August 2011

August 31, 2011

いやー、惜しかった。
もしかすると、完全試合か? と、思わせる「芸術的」ピッチングだった。


カンザスシティとの第2戦に登板したダグ・フィスターだが、6回終了時点まで、すべてのイニングを3者凡退に切ってとるパーフェクト・ピッチング
試合後、デトロイトの監督リーランドは両軍投手のピッチングについて「art of pitching(芸術的ピッチング)」と、手放しでほめたたえた。
Leyland said. "And I think you saw the art of pitching at its best tonight from both sides."
Kansas City Royals at Detroit Tigers - August 30, 2011 | MLB.com DET Recap

7回こそ、先頭打者に二塁打を打たれて気持ちが少しだけ途切れて、味方が得点する前に1失点してしまい、残念ながら勝ち星こそつかなかったが、それでも、1失点で7回2/3。それもたったの94球(65ストライク)での結果だ。十分すぎる。
そしてチームは10回裏にサヨナラ勝ちで首位キープ。文句のつけようがない。
Kansas City Royals at Detroit Tigers - August 30, 2011 | MLB.com Classic

今日のゲーム、初回のソフトライナーと4回のフライアウトの2つの例外を除いて、6回までの16アウトがすべてが「ゴロ」と「三振」。それも「無四球」なのだ
これはピッチャーとして本当に素晴らしい。

以前、フィスターが良くなった理由として、「グラウンドボール・ピッチャーに変身できたこと」を挙げておいたが、まさに今日のゲームで証明してくれた。
いまやダグは、ア・リーグBB/9ランキング3位HR/9ランキング2位移籍後のK/BB(SO/BB)は、なんと、8.50の超ハイパーな数字で、2010年ナ・リーグ サイヤング賞投手ロイ・ハラデイの7.30より優れた数値。
堂々たる一流である。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。

2011年ア・リーグ BB/9ランキング
1. Tomlin (CLE)  1.143
2. Haren (LAA)  1.248
3. フィスター (SEA、DET)   1.752
4. Pavano (MIN)  1.790
5. Francis (KCR)  1.830
2011 American League Pitching Leaders - Baseball-Reference.com

2011年ア・リーグ HR/9ランキング
1. Masterson (CLE)  0.288
2. フィスター (SEA、DET) 0.464
3. Sabathia (NYY)   0.615
4. Weaver (LAA)    0.626
5. Wilson (TEX)     0.677
2011 American League Pitching Leaders - Baseball-Reference.com

デトロイト移籍後
BB/9(9イニングあたりの四球数) 0.6
K/BB 8.50
K/BBは三振数を四球数で割った数値で、SO/BBとも書く。投手の力量をもっともシンプルに測るスタッツで、3点台なら優秀といわれる。

参考:2010年MLB 最優秀K/BB
ア・リーグ クリフ・リー 10.28
ナ・リーグ ロイ・ハラデイ 7.30


よく野球ファンが、大振りのバッターについてだけでなく、投手についても、「三振か、ホームランか、四球」という言い方をするように、ゴロアウトと奪三振は往々にして両立しないものだ。
簡単な話、ストレートで押すタイプの投手をみればわかる。たいていは、ストレートの球威を保つためにコントロールを多少なりとも犠牲にしている。そうすると、三振は多くとれる反面で、ちょっと間違うと四球連発、ホームラン、なんて悲惨な結果になりやすくなるのが、速球投手のよくあるパターンだ。


ダグ・フィスターの場合は違う。適度に三振も奪いつつ、なおかつ大半の打者に内野ゴロを打たせるという、理想的ピッチングができる。こんな投手、探したって、なかなかいない。ベンチの監督から見て、これほど安心できるピッチャーはいない。
前にも何度も書いているとおり、コメリカ・パークというボールパークは「センターが馬鹿みたいに広大なスタジアム」であり、フライが上がる、ということは、イコール、かなりの確率で長打が生まれる、という意味になる。
グラウンドボール・ピッチャーがどれほど貴重なものか、平日のゲームにもかかわらずスタジアムに詰めかけた34866人ものデトロイト・ファンもしみじみ思っていることだろう。
フィスターを放出した無能なズレンシックのトレードがWIN-WINだ、なんて言ってる馬鹿がいたら、そいつに話かけるのはやめたほうがいい。なぜなら、一切の例外なく、哀れな野球音痴だからである。

Doug Fister Statistics and History - Baseball-Reference.com



今日は、気のゆるみがみられた29日の初戦とは一転してマイク・ソーシアらしいソツのないゲーム。徹底して足を使って容赦ない攻撃をしかけ、投げては、打者のウィークポイントを徹底してついてきている。

欠点やミスは誰にでもある。
問題なのは、「みつかった穴が、修理・修正できるものであれば即座に修正を促していく修正のスピード、修正できない欠陥かどうかを判断する見極めのスピード、修正できない欠陥を部品ごと交換する踏ん切りのスピード、これらのスピードの速さ」だ。
シアトルの仕事ぶりは常に、日本のお役所仕事の「のろまさ」に似ている。この10年、「城島問題」へのカタツムリが這うような極端にノロい対応ぶりだけでなく、大きな判断ミスを繰り返し犯し続けたGMの交代の遅さ、意味も目的もわからないトレードによる戦力ダウン、修正できない欠点が既にスカウティングされているプレーヤーでも起用しつづける無能な選手起用による勝率ダウン、チーム運営のあらゆる点について、「スピーディーな対応」というものを、「かけら」すら見たことがない



カイル・シーガーの「球種」と「コース」(=ストレート系が得意。スライダー、アウトローが苦手)、キャスパー・ウェルズの「コース」(=インコース、縦の変化が苦手)、マイク・カープの「カウント」(=スライダー、インローが得意。得点圏走者での初球打ちなど)などのスカウティングポイントを引き続き検証してみた。
元記事:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月27日、予想通り1ヶ月で燃え尽きたズレンシックとエリック・ウェッジ演出による8月の線香花火大会。1ヶ月で擦り切れるのがわかっているドアマットの取り換えみたいな「マンスリー・リサイクル」の馬鹿馬鹿しさ。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月27日、キャスパー・ウェルズがデトロイト時代に頻繁に対戦していたア・リーグ中地区の投手たちが、ウェルズをどう凡退させるのか、観察してみた。

まだゲームは終わってないのだが、当初の判断が正しいことがよーくわかった。わかってしまえば、もうつまらない。カープのタイムリーにしても、「え? なぜそこでこの打者の大好きなインローの変化球、投げちゃうわけ?」という感想しかない。
インディアンス、ホワイトソックス、エンゼルスと3カード続けてきたシアトルの若手打者の検証はこれで終わりにする。
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - August 30, 2011 | MLB.com Classic


4回裏。カイル・シーガー
初球のアウトローのストレート。ダブルプレー。
ストレート、カットボールを得意にし、スライダー、アウトコースを苦手にするバッターだが、「好きな球種が苦手コースに来たとき」はこんな風に凡退するものだ。あえて打者の好きな球種を、その打者の苦手なコースに投げることは、コントロールさえ気をつければ非常に効果がある。
2011年8月30日 4回裏 シーガー ダブルプレー


5回裏。キャスパー・ウェルズ
4球目のインコースのストレート。三振。
彼がインコースが苦手らしいのは、もう、よーくわかっているが、0-2、1-2、2-2、3-2、あらゆる2ストライク後のバッティングが苦手なバッターでもある。
1-2と追い込んだ後は、何も考えず漫然とピッチングしている投手なら、よくありがちな「追い込んだら、アウトコースの低め」とかいう知恵のない、紋切型の配球をしてしまう典型的なシチュエーションなわけだが、きっちりインコースに厳しい配球をしてくるところに、今日のソーシアの「絶対に勝つんだ」という「やる気」を感じた。
2011年8月30日 5回裏 ウェルズ三振




雑なプレーを見るのが死ぬほど大嫌いだ。
敵も味方も、そんなの関係ない。


首位テキサスを猛追するエンゼルスだが、シアトルとの初戦の試合ぶりを見る限り、戦略の緻密さで知られてきたマイク・ソーシアにしてはどこか雑なゲームぶりだったように思えた。本気でテキサスを追い落とす気があるのかどうか、エンゼルスらしさが、どうも伝わってこない。
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - August 29, 2011 | MLB.com Classic

カイル・シーガーが「球種」と「コース」(=スライダー、アウトローが苦手)、キャスパー・ウェルズは「コース」(=インコース、縦の変化が苦手)にバッティングの苦手ポイントのひとつがあるように、マイク・カープの場合、「カウント」が重要ポイントのひとつで、とりわけ「カープは初球打ちが得意で、得点圏にランナーがいるケースでは特に初球を強振してくる」ということを書いたばかりだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月27日、予想通り1ヶ月で燃え尽きたズレンシックとエリック・ウェッジ演出による8月の線香花火大会。1ヶ月で擦り切れるのがわかっているドアマットの取り換えみたいな「マンスリー・リサイクル」の馬鹿馬鹿しさ。


彼のファンの方々にはたいへん申し訳ない言い方だが、高橋尚投手は自分にとって関心のある選手ではないのと、二段モーションに見えてしかたがないのもあって、いままで記事に一度も名前を出したことすらないのだが、この日のピッチングをみるかぎり、正直、雑すぎる
とてもじゃないが、緻密なベースボールで知られたソーシアのエンゼルスが、優勝を狙って負けられないゲームの同点で迎えた終盤に登板させる投手のテンションとは思えない。


8回裏の先頭打者ダスティン・アックリーに、カウント2-2から、雑な4球目を投げた後、5球目に、90マイルの力の無いストレートをど真ん中に投げてツーベースを打たれたのも情けない話だが、マイク・カープへ、よりによって「初球に、インコースの、スライダー」を投げたのは、優勝のために負けられないチームのブルペン投手として正気の沙汰ではない。

どうだ、このブログのカープに対するスカウティングが正しいだろ、とか言いたいから、言うわけではない。カープが「初球打ちの化け物」であることくらい、誰だって数字を見ればわかる。打率がなんと6割を超え、OPSが1.455もあるのだ(AVE.636 OBP.636 SLG.818 OPS1.455 エンゼルス戦前の数値)。そして、インコースと、スライダーが得意。

つまり、だ。
得点圏にランナーがいるケースのカープに「初球、インコース、スライダー」だけは、絶対に投げてはならない球なのだ。そのコースだけ、その球種だけを待ち受けているところに不用意に投げれば、飛んで火にいる夏の虫、そりゃ打たれるに決まってる。

2011年8月29日 8回裏 カープ 2ラン 投手 高橋尚



ホームランを打つまでのカープは、3打席あって、投手は元マリナーズのピニェイロ
ピニェイロのGO/AOは、ビジターでは1.43。つまり8月26日の記事で書いたとおり、ピニェイロは、カープが最も苦手にしているグラウンドボール・ピッチャーなのだ。実際、ピニェイロはカープを3打席で2度ゴロアウトにうちとって、問題なくうちとっている。
ピニェイロはカープに、初球に一度もインコースを投げていないし、スライダーも投げていない。きちんとスカウティングを守っている。
ピニェイロのカープの初球の球種とコース
1回2死  アウトコースのシンカー 外野ライナー アウト
3回2死1塁 アウトコース低めのカーブ ボール
5回2死3塁 真ん中低めのシンカー ファウル

5回の2死3塁、つまり得点圏にランナーのいるシチュエーションでは、カープは予想どおりピニェイロの初球をスイングしている(ファウル)。やはり、カープは初球を執拗に狙っている打者のは間違いない


ついでにいうと、カープに2ランを浴びた後の高橋尚のピッチングもよくない。
オリーボにヒットを許し、ソーシアは次のキャスパーを敬遠させ、1死1、2塁にしてダブルプレーをとりにいった。
この場面で高橋尚は「ストレート系ヒッター」カイル・シーガーに、ストレートを初球、3球目と投げている。3球目のストレートは少し浮いていて、タイムリーを打たれても不思議ではなかった。カープへの「初球、インコース、スライダー」といい、なんでこう配球に厳しさがないのだろう。
この打席、最後は、このブログのスカウティングどおり、シーガーが大の苦手にしている「アウトローのスライダー」で三振させているのだが、どうも高橋尚投手は、きちんと相手打者のスカウティングをきちんと反映して投げているとは思えない。

2011年8月29日 8回裏 シーガー三振 投手 高橋尚


追記: 2011.8.30
これはおまけ。翌日30日のゲームから、カイル・シーガーの4回裏のダブルプレー打。やはりシーガーは「アウトロー」が苦手。

2011年8月30日 4回裏 シーガー ダブルプレー


こういう形でスカウティングが当たっても、ちっともうれしくない。スタメンがだいぶ入れ替わってエンゼルスの野球も変質してきてしまっているのわかるが、それでもやはり、エンゼルスらしくないエンゼルスは、できることなら見たくない。
どうせならキャッチャー出身のソーシアがベンチからすべての配球のサインを出してでも、グウの音も出ないスカウティングで、得意不得意のハッキリしているシアトルの実力不足の若手くらい、ビシッとうちとってもらいたいものだ。


追記 2011.9.2
エンゼルスは上に書いたシアトル4連戦の後、アナハイムに戻って、ミネソタとの連戦を戦っているのだが、初戦を5-12で落としている。
高橋尚は、このゲームの8回無死満塁のピンチで登場したのだが、1死をとった後、ミネソタの9番打者ドリュー・ビュテラという新人キャッチャーに2点タイムリーを浴び、記録上は自責点1だが、実際には3点の失点をしている。
ビュテラという打者は、打率.168という超低打率の「打たれてはいけない」打者。データでみるかぎり、ビュテラのホットゾーンは「真ん中低め」だけしかない。
だが、高橋尚は、その「真ん中低めだけしか打てない打者」に、カウント2-2からわざわざ「最も得意な真ん中低め」を投げ、2点タイムリーを打たれてしまうのだから、いくらデータが少ない新人打者とはいえ、軽率だったと言われても言い訳のしようがない。
真ん中低めに投げてしまったのが、意図的なのか、コントロールミスだったのかどうかはわからないが、この打者のスタッツを見るかぎり、他に簡単に打ちとれる球があったはずだ。
Drew Butera Hot Zone | Minnesota Twins | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN

Minnesota Twins at Los Angeles Angels - September 2, 2011 | MLB.com Classic

ドリュー・ビュテラのホットゾーン

2011年9月2日 LAA対MIN 投手高橋尚 打者ビュテラ



August 28, 2011

キャスパー・ウェルズは、スタメン試合数が少ない選手だが、デトロイトから来た選手だから、ア・リーグ中地区のチームとの対戦経験は10ゲーム前後ある(シアトル移籍後の対戦を含む)。
シアトルはいまクリーブランドに続いて、ホワイトソックスとの3連戦中で、ちょうどア・リーグ中地区との7連戦だから、西地区の投手よりは多少なりともウェルズの特徴をある程度スカウティングしていると思われる中地区のピッチャーたちが、どうウェルズを凡退させるのか、観察してみた。

ウェルズのシアトル移籍後のデータだけからみた基本的特徴のうち、最もハッキリしている特徴は、以下のとおり。得意球種はチェンジアップ、カットボール、苦手球種はスライダー、カーブだが、下に書いたとおり、問題なのは球種より「コース」らしいので、あまり気にしなくていい。
ローボールヒッター
2ストライクをとられると、打てない
インコース、高めが苦手

結論から先にいうと、
新たにわかったことが、3つほどある。
シンカーがまったく打てない
たとえ得意球種でもインコースに投げられると打てない
追い込まれると、ボール球に手を出すクセ


対クリーブランド
第1戦
第1打席 インコース シンカー 死球
第2打席 アウトロー ストレート シングルヒット
第3打席 アウトロー ボール球シンカー ライトフライ
第4打席 アウトコース ハーフハイト ボール球のストレート セカンドゴロ
Seattle Mariners at Cleveland Indians - August 22, 2011 | MLB.com Classic

第2戦
第1打席 インコース高め シンカー サードゴロ
第2打席 ど真ん中 シンカー ファーストゴロ
第3打席 インコース真ん中 ボール球シンカー 空振り三振
第4打席 真ん中高めのストレート 空振り三振
Seattle Mariners at Cleveland Indians - August 23, 2011 | MLB.com Classic

第4戦
第1打席 アウトロー ボール球のカットボール 空振り三振
第2打席 ややインコースより ど真ん中のシンカー ファーストフライ
第3打席 アウトコース ボール球のカットボール セカンドフライ
第4打席 アウトロー スライダー サードフライ
第5打席 インコース カーブ 見逃し三振
Seattle Mariners at Cleveland Indians - August 24, 2011 | MLB.com Classic

対ホワイトソックス ジョン・ダンクス
第2戦
第1打席 外のチェンジアップ 空振り三振
第2打席 インコース低め ボール球のカットボール 空振り三振
第3打席 インコース低め ストライクになるカットボール 空振り三振
Chicago White Sox at Seattle Mariners - August 27, 2011 | MLB.com Classic

クリーブランドの「シンカー」パターン
インコースのカットボールで追い込み、
高めからシンカーを落として空振りさせる

配球の細かい部分は省略させてもらったが、クリーブランドの投手たちは、インコースのカットボールで追い込んでおいてから、シンカーを投げて凡退させるパターンを多用している。持ち球にスプリッターのある投手なら、シンカーのところをスプリッターでも代用できるだろう。
カットボール自体はウェルズの得意球種のはずだが、苦手なインコースに投げられると、とたんにミートできなくなる。ウェルズは球種の得意不得意よりも、よほどインコースに苦手意識があるとみた。
逆にいうと、「苦手なコースのあるバッターとの対戦」においては、球種がたとえそのバッターの得意な球であっても、苦手コースにさえ投げられるなら、なにも怖がる必要はなく、むしろ、凡退させるのに絶好な切り札にできるということ。勉強になる(笑)

ホワイトソックス ジョン・ダンクスの
「カットボール」パターン

高めの球で追い込み
インローのボールになるカットボールで三振

ウェルズを3打席3三振させたホワイトソックスのジョン・ダンクスも、ウェルズの弱点である「高め」「インコース」といった「コースの弱点」を徹底的に突いている。最初に高めを多投して追い込んでおき、最後はインコース低めの完全にボールになるカットボールを振らせるのが、ダンクスのパターン。クリーブランドも使っていた「インコースのカットボール」がここでも使われている。



2011シーズン 選手入れ替えリスト

「ミスター・マンスリー・リサイクル」、選手入れ替えオタクのエリック・ウェッジが、今シーズンに選手を入れ替えたタイミングは、おおまかにいって、4度ある。

5月末前後
ソーンダース、ブラッドリーに見切りをつけ、ペゲーロ、マイク・ウィルソンを試しはじめた。
6月初旬
ルイス・ロドリゲス、マイク・ウィルソンに見切りをつけ、ホールマン、カープなどをコールアップ。その後アックリーをコールアップ。
7月中旬
決定的な17連敗によってポストシーズンを諦め、ペゲーロ、ホールマンに見切りをつけた
8月末
ポストシーズンを諦め最下位に沈んだことで例年通り血迷った無能GMズレンシックが先発投手2人、フィスター、ベダードを放出。ウェルズを起用しはじめ、一度使ってマイナーに落としていたカープ、シーガーを再コールアップ。
9月(予定)
いわゆる「セプテンバー・コールアップ」

資料:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月16日、1ヶ月で燃え尽きる線香花火に火をつけ続けているだけ。エリック・ウェッジのなんとも貧しい「独り花火大会」。

8月以降に4回目の選手入れ替えでエリック・ウェッジが使ってきたカープシーガーウェルズが予想通り賞味期限1か月の線香花火だった。
セプテンバー・コールアップではどうせまたペゲーロでも再コールアップしてきて、シアトルのわけのわからない「2011年エリック・ウェッジ線香花火大会」は、いつのまにか尻すぼみに終わってしまうのだろう(笑)
たった1ヶ月で火が消えてしまうのがわかっている安物の蚊取り線香みたいな選手でも、火が消えたところで、相手がスカウティングしないうちにマイナーに落として、しばらくしまいこんでおけば、相手チームが忘れた時期をみはからって再び取り出し、また火をつけてやれば、また1ヶ月くらいは十分燃える
こんなドアマットの取り換えというか、素人の焚火みたいな選手起用が、能力は無い癖にいつも上から目線のエリック・ウェッジのご立派な「育成」とやらなのだから、おそれいる(失笑)
話にならない。
マイク・カープ
Last 28 days 打率.310 (BABIP .388)
14 days .240 (.310)
7 days .148  (.231)

キャスパー・ウェルズ
Last 28 days 打率.288 (BABIP .382)
14 days .242 (.235)
7 days .188 (.182)


以下に数字だけからみた3人の打者の傾向をあげてみた。ネット上で誰でも入手できる簡単なデータからですら、多少なりともわかることはあるのだから、来シーズン、プロのスカウティングマンの手にかかればどうなるか、誰にでも予想がつくというものだ。

マイク・カープ
典型的なフライボールヒッターであり、なおかつ、典型的なローボールヒッターBABIPの異常に高い打者。スタッツを稼ぐのは、ほとんどがフライによる。ゴロはまったくノーチャンス。
フライボール・ピッチャーにとっては嫌なバッターである反面、グラウンドボール・ピッチャーにしてみれば、これほどダブルプレーをとりやすいバッターはいない。ランナーが1塁にいるケースでは、ゴロを打たせてダブルプレーに仕留めるのを狙うべき典型的なバッターだ。
だが、マリアーノ・リベラがよくやる手を使って、カットボール、あるいはインコースを詰まらせることでセカンドゴロを打たせてダブルプレーに仕留めよう、などとカッコつけると、それはカープの得意な球種とコースだから、むしろ墓穴を掘ることになる。結構な数の投手がこのパターンで失敗した。
ここは、むしろランナーを十分に牽制しておいて、盗塁される危険性も覚悟でチェンジアップやカーブを勇気をもって投げることで、ダブルプレーという最良の結果を手にすべき。もし、ゴロでなく、空振り三振に仕留めたい満塁のようなケースでは、外で追い込んでおいて、カープの得意コースであるインローに、苦手球種のカーブかチェンジアップを「ボールになるように」投げるのが最適。
ちなみに、ア・リーグ東地区の投手との相性がいいのは、カープの得意なカットボールを多用したがる投手が多いためではないか。
独特のカウント感覚を持っている。なんとなくだが、「投手の油断やスキの出るカウントでスイングする変則的な傾向」をもっていると思われる。「ここはスイングしてこない」と投手が考えがちなカウントで、不意打ちをくらわせるように強振してスタッツを稼ぐバッターだから、投手はカウントをとるための低めのスライダーを不用意に投げないことだ。
特にランナーがいるケースでは、待球せず、初球打ちでシングルヒットを打つ奇襲策でタイムリーを稼いできた。ランナーのいないケースでは、逆にボール先行カウントになるまで待つ傾向もあるため、必ずしも早打ちというわけではない。
初球打ちが異常に得意な反面で、早打ち打者の多いMLBにあって誰もがヒッティングカウントにしている0-1を苦手にしているのは非常に珍しい。投手側の計算としては、初球さえファウルを打たせることに成功したら、2球目を振ってこないカープが見逃すような変化球で追い込んでおけば、あとは投手の勝ちだろう。
カイル・シーガーと非常に対照的なバッティング傾向をもつため、この2人の打席が連続するスタメンでは、どちらかが打ち、どちらかが凡退する光景が非常によくみられる。

得意カウント 初球、2-0、1-1、3-1、3-2
特に初球打ち AVE.636 OBP.636 SLG.818 OPS1.455 BABIP.636
苦手カウント 0-1、1-2、2-2
得意球種 スライダー、カットボール
苦手球種 チェンジアップ
得意コース インロー(典型的なローボールヒッター)
苦手コース インハイ
苦手投手 グラウンドボール・ピッチャー
得意チーム NYY,BOS,TOR
Mike Carp Hot Zone | Seattle Mariners | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN

打席例:2011年9月2日 オークランド戦 3回表
キャッチャーフライ
打ったのは、苦手のチェンジアップ。典型的なローボールヒッターで、インローのスライダーやカットボールは得意だが、チェンジアップは、いくらアウトローでも打てていない。

2011年9月2日 SEAvsOAK カープ キャッチャーフライ


キャスパー・ウェルズ
典型的ローボールヒッターインコースに苦手ポイントがいくつかあるのが、メジャーのバッターとしては致命的。P/PAは4.04なのに、BB/PAが去年より悪化していることからわかるように、基本的には3球目までに勝負が決着する典型的早打ち打者で、四球を選ぶタイプではない。
ヒッティング・カウントについては、典型なMLBのバッターで、早打ちタイプ。2球目、3球目に勝負をかけてくる。逆に、0-2、1-2、2-2、フルカウントと、2ストライクをとられると、どんなカウントであってもスタッツがガクンと下がる。
高めが苦手。速球に強いカイル・シーガーと違って、高めの早い球についていけなさそうだ。マイク・カープと違って、チェンジアップは得意。
投手は、インコース、高めが苦手なこと、早いカウントから打ってくること、きわどいコーナーの球でも器用に打てる打者だが同時にボール球でも振ってくる打者でもあること、などを頭に入れて対戦すればいい。
ウェルズの得意なカットボールを投げるなら苦手なのが明白なインコースに投げるべきだし、同じように、チェンジアップを投げたいならストライクでなく、ボールにすることで安全性が高まる。
ローボールヒッターのウェルズへのフィニッシュとして、苦手な高めにストレートで押して三振でもさせるか、ボールになる外の変化球を空振りか凡退させるか、迷うところだが、無理せず、低めの、それもボールになる変化球を投げて凡打させておけばすむ。

得意カウント 1-0、0-1、1-1、2-1(特に1-1)
苦手カウント 0-2、1-2、2-2、3-2
得意球種 チェンジアップ、カットボール
苦手球種 スライダー、カーブ、(8/27追記 シンカー
得意コース アウトロー、インロー
苦手コース 高め、インコース
得意チーム BOS,MIN,OAK.TEX
苦手チーム LAA,CLE
Casper Wells Hot Zone | Seattle Mariners | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN


カイル・シーガー
典型的ストレート系ヒッター。
カープのようなローボールヒッターではないにもかかわらず、なぜかカープと並んでシアトルで最もフライアウト率が高い打者でもある。
いかんせん低めが苦手なのが、後々メジャーのプレーヤーとして致命的になっていくのは明らか。ハーフハイトの甘い球を仕留めるのは得意。スライダーへの苦手意識はたぶん相当なもの。
対戦する投手は、球が浮かないようにコントロールに気をつけつつ、低めの変化球で勝負すればいいだけ、ということが、そのうち対戦チーム全体に浸透するはず。
同地区のライバルとしてこれから数多く対戦しなければならないア・リーグ同地区のエンゼルス、テキサスには、既に低スタッツが既に残されている。同地区だけに、新人といえども既にある程度スカウティングされてしまった、とみなければならない。

得意カウント 初球、1-1、2-0、2-1、3-1、0-2、
苦手カウント 1-2、2-2
得意球種 カットボール、ストレート
苦手球種 スライダー
得意コース インロー、ハーフハイト、
苦手コース アウトロー、真ん中低め
苦手投手 しいて言えばフライボール・ピッチャー
苦手チーム LAA,TEX
Kyle Seager Hot Zone | Seattle Mariners | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN


8月26日のホワイトソックス戦から、シーガーの4打席を抜き出してみた。全打席3球以内に決着しており、まさにスカウティングどおり。よほど追い込まれるのが嫌なのだろう。
Chicago White Sox at Seattle Mariners - August 26, 2011 | MLB.com Classic

2011年8月26日 カイル・シーガー 第1打席外低めのチェンジアップ
センターフライ

スカウティングどおり。

2011年8月26日 カイル・シーガー 第2打席真ん中のストレート
二塁打

ストレートの強いバッターに、ストレート3連投、しかもど真ん中では打たれて当然。

2011年8月26日 カイル・シーガー 第3打席真ん中低めのカーブ
センターフライ

スカウティングどおり。


2011年8月26日 カイル・シーガー 第4打席外低めにはずれるチェンジアップ
空振り三振

初球、2球目と、得意なはずのインコース、ハーフハイトの球を連続して見逃しているあたり、やはり、スライダーによほどの苦手意識があるのだろう。早いカウントでは得意なストレート系に絞って待っていることが、よくわかる。




August 26, 2011

デトロイト移籍後5回目の先発となるタンパベイ戦で、ダグ・フィスターが99球(63ストライク)で3勝目。
デトロイトの大黒柱は言うまでもなく、8月5勝負けなしで、8月の月間最優秀投手が確実どころか、今シーズンのサイ・ヤング賞投手ほぼ当確と思っているジャスティン・バーランダーだが、8月3勝1敗のフィスターも、ほぼ2番手といっていい大活躍だと思う。
Detroit Tigers at Tampa Bay Rays - August 25, 2011 | MLB.com Classic

素晴らしい投球内容だったと思う。
理由は3つ。

一つ目は、「球種の少なさ」。
投げたのは以下の球種だが、基本的に誰でも投げる球しか投げていない。まさに実力の証だ。スプリッターもなければ、高速シンカーも、ナックルカーブもない。といって、ストレートが特別早いわけでもない。たぶんトップスピードは93マイルいってないと思う。
4シーム    41球
スライダー   22球
カーブ     14球
チェンジアップ 14球
2シーム     8球

2つ目は、「リリースポイントの安定感」。
無四球に象徴されるように、いまのフィスターは安定感が抜群だ。その理由のひとつが、この「リリースポイントの安定」だろう。どんな球種を投げてもバラつかないことが、いまの彼のピッチングを支えている。こういう状態のときの投手は、特殊な変化球などに頼らなくても十分ピッチングができる。

3つ目は、「長打を打たれなかったこと」。
打たれた長打はサム・フルドのツーベースのみ。何度も書いてきたが、ホームランを打たれなくなったのは、今年のフィスターの成長を示すポイントのひとつ。


これでポストシーズンでのフィスターの登板を見るのが非常に楽しみになってきた。

それにしても、相変わらずビクター・マルチネスが素晴らしい。今日はDHでの出場だが、1安打2四球の3出塁。荒っぽくバットを振り回して長打を狙うようなかつてのようなバッティングではなく、常にシチュエーションを考え、無駄なプレイをしないよう心がけている真摯な姿勢が、バッターボックスからビシビシ伝わってくる。






いまアメリカ大西洋岸にはハリケーン「アイリーン」が接近しているわけだが、こういうニュースを見るとあらためて日本とアメリカの大西洋岸、アトランティック・コーストの気候が非常に似ていることに気づかされる。


下の図は、ウォールストリートジャーナル電子版から拝借した地図をさらに加工し、日本とアメリカ大西洋岸を同じ緯度に並べてみたものだ。東側に大きな海があること、偏西風の影響とモンスーンの襲来コースの関係など、日本とアメリカ大西洋岸とで、それぞれの「地勢と気候の関係」が非常に似ていることがよくわかる。
日本の地形とそっくりなアメリカ東海岸
左図 アトランティック・コースト(アメリカ大西洋岸)
右図 日本
N.C.=North carolina
S.C.=South Carolina
左図内の青線=過去の巨大タイフーンの進路
Evacuations Begin Off North Carolina as Irene Strengthens - WSJ.com


日本では10分間平均の最大風速が34ノット、約17m/秒以上の熱帯低気圧を「台風」と呼び、アメリカでは1分間平均の最大風速が64ノット、約33m/秒以上の熱帯低気圧を海域別に「タイフーン」や「ハリケーン」などと呼ぶ
日本の「台風」でいうと、フィリピン沖などで熱帯低気圧が発生して北上しつつ発達し、やがて日本列島に沿って弓なりに北東に進路を変えるわけだが、これがアメリカ東海岸の「ハリケーン」では、島国ドミニカ周辺で発生した熱帯低気圧が北上しつつ発達し、やがてハリケーンとなって、2005年にアメリカのニューオーリンズを襲ったハリケーン・カトリーナのようにガルフコーストからアメリカ南部にかけての地域を襲ったり、今回のアイリーンのようにアメリカ東海岸にそって弓なりに北東に進路をかえていったりする。

日本でいう台風の元になる熱帯低気圧が次々に生産される「巣」である「フィリピン沖」は、緯度でいうと、ちょうどアメリカのハリケーンにおける発生源の「ドミニカ」にあたっている。
また、日本の台風が最初に接近する「九州」にあたっているのが、アメリカでは「フロリダ」、日本の台風が最初に上陸する「四国・東海・関東」は、アメリカでは「フロリダからサウスカロライナにかけて」にあたっている。

ハリケーン「アイリーン」


日本とアメリカ東部の大西洋岸は、陸の形が似ているだけではなくて、「海底の形」も似ている。どちらも広大な大陸棚が広がっているからだ。水深の浅い大陸棚の地形が、海水を温まりやすくさせており、台風やハリケーンの発達の原因となり、日本やアメリカ東海岸における湿潤な気候をもたらしている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月9日、アメリカ東海岸からGulf Coastまでの気候と野球文化に大きな影響を与えている「大陸棚」について、もっとよく知ってみる。
アメリカの大陸棚(更新画像)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月8日、ブログ過去記事を参照しながら味わうドジャース黒田の興味深いコメント (2)西海岸と東海岸、気候の違いと「配球文化」の差。または「湿度が高いとボールが飛ばない」という誤解。


先日、100何十年ぶりかにヴァージニア州で地震があって、アメリカ人を仰天させたわけだが、タイフーンでも、2004年3月26日に今まで一度も熱帯低気圧が発生したことのないブラジル沖で、観測史上初めての台風が発生した。

アメリカでのハリケーンの増加、大型化の原因については、いわゆる「地球温暖化」が原因との指摘がある一方で、そうではない、という指摘もある。
全米科学アカデミー(PNAS)は、2006年の会報で「1970年に比べ海面温度が0.5度上昇したことで、同時期のハリケーン、サイクロンの規模が1.5倍から2倍に押し上げられた」としている。
ENVIRONMENT: New Data Erases Doubt on Storms and Warming - IPS ipsnews.net
だが、別の研究者はスーパーコンピューターによる計算結果をもとに、「海水に急速な温暖化が起きたとしても、ハリケーン増加にはほとんど影響ない」との異説を発表している。
Hurricane expert reconsiders global warming's impact - Houston Chronicle

かつて一世を風靡した「地球温暖化」説にさまざまな異論が唱えられるようになったことで、いまではClimate Change(気候変動)という言い方で、干ばつや異常高温のような現象だけでなく、異常低温、局所的な大雨や大雪などを広く包含するようになってきている。
近年のアメリカのハリケーン増加や大型化の真の原因が何かはともかく、地球温暖化という単純な指摘で、いまの気候変動のすべてを説明できるとは限らないことに気をつけていなければいけないのは確かだ。
だからといって、「今のトレンドは、Climate Change(気候変動)という言い方だよ」とか、さも得意気に指摘して喜んでいるだけでは、巨大ハリケーンによる被害を何も解決できない。
パソコンが買った瞬間から性能的に過去の遺物になって古びていくのと同じで、学説などというものは常に陳腐化するのが普通だ。

研究者でない一般人にとって大事なことは、ネットで読んだ程度の耳学問をふりかざして古びた学説をあれこれ揶揄することではなくて、シンプルに、ハリケーンで被害を受けた人たちに思いを寄せることだ。

August 25, 2011

 
アップル ロゴ

The rainbow "bitten" logo, used from late 1976 to 1998.Designed by Rob Janoff

Think Different.
これは1997年にApple社が行ったキャンペーンで使われたスローガンだ。何度読んでも、深い含蓄と、アップルらしいクリエイティビティを感じさせる。
「他社との差別化」は広告手法の基本中の基本なわけだが、このスローガンにはビジネスにおける差別化程度のレベルを越えた深遠なメッセージがある。迷いに迷って道を進んだ挙句に、90年代末に会社が無くなる瀬戸際までいって踏みとどまり、やっと創業時の原点である「創造性」にたち帰る決心のついたアップルの世界観、文化論が、これでもかとばかりに詰め込まれている。

90年代末、MLBがまだステロイド・ホームランまみれだった頃に、アップルは一度、決定的に衰退しかかった。まだiPodも、iPadも、iPhoneもないどころか、iMacすら無く、互換機ビジネスにも失敗。96年にはやる気のない取締役が自社の売却先を求めて右往左往しているような最悪の状態だった。
97年2月になってアップルは、85年にアップル自身の手でクビにした創業者スティーブ・ジョブズを12年ぶりに復帰させ、同年11月に伝説の“Think Different.”キャンペーンが行われた。
翌98年アップルは、黒を基調とするデザインのPowerBook G3を発表すると同時に、1976年から使われ、熱狂的ファン層から常に支持されてきたレインボーカラーのカラフルなロゴを捨て、新しい単色のロゴを採用し、アップルは2001年以降の新たな輝きに向かって歩き出したため、Think Different.キャンペーンはレインボーカラーのロゴでの最後の大規模キャンペーンとなった。


Think Different - Wikipedia, the free encyclopedia

マリア・カラス in Think Different

ジミ・ヘンドリックス in Think Different


テクノロジーで世界を変えてきたアップルのロゴデザインはこれまで何度か変更されている。ロゴ変更は、それぞれの時代においてアップルが世界に提案するテクノロジーや製品すべてについてにかかわる戦略変更宣言を意味していた。
アップルのロゴの変遷
2001年は、イチローにとってはMLBへのデビュー・イヤーだが、アップルにとっては、Linux互換のMac OS Xを発売して、古き良きOS9までのテクノロジーと決別すると同時に、iTunesとiPodを投入して音楽事業に参入した年だ。
2001年からの10年はイチローにとって、ステロイド時代の余韻の残るMLBに独自のプレースタイルを持ち込み、追随を許さないキャリアを築き上げた輝かしいディケイドだが、アップルもこの10年、iPodから、iPad、iPhoneに至る創造的で活発な企業活動を経て、2011年8月10日にニューヨーク株式市場の終値で初めての時価総額世界一になるなど、輝かしいディケイドを過ごした。21歳の若者2人がガレージで始めた会社が、世界一の会社になったのである。


今シーズンのイチローについて、最近アメリカメディアの「ノイズ」が多い。
彼らの記事はどれも似たり寄ったりで、タイトルを読めば中身まで読めてしまうような、そんなレベルの低い記事ばかりで、オリジナリティはまったく無い。単なる「ノイズ」といって、さしつかえない。
例にあげた下記の記事なども、見た目のタイトルと、ページソースに埋め込まれているタイトルが違っている。オリジナリティへの敬意に欠ける創造性の無い人間は、こんな細かい、卑怯な芸当を使ってまでして他人を非難するのだから、哀れなものだ。
記事の例:Ichiro still follows own beat, but out of rhythm | MLB.com: News


2000年にアップル社CEOに復帰し、この10年間アップルを牽引して世界一に引きずりあげたスティーブ・ジョブズが、CEOを辞任するという。
ほとんどの人はジョブズの健康を心配するのだろうが、彼はなんせ名前に「ジョブ」なんてつく超仕事好き男だ、健康を考えて仕事をやめたりするような男ではないと、ブログ主は思う(笑)。おおかた、いつぞやNextでやっていたように、21世紀に入っていつのまにか大企業になってしまったアップルでは成し遂げられない特殊なアイデアでも思いついたに違いない。


2004年に膵臓ガンと診断されたジョブズが、2005年のスタンフォード大学の卒業式に招かれて行った有名なスピーチの一節を、イチローに贈ろう。

死を自覚するということは、
人生の岐路に立っている自分が道を選択するときに、
もっとも重要なツールになる。

なぜなら 
周囲からの期待、プライド、失態や失敗への恐怖
こういったほとんどの事柄は
死を前にすればすべて消え去ってしまって
本当に重要なことだけが残るからだ。

僕たちは裸だ。
だから、自分の気持ちに素直に従わない理由なんて、ない。

他人からのノイズに耳を傾けるな。
自分自身の内なる声に耳を傾けろ。

もっとも大切なことは
自分の心と直観を信じる勇気を持つことだ。
心と直感はすでに君たちが何になりたいかを知っている。
他のことなど、二の次でいい。


何がクリエイティブで、誰がただの猿真似なのか、ひと目で見抜く訓練すら積んでこなかった企業や人間が世の中の表舞台にしゃしゃり出てきたことで、価値観の錯綜してしまった今の時代には、メディアでも、インターネットでも、無価値で無様な意見を堂々と述べ続けている哀れな人間が、掃いて捨てるほどいる。
そういう人間には、誰の仕事かすら区別できない「ノイズ」を生産する仕事がお似合いだ。

そういう「ノイズ」に耳を貸す必要は、まるでない。





August 22, 2011

ブリーチャー・レポートというサイトは昔から好きではない。

というのも、このサイト、もともとの出発点が「ブロガーとアマチュアのスポーツライターに、執筆機会を与えるために出発したサイト」なのだから、主観性の濃さが原点だったはずなのに、いつのまにかマスメディア然としてふるまうようになり、あたかも「ウチは大手のスポーツサイトでござい」というような「フリ」をしているのが、どうも気にいらないのである(笑)
客観的というのは、たとえばMLBでいうなら、総本山Baseball Referenceに代表されるようなデータサイト、ESPNFOXのような歴然としたマスメディア系、いつも深い洞察に基づく興味深いレポートを提出してくれるHardball Timesのような重鎮の長文系分析サイトなどを言うのであって、ブログ主に言わせれば、Fangraphでさえ、主観まみれのデータをあたかも客観的にみせている部分も多く、「うさんくさい」と思っているのに、Fangraph以下の客観性しか感じないブリーチャー・レポート程度がマスメディアづらしているのはまったく感心しないのである。


でも、今日はまぁ、そういうブリーチャー・レポートの個人的評価は置いておいて、以下のレポートを読んでみてもらいたい。

これは、クリーブランドの熱心なファンとおぼしきTom HammerというContributor(寄稿者)が、2009年8月に書いた記事。
クリーブランドの2009年は97敗したこの10年で最も酷いシーズンに終わるわけだが、その年の夏にはまだ監督エリック・ウェッジを翌年どう処遇するのか、2010年もクリーブランドの監督を続けさせるのかは、まだ不明だった。
著者は、過去のウェッジの業績をざっと振り返りつつ、「エリック・ウェッジには、チームマネジメントの上で、ハッキリ欠陥があるのだから、クビにすべきだ」と強く結論づけている。ただ、冷静な分析家らしい著者は「自分はウェッジをクビにすべきだと思うが、チームは彼を来年も使うかもしれない」と懸念している。
だが、結果的に、クリーブランドはウェッジをクビにした。ウェッジがクリーブランドの監督をつとめたのは2003年から2009年までだが、優勝したのは2007年のみ。65勝97敗に終わった2009年を最後にクビになった。
クビになる寸前に書かれたこのレポートは、7シーズンにもわたるクリーブランドの監督としてウェッジがやってきたことを、長所も欠点も長期的に眺めてきた人が、ウェッジの指導者としての欠陥を具体的に指摘し、「こんな監督はクビにすべき」と断定していることに、今のシアトルファンが心して読むべきポイントがある。


急いで訳したので誤訳もあるだろうが、それは勘弁してもらうとして、これを読むと、エリック・ウェッジが2011年にシアトルでやってきたチーム運営の問題点の数々が、彼がクリーブランドをクビになった原因そのものであることがよくわかる。

スタメンをいじくり倒したがる
やたらと若い選手を使いたがる。だからといって、
 選手をとっかえひっかえ使うのは止めない

若い選手をやたらとメジャーとマイナーを行ったり来たりさせる
シーズン終盤、妙に肩入れする選手ができると、たとえどんなに成績が悪くても我慢する
毎シーズンのように、シーズン終盤にロスターを完全に分解し、若い選手を使いたがること
それなのに、「次のシーズンにも、前のシーズンと同じことを繰り返して、チームを毎年のようにバラバラにさせて続けること
今シーズンにこのブログで批判してきたことの大半が、ウェッジがクリーブランドをクビになる前にやっていたことだというのがよくわかるのだ。

この著者がエリック・ウェッジの欠陥について指摘した特に印象的な言葉がある。
ウェッジの欠点は、正しいボタンを押していないことだが、それだけでなく、あまりにもたくさんのボタンを押しすぎてもいる

なるほど。これは膝を叩きたくなる。
この1行を読んだだけでも、このコラムを読んだ価値がある。

Cleveland's Late-Season Success Shouldn't Mean More Eric Wedge
Cleveland's Late-Season Success Shouldn't Mean More Eric Wedge | Bleacher Report
By Tom Hammer(Contributor) on August 28, 2009


This just in: The Cleveland Indians are winning ball games late in the season with nothing on the line and a host of young talent in the lineup.
クリーブランド・インディアンスはシーズン終盤に(ポストシーズン進出のような)重たい何かが懸かっているわけではない勝ち星を挙げ、たくさんの若い選手を起用している。

This sort of story lead may pique readers' interest if it wasn't a script that Tribe fans have read all too often the past five or so years.
このストーリーは、過去5年以上もインディアンス・ファンが頻繁に読んできた記事とはちょっと趣(おもむき)が違うから、彼らを憤慨させることになるかもしれない。

Cleveland has won 15 of 25 and is 22-16 since the All-Star break. That is respectable, especially considering the team had the worst record in the AL at the break.
クリーブランドはオールスターブレイク以降、25試合のうち15試合に勝ち、22勝16敗だ。チームが開幕後にア・リーグ最悪の記録を喫したことを考えると、それは尊敬に値する仕事とはいえる。

To call manager Eric Wedge's seat at the break a hot one, is like calling Tom Brady's wife cute. It is an understatement, and for Wedge fans I'm sure they are feeling vindicated from haters who were calling for his head.
オールスター後のエリック・ウェッジの仕事を「なかなかのものだ」程度に評価することは、トム・ブレイディ(=有名NFLプレーヤー)の妻(=スーパーモデル出身で、美人で有名)のことを「そこそこキュートだね」と評するようなもので、それは過小評価というものだし、ウェッジファンにしてみれば、ウェッジの解雇を要求し続けているウェッジ嫌いの人々から、彼の「クビ」を守ったような気になるほどの業績だろう。

Management made a midseason statement that Wedge would finish the season as manager and they would "evaluate" the team and the direction at season's end.
経営陣は、ウェッジが監督としてシーズンを終えることになると、シーズン途中に声明を出している。シーズン終了時には、おそらく今のチームと方向性に「評価」を与えることになるだろう。(ブログ注:だが、実際にはエリック・ウェッジはクビになった)

If the "evaluation" consisted of viewing the team's progress and results from the All-Star break of this 2009 season forward, then it isn't hard to believe that Wedge will be back next season.
「評価」がチームの進歩や、2009年のオールスターブレイク以降の結果から行われるとすれば、ウェッジが来シーズンに戻って来れるという話に確証がなくもない。(ブログ注:evaluationはエリック・ウェッジが頻繁に使いたがる単語のひとつ)

But doesn't this said evaluation really need to look at the full body of work.
だが、評価というものは仕事全体を見て行われるべきものだ。

Throw out the 2007 run to the A.L championship series and the epic collapse in the Red Sox series, and what you are left with is a lot of high expectations, unreached potential and a less then stellar record that consists of terrible starts to seasons and the annual late season, nothing on the line, push.
2007年のア・リーグチャンピオンシップシリーズへの道のりと、レッドソックスとのシリーズの酷い敗北がファンに残したものといえば、強い期待感、未開発な将来性、そして輝かしいとまではいえない程度の実績だ。それらは、それからの酷い数シーズンと、毎年恒例の、何の切迫感もないシーズン終盤への序章だった。

This doesn't get it done in my eyes. I'm tired of seeing the Tribe mentioned as the AL Central favorite only to look at the standings two to three months in and realize that those expectations won't be fulfilled.
こうした現象は、私の見るところでは、(この惨敗した2009シーズンも)まだ終わってない。私自身は、インディアンスがア・リーグ中地区の本命と言われるのを眺め続けることに、飽き飽きしている。数ヶ月順位を見ただけで、そういう期待が実現したりしないことに、すぐに気づかされてしまう。

Why is it that the Tribe's roster is bulging with talent each season, yet it takes an early season collapse, a complete roster over haul and an infusion of even younger players to net a turnaround in terms of wins?
インディアンスのロスターが毎シーズンのように才能で満ち溢れているのにもかかわらず、毎シーズン序盤で崩壊し、ロスターが完全にバラバラに分解され、勝利への転換をもたらすためとかいう理由で、若い選手たちのロスター注入、というプロセスが繰り返されてばかりいるのは、いったいなぜなのだろう?

My answer is that Wedge isn't pushing the right buttons, or more true to the point, is pushing too many buttons in the early parts of the seasons.
私の答えは、こうだ。「ウェッジは正しいボタンを押していない」。そしてもっとポイントを突く真実だと考えるのは、ウェッジが「旬を迎えた、というには早すぎる未熟なボタンを、あまりにもたくさん押しすぎている」ということ」だ。

Starters, be it pitchers or hitters, never seem to find a rhythm and Wedge is left groping for a myriad of line up alterations, frequent calls to the minors and waiver wires and a general over-reactive management style that kills the team's confidence.
ピッチャーであれ、打者であれ、スタメンは自分のリズムを作れているように見えない。ウェッジは数え切れないほどのスタメン修正を試して、暗中模索ばかりしている。マイナーからのコールアップや、ウェイバーでの選手漁りも頻繁だし、ウェッジの何に対しても過剰反応するマネジメントスタイルによって、チームの信頼感は息の根を止められている。

Later in the season, when there is nothing to lose, he displays extreme patience with guys who are struggling. Heck, they are young players who need the experience so why not run them out there each day to learn their lessons.
(ポストシーズン進出の可能性がなくなって)何も失うものは無くなったシーズン終盤であっても、ウェッジは、悪戦苦闘している選手に異常なほどの忍耐をみせる。若い選手たちには経験が必要なのだから、彼らが毎日何かを学ぶことができるよう、なぜ「見切る」ということをしないのだろう。

Lo and behold, what happens is guys who are playing every day, hitting in the same spot, knowing their roles and having a common goal, getting wins, is a dangerous thing in baseball.
選手たちは毎日プレーして、同じスポットで打ち、自分の役割を理解し、共通の目標を持ち、勝利を得ようとするわけだが、その彼らに起こっていることは、野球において非常に危険なことだ。

Case in point, Andy Marte boosts his average 70 points in a span of eight games and this is a guy who was going to be released because Wedge refused to allow him any consistent playing time early in the season.
例えば、アンディ・マルテは、打率を8試合で70ポイントも伸ばしたのに、トレードされそうになった。というのも、シーズン初期にウェッジが彼にプレータイムを与えることを拒否していたためだ。(ブログ注:資料ありAndy Marte Statistics and History - Baseball-Reference.com

Instead, Wedge preferred to bounce Marte back and forth between Triple A and give him 12 to 20 at-bats and then reach the conclusion he can't hit.
ウェッジはマルテを4度もマイナーとの間を行ったり来たりさせ、12から20打席を与え、結局、彼は打てないとの結論に達した。

Unfortunately, it takes the team languishing in the standings for their manager to adopt a style that gives the team the best chance of winning.
ウェッジのマネジメントスタイルは、チームに勝利へのベストチャンスをもたらそうというものではあったが、不幸なことに、チーム順位の退潮をもたらした。

It's for this reason, and several others unmentioned in this article, that I feel the team has to go a different direction in terms of team management.
こうした理由と、この記事では言及してないいくつかの理由から、私はチームマネジメントの観点からみて、チームをもっと違う方向に進ませるべきだと考える。

Even with the loss of team leaders and stars, this team still has enough talent to compete day in and day out. It's time to get someone who can nourish this potential and get the team playing up to their capability.
チームリーダーやスター選手の喪失にあっても、このチームは今もなお、毎日戦えるだけの十分な戦力を保持している。今こそ、潜在的な力を育てあげ、チームの能力を開花させられる人物を連れてくるべき時に来ている。


このコラムの指摘をよく理解するためには、ウェッジが監督をしていたクリーブランド時代の7シーズンに、どういうふうに選手起用が実行され、その欠陥はどこにあったかをよく調べてみないと、よくわからない点もいくつかある。
だが、それでもなお、クリーブランド時代のウェッジのロスターが、どれくらいコロコロ変わったかを、このコラムから知るだけでも、少しは当時のクリーブランドファンのイライラの片鱗はわかるはずだ。

とにかく、このコラムによって、ウェッジがシアトルでみせている選手起用の「シーズン当初なのに、コロコロとスタメンを変える、落ち着きの無さ」と、「シーズン終盤でポストシーズン進出もなくなっているのに、テコでも気にいった選手を動かない意味不明の頑迷さ」の、両方が両方とも、クリーブランド時代から存在していて、しかも、それが当時から既に「監督としての欠陥」として指摘されていたことがわかったのである。

言い換えると、無能GMズレンシックは、選手選定において、ミルトン・ブラッドリーやバーンズなどの「訳あり物件」を多数購入してきただけでなく、監督選定においても「訳あり物件」を購入していたのである。

2009 Cleveland Indians Batting, Pitching, & Fielding Statistics - Baseball-Reference.com






デトロイトに移籍した(馬鹿なズレンシックに移籍させられた)ダグ・フィスターが、2位のクリーブランドとの首位決戦に先発。もともと大振り傾向のあるクリーブランド打線を6安打1四球で、帳尻打者の散発的ソロホームラン1本だけに抑えて、悠々首位決戦に勝利した。
Cleveland Indians at Detroit Tigers - August 20, 2011 | MLB.com Classic

デトロイト移籍以降、4ゲーム目の登板だが、最初の2ゲームは、なんと9イニング投げて奪三振ゼロ。もともと三振をたくさんとる投手ではないものの、やはりバッテリーとしての呼吸はあっていなかった。
この日の奪三振は7で、今シーズンの最多タイ。

以前の記事で書いたとおり、コメリカパークというボールパークは、センターが馬鹿みたいに広く、特に三塁打が出やすい球場だ。
パークファクターでいうと、それほどヒッターズパークに見えないが、実際にはそうでもないし、セーフコに比べれば、二塁打、三塁打のでやすさは比較にならない。
投手のシアトルからデトロイトへの移籍はどうみても投手に不利な移籍だし、予想されたことだが、移籍によってフィスターのスタッツはだいぶ悪化したが、それでも2勝1敗なのだから立派なものだ。
ダグ・フィスター
移籍前後のWHIP、ERA+の比較

移籍前 1.171 115
移籍後 1.477 87

早く環境に慣れて白星を積み重ねることで、無能GMズレンシックを見返してほしいものだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。

Doug Fister Statistics and History - Baseball-Reference.com






August 19, 2011

前の記事を書いているときに気づいたのだが、投手の被BABIPとDERの関係が非常に強い相関関係にある、てなことを、さもひとつの大発見のように書いたり、BABIPという指標がどのくらい「運」を示すか、なんて無意味な議論に随分と執着している人がいる。
ブログ主は、よくまぁそこまで中身のない議論に時間を浪費できるものだと、ある意味、感心した(笑)


XとYという2つの要素の関係がグラフ上で「完璧に右下がりの直線として表現される」場合、普通はこの2つの要素の間に「なにか世界がひっくり返ったと感じるような神秘的な関係」など存在しないし、ありえない。

こういう場合に考えられるのは、単に「元々ひとつである全体現象を、代表的な2つのカテゴリーに分類した上で話を進めている」とか、「全体総量が決まっている現象において発生している2種類の結果が、相互に極端なパレート最適状態になっている」とか、「Xを算出するのに使ったのと全く同じ基礎データを、Yの算出時にも同時に使ってしまっているため、XとY、2つの数値同士にはもともと非常に強い相関が不可避的に存在している」とか、何かそういうハッキリした原因があって起きているだけのことだ。

被BABIPとDERの関係は、明らかに3番目のケース。
つまり、「2つの指標は、同じデータ群から出発して計算されているため、もともと非常に強い相関関係があるわけだが、それに気がつかない人がこれら2つの指標を比べてみたときには、2つの指標の間に『なにか偶然とはとても思えない、奇跡とでもいいたくなるほど強固な相関関係を発見できたように感じてしまう』という、ほぼ『錯覚』に近い現象」だと思う。

わかりづらいと思うので、たとえ話をしよう。

たとえば、人類全体に占める「女性の割合をX」、「男性の割合をY」、どちらにも属さないひとを定数Rとする。この場合、(男性の割合X+女性の割合Y)は、0.998とか、常に一定の数値になることは、誰にでもわかるはず。こういうXとYの関係をグラフで表現すると「右下がりの直線」にしかならない。
この場合、XとYが意味するのは、「人間」というもともとひとつだった全体現象を、「性別という視点」で2つのカテゴリーに分類してみただけの「分類ラベル」であって、(X+Y)は常に一定数値になるのが当たり前なのだ。これは神秘でもなんでもない。
そんな「いじりようがないデータ」を出発点にして、突然思考の落とし穴にはまって、いったい自分が男として(あるいは女として)生まれたことが「偶然」なのか、「必然」なのかを考え出したとしても、いくら必死に考えたところで結論など出るわけがない(笑)


もう少し別の角度から考えてみる。
いまたとえば、投手が打者に投げたボールをバッターが打ち、ボールがフィールドに飛んだとする。(つまり、四球でも、三振でもなく、またエラーは全体からみれば無視できるほど小さいとする)
変数X=野手が守備によって打球をアウトにした割合
変数Y=打球がヒットになった割合 (ホームラン除く)
定数R=ホームラン

注:変数XをDER、変数Yを被BABIPと、頭の中で置き換えてみてもらってもかまわない。

ホームランが出る確率をほぼ2%くらいの定数とみると、「ヒットになる確率Y」は、係数aを使って Y=1−(aX+0.02)みたいな単純な式として簡単に表現され、XとYの関係は「右下がりの直線」として非常に単純にグラフ化される。もしアウトになる割合が30%くらいの数値になるなら、ヒットになる割合は自然と70%くらいの数値に落ち着くことになるのは当然の話だ。

この場合、ヒットになる確率Yに、どのくらい偶然性が含まれるかを考える議論は、単に人類を男と女に分類していたときに、ふと自分はなぜ男に生まれてきたのか?と考え出して思考停止してしまう落とし穴現象と同じで、数式自体の意味とはまったく別の場所に存在している。
この数式自体が示しているのは、単に、「フィールドに飛んだ打球」というひとつの現象を、「現象X=守備によるアウト」と「現象Y=ヒットの発生」、2つのラベルに分類してみました、というシンプルな意味でしかない。

ただ、そのシンプルさは、野球というゲームのレベルの低さを意味するのではなくて、こういう単純さ、シンプルさこそ、野球というゲームの本質であり、野球のタクティクスの面白さのルーツになっていることを教えてくれる。
「バッテリーが、野手が守っていないところに打球がいかないように配球する」、「野手が、打球がいきそうな場所で守る」、「打者が、その場面で野手がいない場所に打球を打とうとする」、「野手が、誰も守っていない場所に飛んだ打球に、できる限り早く追いつこうとする」などなど。どれもこれも数字マニアが新たな指標を作る動機になりうる基本タクティクスだ。
こうした基本戦略は、複雑に表現しようと思えばいくらでも細分化できるし、細分化の過程で「指標とやら」をいくらでも発明できる(笑)たいていは、いつのまにか指標同士こんがらがって、出発点がどこだったかを忘れてしまい、ひょんなことから同じデータから計算した別の指標同士を比べて、同じデータから計算した双子の指標なのだから似ていて当たり前なのに、それを忘れて、世界の神秘を発見したような錯覚をおぼえたりする(笑)
だが、元を正せば、出発点は常に単純明快で、野球が「守備するプレーヤーがいるところに飛んだ打球はアウトであり、そうでないのがヒット」というシンプルな原則から出発している。


そもそも野球というゲームにおける「ヒット」について、「偶然性を100%排除して、完全に意図されたヒットだけを抽出し、それだけをヒットと呼びたい」と自分勝手に望むことは、なにかと押し付けがましいデータマニアがたいていたどり着く、単なる「個人的願望」でしかない。
個人レベルで何を考え、何を望もうとそれは自由だが、そういう「個人的願望」が、野球という歴史的ゲームの本質をまったく何も左右しないし、左右できもしないことや、野球の本質とは何の繋がりも持たないことくらい、いい加減にわかってもらわないと困る。
なのに、どうも最近、日米問わずだが、自分の「個人的願望」を、野球というゲームの本質と勝手に取り違えて発言している人が、あまりにも多い。日本人もアメリカ人も含め、いい加減、自分の考えを他人に押し付ける「計算ごっこ」が無価値なことくらい、わかってもよさそうなものだ。


これは卑下でもなんでもなくて言うのだが、野球におけるヒットの定義とは、もともと本質的には「フィールド上で、守備プレーヤーのいない場所に飛んだ打球」というくらいの意味しかもたされていない。つまり、「守備によってアウトにできないものを、ヒットといってみただけ」なのだ。「Xでない」と相対的に定義されたものに対して、いくら絶対的定義を求めようとしても、その作業は最初から無意味だ。

言い方を変えてみる。
ひとつのイニングに打っていいヒットの数には、上限はない。何十本ヒットを打とうが、かまわない。なぜなら、「イニングとは3つのアウトになるまでのプレーとして定義されている」のであって、「ヒットの数で定義されているわけではない」からだ。単純な話だ。
ここで頭に入れておかなければいけないのは、「アウトという存在が、いかに絶対的であるか」ということだ。
アウトになる行為は3つまでしか許されない。だが、ヒットはいくらでも、好きなだけオーケーで、「アウトでないもの」はいくら数多く存在していても大丈夫なのだ。そして、守備プレーヤーがアウトに「できる」確率から相対的に、守備プレーヤーがアウトに「できない」確率が計算でき、その大半がヒットと呼ばれる現象になる。
だからこそ、ヒットがどのくらい偶然に生まれるかが気になってしかたがない神経質すぎる人間が、いくらヒットの偶然性をゼロにできる数式をあみだそうと必死になっても、光の速度を誰も越えられないことをアインシュタインが相対性原理で証明してみせたように、そんな数式はもともとこの世のどこにも存在しないのだ。

アウトの絶対性から副次的に定義されるヒットは、アウトの絶対性を越えることは絶対にない」。野球においてこれまで誰も証明しなかったことだが、この記事でここまで書いてきた内容でほぼ証明が終わったように思う。


こんな単純な話がわからない人は
「野球盤」を思い出してみればいい。

フィールドに守備の選手が一定間隔を置いて並んでいる。守備の選手がいるところに打球が飛べば、その打球が、どんなに遠くに飛ぼうが、どんなにきわどいライン際に飛ぼうが、どんなに強烈なライナーが飛ぼうが、そこに守備の選手がいさえすれば、エラーでもしないかぎり、それは単純に「アウト」なのだ
つまり守備するプレーヤーがいるところに飛んだ打球がアウトであり、ヒットの本質とは、アウトにできない打球を放つこと、つまり、「守備でアウトにできない場所に打球が飛ぶこと」なのだ。
例えば、左打者と対戦しているピッチャーにインコースいっぱいだけを
投げさせ、同時に、ライトを守っているプレーヤーをライン上に立たせるとする。バッターがいくらライン際に強烈なライナーを打ったとしても、その打球は、普通ならツーベースヒットかスリーベースヒットだが、実際には「よくあるアウトのひとつ」になるだけのことだ。これは偶然でもなんでもない。
これはイチロー封じを目的に、かつてエンゼルスのマイク・ソーシア監督が実際のゲームでとった守備戦略だ。「守備している場所に打球を打たせる」戦略は、「アウトとは、守備プレーヤーがいるところに打球が飛ぶことだ」という「野球の本質」にダイレクトに根付いている。さすがソーシア。素晴らしい。


そして、「アウトでないもの」の成分は必ずしも偶然性100%ではない。なぜなら、「アウト」がかなりの部分で絶対的な成分でできている以上、「アウトでないもの」にも、かなりの絶対性がつきまとうはずだからだ。打球の質に絶対性が存在しないのは、例えば守備するプレーヤーがアウトにできる確率の問題があるからであって、運とは関係ない。
物事すべて単純化してからでしか思考を始められないような人が、アウト=必然だからといって、ヒット=偶然、そして(アウト+ヒット+ホームラン)=野球、とか、遠くに飛んだ打球だけが本物のヒットだとか、ミトコンドリア並みに単細胞なオツムで単純化しないとモノを考えられないのは勝手だが、その恥ずかしい子供じみた、間違った考えを、他人に押し付けるだけでなく、他人も自分と同じように考えるべきだ、自分だけは正しいと勝手に決め付けるのは、単なる馬鹿だ。

実際に野球の現場で起こっているのは
守備するプレーヤーのいる場所に飛んだ打球+守備のいない場所に飛んだ打球=野球
というシンプルな図式のゲームで、この図式は野球ができたときから変わってない。
「バッターがアウトになるのは、偶然か、必然か」など、考えたければ勝手にどうぞ(笑)いくら統計のチカラで歴史から逸脱できたつもりの計算馬鹿が、数字に溺れて死にかけたとしても、野球がもともと持っているシンプルなルールは何も変わらない。こんなシンプルなルールすら織り込めない計算などに、たいした意味などない。






とある日本のセイバー系サイトで、ちょっと面白いコラムをみかけた。
投手を4タイプに分け、それぞれにチームの守備力との相関を計算したところ、「フライボール・ピッチャーの防御率は、チームの守備力とは、ほとんど何の関係ない」というのだ。
もしこれが本当だとすると、例年フライボールピッチャーばかり集めてきたチームのクセに、守備に大金をかけてきた無能GMズレンシックのチーム編成戦略は「実は、そもそも無意味だった」ということになる(爆笑)
セイバーメトリクス 野球データ分析コラム|SMRベースボールLab


ただ、残念なことにこの仮説、実は
すぐに妥当といいきれるものでもない。

まずは、この著者が導き出した仮説から引用。
DERから導かれた結論
三振型の投手は守備力の影響を受けにくい
フライ型の投手は守備力が低いと成績が悪くなりやすい
ゴロ型の投手は守備力が高い場合成績が良くなりやすい
投手の成績と守備力の関連について〜DERを用いて - セイバーメトリクス 野球データ分析コラム|SMRベースボールLab

UZRから導かれた結論
三振型の投手は外野の守備力が高いほど防御率が低い
フライ型の投手は守備力との関係は認められなかった
ゴロ型の投手は内野の守備力が高いほど防御率が低い
投手の成績と守備力の関連について−UZRを用いてPart1 - セイバーメトリクス 野球データ分析コラム|SMRベースボールLab


読めばすぐにわかるように、著者は、DER(Defense Efficiency Ratio)とUZR(Ultimate Zone Rating)、2種類の守備系指標から2種類の考察を行い、2つの多少異なった仮説を導きだしていている。
たとえばフライボール・ピッチャーの防御率については、DERからの考察では「守備力が低い場合、成績が悪くなりやすい」と相関を肯定しているのに対して、UZRからの考察では「チームの守備力と関係はない」と相関を否定し、2つの違う仮説を導き出している。
そして、困ったことに、著者はDERとUZRで、なぜ結論が変わってくるのか?という点について、十分な説明をしていない。


DERUZRで違う仮説が導きだされる原因は何だろう?
計算間違いとか、仮説の構造にもともと無理があるとか、そういう単純ミスでもない限り、普通は、DERとUZR、2つの指標の本性というか、2つの指標の性質の違いに原因があると考えるのが自然だが、著者は、DERとUZRが高い相関関係にあるとは書いているものの、「DERとUZRの違い、相関性と、投手の防御率に与える影響の差」について十分説明を尽くしているとはいえない。

著者の挙げた数値を見る限り、「DERとUZRの相関度の計算において、DERと内野のUZRの係数と、DERと外野のUZRの係数で大きく違いがあるので、「DERとの相関がより強いのは、内野のUZRである」ようにも見えるのだが、どういうものか、著者はその点について特に何も強調はしてない。

もし「DERとの共通性が強いと言えるのは、主に内野のUZRである」と仮定していいのなら、「投手の防御率と、チームの守備力とのかかわり」については、「内野守備については、DER、UZR、どちらの指標を使ってもほぼ同じ結論が出せる」ことになる。
そして「外野守備については、DERとUZRでは指標の個性の違いが際立ってしまう」のだと仮定すると、「投手の防御率と、チームの外野守備力の相関については、使う指標によって導かれる仮説が異なってしまう」のは当然のことになるわけだが、そのことについて、著者は残念ながら特に言及していない。


しかしまぁ、始まったばかりの議論にそんな細かいことを言っていても始まらない。DERでもUZRでも同じ方向性の仮説にたどりついている部分だけをつまみ食いしてみる。

グラウンドボール・ピッチャーの防御率について筆者は、DERからの考察では「守備力が高い場合、成績が良くなりやすい」、UZRからの考察では「内野の守備力が高いほど、防御率が低い」と、似たような結論が導かれている。
別の言い方をすると、グラウンドボール・ピッチャーの防御率は、DERからみても、内野のUZRからみても、チームの守備力と強い相関関係にある、ということらしい。ちなみに著者は、内野のうち、守備で最も投手の防御率に関係するのは、サードとショートであるとしている。

三振型のピッチャーの防御率については、DERでみると相関は見られないが、UZRおよび外野のUZRの2つとは強い相関関係がある、としている。つまり、「三振をたくさんとれる投手にとって大事なのは、外野のゾーン的な守備力である」ということらしい。まぁ「長打になりそうなボールを捕球してアウトにするとか、三塁打を二塁打に、二塁打を単打にできる、守備チカラの高い外野手が必要」とでもいう意味にとっておくことにする。

最後にフライボール・ピッチャーの防御率は、DER、UZRの両方と、ほとんど相関関係がないらしい。つまり、ここから「フライボールピッチャーの防御率は、チームの守備力とは、実は、ほとんど相関関係がない」という話につながっていくわけで、ズレンシックの守備に大金をかける戦略の無意味さの証明になるわけだ(笑)
もちろん、上で既に書いたように、DERとUZRの指標の個性と投手の防御率の関係にほとんど言及が無い以上、この仮説はまだ十分に議論が尽くされているとは言えないと思うが、なかなか興味深い話だ。
投手の成績と守備力の関連について−UZRを用いてPart1 - セイバーメトリクス 野球データ分析コラム|SMRベースボールLab


まぁ、細かいことを抜きにまとめておこう。
こういうことになる。
●三振を数多くとれるピッチャーには
 良質の外野手が必要。
●グラウンドボール・ピッチャーには
 良い内野手、特に、優れたサードとショートが必要。
●フライボール・ピッチャーは守備とあまり関係がなく
 必ずしも守備に大金をかける必要はない。

残念すぎる守備マニア、ズレンシック(爆笑)






August 17, 2011

そりゃね、しっかりスカウティングされちまう前に選手を、1ヶ月ごとに取り替えながら使い続けてるんだから、誤魔かせるでしょうよ(笑)でもね、そんなドアマットを取り替えるだけで部屋全体が綺麗なように見せかける手口なんて、とっくにバレバレ(笑)線香花火が燃え尽きるたびに取り替える花火大会が、あんたらの言う「育成」?(笑)馬鹿はやっぱり馬鹿だねぇ。

2011シーズン 選手入れ替えリスト


今シーズンのシアトルの選手起用の変遷を、外野手を中心に一覧にまとめてみた。このチームがどれほど行き当たりばったりな花火大会ばかりしてきたか、ひと目でわかるはずだ。クリックして別窓に開いて、しっかり見ながら読むといいだろう。
それぞれの月でメインに使われた選手がひと目でわかるように、それぞれ色分けしてみた。「使い捨てのキッチンペーパーみたいに、選手を使い捨ててローテーションしてきただけ」なのが、一目瞭然でわかる(笑)

4月を中心に使われた選手(赤色)
ミルトン・ブラッドリー
マイケル・ソーンダース
ルイス・ロドリゲス

5月(青色)
カルロス・ペゲーロ
マイク・ウィルソン

6月・7月(緑色)
グレッグ・ホールマン
マイク・カープ
ダスティン・アックリー
カイル・シーガー

8月(黄色)
キャスパー・ウェルズ
ロビンソンなんたら


「4月のみ」だったジャスティン・スモークに
やたら4番を打たせてみたものの、モノにならず大失敗

数字から明らかなように、今シーズン2ヶ月目には既に打率が2割ちょっとに落ちていたわけだが、ウェッジは執拗に4番に起用し続けた。だが、スモークのバットは3ヶ月もの間、湿ったままで、結局ケガがちになって、戦列を離れた。
スモークの数字が特に酷かったのは、17連敗した7月だが、この月、重度の左右病患者のエリック・ウェッジが4番を何度も何度もまかせたのだから、馬鹿にも程がる。相手投手よってスモークとオリーボの2人を使い分けようとしてウェッジは大失敗し、8月には2人とも下位打線に下げた。
なんともお粗末な監督さんだ。(数字は順に、打率、OBP、SLG、OPS)
4月 .284 .393 .527 .920
5月 .229 .333 .417 .750
6月 .226 .318 .419 .737
7月 .141 .211 .188 .399

マトモだったのは5月のみだったミゲル・オリーボに
7月にはやたらと4番を打たせて大失敗

4月が良かっただけのスモークに、17連敗した7月に4番をまかせ続けて大失敗したエリック・ウェッジが、同じ7月に、スモークとのダブルキャストで4番をまかせ続けたのは、5月がマトモだっただけのミゲル・オリーボだ。
たが、この「7月の実験」はかえってオリーボの月別数字で最悪の成績を残させただけに終わり、大失敗。8月には下位打線に下げた。
4月 .217 .256 .313 .569
5月 .267 .352 .387 .739
6月 .189 .196 .489 .685
7月 .188 .188 .304 .492
8月 .216 .211 .243 .454


5月だけは大花火を打ち上げていたライアンも
実は4月と6月の数字は酷いもの

エリック・ウェッジのお気に入りのライアンを2番に固定しだしたのがいつだったかはあまり覚えていないのだが、彼についてはなにかシーズン中ずっと打ち続けているような誤解をしている人をよくみかける。だが、馬鹿馬鹿しくて反論する気になれない。彼のバットが火を噴いていたのは、5月だけだ。
4月 .184 .276 .224 .500
5月 .384 .432 .479 .911
6月 .204 .262 .237 .499
7月 .260 .304 .385 .689

6月の線香花火だったカルロス・ペゲーロに
4番まで打たせてみたクセに、結局マイナー送り

エリック・ウェッジがこだわり続けたひとりが、インコース低めのチェンジアップしか打てないのがわかりきっているカルロス・ペゲーロ。挙句の果てには4番まで打たせたりする執心ぶりだったが、7月にOPS.359と予想通りあえなく沈没。マイナーに返品になった。
5月 .167 .216 .354 .570
6月 .233 .313 .500 .813
7月 .167 .192 .167 .359

さすがにモノが違うと、言いたいところだが
やっぱり下降してきたダスティン・アックリー

言うまでもなく、欠点の少ない素晴らしい打者。それでも、たとえば体が開きやすくなるとか、プルヒッターっぽい欠点が打席で表面化しだすと、とたんに調子が落ちてくる。このところ三振するケースも増えてきたのは、カウント1-2が非常に苦手なため(打率.154、OPS.423)。大半の三振をこのカウントで喫している。また、おそらく内外を使った左右に振られる配球に弱い。
6月 .300 .378 .575 .953
7月 .308 .360 .516 .876

8月 .250 .368 .375 .743
8月 .237 .366 .356 .722(8月20日修正)

まさに8月前半だけの線香花火だった
フランクリン・グティエレス

まぁ、バッティングの成績の酷さは言うまでもない。6月・7月と酷いものだった。これほどまでにひどい状態でも2ヶ月以上使い続けてもらえるのだから、イチローも1試合や2試合打てないくらいクヨクヨしないことだ。
彼は野球選手として本当に超一流だといつも思っているが、唯一の欠点といえるのが「人のよさ」だ。(もちろん、だからこそ、イチローでもあるのだが 苦笑)10年もの間、スターマインを打ち上げ続けてきたイチローには、もう少し他人だの、外国人だのに気がねをせず、徹底したゴーイング・マイ・ウェイで突っ切る行動パターンを身につけてもらえると嬉しいかぎりだ。
5月 .243 .282 .351 .633
6月 .176 .205 .200 .405
7月 .190 .247 .215 .462

8月 .348 .367 .435 .802
8月 .270 .288 .349 .637(8月20日修正)


まぁ、花火にたとえると、2ヶ月もった花火は、アックリーを除けば、どこにもない、ということだ。
ペゲーロやスモークのような若い線香花火はもちろん、オリーボ、ライアン、グティエレスなど、ベテランの線香花火もけして例外ではない。もちろんアックリーは苦手部分のわかりにくい、スカウティングしにくい打者だが、来シーズン以降も安定的にプレーできるとは限らない。


シアトルの打者は火をつけると、たいてい1ヶ月で燃え尽きる。燃え尽きていても使い続けると、たいていは火薬がなくなって、「線香花火の棒だけ」になる。
燃え尽きたあとは、どうなるか。
燃え尽きた線香花火の棒をいじくりたおして可愛がるのが大好きな「燃え尽きた線香花火の棒フェチ」のエリック・ウェッジが、気にいれば使い続けるだろうし、気にいらなければマイナーに返品するだろう。

燃え尽きているのがわかりきっている線香花火で、なおも花火大会を続けようとして大失敗したのが7月の17連敗だが、エリック・ウェッジはその責任すら、明確にしようとはしていない。
それどころか、無能GMズレンシックが投手を安く売り飛ばして、他の店から線香花火を仕入れてきたのをいいことに、まだこの「線香花火大会」を続けようとしている。

カップの中にいくら熱いスープを作ってもすぐに冷めてしまうのは、結局のところ「カップの置かれた部屋が冷え切っている」からだ。単純な話だ。
誰かがよろめいても、このチームの中には、どこにもつかまるところはないから、必ずコケる。椅子の温まらない無機質な野球ばかり繰り返してきた「ツケ」は、イチローやアックリーすら含めて、すべての選手に必ず、直接ノークッションで、回ってくる。






August 16, 2011

2010年に1試合あたり4万人以上の観客動員を記録した球団は、NYY、PHI、LAD、STLの4チームだったが、これらのチームのうち、NYYとSTLが10万人以上、LADに至っては50万人も観客が減ってしまっている。(8月14日時点)
今年の観客動員数トップは、ヤンキースではなく、ロイ・ハラデイクリフ・リーなど、輝かしい先発投手陣を揃え今年も地区首位をひた走るフィラデルフィアになりそうだ。
プラス

以下のデータで、特に表記がない場合、ソースは下記のBaseball Reference。2011年6月14日現在。
Change in Baseball Attendance 2010 to 2011 - Baseball-Reference.com

1試合あたり観客動員4万人以上
PHI 45,502 (1試合あたり 471人増)
NYY 44,836 (1試合あたり ▲1,593人減)
SFG 41,900 (1試合あたり 4,451人増)

観客動員が10万人以上増加したチーム
TEX 407,476 (1試合あたり 6,572人増)
PIT 275,577 (4,751人)
SFG 267,081 (4,451)
CLE 250,422 (4,318)
他にTOR、MIN、MILが10万人以上増加

ホームゲームでの観客動員が増加したチーム
PHI 104.2%
BOS 101.6%
2011 MLB Attendance - Major League Baseball - ESPN

観客を増やすことに最も成功したのは、なんといってもメジャーで最も得点の入りやすいボールパークで試合をしているテキサスだろう。1試合あたり6500人、シーズン通算では40万人も観客を増やすことに成功した。
今年のテキサスのペイロールは96.1Mとかなり多いわけだが、その金額に見合う結果を出しているのだから、100Mかけて100敗したシアトルとは訳が違う。今年のフラッグシップディールの堅実さなどをみても、テキサスの経営能力の高さは本物。
2011 MLB Park Factors - Runs - Major League Baseball - ESPN


マイナス

1試合あたり観客動員2万人以下
FLA 18,379 395
OAK 18,991 661
TBR 19,327 ▲3,549 

観客動員が10万人以上減少したチーム
(2011年8月14日現在)
LAD ▲514,817 (1試合あたり ▲7,920)
TBR ▲209,376 (▲3,549)
SEA ▲191,427 (▲3,138)
他にNYM、STL、ATL、CHW、HOU、NYYが10万人以上減少

ホームゲームでの観客動員が最も減少したチーム
FLA 前年比46.7%
TOR 46.9%
BAL 47.9%
ARI 49.7%
SEA 51.0%
2011 MLB Attendance - Major League Baseball - ESPN

かたや観客を最も大きく減少させたチームは、オーナーのくだらないスキャンダルで経営権を剥奪されて人気チームとしての権威を自ら手放したドジャースを除くなら、タンパベイシアトルということになる。両チームとも、1試合あたり3000人、シーズン通算では約20万人もの観客を失った。


だが、新球場建設を前にして意図的にチームを壊し刷新を図ったタンパベイと、無能GMズレンシックが大金をかけたクセにチーム刷新に既に一度失敗し、二度目の低迷期に入ったばかりのシアトルでは、事情がまったく違う

今シーズン、タンパベイのペイロールは、わずか39.1Mしかない。というのも、2010年オフに主力選手がFAなどで次々とチームを去るのを容認しためだ。マット・ガーザ(CHC)、カルロス・ペーニャ(CHC)、カール・クロフォード(BOS)、ダン・ウィーラー(BOS)、ホワキン・ベノワ(DET)、他にも何人かの主力プレーヤーがタンパベイを去った。
馴染み深い選手たちが一気に減少したことにガッカリした観客はスタジアムから足が遠のいたわけだが、その一方で、8月14日時点でのタンパベイなんと貯金9の地区3位。戦力ダウンした割りには、むしろよくやっている。
そして重要なことは、こうした主力選手放出の見返りにはドラフト指名権獲得がつきものなわけで、タンパベイは2011年ドラフトの1巡目で、なんとメジャー30球団ダントツの10人もの選手を指名することに成功していることだ。
タンパベイはこれらの選手たちに契約金を支払うために、あらかじめペイロールを下げておく必要があった。だから多くの主力を放出に踏み切ったわけだ。
また、2012年に開場を目指した新本拠地建設計画も発表されている。新球場が完成すれば、ほっておいても客の入りが戻ることは、もちろん計算済みだろう。

要するに、タンパベイは意図的にチームを一度壊し、新球場でのリスタートに向けて刷新を図っている、ということ。(まぁ、これがメジャーで言う、普通の再建。シアトルがやっているわけのわからない「選手入れ替えゴッコ」は、ただの「ままごと遊び」。再建ではない
1st Round of the 2011 MLB June Amateur Draft - Baseball-Reference.com

タンパベイの現在の本拠地トロピカーナ・フィールドは、メジャーでもほとんど絶滅したいわゆるクッキーカッター・スタジアム、つまり旧式な人工芝の多目的ドーム球場だ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月21日、ボルチモアのカムデンヤーズは、セーフコのお手本になった「新古典主義建築のボールパーク」。80年代のクッキーカッター・スタジアムさながらの問題を抱える「日本のスタジアム」。
トロピカーナ・フィールドの古さも、新球場建設に至った理由だとは思うけれど、それ以外にもうひとつ、新球場建設の理由があるような気がする。
というのも、トロピカーナ・フィールドは、Batting 92、Pitching 91(Baseball Reference)、0.772(ESPN) という、極端なヒッターズ・パークだらけのア・リーグ東地区には珍しい、典型的ピッチャーズ・パークだからだ。
2011 MLB Park Factors - Runs - Major League Baseball - ESPN
今回の新球場建設にあたって、タンパベイがどういう形状のボールパークを建設する予定なのか、まったく知らないが、なんとなく多少ヒッターズ・パーク寄りに球場特性を変えてくるのではないかと思っている。
というのも、ヒッターズ・パークだらけのア・リーグ東地区にあって、タンパベイだけが1チームだけ投手陣を必死に揃えたとしても、ヤンキースタジアムやフェンウェイでは投手陣が打ちこまれてしまえば、チームは結局優勝できない。ならば、本拠地をもうちょっとヒッターズ・パークに変えることで、ビジター戦での不利をはねのけたい、と、タンパベイの経営者が考えたとしても、おかしくないと思うのだ。
(ちなみに、今年からクッキーカッター・スタジアムのメトロドームから、新ボールパークのターゲット・フィールドに移転したミネソタのパークファクターは、Batting 99、Pitching 99と、非常にバランスのとれたものになった)


まぁ、このタンパベイの今年のドラフトを見ると、85.5Mものペイロールでシアトルのズレンシックがやっているチーム運営が、いかに無計画で、ずさんで、大胆さもなければ、緻密さも欠けていることが、よくわかる。
2009年に就任してからというもの、それなりの大金を任されて運用し続け、そして最下位に沈んでは、ドラフトの上位指名権を多少なりとも手に入れている割には、2011年のドラフトで1位指名できたのは、ダニー・ハルツェン、たったひとり。それも契約できるかどうかすらわからないときている(笑)(たとえば2011年ドラフト1巡目で、ナショナルズは3人、アリゾナ3人、サンディエゴは5人を指名している。ボストンですら4人だ)

若い選手が育つか育たないかは運次第なんて思ってるうちは、チームは絶対に強くなどならない。10人獲って育てていくチームと、育てる能力がもともと無いのに1人しか獲らないチームでは、結果はわかりきっている。






August 15, 2011

いや、もうね。これは脱帽した。
UEFL(Umpire Ejection Fantasy League)っていう、アンパイアが選手とか監督を退場させたデータだけを扱ったサイトだけども、よくまぁ、ここまでこだわれるねぇ(笑)すごい。
Umpire Ejection Fantasy League

このサイトが扱うのは、今シーズン、「いつ、どの審判が誰を退場させたか」どころじゃなくて、「野球規則のどれに該当して退場させたかで、カテゴリー化する」とか、「過去にさかのぼって、どのアンパイアが何人退場処分にしたかをリスト化する」とか、「退場」にこだわりまくったデータ(笑)
もちろん、Mark Rippergerがボストン監督のフランコーナを退場させたデータもとっくにのってて分析もされてる。なんつー早業(笑)

ちなみに、このサイトによる「2005年から2011年まで 最も退場処分を行使したアンパイア ベスト10」と、7シーズン通算の退場人数は、以下の通り。

Joe West 42人
Bob Davidson 37人
Marty Foster 36人
Angel Hernandez 34人
Tim Timmons 30人
Hunter Wendelstedt 29人
Bill Welke 27人
Paul Emmel 27人
Sam Holbrook 27人
Mike Everitt 26人

いやはや。ボブ・デービッドソンは言うまでもなく日米で有名な問題アンパイアだが、他にも、このブログで名前を挙げて批判してきたアンパイアがてんこ盛り(笑)退場者数トップのJoe Westは、1シーズンあたり6人もの選手監督を退場処分にしていることになる。

Joe West
ボストンとヤンキースのゲームの進行が遅いことを正直に指摘して、ジョナサン・パペルボンに名指しで逆批判された。ゲーム進行の遅さの指摘自体は正しいとは思うが、そもそも彼のアンパイアとしての仕事ぶりのほうにも、かなり問題がある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月7日、球審ジョー・ウエストの一方的な不利判定に泣いたダグ・フィスター。Go Home, Joe West with extreme favoritism.

Hunter Wendelstedt
ミネソタ監督ロン・ガーデンハイアーとの確執で有名。退場処分多数。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月7日、ディヴィジョン・シリーズ第2戦で退場させられたミネソタの監督ロン・ガーデンハイアーと、球審Hunter Wendelstedtとの間にかねてからあった軋轢。

Sam Holbrook
なぜかシアトル戦にばかり登場して歪んだストライクゾーンを披露する問題アンパイア。ゾーンにせよ、なんにせよ、判定の偏りが激しすぎる。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月9日、Sam Holbrookのミスジャッジで試合は台無しになったと、語ったエリック・ウェッジは、「気づいた」のか。それとも、「気づかない」のか。


ちなみに、同じデータから、7シーズンで退場させた人数が少ないほうのアンパイアの人数を調べてみると、以下のようになっている。

退場数 アンパイア
0人    14人
1人    4人
2人    7人
3人    1人
4人    5人
5人    6人
6人    3人
7人    6人
合計   46人


メジャーのアンパイアは、選手と同じように「ロスター」というのだが、98人がロスター登録されている。
Umpires: Roster | MLB.com: Official info

上のデータから、98人のロスター・アンパイアの約半分、46人のアンパイアは、1シーズンあたり1人以下の退場者しか出していない、ということがわかる。この7シーズンでひとりも退場させたことがないアンパイアも、14人もいるのだ。

きちんと分析していかないとけして一概に断定はできないわけだが、印象としては、退場処分が発生する原因は、「選手・監督の側に問題がある」のか、それとも「明らかにわかる間違った判定をしたなど、アンパイア側に問題がある」のかは、いわずもがなだ(笑)
アンパイアに絶大な権威がなくなってはゲームにならないのは確かなだけに、ムダに退場者を増やしてファンの興味を削ぐことがないよう、よりアンパイアの側も技術アップを図ってもらいたいところだ。






damejima at 02:25
アンパイア 

August 14, 2011

今日のレーザービームの前からの話だが、しばらくいろいろな角度で考えてはみた。
だが、やはり、エリック・ウェッジが言う「イチローを常にフレッシュな状態で使いたいから、これからはDHでしばしば使う」なんて発言は、そもそもイチローに対する敬意が根本的に欠けている、余計な邪魔をするなと、このブログでは断言することにした。


むつかしい話ではない。
ノーヒット・ノーランを達成しかかっている先発投手に、ムダに話しかけるな、そして、そういう場面で「休め」などという人間は馬鹿だ、ということだ。
そんな言葉は、これまで10年連続でゴールドグラブをとってきたプレーヤーに言う言葉ではない。疲労を防ぐだの、なんだの、そういう生ぬるいことを言うくせに本音の見えない、なにかにつけてイザとなると弱気な男ウェッジ程度の人間の発する言葉が、本気かタテマエか、議論する必要もないし、考える時間も、もったいない。


最前線でプレーヤーとして10年戦ってくることの厳しさや、本当の意味で結果を出して戦ってきた人間への敬意を知っている人間なら、むしろこういうだろう。
「おまえ、きついか。でも、君の何かがかかったシーズンだろう? なら、俺が見ていてやる。死ぬ気でグラウンドに立って結果を出すところを、俺に見せつけてみろ。」と。

本気で相手に期待している人間なら、「適度に休んで、結果を残してくれればいい」などと、生ぬるいこを言うわけがない。
それくらい、今シーズン以降イチローが達成しようとしているものは、本来、重いものだ。その重みを知る者は、この数十年から100年、現れていない。エリック・ウェッジ程度の実績など、比べ物にならない。

重い目標ならば、潰れることもあるかもしれない。だが、周囲はそれを黙って見守るべきだ。ノーヒット・ノーランを達成しかかってゲーム終盤に差し掛かっている先発投手に、あえてムダな世間話で話かける者など、いない。
最も有効な助力は、「余計なことをしないこと」だ。

今日のレーザービームを見た後でも「たまにDHでやってくれ」なんて、ぬるいことが言える監督は、本気の戦いがどこに行われているか、まるでわかってない指揮官としか、言いようがない。

実質終わったシーズンに、来期のスタメンを確保しようと必死にヒットでアピールしようと目をギラつかせている若者どもの戦いなど、見ていてまったくたいしたことはない。
なぜなら、その程度の戦いなら、いくらでも反復、つまり、やり直すことができるからだ。メジャーでそんな程度の低い「あがき」を人前でやらなくたって、別にマイナーにいたとしても、その程度の戦いならいくらでもできる。そういう取り返しのつく程度の戦いに、たいした意味はない。


他方、イチローがこれからやっていく戦いは根本的に違う。
「後戻りできない戦い」であり、イチローのいる場所にしか存在しない。そして、誰もそれを反復することができないし、メジャーでしか達成できない。

ブログ主は常にイチローのプレーに期待している。そしてイチローは毎試合本気でグラウンドに立っていると思っている。

結果?
ハッキリ言っておこう。
そんなもの、出ようが出まいが、まったく関係ない。知ったこっちゃない。何年も最下位を続けてきて、2009年以降の3シーズンで道すじをつけておくべきだった「再建」にすら既に一度失敗したチームが、「二度目の再建」に手をつけようとしている体たらくなのに、いまさらチームもへったくれもあるか。

結果がどうであれ、イチローに休んでほしいと思ったことは、ほとんどない。むしろ、毎ゲーム延長戦になれば、イチローの打席数が1つでも増えて、守備機会も増えるので、そのほうがいいとすら思っている。
DHの件については、むしろ、イチローがもっと守備をしたいのなら監督室に明日の朝にでも直行して、「俺はDHなんかやりたくない。全ゲーム、守備もやらせてくれ。守備評価も俺のサラリーのうちに入っているということは、守備も打撃同様にオレの仕事であるだけでなく、権利でもある」と、自分の意思を自分の言葉でハッキリ伝えるべきだと思う。

そう。勘違いしている人が多いがイチローは守備につく権利がある。


大事なのは、自分の意思をハッキリ表明すること、
他人の意図、人の都合など気にしないと、自分の中でハッキリ決めること、だ。それが、「振り切った人生をおくる」ことにつながる。


注:馬鹿が勘違いするといけないので、注釈をつけて明確にしておく。
ここでいう「振り切る」とは、バットを全力で振り回すという意味ではない。芥川龍之介の『杜子春』という作品を読めばわかる。「振り切る」、というのは、他人の思いに引きずられることなく誰も到達したことのない境地にまっすぐ、脇目も振らず、突進していくことだ。他人の思いを断つことは、人間として本当に身を切るような思いで、その人自身をさいなむことになるが、それに耐えなければ、誰も達したことのない境地には手が届かないと、芥川は言うのである。






これが正真正銘、イチローのトレードマークのひとつ、レーザービームだ。
文句あるなら、どっからでもかかってこいやッ。

判定がくつがえって溜飲が下がって喜べる人はいいが、
ブログ主などは、イチローにまつわる間違った判定、歪んだ判定が平気で下されるような今シーズンの空気を何度も指摘しているだけに、「そこまでやるのか」と、半分怒り心頭でもある。

いい加減にしろや、MLB。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年6月2日、まるで「記録達成」を阻止したいのかとでも疑りたくなるような、今シーズンのイチローに対するアウトコースのストライクゾーン。(1)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年6月2日、まるで「記録達成」を阻止したいのかとでも疑りたくなるような、今シーズンのイチローに対するアウトコースのストライクゾーン。(2)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年6月5日、今日も今日とてイチローと球審との戦い。従来と立ち位置を変え、バッターとキャッチャーの間の隙間「スロット」から判定する今の球審の「アウトコース判定の歪み」。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年6月10日、まるで「記録達成」を阻止したいのかとでも疑りたくなるような、今シーズンのイチローに対するアウトコースのストライクゾーン。(3)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月3日、「ここまでするか」と感じる、2011年オールスター投票の作為。

Baseball Video Highlights & Clips | BOS@SEA: Ichiro makes an outstanding throw to get two - Video | MLB.com: Multimedia

2011年8月13日 イチロー レーザービーム誤判定事件 1
シアトルのキャッチャー、ジョシュ・バードがイチローのレーザービームをキャッチした瞬間。ボストンのサードランナー、エルズベリーは、まだホームプレートの2メートル以上も手前にいる。

2011年8月13日 イチロー レーザービーム誤判定事件 4

ジョシュ・バードがエルズベリーにタッチした瞬間の画像。明らかにアウト。エルズベリーの左足はホームプレートの数十センチ手前にあり、まったくホームプレートには届いていない。エルズベリーが左足膝でバードの顔面を直撃するのは、バードがエルズベリーをアウトにした、もっとずっと後の話。
球審Mark Rippergerの位置と、視線の角度をよく見てもらいたい。これで「角度が悪かった」だの、「見えなかった」だのとは言わせない。明らかに「アウトになった瞬間を見ている」。これで「セーフ」と判定するのだから、あきれるしかない。

2011年8月13日 イチロー レーザービーム誤判定事件 2
バードがエルズベリーにタッチした後で、エルズベリーの左足膝がバードの顔面を直撃した。画像を見ればわかるように、ホームプレートの左上の角がクッキリ写っている。つまり、左足でバードの顔面を膝蹴りした瞬間ですら、エルズベリーの左足のつま先はまだプレートに届いていない。


Boston Red Sox at Seattle Mariners - August 13, 2011 | MLB.com Classic
4回表1、3塁。
3塁ランナーはジャコビー・エルズベリー。今シーズンの盗塁数を言う必要もない。俊足のランナーだ。バッターはこの日4番に座ったダスティン・ペドロイア。カウント2-2から、ライトフライ。
捕球したとき、イチローのカラダの向きは、ホームプレートに向くのではなくて、ややライト側、イチロー自身から見て左側を向いた態勢で捕球している。これはたぶんイチローがよくやるフェイントのひとつ。「この向きでは、ホームプレートには投げられませんよ」と、サードランナーを騙して、「わざとタッチアップを実行させるためのフェイント」だ。
もちろんイチローはあの位置ならホームプレートに矢のような送球ができる。

ゲーム後、エルズベリーはこんな風に自信満々に語っている。
だが、自信家の若造には悪いのだけれど(笑)、語っている内容は単なる勘違いだ。多少スローイングが遅れていても、イチローはエルズベリーを十分アウトにできた。ホームプレートの2メートルも手前でアウトになったクセに、イキがるのもたいがいにすべきだろう。
I knew the throw had to be on the money for him to get me out...I knew it was going to be close.
僕をアウトにするには(ライトからイチローが)ドンピシャの送球をしなければならないことはわかってたよ。クロスプレーになるのは必至だったからね。
Hernandez survives rally as M's hold off BoSox 5-4 - seattlepi.com


MLB公式の動画を止めながらじっくり見ればわかるように、ジョシュ・バードがイチローの送球をミットの中につかまえたときに、サードランナー、エルズベリーはホームプレートの2メートル以上も手前でのんびりと走っていた。

アウトかどうかなど、議論する必要もない。
アウト。それ以外ない。

だが、なんと今日の球審、Mark Rippergerは、これをいったん「セーフ」と判定した。

酷いもんだ。
だから、今シーズン、常々言っている。「MLB全体に、イチローの記録更新を阻止するかのような、おかしな空気があるぜ」と。

ピッチャーのヘルナンデスが反射的に抗議。顎にスライディングを食らって、マスクを吹き飛ばされたバードは、仰向けになったまま起き上がれない。バードの様子をトレーナーが見ている横で、ヘルナンデス、エリック・ウェッジなどが抗議。

その後、このあからさまな「誤判定」は、くつがえった。


このブログが何度もエリック・ウェッジを負け犬呼ばわりしてきた理由が、今日判定がくつがえったことで誰もがわかったはずだ。

明らかな間違いに、きちんと抗議することはまったく間違ってないどころか、そういうことをきちんと実行しないチームこそ舐められる。

球審であれ、相手チームであれ、MLB機構であれ、相手が誰であろうと関係ない。舐められて間違った判定、不利な扱いを受けたのに、それを甘んじて受け入れるのは、負け犬のやることだ。
そんなことだからエリック・ウェッジは負け犬だと言うのだ。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月9日、Sam Holbrookのミスジャッジで試合は台無しになったと、語ったエリック・ウェッジは、「気づいた」のか。それとも、「気づかない」のか。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月24日、みずから牙を抜いて相手にさしだしてチームに「負け犬メンタリティ」をたっぷり塗りこめた「負け犬指導者」エリック・ウェッジの「3ボール四球黙認事件」を批判する。


ブログ主は、今日のゆがみきった判定が当然の結果に覆ったつくらいのことで、手をたたいて喜んだり、エリック・ウェッジを見直したりなど、しない。そんなことするのは、プライドの無い人間のすることだ。ありえない。
当然出るべきだった判定が出たことくらいで、いちいちありがたがったりしてはダメだ。MLBの球審の判定がくつがえることはほとんどないものだ、とか、どうとか、そういう常識論など、知ったこっちゃない。






August 10, 2011

シアトルが明日から15連敗しても、
ブログ主は別に驚かない。

というのも、
人に自分が尻尾を巻いて逃げるところを見せるのが、
勝負事にとって最もダメな行為だからだ。

勝負っていうのはそういうもんだ。

Seattle Mariners at Texas Rangers - August 9, 2011 | MLB.com Classic


ブログ主は今はイチローのヒットしか楽しみにしてないので、別にもうチームとしてのシアトルが勝とうが負けようがまるで気にしてない。

だが、今日のゲームはさすがに酷い。
というか、プロの仕事として恥ずべき行為だ。

まず、どうみてもメジャーレベルでないジョシュ・ルークをメジャーに置いておくこと自体が、チーム編成のミスだ。
そういうモップレベルのピッチャーを、勝ちゲームの7回に使って、けして好調とはいえない今シーズンのイアン・キンズラーにど真ん中のストレートを投げて、2ランホームランされたのは、ピッチャーを使う順序がわかってない、という意味で、無能監督エリック・ウェッジのミスだ。(7回、8回に使うピッチャーはむしろルークでなく、ラフェイとグレイだろう。ルークなどベンチに座らせておけばいい)

だが、そんなミスもささいなミスにしてしまうような最高に酷い、巨大なミスは、7回からすでに登板していて、8回裏には同点打を打たれているメンタルの弱いジェフ・グレイを、無能なウェッジが9回表にさらに使いまわししたことだ。

延長戦に備えたのか何か知らないが、
この監督、本物の馬鹿だ。

結果がストレートのフォアボールだったことよりも、そもそも7回裏から投げていて、同点打も打たれているグレイに、9回裏も投げさせようとする行為自体が、頭がおかしい。

そのノーアウトのランナーを、元シアトルのレフトで、ベタンコートと激突して大怪我をし、その後無能GMズレンシックがトレードに出してしまったアンディ・チャベスが見事なバントで送ると、これをメンタルが弱くクロスゲームにからきし弱いミゲル・オリーボが処理を誤り、ノーアウト1、2塁。その後、ジョシュ・ハミルトンにやすやすとサヨナラ打を打たれた。


もしあの場面で、本当に「オレは負けるのが嫌いなんだ! 勝つんだ!」という強い気持ちのある監督なら、ピッチャーをラフェイからリーグに代えているだろう。

だが、エリック・ウェッジは代えなかった。
そう、「まだゲームが負けと決まったわけでもない、同点なのに、監督という地位にある人間が 「自分からあきらめた」 のである。

まだゲームが終わってもないどころか、同点なのに勝ちを追求しない監督など、プロではない。マジに、これはプロとして「背信行為」であり、「負け犬行為」である。

ゲームが終わった瞬間、エリック・ウェッジが何をしたか。
ベンチから光速で姿を消したのである。


もういちど言っておく。
わざと負けるようなことをするのは、
野球人として最高に恥ずかしい。

7月のエンゼルス戦に続いて、8月にまたしてもエリック・ウェッジは最高に恥ずべきことをした。
おまえは本当にメンタルの弱い負け犬そのものだ。
負け犬エリック・ウェッジ。



ちなみに、ツイッターのほうで発言しておいたが、
なんたらロビンソンとかいうバッターは、絶対にメジャーでは通用しない。
理由? 見ていてわからないほうが、どうかしてる。
インコースの打ち方が全くわかってないからだ。こんな、誰の目にもわかる大きな欠陥があるバッターが、メジャーで通用するわけがない。


今日の球審Chad Fairchaidは、「低めと、右バッターのアウトコース」をまったくといっていいほどストライクコールしなかった。
そのために、シアトルの右バッターで、外の変化球を苦手にしている打者たち、たとえばグティエレスオリーボといったバッターは、アウトコースのスライダーで三振する心配なしにバットを振り回すことができた。
今日の彼らのバッティングの結果をそのまま鵜呑みにするのはアホウというものだ。
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August 04, 2011

最初に断っておくと、この話題を取り上げたのは、ダメ捕手城島にも阪神にも巨人にも、まして「城島問題」にもマリナーズにも、まったく関係ない。単に、純粋に「配球論」として面白いから取り上げるだけだ(笑)(そもそも「日本における城島問題」をある意味決着させてくれた藤井捕手を、このブログが罵倒したりするわけがない(笑)ただ、下記の2本のホームランは彼自身の配球ミスで、言い訳できないと思う)


8月3日のナイターのデータで、こんな2本のホームランを見た。僅差のサヨナラゲームの阪神・巨人戦だ。試合を決めた2本のホームランを生んだ配球に、ちょっとした共通点が隠れている。
ちょっと考えてみてもらいたい。

8回裏 高橋由伸 (投手 小林宏)
2011年8月3日 阪神対巨人 高橋由伸ホームラン

9回裏 古城 (投手 藤川)
2011年8月3日 阪神対巨人 古城ホームラン


そう。
タテの変化球の後に、ストレートを投げている


結論を先に書いておくと、こういう1点を争うゲームでの正解は、やはり、こういう常道の配球だっただろうと思う。
ストレートを投げておいて
 同じ軌道に、タテの変化球を落とす


誰ももう覚えてないだろうが(笑)、2年くらい前に、アメリカの非常に優れた野球サイト、Hardball Timesの「カーブを有効に使う方法」についての配球論を紹介したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(4)「低め」とかいう迷信 研究例:カーブを有効にする「高めのストレート」
元資料:Hardball Times
Pitch sequence: High fastball then curveball

Hardball Timesは「最初にストレート、次にカーブを投げようと思うなら、投げるべきなのは、低めのストレートではなく、高めのストレートだ。そのほうが、カーブの落差が生きる」という主旨のことを書いているわけだが、なんでもかんでも低めのボールがいいと主張してばかりいる日本の野球の退屈な配球論と比べると、「高めか! 異常に説得力がある!」と思わず膝を打ったのをよく覚えている。


議論のポイントは簡単だ。
どうしても打者をかわしたい場面で
1 ストレートの後に、変化球
2 変化球の後に、ストレート
どちらが有効か? ということ。


特にもったいないのは、8回裏の高橋由伸のホームラン。

変化球の後に、ストレート」の流れで勝負して同点ホームランされているが、2球目のフォーク(MLBでいうと、スプリッター)を強振されたというのに、なぜ次がストレートなのだろう。

スイングを見たら確信がもてるのだが、たぶん高橋由の2球目の空振りの「意味」は、「フォークを狙った、当てにいく空振り」ではなく、「あくまでストレート系を狙った、強いスイング」だったのではないか?
定かな記憶ではないが、たしかこのバッター、「いざという打席では、決まってストレートに絞っているバッター」だった気がする。
このブログでも、去年10月にたった一度だけ、この高橋由伸というバッターの傾向について記事を書いたことがあったと思うが、あの記事の打席でも「頑固すぎるほどのストレート狙い」でホームランしているはず。
9回の古城にしても、初球のストレートを空振りされたときのスイングスピードで打者の狙いを感じとっておくべきだったように、データは見える。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編


やはり、ここは、「変化球の後に、ストレート」ではなくて、
ストレートの後に、変化球」だったら、結果は違っていたんじゃないか、と考える。

高めのストレートをしつこく投げ続けてファウルさせ、追い込んでおき、最後にフォークを空振りさせる寸法だ。単純なパターンだが、やはり年季が入ったパターンはハズレがない。実はこれ、テキサスに移籍した上原投手のパターンだ(笑)

今日、ダグ・フィスターが勝ったテキサスvsデトロイト戦にも、こういう「ストレートで追い込んで、変化球で三振」パターンがあった。
特に、8回裏に上原が好調ビクター・マルチネスをスッパリ三球三振にうちとった配球は、ちょっと大投手ロイ・ハラデイばりのシンプルさだった。素晴らしいのひとこと。83マイルのスプリッターが89マイルのストレートの軌道にのるとみせかけて落ちていく、それにあわせて、マルチネスのバットが空を切るのが、非常に美しい。

このシンプルな「上原パターン」でも、何度も言ってしつこいようだが、ストレートを低めいっぱいに決めようとばかりすると、今のMLBの球審は低めをぜんぜんとってくれないこともあって、ドツボにはまる。
「高めのストレートを見せておいてから、変化球を低めに投げるからこそ、カーブやスプリッターが利いてくる」のだ。

テキサス対デトロイト 8回表
打者ビクター・マルチネス 投手:上原

2011年8月3日 テキサス対デトロイト 上原の配球

テキサス対デトロイト 4回表
打者ウィルソン・ベテミット 投手マット・ハリソン

2011年8月3日 テキサス対デトロイト マット・ハリソンの配球






センターが馬鹿広いヒッターズパークのコメリカパーク、かつ、強打のテキサスとの対戦と、打たれて当たり前みたいな厳しい条件の登板だったが、ダグ・フィスターがデトロイト移籍後初登板を、7回3失点、QSで白星スタートを飾った。
3失点も、ほとんどがエラーがらみ。まったく問題ない。フィスターは打線の援護さえあれば、これからも白星を積み重ねて、ポストシーズンでも登板のチャンスがあることだろう。
Texas Rangers at Detroit Tigers - August 3, 2011 | MLB.com Classic


このゲームでフィスターはテキサス打線に何本かの二塁打を打たれたが、あらかじめ7月31日の記事で指摘しておいたように、これはひとつにはコメリカパークの「センターが異常に広い」という形状によるもの。
このスタジアムではセンター脇にシャープな当たりが飛べば、たいていは二塁打になってしまう。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。


だが、今日のゲームでずっと問題だったのは、センターの広さよりも球審John Tampaneの判定だ。
まぁ、低めとコーナーをまったくとらない、とらない
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

なお、カウントによって、メジャーのアンパイアがコーナーいっぱいのボールをストライクと判定しない問題については、以下の記事を参照。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月11日、カウント3-0ではゾーンを広げて四球を避け、カウント0-2ではゾーンを狭めて三振を避ける。あらためて明らかになったアンパイアの「故意にゲームをつくる行為」。

2年くらい前に書いたことだが、テキサスの打者は、ローボールヒッターがほとんどを占める
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:最終テキサス戦にみるロブ・ジョンソンの「引き出し」の豊かさ (1)初球に高めストレートから入る

だから、テキサス相手に勇気をもって投げた低めがことごとくボール判定されてしまうと、ピッチャーは投げる球がなくなって、非常に追い詰められるわけだ。

その追い詰められたシチュエーションを、デトロイトバッテリーは次のような配球でなんとか切り抜けた。
「高めはゾーンぎりぎり、ストライクに。
 低めはゾーン外、ボールにする」

例えば、右打者のインコースに投げるときは、低くはずれるだけではなくて、打者側にボール1個か1個半くらいはずれるボール。アウトコースに投げるときも、低くはずれるのではなくて、ファースト側に外れるボール。

こういうとき、執拗に低めを投げて球審がストライクと言ってくれるのを待っていたのでは、カウントを悪くするばかりで、しかたなく高めにストライクを取りにいって球が浮いたところを痛打されるのがオチ。(=相性のあわないキャッチャーと組んだときのバルガス



それにしても、今日のデトロイト・テキサス戦に限らず、最近の大半のゲームで、かなりの数の球審が、「低め」をストライクコールしなくなってきている、と、ブログ主は感じている。
今日のゲームでも、左打者が見逃したフィスターの低めの投球のほとんどが「ボール」とコールされている。

何度か書いてきたことだが、MLBでは、イチローがメジャーデビューした2001年に「タテマエの上では」ストライクゾーン改定が実施され、ステロイド時代のゾーンからルールブック通りに近いゾーンに改定された、とされている。
だが、その後の調査で明らかなように、ゾーンは必ずしもルールブック通りにはなっていない。
むしろ正確な言い方としては、「ほぼルールブック通りのゾーンを使うアンパイア」、「異常に狭いゾーンのアンパイア」、「ステロイド時代特有の広いゾーンを使うアンパイア」などと、アンパイアごとに使うゾーンはバラバラ、「ゾーンはアンパイアまかせ」という状況が生まれてしまっている。

それがこのところ、新たに「低めをとらない」という判定傾向が今シーズン、突然に現れて出してきている。
「低め」をストライク判定しないとすると、当然のことながら、打者有利の時代が到来することになる。これは、2001年以降10年ほど続いてきたルールブック通りのゾーンの判定基準への「タテマエ的変更」が、転換期を迎えていることを示しているのだが、この点についてMLB機構が何か発表したわけではない。

だが、明らかに、今シーズンのMLBは、「ステロイド・クリーン」なイチローやプーホールズが代表してきた2000年代の「何か」を、排除、あるいは、過去のものにしようとしていると、ブログ主は常々感じている。
今年のオールスター選出での歪んだ経緯を見てもわかるし、またアンパイアの判定傾向の変化も、MLBが90年代のステロイド時代のごとくの「ホームラン量産時代」に向かって、こっそりと舵を切りつつあるのを感じるのである。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (1)「ステロイド時代のストライクゾーン」と、「イチロー時代のストライクゾーン」の違い。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。





August 02, 2011

ダグ・フィスターの話をすると、よく 「あんなに毎回毎回ランナー出すピッチャーが、いいピッチャーなわけがない」とか、「フィスター? たいしたことないだろ、あんなの」とか、知ったかぶりしたがる馬鹿がいる。

基礎的なデータすらロクに見ないで印象だけで喋るから、馬鹿はすぐに恥をかく。

WHIPランキングだけ見ても、一目瞭然だ。
ダグ・フィスターはランナーをやたらと出すどころか、むしろ「ア・リーグで最もランナーを出さないピッチャーのひとり」であり、シアトルにおいては「誰よりも優れた内容のピッチングをしていたピッチャーであり、エースともてはやされるフェリックス・ヘルナンデスより、WHIPの数値は優れている」、というのが事実だ。
また、BB/9(9イニングあたりの四球数)においても、ダグ・フィスターは「ア・リーグで最も四球を出さないピッチャーのひとり」であり、シアトルにおいては「ダグ・フィスターは、フェリックス・ヘルナンデスよりも四球を出さないピッチャー」である。

ア・リーグWHIPランキング
(2011年6月1日現在 以下同じ)
2011 American League Standard Pitching - Baseball-Reference.com

Justin Verlander 0.867
Josh Beckett 0.917
Jered Weaver 0.942
Dan Haren 0.990
Josh Tomlin 1.025
Alexi Ogando 1.040
James Shields 1.073
Michael Pineda 1.077
Philip Humber 1.105
David Price 1.112
---------------------
ダグ・フィスター 1.171 15位
ヘルナンデス 1.206 20位


ア・リーグBB/9ランキング
Josh Tomlin 1.1
Dan Haren 1.3
Jeff Francis 1.7
Justin Verlander 1.8
Carl Pavano 1.9
ダグ・フィスター 2.0
Jered Weaver 2.0
David Price 2.0
Mark Buehrle 2.1
Gavin Floyd 2.1
--------------------
ヘルナンデス 2.8(30位)


ついこの間、ダグ・フィスターがグラウンドボール・ピッチャーに変身した、という趣旨の記事を書いた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。

ダグ・フィスターがグラウンドボール・ピッチャーに変身したことの効果は、ア・リーグのHR/9(98イニングあたりの被ホームラン率)ランキングを見るとわかる。
今年のダグ・フィスターは「ア・リーグで最もホームランを打たれにくいピッチャーのひとり」だからだ。
このHR/9の数値においても、フィスターはヘルナンデスを大きく引き離している。

ア・リーグHR/9ランキング
Justin Masterson 0.2
CC Sabathia 0.3
Jered Weaver 0.4
ダグ・フィスター 0.4
Tyler Chatwood 0.6
Brandon Morrow 0.6
C.J. Wilson 0.6
Edwin Jackson 0.6
Josh Beckett 0.6
Philip Humber 0.6
Dan Haren 0.6
-----------------------
ヘルナンデス 0.7


「グラウンドボール・ピッチャー」
「ランナーを出さない」
「ホームランが少ない」
「四球が少ない」
「ストレートのピッチバリューが高い」

これらが今年のダグ・フィスターのピッチングの特徴だが、もちろんこれらは相互に関連している。ゴロが多く、フライを打たれないなら、当然、ホームランは打たれない。四球が少ないから、ランナーが貯まらず、大量失点しない。
そして、「ストレートが使える投手」というのは、ピッチングにおいて、非常に大きなウエイトをもつ。


フィスターのいいデータばかりでなく悪いデータのほうを見てみると、フィスターの成長ぶりがもっとよくわかる。

今シーズンにフィスター打たれたヒット数は139本で、これはア・リーグ14位にもあたる多さ。H/9(9イニングあたりのヒット数)でみても8.6と非常に多く、ほめられたものではない(それでもシアトルで最も多くヒットを打たれている先発投手のは、フィスターではなく、ヘルナンデスの147本だ)
普通これだけヒットを打たれたら、防御率は酷いことになる。実際、H/9が9を越えている、つまり、毎回のようにヒットを打たれるような投手は、マイク・バーリーのような例外を除けば、ほぼ全員が防御率4点台、5点台の投手ばかりだ。

だが、そこまでヒットを打たれているフィスターのERAは3.33で、これはシアトルで最も優れている。
説明しなくてもわかると思うが、これは、彼が打たれた139本のヒットのうち、100本がシングルヒットで、無駄に四球を出してランナーを貯めたり、ホームランを打たれたりすることが少ないためだ。


もしブログ主がGMなら、2000万ドルと40万ドルの似たような成績のピッチャーがいたら、40万ドルのピッチャーのほうをチームに残し、2000万ドルのピッチャーはトレードに出して、課題のバッティングを強化するのに予算を使う。

当然のことだ。

もし逆の行動をとるとしたら、そのGMにはチームを強化するつもりが本当は無いのだ。

Doug Fister 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com

Felix Hernandez 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com






August 01, 2011

フェリックス・ヘルナンデスのGB/FB/LDデータ


フェリックス・ヘルナンデスは、ピッチャーとしての質が大きく変わりつつある。
上のグラフは、ヘルナンデスの打たれた打球を、ゴロ(緑)フライ(赤)ライナー(青)の3つに分け、それを年次で並べたものだ。
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デビュー当初、ヘルナンデスは極端なまでのグラウンドボール・ピッチャーだったのは有名な話だが、今は年を追うごとにフライボール・ピッチャーになりつつある。
今年のGB%(ゴロ率)は、49.1 %と、キャリアで初めて50%を切っている。


今のヘルナンデスは、ストレートと変化球をだいたい半々に投げ分けるとピッチングスタイルで、カウントを稼ぐのがストレート、追い込んだらチェンジアップ、シンカーといった、変化球を投げる、というのが基本であることくらい、もうほとんどのチームが知っている。
と、いうより、今のヘルナンデスのピッチングスタイルは、ストレートを痛打されては、アウトコースの変化球で逃げ回りながら、どうにか打者を討ち取っている状態、というのが本当のところだ。


いまMLBで最もストレートを投げる率が高いのは、ヤンキースの元サイ・ヤング賞投手、バートロ・コロンの83.4%だが、今のヘルナンデスのストレート率はいまや、わずか54.9%しかない。ストレートで勝負はしていないし、勝負できもしない。
MLB全体で、ストレートのピッチ・バリューが高いベスト10の投手を挙げてみた。今のヘルナンデスのストレートのピッチ・バリューはわずか-2.8しかなく、マイナスの数値だ。いかにヘルナンデスのストレートに信頼が失われたかがわかる。

ストレートのピッチ・バリューが高い投手ベスト10
Justin Verlander 26.4 
Jered Weaver 25.2
Ian Kennedy 19.5
CC Sabathia 19.5
C.J. Wilson 18.3
Scott Baker 18.3
Josh Beckett 17.3
Cliff Lee  16.9
David Price 16.3
Alexi Ogando 16.0
-----------------
ダグ・フィスター 15.4 (11位)

ストレートのバリューに関してだけ言えば、無能なズレンシックがデトロイトに安売りしてしまったダグ・フィスターのほうが、マイナス数値のヘルナンデスよりずっと数値が高いどころか、なんとMLB全体で11位をキープしている
ダグ・フィスターのストレートのピッチバリューは、4シームの速さでMLBファンを驚かせたマイケル・ピネダの9.9よりも高い。勘違いしている人が多いが、マリナーズの先発投手で規定回数に達している4人の中で、最もバリューが高いストレートを投げていたのは、ピネダでも、ヘルナンデスでもない。ダグ・フィスターだ。
ダグ・フィスターは、今年、チェンジアップとストレートを少し減らして、カーブとスライダーを多投するようにピッチングスタイルを変えているのだが、だからといって、ストレートの価値が下がらなかったのだから、たいしたものだ。
Doug Fister » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball


もったいないことをするものだ。
さすが無能なGM。やることが違う。

シンカーとチェンジアップで逃げ回るだけのピッチャーに、
20ミリオンの価値はない。







ブログ主はもう、言葉と行動の矛盾がはなはだしいズレンシックエリック・ウェッジのインタビューを読まないことにした。
目先をごまかしているだけの、頭の悪い人間たちの言うことに、いちいち耳を傾けなければならない理由はない。


ダグ・フィスターは今の時点で、MLBで「最もラン・サポートの少ない先発投手」である。つまり、フィスターがいくら好投しても、味方は点をとってくれないわけで、それが彼の3勝12敗という不幸な成績に直結していた。
ダグ・フィスターは見た目(=見た目の成績)は悪いが、中身(=ピッチングの質)はしっかりしている。

よくエリック・ウェッジは、まったく意味もなくコロコロ変えてばかりいる自分の野手起用の下手さ加減を棚に上げて、「ベテランがー、ベテランがー」とか馬鹿のひとつ覚えで、お経をとなえ続けているわけだが、グティエレスのような打率2割以下でミリオン単位のギャラをもらっている無能な野手に責任をとらせて真っ先に放出するのならともかく、むしろ、明らかに打線の貧打のせいで勝てない先発投手、それも「チームに残りたい」と明言している投手から真っ先に放出してしまうのだから、このチームの監督とGMの言葉と行動には、なんの一貫性もありえない。
だからもう聞く耳を持つ必要などない。


MLBで最もランサポートの少ない投手 ベスト3
ダグ・フィスター 1.97
ダスティン・モーズリー SD 2.55
ジェイムズ・シールズ TB 2.75
Major League Leaderboards » 2011 » Starters » Batted Ball Statistics | FanGraphs Baseball


獲得する側の球団からすれば、フィスターのような「見た目の成績は悪いが、実はピッチングの中身のいい投手」に、かなりの「お買い得感」があることは、説明するまでもない。


そもそもセーフコは「投手有利のスタジアム」なのだから、もし他のチームにダグ・フィスターのような「たまたまランサポートが少ないだけで、成績が悪く見える先発投手」がいたら、そういう「見た目の悪い投手」こそ率先して獲得してきて投手有利なセーフコで投げさせれば、コストパフォーマンスのいい投手に「化けてくれる」可能性がある。(もちろん、もともとダメな投手をいくらセーフコに連れてきても、ダメなものはダメだが。誰をチョイスするかこそ、本当の手腕だ)

つまり、詳しくは後で説明するが
ダグ・フィスターのようなグラウンドボール・ピッチャータイプで、しかもイニングを食える先発投手こそ、あらゆる点でセーフコ向きの投手なのだ。
なのに、セーフコにフィットしたコストパフォーマンスのいいダグ・フィスターを誰よりも先に安売りするのだから、どこまでマヌケなジェネラル・マネージャーなんだ?、という話になるのが当然だ。



去年から今年にかけてのフィスターの変化には、ひとつ、特筆すべき特徴があって、それは「フライボール・ピッチャーから、グラウンドボール・ピッチャーへの変身」という点。
これが彼にとってどれだけ大きな意味があったか、以下にチラッとメモしておきたい。まず、ちょっとGB/FB(ゴロをフライで割った数字。数字が大きいほど、打球のゴロ比率が高い)を見てみる。

ダグ・フィスター GB/FB
2009 1.06
2010 1.36
2011 1.35

ダグ・フィスター GB%
2009 41.3 %
2010 47.1 %
2011 46.4 %


MLBでは「フライアウトのある一定のパーセンテージは、本来なら長打あるいはホームランだったのが、たまたまアウトになっただけ」という考え方は、かなり浸透している。
だから、「あるピッチャーが、ゴロが急増し、フライが激減した」という現象は、ある程度の範囲で 「ホームランを打たれる可能性が非常に下がった」という意味になる。

ダグ・フィスターの場合を見てもらいたい。見事に今年、昔よりはずっと「フライを打たれないピッチャー」に変身している。
HR/FBは「フライに占めるホームランの割合」、HR/9は「9イニングあたりに打たれるホームランの割合」だが、びっくりするほど今年のダグ・フィスターは数字が改善している。
HR/FB HR/9 ホームラン数
2009 14.1 % 1.62 10本
2010 6.4 % 0.68 13本
2011 4.4 % 0.43 7本


MLBの投手のゴロ率 上位
(カッコ内は HR/FB HR/9)
Major League Leaderboards » 2011 » Pitchers » Batted Ball Statistics | FanGraphs Baseball
ジェイク・ウェストブルック STL 61.6 %(13.5 % 0.93)
チャーリー・モートン PIT 59.8 %(7.6 % 0.40)
デレク・ロウ ATL 59.7 %(7.9 % 0.49)
ティム・ハドソン ATL 57.9 %(8.2 % 0.57)
---------------------------------
フィスター 46.4 %(4.4 % 0.43)

ゴロ率 下位(カッコ内は HR/FB HR/9)
Major League Leaderboards » 2011 » Pitchers » Batted Ball Statistics | FanGraphs Baseball
J.A.ハップ HOU 32.4 %(10.6 % 1.33)
マイケル・ピネダ SEA 32.9 %(7.5 % 0.83)
コルビー・ルイス TEX 33.0 %(12.6 % 1.73)


MLB全体でみると、ゴロ率上位の投手では、例えば、今年快進撃中のピッツバーグのチャーリー・モートンがいる。
2010年のモートンは、HR/FBが18.1 %、被ホームラン15本と、酷いありさまだったが、2011年になってそれが7.6 %、5本と、大幅に改善されてホームランを打たれにくくなり、現在8勝6敗。ピッツバーグの久々の首位争いに十分貢献している。
ピッツバーグは他にも、ジェフリー・カーステンズ、ケビン・コレイア、ジェームズ・マクドナルドと、去年より投手成績が改善した先発投手がいるわけだが、どんなコーチがいるのか知らないが、今シーズンの快進撃は案外ピッチングコーチのおかげかもしれない。
ちなみに、2010年にモートンが打たれた球種は、主にカーブ、チェンジアップといった変化球だったが、今年の彼はストレートを投球全体の75%も投げるようにしており、ピッチングスタイルを大きく変えることが、今年の成功につながっている。


逆に、ゴロ率下位の投手では、フィリーのマイナーからヒューストンに移籍して先発投手になったJ.A.ハップの数字が酷い。ホームラン17本を打たれて、防御率6.01、4勝13敗。アストロズ低迷の原因は、ピッツバーグとは逆に、ピッチングコーチのあまりの無能さにあるのかもしれない。
コルビー・ルイスの数字もあまりよくはない。彼のHR/9は1.7で、ア・リーグで最もホームランを打たれやすいピッチャーが、コルビー・ルイスだ。彼のランサポートは6.20で、ダグ・フィスターの3倍以上ある。ようするに、彼が10勝8敗と勝ち星先行でいられるのは、明らかに味方打線のおかげでしかない。


最後にマイケル・ピネダの将来性について。

ピネダはいまメジャー有数のフライボール・ピッチャーだ。
だから、将来も現状のフライボール・ピッチングのままだとすると、現状のピッチングや数値がどうであれ、将来もっと相手チームに研究されだしたときに、外野が広くてホームランの出にくいスタジアムで投げるのには向いていても、狭いスタジアムでは長打を浴びて大炎上という現象が頻繁に起きる可能性をもっている。
実際ピネダは、広いセーフコでの被長打率は.254と驚異的に低いが、狭いフェンウェイでは被長打率.619、失点7と、長打を浴びてボコボコに打たれている。エンジェルスタジアムは基本的には中立的な球場だが、ここも相性がよくない。
Michael Pineda 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com


そのピネダが打たれているスタジアムのひとつが、デトロイトのコメリカパークだ。
コメリカパークは、ゲームを見たことのある人ならすぐわかるのだが、とにかくセンターが異常に広い。左中間、右中間も広いし、それだけでなく、センター後方のエリアがまた、やけにだだっ広い。

よく「広いスタジアムだから投手有利」と単純に思われがちだが、コメリカパークに関してはまったく同意できない

むしろ、まったく逆だ。

ブログ主は「コメリカはヒッターズ・パーク」と確信して、いつもゲームを見ている。
なぜなら、コメリカパークのセンターは、あまりに守備でカバーしなければならない面積が広すぎる。そのため、センターの定位置のほんのちょっとはずれた場所にシャープなライナーを打ちさえすれば、すぐに外野を抜ける二塁打、三塁打になってしまう
ESPNのパークファクターデータによれば、コメリカパークは、メジャーで最も三塁打のでやすい球場のひとつだ。
2011 MLB Park Factors - Triples - Major League Baseball - ESPN

つまり「広すぎる外野は、かえって長打を生む」ということ。

だから、もしデトロイト・タイガースにトレードされたのが、去年からグラウンドボール・ピッチャーに変身をとげることに成功したダグ・フィスターではなく、MLB屈指の極端なフライボール・ピッチャーであるマイケル・ピネダだったら、センターの広いコメリカパークでは長打を打たれまくって潰れる可能性がある。(ピネダと同じように典型的なフライボール・ピッチャーで、シアトルからデトロイトに意味もなくトレードされて潰されたジャロッド・ウォッシュバーンにも同じことがいえる。あのトレードは「フライボール・ピッチャーがコメリカには向いてないこと」をまったく理解しない屑トレードだった)


「広いスタジアム」=「投手有利」と決め付けがちだ。
だが、ピネダのような「フライボールピッチャーは、広いスタジアムだからこそ、長打を浴び続ける可能性もある」ということもある。

だとすれば、外野の広いスタジアムで、
どうすれば長打による失点を防げるのか?

1 フライボール・ピッチャーを先発に揃えた場合
マイケル・ピネダのような、カットボールやシンカーの持ち球のないフライボール・ピッチャーを先発にズラリと揃えると、フランクリン・グティエレスのような、打撃はダメでも守備の上手い外野手を、大金を出して雇い、たくさんのフライを捕らせる必要が出てくる。グティエレスの打撃の下手さ、肩の弱さには目をつぶる。

2 グラウンドボール・ピッチャーを先発に揃えた場合
グラウンドボール・ピッチャーを揃えて、フライをできるだけ打たせない。外野手の守備負担を減らすことで、外野手にはある程度バッティング重視の選手を配置できるようになる。


ブログ主は、後者のアイデアのほうが、外野手の打撃を無駄にせず、貧打を解消につながるとは考えるが、それを実現するためには、ダグ・フィスターのようなグラウンドボールピッチャーを安売りして先発投手陣がフライボール・ピッチャーばかりになってしまっては、まるでお話にならない。

セーフコのような「投手有利といわれるスタジアム」だからこそ、ダグ・フィスターのようなグラウンドボール・ピッチャーを放出し、マイケル・ピネダのようなフライボール・ピッチャーばかり残す一方で、守備だけしかできないグティエレスのような外野手を置いておくのが、いかに固定観念にとらわれた馬鹿か、ということが、おわかりいただけただろうか。


もういちど書いておく。

「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。投手有利なはずのセーフコであっても、そのピッチャーが持ち球にカットボールやシンカーなどがないフライボール・ピッチャーであるなら、長打を打たれまくる可能性は十分すぎるくらい、ある。


貴重なグラウンドボール・ピッチャーを自分の手で放出し、その一方で、外野の大飛球を処理できない守備の下手な外野手を次々にそろえているシアトルの2011年のトレードが今後どういう風に破綻するか、もう言わなくてもわかるだろう。デトロイトに放出すべきなのは、ダグ・フィスターではなく、コメリカパークの広いセンターの守備にうってつけのフランクリン・グティエレスだ。





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