April 2011

April 30, 2011

なんという偶然なのか。

ボストン遠征第1戦に先発したのはジェイソン・バルガスだったが、球審はなんと、またしても、4月8日のクリーブランド戦で手こずった、あのストライクゾーンの極端に狭いSam Holbrookだったのだ。
バルガスは今日、2010年8月14日以来となる、久しぶりの勝利を得たわけだが、この勝利はSam Holbrookのコールに対するリベンジの意味もあった。
Seattle Mariners at Boston Red Sox - April 29, 2011 | MLB.com Classic

Seattle Mariners at Boston Red Sox - April 29, 2011 | MLB.com SEA Recap

ジェイソン・バルガスが2011年4月8日に、クリーブランド相手にメッタ打ちにあったときの球審が、MLBのアンパイアの中でもストライク・ゾーンが非常に小さいことで知られる、Sam Holbrookだったことは、一度記事にした。彼のコールの特徴は、「高めのストライクをとり」、そして「低めのストライクをまるでとらない」ことだ。
バルガスは4月8日のクリーブランド戦では、低めのボールをことごとくボール判定され、しかたなく高めにボールを浮かせてストライクをとりにいったところを、ことごとく狙い打ちを食った感があった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。

2011シーズン ジェイソン・バルガスの
アンパイア別WHIP・ERA

Bruce Dreckman 0.900 1.35
Wally Bell 0.900 1.35
Larry Vanover 1.333 3.00
Ed Rapuano 1.800 10.80
Sam Holbrook 1.839 9.58
Jason Vargas 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com



4月8日と、4月29日
この2つのゲームで、球審のコールはどうだったのか。
同じなのか。違うのか。



2つのゲームを、感覚などではなく、具体的なデータで比較してみよう。

資料にしたのは、以前何度か使ったことがあり、素晴らしいデータ提供で知られているBrooksBaseball.netの提供するデータである。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool


まず、4月8日のデータを見てみる。
データの見方は以下のとおり。

1) 図の中央、黒線で描かれた四角形が、ストライクゾーン
2) 図はアンパイア視線で描かれている。
  右側がライト側、左側がレフト側にあたる。
3) 四角形のデータはホーム側の投手。三角形はビジター。
したがって、4月8日のデータでは、四角形がシアトルの投手。三角形がクリーブランド。4月29日のデータでは、四角形がボストン。三角形がシアトルになる。
4) 赤い色はストライク判定緑色はボール判定


4月8日 対左打者
2011年4月8日 対左打者 Sam Holbrookのコール
ストライクゾーンが非常に極端なことは、ひとめでわかる。最も大きな特徴は、対左打者のストライクゾーンにおいてSam Holbrookは「まったく低目をとらない」ことだ。さらに「高め、外角を、異様なほど、やたらとストライクコールしている」。
下に挙げた同じ日の右打者のデータと比較してみてもらいたいが、これほど低目をとらず、高目をとるSam Holbrookの極端なストライクゾーンは左右両方の打者に適用されているのではない高めをこれほどストライクコールするのは左打者に特有の現象だ。

4月8日 対右打者
2011年4月8日 対右打者 Sam Holbrookのコール
高めのストライクゾーンはノーマルだ。
だが、低めのゾーンは、なんと、ほとんどのストライクゾーン内の球を「ボール」とコールしている
これでは投手はたまったものではない。
特に左投手で、右打者に対してアウトコースから真ん中低めいっぱいに決まるチェンジアップを多投する配球を得意とするバルガスにとっては、こうした低目をまったくとってくれないアンパイアは、どうみても死活問題だ



では、こんどは、
今日4月29日のコールぶりをみてみる。
4月8日のコールの傾向とだいぶ違うので、4月8日のコールの特徴をあらためて頭に入れてから見てもらいたい。


4月29日 対左打者
2011年4月29日 対左打者 Sam Holbrookのコール
低めについて、やはり「低目をとらないSam Holbrook」の特徴が強く現れており、多数の低めのゾーン内の投球がボールとコールされている
特に、ボストンの投手の右打者への低めへの球は、非常に多くがボールとコールされている。(実際には、ボストンの右投手松坂の左打者への投球が被害にあったと思われる)
また、アウトコースのゾーン外の球(つまり図に向かって左側=レフト側)に、ストライクとコールされた球が多くみられるのだが、これは以前いちど指摘したように、MLBのアンパイアの左打者へのコールはアウトコース側をボール1個か2個分広くストライクコールするのが普通なのであって、これをもってしてSam Holbrookだけの特徴というのは間違っている。むしろ、平均的なMLBのアンパイアのコールといっていい。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。
4月8日にみられたような「左打者の高目をやたらとストライクとコールする」という特徴はまったく影をひそめている

4月29日 対右打者
2011年4月29日 対右打者 Sam Holbrookのコール
低めについてはやはり、「低目をとらないSam Holbrook」の特徴が発揮されていて、ゾーン内への投球なのにボールとコールされた球が多数発生している
同じ4月29日の対左打者のケースではボストンの投手の低めが多数ボール判定されているが、対右打者では逆に、シアトルの投手の右打者の低めへの投球の多くがボールとコールされてしまっている。(実際には、シアトルの左投手バルガスの右打者への投球が被害にあったと思われる)
高めのゾーンについて、4月8日のような「異様に高めのボールをストライクとコールする」ような事態は、まったくみられない。


バルガスの立場からいうと、4月8日と4月29日の球審Sam Holbrookのコールの違いは下記のような意味になる。

1) 4月8日の左右両方の打者にあった「低めの球をまったストライクとコールしてもらえない現象」は、4月29日については、少なくとも、左打者については無くなり、右打者については残った
このため、推定として、4月29日のバルガスがヒットを打たれた打者は、右打者が多いはず
実際に、ボストンの打者でゲームで打点を挙げたのは、2本のホームランを打った右打者マイク・キャメロンと、1打点を挙げたケビン・ユーキリス。下記に、実際にボール判定されたストライクゾーン内の投球例を挙げる。

2) 4月8日にあった「左打者の高目にはずれる球を、ストライクとコールしてもらえる現象」は、4月29日には全く消滅した。だが、もともと低目や左右を広く使う配球をするバルガスにとっては、高めのストライクゾーンが狭まることのデメリットは、ほとんどない。

2011年4月29日 3回裏 ダーネル・マクドナルドへの6球目3回裏
ダーネル・マクドナルドへの6球目

結果:四球

2011年4月29日 3回裏 ケビン・ユーキリスへの初球3回裏
ケビン・ユーキリスへの初球

結果:タイムリーヒット

2011年4月29日 5回裏 ケビン・ユーキリスへの5球目5回裏
ケビン・ユーキリスへの5球目

結果:四球








April 28, 2011

デトロイト第2戦、ビジターで圧勝。
素晴らしいゲームだった。
Seattle Mariners at Detroit Tigers - April 27, 2011 | MLB.com Classic

スモーク 2試合連続ホームラン from バーランダー


2011年4月27日 ジャスティン・スモーク 3ラン

先週、父の葬儀を終えたばかりのジャスティン・スモークがチームに戻ってきて、昨日今日と、いきなり2試合連続ホームラン。試合後のインタビューによるとバーランダーのストレートだけを待っていたらしい。("I was just looking for a fastball to hit." Seattle Mariners at Detroit Tigers - April 27, 2011 | MLB.com SEA Recap
今日のホームランは流し打ちで、あのバーランダーのアウトコースいっぱに決まる97マイルの速球を、この広いコメリカ・パークの左中間の奥にまで放りこんでしまうのだから、凄い。
まさに同じスイッチのスラッガー1塁手マーク・テシェイラばりの3ラン。AVG.302、OBP.408、OPS.979。

デトロイトの先発バーランダーの話
Verlander said. "I was trying to go down and away, and I basically got the pitch six inches higher than I wanted. He went down and got it _ that was a nice swing."
「外角低めを投げようと思ったんだけど、思ったところより6インチも高くいってしまって、つかまってしまった。いいスイングをするバッターだね」
Mariners rout error-prone Tigers 10-1 - Mariners News - MyNorthwest.com


ついでに、これも(笑)アウト判定だったが、明らかにセーフのフィギンズの本塁へのスライディング。

オリーボの幻のタイムリー 2011年4月27日 デトロイト戦


今日の先発ベダードは本当に素晴らしかった。
88球投げて、ストライク60。ストライク率68.1%。球数が少なく、しかも、四球を出さなかった。小気味いいテンポで投げていて、見ていても気持ちよかった。
ストレートのスピードが戻って、しかも、彼本来のボールである得意のカーブがキレキレ。序盤こそボールが高めに上ずって1点を失ったが、ゲーム後半にはストレートでカウントを悪くするとカーブで持ち直すというパターンで、終わってみれば、7回1失点の無四球登板だ。

ベダード、やればやれる。

なんだが、ヘルナンデスウオッシュバーン、そしてベダードの3本柱で面白いように勝ちまくった2009年春を思い出した。


そして打線の集中力も素晴らしかった。
Team RISPが、7-for-15。つまり、得点圏に走者がいるシチュエーションが15回もあって、しかも、そのうち半分の7回タイムリーが飛び出している。
こんなにタイムリーの出まくるシアトルを見るのは本当に楽しい。


スモークが忌引きでいない間に代役をつとめてチームを鼓舞してくれたのはアダム・ケネディの好調な打撃だったが、スモークがチームに戻ってくるにあたって、どうスタメンを構成しなおすか、アダム・ケネディをどう使うかが、このところ日米のファンの間でいろいろと議論されていた。
今日のゲームでは、ジャック・ウィルソンをスタメンに戻さず、好調アダム・ケネディをセカンドベースマンとしてスタメンに残す形をとった。もちろんブログ主は大賛成
今日の打順は、スモークとアダム・ケネディの間に絶不調ジャック・カストを挟んだ打順になっていたが、スモーク、ケネディを続けた打順にすべきだと思う。








April 26, 2011

カレッジ・ベースボールでUSCといえば、1970年代までなら、かつての名門で、カレッジ・ワールドシリーズ最多の通算12回優勝を誇るUniversity of Southern California、南カリフォルニア大学を指しただろう。だが、近年ではサウスカロライナ大学、University of South Carolinaを指す。
現在もコーチを務めるRay Tannerが1997年に就任してからというもの、サウスカロライナ大学野球部 South Carolina Gamecocksは、所属するSEC(Southeastern Conference)のチャンピオンシップの常連となり、2010年にはついにカレッジ・ワールドシリーズを制覇して全米No.1に輝いた。Ray Tannerはいま、カレッジの勝率レコード(634勝282敗)を持っている。

South Carolina Gamecocksのロゴマーク South Carolina Gamecocksの
 ロゴマーク

ボルチモア・オリオールズの名選手ブライアン・ロバーツは、このサウスカロライナ大学Gamecocksの出身で、1999年にボルチモアから1位指名されて入団した。
ノースカロライナ州出身のロバーツは、父マイクがノースカロライナ大学のコーチをしていた縁で、最初はノースカロライナ大学のプレーヤーだったのだが、父親が大学野球部のコーチ職を解かれてしまったことからサウスカロライナ大学に移り、そこで名プレーヤーに育った。ベースボールアメリカの選定するベスト・ディフェンス・プレーヤーに選ばれ、通算打率.353。またSECの盗塁カンファレンス記録を作っている。

サウスカロライナ州サウスカロライナ州はイギリスから最初に独立した13州の一つ。ニックネームはThe Palmetto State(パルメット椰子の州)


下に訳出したのは、ブライアン・ロバーツと同じように、父親から野球の楽しさを教えてもらったジャスティン・スモークのストーリーだ。

以前、素晴らしいドキュメンタリーを制作し続けている映像作家ケン・バーンズの野球ドキュメント作品"Baseball" "The Tenth Inning"を紹介したときに、
「ベースボールの楽しみは、まるで遺伝子が親から子に伝わるように、両親から子供に大切に伝えられてきた『家族の文化』である」と書いたが、ブライアン・ロバーツと父マイクにしても、下で描かれているジャスティン・スモークと父キースにしても、ベースボールを親子の絆にした典型的なアメリカの親子であることに注意して読んでもらえると非常にうれしい。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月10日、"The Tenth Inning"後編の語る「イチロー」。あるいは「アラスカのキング・サーモンはなぜ野球中継を見ないのか?」という考察。


Former Gamecock star Smoak
coping with loss of father

By Philip M. Bowman
Former Gamecock star Smoak coping with loss of father | The Herald - Rock Hill, SC
(訳)
まるで映画「フィールド・オブ・ドリームス」のような話だ。だが映画より素晴らしいといえるのは、これが実際にあった話だからだ。

コロンビア市(=サウスカロライナの州都)、2月なかばの日曜日に、父と息子はそれが最後となるキャッチボールと、ひととおりのバッティング練習をした。野球はジャスティンと父の絆である。癌という病がその絆を断ち切ることはない。

24歳のスモークはかつて、ストラットフォード高校とサウスカロライナ大学で野球のスタープレーヤーだった。現在はシアトル・マリナーズの1塁手で、アリゾナで行われるスプリング・トレーニングに向かう準備をしていたのだが、いまは、彼に野球を教えてくれた人とキャッチボールをして、自分のスイングについて意見をもらうのが優先だった。

昨年5月に肺がんと診断されたキース・スモークは、2月なかばのその日、カロライナ・スタジアムで車椅子に座り、微笑みを浮かべながら、自分の息子にボールを投げた。
家族に付き添われたキースは、サウスカロライナ大学の野球部コーチであるレイ・タナーから、背中にK. Smoakとネームが入り、息子スモークがつけていた背番号12番が入ったジャージーをプレゼントされていた。(ブログ注:スモークの背番号はテキサス時代は大学時代と同じ12。シアトル移籍後は17)
「たぶん僕の人生最良の日だったね。家族と一緒にいられたんだから」と、キースは記者に語った。


キース・スモークは、息子とキャッチボールをして2ヶ月と少し経った火曜に、57歳で亡くなった。(ブログ注:MLB公式では54歳となっている)タナーはいち早くジャスティンに連絡した人のひとりだった。マリナーズは彼を忌引リストにいれた。

タナーは言う。
「僕はジャスティンに、キースを悼む気持ちを伝えると同時に、こう言ったんだ。あのカロライナ・スタジアムで過ごした特別な午後は、息子である君と、君の家族、そしてUSCの野球関係者にとって大切な人の人生への祝福の時だったに違いないってね。家族を慈しむ特別な時間さ。彼の父は、スモークの人生にとって欠かすことのできない存在だった。
彼の両親は、試合だけでなく、練習にも来てくれた。キースは彼の息子とチームをとても大切に考えてくれていたんだ。ジャスティンがドラフトされて遠くに旅立つときも、われわれは、ジャスティンがいなくなるのを寂しく思うのと同じくらい、彼の両親との別れを惜しんだものさ。」

ジョン・ローズはジャスティンがダイアモンド・デビルスでプレーしたときのコーチだ。10代の時期というと、父と息子は、とかく荒れた関係になったりするものだが、ローズがいうには、スモーク家の場合にはそれはなかった。
「彼らの関係はそりゃ親密なものだったよ。10代というと、両親、とくに父親のことを疎ましく思いがちなものだ。だけどジャスティンと彼の父の場合はまったくそんなことはなかった。ジャスティンは厳しくしつけられていたと思う。しょっちゅう言葉をかわしていたしね」

ストラットフォード高校での若いスモークは、1年生のときからそこらじゅうのスカウトマンから注目の的になっていた。ストラットフォードのコーチ、ジョン・シャリューはこの若いプレーヤーがとても分別があり、しかも礼儀正しかったと言っている。
「彼の父が、彼に礼儀正しさを教えたといっていいだろうね。キースはジャスティンに、一緒にプレーするプレーヤーへの敬意を教えつつ、コーチした。それは今のような時代には大切なことだ。」

マリナーズの監督エリック・ウェッジは、チームはスモークがチームに復帰する前に、彼が必要とするだけの時間を十分与えると言っている。葬儀は土曜の11時にAldersgate United Methodist Churchで行われ、Carolina Memorial Parkに埋葬される予定だ。

ブログ注:
下記のリンク記事によれば、ブライアン・ロバーツの父マイクは、スモークがマット・ウィータースなども所属していたダイアモンド・デビルスという野球チームに所属していた当時に、スモークをコーチしたことがあるらしい。
For Smoak, the final step | GoGamecocks



サウスカロライナ大学時代のジャスティン・スモークサウスカロライナ大学時代のジャスティン・スモーク






April 22, 2011

プロ野球の2011シーズン開幕が東日本大震災の影響でズレこんだために、半月板損傷の手術をしたダメ捕手城島が(うわべでは)開幕に間に合って、これまで9試合を消化しているらしいが、たったこれだけのゲーム数で、すでにあまりにも多いパスボールについてのサンプルが揃いすぎるほどたまってきた。いちおうメモに残しておく。


とあるサイトの記述によると、4月14日(日本時間)のゲームで解説をしていた2人の捕手出身の解説者、元阪神の矢野氏、元広島の達川氏が、両膝を同時ついて捕球しようとしない城島のキャッチングの欠陥を指摘したらしい。
資料:和泉式日記: 唐実桜〜矢野っちデビュー〜
矢野「前から気になってたんですけど、もともと城島のくせだと思うんですが両膝が同時に降りないんですね。一緒に降りないとワンバンってのはなかなか捕れないんです。」

阪神入団後の城島のプレーについて解説者などが発言するのは、なにもこの2人が最初ではなく、例えば4月2日のプレシーズンマッチではかつて阪神の投手だった湯舟氏も、パスボールを危惧していろいろと指摘したらしい。


阪神入団1年目の2010シーズン後に城島が、明らかに分不相応なゴールデングラブ賞を受賞したために、あたかも「城島はキャッチングを含めて、守備がいい」などと誤解した人もいるかもしれない。
だが、そもそも経済紙の記者すら賞の選考にかかわる日本のゴールデングラブ賞は、MLBのゴールドグラブ賞、あるいはFielding Bible賞などとは、そもそも賞の性格も権威も、まったく異なっていることくらいは頭に入れておいてもらいたいものだ。
また、それ以上に知っておくべきことは、2010シーズンの城島のパスボールは4で、これが両リーグ最少タイの数字だったにしても、実はその一方で、城島のエラー数9は最多であり、また、阪神投手陣のワイルドピッチ数が、なんと「12球団ワースト」の52だったことだ。

こういう基本的なことを知らないで、盲目的な擁護発言を繰り返しているだけでは恥をかくだけだ。あのゴールデンなんたらいう賞の受賞には、ほとんど何の価値もない。
チームの投手陣が12球団最多のワイルドピッチを犯しているというのに、その球団のキャッチャーのパスボール数がリーグ最少、なんていう意味のわからない笑い話は、ひとつのプレーをワイルドピッチとみなすか、それともパスボールとみなすかという、単なる数字上のギミックに過ぎない。

投手が12球団最多のワイルドピッチを犯すチームのキャッチャーが、上手いわけがない。


実際調べてみると、今年の城島についても、既に「あきらかにキャッチャーのパスボールなのに、投手のワイルドピッチとして記録されてしまっているケース」が多々発生している

たとえば、2011年4月16日の中日対阪神戦。
この日に記録された4つの暴投はセ・リーグ新記録になったが、このうち、ボールがキャッチャー城島の股間を抜けて後逸したケースなどは明らかにキャッチャー城島のパスボールであることは、多くのプロ野球ファンがブログなどで指摘している。
矢野氏が指摘するように、キャッチャーが素早く膝をつくことによって後逸を防止し、ランナーの進塁を阻止すべきだったプレーだろう。


以下に今シーズンのパスボール及びワイルドピッチに関するいくつかのメモを残しておく。もちろん以下が全てではない。もっと数多くの「ポロリ」がある。多すぎて資料を集めきれない。


4月12日 広島戦
7回表 ワイルドピッチ 打者・廣瀬 投手・能見


4月13日 広島戦
4回表 パスボール、ワイルドピッチ2 投手・スタンリッジ
ファウルチップを追わず、球審にパスボールと判定された城島は「バットに当たった」と抗議。前年に引退し、この日解説者としてデビューした元阪神の矢野氏、キャッチャー出身の元・広島の達川氏が、城島のキャッチングを批判。
【阪神】開幕連勝も目立つバッテリー失策 - 再チャレンジ日記〜道一筋
達川と、昨日「解説者公式戦デビュー」を果たした矢野の共通した意見。
城島が低い球、ワンバウンドを捕りに行く時の膝の動き。両膝揃って腰を下ろすべきところを、左→右、右→左と片足ずつ少しずれて下りると言う事です。
阪神が開幕2連勝!スタン7回1失点の快投 (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
城島(バッテリーミスが相次ぎ)
「低めに投げるのは当たり前のこと。それを止めるのがキャッチャーの仕事。スタン(スタンリッジ)に申し訳ないことをした」
阪神2-1広島@現地観戦|阪神ファンの独り言
4回のパスボールの連続。あれ何だったんでしょう。スタンがめちゃくちゃな球を投げていたのか、城島が逸らしすぎなのか。これも勿体無い失点でした
でんでん雑記II(2011-04-13)
「今日のスタンリッジは失点した4回以外は素晴らしい出来だったな。
4回も城島のパスボール(城島は廣瀬のファウルとアピール)の判定のごたごたがなければ失点はしてないわけだし。」


4月16日 中日戦
4回裏 打者・森野、ブランコ 投手・メッセンジャー
8回裏 打者・ブランコ 投手・久保田
9回裏 打者・荒木 投手・小林宏
11回裏 打者・谷繁 投手・福原 
時事ドットコム:阪神、セ最多タイの4暴投=プロ野球
阪神は16日の中日2回戦(ナゴヤドーム)で九回までにセ・リーグのチームゲーム最多の4暴投を記録した。過去4度はいずれもヤクルトで、パの最多は日本ハムとソフトバンクの5。 

73 :名無しさん@恐縮です:2011/04/17(日) 09:55:31.56 ID:ZTLLRgLN0
その4つのうち、どうみてもパスボールってのがあったな。
城島の股間を抜けて後逸するやつ。
股を閉めて腹に当たってまで制しようって気はなかったのかな?

95 :名無しさん@恐縮です:2011/04/17(日) 14:12:42.33 ID:VJJx5gX80
城島はもう限界だろ
ワンバン全然止められない
てか全部股間を抜けちゃうんだよね プロの捕手として相当恥ずかしい事
腰を浮かせてしまうのは癖なんだろうな
逆に腰沈めて体全体で止めないといけないのに
打撃も糞だし、もう早いとこ藤井に代えた方が断然いい

100 :名無しさん@恐縮です:2011/04/17(日) 22:43:44.38 ID:NXFlO6It0
城島、ワンバンの捕球が腰高というか膝を落とさないから股間ががら空き。

ふーむ、、、|はんしんにっき@宮城猛虎魂
「終盤についてはさっき書いたから良いとして(内容については福原以外全く良くないが)、、、やっぱりパスボールが多い。あれでは投手が安心して投げられない。城島使い続けるのもどうなの?って思う。特別扱いはやめて守備力重視で行くなら藤井と併用って選択肢は十分あると思いますしそうしないといけないんじゃ無いのかな?」

ボードルーム|エンタメ|阪神タイガース公式サイト
「昨日のパスボール見てたら動けてないような感じがしましたね」

ホタログ ―紅白
「城島パスボール多すぎだと思う。っていうかパスボールなのに
ワイルドピッチ扱いになってるのが納得いかん!ピッチャーは悪くないのに!
ワンバンボールは体で抑えるんやで!」

ZOZOPEOPLE | ○△□ - 城島どんだけ!!
「城島のかわりに代走だしてほしかったー
アウトなるしー
楽天からきたらキャッチャーを使ってほしかったー」

今年の阪神はやらかす!!11-84 | スポーツ最新情報まとめ
85 名前: 代打名無し@実況は野球ch板で:2011/04/19(火) 22:32:57.36 ID:yZNy34Dg0
「城島のパスボール(コバが投げてた時)が無ければ9回で勝てた試合。
あれは獲れるボール。一番大事なとこで出るから。」

長い試合: 野球人の徒然日記
「中日はまだまだ本調子には程遠くて、阪神勝てる試合やのになあ〜ダッシュ(走り出すさま)
気になるのが城島。
膝の手術で開幕危ぶまれてて間に合ったのはいいけど、
キャッチングも足腰がフットワークもついていけてないんで、
パスボールは目立つし、バッティングは下半身まるで使えてないし、
肩は開いて上体だけで打ってるし…このままだと危険信号やなぁあせあせ(飛び散る汗)」


4月17日 中日戦
パスボール 投手・スタンリッジ
Eさま日記
「城島のパスボールで同点にされるが、俊介の3塁打とマートンのヒットで再びリード。」


4月19日 巨人戦
8回表 ワイルドピッチ 投手・小林宏
【阪神】城島について #231に返答 - 阪神タイガース掲示板|爆サイ.com北陸版

しかし、これで歩が男と確定してしまった… :: すめしの酩酊日記
「今日の試合は先発の能見の調子が良く三振をバッタバッタ取っていたものの7回1失点で代打を出されて降板してその後のコバロリが失点し能見の勝ち星が消えたり、その失点の原因に今年多発の城島のパスボールが絡んでいたりと…もやもやの連発で正直今日も引き分けになるのかな…と半ば諦めていました。」


5月5日 巨人戦
4回表 二死1塁 パスボール 投手・岩田

5月7日 横浜戦
阪神2点リードの8回裏 一死満塁
投手・小林宏のフォークを後逸 打者・内藤
初球から3球目まで、120km/h台の落ちるフォーク3連投。2球目を例によって後逸。まず1失点。
直後に、こんどはインコースのストレートを2連投。毎度おなじみの「同じコースに投げ続けると、ボールは必ず甘くなる法則」発動で、シュート回転の2球目を打たれ、2点タイムリー・ツーベースを浴び、逆転負け


5月14日 中日戦
阪神1点ビハインドの7回表 一死満塁
投手・榎田のスライダーを後逸 打者・森野
堂上剛裕に、アウトコース低めにフォークとストレートばかり連投して失点。さらに森野の打席で、ミットの真下を抜けていく後逸により、さらに1失点。グスマンには、インコースにストレートをミット通りに投げさせて、試合を決めるホームラン被弾。カード連敗。

セ・リーグ暴投数ランキング
(2011年5月11日(日本時間)現在)

1位 小林宏(阪神) 3
1位 今村(広島) 3
2位 スタンリッジ(阪神) 2(与四球ランキング3位タイ 9個)
2位 メッセンジャー(阪神) 2
2位 岩田(阪神) 2(与四球ランキング1位 11個)
2位 能見(阪神) 2


半月板手術から異常に早すぎるゲーム復帰。だがその結果、目もあてられないほど多くの「パスボール多発」という最悪の結果を招いた。特にフォークボール。大きく変化するボールの後逸が多発した。
ダメ捕手が責任逃れに思いついたのは、なんと、パスボールを減らすためにはピッチャーに変化球のサインを出さない「打者とのストレート勝負」。
だが、交流戦に入って以降「ランナーがたまった場面」「得点圏にランナーがいる場面」でのワンパターンすぎる「ストレート勝負」が打者にバレないわけはなかった。


5月22日 西武戦
1-1同点 11回表 一死1塁 投手・小林宏 打者・中村剛
まず小林宏の決め球フォークを後逸。さらにキャッチャー城島のセカンド暴投で 走者中島が三塁に進み、一死3塁。ここで、次打者フェルナンデスを敬遠。二死1、3塁となって、代打・平尾。
ここで、後逸による失点を避ける意味なのだろうが、なんとフォークを一球も投げられない配球に。窮屈すぎるストレートオンリーの配球が打者平尾に読まれ、決勝タイムリーを浴び、敗戦。


5月25日 ロッテ戦
2-3 1点ビハインド 7回表 二死満塁
投手・スタンリッジ 打者・今江
6番・清田がストレートを見送って、2アウト満塁。パスボールを恐れる阪神バッテリーが7番・今江への初球にチョイスしたのは、ストレート。「四球直後の初球を叩け」との鉄則どおり、今江はレフトへ弾き返して、2-4。この1点がダメ押しになって、阪神は敗戦。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月26日、25日の阪神・ロッテ戦7回表の「ストレートしか投げる球がなくなっていっていく現象」を暇つぶしに考える。


5月28日 楽天戦
1-0 6回表 二死満塁 投手・能見 打者・内村
4番山崎がインコースのストレートを見送って四球を選んで、二死満塁。
ここで5回から守備についた5番・内村。ここでパスボールを恐れる阪神バッテリーがチョイスしたのは、ストレート。「四球直後の初球を叩け」との鉄則どおり、センターへ弾き返して、楽天が逆転。
7回表に同点に追いついた阪神だが、延長に入って、楽天の9番・横川が、1アウト2塁の3-2からレフトへのサヨナラタイムリーでゲームセット。


5月31日 日本ハム戦
0-0 4回表 一死1塁 投手・メッセンジャー 打者・中田翔
初球のカーブがワンバウンドになり、城島がこれを「トンネル」して後逸。ランナーがセカンドに進み、結局打者・中田翔も四球で歩かせてしまい、1死1、2塁。その後、2死満塁。
ランナーがたまった時点で、もう城島に落ちる球の選択はない。お約束の初球ストレートを、7番今浪に打ち返され、2失点。結局この2点が決勝点に。3失点した8回裏の2死満塁でも、初球はやはりストレート。
阪神、拙守連発…交流戦9試合で10失策 (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース
「四回一死一塁では、城島が中田への初球を“トンネル”(記録は暴投)。ピンチを広げ、先制を許した。」


6月1日 日本ハム戦
0-0 8回裏 一死1、3塁 投手・小林宏 打者・大野
1死から二岡が内角のストレートを見送って四球にすると、俊足の代走・村田。7回から守備についた7番・金子誠がレフト前ヒットで、1、3塁。
ここでバッターは下位8番のキャッチャー大野だが、阪神バッテリーは4球続けてのストレート勝負をしかけて、4球目に決勝タイムリーを浴びた。
変化球が決め球の小林宏は、城島相手だとまったく自分のピッチングにならないことが判明


6月5日 オリックス戦
0-0 1回表 一死1、3塁 投手・久保 打者・T岡田
1回表にさっそくランナーがたまって後逸の怖いフォークが封じられると、さっそく「ストレート連投」。2球目をT岡田に強振され、いきなりの3ラン。さらに同じ1回の一死満塁、そして3回の二死満塁から打たれた2本のタイムリーも、ストレート。トドメは、4回の先頭打者・鈴木郁に打たれた長打、二死3塁で田口に打たれたタイムリーで、そのどちらも「初球ストレート」。
こうして、4回までストレートばかりを打たれまくって、被安打11、四死球5、毎回の10失点。5回表の守備からたまりかねたベンチがキャッチャーが城島から控え捕手・藤井に交代させ、城島はフィールドから消滅。


5月末現在、城島を獲らなかったソフトバンクは断トツの首位。一方、城島を獲った阪神はリーグ順位も交流戦順位も最下位付近を低迷。6月5日時点、打率.130、本塁打0、打点1、長打率.130、OPS.346で、城島のほとんどの打撃スタッツが、交流戦最下位。



「パスボール・暴投の多発」。ランナーがたまり、ボール後逸の許されない場面での「見え透いたストレート一本勝負」によるタイムリー多発で、阪神は最下位に沈む。
そんなダメ捕手城島のダメぶりにようやく気づいたのか、阪神は城島を2試合連続スタメン落ちさせ、キャッチャーを藤井に。すると、切り札の変化球を使えずにいた阪神投手陣が復活しはじめるという、あまりにも予想どおりの展開に(笑)


6月8日 ロッテ戦
6-3 8回裏 二死走者なし 投手・小林宏 打者・大松
小林宏・藤井のバッテリーで、ロッテのクリーンアップ、井口、キム・テギュン、大松を、三者三振に仕留めた。決め球はフォーク、スライダー。小林宏はこのイニングだけで2度のワンバウンド投球があったが、キャッチャー藤井が難なくさばいた。

6月9日 ロッテ戦
5-1 8回裏 二死1塁 投手・小林宏 打者・井口
この日も前日同様、4点リードの8回は小林宏・藤井のバッテリー。シングルヒットのランナーを許したものの、好調のロッテのクリーンアップ、井口を、フォークで凡退させ、無失点。このイニングで3つのアウトのうち、2つのアウトが、小林宏の決め球フォーク。キャッチャー藤井が難無くさばいて、ロッテに連勝。


「半月板手術からのゲーム復帰ゴリ押し」「パスボール多発」「ストレート勝負」と、開幕以来迷走を続けてきたダメ捕手城島は、6月初旬、ついに登録抹消。









ひさびさにダメ捕手のダメ捕手たる真髄のみれたゲーム(笑)をネット観戦できたので、ちょっとメモに残しておこう。
このカードの各ゲームをふりかえってみて、ゲームを失う決定的な失点のいくつの原因がダメ捕手城島にあることがわからないようなら、野球を見るのはやめたほうがいいと思う。それくらいハッキリしている。


まず2011年4月21日の阪神対巨人3回戦。
6回表、8回表、2つの失点シチュエーションのデータを見てもらいたい。

上は、6回表1死1塁、バッターは2番脇谷、ランナーは坂本。
阪神の投手は、左投手・岩田。(アウトコースに連続3球ストレート系。3球目のカットボールをヒット)
下は、8回表1死1塁、バッターは5番代打高橋由伸、ランナーは代走鈴木。
阪神の投手は、右投手・渡辺亮。(アウトコースに4球連続ストレート。すべてボール判定で、ストレートの四球)

2つのシーンには「ある共通点がある」のだが、
これがわからないようでは、野球を見ている価値がない。なにか別の趣味でも探したほうがいい。

2011年4月21日 阪神vs.巨人6回表脇谷レフト前ヒット

2011年4月21日 阪神vs.巨人8回表高橋由伸フォアボール

そう。
両方とも、1塁に足の速いランナーがいて、打者が左バッターなのである。

日本のプロ野球しか見ない人は知らないだろうが、シアトル時代にさんざんこのキャッチャーの配球を見させられ続けた立場からいうと、ここで「キャッチャー城島は、左打者のアウトコースに、馬鹿みたいにストレート系連投のワンパターン配球をしてくる」可能性が高いことは、容易に想像がつく。


なぜって?

ひとつには、城島が「右利きのキャッチャー」だからだ。


1)ランナー1塁で、左打者
  → アウトコース攻め
もしランナーが盗塁を試みた場合、左打者のインコースに配球していたのでは、右利きの城島のスローイングにとっては、左バッターボックスにいる打者が邪魔になり、セカンドに送球するためにボールを捕球してからサード側にステップアウトしなければならない。
最初に挙げた脇谷と高橋由伸の2つのシチュエーションは、まさにこの「ランナー1塁で、左打者」のケースにあたる。

2)ランナー1塁で、右打者
  → 往々にしてインコース攻め
打者が左の場合と違って、右バッターボックスにいる打者は、右利きの城島のスローイングの邪魔にはならない。
そこで、ランナー1塁で打者が右ならば、インコース攻めをする確率が高くなる(ランナー1塁で打者が左のときにアウトコース攻めをする確率よりは多少ながら低いかもしれない)
いつぞや、城島がシアトル在籍時に、右打者であるアレックス・ロドリゲスに6球連続でインコースにストレートを要求して3ランだかを打たれて負けたことがあったが、あのケースも基本的には「右打者ならインコース」という、このパターンに準じている。

3)走者パターンの変化からくる配球パターン終了
ランナー1塁というシチュエーションが、1・2塁、2・3塁、満塁などに変わると、1)2)の配球パターンは消滅する。なぜなら、スチールを刺したくてしかたがないキャッチャー城島が、1塁走者のスチールを警戒する必要度が下がるからだ。

言っておくが、こうしたスチール阻止のためにあるような、意味不明の単調な配球パターンを無理矢理とったからといって、チームの失点を下げることができるわけでもなんでもない。このことは、ダメ捕手城島のシアトル時代の酷いCERAや、酷いチーム防御率を見れば十分すぎるくらい証明されている。
メジャーの先発投手たちからことごとく総スカンを食らったのに、日本に帰ってまた同じことをやっているのだから、本当にどうしようもないキャッチャーだ。



さて、上に挙げた6回表の脇谷、8回表の高橋由伸、2つの例は「走者1塁、左バッターのケース」にあたるのだが、「走者1塁、右バッターのケース」にあたるのが、下の2つのシチュエーションだ。
6回表・1死満塁 右バッター、ラミレス(2点タイムリー
8回表・1死1,2塁 右バッター、長野(タイムリー

2011年4月21日 阪神vs.巨人6回表ラミレス2点タイムリー

2011年4月21日 阪神vs.巨人8回表長野タイムリー

8回のタイムリーヒットについて、ラミレスは
「高めの球を待っていた」と、待ち球が的中したと発言
している。(ラミレス「沢村のために」V打! (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

この発言には、背景に2つの要因がある。

ひとつ目は、この日の球審が、ゲーム後半になって、びっくりするほど、低めいっぱいのストライクや、内外角いっぱいのボールをストライクとコールしなくなったこと。これは、阪神の投手だけが被害にあったわけではなく、巨人の投手も同じように被害にあった。
だが、ゲームを見ていた人はわかると思うが、ダメ捕手城島はそれでも「低めのスライダー系をしつこく投手に要求して、カウントを悪くして、ランナーがたまる原因を作っていた。(例:6回表1死1、2塁フルカウントでの小笠原への6球目、6回表1死満塁でのラミレスへの2球目、3球目。いずれも低めスライダー)
まったく能の無いことをするものだ。

ふたつ目の理由は、5回まで素晴らしいピッチングを続けていた阪神先発の岩田投手の「カーブ」が、6回になって突然高めに浮くようになってしまい、まったくストライクが入らなくなって、使い物にならなくなったこと。(城島はそれでも岩田にしつこく変化球を要求してコマンドの修正を図ったが、修正不能であることに気づく前に失点して、ゲームを失った)

これら2つの要因と、このブログが常に指摘してきた「城島の単調なリード癖」、つまり「ランナーを刺すための配球をする」「同じ球種を続けたがる」ことからすれば、6回の満塁の場面で、ラミレスが「低め」と「カーブ」を徹底的に捨てる、「高め」「インコース」「ストレート系」を待つ、という絞りこみをすることは、いともたやすかった


この「絞りこみ」は、実は、阪神と対戦する、どこのチームの、どの打者にも可能だ。
だが、ダメ捕手城島のバッティングのように、来た球をただブンブン、ブンブン振り回して凡打の山を築くような、「頭を使わない打者」にはできない。以前にも一度触れたことがあるが、巨人というチームは対戦相手を結構しっかりスカウティングしている。

セ・リーグの他チームも、こんな「オツムの単細胞なキャッチャー」を、なぜ研究しないのかと思うし、また、こういうキャッチャーとしての決定的な欠陥に気づきもしないで、阪神ファンはよく城島を応援できるものだと思う。








April 20, 2011

今日のデトロイトとのゲームに、シアトルの若い才能ある一塁手ジャスティン・スモークの姿がないのは、彼のご尊父Keith Smoak氏の容態が悪くなり、病床の父のもとに帰ったからだ。さきほど、ご尊父が逝去なさったことを、ツイッターで知った。享年54歳。
ゲームは13-3で、圧勝。イチローが4安打3得点2盗塁の大活躍で、ある意味の追悼試合を勝利に導いた。また、数日チームを離れることになるジャスティンの代わりに臨時のロスターとして上がってきたカルロス・ペゲーロは、さっそくゲームの決まった試合終盤に退いたイチローにかわってライトを守った。

ジャスティンの父の逝去を悼む人たちのツイート
justin smoak - Google Search

Detroit Tigers at Seattle Mariners - April 19, 2011 | MLB.com Classic

Justin Smoak placed on bereavement list; Carlos Peguero recalled from Triple-A | MLB.com: News

まだ24歳と若いジャスティンが大事な父親を失った深い悲しみを思うと、とても心が痛い。

我々ファンの心は若いジャスティンと共にある。そのことを伝えるとともに、心からご尊父の冥福を祈りたい。

My Thoughts and prayers are with Justin and his family.


追記
さきほどMarinersの公式ツイッターが、今日の快進撃に、Who is with us here at Safeco Field? と、つぶやいた。
もちろん僕らは、今日、誰がセーフコのフィールドで躍動するプレーヤーたちを守ってくれていたのか、みんながわかっている。ありがとう、Keith。これからもチームを見守ってください。




今日のイチローの見事な4安打
http://www.youtube.com/watch?v=pPJgpnf2v6c






April 19, 2011

ボストン・マラソンへの配慮から変則的な午前中のゲームになった今日のボストン対トロント戦で、最近不調だった松坂投手が7回1安打という素晴らしいピッチングをみせ、今シーズン初勝利をやっとものにした。
Toronto Blue Jays at Boston Red Sox - April 18, 2011 | MLB.com Classic

Top Plays | TOR@BOS: Dice-K dazzles through seven one-hit frames - Video | redsox.com: Multimedia

今日の松阪投手の投球フォームが公式サイトに挙がっていたので、それを分解写真に加工しなおして、過去のフォームと比べてみることにした。
過去のフォームは野球上達テクニック集  松坂大輔 -投球フォーム連続写真-)から拝借した。感謝したい。
比較しやすいように、拝借した写真のカットとほぼ同じ場面を並べるのに非常に苦労した。


まず、下が今日の松坂のフォームワインドアップだ。先にいっておくと、赤線で囲った部分に、過去のフォームとの違いが集中している。
2011年4月18日 松阪投手のピッチングフォーム


かつての松坂投手のフォーム
こちらは昔の松阪のフォーム。元記事の投稿日時から推定すると、2008年以前のフォームと思われる。
残念ながら、こちらはワインドアップではなく、セットポジションなため、神経質なことを言えば、上のワインドアップの分解写真とは厳密には比較できない。いちおう留意してもらいたい。


セットとワインドアップの違いはあるが、2つのフォームの違いをどう感じるだろうか。かなり変わったと感じる人、ほとんど変わらないと感じる人、野球観は人それぞれあるわけだから、いろいろな意見があっていい。

いちおうブログ主が感じる「2つのフォームの違い」を、2つばかり挙げておこう。赤い線で囲んだ「上段、左から4番目の画像」を注目してもらいたい。

1) グラブ位置
昔よりグラブ位置が高くなり、ホームプレートに向かってグラブをグイっと突き出す形になった。クリフ・リーの投球フォームがまさにこの「グラブを突き出すフォーム」だ。また、フォーム全体の流れの中で、左手の始動するタイミングが、昔より早くなっていて、左手の使い方を変えようとしていることが見てとれる。

2) 体幹の角度
昔のフォームでは、体幹がかなり前傾していて、「前かがみ」になっている。対して、今日の松坂は体幹がやや「立ち気味」になっている。たぶんホームプレート方向の視界はこのほうが確保しやすい。



総じて言うと、最近の記事でも指摘したことだが、たぶん松坂投手はもっと体幹をまっすぐ立てて、グラブ側の手を使うタイミングを変えるなどの改善を加えるなどして、もっとMLBっぽい投球フォームにフォーム改造していこうとしているのではないか、と思っている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。

もちろん、それが成功しつつあるかどうかは、たった1日だけの登板ではなんともいえないわけだが、フォームだけからみると、ボールをリリースした後にまったく右足が上がらない躍動感の無さや、何度も指摘している「やじろべえ」の傾きが傾いたまま垂直に直ってはいないこともあるので、ブログ主としては、まだまだ根本的な改善とはちょっといえないと考える。








April 18, 2011

新人王の資格を持つマイケル・ピネダが粘投して、シアトルの連敗を止めた。正直、ヘルナンデスの状態が状態なだけに、現状のチームのエースは明らかにヘルナンデスではなく、このピネダだ。
Seattle Mariners at Kansas City Royals - April 17, 2011 | MLB.com Gameday

ヘルナンデスは去年、初めてサイ・ヤング賞に輝いたわけだが、このブログでは彼のサイ・ヤング賞獲得記事を書かなかった。と、いうのも、2010年のシーズン途中にずっと指名捕手にしてきたロブ・ジョンソンとバッテリーを組むことをやめたのを見て、ピッチングの組み立てに関するヘルナンデスの慢心を感じた、というのが、その理由だ。
ヘルナンデス自身のピッチングの組み立ては、去年からずっとそうだが、2ストライクとって追い込んでからの無駄な球数がちょっと多すぎる。


去年の惨憺たるシーズンの後、GMジャック・ズレンシックはファンに向けた手紙を書いた。
ファンはてっきり、ズレンシックが自分自身の意思で意味不明な超守備的なチーム編成をして大失敗したことへの謝罪でもするのかと思ったわけだが、実際にはそうではなく、ズレンシックが主張したのはなんと、「これだけの若い選手層が充実してきました。どうだ。」という、なんとも的はずれの馬鹿馬鹿しい自画自賛だった。
E-mail messages from Lincoln and Zduriencik to fans | Seattle Mariners blog - seattlepi.com
(日本語訳 他サイト)101敗のマリナーズ:責任者の謝罪の手紙:MikSの浅横日記:So-net blog


だが、この「自画自賛」は、実は自画自賛ですらなく、
正確には「他画自賛」だった。
ズレンシックが「手紙」の中でわざわざ自慢した「若い戦力」14人のリストをみてみるといい。

Dustin Ackley 2009年ドラフト
Justin Smoak クリフ・リーとトレード
Carlos Peguero 2005年(3A)
Nick Franklin 2009年ドラフト
Kyle Seager 2009年ドラフト
Johermyn Chavez 2009年12月ブランドン・モローとトレード
Greg Halman 2004年契約
Matt Mangini 2007年ドラフト(DL)
Michael Pineda 2007年契約
Blake Beavan クリフ・リーとのトレード(3A)
Dan Cortes 2009年7月ベタンコートとトレード(3A)
Mauricio Robles 2009年7月ウオッシュバーンとトレード(DL)
Maikel Cleto 2008年12月プッツなどとのトレードで獲得
    さらに2010年ブレンダン・ライアンとトレードで放出
Anthony Varvaro 2011年1月アトランタがクレーム


自慢気にズレンシックが挙げている14人の中には、実際にはズレンシックがGMとしてまったく関わってない選手が多数含まれている。
たとえば今日の先発で、大注目のドミニカン、マイケル・ピネダは、2005年にはもうシアトルと契約していたわけで、ズレンシックとはなんのかかわりもない。
こうしたズレンシックとかかわりのない選手をリストから削除してみると、こうなる。

Dustin Ackley 2009年ドラフト
Justin Smoak クリフ・リーとのトレード
Nick Franklin 2009年ドラフト
Kyle Seager 2009年ドラフト
Johermyn Chavez 2009年12月 ブランドン・モローとのトレード
Blake Beavan クリフ・リーとのトレード(3A)
Dan Cortes 2009年7月にベタンコートとトレード(3A)
Mauricio Robles 2009年7月にウオッシュバーンとトレード(DL)


最初のリストから、ズレンシックが関わっていない選手を除いてみると、14人が、半分の8人になったわけだが、実際には、この数はもっと減る。
というのは、たとえばダスティン・アックリー獲得は、ズレンシックの功績でもなんでもないからだ。シアトルはGM交代とは無関係に2009年ドラフトで全体2番目の指名権を持っていたのであって、たとえアヒルやニワトリがGMであろうと、この2009年ドラフトでアックリーを指名していたはずであって、GMが誰であろうと関係ない。
同じように、ジャスティン・スモーク獲得についても、名投手クリフ・リーとの交換という好条件を考えると、たとえ誰がGMであろうと一定レベル以上の選手をとってこれた楽なトレードだったわけで、ジャスティン・スモーク獲得もGMの実績でもなんでもない
加えて、2009年ドラフト組のNick FranklinやKyle Seagerといった選手たちは当然ながらすぐに戦力になるわけでもないし、また、トレードの下手なズレンシックが、いつ下手なトレードの駒にしてしまうかわからないのだから、GMの実績にカウントするほどの話ではない。


Johermyn Chavez 2009年12月 ブランドン・モローとのトレード
Blake Beavan クリフ・リーとのトレード(3A)
Dan Cortes 2009年7月にベタンコートとトレード(3A)
Mauricio Robles 2009年7月にウオッシュバーンとトレード(DL)


どうだろう。
14人のリストが結局たった4人しか残らない。
しかも、3Aが2人。DL入りが1人。その3人を除くと、たった1人しか残らない。
ブランドン・モローのトレードでは、移籍先のトロントでモローの先発投手としての開花に泣き、2009年ウオッシュバーン、2010年クリフ・リーのトレードでは、2年続けて先発投手陣の精神的支柱を自分から放出し、投手陣崩壊を自ら招いた。


こんな最悪の選手獲得実績で、「どうだ、若い戦力が充実してきただろう?」もなにもないものだ(笑)








April 17, 2011

コロラドのショート、Troy Tulowitzkiトロイ・トゥロウィツキー)のバットが絶好調だ。打者有利なスタジアムとはいえ、48打数17安打、ホームラン7本は凄い。SLG .854、OPS 1.330は今の時点でリーグトップ。
Troy Tulowitzki Statistics and History - Baseball-Reference.com

トゥロウィツキーがコロラドに入団した2005年は、有名なドラフトの大豊作年で、シアトルはカレッジ・ワールドシリーズ最多優勝12回を誇る名門USCの大学No.1キャッチャー、ジェフ・クレメントを全体3位で指名したが、他に、このトゥロウィツキー、ライアン・ジマーマン、カレッジ・ワールドシリーズ優勝4回のマイアミ大学のライアン・ブラウン、2008年にフロリダ州立大学のバスター・ポージーが記録を破るまでは契約金の史上最高額のレコードを持っていたジャスティン・アップトンクレイ・バックホルツアンドリュー・マッカチェン、2006年2007年とカレッジ・ワールドシリーズを2連覇して勢いのあるオレゴン州立大学のジャコビー・エルズベリー(ただしエルズベリー自身は2連覇のメンバーではない)など、錚々たる顔ぶれが揃った大豊作のドラフトだった。
1st Round of the 2005 MLB June Amateur Draft - Baseball-Reference.com

Who Could the Seattle Mariners Have Drafted Without Bill Bavasi? | May

Troy Tulowitzkiは去年ゴールドグラブ、シルバースラッガー賞、さらにはFielding Bible賞と、攻守の賞を同時受賞している。
ここ数年、ショートの守備で評価が高かったのはずっとフィラデルフィアのジミー・ロリンズだったが、彼は近年故障に苦しむようになったこともあって、2010年でTroy Tulowitzkiが、これまで守備評価で肩を並べていたジミー・ロリンズを完全に抜きさり、MLBの最高のショートはいまやTroy Tulowitzkiになったといえるかもしれない。

ショートのFielding Bible賞 歴代受賞者

(カッコ内は同じ年のショートのゴールドグラブ受賞者。なおFielding Bible賞はMLB全体で1名しか選ばれない)
2006 Adam Everett
    (ジーター、オマル・ビスケール)
2007 Troy Tulowitzki
    (オーランド・カブレラ、ジミー・ロリンズ)
2008 Jimmy Rollins
    (マイケル・ヤング、ジミー・ロリンズ)
2009 Jack Wilson
    (ジーター、ジミー・ロリンズ)
2010 Troy Tulowitzki
    (ジーター、Troy Tulowitzki
Fielding Bible:The 2010 Awards


Troy Tulowitzkiが卒業したカリフォルニア州立大学ロングビーチ校の野球部(The Long Beach State 49ers Baseball team 非公式な愛称はThe Dirtbags)は、Troy Tulowitzkiにとって卒業大学の大先輩で現在はチームメイトでもあるジェイソン・ジオンビー、名手トゥロイツキーがショートにいたために49ers入学後にショートからサードに転向したエヴァン・ロンゴリア、LAAの主戦投手ジェレッド・ウィーバーはじめ、MLBに何人もの有力プレーヤーを輩出してきた。

The Long Beach State 49ers Baseball team のロゴマークThe Long Beach State 49ers Baseball teamのロゴマーク

Long Beach State 49ers出身の野球選手

Jason Giambi コロラド
Danny Espinosa ワシントン
Evan Longoria タンパベイ
Troy Tulowitzki コロラド
Chris Rice ボストン
Jered Weaver アナハイム
ジェイソン・バルガス シアトル(2004年ドラフト2位 全体68位)
Bobby Crosby オークランド
Chris Gomez ピッツバーグ
Jeremy Reed メッツ 元シアトル
ターメル・スレッジ 横浜
California State University Long Beach Baseball Players | Baseball-Reference.com
Long Beach Stateからドラフトされた選手
MLB Amateur Draft Picks who came from "Long Beach State University (Long Beach, CA)" - Baseball-Reference.com

Long Beach Stateの運動部のニックネームは、1849年のゴールドラッシュにちなんだ49ersだが、野球部だけは例外で、非公式にDirtbagというニックネームをもつ。
Dirtbagというのは、日本語でいう「土嚢袋」で、転じて「卑劣なやつ」とか、そういうあまりよくない意味になる言葉だが、大学の公式サイトによると、彼らのいうLong Beach Stateらしい野球、Dirtbag Baseballというのは、ずるがしこく、汚い野球という意味ではなくて、要は「なりふりかまわず、全身全霊を尽くして一生懸命にやる野球」という意味で、特に悪い意味で言っているわけではないらしい。
Long Beach State Official Athletic Site Baseball


データによれば、MLB屈指の名ショートになったTroy Tulowitzkiと、シアトルの先発投手ジェイソン・バルガス、LAAの主軸投手ジェレッド・ウィーバーは、2004年に同時にLong Beach State 49ersに在籍しており、チームメイトだったようだ。
2004年のゴールデン・スパイク賞はウィーバーが受賞しているように、これだけのメンバーが揃った黄金のシーズンではあったが、2004年の同校はBig Westカンファレンスで2位にはなったものの、残念ながら全米大学野球選手権カレッジ・ワールドシリーズには出場できなかった。いかにアメリカの大学野球がレベルが高いかわかる。
Long Beach State 49ers baseball - Wikipedia, the free encyclopedia

ビッグ・ウェスト野球名門校が多いビッグ・ウェスト・カンファレンス

ちなみにLong Beach State 49ersは90年代に、名コーチだったDave Snowがコーチしていた時期、4度カレッジ・ワールドシリーズ出場を果たしている。
最後のカレッジ・ワールドシリーズ出場となったのは1998年で、準決勝で残念ながら強豪アリゾナ州立大学に敗れたのだが、この年度の躍進の原動力になったのが、バッティングの良さだった。

現在日本のプロ野球横浜マリーンズで活躍中のターメル・スレッジは、この1998年カレッジ・ワールドシリーズ出場時のLong Beach State 49ersの主力スラッガーのひとりで、スレッジの名前はLong Beach State 49ersの公式ウェブサイトの「歴代名選手リスト」に、Troy Tulowitzkiとジェイソン・バルガスに挟まれて、いまも名前が載っているほど、大学では名選手だった。
スレッジは2年ちょっとの在籍期間に、打率.369、100打点 22ホームラン、171得点を記録している。

ちなみにターメル・スレッジは、1999年のMLBドラフト8巡目でシアトルが指名し入団もしているプレーヤーなのだが、このことは日本のシアトルファンでも知らない人がいると思う。なにせ2000年9月にシアトルは、Long Beach State 49ersの歴史を作ったこのスラッガーを、トレードであっさりとモントリオールに放出してしまっているからだ。
Long Beach State Official Athletic Site Traditions


ちなみに、1998年のカレッジ・ワールドシリーズ準決勝で、現横浜のスレッジの所属するLong Beach State 49ersを破ったアリゾナ州立大学には、元シアトルのユーティリティで、現在はアリゾナ・ダイヤモンドバックスに在籍するウィリー・ブルームクイストが在籍していた(準優勝)。
ブルームクイストはもともとアリゾナ州立大学の出身だから、アリゾナの地は居心地がいいのかもしれない。
1998 College World Series - Wikipedia, the free encyclopedia
アリゾナ州立大学といえば、カレッジ・ワールドシリーズ優勝5回の名門であり、バリー・ボンズレジー・ジャクソンアンドレ・イーシアー、元ヤクルトのボブ・ホーナーなどのスラッガーから、イアン・キンズラーダスティン・ペドロイアなどの攻守にたけた名手まで、多種多様なMLBプレーヤーを輩出しているが、数があまりにも多すぎるので紹介は省略。
Arizona State University Baseball Players | Baseball-Reference.com


ジェイソン・バルガスは最初からLong Beach State 49erの選手だったわけではなくて、最初は強豪ルイジアナ州立大学(LSU,Louisiana State University)に所属していた。(13試合登板 1勝1敗 防御率3.43。所属大学から他の大学に移るのは、アメリカではよくある)
ルイジアナ州立大学は、USCやアリゾナ、テキサス、マイアミなどと並ぶカレッジベースボールの名門校で、最近でこそ優勝はないが、90年代に長い黄金時代があり、カレッジ・ワールドシリーズにトータルで15回出場し、6回の優勝を果たしている。

ルイジアナ州立大学出身のプレーヤーといえば、ずっとコロラドでプレーしていた外野手のブラッド・ホープもいるが、なんといっても、トロントの二塁手アーロン・ヒルを真っ先に思い出す。
大学時代のアーロン・ヒルは、セカンドではなくショートを守っていて、通産打率 .335、23ホームラン、150打点を記録した。
Louisiana State University Baseball Players - Baseball-Reference.com

カレッジ・ワールドシリーズ優勝回数ランキング
USC 12回
ルイジアナ州立大学 6回
テキサス 6回
アリゾナ州立大学 5回 (アリゾナ大学とは別の学校)
マイアミ 4回
Cal State Fullerton 4回
College World Series - Wikipedia, the free encyclopedia








April 16, 2011

ジェイソン・バルガスは、今シーズン2度目の登板だった4月8日のホームゲームで、シアトルがもともと苦手にしてきたクリーブランドにボコボコにされてしまったわけだが、まぁ、あのゲームは、ジャック・ウィルソンがあんな馬鹿な事件を起こした直後でもあったからしかたがない。
次の登板では6回2/3を1失点と、きっちり立て直してきた。


4月8日のゲームでまずかったのは、シアトルバッテリーが球審Sam Holbrookの特徴をよく理解していなかったことだろう。
このゲームの球審Sam Holbrookのストライクゾーンは非常に特徴があって、ゾーンが非常に狭くて、さらに、極端に高めのストライクをとる傾向がある。
このゲームでバルガスは最初低めのコーナーをついて打者をうちとろうとしていたが、このアンパイアを相手にそれはそもそも無理なピッチングコンセプトだった。


MLB関連の有名サイトであるHardball Timesは、2007年11月に「ルールブック上のストライクゾーンとあまりにも異なるストライクゾーンでコールするアンパイア」について記事を書いているが、Sam Holbrookの名前は、この記事の数々のランキングに名前が登場している。
Hardball Times:A zone of their own
最もストライクゾーンが小さい 6位
最も低目をとらない 3位
最も高めをとる  5位


データで見るSam Holbrookのストライクゾーンは非常に特殊だ。
以前何度か記事にしたように、(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年11月8日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (4)特徴ある4人のアンパイアのストライクゾーンをグラフ化してみる(付録テンプレつき))MLBのアンパイアにはいくつかのタイプがあって、びっくりするくらいストライクゾーンが違うものだが、それにしたってSam Holbrookほどストライクゾーンが高めにシフトしているアンパイアは、ほとんど他に例をみない。

サム・ホルブルックの非常に風変わりなストライクゾーン
赤色の線がルールブック上のストライクゾーン。
青色の線が、Sam Holbrook。左がレフト側、右がライト側。


最近、下記の記事で、最近のダルビッシュのフォームが、だんだんノーラン・ライアンというか、MLB的な「前ステップする投球フォーム」になってきていること、そして比較対象として、松坂のフォームが日本的な「横ステップする投球フォーム」であること、を書いた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年3月24日、「やじろべえ」の面白さにハマる。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年3月23日、昔のダルビッシュと、今のダルビッシュ、どこが、どういう意味で違うのか。ノーラン・ライアン、松坂と比べながら、考える。


MLB的な「前ステップ」。そして日本的な「横ステップ」。

ジェイソン・バルガスのピッチングフォームはどちらだろう。
言うまでもないことだが、バルガスは典型的なMLB的「前ステップのフォーム」の投手だ。バルガスは身体の重心バランスを示す「やじろべえ」の形がまっすぐに立っている。だから、ややもすると球威が不足するが低目をつくコントロールに安定感がある。

前ステップする投手は、「上半身のヒネリ」をしっかり使うことで球威不足を補うことは既に書いた(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年3月25日、ノーラン・ライアンを思わせる「前ステップ」をみせる大阪ガスの松永昂大投手。高校からプロになった投手と、大学を経由した投手とのフォームの違い。
バルガスは、「下半身がホームプレートをまっすぐ向いて」いても、「上半身はまだ後ろ向きに残って」いて、全体として身体全体に強いヒネリが加わっている。この「ヒネリ」が球威不足を補う。ダルビッシュについて書いたことと同じだ。

ジェイソン・バルガスのピッチング・フォーム


体の「ヒネリ」という点について、もう少し書く。

松坂投手が先日登板したゲームのフォームを写真で見たが、ちょっと気になったことがあって、名投手サンディ・コーファクスと比べてみた。
グラブの位置に注目して見てみてもらいたい。

2011年版の松坂投手のフォーム松坂のグラブの位置は、腰の位置

サンディ・コーファクスサンディ・コーファクスのグラブ位置は、体の前方。

Sandy Koufaxのピッチングフォーム

松坂とサンディ・コーファクスを、ほぼ同じ位置でボールを持った写真で比較してみる。ちょっと興味深い。

松坂は、ボールをリリースするかなり前の、ホームプレートに踏み出す時点で、すでにグラブの左手は腰の位置にまで降りて来てしてしまっていて、ホームプレート側の左肩、左半身も、この段階でプレート方向に大きく開いて、打者から松阪投手の胸のチームロゴが見えてしまっている。
対して、サンディ・コーファクスは、グラブがプレート方向に突き出された状態でキープされ続けていることによって、右肩、右半身がファースト側を向いたままの状態が長く保たれ、開いていない。この特徴的な「グラブの突き出し」は、クリフ・リーにも全く同じことがいえる。


あくまでこれは想像でしかないが、松阪投手はこの開幕を前に「上半身にヒネリをきかすフォームに改造して、球威を増したい」と考えたのではないだろうか。
写真からして、胸を大きく張り、上半身にヒネリをきかせることで、なんとか球威を取り戻そうという意図が、なんとなく伝わってくるからだ。この試み自体は面白いとは思う。


だが、その意図は残念ながら成功していない。
なぜなら、根本的な部分のフォーム変更、つまり「横ステップ」から「前ステップ」への変更が着手されていないからだ。

松阪投手は見た目には、いかにも上半身をヒネって投げている、という風に見える。
だが実際には、サンディ・コーファクスとグラブ位置が大きく違うことからわかるように、ボールのリリースにいくタイミングのだいぶ前に、上半身からヒネリの効果が消えてなくなってしまっている。なんと表現すればいいかよくわからないが、「ヒネリ」がフォームの早い段階で消費され尽くしてしまい、上半身に貯金がほとんど残ってない。
そのため、いくら胸を張って投げたとしても、立ち投げ系のフォームのパワーの供給源である「上半身のヒネリ」がまったく効いてこない。

対して、サンディ・コーファクスは、上半身ができるだけホームプレート方向に向かないように、上半身がプレート方向に回転していくのを故意に遅らせている。だから、右足がプレート側にステップして、下半身がプレート側に向いた段階でも、上半身は長い時間ファースト側を向いている。
そのことで、「ホームプレートに向いた下半身」と、「ファースト側に向いた上半身」との方向に「差」ができる。この「差」、つまり「上半身のヒネリ」が長い時間維持されることで、ボールにウェイトがのり、また、打者からはボールが非常に遅れてリリースされてくるように見える。
こうしたサンディ・コーファクスの特徴は、MLBの同じタイプ、つまり「やじろべえが立ったまま投げるタイプ」の投手に共通して見られる特徴だ。


松阪投手の努力そのものには大きな敬意を表したい。この改造はまだ発展途上だから、しばらくは結果が出ないと思うが、MLB的な投球フォームに改造していく試みが成功することを祈りたい。








April 13, 2011

今日、テキサス・レンジャーズは、デトロイトとビジターで戦い、9回裏にサヨナラ負けをしてしまったばかりだが、このゲームで、好調のジョシュ・ハミルトンが、ホームでのヘッドスライディングで、右肩に全治6週間から8週間の怪我をし、60日間のDL入りしてしまった。(かわりにクリス・デイビスがロスターに入った)
Texas Rangers at Detroit Tigers - April 12, 2011 | MLB.com TEX Recap

Texas Rangers' Josh Hamilton headed to DL with broken arm - ESPN Dallas


1回表の出来事だった。
シーズン前に移籍問題で揉めたマイケル・ヤングが1死からセンター前ヒット。続くジョシュ・ハミルトンがさっそくライト線にスリーベースを打ち、マイケル・ヤングが幸先のいい先制点のホームを踏んだ。
続く、4番のエイドリアン・ベルトレは、サードのポップフライ。ここで問題のプレーが起きた。
このポップフライ、デトロイトのサード、ブランドン・インジと、今シーズンからデトロイトに加わったキャッチャーのビクター・マルチネスが同時に追ったため、一時的にホームプレートがガラ空きになった。

その瞬間に、なんと、ジョシュ・ハミルトンがタッチアップして、ホームに突入したのだ。

ファウルフライを捕ったのは、サードのインジで、ボールをビクター・マルチネスに転送。ジョシュ・ハミルトンはヘッドスライディングをして肩を痛めてしまった。


この件について、FOX SPORTSのJon Morosiは、ツイッター上で、ハミルトンのコメントとして、次のように伝えている。
Josh Hamilton's injury was caused by headfirst slide at home -- he says he didn't want to go on the play, but 3B coach told him to.
「ジョシュ・ハミルトンの怪我は、ホームベースへのヘッドスライディングで起きた。彼がいうには、自分ではホームに突入しようと思ってなかったが、サードベースコーチが、彼に「行け」と命じた
https://twitter.com/#!/jonmorosi

また、ダラスの地元メディア、Baseball Time in Arlingtonは、電子版でこんな記事をのせた。(この記事のほうがずっと詳しく書かれている)
Baseball Time in Arlington: A Texas Rangers Blog - The Clubhouse - Josh Hamilton Calls Out Third Base Coach Dave Anderson
ハミルトンによれば、3Bコーチのデイブ・アンダーソンが二度「ホームがガラ空きだ!」と叫んだ、と言っている。
“I listened to my third base coach,” Hamilton said. “That’s a little too aggressive. The whole time I was watching the play I was listening. [He said],’Nobody’s at home, nobody’s at home.’ I was like, ‘Dude, I don’t want to do this. Something’s going to happen.’ But I listened to my coach. And how to you avoid a tag the best, by going in headfirst and get out of the way and get in there. That’s what I did.”

一方、同じ記事で、アンダーソンのほうは「ここはヘッドスライディングが必要なシチュエーションじゃない。いつも彼(ハミルトン)には足からスライディングするように言ってある」と言い、彼がヘッドスライディングしたのがいけないんだ、というニュアンスの立場を主張している。
“There is no situation I wouldn’t want him to slide headfirst in,” Anderson said. “I always want him to slide feet first no matter what he does.


ふーむ。


テキサス・レンジャーズのサードベースコーチは、元ドジャースで1988年ワールドシリーズで代打ホームランを打ち、優勝を経験しているDave Andersonだ。
Dave Anderson (infielder) - Wikipedia, the free encyclopedia

なぜわざわざこの人のこと書いているかというと、Dave Andersonには去年もひとつ、走塁に関するトラブルがあったからだ。

テキサスは去年2010年9月5日にビジターのミネソタ戦を戦った。
9回の2死満塁からウラジミール・ゲレーロのタイムリーが出て、レンジャーズは6対5と、1点差まで迫った。
このとき、同点のランナーだったのはマイケル・ヤングだが、彼はサードをかなりのスピードで回りかけていたが、サードベースコーチに制止され、ホーム突入を自重した。

このときに、問題のコールがあった。

三塁塁審のAlfonso Marquezが、サードベースコーチのDave Andersonがマイケル・ヤングのホーム突入を制止した際に、ヤングの身体に触れた、とみなして、インターフェアランスによるアウトを宣言し、9回2アウトの場面だったために、ゲームが終わってしまった、のである。

マイケル・ヤングと、3Bコーチのデイブ・アンダーソン、監督ロン・ワシントンは猛烈に抗議したが、判定はもちろん覆らなかった。このゲームの球審はTim Timmonsで、今日ハミルトンがホーム突入でアウトを宣告したアンパイアでもある。
Texas Rangers at Minnesota Twins - September 5, 2010 | MLB.com Gameday

3B coach interferes for final out, Twins hold on - MLB - Yahoo! Sports

Rangers fall after Young gets touchy feely with third base coach - Big League Stew - MLB Blog - Yahoo! Sports

Top Plays | TEX@MIN: Twins win the game on disputed final out - Video | twinsbaseball.com: Multimedia








April 12, 2011

うっはーーーー!!

勝った!!!!

7点差をひっくりかえしたのは1999年以来らしい。
最高ぉ! ひゃっほぉぉっ!!!

 My Oh My
拍手拍手拍手

1点差の9回裏
マイケル・ソーンダース 二塁打 無死2塁
ブレンダン・ライアン バント 1死3塁
代打アダム・ケネディ ショートゴロ 2死3塁
イチロー 敬遠 2死1,3塁 →盗塁 2死2、3塁
ロドリゲス 逆転サヨナラ2点タイムリー

動画
Featured | TOR@SEA: Rodriguez wins it with a walk-off single - Video | Mariners.com: Multimedia

2011年4月11日ルイス・ロドリゲス サヨナラヒット


逆転サヨナラに沸く観客 2011年4月11日


逆転サヨナラにはしゃぐカップル 2011年4月11日

Gameday
Toronto Blue Jays at Seattle Mariners - April 11, 2011 | MLB.com Gameday

Fangraph
Mariners » Win Probability » Monday, April 11, 2011 | FanGraphs Baseball

ルイス・ロドリゲスの活躍の瞬間
Luis Rodriguez
Luis Rodriguez » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball


試合後のインタビュー

ルイス・ロドリゲス
チェンジアップをずっと狙っていた
He said he was looking for changeups and sliders from Shawn Camp, and finally got a changeup he was able to square up.
Mariners Blog | Mariners win!! Mariners win!! | Seattle Times Newspaper

フェリックス・ヘルナンデス
「何を投げても打たれた」
"Every pitch I threw, they were hitting," Hernandez said.
Toronto Blue Jays at Seattle Mariners - April 11, 2011 | MLB.com SEA Recap

相手チームトロントのベンチには、ベンチコーチとしてシアトルの元・監督ドン・ワカマツがいるわけだが、どうやら彼はかなりヘルナンデスのスカウティングを済ませてゲームに臨んでいるようだ。








April 10, 2011

たくさんのイベントが用意され、せっかく盛り上がるはずだった開幕ゲームのハッピーなムードをぶち壊しにした2人の出来損ないのジャック、すなわち、ジャック・ウィルソンジャック・ズレンシックに対して、開幕を楽しみにしてきたファンと、監督エリック・ウェッジ、チームメイトに対する、きちんとした謝罪のステートメントを要求する。


ブログ主が聞きたいのは、「今後はチームに貢献できるように努力する」だのなんだのという、よくある軽いエクスキューズではない。
必要なのは、明確な「アイム・ソーリー」だ。
欧米人は謝らないのが普通だ、だの、なんだの、そういう屁理屈はまったく必要ない。

もし、ジャック・ウィルソンが謝罪できない、謝罪したくないというのなら、もはやゲームで使う必要はまったくない。
もちろん、たとえ謝罪したとしても、ジャック・ウィルソンを即時トレードしても、なんら、さしつかえない。まったく問題ない。

自分が重大なミスをしてゲームを壊しておいて、しかも、ミスをした自分のほうからゲームを離脱するなど、もってのほかだ。さらに、経緯に関して嘘をついた挙句に、ゲームに出たいだのなんだの、言語道断、もってのほか。ファンを馬鹿にするのも、たいがいにしてもらいたい。

まず謝罪。話はそれからだ。



この不祥事が起こる原因を作ったのは、はっきり、
GMズレンシックだ。



理由は、2つ。

第一の理由は、ズレンシックが、あらゆる点で期待はずれだったジャック・ウィルソンを、獲得に責任のあるGMとしてきちんと処分しようとしないどころか、むしろ、セカンドへのコンバートなどという中途半端な形でスターターに温存して、ジャック・ウィルソンを甘やかし、慢心させたことだ。

ジャック・ウィルソンはこれまで、ケガばかりのスペランカーであり、ロクにゲームに出ていない。ショートの守備は平凡だし、打撃面も期待できない。
にもかかわらず、ズレンシックは、2010年冬にまったく同じショートのポジションに、まったく同タイプ、守備専ショートのブレンダン・ライアンを獲得してきた。
このことにより、マリナーズのペイロールの無駄遣いはさらに加速した。同じポジションに同タイプのプレーヤーは2人いらないのは当然だ。だから、ライアンを獲得したのならジャック・ウィルソンのほうはスタメンから干して追い出すか、トレードの駒にするか、なんらかの手段で処分するしかなかったはずだ。

一方、2010年には既に、フィギンズが二塁手としては並以下の守備しかできないことはわかっていた。
にもかかわらず2010シーズンは、セカンドからサードにコンバートされていたホセ・ロペスと、二塁手のつとまらないフィギンズの守備位置を、2人とも元に戻すアイデアも実行することなく、ズレンシックは頑固にフィギンズを二塁手に固定したまま、シーズン100敗を喫した。
なのに、2010年のシーズン終了後にズレンシックのやったことといえば、セカンド守備をやるという前提で自分が獲得してきたショーン・フィギンズの「本職である三塁手に戻りたい」というわがままを聞いてやるという愚策だった。
その結果、セカンドをフィギンズに譲ったホセ・ロペスの最後の砦となっていたサードのポジションは、あっけなく、わがままし放題のフィギンズのものになってしまうことになる。
ホセ・ロペスは、もともと二塁手だっただけに、彼をセカンドに戻して使うアイデアも可能だったが、なんとズレンシックのやったことといえば、もともと二塁手だったロペスの放出だった。

こうして、GMジャック・ズレンシックは、ショーン・フィギンズとジャック・ウィルソン、この高給取りの2人に馬鹿げた処遇を与え続け、甘やかし続けた。
ズレンシックが多くのペイロールと選手を犠牲にして獲得してきた2人が、2人して、守備も、打撃も、両方が度をこして期待はずれだったことにあるのは明白だったにもかかわらず、ズレンシックは問題の核心をわざと避けて通るように、とことん彼らのわがままを聞いてやるような馬鹿な真似をしたのである。

結果、セカンドのポジションは、結局、控えのユーティリティプレーヤーとしてズレンシックが獲得してきた二塁手のできるピークが過ぎたアダム・ケネディでも、期待の若手のダスティン・アックリーの育成に使うでもなく、なんとショートの守備しか実績のないジャック・ウィルソンにくれてやることになった。
馬鹿としか、言いようがない。ジャック・ウィルソンには、セカンドをやることで不平不満を言う権利そものがないことは、こうした経緯から誰の目にも明らかだ。


第二の理由は、2010年のショーン・フィギンズ打順降格事件で、まったく毅然とした対応をとらず、むしろ、悪しき前例を作ったことである。
当時のショーン・フィギンズは(今年もそうだが)、あまりにも打撃が酷いために、9番に打順を降格させられ、それが不満で、ゲーム中のダグアウトで監督と揉め、2人して揉めている様子がテレビカメラを通じて放映される、などという馬鹿なことをしたプレーヤーだが、この不祥事をきちんととがめて処罰しておかないから、こういうことになる。

そのフィギンズ、今年も既に「あるまじき最悪の打撃成績」になっている。フィギンズの今後の処遇についても、来るべきときが来たら、つまり、あまりに結果が出せないようなら、打順を降格させるなり、スターターからはずすなりという降格処分を、今度こそ、躊躇なく実行すべきだ。

監督ワカマツがクビになったこと自体は指導力や経験の不足からくるもので、それ自体はしかたがない。だが、いくら経験不足の監督であっても、監督という管理職をまかせた以上、GMの役職にある人間は、監督としての立場とプライドを守ってやる責任と義務がある。

今回のジャック・ウィルソン事件でも、ズレンシックは"Eric is the manager, and he's in charge,'' (Chuck Stark: Wilson, Wedge add controversy to Opening Day » Kitsap Sun)と、去年のショーン・フィギンズ事件のときに、監督ワカマツについて言っていたのとまったく同じことを言っているが、ズレンシックのこういう言葉がまったく信用ならないものであることは、彼がフィギンズを全く処罰しない一方で、監督ワカマツは、自分のチームコンセプト大失敗の責任をおっかぶせるようにクビにしたことで明らかだ。

監督キャリアのないワカマツは、監督を大事にしないチームの酷い扱いに膝を屈したが、エリック・ウェッジは違う。次のゲームでラインナップ・カードにジャック・ウィルソンの名前を書かないかったのである。
ウェッジがスターターからジャック・ウィルソンをはずすことで、明確に処罰の姿勢を示したことを、このブログは強く支持する。スターターに絶対に戻すべきではない。


もし、今回のジャック・ウィルソン事件がきちんと処理できなかったときは、GMジャック・ズレンシックは即時辞任すべきだと考える。



Mariners' Eric Wedge: Jack Wilson's actions 'unspeakable' | Mariners.com: News
エリック・ウェッジ「ジャック・ウィルソンの振る舞いには、呆れてモノが言えない」(マリナーズ公式サイト)

Seattle Mariners Blog with Shannon Drayer - Mariners Blog - MyNorthwest.com
(ブログ注)このシャノン・ドライアーの記事は、まず、ジャック・ウィルソンが自らゲームを降りた4月6日の水曜に一度書かれ、2日後の4月8日金曜にジャック・ウィルソンのほうから事態の収拾を狙って少数の記者だけを集めて、自ら語ったインタビューについての部分を追加する形になっている。ジャック・ウィルソンの態度が、この数日でどう豹変したかを読み取るには非常に都合がいい。

Mariners Blog | Mariners had better get this Jack Wilson thing under control fast | Seattle Times Newspaper
「マリナーズはジャック・ウィルソンの事態を早急に収拾すべき」(シアトル・タイムズ)

Mariners must rid themselves of Wilson | MORE TOP SPORTS - The News Tribune
「マリナーズはウィルソン事件を克服すべき」
(The News Tribune)

Mariners can't keep Jack Wilson; Eric Wedge shows he's in charge - Blog - MyNorthwest.com
「マリナーズはウィルソンをチームに置いてはおけないだろう。エリック・ウェッジは指揮官が自分であることを示した」
(MyNorthwest.com)

Jack Wilson situation takes another turn following Mariners loss | Seattle Mariners blog - seattlepi.com
(Seattle Post Intelligencer)
「マリナーズ敗戦後、ジャック・ウィルソンの件で急展開」
(ブログ注)「急展開」というのは、最初は「水曜のゲームでは、監督のウェッジに交代させられた」と嘘の発言をしていたジャック・ウィルソンが「実は、監督にではなく、自分からゲームを降りた」と事実を語ったことをさす。この発言を受けて、地元メディアは大慌てでこの事件についての記事のトーンを一斉に変えた。








April 09, 2011

 
デイブ・ニーハウス メモリアル

さぁ、待ちに待ったシアトルの開幕デーがやってきた。
ファンは、スタジアムの観客の靴の色にご注目。

始球式は、デイブの奥さん、マリリン・ニーハウス

My Oh My!
White Shoes
!


シアトル・マリナーズ オーガニゼーションからの「お願い」
Mariners to honor late Hall of Fame broadcaster Dave Niehaus at home opener | Mariners.com: News
Seattle recording artist Macklemore will also perform his "My Oh My" song, which was written in memory of Niehaus shortly after his death last November. Fans are encouraged to wear white shoes as a lighthearted tribute to Niehaus and his unique sense of fashion.

マリナーズからデイブ・ニーハウスへの感謝を表す動画
Baseball Video Highlights & Clips | Mariners thank broadcaster Dave Niehaus - Video | Mariners.com: Multimedia


デイブ・ニーハウス トリビュートに関する記事
If You're Headed To The Mariners Home Opener, Please Wear White Shoes - The Daily Drip - SB Nation Seattle
The Seattle Mariners have asked fans attending Friday night's home opener to wear white shoes. Dave Niehaus was known for his casual attire and the white shoes are meant as a tribute. So, if you have white shoes, wear them. If you don't, buy a pair, borrow a pair or paint your shoes white. I don't care how you do it, just show up to Safeco Field in your best white shoes.

Mariners | What you need to know about Mariners' home opener | Seattle Times Newspaper

デイブ・ニーハウス トリビュート 開幕デーの「白い靴」

開幕ゲームを控えたセーフコのフェンス


セーフコ・フィールドの東側の通り、すなわち、1st Ave. Southの、Royal Brougham WayとEdgar Martinez Drive Southに挟まれた部分が、一時的にDave Niehaus Wayと名づけられ、通りを示すサインも変えられている模様。
下のグーグル・マップのセーフコの左側の通りが、臨時の「デイブ・ニーハウス・ウェイ」。

デイブ・ニーハウス・ウェイ
臨時のデイブ・ニーハウス・ウェイ


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Baseball Video Highlights & Clips | Opening Day ceremony at Safeco Field - Video | MLB.com: Multimedia
10年連続ゴールドグラブ表彰式
イチロー10年連続ゴールドグラブを祝うセレモニーにかけつけたエドガー・マルチネス







ジェイソン・バルガスの投球フォームの安定感について、今シーズンの初登板を終えたばかりの松坂と比較しながらじっくり書こうと思っていたら、フェリックス・ヘルナンデスの登板ゲームでジャック・ウィルソンの2つのタイムリーエラーと怪我による懲罰交代、もともと使えるわけがないアダム・ムーアのDL入り(→ムーアは60日間のDL入り。タコマからクリス・ギメネスが昇格)、ミネソタの西岡の骨折、さまざまな事件がたて続けに起き、さらには、日本のプロ野球で巨人が電源車を使ってドーム開催をするとか言い出して、ブログ記事をしっかりまとめられる時間も限られているというのに、もう、どこから手をつけてよいやらわからない(笑)
【東日本大震災】巨人が東京ドームで自家発電 夏場のナイター実施へ - MSN産経ニュース


いろいろ書きたいことはたまっている。
シアトルの野球。日本の野球。大震災。予想どおりの坂本九ブーム。野球叩きをベースにした「首都圏は自粛せよプロパガンダ」の哀れすぎる失敗。あらゆること。

ベースになることは、
おまえら、正直に言え。馬鹿なんだろ?(笑)
ということ。相変わらずクチが悪い(笑)


さて、どこから手をつけよう。

最初にシアトル・マリナーズ。
何度も何度も書いてきたが、何度でも書く。

無能GMのズレンシックは、「守備で世界を制覇する」とかいうルーニー・テューンズの間抜けなコヨーテみたいな自分の無謀なアイデアのために、セカンドにショーン・フィギンズを入れ、ショートに高給取りで、しかもスペランカーのジャック・ウィルソンを入れ、プレーは粗いが打てるユニスキー・ベタンコートはカンザスシティに、打率はあまりたいしたことはないが40万ドルで使えたロニー・セデーニョはピッツバーグにくれてやり、セカンドのホセ・ロペスはサードにコンバートした。
だが、フィギンズもジャックも、2人とも打てず、フィギンズのセカンド守備は最低ランクときた。さらに打順降格させたフィギンズがゴネるのは許し、打順降格させた能力はあまりないがスジは守った監督のほうを首にし、フィギンズにセカンドを譲ったロペスはコロラドにくれてやり、結局、生え抜きのロペスは、セカンドからも、サードからも追い出された挙句に、フィギンズにチームを追い出された形になった。
スペランカーであることが判明したジャック・ウィルソンはどうするのかと思えば、首にするどころか、そして、ロペスをセカンドに戻すこともなく、まるっきり同タイプである「ショートが本職で、打てない守備の名手」ブレンダン・ライアンを意味もなく獲ってきて、なんと、ショートが本職のはずのジャック・ウィルソンを、念願のサードに回ったフィギンズの穴を埋めるためにセカンドをやらせることにした。

その結果は、どうだ。
(アダム・ムーアなどは問題外の外)

移籍先でもう5番打者、ホセ・ロペス
コロラドのスタメンのセカンド。開幕から19打数6安打、打率.316。(四球ゼロで、出塁率が打率とまったく同じなのは、ロペスらしい(笑)まぁ、ご愛嬌ということで)チームは4勝1敗で首位。
2011 Colorado Rockies Batting, Pitching, & Fielding Statistics - Baseball-Reference.com

今年もスタメンの、ロニー・セデーニョ
ピッツバーグのスタメンのショート。19打数5安打、打率.263、出塁率.333。OPSが冴えないが、長打が案外打てるので、そのうちに上がってくるだろう。チームは、万年地区最下位のはずが、なんと4勝3敗。地区2位と健闘中。
Ronny Cedeno Statistics and History - Baseball-Reference.com

打てないどころの騒ぎではない、ショーン・フィギンズ
シアトルのスタメンのサード。25打数3安打。打率.120。出塁率.115。OPS.395。惨憺たる打撃は今年も変わらず。チームはテキサスにスイープされて、2勝4敗と既に地区最下位。
Chone Figgins Statistics and History - Baseball-Reference.com

既にスタメンにいない、ジャック・ウィルソン
打率.333と、去年の.249が嘘のように、打撃好調。と、思いきや、あっさりフェリックス・ヘルナンデスの登板ゲームでタイムリーエラーを2つ続けてやり、挙句に怪我をしてしまった。
Jack Wilson Statistics and History - Baseball-Reference.com

予想どおり打てない、ブレンダン・ライアン
19打数2安打。打率.133。もともと打てないのはわかっていた選手だ。「ジャック・ウィルソンは実は双子で、ライアンが弟だ」とでも思うしかない。
Brendan Ryan Statistics and History - Baseball-Reference.com



次は日本の野球。

大震災発生直後の「野球バッシング」「東京バッシング」はあまりにも出来の悪いプロパガンダだったが、「なにしろ首都圏では自粛しろ。節電しろ。買いだめはするな」とかいう「節約自粛プロパガンダ」の、この哀れすぎる失敗ぶりはどうだ
あれだけプロ野球叩きをベースネタにしたプロパガンダをぶちあげていたクセに、こんどは「自粛しすぎで経済がダメになる、どうしよう?」とか言いだす。馬鹿馬鹿しいにも程がある。

そして野球を叩く側の惨めな失敗の一方、野球をやる側にしても、「電源車を使ってドーム球場でナイターやります」とか言い出すのだから、困ったものだ。
電源車でナイターをやるという程度のアイデアくらい、ブログ主も含め、誰だって思いつくことだし、また、もしスタジアムの外に電源車を並べてナイターができるのなら、なぜ世間にセ・リーグの開幕問題についてとやかく糾弾される前に、最初から先手を打って「セ・リーグでは既に節電について十分に目配りしており、低電力でナイター開催できます。だから、ご安心ください。被災地のためにも、われわれ野球人一同は全力プレーします」と、毅然とした態度で宣言しておかないのだ。



どう行動をすると、どういう反応を招くのか。
これからどういう事態が起こりそうだから、
いま、どう行動しておくのが適切か。

そういうことについてピカッとひらめくチカラをブログ主はよく
先読み」とか言っているのだが、
この「先読み」するチカラは、実は、ひとつの特殊能力であって、できない人が大半であることは案外知られていない。

いま世の中では、原子炉から水が減っているのを隠していて初動が遅れ、あわてて先を読まないで原子炉に塩水をぶちこみ、水が蒸発したら塩がたまり、さらには塩水が分解されて出来た水素がたまって爆発を起こし、水を大量にぶちこんだら水が漏れ、どうしようもないので海に捨て、こんどは海が放射能で汚染された、なんてことが平気で起きる。

ベースボールという小さい世界でも、打てない内野手が問題なのに、まったく同じポジションのまったく打てそうにない内野手を獲得してきて、同じ過ちを繰り返してしまう、なんてくだらないことが平気で起きる。

いわゆる「城島問題」でもそうだ。
先発投手にダメ捕手城島への不満が爆発するくらいにたまってますよ、失点が増えるばかりで打てないチームはどうやっても勝てませんよ、この選手はまったくMLBに適応できていませんよ、と、いくらクチを酸っぱくして言っても、わからない人には、まるでわからなかった。

その結果が、今日という日だ。



こういう先の読めない人たちは、いくら自分の判断の結果が失敗に終わることがわかっていても、その原因が「自分に、もともと判断力が無いせいだ」ということは、残念ながら、最後まで認めようとしない。
外からみれば、どういう悲惨な結果が出るか、わかりきっている場合でも、こういう判断力の伴わない人たちは、自分自身が、自分自身の手で、何度でも何度でも失敗し、どうしても何をやってもダメだという惨憺たる結果が徹底的に出て、それから後でないと、自分の失敗を渋々認めようとすらしない。
そして、彼らがようやく失敗を認める頃にはもう、事態は手のつけようがないところに追い込まれているものだ。



こういうタイプの「オトナ」に特徴的なことのひとつは、「イザ」というときがきていても、無表情だったり、微笑を浮かべていたりしていて、見た目では、あたかも「落ち着いているように見える」ことだ。

だが、「無表情だから、心にゆとりがあるのだろう」とか、「微笑んでいるから、リラックスできているのだろう」とか、こういう人を「顔」で信用してしまってはダメだ。

大昔のカンフーブームを作ったブルース・リーが格闘シーンでよくみせた表情のように、本当に集中している人の顔というものは、どこか「悲しげな表情」に見えるものだが、無表情でクールな顔つき、あるいは、妙にゆるんだ意味のよくわからない微笑みを浮かべたまま、誰でもわかる原則論を繰り返し言葉にしつつ、たいへんな失敗をやらかす人間が、大勢いる。
それが、今のテンションの高い時代だ。


どこかの電力会社の人たちの会見も、Youtubeなどで見ると、どこをどうし
たものか、微笑んでいる人がいる。あれもそういう「ゆるんだ微笑み」であって、けして心理的な余裕だなどと思ってはいけない。
そもそも、どういうものか、われわれ日本人は時に「どうしていいか、まったくわからなくなっているとき」にかぎって、微笑んだりすることがある。

緩んだ微笑みはときとして信用できない。こういうことを肝に命じてないと、共倒れになってしまう。
そして、共倒れになってしまってから後悔しても遅いのである。

人を信用してはいけない、というのでは、けしてない。
イザというときに信用していい相手を探すために、ヒトをよく観察しておくべきだ、と、言いたいのである。






April 06, 2011

マン・レイの墓碑

Unconcerned, but not indifferent

と、自分の墓碑銘に記したのは、フィラデルフィアで生まれ、ブルックリンで育ち、パリで活躍した写真家、マン・レイだ。(画家、彫刻家でもあるマン・レイの名はたくさんの人が知っているが、アメリカ生まれであることは案外知られていない)

この言葉を、「無頓着、しかし無関心ではなく」と訳したマン・レイの展覧会があったようだが、翻訳にちょっと無理がある。そもそもマン・レイの意図が伝わると思えない。
というのも、unconcernedも、indifferentも、「無頓着」「無関心」と訳すことができる意味の共通性、意味の共有部分があるからだ。どちらかを無頓着、どちらかを無関心と分けて呼ぶだけでは、結局なんのことやらわからなくなる。

unconcernedという言葉のいう「無頓着」「無関心」は「対象を静観して、距離をおく」とでもいうような意味だけれど、indifferentの「無頓着」「無関心」はもっとネガティブな感情を含んでいて「対象のことを、どうでもいいと思っている」含んでいるとすると、ブログ主なら、こんな風に訳す。


静かなる心。だが、冷めた心ではなく。


通常、アート、特に写真は、対象のもつ美を描写するもの、と考える人が多い。
だが、マン・レイの作品では、宮沢賢治の詩「春と修羅などがそうであるように、対象の形状の美しさばかりではなくて、むしろ、「モノを見る自分の内面にある独特な心のさま、それ自体」に重きを置いて表現されている。
別の言い方でいえば、マン・レイが表現しているのは、「彼自身の心の内部であり、彼が心の中にみつけた静かなる凪いだ海」なのだ。

彼は、オブジェに対する興味の強さ、熱狂を表現するのではなく、対象に興味は十分にもつが、必ずしも熱くならず、いたずらに対象との距離を詰めずに、距離をおいて愛でる楽しむ。そういう「距離のある態度」は一見すると「冷たい無関心」にみえがちだ。だが、そうではないのですよ、と、マン・レイの墓碑銘は言いたかったのではないのかと思う。



アンセル・アダムス、スティーグリッツ、ハーブ・リッツ、ダイアン・アーバス、ロバート・メイプルソープ、リチャード・アヴェドン、アメリカだけでもたくさんの優れた写真家がいる。
マン・レイに限らないが、芸術や音楽に溺れる時期、というのは誰にでも訪れる。ブログ主にもあった。その頃の自分は「芸術って素晴らしい。家族のスナップなんか、なんの意味もない」とか思いこんで、やたらと展覧会やコンサートに通っていた。たぶん、その頃の自分は家族との距離も離れていったのだと思う。


だが、人が、故郷を津波に飲まれ、家財の何もかも失ったとき、これだけは取り戻したいと思うもののひとつが「家族の写真」だ。

そのことの意味が、今は、自分にもわかる。東日本大震災と関係なく、地震のずっと前からだが、家族の写真をUSBメモリに入れて常に持ち歩くようになっていた。


もしマン・レイが生きていたら、どう言っただろう。

「だから言ったじゃないか。
静かにモノを見ろ、とは言った。だけど、冷めた心で、とは言ってない。家族写真のスナップは駄目だ、価値がない、なんて誰か言ったのかい? 自分の心をそういう風に、狭くて寒いものにしていたのは、実は、君自身じゃないのか。
写真はアートかどうか?
どうでもいいじゃないか。君の心を素晴らしい状態にキープして、大事なものに向かって心の中でシャッターを切れ。それでいい。」

僕の中のマン・レイはいまそんな風に言っている。
僕は結局、マン・レイも家族も好きなんだ。


(追記)
地震の被害で汚れた写真を復活させる無償のボランティアサービスがいくつか発足しつつあるようだ。クチの悪いブログ主の印象としては、写真の修復を必要とする人の数の多さに追いつかないときがくるのでは、と危惧する。
ブログ主は、写真修復ボランティアとは無関係の立場だから自由にいわせてもらうと、日本の写真関連産業は、デジタルカメラ、フィルム、プリンターなどの写真関連の分野で世界的な高いシェアをお持ちなわけだから、単に情報を提供するだけでなく、機材や材料を無償提供していただきたいものだと感じる。

さらには、その写真修復の成果を写真展にするなりして、(たとえば「ニッポンの家族展」とか、そういうコンセプト)、全世界を巡回するツアーにでも仕立てたら、その入場料収益と募金がまた被災地の復興に使えるのではないか、とか思うのだが、いかがだろう。
多少の泥にまみれていても、色がちょっと褪せていても、最高のノン・フィクションだと思う。


宮沢賢治 春と修羅・序

わたくしといふ現象は
假定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといっしょに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち、その電燈は失はれ)

これらは二十二箇月の
過去とかんずる方角から
紙と鑛質インクをつらね
(すべてわたくしと明滅し
 みんなが同時に感ずるもの)
ここまでたもちつゞけられた
かげとひかりのひとくさりづつ
そのとほりの心象スケッチです

(以下 略)

ブログ注:宮沢賢治の生誕地、岩手県花巻も被災地のひとつ。花巻から釜石を結ぶJR釜石線は、銀河鉄道の夜のモデルになった鉄道だが、3月28日に運転を再開している。






April 04, 2011

バルガスの投球フォームの記事を書こうと思って準備してたら、こんなのきた(笑)
Seattle Mariners at Oakland Athletics - April 3, 2011 | MLB.com Classic

2011年4月3日 イチロー レーザービーム炸裂

すべりこんでいるのは、日米2500本安打を達成したばかりのひと。
まぁ、あれですね。シアトル戦のライトフライで、二塁ランナーがスタート切ること自体が間違いだね(笑)ふはははは。

それにしても、ココ・クリスプが凄い調子よさげなのにびっくり。こんなにプレーにキレがあるのは何年ぶり?








April 03, 2011

2011シーズンがついに幕を開けた。今年の分のリクツをつべこべ山ほど書く前に、スタジアムの選手たちと一緒に大震災の被害に黙祷を捧げよう。

(黙祷)









(黙祷おわり)

A’s stumble, King Felix coasts (1-0) | Pro Ball NW

Athletics » Win Probability » Friday, April 01, 2011 | FanGraphs
Baseball


2011開幕ゲーム イチローのWPA


ショートが本職の打てない高給取りジャック・ウィルソンがいるのに、わざわざ同じ遊撃手で打撃の良くないブレンダン・ライアンを獲ってきてショートに据え、ジャック・ウィルソンは本職でないセカンドに回して、過去にセカンドをやっていたホセ・ロペス、控えのショートだったジョシュ・ウィルソンを放出してしまうような、複雑だけれど意味のわからない自己満足のパズルをするGMズレンシックのチームマネジメントのアホらしさはともかく、開幕戦、イチローが今年も健在振りをあますところなく示してくれて、他のどんなニュースより心が休まった。
MLBで10年も続けて実績を残し続けてきた偉大なプレーヤーなのに、どうして自分が毎年開幕直前になると「今年のイチローはどうなんだろう」と心配するのか、自分でも訳がわからない(苦笑)
Seattle Mariners at Oakland Athletics - April 1, 2011 | MLB.com Classic

シアトル地元のブログPro Ball NWは、開幕ゲームでのイチローの「確固たる存在感」を、こう評した。
"offensive attack was led by the ever-reliable Ichiro"

ever-reliable
選手として最高の賛辞のひとつだろう。

メジャーデビューから10年たって、ここまで地元ファンに言ってもらえる存在になったイチローを僕は、同じ日本人として本当に誇りに思う。

(追記)
ミネソタのセカンドになった西岡のバッティングを見たが、2シームのようなタテに動く早い球にまったくついていけてない。シンカーやチェンジアップへの対応もそうだが、ダウンスイングとはまったく違う意味で、動いていくボールを、ボールの変化を後ろからバットで上から叩こうとするかのように追いかけてしまっている。慣れるのにちょっと時間がかかりそうに思った。

(追記2)
第三戦も2三振だが、何度もこのブログで書いているように、MLBのストライクゾーンは、左打者の場合、かなり「アウトコース側に寄っている」。(外が広いというより、ゾーン全体が外側にズレる)
その点もまだ、西岡は対応できていない感じがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。






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  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
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  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。



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