May 2012

May 30, 2012

2011カレッジ・ワールドシリーズ ロゴいよいよ2012カレッジ・ワールドシリーズの組み合わせが決まった。
NCAA Division I Baseball Championship Bracket - NCAA.com
Regional(=カレッジ・ワールドシリーズ地区予選)でシードされるホスト校は、全米ランキング上位校から16校が選ばれるが、大西洋岸のACC(Atlantic Coast Conference)から、フロリダ州立、ノースカロライナ、ノースカロライナ州立、ヴァージニア、マイアミと、最多の5校が選ばれ、カレッジベースボールの中心エリアが、かつての太平洋岸から、急激に大西洋岸にシフトしつつある近年のトレンドを、あらためて示す結果になった。

ただ今年は、去年のカレッジ・ワールドシリーズ本戦出場すらできなかったルイジアナ、UCLAといった、かつて優勝経験のあるACC以外のカンファレンスの強豪校がランキング上位の座を奪還しているので、今年のカレッジ・ワールドシリーズはなかなか面白そうだ。
(昨年の本戦出場校は、ノースカロライナ、ヴァンダービルト、テキサス、フロリダ、カリフォルニア、ヴァージニア、サウスカロライナ、テキサスA&M)
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年6月21日、今月末に決まる2011カレッジ・ワールドシリーズの行方と、近年のカレッジ・ベースボールの勢力地図の「大西洋岸シフト」。

NCAAランキング
NCAA Division I Baseball Rankings - NCAA.com

ESPNのランキング
NCAA College Rankings and Polls - ESPN

Baseball Americaのランキング
BaseballAmerica.com: College: Top 25 Rankings


5月29日現在のNCAAランキングは、以下の通り。

1. UCLA  (9位→2位)
2. Florida
3. Florida St.
4. Baylor  (23位→4位)
5. North Carolina
6. Oregon  (16位→5位)
7. LSU  (14位→7位)
8. Purdue
(カッコ内は、Baseball Americaにおける3月末ランキング順位→5月末ランキング順位の変動。ACCの安定ぶりと、ACC以外の地区の変動が激しいことがわかる)


Baseball AmericaのTop25ランキングの3月から5月への変遷をみてみると、Mark Appelを擁するPac-12のスタンフォードが上位ランキングから姿を消してしまい、また、3月当時は絶好調だったSoutheasternのダークホース、ケンタッキーも成績を落としてホスト校には選ばれなかった。
かわりにPac-12のUCLAとオレゴン、Southeasternのルイジアナが急激に上昇した。
BaseballAmerica.com: College: Top 25 Rankings: College Top 25: May 28


ACCの安定ぶりが今年も見られるのか、
それとも、他地区の巻き返しなるか。

6月15日から予定されている2012カレッジ・ワールドシリーズ本戦に向けたRegional(地区予選)が、いよいよ6月1日から始まる。

今日の球審D.J. Reyburnは、あまり聞き慣れない名前のアンパイアだと思ったら、Wikiによれば、2009年から2010年までは主にドミニカン・リーグでアンパイアをしていたらしい。
D.J. Reyburn - Wikipedia, the free encyclopedia

どんなリーグでアンパイアをしていようと、優秀で公正なアンパイアなら構わない。
だが、「アンパイアが、あからさまにゲームを作ろうとする行為」は、いただけない。
というか、ハッキリ言わせてもらうが、ここまで連続してあからさまに判定を贔屓してゲームを動かそうとする作為を、あまり見たことがない。
Seattle Mariners at Texas Rangers - May 29, 2012 | MLB.com Classic


今日のシアトル先発ジェイソン・バルガスは、何度も書いているように、コントロールが非常にいいピッチャーで、ことに、調子のいいときなどは「針の穴を通す」という月並みな表現を使いたくなるほどのコントロールの持ち主だ。

そのバルガスが強打のテキサス打線をヒット1本に抑えこんだまま、シアトルが4-1と3点リードで、5回裏テキサスの攻撃を迎えた。

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1死走者なしで、
バッターは右のマイク・ナポリ

まず、2球目のインハイの2シーム(下の画像のアルファベットAで示した球。緑色の円に、白ヌキ数字で2と書かれている)

2012年5月30日5回裏 マイク・ナポリ 四球


これは左ピッチャーのバルガスが、右バッターのインコースに投げる2シームで、いわゆる「フロントドア・2シーム」。(下図でいうAの軌道)
これは日本でいう「内角をえぐるシュート」のような軌道の2シームで、バルガスは今日これを右バッターに多投することで、テキサス打線を黙りこませた。
front door と back door

たしかにこの2球目は、ルールブック上のストライクゾーンではボールだが、「右バッターのストライクゾーンは、内外についてボール1個分、広い」というMLBの球審の平均的傾向からすれば、きわどいところを突いている。
だが、「コーナーいっぱいに決まる球は、ストライク判定しないアンパイアが多い」というのも、また、MLBの球審の傾向でもあることだし、2球目がボール判定されたことは、まぁ、問題ない。
参考データ:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月11日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (5)カウント3-0ではゾーンを広げて四球を避け、カウント0-2ではゾーンを狭めて三振を避ける。あらためて明らかになったアンパイアの「故意にゲームをつくる行為」。


しかし、いけないのは、
3-2、マイク・ナポリがフルカウントまで粘った後の10球目の2シームの「ボール判定」だ。

ハッキリ言わせてもらう。
この判定には、球審D.J. Reyburnの「ここでゲームを盛り上げておこう」というあからさまな作為が、ハッキリ現れている。
低めギリギリどころか、かなりストライクゾーンの内側に決まったこの2シームを、球審D.J. Reyburnは、そしらぬ顔をして「ボール判定」し、マイク・ナポリを1塁に「球審が故意に歩かせた」のである。

大きく変化する球ならいざ知らず、それほど大きく曲がるわけではないバルガスの2シームの判定で、これほど真ん中に来た球を「ボール」と判定するなら、何がストライクか。
球審D.J. Reyburnは、他に、このコース近辺の球を、他のイニングにおいては何度も何度もストライクコールしている。

だから10球目の判定は絶対におかしい。
マイク・ナポリは本来、見逃しの三振だ。

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次は、
ナポリの「球審D.J. Reyburn作為の四球」に続き、ヨービット・トレアルバのシングルヒットで、無死1、2塁となった後、9番クレイグ・ジェントリーの打席の初球、3球目、6球目の判定だ。

これはもう、酷すぎてお話にならない。
よくここまであからさまに連続して贔屓判定できるものだ。
ここまであからさまなのは珍しい。


まず初球の2シーム(下図で、アルファベットのBで示した球)。

これなどは、ストライクかボールかを論じる必要すら感じない。球審D.J. Reyburnは、よくこのストライクを、恥ずかしげもなく「ボール」と判定できるものだ。このときたしかマウンド上のバルガスが大きな声を出して球審に話しかけたが、無理もない。こんなのをボールと判定されたんじゃ、たまったもんじゃない。


そして、「ボール」と判定された3球目のチェンジアップ(下図で、アルファベットのCで示した球)。

この判定も相当ひどい。
左ピッチャーのバルガスが、得意のチェンジアップを右バッターのインコース一杯に決めるのだから、球の軌道は当然アウトコース側から入ってきて、ストライクゾーンをハッキリと横切り、インコース一杯に決まっている。球審D.J. Reyburnは、よくこのストライクを恥ずかしげもなく「ボール判定」できるものだ。

また、フルカウントから投げた6球目のチェンジアップにしても、インコース低め一杯に決まったのだから、ボールの軌道は十分にストライクゾーンを横切っている可能性は高いわけだが、この球も球審D.J. Reyburnは「ボール判定」している。

これでは投手は投げる球など、なくなってしまう。
次のバッター、イアン・キンズラーが初球の真ん中低めのカーブを併殺打してくれてチェンジになったからいいようなものの、もしこの打球が抜けて大量失点しているようなら、試合の流れは大きくテキサスに傾いたはずだ。

ナポリも、ジェントリーも、見逃し三振の判定が正しい

2012年5月30日5回裏 クレイグ・ジェントリー 四球


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プレート間近で判定する球審に、あらぬ言いがかりをつけているように思われても困るので、以上の話を、いつものBrooks BaseballのPitchFXで検証しておこう。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

下記の図で、マイク・ナポリへの2球目(アルファベットのA)、クレイグ・ジェントリーへの初球(B)、3球目(C)が、それぞれハッキリと確認できる。
また、マイク・ナポリへの10球目は、見た目にわかりにくいが、アルファベットのAで示した2球目から数えて、2つ左に位置している赤い三角形の陰にダブる形で隠れている。明らかにストライクである。

ナポリについても、ジェントリーについても、それぞれ複数球の判定が間違っており、そこには「故意にゲームを作ろうとする球審の作為」があると断定せざるをえない

2012年5月30日 球審J.D.Reyburnの判定


それにしても、最近のヘスス・モンテーロがマスクをかぶったゲームでのリードは酷い。ほとんどの球をアウトコース低めでお茶を濁そうとしている。これでは相手に手の内を読まれて当然だ。まるでかつてのダメ捕手城島を見ているかのようだ
今日ジェイソン・バルガスは右バッターのインコースを果敢に攻めてテキサス打線を牛耳ったわけだが、キャッチャーはジョン・ジェイソだった。

ジェイソン・バルガスは、ミニ城島みたいな単調なサインしか出せないヘスス・モンテーロとは、絶対にバッテリーを組むべきではない。

May 26, 2012

呆れ果てて、モノも言えない。

5月25日はダスティン・アックリーのボブルヘッドデーだが、その日のスタメンに、当のアックリーの名前がないのだから、呆れる。
Ackley sitting out on Ackley Bobblehead Night « Mariners Musings

エリック・ウェッジは、取材記者にこう答えている。


メモしわすれた





打てるかどうか気にしなくていいから、いんじゃね?





南極かどっかに島流しにしたほうがいいな。
こういう馬鹿は。



Eric Wedge sits Dustin Ackley on his bobblehead day | HardballTalk


May 25, 2012

マイアミ・マーリンズのキャッチャー、ブレット・ヘイズは以下にみるように、マーリンズのキャッチャー受難史を乗り越えてマスクをかぶっている期待の星「だった」わけだが、今日も今日とて、記録上はワイルドピッチの実質パスボールや、三本間の挟殺プレーでサードランナーを追いすぎてセーフにしてしまったりと、なんともいえない未熟ぶり。やれやれ(苦笑)
San Francisco Giants at Miami Marlins - May 24, 2012 | MLB.com Gameday

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ジョン・ベイカー John Baker
2002年ドラフト4巡目指名。2008年メジャー昇格。
2009年、2010年と、ロニー・パウリーノと併用された。相手先発が右投手の場合は左バッターのベイカーが先発し、左投手の場合は右バッターのパウリーノが先発した。
2010年に肩を負傷し、シーズン終盤にトミージョン手術を受ける。後にサンディエゴにトレード。

ロニー・パウリーノ Ronny Paulino
2009年3月にサンフランシスコからトレード。
当初ベイカーと併用されていたが、ベイカーの肩の怪我によるDL入りにより、単独で正捕手になる。しかし、2010年8月20日に薬物違反による50試合の出場停止処分を受けてしまい、チームにメジャークラスの捕手がいなくなる非常事態の発端を築いた。後にFAでメッツ移籍。
Paulino suspended for positive PED test | MLB.com: News

ブレット・ヘイズ Brett Hayes
メジャー昇格前は、ベイカー、パウリーノの後を継ぐべき将来の正捕手候補と嘱望され、大事に育てられていた。
2010年夏に、ベイカーの怪我を受けて単独正捕手になったパウリーノが薬物問題で出場停止という緊急事態が発生すると、2010年8月20日以降、経験の浅いヘイズがマーリンズの正捕手を務めることになった。
だが、そのヘイズも、正捕手になってわずか10日ばかりたった8月31日のナショナルズ戦で、外野手ナイジェル・モーガンにタックルされて左肩を脱臼、シーズンを棒に振ってしまうことになる。
チーム内には、ただでさえ足りない貴重なキャッチャーを壊したモーガンに対する憤りが渦巻いた。



Brett Hayes 2010 Batting Gamelogs - Baseball-Reference.com

参考)
ブレット・ヘイズの怪我に対する報復事件
2010年9月1日 ナショナルズ対マーリンズ戦
ブレット・ヘイズが肩を脱臼した翌日のゲームは、ナショナルズが3-14の大量リードを奪われていたが、4回表、マーリンズ先発クリス・ヴォルスタッドが、ナイジェル・モーガンにデッドボール。明らかに、前日のゲームで自軍キャッチャーの肩を脱臼させられたマーリンズ側の、モーガンに対する「報復死球」とみられた。ここから報復合戦が始まる。
ぶつけられて出塁したモーガンは、「大量点差の状況では、盗塁はしない」という「MLBの不文律」を故意に破り、二盗、三盗を立て続けに決め、「報復死球」に対して、さらに「不文律に反する盗塁、それも、2連続の盗塁」で報復した。
6回表、モーガンが再び打席に立つ。すると、マーリンズ先発ヴォルスタッドは、再びモーガンの背中側を通過する球を投じた。モーガンは即座に血相を変えてマウンドに駆け寄ると、拳(こぶし)でヴォルスタッドを殴ったため、両軍ベンチが空っぽになるほどの乱闘に発展。4人の退場者が出た。


さらに7回裏、こんどはナショナルズのピッチャー、ダグ・スレイトンが、6回の乱闘時にモーガンを最初に地面に抑えつけたマーリンズ一塁手ゲイビー・サンチェスに「報復の報復の報復」となるデッドボール。これによってスレイトンとナショナルズ監督リグルマンが退場処分となり、退場者は合計6人を数えた。
Washington Nationals at Miami Marlins - September 1, 2010 | MLB.com Wrap

2011年7月6日、「MLBでは不文律を絶対に破らない」という不文律は、「どこにも無い」。 | Damejima's HARDBALL

参考)バスター・ポージーの大怪我
2011年05月25日マーリンズ対ジャイアンツ戦
延長12回1死1、3塁の場面、浅いセンターフライでマーリンズのサードランナー、スコット・カズンズがタッチアップ。ジャイアンツの期待の新鋭、捕手のバスター・ポージーは完全にホームをブロックしていなかったにもかかわらず、カズンズはタックルを敢行。
ポージーは左下腿腓骨骨折と左足首靱帯断裂の重傷を負い、シーズン絶望となり、一時は選手生命も危ぶまれると言われたが、2012年復帰。
Miami Marlins at San Francisco Giants - May 25, 2011 | MLB.com Wrap

ブラッド・デイビス Brad Davis
ジェイソン・バルガスと同じカリフォルニア大学ロングビーチ校の出身。2004年ドラフト5巡目指名。
2010年7月21日メジャー初昇格したものの、マイナーに戻されたが、8月になってパウリーノの薬物問題による出場停止という緊急事態が起きたことで、メジャーに緊急昇格、ブレット・ヘイズの控え捕手となった。
そして8月31日にヘイズの肩の脱臼というさらなる緊急事態が発生したために、2010シーズン終盤のマーリンズは、本来メジャーの選手とはいえないこのブラッド・デイビスが33ゲームでマスクをかぶるという「非常事態を越える非常事態」に陥ってしまう。翌年2011年6月に戦力外。
Brad Davis 2010 Batting Gamelogs - Baseball-Reference.com

クリス・ハッチャー Chris Hatcher
2006年にマーリンズが5巡目指名。
2010年9月にメジャーデビューしているが、これはもちろん、いわゆるセプテンバー・コールアップによる昇格ではなく、ベイカーの肩の怪我、パウリーノの出場停止、ヘイズの脱臼、マイナーのデイビスの緊急正捕手で、控えキャッチャーですらいなくなるという緊急事態に伴った措置。4試合にキャッチャーとして出場した。
後に、肩の強さを見込まれ、投手に転向。2011年7月16日にリグレー・フィールドで投手デビューを果たす。捕手の投手転向は、1936年ボストン・ブレーブスのアート・ドール以来、75年ぶりの珍事。
Chris Hatcher 2010 Batting Gamelogs - Baseball-Reference.com

ジョン・バック John Buck
2010年トロントで、打率.281、ホームラン20本と、まとまった打撃成績をおさめたことで、2011年11月18日にマーリンズとの間で総額1,800万ドルの3年契約を得た。
打撃面でも期待された3年契約ではあったわけだが、1年目の2012年はここまで124打数18安打、打率.173という不振ぶり。
John Buck 2012 Batting Gamelogs - Baseball-Reference.com

May 23, 2012

5月21日にグレートアメリカン・ボールパークで行われたシンシナティ対アトランタ戦で、非常に珍しい、というか、途方もない「ファンの記録」が生まれた。
Atlanta Braves at Cincinnati Reds - May 21, 2012 | MLB.com Classic


4回裏に「3者連続ホームラン」が生まれたのだが、なんと、この3者連続ホームランの最初の2本のホームランのボールを、左中間にいた同じ大学生の男が「連続してキャッチ」したのだ。
誰もいないガラガラの外野スタンドならいざ知らず、周囲にファンがそれなりに密集した状態での達成なのだから、よくこんなことが出来たものだと感心してしまう。


ファンの立場からすれば、スタジアムでホームランボールをキャッチすることだけでも、めったにあることじゃないし、嬉しい出来事だ。
2度ホームランをキャッチした経験がある、というだけでも、日本のブログなどでも記事にして自慢している人もいるくらいの珍しいことであり、なかなかおいそれとできることじゃない。達成している人は、よほど運がいいと思う。

まして、それが1試合に2個なら、もうそれだけでニュースになってもいいくらいの出来事だ。

だが、この男性の場合、
2連続キャッチ」なのだから、これはもう凄まじい。

しかもそのホームラン自体も、「3者連続ホームラン」のうちの、最初の2本。しかも1本目のホームランは、シンシナティの投手Mike Leakeが放ったキャリア初本塁打なのだから、おそれいる。
いくら長いメジャーの歴史とはいえ、もうこんなことは2度と起こらないんじゃないだろうかと思えるし、他人事ながら、この人、一生分の運を使い切ってしまったのではないかと心配になる(笑)
Lucky Cincinnati Reds fan snags balls on back-to-back homers - ESPN


これがどのくらい凄い出来事か、ちょっと数字を挙げてみよう。

あるサイトが東京ドームを例に、「ファンがホームランボールをキャッチする確率」を計算している。
記事によると、ホームランボールをキャッチする確率は、東京ドームの場合で、約3836分の1(0.026%)程度で、たとえ毎試合ゲームに通っても、3836試合、約60年かかる、らしい(笑) 
ホームランボールをキャッチする確率は? [野球・メジャーリーグ] All About

オハイオ州シンシナティにあるグレートアメリカン・ボールパークの収容人員は42,059人だが、実質収容人員47,000人弱といわれる東京ドームと比べて少し少ないが、めんどくさいので、仮にグレートアメリカン・ボールパークと東京ドームの外野の収容人員は「ほぼ同じ」としておこう。

すると、ホームランボールを2個連続でキャッチするのに必要な年数は、いったい何年くらいだろうか。

仮にホームランボールを1個をキャッチするのに必要な試合数を、東京ドームと同じ「3836試合」とすると、MLBは日本のプロ野球より年間試合数が多いわけだから、3836÷162≒23.68年。毎日球場に通っても、ホームランボール1個キャッチするのに、「約24年」もかかる計算になる。

これが、ホームランボール「2個」のキャッチなら、どうなるか。
もし連続でキャッチできるかどうかを全く問わず、そして、たとえ「24年間に1回は、必ずキャッチできる」と仮定したとしても、2個キャッチするのには最長で24年×2、なんと「48年」もかかってしまう計算になる(笑)

もちろん、この「48年」という数字にしても、「どんなに時間がかかってもかまわないから、ホームランボールを2個キャッチする計算」でしかない。「2個を連続でキャッチする計算」ではないのだ。


問題の「2個連続でホームランボールをキャッチする計算」が果たして、24年×24年=576年になるかどうか、なんだか頭が混乱してきてよくわからなくなってきた(笑)
少なくとも言えるのは、2個続けてホームランボールをキャッチするなんて出来事は、おそらく300年とか、500年とかという単位でしか起こらない出来事だろうということだ。



ちなみに、MLBでの連続ホームラン記録は、「4者連続」で、これまでMLBの長い歴史の中でもわずか7回しか達成されていない。(そのうち、2度達成に加わった唯一のプレーヤーが、J.D.ドリュー。2006年にドジャースで、2007年にボストンで達成している)
List of Major League Baseball home run records - Wikipedia, the free encyclopedia
MLB4者連続ホームラン記録


日本での連続ホームランは、MLBよりひとり多い5者連続ホームランが日本記録で、1971年5月3日にあの東京スタジアムで達成された。(ロッテ対東映、10回表。ロッテ佐藤元彦投手から作道烝、大下剛史、大橋穣が3者連続ホームラン、代わった佐藤政夫投手から、張本勲、大杉勝男が連続ホームランで、5者連続を樹立)
なお、4者連続ホームランは、50年大洋(大沢清、藤井勇、平山菊二、門前真佐人)、76年阪神(中村勝、掛布、ラインバック、田淵)、83年西武(立花義家、スティーブ、田淵幸一、大田卓司)、86年ヤクルト(若松勉、レオン、ブロハード、広沢克巳)の4度達成されているらしい。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:東京スタジアム を含む記事

May 20, 2012

イチロー ファインプレー 2012年5月17日 クリーブランド戦
2012年5月17日 クリーブランド戦のファインプレー
クリックして別窓で見てもらいたい。
また、5月2日タンパベイ戦のファインキャッチの連続写真風画像も参照のこと。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年5月2日、イチロー、メジャー通算安打数2462本到達でオジー・スミス越え。1ゲーム10刺殺の球団新記録も達成。


まぁ、たしかに動画の時代ではある。
だが、特別な一瞬を静止画で切り取ってみたときに、かえってプレーの凄味が理解できるというのも、プロのスポーツというもの。

身体能力」という言葉があるけれども、
もしこの言葉をイチローに使わなかったら
いったい他の誰に使えばいいのだろう。


5月17日クリーブランド戦でのファインキャッチ
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@CLE: Ichiro leaps to make a nice catch in right - Video | MLB.com: Multimedia

イチローに関するMLB公式動画リスト
Multimedia Search | MLB.com: Multimedia

イチロー ファインプレー 2012年5月17日 クリーブランド戦


イチロー ファインプレー 2012年5月17日 クリーブランド戦




おまけ
5月17日コロラド戦8回表のマット・レイノルズ
イチローに対する配球
Seattle Mariners at Colorado Rockies - May 18, 2012 | MLB.com Classic

5月17日コロラド戦でのマット・レイノルズ8回の配球

これは単なるオマケだが、インターリーグ初戦のコロラド戦8回表に、イチローがファーストゴロに倒れた打席の配球。

何度も書いてきた「アウトハイ・インロー」の非常にMLB的な配球で、しかも、初球アウトハイにチェンジアップ、2球目インローにストレート系と、「内と外で、球種を変えている」という点でも典型的だ。
また、最後の決め球が、日本でよくあるアウトコースの4シームやスライダーではなく、「プレートの真上に落ちてくる変化球」というのも、MLBらしい。

なんというか、非常にうまく「高さと低さ」「スピードとオフスピード」「ストレートと変化球」がブレンドされている。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:カテゴリー : メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」damejimaノート

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(1)「外角低め」「ストレート」という迷信

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(3)「低め」とかいう迷信 あるいは 決め球にまつわる文化的差異

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(5)実証:ロブ・ジョンソンと城島との違い 「1死1塁のケース」



May 19, 2012

図1
アメリカの1歳以下の乳児全体に占める
「マイノリティ」のパーセンテージ

Census: Fewer white babies being born – In America - CNN.com Blogs
州別・乳児に占めるマイノリティ率


参考図
メジャーの球団所在地のバラつき
紫色で示した州:ア・リーグ、ナ・リーグ両方の球団がある州
ピンクで示した州:どちらかのリーグの球団だけがある州
MLBの球団所在地の州別のバラつき


図2
2011年オールスターで
前年より視聴率の上がった地域・都市

出典:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月18日、去年より低かった2011MLBオールスターの視聴率 (2)700万票以上集めた選手すら出現したオールスターの「視聴率が下がる」現象は、どう考えても納得などできない。
2011年オールスターで視聴率の上がった地域・都市

図3
2010年ワールドシリーズで
テキサスとサンフランシスコのどちらが優勝するか
州別ファンの予想(赤色がテキサス)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月25日、東西を2分する2010ワールドシリーズの優勝チーム予想。
2010WS ESPN ファンの優勝予想(320ピクセル)



図1の元になった話題は、アメリカの1歳未満の乳児において、白人が初めて過半数を割り込んだという、アメリカ国勢調査局発表のニュースで、図は、CNNが、その国勢調査局発表データから州別の図に起こしたもの。非常に素晴らしい仕上がりである。
このニュースでいう「マイノリティ」、つまり「少数派」とは、ヒスパニック系、アフリカ系アメリカ人である黒人、日本人を含めたアジア系など、要するに、「白人以外」あるいは「有色人種」のことを指している。

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これだけ多様な人種が混在する多民族国家アメリカの居住者を、「白人」と「有色人種」、2つのカテゴリーのみに分類する観点もどうかと思うが、とりあえず、このニュースの観点では、アメリカの1歳以下の乳児における「マイノリティ」は、かつては「有色人種」を指していたわけだが、それがいまや「白人」になった、ということになる。
もちろん人口動態の傾向からして、今後ともこの有色人種増加傾向が継続されるのは間違いない。

言いたいのは、「有色人種万歳」などというレイシズムではなくて、このニュースだけに限っては、今までメディアで頻繁に使われてきた「マジョリティ、マイノリティ」という二分法を無理矢理あてはめながら物事を説明しようとすること、そのものに破綻が生じてきている、ということだ。

言い換えると、このニュースは「アメリカ社会においては、これまで頻繁に使われてきた「マイノリティという人種的なラベリング」が用をなさなくなりつつある」という話。
なのに、その「マイノリティという分類法が意味をなさないニュースにおいて、マイノリティという言葉を使って説明しようとしている」ことに論理的に無理が生じるのは、当然の話だ。
だが、まぁ、ここはそういうややこしいことを議論する場所ではない。詳しい議論は割愛しておく。

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さて、オリジナルのCNNのサイトの図では、各州の上にカーソルを重ねると、乳児だけでなく、各州における「1歳以下の乳児」「18歳以下」「人口全体」、3つのボリュームについて、州別に「マイノリティの人口比率」が右側に表示されるという、素晴らしい仕組みになっている。
野球関連メディアについてもいつも感じさせられることでもあるが、こういうちょっとした点に、アメリカのジャーナリズムの質の高さ、読者に理解しやすくする努力の姿勢を、ヒシヒシと感じさせられる。
ぜひ一度、オリジナルサイトを訪問して、この素晴らしい図の出来具合を体験してみることを勧める。

なお、オリジナルサイトのデータによれば、アメリカ南西部では、人口に占める非白人比率が、カリフォルニア州60%、テキサス州55%、アリゾナ州43%と非常に高いのに対して、ワシントン州28%、オレゴン州22%と、アメリカ北西部の州では、逆に、高い白人比率が堅持されていて、「同じアメリカ西海岸でも、南と北とでは、人種構成に大きな違いがある」ことが、ハッキリ理解できたりする。

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こうしたアメリカ社会の人種的な意味での変容のトレンドは、MLBも無関係ではないどころの騒ぎではなくて、いろいろな面で、非常に深い関係が出ている。また、今後はもっともっと色々な面で強く影響が現れてくるはずだから、この話は、日本のMLBファンの誰もが頭の隅に覚えておくべきニュースだと思う。

もちろんそれは、球団のマーケティングやチーム強化戦略について考えるときの基礎データとしての意味だ。人種意識をいたずらに煽ろうとするような、悪質な意図は全くない。それぞれの人が、それぞれの問題意識に照らして、上の図1-1を解釈したらいいと思う。
とにかく、単純な決めつけだけはしてもらいたくない。こういうことは常に自分で心しておかないと、いらない偏見だけが育つことになる。

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決めつけが良くないという例を、ひとつ挙げておく。

MLBでは、たくさんのベネズエラやドミニカの選手たちが活躍している、という記事を先日書いた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年4月5日、MLBのロスターの3.5人にひとりは、メインランド(アメリカ大陸の50州)以外の出身選手、というESPNの記事を読む。(出身国別ロスター数リスト付)

だが、ベネズエラやドミニカの選手が多いからといって、MLBで、すべての「白人以外の選手」が全体として増加しているかというと、そんなことはないのである。
アメリカのスポーツメディアでは、アフリカ系アメリカ人、あるいは、かつて多かった中米プエルトリコ出身の選手たちが、減少しているという記事を最近よく目にする。

資料:MLBにおける「アフリカ系アメリカ人プレーヤー」の減少
Number of African-American baseball players dips again – USATODAY.com

Decline Of African-Americans In MLB Discussed As League Marks Jackie Robinson Day - SportsBusiness Daily | SportsBusiness Journal

資料:MLBにおけるプエルトリコ出身選手の減少
Puerto Rico Traces Decline in Prospects to Inclusion in the Baseball Draft - NYTimes.com

資料:増大するドミニカ出身選手の将来像分析と、MLBにおけるプエルトリコ出身選手の減少グラフ)
Baseball in Latin America: Draft dodgers no more | The Economist
ドミニカ、ベネズエラ、プエルトリコのMLB選手数推移


つまり、言いたいのは、
アメリカで、これまでマイノリティと呼ばれてきた人種の人口が増加傾向にあるからといって、それがそのままMLBにおける白人以外の選手や、白人以外のファンの増加傾向に直結していると決めつけてはいけない、ということだ。
何度もしつこく書いて申し訳ないが、単純に決めつけてはいけないのである。判断は、もっとさまざまなデータ、記事、事実などから、時間をかけて公平になされるべきだ。

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とはいえ、
最初に挙げた図1、図2の重なりを比較してみると、
図1、図2において、濃い薄い両面で、「ピッタリ重なる地域」が存在することは、否定できない。


つまり、
いくら「軽々しく断言することは間違った行為だ」とはいえ、さすがに大西洋岸と並んで、全米でも非常に野球の盛んな地域のひとつであるカリフォルニアからテキサスにかけてのエリア、つまり、MLBでいう「西地区」でのマーケティングにおいては、非白人の動向が無視できない、くらいのことは言っても問題ないだろう。(逆にいうと、アメリカ中西部と東部の内陸の一部における野球やプロスポーツへの関心の低さも)

ア・リーグ西地区3州における非白人比率(%)
      カリフォルニア州 テキサス州 ワシントン州
1歳以下    75        70      44
18歳以下   73        67      40
全人口     60        55      28

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ちなみに図2は、去年イチローが初めて落選したオールスターの選考プロセスがあまりにも納得がいかないことから記事を書きまくっていた時期に、自作したものだ。
だから、世界中どこのサイトを探しても、この図は落ちていない。気になったデータというものは、やはりとっておくものだと、つくづく思う。こんなところで繋がってくるとは正直思わなかった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月18日、去年より低かった2011MLBオールスターの視聴率 (2)700万票以上集めた選手すら出現したオールスターの「視聴率が下がる」現象は、どう考えても納得などできない。

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あらためて確認しておきたいが、たった2つや3つのグラフから、単純に「MLBを支えているコアなファン層は、非白人層が中心だ」とか、「西海岸でのMLBチームのマーケティングで、非白人層の存在を十分考慮しないマーケティングは、間違っている」とか、単純に結論づけられるものでもない。
現実ってものは、そんな単純なものじゃない。

例えば、ファンにも様々なタイプがあることを考えてもわかる。
スタジアム入場料金の高さは、アメリカのメディアでもよく取り上げられるが、スタジアムに来るにしても、有料のケーブルテレビを契約して観戦するにしても、いずれにせよ、金はかかる。
中には、高額なシーズンチケットを購入して球団にお金を落としてくれるのに多忙で時間がなくスタジアムにあまり来られないファンもいれば、スタジアムに足しげく通いたいために高額な席を敬遠する層もいるだろうし、スタジアムには来ないが有料のケーブルテレビで毎日試合を観戦してくれる層もいれば、海外旅行のついでにスタジアムを訪れ、市街地でも買い物や食事で大金を落としていってくれる外国人もいる。ファンの形もさまざまだ。

だから球団運営についても、スタジアムの入場料収入やユニフォームの売り上げなどを重視するオーソドックスな考え方もあるだろうし、最近のエンゼルスやテキサスのように、ケーブルテレビから入ってくる超高額の収入をアテにしたチーム強化戦略をとる考え方もある。
非白人比率の高くなっているテキサスやカリフォルニアでの球団運営戦略として、ケーブルテレビを重視する球団運営は、非常に理にかなっていると思う)

どの観客層から、どんな収入を得るか、何を球団マーケティングの中心とみなすかは、地域差やチーム事情による違いがあるが、それぞれのチームの特性に応じた施策が必要なのは言うまでもない。

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少なくとも今の時点でシアトルに関して言いたいのは、
目を開けて、時代を見ろ、ということ。
年々相対的にレベルの低下していっているドラフト対象の白人プレーヤーの現状に目をつぶるかのように、ドラフトで獲得しまくり、ラインアップに若い選手を並べてみました、
というだけで、
アメリカ南西部の強豪に負けない強い球団をつくり、
しかも
スタジアムを満員にしていける、そんな時代ではない。
ということだ。

そんな甘い見通りなど、通用するわけがない。それは、いくら白人比率の比較的高いと「思われている」ワシントン州シアトルであっても、だ。
そんな「ヤワな策略」で、ケーブルテレビの高収入をもとに、あらゆる国から人種と価格を問わず、優れたスカウトマンが、優れた選手をかき集めてきて、優れたコーチが上手に若い選手を育成してメジャーに上げてくる西地区の強豪を凌駕できる、わけがない。

自分のいる場所の現状さえわからないようでは、ダメだ。
ワシントン州の人口に占める非白人比率は、現状たしかに28%と低いが、1歳以下の乳児に限れば、既に44%もの高率になっている。ワシントン州で近未来の非白人比率が高まるのは、確実だ。
モンタナやアイオワ、ワイオミング、ダコタのように、全体人口においても乳児においても白人比率が高く、そのかわり、MLBの球団が存在しない (ひいてはプロスポーツのマーケットそのものが無い)州とは、まるで事情が違うのだ。(だからといって、ベネズエラ人のフェリックス・ヘルナンデスでセーフコフィールドが満員にできているわけでもない。そこがシアトル独特の難しさだ)
時代の変化に目をつぶっている人間を置き去りにして、
時代は容赦なく変わっていく。


May 15, 2012

無礼な人間にリクツなど、いらねぇわ。

「イチローは典型的な3番打者ではない。イチローは相手に大ダメージを与えるタイプの打者ではなく、ヒットを量産するタイプ」
だと?


いい気になりやがってから、このボケが。

腰ぎんちゃくのオッサンよ。
イチローがいままで何本ヒット打ってきたと思ってんだ、コノヤロ。

しかも、殿堂入りプレーヤーでさえ普通最速でも17ーズン以上かかるヒット数を、たった11シーズンやそこらで達成してきたんだぞ? 殿堂入りプレーヤーでさえ目じゃない超スピードでヒット打ってきたんだつぅの。
ヒット量産タイプなことくらい、シーズン始まる前どころか、10年も前からわかってんだよ、この、能無し。ボンクラ。

1番イチローの走・攻・守」が、今まで、どれだけ相手の、ピッチャー、バッター、ランナー、監督、コーチ、チーム、スカウティング担当者に、大ダメージを与えてきたか。
ヘタレのガキばっか並べた、イチロー除いたチーム打率がたった2割しかねぇ、くだらねぇチームにしてきた自分とGMの責任をイチローに押し付けてんじゃねぇっての。
盗塁も自由にできない「3番」に置いて、せっかくの能力を宝の持ち腐れにした上、3000本安打の邪魔までしてんのは、ほかならぬ、てめぇ自身のせいだろうが。ボケ。

サッサと辞任せぇや。エリック・ウェッジ


「礼儀を知らない」てぇことは、
文明の無さの最たる現われなんだぜ。

May 11, 2012

2勝1敗と勝ち越したデトロイト3連戦におけるイチローの活躍は、それはそれは素晴らしいものだったのだが、イチローのプレーの意味、深さをきちんと語りきるだけの能力が、日本とシアトル、どちらのメディアにもないようだ(笑)
ならば、しかたない。基本的なことばかり書かなければならないのでメンドクサイが、このブログで多少触れておくことにする。
デトロイトの弱点であるブルペン投手を打った選手を持ち上げて騒いでいるようなことでは、野球の面白さなんて、伝わりっこない


バーランダーフィスターポーセロシャーザーベノワバルベルデデトロイトの主力ピッチャーは、ほぼ全員が右投手だ。
そのせいか、基本的にチーム全体が「左バッターに対する苦手意識」を持っている。(もちろん、優れたバッター、優れたピッチャーは、「左右病」なんてもの自体に縁がない)
ここに、まず第一のポイントがある。

デトロイトのスターター全体のERAは、3.75とそれほどかんばしくもないが、これはシャーザーなど、4番手5番手のローテ投手のERAが良くないからそうなるだけのことで、バーランダー、フィスター、スマイリーの先発3本柱のERAは十分過ぎるほど優れた数字であり、また、彼らはバッターが左か右かをそれほど気にしない。

4月の初登板で脇腹を痛めていたフィスターの復帰によって、デトロイトはシアトル3連戦に「数字のいい主力スターター3人」をズラリと並べることができた。しかも、そのうちのひとり、ドリュー・スマイリー(一部メディアでは『シミリー』と表記している)は、デトロイトでは貴重な左の先発。
だから、地区優勝を狙うデトロイトとしては、なおさらシアトル3連戦は「負け越すわけにいかないカード」だった。

そして先発投手は3人ともゲームを作った。
フィスター    7回4安打無四球 失点なし
バーランダー  6回7安打2四球 3失点
スマイリー    6回2安打2四球 1失点

だが、実際には、表ローテで臨んだデトロイトは1勝2敗と負け越してしまったのであり、その原因を作ったのが、イチローだという話を、以下に書く。



現状のデトロイト投手陣の最大の問題は、
セットアッパーの浴びる長打と、9回の酷さだ。

イニング別チームERAで見ると、6回〜8回のERAが、3.30から3.60(5月10日現在)であまり冴えないが、被打率はそれぞれ、.246、.183、.236で、それなりに抑えてはいるので、セットアッパーが長打を浴びる悪癖さえ直れば、ゲーム中盤のERAはすぐに改善できる。

本当に問題なのは、9回のピッチャーの酷さだ。9回の被打率.356、ERA7.20というのは、優勝候補の下馬評の高かったデトロイトが勝率5割に低迷する原因と、ハッキリ指摘していい。



ブルペンに弱味のあるデトロイトとのゲームにおいて、ゲーム終盤に、冴えないブルペン投手が出てきて失点してくれることは、わかりきったことなのだ。
だから、デトロイト戦でゲーム終盤に出てきた冴えないブルペン投手を打ち、「おいしいところをもっていっただけのヒーロー」になる「運のいいバッター」が出てくることは、「よくある話」であって、メディアがその
「運のいい選手」を(特にシアトルの地元メディアが)ほめそやしたがることに、ほとんど意味はない。


Jason Beckは、MLB公式サイトのデトロイト担当記者だ。
彼がこのシアトル3連戦について書いた「デトロイト側の視点から見た、シアトル3連戦におけるイチローのいやらしさ」についての記述が、非常に面白い。
その視点は、デトロイトのアキレス腱とわかりきっている「ブルペン投手」を打ち、弱点であるクローザーを打って勝ちを拾ったことに、ぬか喜びしているシアトルの単細胞なメディアの視点とは、全く違っている。


まず最初に、
デトロイトが9回裏にサヨナラ負けした5月7日の第1戦
イチローがドーテルから選んだ四球について。

2012年5月7日 9回裏 ドーテルから四球を選ぶイチロー

この日の9回裏のシアトルの打順が、2番から、右のライアン、左のイチロー、右のモンテーロであることを、あらかじめ頭に入れて以下を読んでもらいたい。
Detroit Tigers at Seattle Mariners - May 7, 2012 | MLB.com Gameday

Jason Beckは、リリーフの右腕オクタビオ・ドーテルが、イチローに打順が回る9回裏に登板したことについて、自身のブログに次のようなことを書いている。
Nobody on the Tigers pitching staff owns right-handed hitters like Dotel has over at least the last couple years. And the one lefty Dotel was due to face, Ichiro Suzuki, was 1-for-10 with five strikeouts lifetime against him. By comparison, Ichiro is 5-for-11 off Phil Coke, including 4-for-6 since the start of last season.
(右腕の)ドーテルが少なくともここ数シーズンにわたって右バッターを抑えてきたほど、右バッターを抑えてこれたタイガースのピッチャーはいない。ドーテルが対戦した唯一の左バッター、イチローは、キャリア通算でドーテルに対して、10打数1安打で、5三振を喫している。ちなみに、比較としていうと、フィル・コークは、(本来は左バッターに強いはずの左腕であるにもかかわらず) 昨シーズン序盤の6打数4安打を含めて、11打数で5安打されている。
If you were going to go to the bullpen for the ninth, even with Phil Coke available, Dotel was the most logical option.
もし9回に起用するブルペン投手を選ぶとしたら、まだフィル・コークが使えるケースであったとしても、ドーテルが最も合理的な選択だった。
出典:Taking apart Monday’s walkoff loss « Beck's Blog


Jason Beckの言い分は、しごくもっともだ。

右のドーテルは、もともと右バッターに強いピッチャーで、かつ、左のイチローも抑えてきた。それに対して、左投手の少ないデトロイトで、本来は左に強いはずの貴重な左投手フィル・コークは、イチローに好きなように打たれまくってきた歴史がある。
だから、9回裏同点の場面での右腕ドーテルの登板について、「右、イチロー、右」と続くイニングに登板させる投手として、これ以上の選択はない、と断言するJason Beckの発想に疑問を挟む余地はない。
(彼の発想が、まるで「左右病」から抜け切れておらず、本来、左投手をまるで気にしないイチローの凄さを理解してないものであることは、しかたがない)

キャリアの長い右投手ドーテルの「対イチローのキャリア通算成績」は以下の通り。
資料:Ichiro Suzuki vs. Octavio Dotel, 2002 to 2012, Regular Season and Postseason
たしかに、12打席10打数1安打。イチローがシーズン安打記録を作った2004年でさえ、5打席5三振を喫している。四球も、これまでの12打席で、たったひとつしかない。
まぁ、たった12打席やそこらのサンプル数を根拠に、ピッチャーの左右などほとんど気にしない天才打者イチローをドーテルが抑え込めると考えてしまうのは、あまりにもイチローという打者の凄さを知らなさ過ぎるわけだが、その点はここでは置いておこう。


とにもかくにも、デトロイト側は、「ドーテルでイチローを抑えらえる」と踏んだ。舐めてかかったわけだ。
だが、実際には、イチローは苦手ドーテルから貴重な四球を選ぶことで、サヨナラ劇場のドアを開けたのである。
ドーテルにしてみれば、抑える自信があったはずのイチローに四球を選ばれてしまったことの精神的ショックが、その後の2つのワイルドピッチにつながった、といえば、ちょっと言い過ぎだろうか(笑)

他チームなら、イチローへのワンポイントとして、左投手をリリーフさせるという選択もあるだろう。
だが、右腕だらけのデトロイトには、ただでさえ左投手が少ない。その上、イチローはデトロイトの左のセットアッパー、フィル・コークをまったく苦にせず、打ちまくってきた歴史がある。
イチローは、デトロイトの「鬼門」なのだ。


次に、5月8日第2戦
先発バーランダーから打った先制タイムリーについて。
Detroit Tigers at Seattle Mariners - May 9, 2012 | MLB.com Classic

2012年5月8日 イチロー バーランダーからタイムリー

バーランダーとイチローの過去の対戦成績は、以下の通り。
通算では、打率.333、SLG.451と、バーランダーをずっと打ちこなしてきたイチローだが、不振だった昨年2011年だけは、7打数1安打と、抑え込まれた。ここがポイントだ。
Ichiro Suzuki vs. Justin Verlander, 2006 to 2012, Regular Season and Postseason

イチローを抑える配球パターン、というと、シーズンごとに多少違うが、典型的なパターンのひとつといえば、「外のボールで追い込んでおいてから、インコース低めに『膝元から落ちてワンバウンドになる変化球』を投げて、空振りさせる」という「インローの縦の変化球で、空振り三振パターン」がある。

3回裏にイチローがバーランダーから打った先制タイムリーは、まさにそういう典型的な「インロー、空振り三振パターン」で使われる変化球だ。おそらくバーランダーとしては、ほぼ狙いどおりの球が行っているだけに、「よし! 三振もらった!」 と思ったに違いない。

しかし、結果は先制タイムリー

舐めてもらっちゃ困る。
相手の狙いを打ち砕くタイムリーは、相手の自信を打ち砕く一打でもある。舐めてかかる相手を必ず痛い目にあわせるのが、イチローだ。



次に、5月9日の第3戦
スマイリーから打ったヒットについて。

2012年5月9日 イチロー デトロイト先発スマイリーからヒット

「相手の狙いを打ち砕く」という意味合いは、第1戦のドーテル、第2戦のバーランダーだけでなく、第3戦でイチローが先発スマイリーから打ったチーム最初のヒットにも同じことがいえる。
左腕スマイリーが左のイチローのアウトコースに投げた、クロスファイヤー風に逃げていく絶妙なコースのスライダーを、うまく流し打たれてヒットにされたのだから、打たれたデトロイト側にしてみれば、「してやられた気持ち」になったはずだ。

この2球目が、イチロー対策としてよくある「外のボールで追い込んでおいて、インローにボール球を投げる」というパターン配球の一貫だったかどうかまではわからないが、少なくとも、この外のスライダーで 「よし。イチローをパターンどおり追い込めた」と、バッテリーが考えた瞬間に打たれたヒットであることは、おそらく間違いない。

その証拠に、第1戦におけるデトロイトのイチロー対策失敗にブログで触れていたデトロイト側のビートライター、Jason Beckは、この第3戦でも、イチローについてこんなことを書いている。イチローが6回に打ってアウトになったレフトライナーにまで触れているのだから、よほどショックと悔しさがあったのだろう。

Smyly didn't allow a base hit outside of the fourth inning, when Ichiro Suzuki went to the opposite field on a single and Kyle Seager doubled off the right-field fence for a two-out RBI.
スマイリーは4回まで外野に飛ぶヒットを全く許していなかった。 だが、4回にイチローに流し打ちでヒットされ、カイル・シーガーに2アウトからライトフェンス直撃タイムリーを打たれた。
Just four other balls got out of the infield, with Ichiro's sixth-inning liner to left the only one with much authority. The Mariners swung aggressively, but Smyly and Laird used that against them to change speeds and get swings and misses.
他の外野への飛球はそれまでわずかに4つだったが、しっかりとらえられた打球といえば、イチローの6回のレフトライナーと、このタイムリーだけだった。(以下省略)
Detroit Tigers at Seattle Mariners - May 9, 2012 | MLB.com DET Recap


最初にも書いたように、デトロイトの主力投手は大半が右投手だ。だから、当然のことながら、左の先発スマイリーが今後貴重な存在になることは、言うまでもない。
その貴重な先発左腕の球が、左バッターのイチローにヒットやライナーを打たれた、という事実は、デトロイト側にしてみれば非常に気の重い事実だ。これまで、左のセットアップマン、フィル・コークが、イチローにいいように打たれまくって「カモにされ続けてきた」のと同じように、左腕スマイリーもイチローに打たれまくる未来を予感させるからだ。
右腕の多いデトロイトに新たに登場した新鋭の先発左腕までイチローに「これからずっとカモられる」のでは、デトロイトとしては、たまったものじゃないのである。


デトロイト3連戦におけるゲーム終盤、決定的な弱点であるブルペン投手が登板してくる場面でデトロイトは、イチローを四球で歩かせてマトモにバッティングさせない戦略をとったわけだから、イチローは試合を決定する場面で好調なバッティングを披露するチャンスには恵まれなかった。(もちろん、歩かせたイチローが生還したことでゲームが最終的に決した、という意味で言えば、「ブルペンが弱点だからイチローを歩かせる作戦」はかえって墓穴を掘った


復帰してきたフィスターからいきなり打った初回のツーベース。
苦手ドーテルから選んだ四球。バーランダーから打った先制タイムリー。デトロイト期待の新鋭スマイリーから打ったチーム初ヒット。
こう並べてみたとき、わかるのは、
デトロイトとの3連戦でイチローは、デトロイトのウイークポイントであることがわかりきっているブルペン投手ではなく、むしろ、デトロイトの誇る先発投手3人を全て打ち、また、デトロイトが右バッター対策で獲得した苦手のドーテルから四球を選び、しかも、「イチローを抑えこんできたはずの典型的な配球パターン」を破壊して、この3連戦全ゲームにおいて「ゲームを動かす突破口を築いた」 ことである。

May 10, 2012

4月28日のシアトル戦で、6回を9奪三振で無失点に抑えて勝った元シアトルのローテ投手ブランドン・モローは、その後5月3日のLAA戦(ビジター)でエンゼルスを完封して、見事に3連勝。
今日はホーム、トロントでオークランド戦に登板。こんどは4シーム中心の配球に切り替えて10三振を奪い、6回自責点1の十分過ぎるピッチングでオークランドを苦も無くひねり、無事に4連勝を飾った。
これで、モローは4月23日カンザスシティ戦2回裏に1失点して以降、今日5月9日の5回裏の1失点まで、4登板でおよそ20イニング以上、失点しなかった
Toronto Blue Jays at Oakland Athletics - May 9, 2012 | MLB.com Gameday

5月7日に脇腹痛から復帰したダグ・フィスターが、復帰登板で4シームをわずか2球しか投げず、ほぼ2シーム、カーブ、チェンジアップだけという「変わり身ぶり」を披露してシアトルを完璧に抑えこんだ話を書いたばかりだが、今日のブランドン・モローも、4月28日シアトル戦の配球とは全く違うピッチングを見せた。

以前の記事で、今シーズンのモローは「わずか50数%しかストレートを投げていない」と書いたわけだが、一転して、今日のオークランド戦のモローは一転して114球の投球のうち、71%、81球もの4シームを投げ、かつてのシアトル在籍時代を彷彿とさせる「速球投手ぶり」を、ひさびさに披露してみせた
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年5月7日、ダグ・フィスター、7回を73球無失点でDLから無事復帰。それにしても深刻な「MLB全体のクローザー不足」。


相手のプレーを「分析し、予測し、そして、先回りして叩き潰す」という行為は、MLBの基本中の基本だ。(行き当たりばったりのシアトルは別だが)

例えばダルビッシュだが、今年の成績によって、たとえサイ・ヤング賞を受賞しようと、20勝しようと、来年以降も同じピッチングができるわけはない。相手チームが研究してくる、からだ。ブログ主がダルビッシュについて、個々のゲームの勝ち負けをほとんど書かず、ピッチングフォームについてしか書かないのは、今年の成績なんてものはどうでもいいからだ。

イチローがかつて「3シーズン通用したら、それは通用したと言っていい」という意味のことを言ったが、これはまさに金言である。


現在のトロントの監督は、かつてクリーブランドの選手育成ディレクター、ボストンのピッチングコーチだったジョン・ファレルだが、まだ調べてはいないが、投手の育成に定評のある彼が、監督としてブランドン・モローのピッチングスタイルの幅を広げていく行為にどうかかわり、どう指導しているのかは、非常に気になる。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年5月4日、エリック・ウェッジの無能さを証明する、選手育成部長ジョン・ファレル流出後のクリーブランド・インディアンス没落。


対戦相手のスカウティングの網にひっかかってしまわないために、ローテ投手がいくつかのピッチングスタイルを持てるように、育て上げることは、それを、キャッチャーが助けるのであれ、投手コーチのアドバイスするのであれ、専任のスカウティング担当者がデータで示すのであれ、この「投手の時代」おいては非常に重要な仕事だ。
たったひとつしかスタイルがなければ、早晩、その投手は遠からず「つかまって」しまう。

今日の速球主体のピッチングでブランドン・モローが、かつての速球だけでグイグイ押していくピッチャーに戻るのではない。大事なのは、今のモローは、「相手チームを黙り込ませるだけのピッチングスタイルを、『複数』持っている」ということだ。
そうでなければ、成績を挙げたピッチャーが厳しくスカウティングされるMLBにおいて、内容のともなった4連勝を達成することはできない。


こういうピッチャーの幅を広げていく指導は、選手を育てる能力に欠け、ストレートのみで押していく単調なピッチャーだけしか育てられないシアトルでは、全く不可能だ。まして、ダメ捕手城島にそんな芸当ができるコミュニケーション能力など、昔も今も、まったく備わっていない。

May 08, 2012

今シーズン初登板の4月7日ボストン戦で脇腹を痛めてDL入りしていたダグ・フィスターが戦列復帰。古巣シアトルを7回73球、被安打4で抑えて終えた。全く危なげなかった。
Detroit Tigers at Seattle Mariners - May 7, 2012 | MLB.com Classic


今日のフィスターの投球内容は、2シーム41%、カーブとチェンジアップがそれぞれ22%ずつで、合計85%。記録上は大半の球種が変化するボールで、なんとわずか2球しか4シームを投げていない
打者の手元で動く球を多投した結果、ゴロアウト10に対して、フライアウト4と、何度も繰り返し書いてきたように、完全にいつもの「見事なグラウンドボール・ピッチャー」ぶり。
もしシアトルの打者がフィスターに対して、シアトル時代の4シームばかり投げていたイメージで打席に入っていたとしたら、打てるわけもない。

イチローとの対戦では、第1打席に右中間にライナーの二塁打を放ったイチローが、かつでの同僚に貫録を見せたが、これも打ったのは、2シーム


なおゲームは9回裏にリリーフしたオクタビオ・ドーテルがせっかくのゲームをぶち壊して、シアトルがサヨナラ勝ち。なにか、シアトル時代のフィスターを思い出させるようで、笑うに笑えない。
8回裏に登板したセットアッパー、フィル・コークの出来が完璧だっただけに、デトロイト監督ジム・リーランドの「勝ち運の無さ」も、ここまでくると重症だ。
デトロイトが大金はたいてプリンス・フィルダーを獲得しながら、勝率で5割近辺をウロウロしている原因のひとつは、バッティングが多少湿ってきていることもないではないが、それ以上に、勝ち切れないブルペン投手。(マックス・シャーザーは多少よくなってきている)
アレハンドロ・バルベルデといい、ドーテルといい、先発投手の作る勝ちゲームをキープするだけの力が、今のデトロイトのブルペンにはない。

去年ポストシーズンで大失態を続けたバルベルデだが、ERA5.68、被打率.300、WHIP1.82、セーブ率71.4%というスタッツは、とてもとても、コンテンダーのクローザーと呼べる数値ではない
デトロイトがいつになったら、この図体がデカいだけの軟弱なクローザーにこだわるのを止めるのか知らないが、他地区で優勝の可能性の無いチーム(例えば、WHIP1.000のミネソタのマット・キャップスでも、宝の持ち腐れになっているサンディエゴのヒューストン・ストリートでも誰でもいい)から、さっさとクローザーを引っこ抜いて補強したほうが、チーム勝率アップにつながって、誰もが幸せになれるのは間違いない。



MLBのクローザー不足」は、MLB現地記事を読んでいる人ならわかるように、アメリカのスポーツメディアが「優秀なキャッチャーの不足」とともに、最近繰り返し記事にしている話題で、なにもデトロイトだけに限ったことではない。
今シーズン前のストーブリーグで、フィリーズがボストンのクローザー、ジョナサン・パペルボンに、クローザーとしてはありえない大金をはたいたのを見て、「馬鹿なことをするもんだ」と思っていたが、認識を少しは改めるべきかもしれない。(とはいえ、パペルボンのサラリーはやはり高すぎる)

セーブ数の多いクローザー
(セーブ数/登板数、セーブ%)
クリス・ぺレス      CLE  11/14 91.7%
フェルナンド・ロドニー  TBR  9/15 100%
ジョナサン・パペルボン PHI  9/12 100%
クレイグ・キンブレル   ATL  9/11 90%
フランク・フランシスコ   NYM 9/14 88.9%
ジム・ジョンソン      BAL  8/12 100%
ジャビー・グエラ      LAD  8/14 72.7%

クリーブランド、タンパベイ、ボルチモアと、好調チームのクローザーが見事に並んでいる。やはり、信頼できるクローザーがいるチームは確実に勝率をアップできる。
MLB Baseball Best Closers of 2012 - Major League Baseball - ESPN

セーブ数の少ないクローザー
(セーブ数/登板数、セーブ%)
スコット・ダウンズ     LAA 2/11 50%
フランシスコ・コルデロ  TOR 2/11 50%
ラファエル・ドリス     CHC 2/15 66.7%
ヒース・ベル        MIA 3/11 42.9%
ジェイソン・モット     STL  4/11 80.0%
ヒューストン・ストリート  SD  4/10 100%
ヘクター・サンチアゴ   CHW 4/10 66.7%

こちらのリストには、LAAやMIAのように、「下馬評が高かったのに、順位が低いチーム」がズラリと顔を揃えている(笑)


シアトルのブルペンで言うと、既にツイートしたように、スティーブン・デラバーがクローザーとして使える感じがあり、彼のストレートにもう少しコントロールつけばクローザーとして使えそうなので、この夏はブランドン・リーグ高値で売り払う大きなチャンスだと思う。





May 07, 2012

ノーラン・ライアンがテキサス・レンジャーズ社長に就任したのは、2008年2月。さらに2010年1月にライアンは共同経営者になっている。
ライアンらの投資グループは、かつて大統領選出馬のための資金が必要になったジョージ・ブッシュから250M(=2億5千万ドル)でレンジャーズを買い取ったトム・ヒックスから、チームを買い取ったわけだが、その金額は元値の倍、500M(=5億ドル)以上といわれている。そしてテキサスは2010年に11年ぶりの地区優勝を成し遂げることになる。


以下に、2000年以降の10年間のア・リーグ全チームの平均ERAと、テキサス・レンジャーズのチームERA(防御率)の変遷を、グラフにしてみた。2つの事実を見るためだ。

1) 2000年代終盤のア・リーグ平均ERAは、全体として改善されていく傾向にあり、「投手の時代」に向かっていることが明確になっていた。

2) テキサスのチームERAは、2000年代中期までは常にリーグ平均より遥かに悪い数値だったが、ノーラン・ライアンが社長就任した2008年シーズンを境にして、劇的に改善されていき、ついにはア・リーグの改善トレンドを越え、リーグ平均より良い数値にまで到達した。

横軸: 時間軸(1=2001年 2=2002年・・・11=2011年)
青い折れ線: テキサスのチームERA
赤い折れ線: ア・リーグ全チームの平均ERA
曲線: それぞれの近似曲線(3次)
リーグとテキサスのERAの変遷比較

なお、上のグラフだけでは、「2000年代終盤のア・リーグ全体のERAは、かなり改善傾向を示していた」という点がわかりにくいと思うので、縦軸を縦方向に大きく引き延ばし、変化をより強調したグラフを作ってみた。
変化を強調したこちらのグラフで見れば、いかに「ア・リーグが、2008年以降変わっていっていたか」が、よりわかりやすく見えてくると思う。

赤い折れ線: ア・リーグ全チームの平均ERA
曲線: 近似曲線(3次)
リーグERAの変遷


これらのグラフを見るときに、頭の隅に入れておかなければならないことがいくつかあるのだが、最も大きなファクターのひとつが、ヤンキース移籍後のアレックス・ロドリゲスに対するテキサスの年棒負担の問題だ。

テキサスは2001年にシアトルから、10年総額252M(2億5200万ドル)でA・ロッドを獲得した。(これはなんと、かつてトム・ヒックスがジョージ・ブッシュに払ったチーム買い取り金額と、ほぼ同額の大金)
だがテキサスのチームERA変遷グラフからわかる通り、2000年初頭〜中期のテキサスの防御率は酷いものであり、いくらA・ロッドがステロイドを使用してホームランを打ちまくろうが焼石に水で、チーム低迷は改善できなかった。
そのため、やがてテキサスはA・ロッドをヤンキースに手放さざるをえなくなるのだが、このときテキサス側は、A・ロッドの残り年棒179Mのうち、約3分の1、67Mを引き続き負担しなければならなかった。
この重い金銭負担が、2000年代中期のレンジャーズのチーム再建に大変な足かせとなった

The Rangers also agreed to pay $67 million of the $179 million left on Rodriguez's contract.
Alex Rodriguez - Wikipedia, the free encyclopedia



なにも、2000年代終盤にテキサスだけがチームERAを改善していたわけではなく、ア・リーグ全体としてERAは改善傾向にあった。
だが、問題なのは、投手の時代に向かう動きが、1シーズン限りではなく、潮流の変動であることに早くから気づいて、「意図的に」チームカラー変更に着手できたかどうかだ。
2000年代末のア・リーグに、こうした時代の変化について「チーム方針として」きちんと対応しきれたチームが多かったとは、全く思わない。


例えば「シアトル」だ。

たしかに、2009年以降のシアトルのチームERAが、テキサスのチームERAが2009年以降改善されていったのと同じように、2009年にが1点近く劇的に改善されているため、シアトルのチーム方針が投手の時代に向かいつつあったと勘違いする人もいるだろう。
参考:シアトルのチームERA
2007 4.73
2008 4.73
2009 3.87
2010 3.93
2011 3.90

だが、2009年のシアトルのチームERAの変化は、チームが意図した変化でもなければ、ポジティブな変化でもない。まして、時代の変化を先取りしたチーム側が、チームコンセプトを変えたためでもない
2009年のシアトルの変化は「ネガティブな変化」、つまり、ただ単にチームがチームを腐敗させつつあった「城島問題」に、何も対策しないどころか、むしろチームと城島が優遇契約を交わすという腐った対応をしたことに業を煮やしたローテ投手3人が、自主的にダメ捕手城島とのバッテリーを全面拒否したことで、ダメ捕手がようやく正捕手からはずされ、対応が遅れに遅れ、間違った対応だけが続けられてきた「城島問題」にようやくケリがつけられた、それだけのことだ。
あのあまりにも馬鹿げた「城島問題」の処理が、もっと早く、それもチーム主導でできていたなら、もっとマトモなチームになるチャンスがあった。
チームに頼らない選手自身の手による解決という、前代未聞の方法で解決された城島問題」後のシアトルは、「もともと優秀だったローテ投手たちのERAが、本来の数値レンジに戻っただけ」であり、無能GMズレンシックが潮流の変化に気づいてチーム方針を転換したからでもなんでもない。

当のシアトルとズレンシックが、時代の変化を先取りするどころか、変化をまるで理解していなかった証拠に、GMズレンシックは、チーム本来のストロング・ポイントであり、また2010年代以降の時代のニーズでもある「ローテーション投手」(ウオッシュバーン、クリフ・リー、ブランドン・モロー、ダグ・フィスター、マイケル・ピネダなど)を同一リーグのコンテンダーに安売り、切り売りする馬鹿トレードを毎年のように実行しては、毎年のようにフィギンズ、ブラッドリー、グリフィー、バーンズ、ジャック・ウェイルソン、グティエレス、スモーク、ライアン、ウェルズ、モンテーロと、野手に投資しては、自分たちのお気に入り選手ばかり重用し、失敗した野手投資の後処理すらマトモにできないGMと監督であるにもかかわらず、時代の読めない地元メディアと日米の一部ファンとがそれを毎年追認して、挙句にはチームの得点力が足りないからというわけのわからない屁理屈で3000本安打という大記録達成を目指し盗塁もできる稀代の1番打者イチローに3番を押し付ける愚行までしている、のである。

ズレンシックが掲げて大失敗した「超守備的」というわけのわからないチームコンセプトにしたところで、あんなものは「単なる机上の思い付き」に過ぎず、「投手の時代」とは全く関係ない。また野手のひとりやふたり程度が多少の成功をおさめようが、愚鈍さと愚行が救われるわけでもなんでもない。
また近年の「育成モード」も、本当の意味でのチーム再建でもなんでもなく、単にかつてズレンシックの獲ってきた野手があまりにも使いものにならなくて店(=観客動員)が閑散としてきたので、あわててマイナーの選手をごっそり上げてきて店頭に並べているだけに過ぎない。


同じことは、先日記事にした2000年代クリーブランドの失態にも言える。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年5月4日、エリック・ウェッジの無能さを証明する、選手育成部長ジョン・ファレル流出後のクリーブランド・インディアンス没落。
ア・リーグ全体がひそかに「投手の時代」に向かって進んでいた2000年代中期に、クリーブランドはせっかくの分厚い選手層を抱えながら、「投手というものをまるで理解する能力の無い、投手起用の超下手クソな監督」エリック・ウェッジを起用し続けて大失敗を犯し、CC・サバシアクリフ・リーの生え抜きローテ投手2本柱を失って、他の多くのチームのERAが改善されていった2009年に、クリーブランドはチームERAを5点台にまで悪化させている。
たとえクリーブランドが近年になってようやくデレク・ロウウバルド・ヒメネスといったFA先発投手に投資することで、かつての馬鹿げたチームマネジメントの大失態からやや立ち直り、「投打のかみあったチームを目指すという常識」を取り戻しつつあるとはいえ、時代への対応に数シーズンは立ち遅れたクリーブランドが「ERA3点台の時代」「投手の時代」に追いつくまでの時間に、既に先行投資を追えたテキサスやデトロイトが時代をリードし、ボルチモアやトロント、タンパベイなどもチーム改革に取り組んで十分な成果を挙げはじめているとあっては、もうなまやさしいことではア・リーグ制覇はできない。

ちなみに、
クリーブランドは2010年に1試合あたりの観客動員数23,357人で、MLB最少観客動員数の球団だった(ホーム、アウェイの合計)。そして2012年5月7日現在、地区首位であるにもかかわらず、17,164人と、またもやMLBで最も観客動員の少ない球団になっている。1試合あたり2万人を切ったのは、2005年以降では、クリーブランドのみ。
2012 MLB Attendance - Major League Baseball - ESPN


社長に就任して以降のノーラン・ライアンのチーム改革の詳細な中身はあまりわからない。
だが、それにしたって、外から見ているだけでもデレク・ホランドトミー・ハンターネフタリ・フェリースを育て、CJウィルソンスコット・フェルドマンなどを大成させてもきた最近のテキサス・レンジャーズのローテ投手たちの選手層の厚さを見れば、ノーラン・ライアンが2008年の社長就任後から確実に進めてきたチーム改革事業の歩みの重さがわかろうというものだ。ダルビッシュ獲得も、そうしたノーラン・ライアンの敷いたレールの上にある。


やはり「変化」というものは、
時間がたってから気づくのでは、遅すぎるのだ。







May 04, 2012

トロントのブランドン・モローがエンゼルスをわずか102球で完封して、3勝目。ヴェテランのダン・ヘイレンとの投げ合いだったが、一歩も引かないどころか、ワンランク上を行くピッチングをみせたのだから、たいしたものだ。
Toronto Blue Jays at Los Angeles Angels - May 3, 2012 | MLB.com Classic

モローについて前回書いた記事で、今シーズンのモローの配球の特徴について「シアトル時代には配球の70%以上がストレートで、ストレートばかり投げては狙い打たれていたが、今はわずか50数%しか4シームを投げていない」と、近年のモローの変化球多用について書いたわけだが、今日はなんと前の登板とガラリと変わって、全投球の74%、つまり4球のうち3球で4シームを投げ、ほぼストレートのみで知将マイク・ソーシアの裏をかいて、エンゼルスを押しつぶしてみせるという離れ業をみせた。(だからといって、シーズンスタッツで、モローのストレート率が急上昇したわけではない)

いやはや、エンゼルスのような、「三度のメシより分析が好きなチーム」を相手に、得意のスカウティングを不発に終わらせ、バッターに的を絞らせない工夫をしてくるとは。おそれいった。前回登板でイチローにスプリットまで投げていた投手とは、とても思えない。
クリーブランドでも、ボストンでも、選手を育てる手腕の高さで名をはせたジョン・ファレルが監督をしているだけのことはある。
参考記事:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年4月28日、「アウトローにストレートが最も手堅い」などというダメ捕手発想など通用しないのがMLB。エドウィン・エンカルナシオンの初球満塁ホームラン。


トロント・ブルージェイズの現在の監督ジョン・ファレルは、かつてクリーブランドでエリック・ウェッジが監督になる2年も前から、選手育成ディレクター (director of player development)をやっていて、CC・サバシアクリフ・リービクター・マルティネスグレイディ・サイズモアなど、クリーブランド生え抜き選手の大成に深くかかわった。

その後、腕を見込まれて2007年からボストンでピッチングコーチに就任。ジョシュ・ベケットジョン・レスタークレイ・バックホルツを育て上げつつ、就任1年目にしてボストンのチーム防御率を前年から1点以上改善してア・リーグ1位の投手陣に押し上げ、ワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。そして2010年10月トロントで、ついに「監督の座」を射止めた。
ボストンのチーム防御率
2006年 5.09
2007年 4.06 ジョン・ファレル Pコーチ就任(WS優勝)
2008年 4.28
2009年 4.54
2010年 4.59 ジョン・ファレル、トロントの監督に
2011年 4.55 
2012年 5.54



ジョン・ファレルとエリック・ウェッジの関係で、特に皮肉なドラマと言えるのは、2007年のア・リーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS)だ。
十分な戦力をもちながら、なかなか地区優勝できないエリック・ウェッジのクリーブランドは、サバシアとカルモナ*1の2投手が19勝ずつすることで、ようやく6年ぶりの地区優勝にこぎつけたのだが、リーグチャンピオンシップで、前年までクリーブランドの選手育成ディレクターだったファレルがピッチングコーチに就任したボストンと対戦するものの、1勝3敗から逆転を許して劇的に敗退。
ボストンは勢いそのままにワールドシリーズ制覇を遂げために、ファレルはチャンピオンリングを手に入れたのだが、エリック・ウェッジはその後の2年間の不振から、クリーブランド監督をクビになった。
*1 在籍時期の重なりが少ないカルモナには、ジョン・ファレルはあまり関わっていない


シアトルが、他チームをクビになった人間をを監督に採用したのは、おそらく 「ウェッジは若手育成のうまい監督だから」 なんていうわけのわからない理由だったのだろうが、人を見る目がないにも程がある
かつてのボストンの躍進に関してテオ・エプスタインの手腕を評価している人間と同じで、シアトルは、2000年代のクリーブランドで、「誰が本当のキーマンだったか」を見抜きもしないまま、チームの運命をまかせっきりにしたのだから、おそれいる。

例えば、
クリーブランドのファームシステムが高く評価されていた2003年、監督ウェッジは就任1年目でまだ何もしておらず、ファームを整備していたのは、既に2001年から選手育成ディレクターをしていたファレルなどの功績であり、ウェッジではない。
During Farrell's time in Cleveland, the Indians received Organization of the Year honours from USA Today (2003-04) and their farm system was ranked No. 1 by Baseball America (2003).
Blue Jays name Farrell new manager | bluejays.com: News



以下に挙げたのは、2001年からの約10年間のクリーブランド・インディアンスのウェッジ、ファレル、主力選手それぞれの在籍期間とチーム勝率を重ね合わせたグラフ。(クリックすると別窓で大きなグラフが開く)

クリーブランドの勝率変遷とジョン・ファレル

CCサバシア、クリフ・リーと、2人のサイ・ヤング賞投手に加えて、好調時のカルモナと、最強クラスのローテ投手を抱えながら、7年間ものエリック・ウェッジ在任時代に、クリーブランドはたった1度しか地区優勝(2007)していない

それどころか、ウェッジの監督在任中、これほどの戦力がありながら、チーム勝率が5割を超えたことは、たったの2度しかない

当時のクリーブランドが、才能溢れる選手たちが集まっていたから多少は勝てたものの、それでも、十二分に彼らの才能を引き出せる指導者に恵まれてはいなかったことが、10年単位で振り返ると、よくわかる。
シアトルにおいても選手起用、特に投手起用に常に最悪の采配を見せ続けている監督ウェッジの手腕が、実はクリーブランド時代から最悪なものだったことが、上にまとめた図からよくわかるというものだ。
もしウェッジの采配が本当に素晴らしいものだったなら、クリーブランドは長く続く黄金時代を迎えることができ、クリフ・リーやサバシアといったMLBを代表するような名投手たちを次々に手放すようなハメにならずに済んだだろう。

エリック・ウェッジがクリーブランドをクビになった理由の一端については、以下の記事を参照 ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月21日、エリック・ウェッジが2009年にクリーブランド監督をクビになった原因は、2011年シアトルでやってきたチーム運営の問題点の数々とほとんどダブっているという事実。

2000年代クリーブランドの、ほんのわずかな好調期を演出したのは、無能なエリック・ウェッジの奇をてらった采配や、片寄った選手起用によるものではなく、選手育成部長ジョン・ファレルの用意した選手層の厚さである。
このことは、選手育成部長ジョン・ファレルのボストン移籍以降、クリーブランドのチーム勝率が急激に右肩下がりにV字降下し、2009年にはわずか4割程度になって、有力選手の大半を放出せざるをえなくなって、監督エリック・ウェッジが問答無用にクビにされた事実で、十分過ぎるほど、証明されている。



ちなみに、以前、2000年代の10年間にボストンで活躍した豊富過ぎるほどの人材を用意したのが、元GMテオ・エプスタインではなく、エプスタインの前任者ダン・デュケットであって、テオ・エプスタイン、ビル・ジェームス、さらにはビリー・ビーン、マネーボールなどの評価を、「格下げ」、「ダウングレード」する必要があることについて書いた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年11月8日、ボストンの2004年ワールドシリーズ制覇におけるダン・デュケットの業績を振り返りつつ、テオ・エプスタイン、ビル・ジェームス、マネーボールの「過大評価」を下方修正する。

この「2000年代のボストンの選手層の厚さ」について、ダン・デュケットの「選手獲得」の手腕と功績の再評価が必要なのと同様に、ジョン・ファレルが、ダン・デュケット時代の選手たちを「育成」したことの手腕と功績の再評価も必要だろう。
そのことは同時に、テオ・エプスタインと、その周辺のセイバー関係者の「上げ底評価」を、さらにもう一段下げる必要があることも意味している。

May 03, 2012

イチロー、キャリアハイ10刺殺の球団新記録
BGM:『Bolero』(1928年 モーリス・ラヴェル)
強烈にスライスしながら落下してくる難しい打球を、しっかり視界にとらえつつ右足で強く踏み切り、虚空を左から右へ飛翔しながら捕球する『エア・イチロー』。『まるで空中で静止したよう』と評されたニジンスキー(1890-1950)の跳躍の飛距離と高さ、ジョルジュ・ドン(1947-1992)のごとくのしなやかな航跡である。

ジョルジュ・ドン





IZといえば、1993年のミュージカル映画『The Wizard of Oz(オズの魔法使い)』でジュディ・ガーランドが歌った主題歌"Over the Rainbow"をカバーしてヒットさせたハワイ・ホノルル生まれのミュージシャンだが、MLBでOZといえば、いうまでもなくゴールドグラブ13回受賞の、『The Wizard of Oz』こと、オジー・スミス(Ozzie Smith)だ。

Ozzie Smithの華麗なショートの守備


今日の2安打で、イチローは、キャリア通算ヒット数2460本で歴代104位に並んでいたオジー・スミスを抜いた。歴代100位以内になる日も、そう遠くない。
このこと自体は既にそうなるのがわかっていたことであり、単なる通過点に過ぎない。目標は、もっとずっとずっと先にある。
Career Leaders & Records for Hits - Baseball-Reference.com


名ショート、オジー・スミスの足跡で素晴らしいのは、ヒット数ではなく、やはり13回のゴールドグラブ賞受賞だ。1980年から13回連続で受賞し、彼の華麗な守備は『オズの魔法使い』と讃えられた。

MLBで10回以上ゴールドグラブを受賞した選手は、10回受賞の『エリア51』イチローを含め、長いMLB史でも、たった16人しかいない。
イチローがあと何度受賞できるかわからないが、イチローがあと2回受賞すると、ロベルト・クレメンテ、ウィリー・メイズと並んで、MLB外野手部門トップの受賞回数になるだけに、最低2回受賞してほしいと常に思っている。

キャリア通算ゴールドグラブ受賞回数
18回 Greg Maddux
16回 Jim Kaat, Brooks Robinson
13回 Ivan Rodriguez, Ozzie Smith
12回 Roberto Clemente, Willie Mays
11回 Keith Hernandez
10回 イチロー, Johnny Bench, Roberto Alomar, Mike Schmidt, Omar Vizquel, Ken Griffey, Andruw Jones, Al Kaline

MLB National League Gold Glove Award Winners - Baseball-Reference.com


ちなみに、今日のゲームの刺殺数10は、イチローのキャリアハイであると同時に、球団新記録。記念に、今日9個目のファインキャッチを連続写真風に加工してみたのが、最初に挙げた写真だ。
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@TB: Ichiro sets team record with 10 putouts - Video | MLB.com: Multimedia

追記:
2012年5月2日 タンパベイ第4戦のファインキャッチ
これも冒頭の画像のスライスする打球同様に、見た目よりずっと難しいキャッチ。最後の最後にグッとひと伸びした右中間の打球を、ジャンプしつつ腕を目一杯伸ばしてつかまえた。

2012年5月2日 タンパベイ第4戦のファインキャッチ

May 01, 2012

MLBファンにとって「大魔神」といえば、もちろん、2000年ア・リーグ新人王を獲得したシアトルのクローザー佐々木主浩さんだが、彼のニックネームの元になった1966年の大映映画『大魔神』シリーズで、大魔神の着ぐるみを着て演じたスーツアクター(この言葉は和製英語で、ハリウッドにおいてはスタントマンの仕事の一部)が、実は、1953年に毎日オリオンズに入団し外野手として活躍した橋本力(はしもと ちから)さんであることは、有名な話。


橋本力さんの映画界入りは、1959年に怪我で二軍落ちしていた際に、大毎オリオンズの親会社、大映が製作した野球映画 『一刀斎は背番号6』に誘われて、アドバイザー兼選手役で出演したのがきっかけ。
撮影中、橋本さんは外野でのダイビングキャッチを演じた際、鎖骨を骨折してしまい、その怪我がもとで同年オフに引退した。
だが、大映関係者が映画撮影中の事故がもと野球引退に追い込まれた橋本さんを不憫に思って俳優の道に誘い、それが後に1966年の大ヒット作『大魔神』シリーズのスーツアクターへの抜擢につながった。

ちなみに、『一刀斎は背番号6』には、稲尾和久中西太豊田泰光といった当時の西鉄の中心プレーヤーや、別府星野組・オリオンズで西本幸雄さんとともにプレーし、1953年日米野球で完投勝利も収めている「和製火の玉投手」荒巻淳に並んで、あの榎本喜八が出演して台詞をしゃべっているというのだから、この映画は野球史的希少価値がある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年3月30日、1958年ドジャース、ジャイアンツ西海岸移転に始まる「ボールパーク・ドミノ」 (5)番外編 元祖「安打製造機」 榎本喜八にとっての『故郷』、東京スタジアム。

大映映画のクレジット

大魔神ポスター芋の粉やコルク屑、炭粉を使った粉塵が飛び交う撮影中、橋本力さんの大魔神起用を発案した特撮監督黒田義之氏から「目をカッと見開いているように」言われた橋本さんは、必死に目を開け続けたために目が充血してしまい、それがかえって非常に大魔神のリアリティある演技につながったらしい。
この大魔神における黒田義之氏独特の演出を見た円谷プロ社長円谷一は、黒田氏を円谷プロ作品に起用、『ミラーマン』などの作品が生み出された。


Youtubeにアップされていた『DAIMAJIN』。1時間24分あるところをみると、フルバージョンではないかと思われる。


その後橋本力さんは、1971年に大映が倒産すると、大映で座頭市シリーズをヒットさせていた勝新太郎の「勝プロダクション」に移籍するのだが、なんと、翌1972年に香港映画『ドラゴン怒りの鉄拳』(原題 "Fist of Fury" )で、あのブルース・リーとの共演を果たすことになる。

ブルース・リーに蹴り出されるスタントマン時代のジャッキー・チェン
ちなみに、この映画のラストシーンで橋本力さん演じる日本人が、ブルース・リーの飛び蹴りを受けて障子を突き破って庭までぶっ飛ばされるシーンを演じたのは、スタントマン時代のジャッキー・チェン

ドラゴン怒りの鉄拳に出演した橋本力さん



『ドラゴン怒りの鉄拳』ラストシーン。11分過ぎに、ジャッキー・チェンがブルース・リーの飛び蹴りを受けて庭に吹っ飛ばされるスタントシーンがある。



ブルース・リー、というと、香港のカンフー映画のイメージが強すぎるため、どうしても生粋の香港人と思われがち*1(そしてブルース・リーに関する数多くの議論が、彼の『出演映画における役どころ』と『ブルース・リー自身』を混同してもいる)だが、実際には、彼は1940年サンフランシスコ生まれで、アメリカで出生しているためにアメリカの永住権も持ち、シアトルのワシントン大学卒業生でもある。(妻リンダ・エメリーもワシントン大学医学部の学生)
彼はたしかに18歳まで香港に住んではいたが、1959年サンフランシスコに戻って数ヶ月暮らした後、シアトルに移り住んだ。(当時はシアトルにMLBの球団はない)後に1973年に亡くなったときも、葬儀こそ、香港とシアトルの両方で行われたが、彼の遺体が埋葬されたのはシアトル郊外の墓地 Lake View Cemeteryである。
*1 関係ないといえばないが、『スター・トレック』シリーズに出演していたHikaru Sulu(=日本語吹き替え版でいう『カトー』。これは日本の制作会社がつけた名前なので、アメリカでこの名前を出しても話は通じない)を演じた俳優は、中国人であると、勘違いしている人が、特に一定の年齢層の人に多い。
たしかに、かつてのアメリカ映画で、日本人役を実際には中国人などが演じるパターンは多数見られたわけだが、スター・トレックの『カトー』を演じたのは、広島県生まれの祖父母と山梨県生まれの父親をもつ、れっきとした日系二世のジョージ・タケイ氏。同じような例として、1964年の『007ゴールドフィンガー』で帽子を投げる悪役を演じたホノルル生まれの日系二世ハロルド・サカタ氏も、中国系と勘違いされやすい

赤いマーカー:Lake View Cemetery
青いマーカー:Seattle Central Community College
緑のマーカー:Safeco Field



シアトルに移り住んだブルース・リーは、まずキャピトル・ヒルにあるEdison Technical School(=現在のSeattle Central Community College*2)で学んだ後、ワシントン大学(The University of Washington, UW)に進学して演劇を専攻している。
*2 日本のWikiでは、シアトルでブルース・リーが最初に入学した学校の名称を、Seattle Central Community Collegeとしているが、それはこの学校が1966年に改組されて以降の名称であり、ブルース・リー入学当時の学校名は、Edison Technical School とするのが正しい

ワシントン大学のエンブレムワシントン大学の
エンブレム

ワシントン大学におけるブルース・リーの専攻科目はどういうわけか、日本のWikiをはじめとする多数のサイトに、「哲学科」とする誤った記述がみられるが、これは間違いだ。(原因はたぶん生前のブルース・リー自身の発言等だろう)

ワシントン大学卒業生の動向をまとめているThe University of Washington Alumni Magazine (Alumniは「卒業生」という意味)が、ブルース・リーを"100 Alumni of the Century"(=20世紀の卒業生100人)に選定したときのコメントに、ハッキリ「drama major、演劇専攻」と明記されている。
また、アメリカの他の大半のソースでも「ブルース・リーは演劇専攻で、哲学あるいは心理学のクラスも受けていた」というような表記をされているし、また、「ブルース・リーは哲学専攻」という古くからある間違った主張を否定するソースも簡単に見つけることができる。
Attended the UW from 1961 to 1964 as a drama major

出典:100 Alumni of the Century, J-O



非常に興味深いのは、このブログで何度も書いてきた1958年にブルックリン・ドジャースとニューヨーク・ジャイアンツが西海岸に移転してきた直後のサンフランシスコに、ほんの数ヶ月の期間とはいえ、若き日のブルース・リーと、まだ世間に知られる前のリチャード・ブローティガンが、まったく同時期に住んでいたことだ。

この偶然はちょっと凄い。

1959年のブローティガンといえば、サンフランシスコに出てきて、以前とりあげた "A Baseball Game" を含む "The Galilee Hitch-Hiker" という作品を出した1958年の翌年であり、新たに "Lay the Marble Tea" という作品をリリースしている。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年3月6日、リチャード・ブローティガン 『A Baseball Game』の野球史的解釈。 「1958年の西海岸」という特別な年、特別な場所。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「1958年の西海岸」 特別な年、特罰な場所。


A.J.バーネットはどうやら熱心なブルース・リーファンらしいが(笑)、こうなってくると、どうしても気になるのは、ブルース・リーが、サンフランシスコ在住時代、あるいは、ワシントン大学在学時代に、野球に興味があったかどうか、または、ボールパークに足を運んだことがあったかどうか、あるいは、ブルース・リーが当時のサンフランシスコのビート文化を知っていたかどうかだが、それはまた、おいおい調べてみることにする。

西海岸に拡大したMLB、あるいはサンフランシスコのビート文化(またはもっと後のヒッピー文化)と、ブルース・リーの間に、どういう繋がりがみつかるか、これからのお楽しみだ。


だが、まぁ、そんな小難しい話より、単純に興奮するのは、
ニューヨークから西海岸にドジャースとジャイアンツがやってきた1958年の翌年、1959年のサンフランシスコのとある街角で、ワシントン州タコマから都会のサンフランシスコに出てきたばかりの若き日のリチャード・ブローティガンと、一時住んでいた香港から帰国したばかりで、やがてシアトルに引っ越すことになる10代のブルース・リーが、サンフランシスコのどこかですれ違っていたかもしれないということである。
少なくとも、そう夢想してみるだけでも、なにかこう、意味もなくワクワクしてくる(笑)


サンフランシスコにニューヨークからジャイアンツが移転してきて作ったボールパーク、キャンドルスティック・パークに憧れて、自分の夢のスタジアムを作ってしまった映画会社社長がオーナーをつとめるプロの野球チームに所属する選手が、映画出演の怪我がもとで野球を引退し、やがてサンフランシスコ生まれのカンフースターの主演映画に出演したこと。
サンフランシスコ生まれでシアトルに埋葬されたカンフースターと、シアトル郊外に生まれ、サンフランシスコのビート文化と関わりのあった詩人が、同じ年に同じサンフランシスコに暮らしていたこと。

こんな映画を越える予想外の展開は
「運命の糸に引き寄せられたドラマ」と言うほかない。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年3月21日、1958年ドジャース、ジャイアンツ西海岸移転に始まる「ボールパーク・ドミノ」  (3)キャンドルスティック・パーク、ドジャー・スタジアム、シェイ・スタジアムの開場

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年3月23日、1958年ドジャース、ジャイアンツ西海岸移転に始まる「ボールパーク・ドミノ」  (4)夢の東京スタジアムの誕生

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  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。



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