神宮、2つの球場で生まれる「ポール際のボーナスホームラン」を片手間に調べてみた。(以下、このブログでは例外的に日本時間で表記)

まず、ダメ捕手城島のボーナス・ホームラン(笑)から調べてみよう。
今年城島の打ったホームランは24本だそうだが、58%にあたる14本を、甲子園(8本)神宮(6本)で打っている5本のうち3本を、甲子園または神宮で打っているわけだ。
なんというか、予想通りすぎて面白くない(笑) 打率も、ほとんどを横浜戦で稼いだ打率だし、偏りの激しいこと、激しいこと(笑)シアトル時代にオークランド戦だかでだけバカスカ打っていたのを思い出す。
城島・球場別ホームラン数
Yahoo!スポーツ - プロ野球 - 阪神タイガース - 城島 健司

試しに、「城島 ポール際」とキーワードを入れて軽く検索してみたら、最初の数ページですぐに、下記の城島の5本の甲子園または神宮のポール際に打ったホームランが出てくる。予想を裏切らない、貴重なプレーヤーである(笑)

4月3日ナゴヤドーム 中日戦 ライトポール際 投手・チェン
5月2日甲子園 巨人戦 レフトポール際 投手・久保
城島TG戦初アーチ!同級生新井と競演 - 野球ニュース : nikkansports.com
7月30日甲子園 中日戦 レフトポール際 投手・吉見
阪神首位ガッチリ 城島“10連勝弾”(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース
8月29日神宮 2本 ヤクルト戦 レフトポール際
時事ドットコム:猛打ショー呼ぶ2発=城島、攻守に貢献−プロ野球・阪神


また、暇つぶしに「城島以外の阪神の選手、または他球団の選手が、甲子園または神宮のポール際に打ったホームラン」を軽く検索してみたら、こんな感じになった。ちょっと面白い結果になっている。

6月29日甲子園 阪神・ブラゼル 横浜戦 外のシュートをレフトポール際
6月30日甲子園 中日・和田 投手・下柳 ライトポール際
7月13日甲子園 巨人・長野 ライトポール際決勝3ラン
7月20日甲子園園 阪神・鳥谷 レフトポール際サヨナラ2ラン
8月17日甲子園 阪神・藤川俊 レフトポール際ダメ押し3ラン
9月1日甲子園 横浜・内川 3回ライトポール際ソロホームラン
9月11日甲子園 ヤクルト・ホワイトセル レフトポール際逆転2ラン 投手・藤川球


面白い結果になった、というのは、甲子園のポール際にホームランを打ったバッター、打った球のコース、打ったイニングなどに、「ポール際にホームランが出やすい甲子園特有のシチュエーション」がみられるからだが、いまここで書いても面白くないので、ネタとしてとっておいて、これからの展開を見守ることにする(笑)
決勝だの、逆転だの、サヨナラだの、劇的なホームランばっかり並んでいるが、甲子園のナイトゲームの終盤がもつれるのには、ちゃんと理由があったのを発見できたわけだ。

ちょっとだけネタばらししておくと、誰でもわかるのは、6月29日のブラゼルのホームランと、9月11日のホワイトセルのホームランの類似性だろう。
夜が更けてきた夏の甲子園で、パワーのあるレフティを打席に迎えている「ホームランの可能性の高いシチュエーション」にもかかわらず、こともあろうに「城島が特定のピンチのシチュエーションで、決まって使いたがるアウトコース」を使って大勝負にいって、その前の11打席ノーヒットのホワイトセルに決勝ホームランを打たれるあたり、城島というダメ捕手が「いかに頭を使ってないか」「いかに自分の周囲を観察してないか」が、よくわかる(笑)
自分のチームの左バッター・ブラゼルが、普段どのコースの球を、どういうスイングで甲子園のレフトのポール際に放り込んでいるかすら、頭に入れないでキャッチャーをやっているわけだ。
たいしたもんだ。さすが、さすが。
ホワイトセルに打たれた城島の当時のコメント
「(一塁が空いていたのにホワイトセルと勝負したことについて)簡単にストライクゾーンで勝負しようとは思っていなかった。(逆転の走者を)簡単に塁に出すことはない。(投手・藤川球との)意思疎通はできていた」

ストライクゾーンで真っ向勝負せず、アウトコースに逃げたりするから、かえって捕まったんだろうに(笑)自分のチームの本拠地の特性くらい、頭に入れとけっての(笑)
やっぱりこういう選手だからこそ、右打者不利のセーフコで打球を引っ張り続けて併殺の山を築くわけだ。(ちなみに、城島は現在、併殺打22で、2位を大きく引き離して、セ・リーグ断トツのトップだそうな(笑))






今年初めてタンパベイとの対戦を勝ち越し、さらに記念すべきヤンキースタジアムでの敵地スイープをもうすこしで達成しそうになった絶好調ボルチモアは、デトロイトのコメリカ・パークで、ビジターとして2006年ア・リーグ新人王ジャスティン・バーランダー先発のタイガースと対戦し、デトロイトの敵地スイープにチャレンジ中。

ボルチモアの先発は、ベダードとのトレードでアダム・ジョーンズとか、ジョージ・シェリルと一緒に移籍していったライトハンダー、クリス・ティルマンなんだが、これが、デトロイト打線を7回2アウトまで、たったブランドン・インジの1安打に抑える好投をみせている。三振は4つしかないが、そのうち2つは、あのア・リーグ三冠王候補筆頭のミゲル・カブレラなのだから価値が高い。

四球が多すぎるのはいただけないが、頑張れティルマン。
(四球多発の原因は、今日ウィータースのかわりにマスクをかぶったフォックスが、打者を追い込んでからのシチュエーションで無駄なボール球のサインを出しすぎるせいかもしれない、とみている。フォックスのサインはどうも単調すぎる)

結局、107球投げて、7回無失点のまま、勝ち投手の権利をもって降板。1安打無失点は素晴らしいが、58ストライク、ストライク率54.2%ではあまりにも少ない。次回登板へ課題が残った。
Baltimore Orioles at Detroit Tigers - September 12, 2010 | MLB.com Gameday

クリス・ティルマンの今シーズンのゲームログ
Chris Tillman Game Log | orioles.com: Stats


クリス・ティルマンは、最近好調のブライアン・マットゥースや、ブラッド・バーゲセン(彼も、スプリング・トレーニングの時期に、チームのCM撮影中にウオームアップが足りずに投げて、肩を痛め、開幕に出遅れた)とともに今年ローテ確実なんて言われながら、ソファでうたた寝をしていて首を寝違えたとかいう、つまらない理由で開幕に出遅れていた。
しかし、4月にマイナーでノーヒット・ノーランを達成したりなどして、メジャーでの活躍がチームからもファンからも心待ちにされていた。

いやー。もう、ね。
ボルチモアの若手投手、全開モードになってきた。

やばいね。やばい。ピエは盗塁するわ、フォックスはトリプル打つわ。
これは数年後にボルチモア全盛期、来るかもしれないな。

(と、思ってたら、8回裏にセットアッパーがやらかした。ミゲル・カブレラに3点タイムリー打たれ、インジには2ラン打たれ。気の弱いやつらだ 苦笑。やっぱり敵地スイープ達成寸前の緊張があんのかね? もしくはデーゲームのカード最終戦はキャッチャー変わるから、それがいけないのかもしれない。バック・ショーウォルターを新監督に迎えてから、「投手がやたらと打者に対してビビる『ボルチモア病』」はすっかり影をひそめていたのに、今日のセットアッパーには『ボルチモア病』が再発していた。)






September 12, 2010

先日、MLB史における盗塁とホームランの相反関係を記事にしたばかりだ。イチローのデビューがメジャーの歴史に与えたはかりしれない影響に関するまとめとしては、ちょっとした出来だとかいう小さい話ではなくて、メジャー史におけるイチローの立ち位置の説明としては、このコンセプトがちょっと決定版かなとすら、自負している。
タイ・カッブ、リッキー・ヘンダーソンの後継者」としてイチローを考えないと、イチローがいまMLB史で占める位置の重要性は理解できないと思っているからだ。長いメジャーの歴史とイチローの繋がりの物語を一気に読み解く鍵が、「盗塁とホームランの関係」だというわけである。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月9日、盗塁とホームランの「相反する歴史」。そしてイチローのメジャーデビューの歴史的意義。


その記事を書いた翌日だったか、まったく意図してなかったことなのだが、偶然にも「MLBのステロイド汚染時代とイチローのメジャーデビューの意義」についても触れたドキュメンタリー番組が、9月28日・29日の2日間にわたって、PBSで全米向けに放映されることになった、というニュースが流れてきた。

エミー賞を既に7回受賞したケン・バーンズの"The Tenth Inning"である。

ケン・バーンズが考える「MLB史上におけるイチローの存在意義」も、このブログと全く同じコンセプトらしいので、ちょっと彼のことを紹介してみる気になった。
The Tenth Inning公式サイト
Baseball The Tenth Inning: About the Film | PBS

PBSのリリース
LANDMARK KEN BURNS SERIES “BASEBALL” UP TO BAT IN FALL 2010 ON PBS New Episode THE TENTH INNING Chronicles the Sports Past 15 years
注;セサミ・ストリートの制作で知られるPBSは日本のチャンネルでいうと「NHK教育」にあたる。
だがNHKが、国営でありながら、視聴者から徴収した受信料とかいう「利用料」で運営されている、ある意味の「有料放送」(笑)あるのに対して、PBSは連邦政府や州の交付金、寄付金、広告ないしは企業からの寄付などで運営されているのがまったく違う点。



それにしても、なんで日本のメディアっていつも「この程度」なんだろう。
まだ日本での放映が決まってない"The Tenth Inning"が全米で放映されるというニュースを報道するのは、まぁ、今後の日本での放映のためになるからいいとして、ケン・バーンズという映像作家がどんなグレードの人なのか、こんどの作品がなぜこういうThe Tenth Inning"というタイトルになっているか、なんてことについても、きちんと紹介しておかないと、日本では意味がわからないし、「アメリカの背骨」を一貫して描いてきたケン・バーンズ作品にイチローが登場することの凄さがわからないと思う。
もったいない。


ケン・バーンズは1953年生まれ。アメリカでは非常に有名なドキュメンタリー映像作家・映像プロデューサーだ。
1990年のThe Civil War、1994年のBaseballなどで、過去にエミー賞をもう7回も受賞し、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にもThe Statue of Liberty(1985、第58回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート)、ブルックリン・ブリッジ(1981、第54回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート)と、2度ノミネートされている。The Civil Warなどは、もう20年も前の作品なのに、何度も何度も再放送されているようだ。

彼がこれまで取り上げてきたテーマにはひとつの共通点があるのだが、作品タイトルを並べてみるので推理してみたらどうだろう。
ブルックリン・ブリッジ(1981)、南北戦争(1990)、野球(1994)、トーマス・ジェファーソン(1997)、ジャズ(2001)、ナショナル・パーク(2009)。

そう。
ケン・バーンズの描くテーマは一貫して「アメリカの背骨」である。
建国当初のアメリカがどういう風に成り立ったか。スポーツ、音楽を初めとするアメリカ独自の文化。アメリカの自然と風土。アメリカ建国の偉人。
つまり、アメリカという国の骨格が、どんな文化、歴史、自然、人間から成り立ってきたか、ということを、彼は映像作家として探求し続けている。
彼の描く「アメリカという国は、こういう骨格で成り立ってきている」というドキュメンタリーがアメリカ市民に広く深く受け入れられているということは、ケン・バーンズが「アメリカの歴史の語り部(かたりべ)のひとりとして、オーソライズされている」という意味なのだ。
だからこそ、ケン・バーンズが描くBaseballにイチローが入ったということは、「イチローというひとりの日本人野球選手が、既にアメリカの歴史、それも、『歴史の背骨』の一部になった」、という意味なのだ。



また、ケン・バーンズがドキュメンタリー作家として有名なのは、彼の作品の質の良さだけではなくて、「過去」というものを取り上げることの多いドキュメンタリー制作上のスタンダード・テクニックのひとつを創造した、という点も大きい。
アメリカのアップル社の製品であるiPhotoiMovieというソフトのメニューにも取り入れられ、またiPodのメニューにもある「ケン・バーンズ・イフェクト(ケン・バーンズ効果)」という映像を編集するときのテクニックがある。
これはもちろんケン・バーンズの映像テクニックから名づけられたイフェクトで、90年にThe Civil War(南北戦争)を作品化したとき、ビデオなど無い時代の話をを映像で表現するために、ケン・バーンズが、南北戦争時のたくさんの写真を収集して、その動かない写真を動画の世界でなんとか効果的に見せようと開発した映像テクニックだ。

いくら言葉で説明してもわからないだろう。
だから、下記のリンクをクリックして、自分の目で確かめてみてほしい。「あれ? これって、ほとんどのドキュメンタリーで使ってるテクニックじゃん?」と誰でも思うはずだ。(リンク先の右側にDemonstration of the Ken Burns Effect in video form.というコメントのついた部分があるから、その上の矢印をクリック)
つまり、それくらい世界中でポピュラーなドキュメンタリー映像の根本テクニックを、ケン・バーンズが開発した、ということだ。
Ken Burns Effect - Wikipedia, the free encyclopedia


この9月公開の"The Tenth Inning"がこういうタイトルなのは、1994年公開の"Baseball"という「9つのパートからなる作品」の続編というか、まとめとしての「10番目の作品」だからだ。
"Baseball"は、"The Tenth Inning"と同じように9月に公開された。「9つのパート」からなる作品で、それぞれのパートが、1st Inning(1回)、2nd Inning(2回)と順にタイトルをつけられて、9日間にわたって公開されている。(日本でも、2002年3月22日から同30日にかけて「アメリカ大リーグ〜歴史をつくった人々」というタイトルでNHK-BSで放映されたが、これは短縮版で、内容がカットされている)
Baseball (TV series) - Wikipedia, the free encyclopedia

ケン・バーンズが"The Tenth Inning"において、どういう意図でイチローを映像に取り込んでいるのかは、実際に番組を見ていないから、まだわからない。
だが、どうもリリースなどを見るかぎり、ペドロ・マルチネスをかなりフィーチャーしているようなので、ペドロを取り上げた部分にでも出てくるのかもしれない。


いずれにしても、知ってもらいたいと思うことは、イチローの存在価値は、とうの昔に、「日本のプロ野球からメジャー挑戦した選手たち、なんていうレベルで話すようなレベルではなくなっており、「世界の野球史でもあるメジャー史にとって、イチロー登場はどんな意義があったか」を論じる、そういうレベルにある、ということだ。

もう一度書いておこう。

ケン・バーンズが描くアメリカにイチローが入った、ということは、「イチローは既にアメリカ史の一部だ」ということなのだ。


ESPNのシニア・ライターRob Neyer
「もしイチローがカリフォルニア生まれなら、ピート・ローズを越えている」という主旨のコラム
If Ichiro had been born in California ... - SweetSpot Blog - ESPN






September 11, 2010

うーん。困ったなぁ(笑)どうしよか(笑)
これ、とてもいい記事なんだ。ショーウォルターに関して、ここを読みたかったっていう部分が書かれてる。

でも、さ。書いたのが、
「例の」ピーター・ギャモンズじいさんなんだわ。
まぁ、だから人に読むのは是非すすめたいんだけど、ちょっと心情的には「困ったな」と(笑)思うわけ。彼のことは別に持ち上げたくないが、この記事自体は読んでほしい記事なわけね。
Buck making young Orioles believe again | orioles.com: News


ピーター・ギャモンズは、ついこのあいだツイッターで「イチローがボビー・バレンタインをマリナーズ次期監督に就任させるようにオーナーに要請した」たらなんたら、嘘八百を書いて、イチローを超激怒させた、まさに、その人なわけでねぇ(苦笑)

ギャモンズじいさんは、元はボストン・グローブの新聞記者からキャリア始めて、今ではアメリカのWikiにも長々と経歴が紹介されるほどのアメリカの超有名スポーツ記者のひとりで、1945年生まれの65歳。Peter Gammons - Wikipedia, the free encyclopedia
あの日本野球史上の偉人イチローをもってして「僕でも顔と名前を知っているような影響力の大きな人」とまで言わせるおヒトなわけです。(もちろん、日本ではギャモンズはただの無名のジジイですけどね(笑))

スポーツ・イラストレイテッドでカバーストーリー書いたとか、全米向けのスポーツ番組にしこたま出たとか、ESPNでブログもってるとか、2005年7月に野球記者殿堂入りを果たしたとか、経歴について書き出せばキリがないくらいの人なわけだけど、一番大きいキャリアはたぶん1988年にESPNに入ったこと、だろうね。
ESPNの看板をしょってるだからこそ、彼は『ベースボール・トゥナイト』とか、『スポーツセンター』とか、そういう全米向け超有名スポーツ番組に長年出演できてたわけで。まぁ、アメリカのスポーツ好きにしてみたら「毎日顔と名前を見るスポーツ系有名人」だったわけ。
ただ、彼がベースボール・トゥナイトでやってた仕事そのものは、噂話を扱うInside Pitchというコーナーで、彼の立ち位置は「アナリスト」ではなく、一段低い「レポーター」なわけです。だからまぁ、ときに根も葉もない噂rumorを流したりもする程度のランク、くらいに考えたほうがイライラしないですむと思う。

で、ショーウォルターの記事。
これ、ギャモンズの肩書きを注目してもらうと、MLB.com Columnistとなってます。ここポイントです(笑)彼がMLBのコラムニストに「なっちゃった」経緯はアメリカのWikiにも書いてある。要は、彼は去年、20年もいたESPNを「辞めた」わけです。
After 20 years with ESPN, on December 8, 2009, Gammons announced that he would leave ESPN to pursue "new challenges" and a "less demanding schedule.
Peter Gammons - Wikipedia, the free encyclopedia
なぜ彼が辞めたのか? んー・・・。自分から辞めたのか、辞めさせられたのか、ちょっとわからないなぁ。定年みたいなものなのかな?と最初思ったけども、正直どうでもいいことなんで、だからくわしく調べてない(笑)
ピーター・ギャモンズがESPNを辞めたときの
ESPN側のなんともそっけない記事

Peter Gammons leaving ESPN baseball after 20 years - ESPN


ピーター・ギャモンズのボルチモアに関する記事が「いい記事」だと思うのは、
「バック・ショーウォルターがボルチモア・オリオールズの何を、どうやって変えたのか?」という、誰もが知りたい点に、きちんとフォーカスしてることがひとつ。ありそうでいて、こういう記事、探すと無かったんですよ。
もうひとつは、「ヤンキースとの3連戦で、あえて勝った最初の2ゲームではなくて、ウィータースがホームランを打ったが逆転負けした第3戦の『チームの将来にとっての意味の重要さ』にフォーカスした
この2点で、この記事を推薦したいわけです。


マット・ウィータースは、このブログにとっても実は忘れられない、いつもどこかで気にかけてる選手のひとりです。
このブログは主に「キャッチャーの仕事」、つまり「投手と捕手の関係性」「野球にとってのキャッチャーの仕事の意味」にフォーカスして書いてるわけですが、「城島問題」が起こってた時期に、ちょうど、「1983年生まれ世代」のカート・スズキロブ・ジョンソンなんかよりさらに下の世代の、マット・ウィータースとか、テイラー・ティーガーデンのようなキャッチャーたちがデビューしはじめていて、彼らがデビューしたてのプレーぶりは、このブログではほとんど記事にはしないけども、いつも視野に入ってるプレーヤーたちなわけです。
それと、マット・ウィータースのルックスとバッティングフォーム、チームでの立ち位置が、シアトルのマイケル・ソーンダースに似てると思えてしかたがない(笑) いつも「ああ、この2人、顔も背丈も、スイングも、チーム内の立場も似てるなぁ」と思ってゲームを見てるわけです。

だから、ピーター・ギャモンズがボルチモア対ヤンキースの第3戦をとりあげて、
「負けは、した。
 負けはしたけど、そんなこと、どうでもいい。
 マット・ウィータースがホームランを打った。そのことがでかいんじゃないか。先発ブラッド・バーゲセンが、ヤンキースみたいな強打のチームに全投球の69.3%ものストライクを投げこんだ。このチームの将来を背負う選手が自信を持てた。そのことがでかいんじゃねぇか!!
 これがボルチモアなんだあああ、ボケぇええええええええ!!!」
とか、叫ぶのを聞くと、ですね
ブログ主としては、「そうだ、そうだぁああああ」とか思って、思わずコブシを突き上げてしまうわけです(笑)

そう。
そのとおりなんですよ。ボルチモアは負けるのが不思議なくらい才能ある選手が揃ってる。
マット・ウィータースにも、ニック・マーケイキスにも、ブライアン・ロバーツアダム・ジョーンズブライアン・マットゥースケビン・ミルウッドにも、足りなかったのは、技術でも、体力でもなくて、「自信」だったんですね。(でも、イズトゥーリス君は、もっと守備を練習しましょうね)

オトナ、特に過去に一度自信を持ってた人は、けっこう一度自信を失うと取り戻せないもんです。それで病院に通うハメになる人は、MLBにも、ザック・グレインキー、ミルトン・ブラッドリーほか、いっぱいいます。
そういう人に「自信を取り戻させる能力」なんて誰にでもあるわけじゃあないんですよ。監督は精神科医じゃないですからね。
どうみても、バック・ショーウォルターの「自信を取り戻させる能力」は「彼だけがもつ特殊能力」なわけなんですが、知りたかったのは、
そのショーウィルターが「選手に、いつ、どこで、どういう風に声をかけているか」でした。
それが、この記事にはしっかりと、しかも簡潔に書かれているんですよ。

だからギャモンズ、困ったジジイではありますけど、
いい記事なんです。

Wieters gets a green light and hits a huge Yankee Stadium homer. Markakis remembers he is one of the best players in the league. Bergesen throws strikes. Oh, those are the Orioles.
by Peter Gammons






September 10, 2010

通算盗塁数のメジャー記録1406をもっているリッキー・ヘンダーソンがメジャーデビューしたときに所属していたアスレチックスが「1イニング2ダブルスチール」という滅多にない記録をうちたてた記事を書いたばかりだが、野球というスポーツの歴史を振り返ってみると、盗塁とホームランは相反する歴史をもっている。

メジャーの歴史における盗塁とホームランの関係

これはメジャーの歴史における1ゲームあたりの盗塁数(SB/G)と、1ゲームあたりのホームラン数(HR/G)をグラフ化したもの。ひと目でメジャーのプレースタイルの変遷がわかる。非常に優れたグラフだ。
Stolen base - Wikipedia, the free encyclopedia


「球聖」タイ・カッブ時代
創生期の野球は、盗塁が非常に盛んで、スピーディで緻密な野球をしていたらしい。この時代、最大のヒーローは、いうまでもなく、通算安打数4189、通算打率.366で歴代ホール・オブ・フェイマーの中で第1位を誇る安打製造機にして、歴代4位の盗塁数897のスピードスター、「球聖」タイ・カッブである。
ホール・オブ・フェイマーの打撃比較
Hall of Fame Batting Register - Baseball-Reference.com

球聖タイ・カッブスライディングするタイ・カッブ。ベンチ前でスパイクを研いだエピソードは有名。相当スライディングがえげつなかったらしい。



カッブは、MLB史上4位の892盗塁を記録していて、1イニングで二盗、三盗、本盗を決める「サイクル・スチール」を通算4度も達成していて、現代のスピードスターであるイチローと、プレースタイルに多くの共通点がある。

1936年に第1回の殿堂入り選手を選ぶ投票が行われたが、このとき殿堂入り第1号選手に選ばれたのは、前年に引退したばかりのホームランバッター、ベーブ・ルースではなく、投票した226人のうち最高の222票、98.2%の票を得たスピードスター、「球聖」タイ・カッブだ。
この殿堂入り投票では、総投票数226のうち「75%以上の得票」である170票以上が必要だったが、それを集めることができたのはタイ・カッブ以外にベーブ・ルース(222票)、首位打者8回の"The Flying Dutchman"ホーナス・ワグナー(215票)、当時fadeawayと呼ばれた変化球(現在のスクリューボールといわれている)で通算373勝、2度のノーヒッターを達成した"Big Six"クリスティ・マシューソン(205票)、通算417勝の剛腕"The Big Train"ウォルター・ジョンソン(189票)の、合計5人だけだった。
ノミネート選手の中には、あのサイ・ヤング(111票)、ロジャース・ホーンスビー(80票)、ジョージ・シスラー(77票)、ルー・ゲーリッグ(51票)、ウィリー・キーラー(40票)と、日本でも名前を知られているMLBの超有名殿堂入り選手が数多くいたわけだが、タイ・カッブはそのあらゆる有名選手を抑えて得票第1位に輝いたのである。
タイ・カッブが記録した得票率98.2%は、トム・シーバーが1992年に98.8%の得票率で殿堂入りするまで、半世紀以上も破られなかった。
これまでタイ・カッブの98.2%以上の得票を得て殿堂入りしたのは、98.8%のトム・シーバー、 98.79%のノーラン・ライアン、 98.53%のカル・リプケン(野手としては史上最高の得票率)、メジャーの長い歴史の中でも、この3人しかいない。
1936 Hall of Fame Election - BR Bullpen


ベーブ・ルースと「ホームランの出やすい球場」の時代
野球創生期の「タイ・カッブの時代」を大きく変えたのが、ベーブ・ルースの登場だという話はよく言われることだが、その話をするとき、「ホームランの出やすい新球場の建設」や「1920年以前の『飛ばないボール』とは全く違うボールの採用」がホームラン量産時代を支えたことは、これまであまり日本のスポーツメディアではきちんと触れられてこなかった。
ヤンキースが、ボストンからルースが移籍してきた当時ホームグラウンドにしていたのは、左右両翼が極端に狭いためにホームランが出やすく、「ポール際ならポップフライでもホームランになる」といわれたポロ・グラウンズだが、この球場を手本に、ヤンキースが1923年にライト側だけが異常に狭い旧ヤンキースタジアムを建設したことで、大衆をホームランに熱狂させる時代がやってきたのである。
この時代の変化は、上のグラフにハッキリと表れている。1910年代から20年代にかけてゲームの盗塁数は激減、その一方で、ホームランの数は右肩上がりに増加していった
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月25日、セーフコ、カムデンヤーズと、ヤンキースタジアムを比較して、1920年代のポロ・グラウンズとベーブ・ルースに始まり、新旧2つのヤンキースタジアムにも継承された「ポール際のホームランの伝統」を考える。

Polo Groundsポロ・グラウンズ
Clem's Baseball ~ Polo Grounds

旧ヤンキースタジアム旧ヤンキースタジアム
Clem's Baseball ~ Yankee Stadium

タイ・カッブとベーブ・ルースの
目指すプレースタイルの違い

球聖タイ・カッブと、ベーブ・ルースがお互いをけなしあっていたことは有名な話だ。
カッブが「野球本来の面白さは、走塁や単打の応酬にある」と批判すれば、ルースは「客はオレのシングルヒットじゃなく、ホームランを見に来ているのさ」とやり返している。
だが、これは両者の「能力の差」ではなくて、単に「好みのプレースタイルの違い」である。なぜなら、2人とも、ヒットを積み重ねる能力もあれば、ホームランを打つ能力も欠けていたわけではないからだ。
例えば、タイ・カッブは、ホームランをもてはやしだしたマスメディアにイライラして「ちょっと見せたいものがある」とあらかじめ試合前に宣言しておいてゲームで1試合に3本のホームランを打ってみせたことがあり、また、首位打者、ホームラン王含めて打撃全タイトルを同時にとったことさえある万能選手だった。(このへんは「イチローは実はホームランも打てる」とよく言われるのと非常に似ている)また、一方のルースも、シーズン打率.393を打ったことがあり、アベレージヒッターとしての能力もあった。
つまり、タイ・カッブは「シングルヒットだけしか打てない打者」ではなかったし、一方、ルースも「打率は低いくせに、ホームランばかり狙っている扇風機」などではなかった。

ベーブ・ルースは1895年生まれでタイ・カッブよりずっと若くて、第1回殿堂入り投票前年の1935年まで現役だったから、既に野球創生期の偉人であったタイ・カッブより当時の評価がほんの少し低い傾向にあったことは、しかたない面がある。(ちなみに第1回の殿堂入り投票時のルースは殿堂入りノミネートに必要な引退後5年経過という条件を満たしていなかったが、特例でノミネートされた)

ちなみにイチローがシーズン最多安打記録を更新したジョージ・シスラーは1893年生まれで、やはり1886年生まれのタイ・カッブよりも年下で、全盛期もタイ・カッブより10年ほど遅い。(シスラーの殿堂入りは1939年)。

ジョージ・シスラー

スピードとテクニック系の選手だったシスラーは、不運なことに、ホームランが非常にもてはやされだしたベーブ・ルース時代と全盛期が重なってしまっている。そのため、彼のヒットを積み重ねた業績は1920年代以降のホームラン時代には、時代に埋もれてしまう不幸さがあった。かえってシスラーのようなタイプの選手は、ベーブ・ルース時代ではなく、タイ・カッブ時代に全盛期を迎えていれば、輝かしい業績を軽視されるような不運な目にあわずに済んだだろうと思う。
2004年のイチローによるシスラーのシーズン最多安打記録の更新は、もちろん、シスラーの正当な再評価、名誉ある業績の掘り起こしに繋がったわけで、シスラーの遺族がイチローの記録更新をかえって喜んだのも頷ける。


上のグラフでみるとわかるように、ベーブ・ルース以降1950年代までは「盗塁が少なく、ホームランの多い時代」が続く。
その証拠に、1950年にドム・ディマジオ(1955年に殿堂入りしたジョー・ディマジオの弟で、ボストンの選手)が「たった15盗塁」で盗塁王になったりしている。だから、この「ほとんど盗塁しない時代」にどんなタイプの選手がもてはやされたかは説明しなくてもわかると思う。


時代を変えたスピードスター、
ルー・ブロック、リッキー・ヘンダーソン

「MLBから盗塁が消えた時代」は、1960年代から70年代かけて急速に終わる。1ゲームあたりの盗塁数が右肩上がりに増えていき、1試合あたりの盗塁数とホームラン数の差は急激に縮まっていく
そして1980年代になると、盗塁は試合運びをする上で非常にポピュラーな戦術に返り咲いた
これは明らかに、74年に118盗塁を記録し、それまでのメジャーのシーズン盗塁記録を塗りかえた、通算盗塁数938で歴代2位のルー・ブロック(1985年殿堂入り)や、80年、82年、83年に100盗塁以上を記録し、82年の130盗塁でルー・ブロックの記録を塗りかえたリッキー・ヘンダーソン(2009年殿堂入り)の活躍があってのことだと思う。

盗塁するリッキー・ヘンダーソン盗塁するリッキー・ヘンダーソン
ベーブ・ルースなら「客はオレのシングルヒットじゃなく、ホームランを見に来ているのさ」と言うだろうが、リッキー・ヘンダーソンなら「いやいや。今は時代が違うだろ。今の客はオレ様の盗塁を楽しみに球場に来るのさ」と言い返すところだろう。我々が出塁したイチローを見るとき、「早く盗塁しないかな」と待ちあぐねながらテレビに釘付けになっているのとまったく同じである。
リッキー・ヘンダーソンも、ホームランを20本以上打ったシーズンが合計4シーズンあって、タイ・カッブもそうであったように、彼もまた「シングルヒットしか打てない打者」ではなかった。


2000年前後の薬物ホームランフィーバーと、
その後のドーピングへの幻滅

1998年から2001年にかけて、マーク・マクガイアサミー・ソーサバリー・ボンズといったホームランバッターによるホームラン記録の更新フィーバーの時代がやってくる。
日本でもサンフランシスコの球場の外で、ボートやカヌーに乗ってホームランボールを拾いに来ている野球ファンの映像が何度も流されたものだ。
しかし次々とステロイド使用による彼らの不正ぶりが告発されたことで、近年では彼らのホームラン記録の正当性そのものが疑問視されている。


タイ・カッブ、リッキー・ヘンダーソン、イチロー
歴史を変えたスピードスターたち

1980年に始まったシルバースラッガー賞という賞がある。
この賞、なまじ「スラッガー」とタイトルについているばっかりに、「ホームランをたくさん打つと、もらえる賞だ」と勘違いしている人が非常に多い。あるいは、イチローがシルバースラッガー賞を何度も受賞していることにいちいち異議を唱えたがるアホウもいる。

だが、例えば球聖タイ・カッブは通算117本しかホームランを打っていないが(しかも、その多くはランニング・ホームランらしい)、もしあの時代にこの賞があったら、少なく見積もっても10数回受賞したことだろう。
また、盗塁のキング・オブ・キングス、リッキー・ヘンダーソンは、通算3回シルバースラッガー賞を受賞しているわけだが、その内容を見れば、ドーピングが騒がれて個人のホームラン数がかなり減っている近年のMLBからしても、「これは凄い」という数字の成績でもない。81年などは「こんな成績でよく獲れたな」という感じの数字だ。
リッキー・ヘンダーソンの3回のシルバースラッガー賞も、盗塁を含めた打撃成績全体の貢献度を見てのものだろう。シルバースラッガー賞とは、そういう賞である。
リッキー・ヘンダーソンの
シルバースラッガー賞受賞シーズンの成績

81年 打率.319 135安打 6ホームラン 35打点 56盗塁
85年 打率.314 172安打 24ホームラン 72打点 80盗塁
90年 打率.325 159安打 28ホームラン 65打点 65盗塁
参考)イチローのシルバースラッガー賞受賞年の成績
01年 打率.350 242安打 8ホームラン 69打点 56盗塁
07年 打率.351 238安打 6ホームラン 68打点 37盗塁
09年 打率.352 225安打 11ホームラン 46打点 26盗塁

「ホームランだけが野球というスポーツの攻撃スタイルだ」という決めつけは、単なるガキくさい思い込みにすぎない。「野球 イコール ホームラン」というベーブ・ルース時代に作られた商業色の強いイメージに捉われたままの人が、いかに多いことか。
むしろ、近年のシルバースラッガー賞の受賞者のホームランバッターには、薬物問題で実際に処罰を受けた「まがいもの」「つくりもの」のプレーヤー(たとえばボンズ、マクガイア、ジオンビー、テハダ、他にも大勢いる)があまりにも多い。


これを書いていて、ほんとうに2001年のイチローの鮮烈なメジャーデビュー登場がメジャーの歴史にいかに大きなインパクトを与えたか、その意義を考えずにはいられない。
イチローの登場は、単に、シスラーのような大過去の偉大なプレーヤーの記録を掘り起こしただけではなくて、ルー・ブロックやリッキー・ヘンダーソンが「盗塁」というタイ・カッブ時代の野球の価値ある宝をあらためて掘り起こしたように、2001年までの薬物を使用しつつホームラン競争に明け暮れていた「薬物ホームラン時代」に終止符を打ち、新しいクリーンなスピード時代の幕を、イチローが開けたのだ。

Copyright © damejima. All Rights Reserved.

September 09, 2010

今日のオークランド戦、逆転負けの原因は明らかに6回裏にオークランドが決めた「1イニング2つのダブルスチール」
Seattle Mariners at Oakland Athletics - September 8, 2010 | MLB.com Gameday

オークランドの公式サイトでも、「今日の勝因は2つのダブルスチール」と明言している。
なのに、シアトルの地元メディアときたら、ダブルスチールについては何も触れず、今日の負けゲームの記事を「まぁフレンチはよくやった」とか適当に切り上げてお茶を濁しているのだから、なんともぬるい話だ。
They countered with two double steals. In one inning. And won because of it. (Crisp drives A's to series win vs. Mariners | oaklandathletics.com: News)


ひとつのイニングにダブルスチールを2度決められるなんてことはあまりあることではない。試合終了直後から調べていてもいたのだが、どうも検索の仕方がよくないのか、なかなか他のサンプルが出てこなかった。

ついさっきみつけたのはLarry Larueがソースの下の記事だが、それによると「1イニング2ダブルスチール」はオークランドでは1983年以来の記録のようで、そうだとすると「27年ぶりの記録」ということになる。さすがに、かつてリッキー・ヘンダーソンを輩出したチームなだけはある、と、変な感心のしかたをした。
約30年に一度の珍しい記録ではあるが、全く初めての記録なわけではないのだ。やっぱりメジャーの歴史は奥が深い。
M’s bats wilt after hot start - Mariners - The Olympian - Olympia, Washington
Crisp singled home the go-ahead run, then the Athletics pulled their second double-steal of the inning – this time it was Cliff Pennington and Crisp. Oakland hadn’t done that in an inning since 1983.

追記:オークランドが最初に「1イニング2ダブルスチール」をやったのは1983年7月17日のボストン戦で、こんどが2度目らしい。当時は思ったとおりリッキー・ヘンダーソンの現役中で、80年から86年まで7年連続盗塁王になったヘンダーソンの輝かしい盗塁全盛期にあたる。
the two double steals in one inning represented the first time the A's had achieved such a feat since July 17, 1983, in the fifth inning at Boston.
Crisp drives A's to series win vs. Mariners | oaklandathletics.com: News


この「1イニング2ダブルスチール」について当事者のアダム・ムーアがなんといっているかというと、こんな感じ。「一度目のダブルスチールは刺したと思ったんだけどね」とか、質問と答えがチグハグな様子で、ちょっと意味がわからない。
要は、最初のダブルスチールでアンパイアにセーフと言われてしまい、それをグチグチと脳内で愚痴りながらプレーしていて気をとられているうちに、2度目のダブルスチールを決められてしまったのだろう。
そう言えばいいのに。しょうもない。
“I thought I got Davis on the first one,” catcher Adam Moore said, “but the call went the other way. On the second double steal, I didn’t even throw. They both got huge jumps.”


ちょっと右打者アダム・ムーアと左打者ロブ・ジョンソンの2人を比較してみる。

結論から先にいうと、アダム・ムーアはたとえで言うと、スローイングでは「肩が弱いというか、注意力の散漫なキャッチャー」、打撃面では「四球を選べず、三振の多いロペスタイプの右の扇風機」であり、リード面では「キロス、城島レベル」。トータルに言えば「注意力が散漫なせいもあって盗塁を刺せず、リードが単調で、打撃では打率が異常に低い、まるで城島風味のキャッチャー」とでもいうか、まぁ、そういうレベルの選手である。
以下に挙げる打撃データもあわせてみてもらうと、アダム・ムーアが、いかに「かつてシアトルによくいたフリースインガーの右打者の再来」であることがよくわかることだろう。

リード面は、今日のGamedayをみてもらってもわかることだが、今日ムーアがルーク・フレンチに出したサインは「初球はいつもストレートばかり」、それがオークランド打線にバレて、ランナーが出ると、とたんにこんどは「初球はチェンジアップばかり」
これでは、打たれるとコロリとリードを180度かえて、かえって打たれてばかりいた城島・キロスばりの単純リードである。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「城島コピー捕手」キロスと「キロス問題」


盗塁阻止率
アダム・ムーア .286 (44ゲーム先発 20盗塁 8阻止)
Adam Moore Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
ロブ・ジョンソン .353 (57ゲーム先発 22盗塁 12阻止)
Rob Johnson Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ついでに打撃データもあげてみる。
(打率、OBP、SLG、OPSの順)

アダム・ムーア   .187 .220 .290 .510
二塁打 4 ホームラン 4 12打点
ロブ・ジョンソン    .191 .293 .281 .574
二塁打 10 ホームラン 2 13打点

この2人のプレーヤー、打撃成績が非常に似かよっている。だが、最も大きな違いは「出塁率の大差」で、もっと正確にいえば、「四球数の違い」だ。
2010年 四球数
アダム・ムーア  5
ロブ・ジョンソン 25


9月6日の記事で、同じ「1983年生まれ世代」に属しているホセ・ロペスとジョー・マウアーの打撃成績の最も大きな差異は、「長打の数」ではなくて「四球数」であることを書いたが、このアダム・ムーアも、実は、ロペス(あるいはベタンコート、城島など)と、そっくり同じ特徴をもっている。
シアトルウオッチャーなら誰でもわかっているとおり、この「四球数も、四球率も、異常なくらい少ないこと」、そして「出塁率が異様に低いこと」、加えて「打率が低い右打者」は、シアトルのマイナーが育ててきた選手のかなりの部分と、シアトルがバベジGM時代に熱心に獲得してきたフリースインガーたち共通の特徴である。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月6日、世代交代の主役「1983年世代」のジョー・マウアーとホセ・ロペス、打撃成績の一番の違いは「四球数」。

BB/PA 打席あたり四球率
アダム・ムーア  .030
ロブ・ジョンソン  .120

参考:城島のシアトル在籍時の四球率
2006年 .037
2007年 .029
2008年 .047
2009年 .047
メジャー通算 .038(4年間もこの数字を続けたのだから酷いものだ)

参考:2010シアトル チーム内BB/PAランキング
ランガーハンズ    .189
バーンズ        .158
ブラニヤン       .128
ロブ・ジョンソン   .120
(中略)
ホセ・ロペス     .035
ジャック・ウィルソン  .033
アダム・ムーア    .030
ジャスティン・スモーク .015
Seattle Mariners 2010 Batting / Hitting Statistics - ESPN

BB/SO 四球と三振の比率
アダム・ムーア  0.09
ロブ・ジョンソン  0.46


ベタンコート、城島、ロペス、ほかにも2005年以降にシアトルのロスターには、たくさんの選手たちがこの「四球を異常に選ばない。かつ、凡打の山を築き、併殺を大量生産する右打者」に属していて、やがて大半の選手がクビになった。(セクソンは、例えば2007年夏までの打撃成績を城島と比べるとわかるが、シアトルにしては四球率の高いバッターではあった)

では、その後、「扇風機コレクション」の好きなシアトルの悪しき伝統は無くなったのか?

まさか(笑)
そんなこと、あるわけない(笑)
このチーム、よせばいいのに、ひそかに扇風機を着々と集めつつある。

でなければ、打率が2割すらないアダム・ムーアをクリンアップの5番にすえたりしない(笑)

打率2割以下のクリンアップ? ありえない(笑)


アダム・ムーアとロブ・ジョンソンのロスター入れ替えを進言したのは、かつてシアトルのマイナーで捕手コーディネイトを担当してきたコーチで、彼は、ワカマツがクビになった後にメジャーのコーチに収まったわけだが、彼の推すアダム・ムーアは明らかに「城島、ロペス、ベタンコートタイプ」のフリースインガーの右打者である。
シアトルのマイナーがこれまで育ててきた打者には、こういう「高めのストレートにはめっぽう強いが、低めの変化球にからきし弱い。三振が多く、四球を選べない。なんでも振りまわして、併殺が多い。進塁打も苦手」、そういう「不器用な壊れた扇風機タイプ」が実に多い。
この打撃不振にあえぎ続けるチームが、なぜあれほど打てないダメ捕手城島を気に入って大金を払ったかについては、こういう「チームの間違った好み」の問題があっただろう。

さらには、現在の無能なGMズレンシックのお気に入りのひとり、ジャック・ウィルソンも、スペランカーでほとんどゲームに出ない高給取りなだけではなくて、実は、ただでさえ出塁率や打率の低いこのチームで、ベスト3に入るほど「四球を選べない、器用さの全く無い打ちたがりの右打者」であり、また、クリフ・リーを放出してまで獲得したジャスティン・スモークも、テキサスでのBB/PAは.138だったにもかかわらず、シアトルに来てからはいわゆる「扇風機」、フリースインガーである。(スモークがシアトルのマイナーでいくら四球を選ぼうと、そんなのはまるで関係ない。マイナーは所詮マイナー。下での打撃内容がメジャーでそのまま実行できるほど、メジャーの投手は甘くない)


右打者不利のこの球場をホームにもつこのチームが、なんの見通しもなく集めてきた数多くの「無駄な右の壊れた扇風機コレクション」を、大変な時間をかけ、苦労して、ようやく整理できつつあったにもかかわらず、またもや右打者ジャック・ウィルソンに大金を払い、四球を選べる左のロブ・ジョンソンをマイナーに落としてまでして、打てない右の扇風機アダム・ムーアをロスターに上げ、さらには貴重な先発投手クリフ・リーを放出してまで若い扇風機スモークを獲得したこのチームの2011年、つまり来年の野球が、「シアトルの打者共通の欠陥である出塁率の低さを大きく改善する野球に変わる」わけがない(笑)

あと、ついでながら、出戻りのブラニヤンも、スタッツをみればわかることだが、「左のセクソン」なだけ。チームの救世主でもなんでもない。たまに打つホームラン以外には、四球をちょろちょろと選び、あとは三振というあたりが、実にセクソンそっくり。
セクソンをクビにするのにあれほど手間がかかったのに、シアトルは自らの手で、また主軸に「左のセクソン」を迎え入れたのである。






September 07, 2010

2005年 ヒューストン・ストリート
2006年 ハンリー・ラミレスジャスティン・バーランダー
2007年 ライアン・ブラウンダスティン・ペドロイア
2008年 ジオバニー・ソト

MLBの世代交代の中心にある「1983年生まれのプレーヤー」についてはこれまで何度もとりあげてきた。(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「1983年世代」、MLBキャッチャー世代論)が、これは近年の新人王の中から「1983年生まれのプレーヤー」だけを抜き出したもの。なんと6人ものプレーヤーが新人王になっている。


この6人の新人王以外にも、このリストにのっていない「1983年生まれの有力プレーヤー」は書ききれないほどたくさんいる。
いまア・リーグの打撃3冠王に迫っているミゲル・カブレラ。プホールズとナ・リーグ3冠王を争っているジョーイ・ボット。かつて3年連続盗塁王になったホセ・レイエス。今年ホームランを打った後で骨折したケンドリー・モラレス、去年のサイ・ヤング賞投手ザック・グレインキー、今年ノーヒット・ノーランを達成したマット・ガーザ。アーヴィン・サンタナ、ジャコビー・エルズベリー、フランシスコ・リリアーノ、ニック・マーケイキス、ラッセル・マーティン、カート・スズキ、ハウィー・ケンドリック。ほかにもたくさんの有力選手がいる。
なんと豪華な世代だろう。いかに「1983年生まれ」が当たり年(特に野手)だったかがわかる。

シアトル関連にも「1983年生まれのプレーヤー」は多い。
2010年のロスターでは、ホセ・ロペス、フランクリン・グティエレス、ケイシー・コッチマン、ロブ・ジョンソン、デビッド・ポーリー、ブランドン・リーグ、ギャレット・オルソン、ジェイソン・バルガス、ライアン・ローランドスミス。また移籍した選手では、ロニー・セデーニョ、ジェフ・クレメント、マーク・ロウなど。
1983 Major League Baseball Born this Year - Baseball-Reference.com


優れたプレーヤーだらけの「1983年生まれの野手」だが、野手の打撃各部門でのベスト3をそれぞれ挙げてみた。特にミゲル・カブレラ(現在打率2位、ホームラン2位、打点1位)の優秀さは、素晴らしい。ぜひ一度、ア・リーグ3冠王になってもらいたいものだ。

通算打率
ジョーマウアー  .323
ミゲル・カブレラ  .314
マーティン・プラド .313

通算ホームラン数
ミゲル・カブレラ  231HR
ライアン・ブラウン 116HR
ハンリー・ラミレス 116HR

通算打点
ミゲル・カブレラ 830打点
ジョーマウアー 432打点
ホセ・ロペス  410打点

通算得点
ミゲル・カブレラ  694得点
ホセ・レイエス   603得点
ハンリー・ラミレス 520得点

通算OBP
ジョーマウアー  .404
ジョーイ・ボット  .396
ハンリー・ラミレス .386
ミゲル・カブレラ  .386

通算SLG
ライアン・ブラウン .558
ミゲル・カブレラ  .550
ジョーイ・ボット  .550

通算OPS
ジョーイ・ボット   .943
ミゲル・カブレラ  .936
ライアン・ブラウン .918


ある意味、意外なのは(笑)、シアトルファンには評判の悪い(笑)ホセ・ロペスが、「1983年生まれプレーヤー」における打点ランキングの3位に入っていること、だろう。

実は、ロペスとジョー・マウアーの長打の数は、数字を見ないファンが先入観でとやかくいうほど「大差」はついていない。
2人は生まれも1983年で同じだが、メジャーデビューも同じ2004年で、メジャー経験年数も同じだ。そのため打席数も、マウアー3323に対して、ロペス3344と、ほとんど同じ。その「ほぼ同じ数の打席に入ったロペスとマウアー」が、実はホームランの「数」や、打点の「数」だけでいうと、思ったほどの大差ではないのである。

マウアー
ヒット929本 二塁打 182 三塁打 16 ホームラン76本
ロペス
ヒット839本 二塁打 177 三塁打 11 ホームラン76本

なのに、2人の成績はこれほど違う。これはどうしたことか。
マウアー 打率.323 OBP.404 SLG.477 OPS.882
ロペス  打率.268 OBP.299 SLG.404 OPS.704

もちろん、この「からくり」は簡単で、「両者の打数の違い」である。マウアー2872、ロペス3131で、マウアーの打数はロペスより250あまり少ない(彼らの打席数の8%前後にあたる)。
打率など、さまざまな「」での打撃成績データは「打数」から計算される。
だから、マウアーとロペスは「数」ではそれほど大差がなくても、「」ではマウアーがロペスを圧倒するのである。(これはマウアーが本質的には中距離打者というよりアベレージヒッターであることも意味する)

この「マウアーとロペスの打数の差からくる、打撃成績の『率』の大差」をもたらすのは、ホームラン数や二塁打の数といった長打の数ではなく、四球数の大差だ

なんと、デビューして7年、2人の四球数は、280もの大差がついている
四球を選ぶバッターのあまりにも少ないチーム環境で育ったロペスがいかに選球眼の悪いフリースインガーであるかがわかるし、また、その一方で「才能のあるバッターに溢れた1983年生まれ世代にあっても打点3位のロペスには非凡な才能があるというのに、せっかくの才能をうまく開花させないで無駄にしていることもわかる。
マウアー 通算四球数 403
ロペス   通算四球数 125






September 06, 2010

前の記事ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月29日、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(1)2010年の「ア・リーグ東地区風カットボール多用配球スタイル」が東地区チームとの対戦に災いしているのか?

前回は、今年あたりから急速にカットボールを多用した組み立てで投げるようになったクリフ・リーが、シアトル時代には好投できたのに、テキサス移籍後に、なぜかア・リーグ東地区のチームを中心に打者につかまるようになった、という話をした。
今回は、クリフ・リーの使う球種には「カウントによって特定パターンがある」ことを示してみようと思う。

だが、「クリフ・リー・パターン」を見る前に、単純な誤解を避ける意味で、彼のピッチングの前提になっている「メジャー流の配球の基本の形」を確認しておく必要があると思う。


まず、大づかみに彼の特徴をみてみる。
データを見れば誰でもわかるように、クリフ・リーの投げる球種には次のような「カウント別の大きな流れ、大きな原則」がある。これはメジャーの投手に共通
原則1)打者を追い込むと「決め球の変化球」を投げる(=変化球の割合が急に高くなる。ストレートがゼロになるわけではない)
原則2)カウントが悪くなると「ストレート」を投げる
2010年のカウント別球種
Cliff Lee » Splits » 2010 » Pitching | FanGraphs Baseball (Pitch Typesという項目参照)
2008年のカウント別球種
Cliff Lee » Splits » 2008 » Pitching | FanGraphs Baseball

勘違いしてもらっても困るのだが、これはあくまで「メジャーの投手によくあるパターン」だ。だから、この特徴だけをとって「クリフ・リーはカウントによって使う球種があまりにもワンパターンだ。だから打たれるのだ」と早合点するのは、完全に間違っている。
元メジャーリーガーの阪神ブラゼルが「来日したばかりの頃、日米の配球の違いに驚いた。日本では3-0からでも変化球を投げる。慣れるのに時間がかかった」とコメントした話をかつて紹介したが、「メジャーの投手が3-0、2-0という投手不利カウントになったらストレートを投げるのは、お約束」であり、また、例えば「ホームベースの真ん中あたりでストライクゾーンからボールに落ちていく変化球」に代表されるように、「決め球は基本的には変化球である」のも、よくある話だ。(と、いうことは何度もこのブログで書いてきた。つうか、もういい加減、書くのも飽きてきた)

ストレートのスピードがそれほどでもないクリフ・リーだが、カウントが悪くなれば、(「メジャーの他の投手たちと同じように」という意味で)ストレートでストライクをとりにいくし、打者を追い込んだ場合に投げる決め球は変化球で、他の投手たちとなにも変わらない。
2008年までなら決め球は「カーブ」、今年などは「カットボール」だ。もちろん追い込んでからストレートを投げる割合がゼロになるわけではない。変化球を投げる割合がかなり増える、という意味だ。

普段、打者を見下ろしている間はストレートばかり投げこんでくるボストンのクローザー、パペルボンも、自慢のストレートが狙われてランナーを貯めて焦ったら「スプリット」を投げるし、あれほどストレートばかり投げたがるアーズマだって、ストレートを痛打されると、ようやくキャッチャーの変化球のサインに同意して変化球を投げて、なんとかピンチをかわそうとする。
ストレートの速度だけで打者をかわせるほどメジャーは甘くないことは、ストレート自慢のピッチャーたちだって誰だって、何度も痛い目を見てわかっている。


既に何度も書いたように、この「カウントによって使う球種が、日米で非常に大きく違うこと」は、日米の野球文化の根本的な差異の非常に大きな項目のひとつであって、「城島問題」の本質のひとつでもある。
配球教科書的にいうと、、ダメ捕手城島のように「シルバのようなシンカー系の投手(ただ、彼は実際にはもっと色々な球種を投げられる)であれ、アーズマのような高目のリスクの高いストレートしか投げられないがそれを決め球にしたい投手であれ、また、バルガスのようなチェンジアップによる緩急が持ち味の投手、ベダードウオッシュバーンのようなカーブを決め球にもつ投手、ロウモローのようなストレートはバカ早いがそれだけでは勝負にならず変化球の目くらましを必要とする若手投手であれ、あらゆるタイプの投手に、決め球として、アウトコースの低めいっぱいにピンポイントで決まるストレート(あるいはスライダー)を要求するような馬鹿リード」が、投手の被ホームランを増やし、与四球を増やし、防御率をはじめ、あらゆる投手成績を低下させて、最後は投手陣全員に嫌われるのは当たり前。
組み立ては投手の持ち球やタイプによって変わるのが自然であって、キャッチャーが画一的に決められるものではないのに、それを無理にキャッチャーが決めてしまうような無意味なことをすれば、シアトルのどの投手がマウンドに上がろうが、相手チームは「城島の配球パターンは、他のどのキャッチャーよりワンパターンで、スカウンティングしやすいわけだが、そのワンパターン・リードさえ解析できてしてしまえば、シアトルの投手全員を打ちまくることができる」、そういう特殊な事態が起こる。(というか、実際にそういう状態が何年か続いた)
メジャーに来て、日本とはまるで違うメジャーの野球の「を学びもしないで自分流を投手全員に押し付けようとして大失敗し、チームに大打撃を与えたクセに大金せしめて日本に逃げ帰ったのが、「城島」というダメ捕手である。投手全員が一斉に崩れる現象は、投手のコントロールが悪いせいではなく、投手の個性を無視した画一的なリードが悪いのである。
関連記事:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(3)「低め」とかいう迷信 あるいは 決め球にまつわる文化的差異


こんどはクリフ・リーの球種ごとの特徴をみてみる。

特徴1)ストレートは速くない
90マイル程度のスピードしか出ていない日もある。だから、もともとストレートにはスピードはあまりないクリフ・リーの場合、ストレートとカットボールにほとんどスピード差が少ない。そのため、カットボールを多投する組み立てをするには、もともとピッチングの緩急に不安があることに注意すべきだろう。
クリフ・リーのストレートが遅いことはシアトルファンは誰でも知っていることで、ゲームを毎日見ていればわかることだが、まぁ、一応データも挙げておく。
資料:Cliff Lee ≫ PitchFx ≫ Velocity Graphs ≫ FA | FanGraphs Baseball
だが、ここでも勘違いしてはいけないのは、92マイルの速度のショーン・ホワイトのシンカーのほうが、クリフ・リーのストレートより多少早いからといって、「投手としてショーン・ホワイトのほうがクリフ・リーより優れている」とは言えない、ということだ。
投手の能力はストレートの速さだけで決まったりはしない。

特徴2)持ち球の種類は限られている
クリフ・リーは基本的な球種のみしか使わない。基本的にストレート多めの投手。決め球に使うのは、ほぼカットボール、第二の選択肢としてはカーブだ。チェンジアップもあるが、これは組み立てに使う程度。
資料:Cliff Lee ≫ Statistics ≫ Pitching | FanGraphs Baseball

特徴3)決め球はカーブからカットボールに
サイ・ヤング賞投手になった2008年頃、決め球は「カーブ」だった。これは「2008年当時は、緩急を使いながら抑える投手だった」ことを意味する。だが、最近になって、理由はわからないが「カットボール」を多用するピッチングに変わってきた。
関連記事:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月23日、クリフ・リー「鳥肌モノ」の115球、4試合連続無四球で6勝目。「ストレートのかわりにカットボールでカウントを作って、変化球で仕留める」クリフ・リーの「東地区っぽいピッチング・スタイル」は、実は、2010年シアトルモデル。


以上の2つの原則と3つの特徴から、クリフ・リーの打者への配球には、ひとつの典型的な「クリフ・リー・パターン」が「できてしまう」ことは、たぶん説明しなくても誰でもわかると思う。
試しに作ってみると、こんな風になる。メジャーのスターターらしいパターンで、よく言えばシンプルだし、悪く言えばバリエーションがない。


配球パターンの原則1)
「初球は90マイルちょっとのストレートから入る」
「3球目(または4球目)87マイルくらいのカットボール(または78マイルくらいのカーブ)で決める」


もちろん、逆パターンもある。初球にストレートではなく、チェンジアップやカットボールといった変化球を使い、最後をストレートで決めにくるのが逆パターンだ。
この逆パターンは、だいたいの場合、相手打者が1巡か2巡してから使うバリエーションであって、2打席目、3打席目に打者がクリフ・リーの初球ストレートを狙ってくるのをかわすために使われるだけの話。メインの投球パターンではない。
基本的に「クリフ・リーの初球はストレート」だと思う。打者が慣れていない試合序盤ではなおさら、初球にストレートを投げる確率はかなり高いと思っていい。
ここで覚えておかなくてはいけないのは、ストレートの遅いクリフ・リーの場合、2008年のように決め球にカーブを使うならストレートがいくら遅くても緩急がつけられるが、最近のように「カットボールを決め球にすると、ストレートとの緩急がつけられない」ことだ。

配球パターンの原則2)
カウント次第で3球目(または4球目)に投げる球種が決まる

打者を追い込んだ場合(カウント0-2、1-2)
カットボール(またはカーブ)で決めに行く
カウントを悪くした場合(カウント2-0、3-0)
ストレートでストライクをとりにいく
ストレートそのものにパーフェクトな威力があるわけではないクリフ・リーの場合、カウントを悪くしてからカウントをとりにいった甘いストレートを痛打される事態はできるだけ避けたいだろう。
となると、最初の2球で、できれば打者を追い込んでしまいたい。だから初球、2球目にボール球を投げて打者に余裕を与えるわけにはいかない。ストライクをどんどん取りに行くのである。これも覚えておく必要があるだろう。


さて、ここまで勝手に決め付けてきたが、実際にこんな風に投げているのか?
気になるだろうから、典型的な「クリフ・リー・パターン」の例を挙げてみようと思う。

これは打者をキレイにうちとったほうの例。
2010年6月7日シアトル在籍時代の、テキサスとのゲーム、初球と2球目ストレートで打者を追い込んだら、そこで間髪を入れずに決め球のカーブを投げて、三球三振させている。
この「ストレート、ストレート、カーブ」、これこそが、まさに「クリフ・リー・パターン」だし、本来の彼のピッチング、彼の真骨頂だと、ブログ主は思っている。
決め球に「カットボール」でなく、「カーブ」を使っている
ところが、2008年サイ・ヤング賞当時の配球であり、また、2010年シアトル在籍時の基本パターンのひとつというイメージがある。もしテキサス移籍以降なら、カーブではなく、カットボールを使っている場面だろう。
2010年6月7日テキサス戦7回表 クリフ・リーの配球2010年6月7日
テキサス戦7回表

初球  ストレート
2球目 ストレート
3球目 カーブ(三振)
初球のストレートでストライクがとれていれば、3球目か4球目にカーブでうちとるのをあらかじめイメージしつつ、2球目も、もちろんストライクをとりにいくわけだが、もし「初球がボール」だったら話は結構変わってくる。カウントを悪くしたときに限って、ストレート4連投、なんていう単調な攻めになることがある。なぜなら、カウントをとりにいくのもストレートなら、悪いカウントになって投げるのもストレートだから、ストレートの連投になってしまうのだ。
だからこそクリフ・リーは「初球のストライク」を大事にする。初球がストライクのストレートだからこそ、決め球の変化球が生きてくるからだ。


次に、テキサス移籍後の打たれた例もみてみよう。
2010年8月26日、5回を投げて5失点したミネソタ戦だ。
Minnesota Twins at Texas Rangers - August 26, 2010 | MLB.com Gameday

この打たれるパターンがどうなのか問題なのだが、長くなるので、次回。






September 04, 2010

もうすぐ始まるトロントとヤンキースのゲームに、ブランドン・モローが先発。モローは今シーズンすでにNYY戦に4回も先発しているが、けっこう打たれてもいるわりには、どういうものか、一度も負けがついていない。
今日も頑張ってほしいものだ。
Toronto Blue Jays at New York Yankees - September 3, 2010 | MLB.com Gameday

8月のモローは3勝、負けなし。タンパベイ相手に準ノーヒット・ノーランをやってからも好調を維持している。(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月8日、トロントに移籍したブランドン・モロー、東地区2位のタンパベイ相手に9回2アウトまでノーヒット・ノーラン。17三振を奪う。
もしも8月が4勝だったら、月間最優秀投手もあったかもしれない。惜しいことをした。
Brandon Morrow Game Log | bluejays.com: Stats


ちみみに今年6月の月間最優秀投手はシアトル在籍時のクリフ・リーだったのだが、シアトルファンですら覚えてない人が大半なのだから、ちまたのシアトルファンだの、データマニアだのなんだのもたいしたことはない。
クリフ・リー自身の月間最優秀投手受賞は、2008年1月と8月に続いて、3回目。ロブ・ジョンソンが受けた投手が月間最優秀投手受賞を受賞するのは、2009年6月・9月のヘルナンデス、2009年7月のウオッシュバーンに続いて、4人目。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月・7月・9月「月間最優秀投手」と「ロブ・ジョンソン効果」
クリフ・リーの場合もそうだったが、例えばFIPがちょっと悪くなると、やれトレードが当たり前だの、こいつは必要ないだのなんだの、データ馬鹿はウザいったらありゃしない。
指標1つで人間の未来までわかるつもりになっているのは、笑止千万。
Hamilton, Lee honored as AL's best in June | MLB.com: News

2009年ブランドン・モローの成績はこんなふうになっていた。
ERA 4.39
FIP 5.05
xFIP 4.89
ERAは4点台前半だが、FIPは5点台、xFIPも5点に近い4点台で、これはデータ馬鹿の大好きな「見た目のERAより、予測であるFIPが悪い」という状態だった。FIPやxFIPだけ見て選手の将来をあれこれ言いたがるような単細胞な人がこれをみれば、「モローなんて来年はとても使えない。トレードしてしまえ」とか、すぐに言い出す。実際、2009年の「城島問題」に無関心なメディアと日本のシアトルファンはそういう声の大合唱だったものだ。

もちろん、現実のモローは違う。

2009年までのモローには「シアトルが全く実力を発揮する機会を与えない、それどころか、フタをしている」という単純な事情があって、あの成績だった。
問題は主に2つあった。ひとつはシアトルが若い選手の起用法や育成法が伝統的に下手だ、という問題、もうひとつは「城島問題」であり、モローは実力を発揮しようにも、あんな環境ではできるわけがなかった。
既に何度も書いたことだが、ボルチモアにトレードされる前のアダム・ジョーンズがそうであったように、シアトル時代の新人モローに対する処遇はあまりに酷かった。
シアトルはきちんと育成する能力もないクセに、マイナーとメジャーの間を行ったり来たりさせまくって、さらにそれだけでなく、メジャーに上げたときには、それがモローにとっての数少ないチャンスの場であるにもかかわらず、リードの最悪なダメ捕手城島とばかり組ませて、炎上させてはすぐにマイナーに落とすという無駄な繰り返しを彼に強制していたのである。

結局シアトルのブランドン・モローは、「チームの育成の下手さ」と、「ダメ捕手城島」が「二重のフタ」をして、「彼の才能の芽を摘み取られ続けていただけ」なのである。


FIP関連の役に立たない予測(笑)を尻目に、実際の2010年モローはここまで、すでに143.1イニングを先発投手として、ローテを守り、投げぬいてきて、10勝6敗と、素晴らしい成績を残している。
2010年ブランドン・モロー(2010年9月3日まで)
ERA 4.27
FIP 3.16
xFIP 3.61
今年のFIPは3.16、xFIPは3.61とか、「いい数字」が出ているが、成績の改善された年の数字を二次的にいじくったら、そりゃ、いい数字が出るに決まってる。だから、こんな数字、どうでもいい(笑)来年は東地区のライバルチームが綿密にスカウンティングしてくるなら打たれる可能性も高いのに、3点台とか何を言ってるんだ、FIP(笑)
こういうアテにならない数字を素直に信じる人が、過去のデータからギャンブルに手を出して破産したりするのだ。まるでどこかのGMみたいだ(笑)
Brandon Morrow » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball


ブランドン・モローのデータは非常にユニークだ。
というのも、ERAだけ見ると、モローの成績は2009年と2010年とではほとんど変わってないのに、結果は大きく違っている。それは「ピッチングの中身」「ピッチングの質」が全然違うからだ。

ダメ捕手城島から解放されて以降のモローは、三振をとれる率、四球を出す率、ホームランを打たれる率、それら全てが改善されている。つまり「ピッチングの質」がまったく変わったのである。
これだけ良くなったのだ。だから、ERAは同じでも、実際の「リアルなゲーム内容」はびっくりするほど変わるのが当たり前。ゲームを見れば誰でもわかることだが、xFIPだけ見ていてもわかるわけがない(笑)
宝くじの過去の当選番号や、競馬の過去の当たり数字をいくらデータ化しても、まともに予測できないのは、「過去をいくらパターン化、数値化できても、未来の予測はできない」という単純な話だ。

2009年
K/9 8.14
BB/9 5.68
HR/9 1.29

2010年
K/9 10.93 (三振は2009年の約40%増し)
BB/9 3.96 (四球は約3分の2)
HR/9 0.69 (ホームランは約半分)


FIP(Fielding Independent Pitching)は「奪三振、与四死球、被本塁打のみを投手の責任として将来のERAを予測する」わけだが、例えばホームランだが、「これはチームの守備力と関係なく投手単独の能力で左右される要素だ」と決めつけて、その上で「投手の絶対能力を測定する基準として使うんだ」と力んでみたところで、じゃあ、たとえば「ダメダメなキャッチャーのサインが大きく寄与して、毎試合のようにホームランを打たれ、四球を出しまくって、防御率が肥大している」というケースについては、どうなんだ?、という疑問が残る(笑)
つまり、FIPという指標は、投手の成績に対するキャッチャーの影響を軽視しすぎている。

まぁ、ちょっと大げさな比喩になったが、無能なキャッチャーのせいでフォアボールの数にもホームランの数にも、防御率にもFIPにも大きな影響が出る「城島問題」にかかわりのない他のチームの投手はともかく、2009年まで「ダメ捕手城島と関わりをもたされた不幸な投手」のひとりであるブランドン・モローには、関わりを断ち切ることができた今年にかぎっていえば、「FIPの判定」など、まるで関係ないのである。

「城島問題」のマイナス面を十分考慮し、適正に「城島補正」を加えてプラス評価した上で投手の能力を見定めることを怠ったシアトルと無能なズレンシックは、能力ある選手を何人も放出しては、必要の無い、能力もない選手をたんまり連れてきて、2010年を大敗したのである。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月8日、ブランドン・リーグとの交換でトロントに移籍したブランドン・モローのここまでの好成績と、ダメ捕手城島のモローに対する配球の無能ぶりをあらためて振り返る。


ちなみに、シアトルの今年の投手の中で、ERAマイナスFIPの数値が最もいいのは、コロメ、コルデロ、テシェイラの3人、だそうだ(笑)
Mariners » 2010 » Pitchers » Advanced Statistics | FanGraphs Baseball






September 01, 2010

こんなに読んでいてウキウキしてくる野球記事も珍しい。
このところ絶好調のルーク・スコットが、生え抜きの中心選手マーケイキスが、高揚したコメントを発している。ボルチモアのボルテージはますます上がってきているようだ。野球ファンでなくても読むことをおすすめしたい。
Matusz's solid outing carries O's past Boston | orioles.com: News
このまま勝ちすぎてしまうと、ボルチモア(49勝83敗、ア・リーグ最低勝率)は来年のドラフト1位指名権を得られなくなるかもしれないが、彼らはいまドラフト1位指名権などよりずっと価値のあるものを手にしつつあるのだから、その程度のことなど気にしないだろう。
ブログ注:メジャーにあまり詳しくない方への解説
メジャーのドラフトは前年の勝率の低いチームから順に指名していく。例えばジョー・マウアーは2001年の全米ドラフト1位だが、指名したミネソタは前年2000年の成績が69勝93敗、勝率.426で最下位だったから指名できた。2000 Minnesota Twins Batting, Pitching, & Fielding Statistics - Baseball-Reference.com
全米ドラフト1位の選手はこれまでも大スターになる実力の高い選手が続出していて、ドラフト1位指名権は非常に貴重。だから、プレーオフ進出の可能性が最初からないような成績の悪すぎるチームは、有力選手を放出しつつ若い選手中心のスタメンに切り替えるなどして「負け数が増えるように」故意に誘導し、全米ドラフト1位選手の獲得を目指したりすることがある。そこまでする目的はもちろん「チームの根本的再建」。90年代に一度も優勝したことのないミネソタはマウアー獲得の後、2002年から3年連続地区優勝し、今ではア・リーグ中地区で毎年優勝を争える有力チームに変身している)


ルーク・スコット
「みんなで野球やるって、マジ、楽しいぜ」
"Guys [in the lineup] are really working together to protect each other," said Scott, who was followed two outs later by Felix Pie's solo blast. "To do that together as a group, it really has been fun."

マーケイキス
「僕らにはまだ一ヶ月、戦う時間が残されてるんだ。頑張ってもっともっといいプレーをしたいと思う。」
"I've said all along we have great guys, a great clubhouse, great talent. It's just a matter of putting it together," Markakis said of an Orioles squad that has guaranteed its first winning home record against Boston since 1998.
"Over the past month, we've finally been able to do that. ... We got a lot of injured guys earlier in the year. We've got a lot of them back now. It's just adding on and it's fun. We've still got a month left to play, and we're going to go out there and get better."


そう。これなんだ。これ。
日頃、数字を操ってリクツばかりこねているように思われているかもしれないこのブログだけど、僕はシアトルにずっとこれを待っていたのさ。もう何年も。ちょっともう諦めたけど、さ。

野球はチームスポーツだ。野球が本当に熱を帯びるのは、WBCではないけれどもチームが全体として熱くなったとき、ホットになれたときなんだ。
今のボルチモアがまさにその「ホット」だ。「やれば出来るんだっっっ!」っていう強い連帯感が、投手陣はじめ、選手全員が感じてプレーしはじめている。
だからプレーヤーにインタビューすると、だれもかれも、どいつもこいつも、言葉の端々(はしばし)に、togetherとか、each otherとか、そういう単語を出してくる。誰から言われたわけじゃないと思う。自然とクチをついて出て来る言葉なんだと思う。


ああ。ほんとにうらやましいぞ、ボルチモア。
なんでシアトルはいつまでたってもこういう風にならないんだろう。



今日先発したのは2年目のBrian Matusz(ブライアン・マットゥース? 彼の名前の発音についてはボルチモアの地元ファンの間でもとまどいがあるようで、人によってはマトゥーズ、などと発音するらしい。大半の意見は「Matt-us」マットゥース、らしい。)。
ボルチモアの2008年のドラフト1位指名選手(全体4位)だが、MLBの公式サイトのトッププロスペクト50でも、20番目の選手として紹介されている期待の左投手だ。
Brian Matusz Top 50 Prospects Profile | MLB.com: Minors


人間ってのはやっぱり、気分がふさいでいると力が出ないが、嬉しいと、眠っていた力が甦ってハツラツとプレーできるものなんだ。

8月のマットゥースは今日の勝利で、月間4勝1敗。素晴らしい成績だ。
Brian Matusz Split Statistics | orioles.com: Stats
勝った相手も、エンゼルス、テキサス、ホワイトソックス、ボストンと、打撃系の有力チームばかり。ここまでの全体成績が7勝12敗 防御率4.72と冴えないから、この8月の復活ぶりがどれだけ驚異的か、わかる。
マットゥースの5月は成績が特に酷くて、0勝4敗 防御率7.50だが、かえってもっと酷いのは、6月の0勝4敗 防御率3.69だろう。ある意味、5月よりずっと悲惨だ。
Brian Matusz Game Log | orioles.com: Stats

なぜって、マットゥースが7点台だった防御率を3点台にするには色々と努力もしたに違いないのだが、それでも4敗してしまったのである。たぶん、チーム状況が相当悪かったに違いない。実際、5月から6月にかけてボルチモアは10連敗していて、今シーズンのマットゥースへのRS(ラン・サポート)はたった3.7しかない。
経験の少ない若い選手にしてみれば、「結局、頑張っても頑張らなくても、オレたちは負けるんだ」というゲームが続けば、やり場のない脱力感にまみれてしまう。
この「脱力感」というやつがチーム全体に蔓延したら、おしまいだ。
頑張って負けただけなら、まだ「明日」がある。だが、頑張っても、頑張らなくても負けて心を折られると、脱力感にまみれてしまい、人間は頑張らなくなる。だから脱力感の蔓延したチームの負けには、明日への出口がみつからなくなる。

いいときに登板したものだ。チームがいいときに登板する。勝つ。なにより、「勝てる」という気持ちを掴める。勝ったときの気分が自分のカラダに浸み込んでいく。それが若い選手には大きい。

幸せな男である。

若い選手にはやはり、チームがノリノリなとき、いいときにプレーさせてやりたいという想いがある。重すぎる期待、重すぎる責任、そんなものばかり背負わされてプレーしたんじゃ、若い選手は潰れてしまう。
例えば、チームの惨状を救う救世主になるにはまだまだ早いのにローテ投手として使われまくって、結局トミージョン手術を受けることになったストラスバーグには、本当に同情してしまう。


さて、ブライアン・マットゥースがインタビューの中で引用している今年初めのケビン・ミルウッドの言葉がある。

先日の記事で今年ボルチモアに期待されて移籍しながら、成績が酷いミルウッドのことを「大戦犯」などと書いてしまった。
だが、マットゥースによれば、彼はベテランの彼なりに、移籍する前から弱体なのがわかっているボルチモアの投手陣を牽引していこうと、若い投手と色々とコミュニケーションを図ったりして、このチームをなんとかしようと頑張ってきていたようだ。
マットぅースのような若い先発投手が、チーム全体が沈み込み暗いムードのときにいくらあがいても勝てないことはよくあることだが、同じように、いくらベテラン投手だって、どうあがいても悪いチーム状況はひとりだけではどうしようもないし、勝てもしない。

投手陣のリーダーとしてもがきながら戦ってきたミルウッドには、この場を借りて、先日の酷い言葉を謝りたい。

"[Kevin] Millwood said it at the beginning of the year, that's how the rotation needs to be," Matusz said of the Orioles' starters feeding off each successive outing. "We need to be pushing each other each and every start, and I feel like that's what we are doing now."






ハワイ移民150周年
No Ichiro, No watch.

Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です




Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。



Categories
ブログ内検索 by Google
Google

livedoorブログ内検索
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month